(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6388982
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】特にハイブリッド駆動装置を備える自動車のための内燃機関の排気装置用マフラ
(51)【国際特許分類】
F01N 5/02 20060101AFI20180903BHJP
B60K 6/40 20071001ALI20180903BHJP
【FI】
F01N5/02 CZHV
F01N5/02 K
B60K6/40
【請求項の数】24
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-101812(P2017-101812)
(22)【出願日】2017年5月23日
(65)【公開番号】特開2017-214925(P2017-214925A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2017年5月23日
(31)【優先権主張番号】10 2016 109 388.2
(32)【優先日】2016年5月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513212291
【氏名又は名称】エーバーシュペッヒャー・エグゾースト・テクノロジー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヤン クリューガー
(72)【発明者】
【氏名】ゲアト ガイザー
【審査官】
首藤 崇聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−032561(JP,A)
【文献】
特開2007−113559(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02559870(EP,A1)
【文献】
特公昭48−034004(JP,B1)
【文献】
実開昭62−102813(JP,U)
【文献】
特開昭62−240415(JP,A)
【文献】
実開平01−088017(JP,U)
【文献】
欧州特許出願公開第01760279(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 5/02
F01N 1/00 − 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気装置用マフラであって、
マフラケーシング(12)と、
前記マフラケーシング(12)内に配置された、伝熱媒体及び燃焼排気が通流可能な、燃焼排気から伝熱媒体に熱伝達する熱交換器ユニット(48)と、
燃焼排気を前記マフラケーシング(12)内へ導入する流入管(38)と、
燃焼排気を前記マフラケーシング(12)から導出する第1の流出管(52)と、
燃焼排気を前記マフラケーシング(12)から導出する第2の流出管(40)と、
流路開閉ユニット(58)と、
を有し、
前記マフラケーシング(12)内に、燃焼排気を前記熱交換器ユニット(48)を通して前記第1の流出管(52)に案内する第1の排気流路(54)が設けられており、
前記マフラケーシング(12)内に、燃焼排気を前記熱交換器ユニット(48)を迂回して前記第2の流出管(40)に案内する第2の排気流路(56)が設けられており、
前記流路開閉ユニット(58)により、前記第1の排気流路(54)と前記第2の排気流路(56)のうちの少なくとも1つの排気流路(54,56)が選択的に開閉されることを特徴とする、マフラ。
【請求項2】
前記流路開閉ユニット(58)は、前記第1の流出管(52)に対応して配置された流路開閉機構(60)を有し、該流路開閉機構(60)は、前記第1の流出管(52)を通流のために開放する開放位置と、前記第1の流出管(52)を通流させないように実質的に遮蔽する遮蔽位置との間で変位可能である、請求項1記載のマフラ。
【請求項3】
前記流路開閉機構(60)は前記第1の流出管(52)内で、前記マフラケーシング(12)の外側の領域に配置されている、請求項2記載のマフラ。
【請求項4】
前記流路開閉ユニット(58)は、前記第2の流出管(40)に対応して配置された流路開閉機構(60)を有し、該流路開閉機構(60)は、前記第2の流出管(40)を通流のために開放する開放位置と、前記第2の流出管(40)を通流させないように実質的に遮蔽する遮蔽位置との間で変位可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載のマフラ。
【請求項5】
前記流路開閉機構(60)は前記第2の流出管(40)内で、前記マフラケーシング(12)の外側の領域に配置されている、請求項4記載のマフラ。
【請求項6】
