【文献】
Journal of Thrombosis and Thrombolysis,2007年 8月,Vol.24, Issue1,p.43-51
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
本発明に記載のギンコライドBモノマー化合物は、市販製品を購買して入手し、或いは、従来の方法でギンコライドを分離精製して製造することができる。リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン、ラザキサバン、オタミキサバンなども、市販製品を購買して入手し、或いは、従来の方法で合成することができる。検査によると、全てのモノマー化合物は、相応の対照物と構造が一致し、また、HPLC検出によりその純度がいずれも95%以上である。
【0060】
実施例1
ギンコライドB 10部
リバーロキサバン 15部
薬学的に受容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って錠剤を製造する。
【0061】
実施例2
ギンコライドB 5部
リバーロキサバン 20部
薬学的に受容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従ってカプセル剤又は軟カプセル剤を製造する。
【0062】
実施例3
ギンコライドB 15部
リバーロキサバン 10部
薬学的に受容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に受容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って丸剤を製造する。
【0063】
実施例4
ギンコライドB 1部
リバーロキサバン 5部
薬学的に受容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って内服液を製造する。
【0064】
実施例5
ギンコライドB 20部
リバーロキサバン40部
薬学的に受容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って滴丸剤を製造する。
【0065】
実施例6
ギンコライドB 10部
アピキサバン 5部
薬学的に受容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に受容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従ってスプレー剤を製造する。
【0066】
実施例7
ギンコライドB 5部
アピキサバン 1部
薬学的に受容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って注射用液剤又は注射用粉剤を製造する。
【0067】
実施例8
ギンコライドB 15部
アピキサバン 10部
薬学的に受容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に受容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って徐放性製剤又は放出制御製剤を製造する。
【0068】
実施例9
ギンコライドB 20部
アピキサバン 20部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って標的薬剤を製造する。
【0069】
実施例10
ギンコライドB 10部
エドキサバン 15部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って顆粒剤又は懸濁剤を製造する。
【0070】
実施例11
ギンコライドB 5部
エドキサバン 30部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って錠剤を製造する。
【0071】
実施例12
ギンコライドB 15部
エドキサバン 10部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従ってカプセル剤又は軟カプセル剤を製造する。
【0072】
実施例13
ギンコライドB 1部
エドキサバン 8部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って丸剤を製造する。
【0073】
実施例14
ギンコライドB 20部
エドキサバン 50部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って内服液を製造する。
【0074】
実施例15
ギンコライドB 10部
ラザキサバン 10部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って滴丸剤を製造する。
【0075】
実施例16
ギンコライドB 5部
ラザキサバン15部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に受容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従ってスプレー剤を製造する。
【0076】
実施例17
ギンコライドB 15部
ラザキサバン 5部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って注射用液剤又は注射用粉剤を製造する。
