(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、予めオペレータが操作するコンピュータと、通話を行う移動体通信端末と、を関連付けておくが必要であるため、事前準備に手間がかかり、利便性が低下する、という問題が生じる。これに加え、コンピュータと移動体通信端末とを関連付けていることから、使用する移動体通信端末を安易に変更することができず、移動体通信端末の自由度が低下し、さらに利便性が低下する、という問題が生じる。
【0006】
また、上述した問題は、営業活動時に限らず、多数の発呼を伴ういかなる状況においても生じうる。
【0007】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、発呼を行うシステムの利便性の低下を解消することができる情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態である情報処理システムは、
発呼を行う移動体通信端末と、前記移動体通信端末と通信可能なサーバ装置と、を備えた情報処理システムであって、
前記サーバ装置は、
発呼先を表す発呼先情報と、前記移動体通信端末へのアクセス先を表す端末情報と、を記憶する記憶手段と、
発呼を指示するユーザに対応づけられたユーザ情報と前記発呼先情報とを含む発呼指示を、前記記憶手段に記憶されている前記端末情報に対して送信する発呼指示手段と、を備え、
前記移動体通信端末は、
自端末が前記発呼指示に含まれる前記ユーザ情報に対応づけられている場合に、前記発呼指示に含まれる前記発呼先情報に基づいて発呼を行う発呼手段を備えた、
という構成をとる。
【0009】
また、上記情報処理システムでは、
前記サーバ装置は、前記移動体通信端末からの登録要求に応じて当該移動体通信端末の前記端末情報を前記記憶手段に記憶する登録手段を備え、
前記サーバ装置が備える前記発呼指示手段は、前記記憶手段に記憶されている全ての前記端末情報に対して前記発呼指示を送信する、
という構成をとる。
【0010】
また、上記情報処理システムでは、
前記移動体通信端末は、当該移動体通信端末に対応づけられた前記ユーザ情報を、前記サーバ装置に対して送信して登録要求を行う登録要求手段を備え、
前記サーバ装置が備える前記登録手段は、前記移動体通信端末からの登録要求に含まれる前記ユーザ情報に基づいて当該移動体通信端末の前記端末情報を前記記憶手段に記憶し、
前記サーバ装置が備える前記発呼指示手段は、前記移動体通信端末からの前記登録要求に応じて前記記憶手段に記憶された全ての前記端末情報に対して前記発呼指示を送信する、
という構成をとる。
【0011】
また、上記情報処理システムでは、
前記サーバ装置が備える前記記憶手段は、ユーザが所属するグループを表すグループ情報を前記端末情報に関連付けて記憶し、
前記サーバ装置が備える前記発呼指示手段は、発呼を指示するユーザが属するグループに対応する前記グループ情報が関連付けられた全ての前記端末情報に対して前記発呼指示を送信する、
という構成をとる。
【0012】
また、上記情報処理システムでは、
前記サーバ装置が備える前記登録手段は、前記移動体通信端末からの登録要求に含まれる前記ユーザ情報に応じて、同一の前記移動体通信端末が既に前記記憶手段に記憶されている場合に、当該移動体通信端末に対応づけられた前記ユーザ情報を含む登録解除指示を、前記記憶手段に記憶されている全ての前記端末情報に対して送信し、
前記移動体通信端末が備える登録要求手段は、自端末が前記登録解除指示に含まれる前記ユーザ情報に対応づけられている場合に、前記登録解除指示に応じて前記記憶手段に対する登録を解除する処理を行う、
という構成をとる。
【0013】
また、上記情報処理システムでは、
前記サーバ装置に通信可能な、前記ユーザが操作する情報処理端末をさらに備え、
前記サーバ装置が備える前記記憶手段は、前記情報処理端末からの要求に応じて当該情報処理端末を操作するユーザに対応づけられた前記ユーザ情報を記憶すると共に、当該ユーザ情報と前記端末情報とを相互に関連付けず異なるテーブルで記憶する、
という構成をとる。
【0014】
また、本発明の一形態である情報処理方法は、
発呼を行う移動体通信端末と、前記移動体通信端末と通信可能なサーバ装置と、を備えた情報処理システムによる情報処理方法であって、