前記マフラケーシング(12)内に第1の室(20)が設けられており、前記流入管(38)は、前記第1の室(20)に対して開放されており、前記第1の排気流路(54)に前記第1の室(20)が含まれており、前記熱交換器ユニット(48)は、前記第1の室(20)に対して開放された排気流入領域(49)と、前記第1の流出管(52)に対して開放された排気流出領域(53)とを有している、請求項1から5までのいずれか1項記載のマフラ。
【請求項7】
前記マフラケーシング(12)内に第2の室(22)が設けられており、該第2の室(22)は、少なくとも部分的に音響減衰材料(42)で満たされている、請求項1から6までのいずれか1項記載のマフラ。
【請求項8】
前記流入管(38)は前記第2の室(22)に対して開放されている、請求項7記載のマフラ。
【請求項9】
前記流入管(38)、又は前記流入管(38)に接続された管、又は前記流入管(38)に続く管は、前記第2の室(22)を貫通していると共に、前記第2の室(22)に対して開放された開口ユニット(44)を有している、請求項7又は8記載のマフラ。
【請求項10】
前記第2の流出管(40)、又は前記第2の流出管(40)に接続された管、又は前記第2の流出管(40)に続く管は、前記第2の室(22)に対して開放されている、請求項7から9までのいずれか1項記載のマフラ。
【請求項11】
前記流入管(38)と前記第2の流出管(40)とを提供している排気管(36)が、前記第1の室(20)と前記第2の室(22)とを貫通していると共に、前記開口ユニット(44)を介して前記第2の室(22)に対して開放されている、請求項6を引用する請求項9及び10記載のマフラ。
【請求項12】
前記マフラケーシング(12)内に第3の室(24)が設けられており、前記第2の流出管(40)、又は前記第2の流出管(40)に接続された管、又は前記第2の流出管(40)に続く管は、前記第3の室(24)に対して開放されている、請求項6又は請求項6を引用する請求項7から11までのいずれか1項記載のマフラ。
【請求項13】
前記マフラケーシング(12)内に、前記熱交換器ユニット(48)を少なくとも部分的に含む第4の室(26)が設けられており、該第4の室(26)は、前記排気流入領域(49)の範囲において、前記第1の室(20)に対して開放されており、前記排気流出領域(53)の範囲では、前記第1の流出管(52)、又は前記第1の流出管(52)に接続された管、又は前記第1の流出管(52)に続く管が、前記第4の室(26)に対して開口している、請求項6又は請求項6を引用する請求項7から12までのいずれか1項記載のマフラ。
【請求項14】
前記流入管(38)、又は前記流入管(38)に接続された管、又は前記流入管(38)に続く管は、そこから分岐する分岐管(46)を介して、前記第1の室(20)に対して開口している、請求項6又は請求項6を引用する請求項7から13までのいずれか1項記載のマフラ。
【請求項15】
前記第2の流出管(40)、又は前記第2の流出管(40)に接続された管、又は前記第2の流出管(40)に続く管は、開口ユニット(44)を介して前記第3の室(24)に対して開放されている、請求項12及び14記載のマフラ。
【請求項16】
前記流路開閉ユニット(58)は、前記第1の流出管(52)に対応して配置された流路開閉機構(60)を有している、請求項14又は15記載のマフラ。
【請求項17】
前記流入管(38)、又は前記流入管(38)に接続された管、又は前記流入管(38)に続く管は、前記第1の室(20)に対して開口ユニット(44)を介して開放されている、請求項6又は請求項6を引用する請求項7から13までのいずれか1項記載のマフラ。
【請求項18】
前記第2の流出管(40)、又は前記第2の流出管(40)に接続された管、又は前記第2の流出管(40)に続く管は、そこから分岐する分岐管(46)を介して前記第3の室(24)に対して開口している、請求項12及び17記載のマフラ。
【請求項19】
前記流路開閉ユニット(58)は、前記第2の流出管(40)に対応して配置された流路開閉機構(60)を有している、請求項17又は18記載のマフラ。
【請求項20】
前記第1の室(20)及び前記第2の室(22)は、マフラケーシング長手方向軸線(L)の方向に連続して配置されている、請求項6及び7、又は請求項6及び7を引用する請求項8から19までのいずれか1項記載のマフラ。
【請求項21】
前記第2の室(22)は、前記マフラケーシング長手方向軸線(L)の方向において、前記第1の室(20)と前記第3の室(24)との間に配置されている、請求項12及び請求項20記載のマフラ。
【請求項22】
前記第2の室(22)と前記第4の室(26)とは、マフラケーシング長手方向軸線(L)の方向において、少なくとも部分的に相並んで配置されている、請求項7及び13、又は請求項7及び13を引用する請求項14から21までのいずれか1項記載のマフラ。
【請求項23】
請求項1から22までのいずれか1項記載のマフラ(10)を有する、車両用の排気装置。
【請求項24】