【0077】
実施例18
ギンコライドB 1部
ラザキサバン 20部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に受容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って徐放性製剤又は放出制御製剤を製造する。
【0078】
実施例19
ギンコライドB 20部
ラザキサバン 1部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って標的薬剤を製造する。
【0079】
実施例20
ギンコライドB 10部
オタミキサバン 60部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って顆粒剤又は懸濁剤を製造する。
【0080】
実施例21
ギンコライドB 8部
オタミキサバン 50部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って内服液を製造する。
【0081】
実施例22
ギンコライドB 12部
オタミキサバン 90部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って滴丸剤を製造する。
【0082】
実施例23
ギンコライドB 15部
オタミキサバン 125部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に受容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従ってスプレー剤を製造する。
【0083】
実施例24
ギンコライドB 1部
オタミキサバン 15部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に許容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って注射用液剤又は注射用粉剤を製造する。
【0084】
実施例25
ギンコライドB 20部
オタミキサバン 125部
薬学的に許容できる通常の賦形剤
上記原料を混合した後、薬学的に受容できる通常の賦形剤を添加して、通常の方法に従って徐放性製剤又は放出制御製剤を製造する。
【0085】
以下、試験例で本発明の有益な効果を説明する。
【0086】
試験例1 ギンコライドBとキサバン系との組合せの、体外における抗PAF誘発血小板凝集作用及びXa活性に対する影響
一、実験の目的:
マイクロプレートリーダーによる比濁法を用いて、成都百裕科技製薬有限公司製のギンコライドBとキサバン系との組合せの、体外における抗PAF誘発血小板凝集作用及びXa活性に対する影響を評価する。
【0087】
二、材料と方法
2.1 実験用動物
日本白色家兎、SPFグレード、雄と雌がそれぞれ半数で、体重が2.2〜2.5kgである。
【0088】
2.2 実験薬物
ギンコライドB(成都百裕科技製薬有限公司)、リバーロキサバン(成都百裕科技製薬有限公司)、アピキサバン(成都百裕科技製薬有限公司)、エドキサバン(成都百裕科技製薬有限公司)、ラザキサバン(成都百裕科技製薬有限公司)、オタミキサバン(成都百裕科技製薬有限公司)、組成物1(ギンコライドB:リバーロキサバン=10:15)、組成物2(ギンコライドB:リバーロキサバン=1:5)、組成物3(ギンコライドB:リバーロキサバン=1:40)、組成物4(ギンコライドB:リバーロキサバン=20:5)、組成物5(ギンコライドB:リバーロキサバン=20:40)、組成物6(ギンコライドB:リバーロキサバン=5:20)、組成物7(ギンコライドB:リバーロキサバン=15:10)、組成物8(ギンコライドB:リバーロキサバン=15:20)、組成物9(ギンコライドB:アピキサバン=10:5)、組成物10(ギンコライドB:アピキサバン=1:20)、組成物11(ギンコライドB:アピキサバン=20:0.5)、組成物12(ギンコライドB:アピキサバン=20:20)、組成物13(ギンコライドB:アピキサバン=5:1)、組成物14(ギンコライドB:アピキサバン=5:10)、組成物15(ギンコライドB:アピキサバン=15:1)、組成物16(ギンコライドB:アピキサバン=15:10)、組成物17(ギンコライドB:エドキサバン=10:15)、組成物18(ギンコライドB:エドキサバン=1:8)、組成物19(ギンコライドB:エドキサバン=1:50)、組成物20(ギンコライドB:エドキサバン=20:8)、組成物21(ギンコライドB:エドキサバン=20:50)、組成物22(ギンコライドB:エドキサバン=5:10)、組成物23(ギンコライドB:エドキサバン=15:10)、組成物24(ギンコライドB:エドキサバン=5:30)、組成物25(ギンコライドB:ラザキサバン=10:10)、組成物26(ギンコライドB:ラザキサバン=1:20)、組成物27(ギンコライドB:ラザキサバン=20:1)、組成物28(ギンコライドB:ラザキサバン=5:15)、組成物29(ギンコライドB:ラザキサバン=15:5)、組成物30(ギンコライドB:オタミキサバン=10:60)、組成物31(ギンコライドB:オタミキサバン=1:15)、組成物32(ギンコライドB:オタミキサバン=1:150)、組成物33(ギンコライドB:オタミキサバン=20:15)、組成物34(ギンコライドB:オタミキサバン=20:150)、組成物35(ギンコライドB:オタミキサバン=15:30)、組成物36(ギンコライドB:オタミキサバン=5:125)、組成物37(ギンコライドB:オタミキサバン=15:125)、組成物38(ギンコライドB:オタミキサバン=8:50)、組成物39(ギンコライドB:オタミキサバン=8:90)、組成物40(ギンコライドB:オタミキサバン=12:50)、組成物41(ギンコライドB:オタミキサバン=12:90)。
