(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
発泡樹脂からなる筒状の断熱層と、前記断熱層の内周を覆う不燃性の内側被覆膜体と、前記断熱層の外周を覆う不燃性の外側被覆膜体と、を備え、前記断熱層が、自己接着性によって前記内側被覆膜体及び前記外側被覆膜体と接合されており、
前記内側被覆膜体が、前記断熱層の周方向に沿うように環状に巻かれるとともに両縁が重ね合わされたシート状であり、かつ前記重ね合わされた両縁どうしが仮止め手段にて止められており、
さらに前記内側被覆膜体が、膜本体と、前記膜本体の外周面に積層されて前記断熱層に面するメッシュ材とを含み、前記断熱層が、自己接着性によって前記メッシュ材と直接的に接合されるとともに、前記メッシュ材の網目に入り込んで前記膜本体の外周面とも直接的に接合されていることを特徴とする空調ダクト。
前記外側被覆膜体が、前記断熱層の周方向に沿うように環状に巻かれたシート状であり、この外側被覆膜体の一対の縁の内面どうしが貼り合さることによって前記外側被覆膜体と一体をなす耳部が形成され、前記耳部に鳩目が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調ダクト。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜
図5は、本発明の第1実施形態を示したものである。空調ダクト1は、例えば家屋やオフィスビル等の建物の空調設備の配管として用いられる。図示は省略するが、複数の空調ダクト1が軸方向に継ぎ足されることによって、前記空調設備の空調機や換気装置から各室内等の被空調エリアへ延びている。1本の空調ダクト1の長さは、製造装置や空調設備の規模等にもよるが、例えば5cm〜400cm程度である。空調ダクト1の内部に気体流路1aが形成されている。この気体流路1aを温調(冷暖房や湿度調節)された空気や、換気対象の空気が通される。
【0013】
図1に示すように、空調ダクト1は、断熱層10と、内側被覆膜体20と、外側被覆膜体30とを備えている。断熱層10は、例えば円形断面の筒状(管状)になっている。断熱層10の軸線は、直線状になっているが、曲線状になっていてもよく、折曲されていてもよい。
【0014】
断熱層10の材質は、発泡樹脂であり、好ましくは発泡成型時に自己接着性を有する発泡樹脂である。ここで、自己接着性とは、接着剤を介さずに、自らが接着剤となって被接合体と直接に接合可能な性質を言う。好ましくは、前記発泡樹脂は独立気泡を有している。さらに好ましくは、前記発泡樹脂は保形性を有している。ここで、保形性とは、それ自体の形状保持力によって所定の断面形状を保持する性質を言う。したがって、断熱層10は、芯材で補強したり、気体流路1a内に気流を形成したり、気体流路1aの内圧を高めたりしなくても、円形断面を保っている。
なお、前記発砲樹脂の気泡は、必ずしも独立気泡である必要はなく、連続気泡であってもよく、独立気泡同士を隔てる壁が破れて独立気泡同士が連続している気泡であってもよい。
【0015】
詳細には、断熱層10は、フェノールウレタン系発泡樹脂にて構成されている。フェノールウレタン系発泡樹脂は、ウレタンフォームの主剤であるポリオールとイソシアネートにフェノール樹脂を主成分として含み、更に発泡剤、硬化剤、整泡剤等を混合して発泡させることによって得られる発泡体である。耐熱性、断熱性に優れたフェノールフォームの利点と、コスト性、施工性に優れたウレタンフォームの利点を併せ持ち、更に自己硬化性、自己接着性に優れている。フェノールウレタンの発泡倍率は、好ましくは5倍〜60倍である。フェノールウレタンの密度は、例えば20kg/m
3〜80kg/m
3程度である。
【0016】
さらに、フェノールウレタンは、グラスウールよりも熱伝導度が低く、断熱性(保温性)が高い。フェノールウレタンの熱伝導度は、例えば0.020W/m・K〜0.027W/m・K程度である。したがって、所要の断熱性能(保温性能)を確保するのに必要な断熱層10の厚さ(内外周間の寸法)が、グラスウールよりも小さい。グラスウール製の断熱層の場合、所要の断熱性能(保温性能)を確保するには、通常25mm程度以上の厚さが必要であるのに対し、断熱層10の厚さは例えば10mm〜25mm程度である。