前記サーバ装置が、
発呼先を表す発呼先情報と、前記移動体通信端末へのアクセス先を表す端末情報と、を記憶手段に記憶し、
発呼を指示するユーザに対応づけられたユーザ情報と前記発呼先情報とを含む発呼指示を、前記記憶手段に記憶されている前記端末情報に対して送信し、
前記移動体通信端末が、
自端末が前記発呼指示に含まれる前記ユーザ情報に対応づけられている場合に、前記発呼指示に含まれる前記発呼先情報に基づいて発呼を行う、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のように構成されることにより、発呼を行うシステムの利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、
図1乃至
図8を参照して説明する。
図1乃至
図3は、情報処理システムの構成を説明するための図である。
図4乃至
図8は、情報処理システムの動作を説明するための図である。
【0018】
[構成]
図1は、本発明における情報処理システムの全体構成を示している。この図に示すように、情報処理システムは、ネットワークN及び無線通信回線(図示せず)を介して、発呼制御サーバ1と、ユーザ端末2a,2b,2c,2gと、携帯電話3a,3b,3c,3gと、が接続されて構成されている。以下、各構成について詳述する。
【0019】
まず、ユーザUa,Ub,Uc,Ugは、営業活動に伴う電話営業を行う企業の従業者あるいは当該企業から委託を受けたオペレータである。このうち、ユーザUa,Ub,Ucは、例えば、同一の企業(グループ)に所属し、後述する発呼サービスを利用する際に付与されたアカウントAA(グループ情報)が同一である。一方で、ユーザUgは、異なるグループに所属し、上記アカウントAAとは異なるアカウントGGが付与されている。
【0020】
そして、本実施形態では、ユーザUaがユーザ端末2aと携帯電話3aとを使用するものとする。同様に、ユーザUbがユーザ端末2bと携帯電話3bとを使用し、ユーザUcがユーザ端末2cと携帯電話3cとを使用し、ユーザUgがユーザ端末2gと携帯電話3gとを使用するものとする。但し、ユーザUa等、ユーザ端末2a等、携帯電話3a等の数は、図示した数であることに限定されない。
【0021】
上記発呼制御サーバ1(サーバ装置)は、演算装置及び記憶装置を備えた、1台又は複数台の情報処理装置にて構成されている。そして、発呼制御サーバ1は、
図2に示すように、演算装置がプログラムを実行することで構築された、ログイン管理部11、発呼制御部12、履歴管理部13、を備えている。また、発呼制御サーバ1は、記憶装置に形成された、発呼先情報記憶部15、ユーザ管理情報記憶部16、ログイン情報記憶部17、履歴情報記憶部18、を備えている。なお、各構成の詳細については後述する。
【0022】
上記ユーザ端末2a,2b,2c,2gは、各ユーザUa,Ub,Uc,Ugが操作する、演算装置及び記憶装置を備えたパーソナルコンピュータといった情報処理端末である。なお、各ユーザ端末2a等はそれぞれ同一の構成であるため、以下では代表してユーザ端末2aの構成を説明する。ユーザ端末2aは、
図2に示すように、演算装置がプログラムを実行することで構築された営業処理部21を備えている。なお、構成の詳細については後述する。
【0023】
上記携帯電話3a,3b,3c,3gは、各ユーザUa,Ub,Uc,Ugが操作する、演算装置及び記憶装置を備えたスマートフォンといった移動体通信端末である。なお、各携帯電話3a等はそれぞれ同一の構成であるため、以下では代表して携帯電話3aの構成を説明する。携帯電話3aは、
図2に示すように、演算装置がプログラムを実行することで構築されたログイン部31と通話処理部32とを備えている。なお、構成の詳細については後述する。
【0024】
まず、上記ユーザ端末2aの構成について詳しく説明する。ユーザ端末2aが備える営業処理部21は、後述するように、発呼制御サーバ1から提供される機能と協働して、電話営業を行うための機能をユーザUaに対して提供する機能を有する。例えば、営業処理部21は、発呼制御サーバ1に対してユーザUaがユーザ情報を入力してログインを行う機能、ユーザUaが発呼先を指定して発呼指示を行う機能、通話履歴を発呼制御サーバ1に登録する機能、発呼制御サーバ1に登録されている通話履歴を閲覧する機能、などを提供する。