【0089】
2.3 試薬と機器
機器:
ドイツSartorius社、BS124S型電子天秤(最小表示:0.0001g)、機器番号:BKY−YB−001、
ACS−15LED電子台秤、上海鷹牌衡器有限公司、機器番号BKY−YB−002、
長沙湘智DL−5M小型立式低速大容量冷凍遠心機、機器番号:BKY−ZX−040、長沙湘智遠心機器有限公司、
海爾ハイアールDW−40L188低温貯蔵庫、機器番号:BKY−ZX−012、血漿などの貯蔵、
LSC−316C型星星縦型ショーケース、機器番号:BKY−ZX−041、試薬の貯蔵、
Multiskan MK3型マイクロプレートリーダー、機器番号:BKY−ZX−014、
Wellwash 4MK2型プレートウォッシャー、機器番号:BKY−ZX−022、
ドイツBrand Transferpette(登録商標)S,D−1000マイクロピペット、機器番号:BKY−ZX−036、
ドイツBrand Transferpette(登録商標)S,D−100マイクロピペット、機器番号:BKY−ZX−038、
MB−1830型全自動血液アナライザー、四川美生科技有限公司、機器番号:BKY−ZX−023。
【0090】
試薬:
3.8%のクエン酸ナトリウム(500g/本、成都市科龍化工試薬廠、ロット番号:20130601)、
血小板活性化因子(PAF)(1mg/本、Sigma、ロット番号:P7568)、
抗血液凝固因子(Xa)測定試薬(発色基質法)(10×71nkat、イタリアchromogenix社、ロット番号:N1243555)、
ポリエチレングリコール(PEG)6000(50g、北京百霊威科技有限公司、ロット番号:LB50P76)、
ヘパリンナトリウム(1g/本、Bomei、ロット番号:9041−08−1)。
【0091】
2.4 投与量設計と薬物調製方法
(1)各群は、生体内試験における推薦投与濃度に基づいて、薬物の割合に従って、血小板凝集試験を行い、具体的には表1を参照する。
【表1】
【表2】
【0092】
2.5 血小板凝集率の測定
動物の心臓を穿刺して採血し、クエン酸ナトリウム(3.8%)1:9で抗凝固し、4℃×1000r/minで10min遠心して、多血小板血漿(PRP)を収集し、残りの部分を3000r/minで15min遠心して、乏血小板血漿(PPP)を収集し、PPPを用いてPRPを200±50×10
9/Lに調整する。
マイクロプレートの穴に250μlのPRPを添加し、それぞれ対応する濃度の薬剤を10μl添加し、各濃度を2穴に並行的に添加し、最後にPAF凝集剤(濃度が0.38μg/ml)を10μl添加し、ブランク対照穴に250μlのPPPと10μlの生理食塩水を添加してゼロ点調整し、溶媒対照穴に250μlのPPPと10μlのジメチルスルホキシドを添加してゼロ点調整する。吸光度が低下しなくなるまで、異なる時間での吸光度を記録する。これまでの時間は血小板の最大凝集に必要な時間であり、次に、下記式で血小板の抑制率を算出する。
凝集抑制率=(投与群の最大凝集に必要な時間−ブランク対照群の最大凝集に必要な時間)/ブランク対照群の最大凝集に必要な時間×100%
【0093】
2.6 抗凝固因子Xaの活性の測定
発色基質法で、キット説明書と参考文献に従ってマイクロプレートリーダーで血漿の抗第Xa因子活性を測定する。
【0094】
2.7 統計学的処理
試験データは計量資料であり、対応する計算式に基づいて凝集抑制率と抗第Xa因子活性を算出し、Excelソフトウェアで平均値を算出する。
【0095】
三、実験結果
3.1 血小板凝集試験の結果
【表3】
【表4】
【0096】
表2から分かるように、PAFの誘導下で、各組成物群の血小板凝集率を生理食塩水群に比較すると、いずれも有意な差が認められ(p<0.01、p<0.05)、本発明の各薬物組成物がいずれも血小板凝集を効果的に抑制できることを示し、ギンコライドBとキサバン系薬物の単独使用と比較すると、本発明ではギンコライドBとキサバン系薬物を併用すると、抗血小板凝集機能が著しく向上し、ギンコライドBとキサバン系薬物との併用が相乗効果を有することを示す。
【0097】
3.2 抗血液凝固第Xa因子活性試験の結果
【表5】
備考:抗凝固有効とは、血漿の抗第Xa因子活性≧0.5IU/MLと定義される(《心血管疾患者への低分子ヘパリン使用は正規化が必要》という報道によると、LMWHの体内における薬物動態学的特徴により決定した)。
【0098】
表3から分かるように、各組成物群の抗血液凝固第Xa因子活性は、生理食塩水群と比較すると、いずれも有意な差があり、本発明の各薬物組成物がいずれも第Xa因子活性を効果的に抑制し抗血液凝固できることを示し、ギンコライドBとキサバン系薬物の単独使用と比較すると、本発明ではギンコライドBとキサバン系薬物を併用すると、体外における抗血液凝固第Xa因子活性が著しく向上し、ギンコライドBとキサバン系薬物との併用が相乗効果を有することを示す。
