特許第6389099号(P6389099)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6389099-通信機 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389099
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】通信機
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/03 20060101AFI20180903BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20180903BHJP
   H04M 1/23 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   H05K5/03 A
   H05K5/02 T
   H04M1/23 F
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-218834(P2014-218834)
(22)【出願日】2014年10月28日
(65)【公開番号】特開2016-86106(P2016-86106A)
(43)【公開日】2016年5月19日
【審査請求日】2017年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 康祐
【審査官】 佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−109365(JP,U)
【文献】 特開2008−033220(JP,A)
【文献】 特開平08−305972(JP,A)
【文献】 特開平06−177562(JP,A)
【文献】 特開2012−029046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00− 5/06
H04M 1/02− 1/23
H04B 1/02− 1/04
H04B 1/08
H04B 1/38− 1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機本体と、該通信機本体を覆うカバーとを備えている通信機であって、
上記通信機本体の外面には、その識別記号が付されており、
上記カバーには、外部から上記識別記号を視認するための切欠き部が設けられ
上記識別記号は、上記通信機本体の側面に付されており、
上記カバーは、上記通信機本体の側面を覆う筒状の胴部を有し、該胴部には、その軸周りにおける互いに180度ずれた位置に、上記カバーを上記通信機本体に取り付けるための2つの取付部が設けられ、
上記切欠き部は、上記胴部においてその軸周りにおける互いに180度ずれた位置に2つ設けられ、その一方が上記識別記号を視認するためのものである
ことを特徴とする通信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、プラント等に設置される通信機(フィールド機器)が知られている。この通信機は、通信用の回路基板や該回路基板を駆動するためのバッテリー(充電器)等の通信機構が設けられた本体を備えている。通信機では、例えばセンサ等の検出信号が回路基板によって信号処理され、その処理された信号が外部機器へ送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−133755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような通信機(特に、屋外に設置される通信機)では、本体を外部との接触から保護する等の目的で、本体を覆うためのカバーが設けられることがある。また、カバーには、通信機の監視や管理を行うために固有の識別記号(ID等)が付されることがある。しかしながら、このような通信機が多数設置される場合、カバーを取り外して行う点検やメンテナンス時に、誤ってカバーを別の本体に取り付けてしまう(カバーを取り違えてしまう)という人為的ミスを招く虞があった。
【0005】
本願に開示の技術は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信機本体を覆うカバーを有する通信機において、点検やメンテナンス時にカバーを取り違えるという人為的ミスを排除することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示の技術は、通信機本体と、該通信機本体を覆うカバーとを備えている通信機を前提としている。そして、上記通信機本体の外面には、その識別記号が付されており、 上記カバーには、外部から上記識別記号を視認するための切欠き部が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本願の通信機によれば、識別記号を通信機本体に付し、カバーに識別記号を外部から視認するための切欠き部を設けるようにしたため、通信機の監視や管理を行う際に識別記号を容易に視認することができる。そして、上述したように識別記号をカバーではなく通信機本体に設けるため、点検やメンテナンス時にカバーを取り違えるという人為的ミスを排除することができる。つまり、点検等でカバーを着脱しても、識別記号がその対応する通信機以外の通信機に付されるという事態を招く虞がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るセンサ装置の概略構成を示す正面図である。
図2図2は、実施形態に係る通信機の概略構成を示す正面図である。
図3図3は、実施形態に係る通信機の概略構成を示す側面図である。
図4図4は、実施形態に係る通信機の概略構成を示す底面図である。
【0009】
以下、本願の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本願に開示の技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0010】
図1に示す本実施形態のセンサ装置1は、本願の請求項に係る通信機4が設けられているものである。センサ装置1は、屋外に設置された複数の測定対象物(例えば、スチームトラップ)の1つずつに固定され、該測定対象物の温度や振動を検出する、いわゆる固定タイプのセンサである。センサ装置1は、上下方向に延びる状態で測定対象物に固定される。