【0025】
次に、上記携帯電話3aの構成について詳しく説明する。携帯電話3aが備えるログイン部31及び通話処理部32は、後述する発呼制御サーバ1に組み込まれた機能と協働して作動する携帯電話用のアプリケーションが、当該携帯電話3aに組み込まれることで実現されている。具体的に、ログイン部31(登録要求手段)は、ユーザUaが予め発呼制御サーバ1に登録したユーザ情報を入力して、当該発呼制御サーバ1にユーザ情報を送信してログイン要求(登録要求)を行う。そして、携帯電話3aが発呼制御サーバ1にログインした状態になると、当該発呼制御サーバ1に携帯電話3aのアクセス先を表す端末情報(例えば、IPアドレス)が登録されることとなる。このとき、携帯電話3aは、ユーザUaから入力されたユーザ情報を、自己の携帯電話3aに対応づけられたユーザ情報として保持する。
【0026】
また、ログイン部31は、ユーザUaからのログアウト要求に応じて、発呼制御サーバ1に対するログイン状態からログアウトを行う機能を有する。これに加え、ログイン部31は、後述するように、発呼制御サーバ1からユーザ情報を含む強制ログアウト指示(登録解除指示)を受けることがあり、かかる指示を受けた場合には自動的にログアウトを行う。このとき、発呼制御サーバ1からの強制ログアウト指示は複数の携帯電話3aに対して送信されているため、ログイン部31は、強制ログアウト指示に含まれているユーザ情報を確認し、かかるユーザ情報が、上述したログイン時に自己の携帯電話3aに対応づけられたものと同一であるか否かを調べる。そして、ログイン部31は、強制ログアウト指示に含まれるユーザ情報が自身に対応づけられたものである場合には、強制ログアウト指示が自身宛であると判断し、発呼制御サーバ1に対してログアウトを行う。このログアウト処理により、発呼制御サーバ1に登録されている携帯電話3aの端末情報は登録解除となる。
【0027】
また、携帯電話3aが備える通話処理部32(発呼手段)は、後述するように、発呼制御サーバ1から送信されるユーザ情報と発呼先情報とを含む発呼指示を受信し、これに応じて発呼先への発呼を行う。このとき、発呼制御サーバ1からの発呼指示は複数の携帯電話3aに対して送信されているため、通話処理部32は、発呼指示に含まれているユーザ情報を確認し、かかるユーザ情報が、上述したログイン時に自己の携帯電話3aに対応づけられたものと同一であるか否かを調べる。そして、通話処理部は、発呼指示に含まれるユーザ情報が自身に対応づけられたものである場合には、発呼指示が自身宛であると判断し、かかる発呼指示に含まれる発呼先情報に基づいて発呼を行う。これにより、ユーザUaは、発呼先の相手と通話することができる。
【0028】
また、通話処理部32は、ユーザUaと発呼先との通話中、あるいは、通話終了後に、通話履歴を発呼制御サーバ1に通知する機能を有する。通話履歴は、例えば、通話日時、録音した通話内容、不在(発呼に応答なし)などの情報である。このとき、通話履歴には、携帯電話3aがログインしているユーザのユーザ情報と、発呼先の電話番号と、を含められる。
【0029】
次に、上記発呼制御サーバ1の構成について詳しく説明する。まず、発呼制御サーバが備える各記憶部15,16,17,18には、それぞれ以下の情報が記憶される。
【0030】
上記発呼先情報記憶部15は、営業活動の対象となる発呼先の情報、つまり、顧客の電話番号を含む発呼先情報を記憶している。なお、発呼先情報は、顧客の会社名や住所など、他の情報を含んでいてもよい。
【0031】
上記ユーザ管理情報記憶部16は、発呼制御サーバ1により提供されるサービスの利用登録を行った上記ユーザUa,Ub,Uc,Ugの情報を記憶している。ユーザの情報は、例えば、
図3(a)に示すように、サービス登録した企業などのグループを識別するアカウント(グループ情報)と、各アカウントに属するユーザを識別するユーザ名やメールアドレスからなるユーザ情報と、を含んでいる。なお、ユーザの情報は、他の情報を含んでいてもよい。
【0032】
上記ログイン情報記憶部17は、ユーザUaによりログインされたユーザ端末2aと携帯電話3aの情報を記憶する。このとき、ログイン情報記憶部17には、
図3(b)に示すように、ユーザ端末2aのログインに応じては、ユーザ名といったユーザ情報を記憶し、携帯電話3aのログインに応じては、IPアドレスといった端末情報を記憶する。そして、ユーザ端末2aのユーザ情報と、携帯電話3aの端末情報とは、相互に関連付けず、それぞれ異なるテーブルで管理して記憶している。つまり、同一のユーザUaからユーザ端末2aと携帯電話3aでログインがあったとしても、ユーザ端末2aのログインを示すユーザ情報と、携帯電話3aのログインを示す端末情報とは関連付けずに、それぞれ登録されることとなる。
【0033】
また、上記ログイン情報記憶部17は、アカウント毎に、ユーザ情報と端末情報とを管理して登録する。例えば、ユーザUaにてユーザ端末2aからログインがあった場合には、ログインに用いられたユーザ名から、ユーザ管理情報記憶部16に記憶されているユーザのアカウントを調べ、当該ユーザUaが属するアカウントに関連付けてユーザ情報を記憶する。また、ユーザUaにて携帯電話3aからログインがあった場合には、ログインに用いられたユーザ名から、ユーザ管理情報記憶部16に記憶されているユーザのアカウントを調べ、当該ユーザUaが属するアカウントに関連付けて端末情報を記憶する。
【0034】
なお、
図3(b)の例では、ログイン情報記憶部17内に、ログインしている携帯電話3aのIPアドレスといった端末情報しか記憶していないが、ログイン時に用いられ携帯電話3aに対応づけられたユーザUaのユーザ情報や、携帯電話3aの電話番号などを併せて記憶してもよい。また、ログイン情報記憶部17には、過去のログイン履歴を記憶してもよい。
【0035】
上記履歴情報記憶部18は、各ユーザによる通話履歴を記憶する。例えば、通話履歴は、ユーザ管理情報記憶部16に記憶されているユーザの情報に関連付けて、当該ユーザが発呼した通話履歴を記憶する。
【0036】
上記ログイン管理部11(登録手段)は、ユーザUaの操作によるユーザ端末2aからのログイン要求を受けて、かかるユーザ端末2aのログイン可否を判定する。具体的に、ログイン管理部11は、ユーザUaにてユーザ端末2aに入力されたユーザ情報を受け付けて、かかるユーザ情報のユーザが正当なユーザであるかを、ユーザ管理情報記憶部16と照合して調べる。そして、ユーザ端末2aにてログイン要求してきたユーザUaが正当なユーザである場合には、ユーザ情報をログイン情報記憶部17に記憶する。このとき、ユーザUaのアカウントも関連付けて記憶する。
【0037】
また、ログイン管理部11は、ユーザUaの操作による携帯電話3aからのログイン要求を受けて、かかる携帯電話3aのログイン可否を判定する。具体的に、ログイン管理部11は、ユーザUaにて携帯電話3aに入力されたユーザ情報を受け付けて、かかるユーザ情報のユーザが正当なユーザであるかを、ユーザ管理情報記憶部16と照合して調べる。そして、携帯電話3aにてログイン要求してきたユーザUaが正当なユーザである場合には、携帯電話3aのIPアドレスといった端末情報を、ログイン情報記憶部17に記憶する。このとき、ログイン時に入力されたユーザUaのユーザ情報から、かかるユーザUaのアカウントも調べ、当該アカウントに端末情報を関連付けて記憶する。
【0038】
ログイン管理部11は、以上のようにログイン処理を行うことで、
図3(b)に示すように、アカウント毎に、ユーザ端末2aでログインしているユーザ情報と、携帯電話3aでログインしている端末情報と、を別々のテーブルで、ログイン情報記憶部17に記憶している。なお、ログイン管理部11は、過去にログインされた携帯電話3aの端末情報や、当該携帯電話3aに対応づけられたユーザ情報を、ログイン情報記憶部17に記憶して残してもよい。
【0039】
上記発呼制御部12(発呼指示手段)は、ログインしているユーザ端末2aに対して、発呼処理を行う操作画面を出力する。操作画面は、例えば、発呼先情報記憶部15に記憶されている発呼先一覧、発呼ボタン、過去の通話履歴、などを表示する。そして、発呼制御部12は、ユーザ端末2aにて発呼先を選択され、発呼ボタンが押されるなどの発呼操作を受けると、ログインしている携帯電話3aに対して発呼指示を行う。このとき、発呼制御部12は、発呼操作を行ったユーザ端末2aのユーザ情報と、電話番号といった発呼先情報と、を発呼指示に含めて送信する。
【0040】