【0099】
表2及び表3から分かるように、ギンコライドB+リバーロキサバンの組成物群(組成物1〜8)において、組成物1、5〜8群の血小板凝集抑制率と抗第Xa因子活性が比較的に高く、組成物1群の血小板凝集抑制率と抗第Xa因子活性が最も高いため、ギンコライドB+リバーロキサバンの組成物において、ギンコライドBとリバーロキサバンとの配合比率は、好ましくは、ギンコライドBが5〜15部、リバーロキサバンが10〜20部であり、最も好ましくは、ギンコライドBが10部、リバーロキサバンが15部である。
【0100】
ギンコライドB+アピキサバンの組成物群(組成物9〜16)において、組成物9、13〜16群の血小板凝集抑制率と抗第Xa因子活性が比較的に高く、組成物9群の血小板凝集抑制率と抗第Xa因子活性が最も高いため、ギンコライドB+リバーロキサバンの組成物において、ギンコライドBとアピキサバンとの配合比率は、好ましくは、ギンコライドBが5〜15部、アピキサバンが1〜10部であり、最も好ましくは、ギンコライドBが10部、アピキサバンが5部である。
【0101】
ギンコライドB+エドキサバンの組成物群(組成物17〜24)において、組成物17、22〜24群の血小板凝集抑制率と抗第Xa因子活性が比較的に高く、組成物17群の血小板凝集抑制率と抗第Xa因子活性が最も高いため、ギンコライドB+エドキサバンの組成物において、ギンコライドBとエドキサバンとの配合比率は、好ましくは、ギンコライドBが5〜15部、エドキサバンが10〜30部であり、最も好ましくは、ギンコライドBが10部、エドキサバン15部である。
【0102】
ギンコライドB+ラザキサバンの組成物群(組成物25〜29)において、組成物25、28〜29群の血小板凝集抑制率と抗第Xa因子活性が比較的に高く、組成物25群の血小板凝集抑制率と抗第Xa因子活性が最も高いため、ギンコライドB+ラザキサバンの組成物において、ギンコライドBとラザキサバンとの配合比率は、好ましくは、ギンコライドBが5〜15部、ラザキサバンが5〜15部であり、最も好ましくは、ギンコライドBが10部、ラザキサバン10部である。
【0103】
ギンコライドB+オタミキサバンの組成物群(組成物30〜41)において、組成物30、38〜41群の血小板凝集抑制率と抗第Xa因子活性が比較的に高く、組成物30群の血小板凝集抑制率と抗第Xa因子活性が最も高いため、ギンコライドB+オタミキサバンの組成物において、ギンコライドBとオタミキサバンとの配合比率は、好ましくは、ギンコライドBが8〜12部、オタミキサバンが50〜90部であり、最も好ましくは、ギンコライドBが10部、オタミキサバンが10部である。
【0104】
試験結果から分かるように、本発明では、ギンコライドBと、キサバン系活性成分、例えばリバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン、ラザキサバン、オタミキサバンなどのキサバン系薬物とを併用し、抗血小板凝集機能を明らかに増強し、抗第Xa因子活性が明らかに増加し、かつこの両者の単独使用の場合より優れ、この両者の併用が相乗効果を発揮し、ギンコライドBとキサバン系活性成分で構成された組成物は、抗血小板凝集機能が高く、抗第Xa因子活性が高く、様々な作用メカニズムにより血小板凝集を抑制することができる。
【0105】
試験例2 ギンコライドBとキサバン系の、兎外傷性肢体深部静脈血栓症形成モデルにおける抗凝固作用と抗血液凝固因子活性作用の比較研究
【0106】
一、実験の目的:
ギンコライドBとキサバン系との組合せの、兎外傷性肢体深部静脈血栓症形成モデルにおける抗凝固作用と抗血液凝固因子活性作用の差異を比較する。
【0107】
二、材料と方法
2.1 実験用動物
384羽のIグレードの日本白色家兎を用い、1群あたり8羽あり、試験時の体重が2.0〜3.0kgであり、全部は雄である。
【0108】
2.2 実験薬物
ギンコライドB(成都百裕科技製薬有限公司)、リバーロキサバン(成都百裕科技製薬有限公司)、アピキサバン(成都百裕科技製薬有限公司)、エドキサバン(成都百裕科技製薬有限公司)、ラザキサバン(成都百裕科技製薬有限公司)、オタミキサバン(成都百裕科技製薬有限公司)、組成物1(ギンコライドB:リバーロキサバン=10:15)、組成物2(ギンコライドB:リバーロキサバン=1:5)、組成物3(ギンコライドB:リバーロキサバン=1:40)、組成物4(ギンコライドB:リバーロキサバン=20:5)、組成物5(ギンコライドB:リバーロキサバン=20:40)、組成物6(ギンコライドB:リバーロキサバン=5:20)、組成物7(ギンコライドB:リバーロキサバン=15:10)、組成物8(ギンコライドB:リバーロキサバン=15:20)、組成物9(ギンコライドB:アピキサバン=10:5)、組成物10(ギンコライドB:アピキサバン=1:20)、組成物11(ギンコライドB:アピキサバン=20:0.5)、組成物12(ギンコライドB:アピキサバン=20:20)、組成物13(ギンコライドB:アピキサバン=5:1)、組成物14(ギンコライドB:アピキサバン=5:10)、組成物15(ギンコライドB:アピキサバン=15:1)、組成物16(ギンコライドB:アピキサバン=15:10)、組成物17(ギンコライドB:エドキサバン=10:15)、組成物18(ギンコライドB:エドキサバン=1:8)、組成物19(ギンコライドB:エドキサバン=1:50)、組成物20(ギンコライドB:エドキサバン=20:8)、組成物21(ギンコライドB:エドキサバン=20:50)、組成物22(ギンコライドB:エドキサバン=5:10)、組成物23(ギンコライドB:エドキサバン=15:10)、組成物24(ギンコライドB:エドキサバン=5:30)、組成物25(ギンコライドB:ラザキサバン=10:10)、組成物26(ギンコライドB:ラザキサバン=1:20)、組成物27(ギンコライドB:ラザキサバン=20:1)、組成物28(ギンコライドB:ラザキサバン=5:15)、組成物29(ギンコライドB:ラザキサバン=15:5)、組成物30(ギンコライドB:オタミキサバン=10:60)、組成物31(ギンコライドB:オタミキサバン=1:15)、組成物32(ギンコライドB:オタミキサバン=1:150)、組成物33(ギンコライドB:オタミキサバン=20:15)、組成物34(ギンコライドB:オタミキサバン=20:150)、組成物35(ギンコライドB:オタミキサバン=15:30)、組成物36(ギンコライドB:オタミキサバン=5:125)、組成物37(ギンコライドB:オタミキサバン=15:125)、組成物38(ギンコライドB:オタミキサバン=8:50)、組成物39(ギンコライドB:オタミキサバン=8:90)、組成物40(ギンコライドB:オタミキサバン=12:50)、組成物41(ギンコライドB:オタミキサバン=12:90)。
【0109】
2.3 試薬と機器
機器:
(1)兎体重計量検査機器
ACS−15LED電子台秤、最小表示1g、最大称量6kg、機器番号BKY−YB−002、上海鷹牌衡器有限公司製、家兔体重秤量用。
(2)血液凝固機能及び血液凝固因子活性測定機器
日本シスメックスCA−660型全自動血液凝固分析装置、機器番号;BKY−ZX−044、希森美康生物科技(无錫)有限公司。
DL−5M低速冷凍遠心機、機器番号:BKY−ZX−040、長沙湘智遠心機機器有限公司製。
BC−117F型冷蔵庫、機器番号:BKY−ZX−015、青島海爾股分有限公司製。
(3)PAF含有量測定機器
Multiskan MK3型マイクロプレートリーダー、機器番号:BKY−ZX−014,米国Thermo electroncorporation。
(4)病理学的検査機器
ドイツSartorius社、BS124S型電子天秤(最小表示:0.0001g)、機器番号:BKY−TJ−002、ドイツSartorius社製。
ZT−14V2生物組織自動脱水装置、機器番号:BKY−BL−016、孝感市亜光医用電子技術有限公司製。
常州中威BMJ−III型包埋装置、機器番号:BKY−BL−002、江蘇省常州市中威電子機器廠製。
常州中威PHY−III組織病理学湯煎器、機器番号:BKY−BL−003、江蘇省常州市中威電子機器廠製。
Leica RM2126回転式ミクロトーム、機器番号:BKY−BL−004、上海ライ・カー機器有限公司製。
日本オリンパスBX41−32P01顕微鏡、機器番号:BKY−BL−013、日本オリンパス株式会社製。
YR−21生物組織自動染色装置、機器番号:BKY−BL−015、孝感市亜光医用電子技術有限公司製。
北京永光明202−0型スタンド式乾燥機、機器番号:BKY−BL−005、北京市永光明医療機器廠製。
【0110】
試薬:
(1)供試品の液体調製に必要な試薬
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(クライアントから提供される)。
ラクトース、仕様:100g/本、ロット番号2015041701、有効期限:2018.06、成都市科龍化工試薬廠。
マンニトール、仕様:500g/本、ロット番号:201402201、有効期限:2017.06、成都市科龍化工試薬廠。
(2)血液凝固機能及び血液凝固因子活性の測定試薬
血液凝固品質管理試料、仕様:1ml×10本/箱、ロット番号:528167B、有効期限:2017.4.27、SIEMENS。
PT試薬、仕様:2ml×10本/箱、ロット番号:R5003、R5005、有効期限:2017.1.1、2017.3.1、希森美康生物技術有限公司製。
aPTT試薬、仕様:2ml×10本/箱、ロット番号:R5001、R5006、有効期限:2016.9.1,2016.12.1、希森美康生物技術有限公司製。
抗血液凝固因子(Xa)測定キット(発色基質法)、仕様:10×71nkat、ロット番号:N1243555、メーカー:イタリアChromogenix社。
発色基質S、仕様:25mg、ロット番号:N1143454、メーカー:イタリアChromogenix社。
ポリエチレングリコール(PEG)6000、仕様:50g、ロット番号:LB50P76、メーカー:北京百霊威科技有限公司。
ヘパリンナトリウム、仕様:1g/本、ロット番号:9041−08−1、メーカー:Bomei。
【0111】
(3)PAF含有量の測定試薬
科学研究用兎の血小板活性化因子(PAF)キット、仕様:96T/箱×5箱、48T/箱×1箱、ロット番号:201509、201508、有効期限:2016.02、上海バイ聯生物科技有限公司製。
【0112】
(4)麻酔薬
ペントバルビタールナトリウム、家兎麻酔用。使用時に精製水でペントバルビタールナトリウムを3%の濃度に調製する。3%のペントバルビタールナトリウム溶液(g/v)を調製する。モデル作製における家兎麻酔に用いられる。
【0113】
(5)病理学的検査剤