【0017】
図1に示すように、断熱層10の内周に内側被覆膜体20が設けられている。
図2及び
図3に示すように、この内側被覆膜体20が断熱層10の内周面の全体を覆っている。内側被覆膜体20によって気体流路1aの周面が画成されている。内側被覆膜体20の厚さは、7μm〜100μm程度である。なお、
図2〜
図4において、特に
図4において、内側被覆膜体20の厚さは、断熱層10の厚さに対して誇張されている。
【0018】
図4に示すように、内側被覆膜体20は、膜本体21と、メッシュ材22を含む。膜本体21は、薄い金属製シートである。具体的には、膜本体21は、アルミ箔にて構成されている。したがって、内側被覆膜体20は、不燃性を有している。膜本体21の内側面(メッシュ材22とは反対側の面)が気体流路1aに面している。
【0019】
図4に模式的に示すように、膜本体21の外周面(気体流路1aとは反対側を向く面)にメッシュ材22が一体に積層されている。メッシュ材22は、例えばガラスクロスにて構成され、多数の網目22eを有している。このメッシュ材22が断熱層10に面している。そして、断熱層10の自己接着性によって、断熱層10と内側被覆膜体20とが直接的に接合されている。つまり、断熱層10と内側被覆膜体20との間には接着剤が設けられていない。断熱層10は、メッシュ材22と直接的に接合されるだけでなく、網目22e内に入り込むことで膜本体21の裏側面(外側面)とも直接的に接合されている。
【0020】
図2に示すように、内側被覆膜体20の周方向の一箇所には、重ね合わせ部24が形成されている。重ね合わせ部24は、内側被覆膜体20の一対の縁20e,20fによって構成されている。すなわち、
図5(b)に示すように、内側被覆膜体20の初期形状は、1枚の長方形のシート状である。この内側被覆膜体20が、断熱層10の周方向に沿うように環状に巻かれている。
図2に示すように、内側被覆膜体20の縁20e,20fどうしが重ね合わされることで、重ね合わせ部24が形成されている。
図3に示すように、重ね合わせ部24は、空調ダクト1の軸方向の全長にわたって延びている。
【0021】
図1に示すように、断熱層10と内側被覆膜体20との間における重ね合わせ部24と対応する箇所には、粘着テープ40(仮止め手段)が埋設されている。粘着テープ40によって、重ね合わせ部24の縁20e,20fどうしが止められている。
図4に示すように、粘着テープ40は、テープ基材41と、粘着層42とを有している。テープ基材41の材質は、セロファン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂である。テープ基材41の裏面(内側被覆膜体20を向く面)の全域に粘着層42が積層されている。
【0022】
この粘着層42が内側被覆膜体20に接着されることによって、粘着テープ40が内側被覆膜体20に貼り付けられている。
図2及び
図3に示すように、粘着テープ40は、内側被覆膜体20の両縁20e,20fどうし間に跨るとともに、これら縁20e,20fの全長にわたって空調ダクト1の軸方向に延びている。テープ基材41の表側面(粘着層42側とは反対側の面)には、断熱層10が自己接着性によって付着されている。
粘着テープ40の厚さは、例えば50μm〜150μm程度である。なお、
図2〜
図4において、特に
図4において、粘着テープ40の厚さは、断熱層10の厚さに対して誇張されている。
【0023】
図1に示すように、断熱層10の外周に外側被覆膜体30が設けられている。
図2及び
図3に示すように、この外側被覆膜体30が断熱層10の外周面の全体を覆っている。外側被覆膜体30の厚さは、例えば7μm〜100μm程度である。なお、
図2〜
図4において、特に
図4において、外側被覆膜体30の厚さは、断熱層10の厚さに対して誇張されている。
【0024】