特に、発呼制御部12は、ログイン情報記憶部17を調べ、ログインしている全ての携帯電話3aのアドレス先となる端末情報宛てに、上記発呼指示を送信する。つまり、発呼制御部12は、送信先を特定せず、発呼指示を複数の携帯電話3aに対してブロードキャストにて送信する。但し、発呼制御部12は、発呼指示を行ったユーザUaが属するアカウントを調べ、かかるアカウントと同一のアカウントに属するログインしている全ての携帯電話3aに対してのみ、発呼指示を送信する。
【0041】
以上のように発呼制御部12によって発呼指示を行うことで、これを受けた携帯電話3aは、上述したように、発呼指示に含まれるユーザ情報に該当する携帯電話3aのみが発呼を行うこととなる。
【0042】
上記履歴管理部13は、携帯電話3aから送信された通話履歴を受け取り、履歴情報記憶部18に記憶する。このとき、通話履歴には、発呼を行ったユーザのユーザ情報と発呼先の電話番号とが含められているため、通話日時や録音した通話内容などは、ユーザ管理情報記憶部16内のユーザ情報と、発呼先情報記憶部15内の発呼先と、に関連付けられる。
【0043】
なお、発呼制御サーバ1は、上述した機能以外にも、以下の動作説明時に説明するような他の機能を有する。
【0044】
[動作]
次に、上述した情報処理システムの動作を、主に
図4乃至
図7の情報の流れを示す図、及び、
図8のシーケンス図を参照して説明する。
【0045】
まず、各ユーザUa,Ub,Uc,Ugは、営業活動において自身の携帯電話3a,3b,3c,3gから発呼を行うことができるようにするために、携帯電話3a,3b,3c,3gから発呼制御サーバ1に対してログインする(
図4の矢印Y1,Y2,Y3,Y4参照、
図8のステップS1,S2,S3)。具体的には、各ユーザUa,Ub,Uc,Ugは、それぞれ自身の携帯電話3a,3b,3c,3gを操作して発呼制御サーバ1にアクセスし、予め登録しているユーザ情報を入力する。なお、
図8のシーケンス図では、同一アカウント(AA)に属するユーザUa,Ub,Ucの携帯電話3a,3b,3cのみを図示し、また、ユーザUbのユーザ端末2bのみを図示している。
【0046】
各携帯電話3a,3b,3c,3gからログインを受け付けた発呼制御サーバ1は、受け付けたユーザ情報のユーザが正当なユーザであるかを、ユーザ管理情報記憶部16に予め登録されている情報と照合して調べる。そして、発呼制御サーバ1は、携帯電話3a,3b,3c,3gにてログイン要求してきたユーザが正当なユーザである場合には、各携帯電話3aのIPアドレスといった端末情報を、ログイン情報記憶部17に記憶する(
図8のステップS5)。このとき、発呼制御サーバ1は、ログイン時に入力されたユーザ情報から、かかるユーザのアカウントも調べ、当該アカウントに端末情報を関連付けて記憶する。つまり、発呼制御サーバ1は、
図3(b)に示すように、アカウント毎に、ログインした携帯電話3a,3b,3c,3gの端末情報を記憶する。
【0047】
続いて、上述したように携帯電話3a,3b,3c,3gでログインしたユーザUa,Ub,Uc,Ugのうち、ユーザUbが顧客に対して発呼を行う場合を説明する。ユーザUbは、自身のユーザ端末2bから発呼操作を行うために当該ユーザ端末2bにて発呼制御サーバ1に対してログインする(
図5の矢印Y5参照、
図8のステップS4)。具体的には、ユーザUbは、自身のユーザ端末2bを操作して発呼制御サーバ1にアクセスし、予め登録しているユーザ情報を入力する。
【0048】
ユーザ端末2bからログイン処理を受け付けた発呼制御サーバ1は、受け付けたユーザ情報のユーザが正当なユーザであるかを、ユーザ管理情報記憶部16に予め登録されている情報と照合して調べる。そして、発呼制御サーバ1は、ユーザ端末2bにてログイン要求してきたユーザが正当なユーザである場合には、ユーザ情報をログイン情報記憶部17に記憶する(
図8のステップS5)。このとき、発呼制御サーバ1は、ログイン時に入力されたユーザ情報から、かかるユーザのアカウントも調べ、当該アカウントにユーザ情報を関連付けて記憶する。つまり、発呼制御サーバ1は、
図3(b)に示すように、アカウント毎に、ログインしたユーザ端末2bのユーザ情報を記憶する。
【0049】