組織標本固定液(FAA液):95%のエタノール(ARグレード)、ロット番号:2015052301、有効期限:2020.4、仕様:20kg/バケツ、成都市科龍化工試薬廠製、
氷酢酸(ARグレード)、ロット番号:2015040201、有効期限:2020.03、仕様:500ml/本、成都市科龍化工試薬廠製、
ホルムアルデヒド(ARグレード)、ロット番号:2014120801、有効期限:2016.11、仕様:500ml/本、成都市科龍化工試薬廠製。
調製方法:4200mlの95%のエタノール、500mlのホルムアルデヒド、300mlの氷酢酸及び900mlの精製水をそれぞれ称量して、プラスチックのバケツに注入して、十分かつ均一に混合すればよい。
脱水試薬:無水エタノール(ARグレード)、ロット番号:2015052501、有効期限:2020.04、仕様:20kg/バケツ、成都市科龍化工試薬廠製。
調製方法:精製水で無水エタノールを希釈して70%、80%及び90%のエタノール溶液に調製する。
透明化試薬:キシレン(ARグレード)、ロット番号:2014071001、有効期限:2019.06、仕様:500ml/本、成都市科龍化工試薬廠製。
ヘマトキシリン染色液:ヘマトキシリン(ARグレード)、ロット番号:2014010701、有効期限:2017.04、仕様:5g/本、成都市科龍化工試薬廠製、
硫酸カリウムアルミニウム(ARグレード)、ロット番号:2014091601、有効期限:2017.1、仕様:500g/本、成都市科龍化工試薬廠製、
ヨウ素酸ナトリウム(ARグレード)、ロット番号:20140711、有効期限:2017.1、仕様:100g/本、成都市科龍化工試薬廠製、
グリセリン(グリセロール、ARグレード)、ロット番号:2014122401、有効期限:2017.12、成都市科龍化工試薬廠製、
氷酢酸(ARグレード)、ロット番号:2015040201、有効期限:2020.3、仕様:500ml/本、成都市科龍化工試薬廠製。
調製方法:1.5002gのヘマトキシリンを秤量して、250mlの精製水を添加し、完全に溶解するまで撹拌し、さらに312.5mlの精製水を添加し、0.3003gのヨウ素酸ナトリウムを秤量してビーカーに添加し、5分間撹拌し、次に37.5004gの硫酸カリウムアルミニウムを添加し、完全に溶解すると187.5mlのグリセリンを添加し、均一に混合し、最後に7.5mlの氷酢酸を添加し、十分に撹拌して均一に混合すれば得られる。
エオシン染色液:エオシン(水溶液)、ロット番号:2013110501、有効期限:2016.05、仕様:25g/本、成都市科龍化工試薬廠製、
無水エタノール(ARグレード)、ロット番号:2015052501、有効期限:2020.4、仕様:20kg/バケツ、成都市科龍化工試薬廠製。
調製方法:600mlの無水エタノールと150mlの精製水をビーカーに入れて、均一に混合し、3.7505gのエオシンを添加し、均一に撹拌して溶解すれば得られる。
塩酸−エタノール分別液:塩酸(ARグレード)、ロット番号:2014072301、有効期限:2019.7.22、仕様:500ml/本、成都市科龍化工試薬廠製、
無水エタノール(ARグレード)、ロット番号:2015052501、有効期限:2020.4、仕様:20kg/バケツ、成都市科龍化工試薬廠製。
調製方法:520mlの無水エタノールと222.5mlの精製水をビーカーに入れて、均一に混合し、次に7.5mlの濃塩酸を徐々に添加し、撹拌して均一に混合すれば得られる。
封入試薬:中性バルサム、仕様:100g/本、ロット番号:20140106、有効期限:2018.12、中国上海懿洋機器有限公司製。
カバーグラス洗浄液:二クロム酸カリウム:(ARグレード)、ロット番号:20120822、有効期限:2016.07、仕様:500g/本、成都市科龍化工試薬廠製、
濃硫酸:(ARグレード)、ロット番号:2014072301、20130607、有効期限:2019.7.22、2018.06.06、仕様:500ml/本、成都市科龍化工試薬廠製。
調製方法:500mlの精製水に50.0003gの二クロム酸カリウムを添加して、撹拌し、溶解し、均一に混合し、次に50mlの濃硫酸をその中に徐々に添加して、撹拌して均一に混合すればよい。
【0114】
2.4 モデル作製
検疫及び適応性観察に合格した392羽の日本白色家兎を選択し、体重が2.070〜2.560kgで、全部が雄であり、まず8羽を正常群として取り、その他は、打撃装置を用いて、1.5cmの打撃接触円面の直径で打撃し、創傷エネルギをEp=mghで算出すれば、鉄棒による打撃毎のエネルギーが7.5Jである。具体的な方法として、兎耳の縁部で3%のペントバルビタールナトリウムを1ml/kg静脈注射して麻酔し、右側臥位で、左大腿の付け根を打撃台に載せて、兔の左大腿骨大転子に触って判明し、打撃ヘッドの平面を大腿骨大転子からその以下1.5cmまでの範囲内に付け、自製の打撃装置を用いて、兔大腿部の近位部の外側を打撃し、石膏で左下肢を屈膝屈股姿勢で固定し、ギプス包帯を装着する時に右股関節が自由に動けると検査した後、腹臥位でギプスの定形を待ち、モデルを作製した後、動物に自由に水を飲ませて、顆粒状飼料を給餌し、抗凝固剤や抗生物質を用いない。
【0115】
2.5 群分けと投与方式
2.5.1 薬物調製方法