図4に示すように、外側被覆膜体30は、膜本体31と、メッシュ材32を含む。膜本体31は、薄い金属製シートにて構成され、ここではアルミ箔にて構成されている。したがって、外側被覆膜体30は、不燃性を有している。膜本体31の外側面(メッシュ材32とは反対側の面)が、空調ダクト1の外周面を構成している。
【0025】
図4において模式的に示すように、膜本体31の内周面(裏面)にメッシュ材32が一体に積層されている。メッシュ材32は、例えばガラスクロスにて構成され、多数の網目32eを有している。このメッシュ材32が断熱層10に面している。そして、断熱層10の自己接着性によって、断熱層10と外側被覆膜体30とが直接的に接合されている。つまり、断熱層10と外側被覆膜体30との間には接着剤が設けられていない。断熱層10は、メッシュ材32と直接的に接合されるだけでなく、網目32e内に入り込むことで膜本体31の裏側面(内側面)とも直接的に接合されている。
【0026】
図2に示すように、外側被覆膜体30の周方向の一箇所には、耳部34が形成されている。耳部34は、外側被覆膜体30の一対の縁30e,30fによって構成されている。すなわち、
図5(b)に示すように、外側被覆膜体30の初期形状は、1枚の長方形のシート状である。この外側被覆膜体30が、断熱層10の周方向に沿うように環状に巻かれ、両縁30e,30fの裏側面(内側面)どうしが重ね合わされることで、耳部34が形成されている。
図3に示すように、耳部34は、空調ダクト1の軸方向の全長にわたって延びている。
図2に示すように、この耳部34が、外側被覆膜体30の周面に沿うように折り倒されるとともに、粘着テープ50によって外側被覆膜体30の周面に貼り付けられている。
【0027】
図4に示すように、粘着テープ50は、テープ基材51と、粘着層52とを含む。粘着層52が外側被覆膜体30に接着されている。テープ基材51は、好ましくは膜本体31と同じ材質にて構成されている。これによって、テープ基材51の色彩や質感を膜本体31と同質にすることができる。テープ基材51が、透明樹脂にて構成されていてもよい。なお、
図2〜
図4において、特に
図4において、粘着テープ50の厚さは、断熱層10の厚さに対して誇張されている。
【0028】
空調ダクト1の製造方法の一例を説明する。
図5は、空調ダクト1の製造装置6を示したものである。同図(a)に示すように、製造装置6は、型枠60を備えている。型枠60は、下型61と、上型62と、芯型63とを有している。上型62は、一対の上型部62a,62aを含み、両開き式になっている。これら上型部62aが、下型61の上端部の左右の縁にヒンジ65を介して回転可能に連結されている。下型61及び上型62の内側に円柱形状の芯型63が配置されている。
【0029】
図5(b)に示すように、上型部62a,62aをそれぞれ外側へ傾けることによって、型枠60を開く。この開状態で、外側被覆膜体30を下型61及び上型62の内面(型面)に沿うように取り付け、両縁30e,30fをそれぞれ上型部62a,62aに止める。
【0030】
また、
図5(b)〜(c)に示すように、芯型63に内側被覆膜体20を巻き付け、その両縁20e,20fを芯型63の上方で重ね合わせるとともに粘着テープ40にて止める。これによって、内側被覆膜体20を簡単に環状に成形でき、かつ内側被覆膜体20が芯型63から脱落するのを確実に防止できる。
【0031】
続いて、
図5(d)に示すように、ノズル64から断熱層10の原料樹脂10x(フェノールウレタン)を粘度調節しながら内側被覆膜体20と外側被覆膜体30との空間に吐出する。その後、
図5(e)に示すように、一対の上型部62a,62aをそれぞれ内側へ回転させて突き合わせることによって、型枠60を閉じる。この型枠60の内部温度を所定温度に管理する。これによって、型枠60内において、原料樹脂10xが発泡して内側被覆膜体20と外側被覆膜体30との間の空間の全域に行き渡り、断熱層10となる。このとき、断熱層10の自己接着性によって、断熱層10の内周部が内側被覆膜体20と一体接合され、かつ断熱層10の外周部が外側被覆膜体30と一体接合される。したがって、断熱層10と内側被覆膜体20及び外側被覆膜体30とを接合するための接着剤は不要である。さらに、断熱層10の内周部は、メッシュ材22と直接的に接するとともに、網目22eに入り込むことで膜本体21とも直接的に接する。同じく、断熱層10の外周部は、メッシュ材32と直接的に接するとともに、網目32eに入り込むことで膜本体31とも直接的に接する。これによって、断熱層10と被覆膜体20,30との接合強度を十分に高くできる。