【0011】
センサ装置1は、センサ本体2と、接続軸3と、上述した通信機4とを備えている。接続軸3は、中空軸であり、両端がナット5,6によってセンサ本体2と通信機4に連結されている。センサ装置1では、センサ本体2によって検出された測定対象物の温度等に関する信号が通信機4に送られる。
【0012】
通信機4は、センサ本体2から送られた信号を処理して外部機器へ送信する無線通信機である。図2図4に示すように、通信機4は、通信機本体10と、カバー20とを備えている。
【0013】
通信機本体10は、上部本体11と、該上部本体11の下面に設けられる下部本体12とを有し、上下方向に延びる柱状に形成されている。具体的に、上部本体11は、上下方向に延びる多角柱状(本実施形態では六角柱状)に形成されている。下部本体12は、やや短い円柱状に形成されており、上部本体11と同軸に設けられている。通信機本体10は、上部本体11および下部本体12とで通信機本体10は、図示しないが、内部に通信用の回路基板やバッテリー等が収容されている。下部本体12の下面には、上述した接続軸3と連結される連結部13が設けられている。
【0014】
カバー20は、胴部21およぶ上壁部22を有し、通信機本体10を上方から覆うものである。胴部21は、上下方向に延びる円筒状に形成されており、上部本体11の側面11a,11bおよび下部本体12の側面12aを覆っている。上壁部22は、胴部21の上端を閉塞している。つまり、カバー20は有底円筒状のキャップである。
【0015】
通信機本体10には、カバー20が取り付けられる(嵌め込まれる)取付軸16が設けられている。取付軸16は、下部本体12をその径方向に貫通して設けられている。取付軸16の両端は、下部本体12から突出している。
【0016】
カバー20の胴部21には、カバー20を通信機本体10に取り付けるための2つの嵌め込み部23,24が設けられている。2つの嵌め込み部23,24は、胴部21の軸周りにおける互いに180度ずれた位置(即ち、取付軸16の両端の突出部分に対応する位置)に設けられている。嵌め込み部23,24は、胴部21の筒状壁がL字状に切り欠かれてなり、本願の請求項に係る取付部を構成している。カバー20は、嵌め込み部23,24を上方から取付軸16の突出部分に挿し込んだ後回転させることで、取付軸16が嵌め込み部23,24に嵌め込まれる。こうして、カバー20は通信機本体10に着脱自在に取り付けられる。カバー20が取り付けられた状態では、上部本体11の6つの角部がカバー20の胴部21の内面に接している。
【0017】
また、通信機本体10の外面には、通信機4を識別するための固有の識別記号18が付されている。具体的に、識別記号18は、下部本体12の側面12a(通信機本体10の側面)に付されている。下部本体12の側面12aは、カバー20の胴部21の下端部と対向している。そして、カバー20の胴部21には、外部から下部本体12の識別記号18を視認するための切欠き部25,26が設けられている。切欠き部25,26は、胴部21においてその軸周りにおける互いに180度ずれた位置に2つ設けられている。つまり、2つの切欠き部25,26は互いに対向して設けられている。切欠き部25,26は、下端縁から切り欠かれており、周方向に延びる略矩形状に形成されている。
【0018】
2つの切欠き部25,26は、カバー20が通信機本体10に取り付けられた状態で、一方の切欠き部25は識別記号18に対応する位置に形成され、他方の切欠き部26は一方の切欠き部25と対向する位置に形成される。本実施形態では、2つの切欠き部25,26は、上部本体11における互いに対向する2つの側面11a、11bに対応する位置に設けられている。
【0019】
以上のように、上記実施形態の通信機4によれば、識別記号18を通信機本体10に付して、カバー20において外部から識別記号18を視認するための切欠き部25,26を設けるようにした。そのため、通信機4の監視や管理を行う際に識別記号18を容易に視認することができる。そして、上述したように識別記号18をカバー20ではなく通信機本体10に設けていることから、作業者が点検やメンテナンス時にカバー20を取り違えるという人為的ミスを排除することができる。つまり、点検等でカバー20を着脱しても、識別記号18がその対応する通信機4以外の通信機に付されるという事態を招く虞がなくなる。
【0020】
また、上記実施形態の通信機4によれば、切欠き部25,26を胴部21において互いに180度ずれた位置に2つ設けるようにしたため、カバー20を通信機本体10に取り付ける際に切欠き部25,26の位置を確認する必要がなくなる。上記実施形態では、カバー20において2つの嵌め込み部23,24(取付部)を互いに180度ずれた位置に設けるようにしている。つまり、2つの嵌め込み部23,24が互いに等間隔で配置されている。そのため、安定してカバー20を通信機本体10に取り付けることができると共に、カバー20の軸周りにおける取付け角度の制限を緩和することができる。ここで、仮にカバーにおいて切欠き部を1つだけ設けるようにした場合、切欠き部が識別記号の側に位置するようカバーの向きを考慮してカバーを取り付ける必要が生じる。この点、上記実施形態によれば、2つの切欠き部25,26が互いに180度ずれた位置に設けられているため、嵌め込み部23,24の位置だけを確認してカバー20を取り付ければ、2つの切欠き部25,26の一方を必ず識別記号18に対応して位置させることができる。つまり、切欠き部25,26の位置を確認せずにカバー20を取り付けることができる。したがって、カバー20を取付作業が簡易となる。
【0021】
なお、上記実施形態では、識別記号18を通信機本体10の側面(下部本体12の側面12a)に設けるようにしたが、通信機本体10の上面(例えば、上部本体11の上面)に識別記号18を付するようにしてもよい。その場合、切欠き部はカバーの上壁部に設けられる。
【0022】
また、上記実施形態では、無線の通信機4について説明したが、本願に開示の技術は、有線の通信機であっても同様の作用効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本願に開示の技術は、通信機について有用である。
【符号の説明】
【0024】
4 通信機
10 通信機本体
12a 側面
18 識別記号
20 カバー
21 胴部
23,24 嵌め込み部(取付部)
25,26 切欠き部
図1
図2
図3
図4