薬物(mg):ヒドロキシプロピルメチルセルロース(mg):ラクトース(mg):マンニトール(mg)=1:2:10:20であり、均一に研磨した後、1mlの精製水を添加し、均一に撹拌すれば得られる。例えば、50mgの薬物+100mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース+500mgのラクトース+1000mgのマンニトールを、均一に研磨し、50mlの水を添加して、均一に撹拌すれば1mg/mlの薬液が得られる。
【0116】
2.5.2 投与方式
各群の動物をモデルに作製した後で群に分けて、下記表4の投与方式で胃内投与し、7日間と連続的に1日あたり1回投与する。
【表6】
【表7】
【0117】
2.6 指標検出
2.6.1 血液凝固機能及び血液凝固因子活性の測定
初回投与後0.5、1.0、2.0、3.0、及び4.0hで、耳の中心動脈から血液を採取し、血漿を分離し、全自動血液凝固測定装置でPPT、PT及びXa活性を測定する。
【0118】
2.6.2 PAF含有量の変化
初回投与後0.5、1.0、2.0、3.0、及び4.0hで、耳の中心動脈から血液を採取し、血清を分離し、ELISA法でPAF含有量の変化を測定する。
【0119】
2.6.3 深部静脈血栓症形成の測定
最終投与後30minで放血して動物を死に処分し、大腿動脈、静脈を摘出し、HE染色し、光学顕微鏡検査で血管内皮損傷、血栓形成及び血管破裂などの状況を検査し、以上の病変程度に対して分類スコアを行い、具体的なスコア標準は表5を参照する。
【表8】
【0120】
2.7 統計学的処理
血液凝固機能と血液凝固因子とPAF含有量のデータを測定データとして、Excelソフトウェアを用いて平均値、標準偏差を算出し、データが正規分布であるかを判断し、正規分布であれば、ExcelにおけるF検定を用いて等分散性検定を行い、次にt検定を選択して統計し、非正規分布であれば、ノンパラメトリック検定を行う。
病理学的検出データをカテゴリカルデータとし、ソフトウェアSPSS13.0による「ノンパラメトリック検定」の「複数の独立したサンプル」を用いて統計分析を行う。
【0121】
三、実験結果
3.1 血液凝固機能及び抗血液凝固因子活性の測定
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【0122】
表6で示すように、1.投与後0.5h〜4hで、モデル群を正常対照群と比較すると、aPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)はいずれも明らかな延長が見られなかった(p>0.05)。成功裏にモデルを作製したことを示す。2.モデル群と比較すると、各投与群は、投与後0.5h〜4hで大部分のaPTTの明らかな延長が見られなかった(p>0.05)。ギンコライドB、キサバン系及び各組成物群に出血有害反応がないことを示す。3.投与後1hでモデル群と比較すると、ギンコライドB及びリバーロキサバン群のaPTTは、明らかな延長が発生し(p<0.05)、アピキサバン群、エドキサバン群、ラザキサバン群、オタミキサバン群のaPPTは、いずれも明らかな延長が見られず(P>0.05)、ギンコライドB+キサバン系群のaPPTは、有意な延長(p<0.01)と明らかな延長(p<0.05)が発生し、本発明の薬物組成物がaPPTを効果的に延長するとともに、該比率におけるギンコライドB及びキサバンがaPPTの延長に対して相乗効果を有することを示す。
【0123】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【0124】
表7で示すように、1.投与後0.5h〜4hで、モデル群を正常対照群と比較すると、PT(トロンボプラスチン時間)はいずれも明らかな延長が見られなかった(p>0.05)。成功裏にモデルを作製したことを示す。2.モデル群と比較すると、各投与群は、投与後0.5h〜4hでPTの明らかな延長が見られなかった(p>0.05)。ギンコライドB、キサバン系群及び各組成物群に出血有害反応がないことを示す。3.投与後0.5hでモデル群と比較すると、各組成物群のPT(プロトロンビン時間)の明らかな延長(p<0.05)と有意な延長(p<0.01)が発生し、本発明の薬物組成物がPTを効果的に延長するとともに、ギンコライドB及びキサバン系がPTの延長に対して相乗効果を有することを示す。
【0125】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【0126】
表8で示すように、1.投与後0.5h〜4hで、モデル群と正常対照群を比較すると、抗血液凝固第Xa因子活性はいずれも異常が見られなかった(p>0.05)。成功裏にモデルを作製したことを示す。2.モデル群と比較すると、投与後0.5h〜4hで、ギンコライドB群の抗血液凝固第Xa因子活性は、時間経過につれて向上し(P<0.001)、リバーロキサバンとアピキサバン群はいずれも非常に有意な差があり(p<0.001)、キサバン系薬物の抗血液凝固第Xa因子活性がギンコライドBより高いことを示す。3.投与後2hでモデル群と比較すると、各単一薬剤の群の抗第Xa因子活性が明らかに高まり(p<0.05)、各組成物群の抗第Xa因子活性が非常に明らかに高まり(p<0.001)、本発明の薬物組成物が抗第Xa因子活性を向上させるとともに、ギンコライドB及びキサバンが抗第Xa因子活性に対して相乗効果を有することを示す。
【0127】
3.2 PAF含有量の変化