続いて、発呼制御サーバ1は、ログインしているユーザ端末2bに対して、発呼処理を行う操作画面を出力する。操作画面には、例えば、発呼先情報記憶部15に記憶されている発呼先一覧、発呼ボタン、選択された発呼先への過去の通話履歴、などが表示される。ユーザUbは、ユーザ端末2bに表示された操作画面上で、発呼先を選択し、発呼ボタンを押すといった発呼操作を行うと、かかる発呼操作の内容がユーザ端末2bから発呼制御サーバ1に通知される(
図5の矢印Y5参照、
図8のステップS6)。
【0050】
上述した発呼操作を受けた発呼制御サーバ1は、ログインしている携帯電話に対して発呼指示を行う。このとき、発呼制御サーバ1は、発呼指示に、発呼操作を行ったユーザ端末2bのユーザ情報と、発呼先の電話番号といった発呼先情報と、を発呼指示に含めて送信する。また、発呼制御サーバ1は、発呼指示を行ったユーザ端末2bのユーザUbが属するアカウントを調べ、かかるアカウントに属するログインしている全ての携帯電話に対してのみ、発呼指示を送信する。このため、ユーザ端末2bが発呼操作を行った場合には、発呼制御サーバ1は、ユーザ端末2bが属するアカウントAAに属する全ての携帯電話3a,3b,3cに対して発呼指示を行う(
図6の矢印Y6,Y7,Y8参照、
図8のステップS7)。このように、発呼制御サーバ1は、発呼指示の送信先を特定せず、発呼指示を複数の携帯電話3a,3b,3cに対してブロードキャストにて送信する。なお、発呼制御サーバ1は、異なるアカウントGGに属する携帯電話3gには発呼指示は行わない。
【0051】
そして、発呼制御サーバ1から発呼指示を受けた携帯電話3a,3b,3cは、発呼指示に含まれているユーザ情報が自身の携帯電話3a,3b,3cに対応づけられているものと同一であるか否か、つまり、ログイン時に入力されたユーザ情報と同一であるか否かを調べる。このとき、携帯電話3a,3cは、発呼指示に含まれているユーザ情報とは異なるユーザ情報が対応づけられているため、当該発呼指示に対しては何もしない。一方で、携帯電話3bは、発呼指示に含まれているユーザ情報と同一のユーザ情報が対応づけられているため、発呼指示が自身宛であると判断し、かかる発呼指示に含まれる発呼先情報に基づいて発呼を行う(
図6の矢印Y9参照、
図8のステップ8)。これにより、ユーザUbは、携帯電話3bを用いて発呼先の相手と通話することができる(
図8のステップS9)。
【0052】
その後、携帯電話3bは、発呼先との通話中、あるいは、通話終了後に、通話履歴を発呼制御サーバ1に通知する(
図7の矢印Y10参照、
図8のステップS10)。例えば、携帯電話3bは、通話中に通話内容を録音した録音情報や、発呼に対する通話応答日時、発呼に対して応答がなかった不在日時、などを通話履歴として発呼制御サーバ1に通知する。このとき、携帯電話3bは、当該携帯電話3bがログインしているユーザのユーザ情報と、発呼先の電話番号と、を通話履歴に含めて発呼制御サーバ1に通知する。
【0053】
続いて、発呼制御サーバ1は、携帯電話3aから送信された通話履歴を受け取り、履歴情報記憶部18に記憶する(
図8のステップS11)。このとき、通話履歴には、発呼を行ったユーザのユーザ情報と発呼先の電話番号とが含められている。このため、発呼制御サーバ1は、通話日時や録音した通話内容などの履歴情報を、ユーザ管理情報記憶部16内のユーザ情報と、発呼先情報記憶部15内の発呼先と、に関連付けて登録する。
【0054】
その後、ユーザUbは、ユーザ端末2bから発呼制御サーバ1にログインして、発呼先を指定する。すると、発呼制御サーバ1は、指定された発呼先に関連付けられて記憶されている過去の通話履歴情報を、ユーザ端末2bに送信して表示する(
図7の矢印Y11、
図8のステップS12)。これにより、ユーザUbは、発呼先に対する営業活動の過去の履歴情報を閲覧することができ、後の営業活動の参考とすることができる。
【0055】