請求項1から22までのいずれか1項記載のマフラ(10)は、少なくとも1つの別のマフラの上流側に配置されている、請求項23記載の排気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気装置用マフラに関し、特に本発明は、ハイブリッド駆動装置を備える自動車において、そこに使用される内燃機関に対応配置して設けることができるようなマフラに関する。
【0002】
独国特許出願公開第102012104396号明細書から公知の、自動車の内燃機関の排気装置用に作られたマフラには、熱交換器ユニットが組み込まれており、これにより、内燃機関から吐出された燃焼排気中で運ばれる熱を、伝熱媒体、例えば内燃機関の冷却媒体回路内を流れる冷却液に伝達することができる。このマフラは、1つの流入管と1つの流出管とを有している。流入管には第1の流路開閉機構が対応して配置されており、熱交換器ユニットには第2の流路開閉機構が対応して配置されている。これら2つの流路開閉機構は、互いに調整して遮蔽位置若しくは開放位置にもたらすことができるようになっていて、流入管を介して流入する燃焼排気は、伝熱媒体に熱伝達するために熱交換器ユニットを通流し、熱交換器ユニット通流後に流出管から流出する第1の流路を取るか、又は排気と伝熱媒体との間の前記のような熱伝達相互作用を回避するために、熱交換器ユニットを通流せず、流入管から流出した後は熱交換器ユニットを迂回して直接流出管に流入し且つそこから流出する、第2の流路を取る。
【0003】
欧州特許出願公開第2733322号明細書には、熱交換器ユニットの組み込まれたマフラが開示されている。このマフラは、2つの流入管と1つの流出管とを有している。内燃機関を流出した排気は、流路開閉機構により、第1の流入管延いては排気が熱交換器ユニットを通流して伝熱媒体に熱を伝達可能な第1の流路を介して案内された後に、流出管を介してマフラから流出する。流路開閉機構の別の位置では、排気は第2の流入管を介して第2の流路へ案内され、第2の流路内では、排気は熱交換器ユニットを迂回して、つまり伝熱媒体との熱的な相互作用無しで流出管に流入し、流出管を介してマフラから流出する。
【0004】
特にハイブリッド駆動装置を備えた自動車に生じる問題は、一方では、底部領域にバッテリが収納されることにより、排気装置及び特にマフラ若しくは排気装置に組み込まれるマフラに提供される構成空間が、比較的限定されている、という点にある。他方では、ますます厳しくなる法的な要求により、このような車両から出される騒音の低下が必要とされており、このこともやはり、比較的大型のマフラの使用を必要にする。更に、自動車及び特にハイブリッド駆動装置に使用される内燃機関は効率的であり、燃焼運転中に内燃機関によって供給される廃熱は、車内を十分に温度調節するためには足りないことが多い。しかしながら、燃焼排気中で運ばれる熱を、音響減衰特性に対する要求をも考慮して利用するために、熱交換器ユニットが組み込まれた、比較的大型に構成されたマフラを使用することは、前記のような車両の特に底部領域における狭小なスペース状況に基づき困難である。
【0005】
本発明の課題は、コンパクトな構成と良好な音響減衰特性と共に、燃焼排気中で運ばれる熱の利用を可能にする、特にハイブリッド駆動装置を備える自動車のための内燃機関の排気装置用マフラを提供することにある。
【0006】
本発明に基づき前記課題を解決する、特にハイブリッド駆動装置を備える自動車のための内燃機関の排気装置用マフラは、
マフラケーシングと、
マフラケーシング内に配置された、伝熱媒体及び燃焼排気が通流可能な、燃焼排気から伝熱媒体に熱伝達するための熱交換器ユニットと、
燃焼排気をマフラケーシング内へ導入する流入管と、
燃焼排気をマフラケーシングから導出する第1の流出管と、
燃焼排気をマフラケーシングから導出する第2の流出管と、
流路開閉ユニットと、を有し、
マフラケーシング内に、燃焼排気を熱交換器ユニットを通して第1の流出管に案内するための第1の排気流路が設けられており、
マフラケーシング内に、燃焼排気を熱交換器ユニットを迂回して第2の流出管に案内するための第2の排気流路が設けられており、
流路開閉ユニットにより、第1の排気流路と第2の排気流路のうちの少なくとも1つの排気流路が選択的に開閉される。
【0007】
本発明によるマフラの構想では、2つの排気流路が形成されており、どの排気流路を介して燃焼排気を案内するのかに応じて、熱交換器ユニットを通流又は迂回させるようになっており、燃焼排気はマフラから、異なる流出管を介して流出する。これにより、コンパクトな構成形式で、音響減衰特性に関して一般的に課されている要求を満たすことができるように、マフラを構成することができる。
【0008】
