特許第6389216号(P6389216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6389216回転式タブレットプレス機を作動させる方法および回転式タブレットプレス機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389216
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】回転式タブレットプレス機を作動させる方法および回転式タブレットプレス機
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/08 20060101AFI20180903BHJP
【FI】
   B30B11/08 C
   B30B11/08 A
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-186948(P2016-186948)
(22)【出願日】2016年9月26日
(65)【公開番号】特開2017-64786(P2017-64786A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2017年3月17日
(31)【優先権主張番号】10 2015 116 565.1
(32)【優先日】2015年9月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513277289
【氏名又は名称】フェッテ コンパクティング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】シュミット インゴ
(72)【発明者】
【氏名】エツコバン ヒュセイン
(72)【発明者】
【氏名】ハインリッヒ トーマス
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03016027(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0164480(US,A1)
【文献】 特開昭59−042200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/08
B30B 15/30
A61J 3/10
B01J 2/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式タブレットプレス機を作動させるための方法であって、前記回転式タブレットプレス機は、ロータであって、所定のロータ回転速度において回転可能に駆動され、穴(12)を備えたダイプレート(10)と、前記穴(12)に割り当てられ、前記ダイプレート(10)と同期して回転する上側および下側パンチ(14、16)であって、その軸方向移動は、上側および下側制御要素によって制御される、上側および下側パンチとを有する、ロータを備え、さらに、前記穴(12)を充填材料で充填するための充填装置を備えた充填ステーション(22)を備え、さらに、前記ロータの回転方向において前記充填ステーション(22)の下流側に、プレス装置を備えたプレスステーション(30)であって、前記プレス装置が、前記穴(12)に加えられた前記充填材料をプレスするために、前記上側および/または下側パンチ(14、16)を、前記プレスステーション(30)を通過する際に前記穴(12)内にプレスする、プレスステーションを備え、前記ロータの回転方向において前記プレスステーション(30)の下流側に、前記穴(12)内にプレスされたタブレット(44)を押し出すための押し出し装置を備えた押し出しステーション(40)を備え、前記充填装置が、充填チャンバ(24)であって、供給開口部を用いて充填材料が供給され、前記ダイプレート(10)内の前記穴(12)と位置合わせされる充填開口部を有する、充填チャンバを有し、所定の充填ホイール回転速度で回転可能に駆動される充填ホイール(26)が、前記充填チャンバ(24)内に配置され、周囲に配置された複数のかくはんブレード(28)であって、前記充填ホイール(26)の回転中、前記充填開口部上を通り過ぎる、かくはんブレードを有する、方法において、前記ロータ回転速度が変化するとき、前記充填ホイール回転速度もまた、前記回転式タブレットプレス機の作動中、あらかじめ保存された適合指示にしたがって自動的に変更され、ならびに/または前記充填ホイール回転速度が変化するとき、前記ロータ回転速度もまた、前記回転式タブレットプレス機の作動中、あらかじめ保存された適合指示にしたがって自動的に変更されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
少なくとも1つの適合指示が、前記回転式タブレットプレス機を作動させるための制御装置(48)内に、数学的関数の形態で保存されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