【0032】
断熱層10の一部は、粘着テープ40に被さり、粘着テープ40と一体接合される。この粘着テープ40が重ね合わせ部24を覆っているため、原料樹脂10xが、重ね合わせ部24の縁20e,20fどうしの間に入り込むのを防止でき、さらには内側被覆膜体20と芯型63との間に入り込むのを防止できる。したがって、内側被覆膜体20と芯型63とが原料樹脂10xを介してくっ付くのを回避できる。
【0033】
原料樹脂10xの発泡及び硬化後(断熱層10の成型後)、空調ダクト1を型枠60から脱型する。前述したように、内側被覆膜体20と芯型63との間に原料樹脂10xが入り込んでおらず、内側被覆膜体20が芯型63と接合されていないため、内側被覆膜体20を芯型63から容易に離型できる。離型剤を塗布する等の処置も不要である。また、空調ダクト1の内周面に原料樹脂10xが付着するのを確実に防止でき、美観を損なうのを確実に防止できる。更に、粘着層42は、断熱層10と内側被覆膜体20との間に埋め込まれるから、外部に露出することがなく、美観を損なうことがない。
【0034】
その後、粘着テープ50によって耳部34を外側被覆膜体30の外周面に貼り付ける。貼り付けに際し、耳部34を適宜な幅にカットしてもよい。なお、外側被覆膜体30を型枠60に設置する際、両縁30e,30fの上型部62aへの取り付け代(
図5(b)において両縁30e,30fの上下方向の寸法)をなるべく小さくすることで、前記カット作業を省略してもよい。更に、粘着テープ(図示せず)を気体流路1aの側から内側被覆膜体20の両縁20e,20fの間に跨るように貼り付けることで、これら両縁20e,20fのうち内側の縁20eが気体流路1a内へ折れ曲がるのを防止してもよい。このようにして、空調ダクト1を容易に作製できる。
【0035】
空調ダクト1によれば、断熱層10の材質として発泡樹脂を用いることによって断熱性を高めることができる。特に、フェノールウレタン系発泡樹脂を用いることによって、グラスウールを用いる場合よりも断熱性を高めることができる。逆に言うと、所要の断熱性を得るのに必要な断熱層10の厚さを小さくできる。具体的には、断熱層10によれば、厚さ10mm程度で、厚さ25mm程度のグラスウールと同等の断熱性能を発揮できる。
【0036】
したがって、それだけ空調ダクト1の内径を大きくできる。よって、気体流路1aの断面積を大きくでき、圧力損失を低減できる。
或いは、断熱層10の厚さを、グラスウールの厚さと同等にすることで、空調ダクト1の断熱性を向上させることができる。たとえば、断熱層10の厚さを25mmにすれば、50mm厚さのグラスウールと同等の断熱性を得ることができる。要するに、空調ダクト1によれば、断熱層10と同等の厚さのグラスウールを断熱層とする空調ダクトと比べて、約2倍の断熱性能が得られる。
また、断熱層10の材質としてフェノールウレタン系発泡樹脂を用いることによって、空調ダクト1の保形性を確保できる。さらには、空調ダクト1の厚み精度を出しやすい。
【0037】
内側被覆膜体20及び外側被覆膜体30として、薄いアルミ箔を使用することによって空調ダクト1を軽量化できる。かつ空調ダクト1に不燃性を持たせることができる。また、空調ダクト1をカッターなどで容易に切断できる。したがって、施工性を向上でき、熟練工でなくても空調ダクト1を設置対象の建物に容易に設置することができる。
【0038】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施形態を示したものである。