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【0128】
表9で示すように、1.投与後0.5h〜4hで、モデル群と正常対照群を比較すると、PAF(血小板活性化因子)含有量はいずれも有意な差が見られなかった(p>0.05)。成功裏にモデルを作製したことを示す。2.モデル群と比較すると、投与後2hで、ギンコライドB群のPAF含有量が有意に低下し(P<0.01)、投与後4hで、リバーロキサバンとアピキサバン群のPAF含有量が非常に有意に低下し(P<0.001)、ラザキサバンとオタミキサバン群のPAF含有量が有意に低下(P<0.01)する。3.モデル群と比較すると、投与後0.5hで、各組成物群のPAF含有量が有意に低下し(P<0.01)、本発明の薬物組成物がPAF含有量を効果的に低下させるとともに、ギンコライドBと組キサバン系のPAF拮抗受容体が相乗効果を有することを示し、投与後1hで、各組成物群のPAF含有量が非常に有意に低下するか(P<0.001)有意に低下し(P<0.01)、ギンコライドBとアピキサバンのPAF拮抗受容体が相乗効果を有することを示し、投与後2hで、各組成物群のPAF含有量が非常に有意に低下するか(P<0.001)有意に低下し(P<0.01)、ギンコライドBとアピキサバンのPAF拮抗受容体が相乗効果を有することを示す。
【0129】
表6〜表9から分かるように、
ギンコライドB+リバーロキサバンの組成物群(組成物1〜8)において、組成物1、5〜8群のaPPTが長く、PTがより長く、抗第Xa因子活性がより高く、PAF含有量がより低く、組成物1群のaPPTが最も長く、PTが最も長く、抗第Xa因子活性が最も高く、PAF含有量が最も低いため、ギンコライドB+リバーロキサバンの組成物において、ギンコライドBとリバーロキサバンとの配合比率は、好ましくは、ギンコライドBが5〜15部、リバーロキサバンが10〜20部であり、最も好ましくは、ギンコライドBが10部、リバーロキサバンが15部である。
【0130】
ギンコライドB+アピキサバンの組成物群(組成物9〜16)において、組成物9、13〜16群の血小板aPPTが長く、PTがより長く、抗第Xa因子活性がより高く、PAF含有量がより低く、組成物9群のaPPTが最も長く、PTが最も長く、抗第Xa因子活性が最も高く、PAF含有量が最も低いため、ギンコライドB+アピキサバンの組成物において、ギンコライドBとアピキサバンとの配合比率は、好ましくは、ギンコライドBが5〜15部、アピキサバンが1〜10部であり、最も好ましくは、ギンコライドBが10部、アピキサバンが5部である。
【0131】
ギンコライドB+エドキサバンの組成物群(組成物17〜24)において、組成物17、22〜24群のaPPTが長く、PTがより長く、抗第Xa因子活性がより高く、PAF含有量がより低く、組成物17群のaPPTが最も長く、PTが最も長く、抗第Xa因子活性が最も高く、PAF含有量が最も低いため、ギンコライドB+エドキサバンの組成物において、ギンコライドBとエドキサバンとの配合比率は、好ましくは、ギンコライドBが5〜15部、エドキサバンが10〜30部であり、最も好ましくは、ギンコライドBが10部、エドキサバンが15部である。
【0132】
ギンコライドB+ラザキサバンの組成物群(組成物25〜29)において、組成物25、28〜29群のaPPTが長く、PTがより長く、抗第Xa因子活性がより高く、PAF含有量がより低く、組成物25群のaPPTが最も長く、PTが最も長く、抗第Xa因子活性が最も高く、PAF含有量が最も低いため、ギンコライドB+ラザキサバンの組成物において、ギンコライドBとラザキサバンとの配合比率は、好ましくは、ギンコライドBが5〜15部、ラザキサバンが5〜15部であり、最も好ましくは、ギンコライドBが10部、ラザキサバンが10部である。
【0133】
ギンコライドB+オタミキサバンの組成物群(組成物30〜41)において、組成物30、38〜41群のaPPTが長く、PTがより長く、抗第Xa因子活性がより高く、PAF含有量がより低く、組成物30群のaPPTが最も長く、PTが最も長く、抗第Xa因子活性が最も高く、PAF含有量が最も低いため、ギンコライドB+オタミキサバンの組成物において、ギンコライドBとオタミキサバンとの配合比率は、好ましくは、ギンコライドBが8〜12部、オタミキサバンが50〜90部であり、最も好ましくは、ギンコライドBが10部、オタミキサバンが10部である。
【0134】
試験結果から分かるように、本発明では、ギンコライドBと、キサバン系活性成分、例えばリバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン、ラザキサバン、オタミキサバンなどのキサバン系薬物とを併用し、aPPTが明らかに延長し、PTが明らかに延長し、抗第Xa因子活性を明らかに増強し、PAF含有量が明らかに低下し、かつこの両者の単独使用の場合より優れ、この両者の併用が相乗効果を発揮し、ギンコライドBとキサバン系活性成分で構成された組成物は、aPPTが長く、PTが長く、抗第Xa因子活性が高く、PAF含有量が低く、様々な作用メカニズムにより血小板凝集を抑制することができる。
【0135】
以上から、本発明では、ギンコライドBとキサバン系薬物を併用し、この両者が相乗効果を奏し、本発明のギンコライドBとキサバン系薬物で構成された薬物組成物は、血小板凝集を効果的に抑制でき、效果が高く、臨床応用の見通しに優れている。