本発明によるマフラ内に設けられた各流路を的確に開閉することができるようにするために提案するのは、流路開閉ユニットが、第1の流出管に対応して配置された流路開閉機構を有し、該流路開閉機構は、第1の流出管を通流のために開放する開放位置と、第1の流出管を通流させないように実質的に遮蔽する遮蔽位置との間で変位可能であり、好適には、流路開閉機構は第1の流出管内で、マフラケーシングの外側の領域に配置されている、又は/且つ流路開閉ユニットは、第2の流出管に対応して配置された流路開閉機構を有し、該流路開閉機構は、第2の流出管を通流のために開放する開放位置と、第2の流出管を通流させないように実質的に遮蔽する遮蔽位置との間で変位可能であり、好適には、流路開閉機構は第2の流出管内で、マフラケーシングの外側の領域に配置されている、という点である。
【0009】
一方では良好な音響減衰特性を達成し、且つ他方では両排気流路を分岐させるために、マフラケーシング内に第1の室が設けられており、この場合、流入管が第1の室に対して開放されており、第1の排気流路には第1の室が含まれており、熱交換器ユニットは、第1の室に対して開放された排気流入領域と、第1の流出管に対して開放された排気流出領域とを有している、ということを提案する。
【0010】
更に、マフラケーシング内に第2の室が設けられていることにより、音響減衰特性にポジティブな影響を及ぼすことができ、この場合、第2の室は、少なくとも部分的に音響減衰材料で満たされており、好適には、流入管は第2の室に対して開放されている。この場合、効率的な音響減衰を吸収により支援するために、流入管、又は流入管に接続された管、又は流入管に続く管が、第2の室を貫通していると共に、第2の室に対して開放された開口ユニットを有している、ということを提案する。
【0011】
更に、第2の流出管、又は第2の流出管に接続された管、又は第2の流出管に続く管が、第2の室に対して開放されている、ということが想定されていてもよい。この場合は、構造的に特に簡単に実現され得る構成を設けることができ、流入管と第2の流出管とを提供している排気管が、第1の室と第2の室とを貫通すると共に、開口ユニットを介して第2の室に対して開放されている。
【0012】
音響放出を減少させるために有利な別の構成において提案するのは、マフラケーシング内に第3の室が設けられており、この場合、第2の流出管、又は第2の流出管に接続された管、又は第2の流出管に続く管が、第3の室に対して開放されている、という点である。
【0013】
マフラケーシング内に熱交換器ユニットを収納するために、マフラケーシング内には、熱交換器ユニットを少なくとも部分的に含む第4の室が設けられている、ということが想定されていてもよく、この場合、第4の室は、排気流入領域の範囲において、第1の室に対して開放されており、排気流出領域の範囲では、第1の流出管、又は第1の流出管に接続された管、又は第1の流出管に続く管が、第4の室に対して開口している。これにより、第1の室から第4の室を通って第1の流出管に到る所定の排気案内が保証されると同時に、第4の室において排気が熱交換器ユニットを通流若しくは周流し、その際に熱交換器ユニット内をやはり循環している伝熱媒体に、熱を伝達する。
【0014】
ヘルムホルツ共鳴器機能を提供するために提案するのは、流入管、又は流入管に接続された管、又は流入管に続く管が、そこから分岐する分岐管を介して第1の室に対して開口している、という点である。この構成では更に、音響減衰特性を改良するために、第2の流出管、又は第2の流出管に接続された管、又は第2の流出管に続く管が、開口ユニットを介して第3の室に対して開放されている、ということが想定されていてもよい。
【0015】
この場合、流路開閉ユニットは、第1の流出管に対応して配置された流路開閉機構を有していてもよい。この流路開閉機構がその遮蔽位置にある場合、流路開閉機構は第1の流出管を通流させないように遮蔽しているので、必然的に燃焼排気も熱交換器ユニットを通って流れることはできず、流入管を介してマフラに導入された燃焼排気は全て、基本的には通流のために開放された第2の流出管を介してマフラから流出することになる。
【0016】
択一的な構成では、流入管、又は流入管に接続された管、又は流入管に続く管が、第1の室に対して開口ユニットを介して開放されている、ということが想定されていてもよい。この場合、燃焼排気は、流入管、又は流入管に続く管の開口ユニット、つまり一般的にはパーフォレーションを介して第1の室に流入し、第1の室を経て熱交換器ユニットに到達する。この構成でもヘルムホルツ共鳴器の機能を提供することができるようにするために更に提案するのは、第2の流出管、又は第2の流出管に接続された管、又は第2の流出管に続く管が、そこから分岐する分岐管を介して第3の室に対して開口している、という点である。
【0017】
この構成では、有利には、流路開閉ユニットの流路開閉機構が、第2の流出管に対応して配置されている。この流路開閉機構がその遮蔽位置にある場合、流路開閉機構は第2の流出管を通流させないように遮蔽しているので、流入管を介してマフラに流入した燃焼排気は必然的に、開口ユニットを介して第1の室に導入され、そこから熱交換器ユニット延いては第1の流出管へ案内されることになる。