図6(e)に示すように、第2実施形態の空調ダクト1は、一対の耳部34,34を有している。これら耳部34,34は、空調ダクト1の周方向に180度離れて配置されている。また、
図6(b)に示すように、第2実施形態では、外側被覆膜体30が2枚の膜体30A,30Bに分割されている。
【0039】
図6(a)に示すように、第2実施形態の製造装置6は、上型66が片開き式になっている。すなわち、上型66の全体が一体物になっており、下型61の一側にヒンジ65を介して回転可能に設けられている。
【0040】
図6(b)に示すように、空調ダクト1の製造に際し、型枠60を開け、1つの膜体30Aを上型66の半円筒凹面状の型面に設置するとともに、その両縁30eを上型66の型面より外側の下面に固定する。また、他の膜体30Bを下型61の半円筒凹面状の型面に設置するとともに、その両縁30fを下型61の型面より外側の上面に固定する。
図6(b)及び
図6(c)に示すように、芯型63に内側被覆膜体20を設置し、その両縁20e,20fを粘着テープ40で止着する点は、第1実施形態と同様である。
【0041】
続いて、
図6(d)に示すように、型枠60を閉じる。そして、型枠60の軸線方向の端部(同図において紙面手前又は紙面奥)から型枠60内に断熱層10の原料樹脂10xを注入して、発泡させる。断熱層10の硬化後、空調ダクト1を脱型する。
【0042】
図示は省略するが、その後、第1実施形態と同様に、各耳部34,34を外側被覆膜体30の周面に沿うように折り倒し、更に粘着テープ50によって外側被覆膜体30の周面に貼り付ける。
【0043】
図7及び
図8は、本発明の第3実施形態を示したものである。
図7に示すように、第3実施形態では、耳部34が、それと一体をなす外側被覆膜体30の周面から空調ダクト1の径方向に沿って上方へ突出されている。
図8に示すように、耳部34を構成する両縁30e,30fの内面どうしの間に接着剤35が塗布されている。この接着剤35によって、両縁30e,30fどうしが貼り合わされている。なお、
図8において、両縁30e,30fを含む外側被覆膜体30の厚さは、耳部34の高さないしは幅(
図8において上下方向の寸法)に対して誇張されている。
【0044】
図7に示すように、耳部34には、鳩目36が取り付けられている。鳩目36は、空調ダクト1の長手方向に間隔を置いて複数設置されている。
図8に示すように、鳩目36は、耳部34を貫通している。
図8において、鳩目36の軸長ないしは厚さ(
図8において左右方向の寸法)は、鳩目36の直径(同図において上下方向の寸法)に対して誇張されている。
【0045】
図7に示すように、建物内に空調ダクト1を配管する際は、配管場所の天井部から吊具3を垂らす。この吊具3の下端に鳩目36を係止する。これによって、空調ダクト1を吊具3にて吊った状態で簡単に配管することができる。
【0046】
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変をなすことができる。
例えば、断熱層10の材質は、フェノールウレタン系発泡樹脂に限られず、ポリウレタン系発泡樹脂でもよく、ポリオレフィン系発泡樹脂であってもよい。
断熱層10の材質を難燃性ウレタンにて構成してもよい。そうすることによって、内側被覆膜体20及び外側被覆膜体30を更に薄肉化できる。
内側被覆膜体20においてメッシュ材22を省略し、内側被覆膜体20を膜本体21だけで構成し、膜本体21の外周面の全域に断熱層10が直接的に一体接合するようにしてもよい。同様に、外側被覆膜体30においてメッシュ材32を省略し、外側被覆膜体30を膜本体31だけで構成し、膜本体31の内周面の全域に断熱層10が直接的に一体接合するようにしてもよい。
複数の実施形態を互いに組み合わせてもよい。例えば、第2実施形態によって作製した空調ダクト1に第3実施形態を適用してもよい。この場合、一対の耳部34,34のうち片側の耳部34についてだけ空調ダクト1から径方向に延出させて鳩目36を設ける。反対側の耳部34については、好ましくは、第1実施形態と同様に折り倒し、粘着テープ50によって外側被覆膜体30の外周面に貼り付ける。