種々の適合指示が、前記回転式タブレットプレス機内にプレスされる種々の充填材料に対して保存されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ロータ回転速度の変化および/または前記充填ホイール回転速度の変化が、前記回転式タブレットプレス機に連結されたプロセス構成要素の状態変化時に自動的に起こることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
回転式タブレットプレス機であって、ロータであって、所定のロータ回転速度において回転可能に駆動され、穴(12)を備えたダイプレート(10)と、前記穴(12)に割り当てられ、前記ダイプレート(10)と同期して回転する上側および下側パンチ(14、16)であって、その軸方向移動は、上側および下側制御要素によって制御される、上側および下側パンチとを有する、ロータを備え、さらに、前記穴(12)を充填材料で充填するための充填装置を備えた充填ステーション(22)を備え、さらに、前記ロータの回転方向において前記充填ステーション(22)の下流側に、プレス装置を備えたプレスステーション(30)であって、前記プレス装置が、前記穴(12)に加えられた前記充填材料をプレスするために、前記上側および/または下側パンチ(14、16)を、前記プレスステーションを通過する際に前記穴(12)内にプレスする、プレスステーションを備え、前記ロータの回転方向において前記プレスステーション(30)の下流側に、前記穴(12)内にプレスされたタブレット(44)を押し出すための押し出し装置を備えた押し出しステーション(40)を備え、前記充填装置が、充填チャンバ(24)であって、供給開口部を用いて充填材料が供給され、前記ダイプレート(10)内の前記穴(12)と位置合わせされる充填開口部を有する、充填チャンバを有し、所定の充填ホイール回転速度で回転可能に駆動される充填ホイール(26)が、前記充填チャンバ(24)内に配置され、周囲に配置された複数のかくはんブレード(28)であって、前記充填ホイール(26)の回転中、前記充填開口部上を通り過ぎる、かくはんブレード(28)を有する、回転式タブレットプレス機において、少なくとも1つの適合指示が、前記回転式タブレットプレス機を作動させるための制御装置(48)内に保存され、前記制御装置(48)は、前記ロータ回転速度が変化するとき、前記あらかじめ保存された適合指示の1つにしたがって前記充填ホイール回転速度も自動的に変更し、ならびに/または前記制御装置(48)は、前記充填ホイール回転速度が変化するとき、前記あらかじめ保存された適合指示の1つにしたがって前記ロータ回転速度も自動的に変更することを特徴とする、回転式タブレットプレス機。
【請求項6】
前記少なくとも1つの適合指示が、前記制御装置(48)内に、数学的関数の形態で保存されることを特徴とする、請求項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項7】
種々の適合指示が、前記回転式タブレットプレス機内にプレスされる種々の充填材料に対して、前記制御装置(48)内に保存されることを特徴とする、請求項5または6に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項8】
前記制御装置(48)が、さらに、前記回転式タブレットプレス機に連結されたプロセス構成要素の状態変化時に自動的に、前記ロータ回転速度を変更し、および/または前記充填ホイール回転速度を変更するように設計されることを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項9】
前記上側および下側制御要素が、上側および下側制御カム要素(18、20)であることを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項10】
前記プレス装置が、事前プレス装置と、主要プレス装置とを備えることを特徴とする、請求項5から9のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項11】
前記プレス装置が、少なくとも1つの上側プレスローラ(32、36)と、少なくとも1つの下側プレスローラ(34、38)とを備えることを特徴とする、請求項5から10のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項12】
前記押し出し装置が、前記ダイプレート(10)の上方に固定式に配置されたスクレーパ(42)であって、前記タブレット(44)をタブレット排出部(46)まで案内する、スクレーパ(42)を備えることを特徴とする、請求項5から11のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項13】