【0018】
コンパクトな構成形式の理由から、このようなマフラは一般にマフラ長手方向軸線の方向に細長く形成されているため、第1の室及び第2の室は、マフラケーシング長手方向軸線の方向に連続して配置されている、ということを更に提案する。
【0019】
特にこのような構成形式では、第2の室は、マフラケーシング長手方向軸線の方向において、第1の室と第3の室との間に配置されている、ということが想定されていてもよい。
【0020】
小さな所要構成空間と同時に、良好な音響減衰特性、特にヘルムホルツ共鳴器機能を提供するためのマフラの様々な構成を可能にするために更に提案するのは、第2の室と第4の室とが、マフラケーシング長手方向軸線の方向において、少なくとも部分的に相並んで配置されている、という点である。この場合、第2の室若しくは第4の室の少なくとも一方の軸方向側において、例えば第1の室又は第3の室内ではヘルムホルツ共鳴器が設けられていることにより、効率的な音響減衰が達成され得る。
【0021】
本発明は更に、本発明により構成されたマフラを有する、特にハイブリッド駆動装置を備える車両のための排気装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下に、本発明を添付の図面につき詳しく説明する。
【
図1】熱交換器ユニットが組み込まれたマフラの原理断面図である。
【
図2】択一的な構成形態による、熱交換器ユニットが組み込まれたマフラの、
図1に対応する図である。
【0023】
図1には、例えばハイブリッド駆動装置を備えて構成された車両の排気装置に組み込むことを想定されたマフラが、全体的に符号10で示されている。このマフラは排気装置において、一般に排気浄化用に設けられた、例えば触媒又は/及び微粒子フィルタ等の系領域の下流側であり且つ少なくとも1つのリアマフラの上流側に配置されている。
【0024】
マフラ10は、マフラケーシング12を有しており、マフラケーシング12は、例えばマフラケーシング長手方向軸線Lの方向に細長く形成されていて、例えば円形又は楕円形の横断面幾何学形状を備えた、実質的に円筒状の周壁14を有していてもよい。マフラケーシング12は、両軸方向端部領域において、例えば溶接又はその他の方法によって周壁14と気密に結合された端面壁16,18により閉鎖されている。
【0025】
図1に示した構成形態において、マフラケーシング12の内部には、合計4つの室20,22,24,26が形成されている。第1の室20は、マフラケーシング12の流入側に配置されている。第1の室20は、例えばマフラケーシング12若しくはマフラケーシング12の内部空間28の横断面全体を占めていてもよい。第1の室20に軸方向に続いて設けられた第2の室22は、中間壁30により第1の室20から隔離されていてもよく、且つ内部空間28の横断面の所定の部分領域のみを占めているに過ぎない。第2の室22に軸方向に続いて配置された第3の室24は、中間壁32により第2の室22から隔離されていてもよく、第1の室20と同様に、やはり内部空間28の横断面全体を占めていてもよい。
【0026】
マフラケーシング長手方向軸線Lの方向に見て、第2の室22の隣で且つ第1の室20と第3の室24との間には、第4の室26が配置されている。第4の室26は、中間壁30,32により第1の室20若しくは第3の室24から隔離されていてもよい。但し基本的に、室22,26は、室22,26それぞれに専用に対応して配置された中間壁により、第1の室20若しくは第3の室24から隔離されていてもよい。更に第4の室26は、中間壁34により第2の室22から隔離されているので、これら2つの室22,26の間には、基本的に流れ接続は一切生じない。
【0027】
全体的に符号36で示した排気管は、第1の室20を貫通している領域において流入管38を提供しており、流入管38は、端面壁16を貫通しており、流入管38を介して、内燃機関から流出する燃焼排気がマフラケーシング12の内部空間28内へ導入される。排気管36は、第3の室24をも貫通している領域において流出管40を提供しており、流出管40は、端面壁18を貫通しており、流入管38を介して供給された排気は、流出管40を介してマフラ10から流出することができる。排気管36は、中間壁30,32を貫通しており、延いては第2の室22をも貫通して案内されている。第2の室22は、例えば繊維状、発泡材料状、又は多孔質状の音響減衰材料42で満たされており、音響減衰材料42は排気管36の、第2の室22を貫通している領域を包囲している。この第2の室22を貫通している領域と、第3の室24の一部の領域を貫通している長手方向領域とにおいて、排気管36は、一般にパーフォレーションとも呼ばれる開口ユニット44を備えて形成されており、これにより、多数の開口を介して一方では第2の室22に対して開いており、且つ他方では第3の室24に対して開いている。
【0028】