ここで、発呼制御サーバ1が携帯電話からログインされたときの動作をさらに説明する。発呼制御サーバ1のログイン管理部11は、携帯電話からログインされた際に、入力されたユーザ情報が既にログインしているか否かも調べる。このとき、発呼制御サーバ1は、例えば、ログイン中の携帯電話のユーザ情報を記憶しておき、かかる記憶しているユーザ情報をもとに既にログインしているユーザの携帯電話を調べてもよい。そして、発呼制御サーバ1は、既にログインしている携帯電話が存在する場合には、ログインしてきたユーザ情報のアカウントを調べ、かかるアカウントに属する全てのログインしている携帯電話の端末情報に対して強制ログアウト指示(登録解除指示)を送信する。なお、強制ログアウト指示には、既にログインしているユーザ情報が含められている。このように、発呼制御サーバ1は、上述した発呼指示と同様に、既にログインしているユーザ情報を含めた強制ログアウト指示を、送信先を特定せずに複数の携帯電話3a,3b,3cに対してブロードキャストにて送信する。
【0056】
そして、発呼制御サーバ1から強制ログアウト指示を受けた携帯電話3a,3b,3cは、強制ログアウト指示に含まれているユーザ情報が自身の携帯電話3a,3b,3cに対応づけられているものと同一であるか否か、つまり、ログイン時に入力されたユーザ情報と同一であるか否かを調べる。すると、強制ログアウト指示に含まれているユーザ情報と同一のユーザ情報が対応づけられている携帯電話のみが、発呼制御サーバ1に対するログイン状態からログアウトを行う。なお、強制ログアウト指示に含まれているユーザ情報と同一のユーザ情報が対応づけられていない携帯電話は、発呼制御サーバ1に対するログイン状態を維持する。
【0057】
また、発呼制御サーバ1が携帯電話に対して発呼指示を行ったときの動作をさらに説明する。発呼制御サーバ1は、上述したように送信先を特定せず複数の携帯電話3a,3b,3cに発呼指示を行った場合に、発呼を行うべき携帯電話3bから何らの応答がなかった場合には、発呼要求を行ったユーザ端末2bに対してその旨を表示するよう出力する。例えば、ユーザUbが携帯電話3bのログインを行ったものの、その後、電源を切ってしまった場合には、携帯電話3bの応答がない旨をユーザ端末2bを通じてユーザUbに通知することができる。
【0058】
また、発呼制御サーバ1は、携帯電話に対して発呼指示を行う際に、発呼を行うべき携帯電話がログインしていないことがわかると、発呼要求を行ったユーザ端末に対してその旨を表示するよう出力する。例えば、発呼制御サーバ1は、一度でも携帯電話でログインしたユーザ情報を記憶しておき、かかるユーザ情報のうち、発呼要求を行うユーザ端末のユーザ情報と同一のユーザ情報で携帯電話がログインされていないことを検出した場合には、ログインしていない旨をユーザ端末を通じてユーザに通知することができる。なお、発呼制御サーバ1は、一度でも携帯電話でログインを行ったか否かに限らず、発呼要求を行うユーザ端末のユーザ情報と同一のユーザ情報で携帯電話がログインされていないことを検出した場合には、ログインしていない旨をユーザ端末に出力してもよい。
【0059】
以上のように、本発明によると、予めユーザが操作するユーザ端末と、通話を行う携帯電話と、を関連付けておくが必要がなく、発呼を行うための準備が容易となり、また、使用する携帯電話を容易に登録や変更できる。その結果、発呼を行うシステムの利便性の向上を図ることができる。
【0060】
なお、上記では、営業活動に伴い発呼を行う場合を例示したが、営業活動時に限らず、多数の発呼を伴ういかなる状況においても、本発明のシステムを利用することができる。
【0061】
ここで、上述したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0062】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0063】
なお、本発明は、日本国にて2017年10月27日に特許出願された特願2017−208372の特許出願に基づく優先権主張の利益を享受するものであり、当該特許出願に記載された内容は、全て本明細書に含まれるものとする。
本発明の情報処理システムは、移動体通信端末と、サーバ装置と、を備え、上記サーバ装置は、発呼先を表す発呼先情報と、移動体通信端末へのアクセス先を表す端末情報と、を記憶する記憶手段と、発呼を指示するユーザに対応づけられたユーザ情報と発呼先情報とを含む発呼指示を、記憶手段に記憶されている端末情報に対して送信する発呼指示手段と、を備える。また、上記移動体通信端末は、自端末が発呼指示に含まれるユーザ情報に対応づけられている場合に、発呼指示に含まれる発呼先情報に基づいて発呼を行う発呼手段を備える。