請求項5から12のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機を用いて実行されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式タブレットプレス機を作動させるための方法であって、回転式タブレットプレス機が、ロータであって、所定のロータ回転速度において回転可能に駆動され、穴を備えたダイプレートと、穴に割り当てられ、ダイプレートと同期して回転する上側および下側パンチであって、その軸方向移動は、上側および下側制御要素によって制御される、上側および下側パンチとを有するロータを備え、さらに、穴を充填材料で充填するための充填装置を備えた充填ステーションを備え、さらに、ロータの回転方向において充填ステーションの下流側に、プレス装置を備えたプレスステーションであって、プレス装置が、穴に加えられた充填材料をプレスするために、上側および/または下側パンチを、プレスステーションを通過する際に穴内にプレスする、プレスステーションを備え、ロータの回転方向においてプレスステーションの下流側に、穴内にプレスされたタブレットを押し出すための押し出し装置を備えた押し出しステーションを備え、充填装置が、充填チャンバであって、供給開口部を用いて充填材料が供給され、ダイプレート内の穴と位置合わせされる充填開口部を有する、充填チャンバを有し、所定の充填ホイール回転速度で回転可能に駆動される充填ホイールが、充填チャンバ内に配置され、また、周囲に配置された複数のかくはんブレードであって、充填ホイールの回転中、充填開口部上を通り過ぎる、かくはんブレードを有する、方法に関する。さらに、本発明は、回転式タブレットプレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転式タブレットプレス機は、通常、上側および下側パンチを備えた、回転可能に駆動されるロータを含み、これらパンチは、ロータの回転中、ダイプレート内の穴と相互作用してその中に配置された充填材料をプレスする。プレス後、タブレットは、一般的には、下側パンチによって穴から押し出され、たとえば、スクレーパによってダイプレートから擦り取られ、さらなる加工のためにタブレット排出部に供給される。プレスされる充填材料で穴を充填するための、かくはんブレード充填装置などのさまざまな充填装置が、知られている。これらは、充填材料で充填された充填チャンバ内で回転可能に駆動される充填ホイールを有する。充填ホイールは、その周囲に配置された複数のかくはんブレードであって、充填ホイールの回転中、充填装置の下方で共に回転するダイプレートの穴に割り当てられた充填開口部上を通り過ぎる、かくはんブレードを有する。一方では、充填ホイールのかくはんブレードは、充填チャンバ内での充填材料の混合を確実にし、他方では、充填材料による穴の最適な充填を確実にする。そのような充填装置を備えた回転式タブレットプレス機は、たとえば独国特許出願公開第102007057789B3号明細書から知られている。
【0003】
充填ホイールは、所定の充填ホイール回転速度において回転式ドライブによって回転される。ロータ回転速度と同様に、これは、通常、回転式タブレットプレス機の設定段階中に調整される。充填ホイール回転速度およびこれによって変わるロータ回転速度の設定パラメータは、生産時間全体にわたって維持される。しかし、回転式タブレットプレス機の作動中、ロータ回転速度を変更することが必要になり得る。これは、たとえば、回転式タブレットプレス機から上流側または下流側のプロセス構成要素の状態変化の場合に当てはまる。ロータ回転速度の変化により、ロータ回転速度と充填ホイール回転速度の間の比は、変化する。これは、機械のパフォーマンスおよびタブレットの品質に不利な影響を与え得る。これに対処するために、充填ホイール回転速度は、生産を中断する手動式に係るやり方で、変更された回転ロータ回転速度に適合されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102007057789B3号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
説明した先行技術に基づき、本発明の目的は、ロータ回転速度が変化する場合であっても生産品質およびタブレット品質を容易に確保することができる、上述のタイプの方法および回転式タブレットプレス機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、独立請求項1および6の主題を通してこの目的を達成する。有利な設計は、従属請求項、説明、および図において見出され得る。
【0007】
上述のタイプの方法に関して、本発明は、ロータ回転速度が変化するとき、充填ホイール回転速度もまた、回転式タブレットプレス機の作動中、あらかじめ保存された適合指示にしたがって自動的に変更され、および/または充填ホイール回転速度が変化するとき、ロータ回転速度もまた、回転式タブレットプレス機の作動中、あらかじめ保存された適合指示にしたがって自動的に変更されるという点で、本目的を達成する。
【0008】