第1の室20内に延在している排気管36の長手方向領域、つまり例えば流入管38と解釈されるべき長手方向領域において、排気管36から側方に分岐管46が分岐している。つまり分岐管46は、マフラケーシング長手方向軸線Lに対して実質的に横方向に延在していると共に、第1の室20に対して開口しているので、流入管38を介して供給された排気が、第1の室20内へ流入することができる。
【0029】
ここで指摘しておくと、室20,22,24を貫通している排気管36は、1つの一体的な管部材として形成されていてもよい。但し基本的には、流入管38と流出管40とは、互いに別個に形成されて互いに結合された、又は別の管を介して互いに結合された構成部材として提供されていてもよい。更に流入管38と流出管40とは、
図1及び
図2に示すように、流入管38及び流出管40がそれぞれ端面壁16,18を貫通している長手方向領域において、これらの端面壁16,18を越えてマフラケーシング12の内部空間28から導出されていてもよい。択一的に流入管38又は/及び流出管40は、これらがそれぞれ貫通している端面壁16,18の領域で終わっていて、そこで別の管により外部に向かって継続されていてもよい。
【0030】
第4の室26内には、全体的に符号48で示された熱交換器ユニットが設けられている。伝熱媒体入口50を介して、伝熱媒体、例えば内燃機関の冷却液が、熱交換器ユニット48に流入可能である。伝熱媒体出口51を介して、伝熱媒体は熱交換器ユニット48から流出可能である。熱交換器ユニット48の内部には、例えば多数の通路で提供された、伝熱媒体が通流可能な所定の容積が設けられている。熱交換器ユニット48は、有利には、周壁14と、双方の中間壁30,32と、中間壁34とにより包囲された第4の室26内に挿入されているが、択一的に熱交換器ユニット48自体が、前記各中間壁のうちの少なくとも1つ若しくは周壁14の少なくとも一部を提供していてもよい。
【0031】
第1の室20に導入された燃焼排気と、熱交換器ユニット48を通流する伝熱媒体との間での熱伝達相互作用を可能にするために、熱交換器ユニット48若しくは中間壁30の、第4の室26を画定している領域は、第1の室20に対して開いている。例えば、中間壁30の前記領域には複数の開口が設けられていてもよく、第1の室20に流入した燃焼排気は、前記複数の開口を介して、排気流入領域49において、排気用に設けられた熱交換器ユニット48の容積領域内へ流入することができるようになっており、これにより、燃焼排気中で運ばれた熱が、熱交換器ユニット48の伝熱媒体流動容積内を流れる伝熱媒体に伝達されることになる。
【0032】
別の流出管52が、端面壁18と第3の室24とを貫通しており、例えば中間壁32の領域で第4の室26に対して開口している。第1の室20を経て第4の室26に流入し、熱交換器ユニット48を通流する燃焼排気は、熱交換器ユニット48を通流若しくは周流した後に、第4の室26若しくは熱交換器ユニット48から排気流出領域53を経て流出管52を介して流出することができる。
【0033】
指摘しておくと、以下、流出管40を第2の流出管と呼ぶと共に、流出管52を第1の流出管と呼ぶ。
【0034】
マフラ10内には、単一の流入管38と、2つの流出管40,52とを用いて、2つの排気流路54,56が形成されている。第1の排気流路54を介して、流入管38を経て内部空間28、特に第1の室20に流入した燃焼排気は、第4の室26延いては熱交換器ユニット48を通って流れ、内部空間28から第1の流出管52を介して流出する。第2の排気流路56は、流入管38を介してマフラケーシング12の内部空間28内へ案内された排気を、熱交換器ユニット48を迂回して、延いては第2の排気流路56内を流れる燃焼排気と伝熱媒体との間の熱伝達相互作用が回避されるように第2の流出管40へ案内して、マフラケーシング12の内部空間28から第2の流出管40を介して流出させる。
【0035】
マフラ10は更に、第1の排気流路54に対応して配置された流路開閉ユニット58を有している。流路開閉ユニット58は、例えば第1の流出管52に、好適にはマフラケーシング12の外側の領域で組み込まれた流路開閉機構60、例えば旋回可能なフラップを有していてもよい。流路開閉機構60は、第1の流出管52延いては第1の排気流路54を、燃焼排気が実質的に通流しないように遮蔽する遮蔽位置と、第1の流出管52延いては第1の排気流路54を通流のために開放する開放位置との間で変位可能である。この場合、流路開閉機構60は、この流路開閉機構60が遮蔽位置又は開放位置のいずれかを占めることができるように、又はこれら2つの位置以外に、更に中間位置をも占めることができるように変位可能であってもよく、好適には前記2つの位置の間で連続的に変位可能であり、これにより、第1の排気流路54延いては第1の排気流路54を介して流れる燃焼排気量の堰止めを、適宜に連続して調節することができる。ここで指摘しておくと、流路開閉機構は、適当なアクチュエータ、例えば電動モータ等により、異なる各位置間で変位可能である。第2の排気流路56には、前記のような流路開閉機構は対応して配置されていないので、第2の排気流路56は基本的に、通流用に開放されている。
【0036】
以下に、
図1に示したマフラ10の動作を説明する。
【0037】
マフラ10は、車両に生じる熱需要又は/及び内燃機関の運転状態に応じて使用され、第1の排気流路54を選択的に開放若しくは遮蔽若しくは部分的に遮蔽することにより、前記第1の流路54を介して流れる燃焼排気量が変化させられる。比較的大きな熱需要が生じた場合、つまり比較的大きな熱量が、燃焼排気から、熱交換器ユニット48を通流する伝熱媒体に伝達されるべき場合には、流路開閉機構60が開放位置にもたらされ、この開放位置では第1の排気流路54は基本的に通流のために開放されている、つまり、流路開閉ユニット58により生ぜしめられる堰止め量は最小である。この状態では両排気流路54,56が開放されており、流入管38を介して流入した燃焼排気は、両流出管52,40を介してマフラ10から流出し、両流出管52,40を介して例えば既に述べたリアマフラに案内される。このとき、第1の排気流路54内を流れる燃焼排気が、熱交換器ユニット48を通流する伝熱媒体に熱を伝達し、この熱は、例えば車内に導入されるべき空気を加熱するために、別の熱交換器ユニットで利用され得る。
【0038】
熱需要が全く又は僅かにしか生じていない場合には、流路開閉機構60がその遮蔽位置にもたらされるか、又は第1の排気流路54をより強力に堰き止める位置へもたらされるので、燃焼排気は全く又は極少量しか第1の排気流路54を通流せず、例えば燃焼排気は全て、第2の排気流路56を介してマフラ10を通流することになり、延いては燃焼排気は第2の流出管40のみを介して、排気装置の更に下流側に位置する系領域へ案内されることになる。この場合、流入管38若しくは流入管38から分岐している分岐管46は、第1の室20内でヘルムホルツ共鳴器を形成しており、このヘルムホルツ共鳴器の共鳴器容積は実質的に、例えば遮蔽位置に位置決めされた流路開閉機構60にまで達する。この容積は、有利には、このように形成されたヘルムホルツ共鳴器の共振周波数が、特に不都合な低周波数に合わせられるように選択される。
【0039】
音響減衰には更に、音響減衰材料42で満たされた第2の室22が寄与する、つまり第2の室22は吸収室として働き、特に例えば流れ騒音により生ぜしめられる高周波数の低下に有効である。同時に、第2の排気流路56の、熱交換器ユニット48からの構造的な分離に基づき、特に第2の室22若しくは第2の室22内に配置された音響減衰材料42の絶縁作用にも基づき、熱交換器ユニット48に対する熱的な絶縁手段が設けられており、これによりこの状態では、熱交換器ユニット48の熱的な過剰負荷が回避されると同時に、熱交換器ユニット48を通流する伝熱媒体の加熱が十分に回避される。
【0040】
この運転状態は、好適には、一方では極度に高い排気温度が熱交換器ユニットの過剰負荷につながる恐れのある場合、つまり例えば内燃機関の全負荷状態若しくは定格回転数において選択されるか、又は燃焼排気中で運ばれる熱量が少ないために、熱交換器ユニット48内の伝熱媒体の効率的な加熱を達成することができず、延いては音響減衰機能が優先される場合に選択される。これは例えば、低い回転数、例えばアイドリング回転数を有する運転状態に当てはまることがあり、この運転状態ではとりわけ、ヘルムホルツ共鳴器による低周波数の減衰も必要とされる。
【0041】
先に記載した、第1の排気流路54も通流のために開放されている状態は、この状態では開放された第1の流出管52に基づき限定的にしか達成し得ないヘルムホルツ共鳴器機能に基づき、好適には、一方では熱交換器ユニット48の過熱の危険無しで、燃焼排気中で運ばれる熱の有効利用が可能な場合に選択され、他方では、音響減衰能力に課される要求が比較的低い場合に選択される。これは一般には、内燃機関が中回転数領域若しくはエンジン中負荷領域において運転される状態である。
【0042】
指摘しておくと、
図1に示した構成形態は例えば、音響減衰に対する要求が許す限りは、第3の室24が省かれるように変更されてもよい。このことは、マフラ10のより一層コンパクトな構成形式をもたらす。
【0043】
図2に示す構成形態は、基本構成及び2つの排気流路に関しては、実質的に
図1につき上述した構成形態に相当する。このマフラ10の場合も、第1の排気流路54は、単一の流入管38を介してマフラケーシング12内、特に第1の室20内に導入された排気を、第4の室26延いては熱交換器ユニット48に通して第1の流出管52へ案内する。第2の排気流路56は、流入管38を介して供給された排気を、熱交換器ユニット48を迂回して、第1の室20と、第2の室22と、第3の室24とに通して第2の流出管40へ案内する。
【0044】