本発明は、さらに、回転式タブレットプレス機であって、ロータであって、所定のロータ回転速度において回転可能に駆動され、穴を備えたダイプレートと、穴に割り当てられ、ダイプレートと同期して回転する上側および下側パンチであって、その軸方向移動は、上側および下側制御装置によって制御される、上側および下側パンチとを有する、ロータを備え、さらに、穴を充填材料で充填するための充填装置を備えた充填ステーションを備え、さらに、ロータの回転方向において充填ステーションの下流側に、プレス装置を備えたプレスステーションであって、プレス装置が、穴に加えられた充填材料をプレスするために、上側および/または下側パンチを、プレスステーションを通過する際に穴内にプレスする、プレスステーションを備え、ロータの回転方向においてプレスステーションの下流側に、穴内にプレスされたタブレットを押し出すための押し出し装置を備えた押し出しステーションを備え、充填装置が、充填チャンバであって、供給開口部を用いて充填材料が供給され、ダイプレート内の穴と位置合わせされる充填開口部を有する、充填チャンバを有し、所定の充填ホイール回転速度で回転可能に駆動される充填ホイールが、充填チャンバ内に配置され、また、周囲に配置された複数のかくはんブレードであって、充填ホイールの回転中、充填開口部上を通り過ぎる、かくはんブレードを有し、少なくとも1つの適合指示が、回転式タブレットプレス機を作動させるための制御装置内に保存され、制御装置はまた、ロータ回転速度が変化するとき、保存された適合指示のうちの1つにしたがって充填ホイール回転速度を自動的に変更し、ならびに/または充填ホイール回転速度が変化するとき、保存された適合指示のうちの1つにしたがってロータ回転速度を自動的に変更する、回転式タブレットプレス機によって本目的を達成する。
【0009】
回転式タブレットプレス機はまた、複合回転式プレス機、特に、二重回転プレス機であり得る。複数の、特に2つの充填ステーション、プレスステーション、および押し出しステーションが、このとき、設けられる。これは、それ自体知られている。
【0010】
回転式タブレットプレス機のロータは、回転式ドライブを有し、回転式ドライブは、ロータ、特にダイプレートを、上側および下側パンチと共に、たとえばドライブシャフトを用いてロータ回転速度において駆動する。充填装置もまた、回転式ドライブを有し、回転式ドライブは、たとえばドライブシャフトによって充填ホイール回転速度において充填ホイールを駆動する。ロータの回転式ドライブおよび充填装置の回転式ドライブは、特に、互いから独立している。最初に述べたように、充填装置は、供給開口部を通して特定の粉末状態の充填材料で供給される充填チャンバを有する。充填ホイールは、充填チャンバ内に回転可能に配置され、その周囲に複数のかくはんブレードを有する。充填装置の回転式ドライブは、充填ホイールを回転させ、それにより、かくはんブレードは、充填チャンバ内で回転する。そのようにする際、これらは、充填チャンバの下方で共に回転するダイプレート内の穴に位置合わせされた充填開口部上を通り過ぎる。充填材料は、充填開口部を通してダイプレート内の穴に加えられる。一方では、かくはんブレードは、充填チャンバ内での充填材料の完璧な混合を確実にし、他方では、ダイプレート内の穴の最適な充填を確実にする。充填ホイールと充填チャンバの上壁の間には、流れチャネルセクションを形成するために距離が設けられ得る。供給開口部は、充填ホイールの上方に距離をおいて配置され得る。さらに、充填チャンバの床部内の充填開口部は、弧状チャネル内へと延ばされ得る。この弧状チャネルは、ダイプレートの穴の目盛り円盤と位置合わせし、ダイプレートの回転方向とは反対に充填チャンバを超えて延び、充填チャンバの外側に事前充填チャネルを形成することができる。かくはんブレードは、指様に形成可能であり、たとえば、充填チャンバのほぼ円形側壁まで延びることができる。当然ながら、充填チャンバは、複数の供給開口部および/または複数の充填開口部を有することもできる。
【0011】
本発明による回転式タブレットプレス機のダイプレートは、一体品として設計することができ、または複数のリングセグメントから構築することができる。上側および下側パンチは、ダイプレートの穴と直接的に相互作用することができる。しかし、穴が、ダイプレート内の解放可能に保持されたダイブッシングによって形成されることも可能である。
【0012】
充填ホイ−ル回転速度が同じままでのロータ回転速度の変化は、機械のパフォーマンスおよびタブレットの品質を損ない得るという、前述の実状に基づき、ロータ回転速度の変化時の充填ホイール回転速度の自動適合、またはその逆による自動適合が、本発明によって提供される。この目的のために、少なくとも1つの適合指示が事前に保存され、これにしたがって、ロータ回転速度に変化があったとき、充填ホイール回転速度の自動適合が起こり、または充填ホイール回転速度に変化があったとき、ロータ回転速度の自動適合が起こる。充填ホイール回転速度またはロータ回転速度の本発明による自動適合は、特に、ロータ回転速度または充填ホイール回転速度の変化とほぼ同時に起こる。変更が、オペレータによって手動でもたらされまたは回転式タブレットプレス機の制御装置によって(自動的に)制御されてロータ回転速度になされる場合、充填ホイール回転速度は、基本的には同時に、本発明にしたがって、適合指示の通りに適合される。それにしたがって、最適な生産品質および一貫したタブレット品質が、ロータ回転速度の変化時または充填ホイール回転速度の変化時であっても、たとえば、生産の中断からの生産効率性を損なうことなく、容易に確保され得る。適合指示の基礎となる規則性は、最適なタブレット品質を保証する、ロータの回転速度と充填ホイールの回転速度との最適比を考慮に入れる。適合指示は、回転式タブレットプレス機を作動させるための制御装置内に、数学的関数、指数、またはキー数値のマトリクスの形態で保存され得る。