燃焼排気若しくは燃焼排気の一部を第1の室20内へ導入することができるようにするために、排気管36の、特に第2の室22の領域に設けられた開口ユニット44が、第1の室20内に延在する排気管36若しくは流入管38の領域にまで広げられており、これにより、燃焼排気若しくは燃焼排気の一部は、開口ユニット44の複数の開口の一部を介して第1の室20に流入すると共に、第1の室20を経て熱交換器ユニット48に流入することができる。
【0045】
第3の室24内に延在する、排気管36若しくは第2の流出管40の長手方向領域では、そこから分岐管46が分岐しており、これにより分岐管46は、第3の室24と協働して、ヘルムホルツ共鳴器を提供している。
【0046】
この構成形態では、流路開閉ユニット58は、第2の流路56に対応して配置された、例えば第2の流出管40内で好適には熱交換器ケーシング12の外側の領域に配置された、例えば変位可能なフラップの形態の流路開閉機構60を有している。この流路開閉機構60も、第2の流出管40を通流させないように実質的に遮蔽する遮蔽位置と、第2の流出管40延いては第2の排気流路56を通流のために開放する開放位置との間で変位可能である。この変化態様の場合も、変位は前記2つの位置でのみ行われてもよいか、又は、第2の排気流路56延いては第2の排気流路56を介して流れる燃焼排気量の堰止めを適宜に連続的に又は場合によっては段階的に調節することができるようにするために、連続的な変位が行われてもよい。
【0047】
流路開閉機構60がその遮蔽位置にもたらされ、延いては例えば第2の排気流路56が第2の流出管40の領域において、通流しないように遮蔽されると、流入管38を介して供給された燃焼排気は全て第1の室20に流入し、第1の室20を介して第4の室26へ流入することになる。燃焼排気は、熱交換器ユニット48を通流し、これにより、同様に熱交換器ユニット48を通流している伝熱媒体に熱を伝達する。燃焼排気は、この構成形態では通流させないように遮蔽することはできない第1の流出管52を介して、マフラ10から流出する。この状態において、第3の室24の領域の分岐管46により提供されたヘルムホルツ共鳴器は、音響減衰に関して特に効率的に働き、この場合も有利には、ヘルムホルツ共鳴器の共振周波数は、不都合な低周波数に合わせられている。この構成形態でも、燃焼排気若しくは燃焼排気の大部分が第1の排気流路54を介して延いては熱交換器ユニット48を通って案内される運転状態は、有利には、特に低周波数が優勢であり延いては減衰され得ない状態、つまり例えばアイドリング状態、又は部分負荷状態若しくは低回転数又は中回転数状態に内燃機関がある場合に選択される。
【0048】
流路開閉機構60がその開放位置にもたらされると、第2の排気流路56も通流用に開放されることになる。これにより、流入管38を介して供給された燃焼排気は、両流出管52,40を介してマフラ10から流出可能である。この状態ではより小さな流れ抵抗に基づき、燃焼排気の大部分は第2の排気流路56を介して流れる。つまり、熱交換器ユニット48では、比較的少量の熱量だけが、同様に熱交換器ユニット48を通流している伝熱媒体に伝達されるに過ぎない。特に有利には、この状態は、例えば一方では高回転数又はエンジン高負荷に際して、既に内燃機関自体により、若しくは内燃機関と伝熱媒体との熱的な相互作用に基づき熱エネルギを十分に供給可能であり、更に熱交換器ユニット48の熱的な過剰負荷を回避するため、伝熱媒体に対する比較的少量の熱量の伝達しか必要とされない場合、且つ他方では、特に低周波数の減衰があまり必要とされていない場合に利用される。それでも、音響減衰材料42で満たされた第2の室22が設けられていることにより、例えば流れ騒音等の特に高周波数は、効率的に減衰される。
【0049】
上述した両構成形態では、それぞれ設けられた流路開閉機構が中間位置にもたらされた場合には、例えば車両速度や外気温等の別の運転パラメータを考慮して、一方ではその音響減衰特性に関して且つ他方ではその熱伝達特性に関して、マフラをより高感度に調整することができる。両変化態様が提供する重要な利点は、熱交換器ユニットと様々な音響減衰手段との統合によるコンパクトな構成形式において、燃焼排気中で運ばれる熱が、必要な場合に有効利用可能であり、他方では、運転状態に応じて、排気中で運ばれる音の効率的な減衰が提供される、という点にある。特に、ヘルムホルツ共鳴器機能が提供されたことにより、特に低回転数若しくは低負荷運転において比較的低い周波数を効率的に減衰する可能性が生じる一方で、特に流れ騒音によっても発生する比較的高い周波数は、吸収室として働く第2の室内に設けられた音響減衰材料により、極めて効率的に減衰され得る。
【0050】
更に、本発明によるマフラ10が有する重大な利点は、2つの流出管が提供されたことにより、マフラ内に発生する背圧が、単一の流出管しか有さないマフラに比べて大幅に低くなっている、という点にあり、このことは、排気流延いては内燃機関の性能にポジティブな影響を及ぼす。