【0013】
本発明による方法において、または本発明による回転式タブレットプレス機において使用される充填装置は、複数のチャンバを有することができることが、留意される。追加のチャンバは、たとえば、分配チャンバおよび/または投与チャンバであり得る。以下では、簡単にするために、充填チャンバは、これらのチャンバに関しても参照される。さらに、2つ以上の充填チャンバ、特にすべての充填チャンバ内に、所定のホイール回転速度で回転可能に駆動されるホイールを設けることが可能である。ここでも簡単にするために、充填ホイールは、これらのホイールのすべてに関して参照される。充填ホイールのすべてを同じ充填ホイール回転速度で回転可能に駆動することが、可能である。しかし、一部またはすべての充填ホイールの充填ホイール回転速度が、互いに異なることも可能である。さらに、充填装置の他の充填ホイールの充填ホイール回転速度を、本発明によるやり方で、適合指示にしたがって適合させることも可能である。
【0014】
種々の適合指示もまた、回転式タブレットプレス機においてプレスされる種々の材料に対して事前に保存され得る。この場合、適合指示は、使用される充填材料に対して事前に決定される。たとえば、使用される充填材料に応じて、回転式タブレットプレス機の制御装置は、ここで、適切な適合指示を独立的に、特にここでも自動的に選択する。
【0015】
ロータ回転速度または充填ホイール回転速度の変化の1つの可能性のある理由は、回転式タブレットプレス機に結合されたプロセス構成要素の状態変化であり得る。したがって、ロータ回転速度および/または充填ホイール回転速度の変化が、回転式タブレットプレス機に連結されたプロセス構成要素の状態変化時に自動的に起こることが、もたらされ得る。生産過程において、プロセス構成要素は、回転式タブレットプレス機の前または後に配置され得る。回転式タブレットプレス機から上流側のプロセス構成要素の例は、混合装置、造粒装置、または充填材料の乾燥装置である。回転式タブレットプレス機から下流側のプロセス構成要素の例は、生産されたタブレットのパッケージング機またはタブレットコータである。引用したプロセス構成要素は、本発明による回転式タブレットプレス機の一部であり得る。
【0016】
回転式タブレットプレス機の上側および下側制御要素は、上側および下側制御カム要素であり得る。さらに、プレス装置は、事前プレス装置および主要プレス装置を備えることができる。プレス装置はまた、少なくとも1つの上側プレスローラおよび少なくとも1つの下側プレスローラを備えることもできる。事前プレス装置および主要プレス装置が存在するとき、上側事前プレスローラおよび下側事前プレスローラ、ならびに上側主要プレスローラおよび下側主要プレスローラが、それにしたがって設けられ得る。
【0017】
押し出し装置は、スクレーパを備えることができ、スクレーパは、ダイプレートの上方に固定式に配置され、タブレットをタブレット排出部まで案内する。
【0018】
本発明による方法は、本発明による回転式タブレットプレス機によって実行され得る。したがって、本発明による回転式タブレットプレス機は、特に、本発明による方法を実行するように設計され得る。
【0019】
本発明の例示的な実施形態は、図を参照して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ロータの平坦描写による、本発明による回転式タブレットプレス機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
回転式タブレットプレス機は、複数の穴12を有するダイプレート10を備えた、所定のロータ回転速度で回転式ドライブ(図示せず)によって回転可能に駆動されるロータを備える。さらに、ロータは、ダイプレート10と同期して回転する複数の上側パンチ14および下側パンチ16を備える。上側パンチ14および下側パンチ16からなる1つの対は、穴12に割り当てられる。ロータの回転中の上側パンチ14および下側パンチ16の軸方向移動は、上側制御カム要素18および下側制御カム要素20によって制御される。回転式タブレットプレス機は、さらに、充填装置を備えた充填ステーション22を備え、充填装置は、複数のかくはんブレード28がその周囲に配置された充填ホイール26が、その中に配置される充填チャンバ24を有する。充填ホイール26は、所定の充填ホイール回転速度において回転式ドライブ(図示せず)によって駆動される。さらに、回転式タブレットプレス機は、プレスステーション30を備える。プレスステーション30は、上側事前プレスローラ32および下側事前プレスローラ34を備えた事前プレス装置と、上側主要プレスローラ36および下側主要プレスローラ38を備えた主要プレス装置とを有する。さらに、回転式タブレットプレス機は、この場合スクレーパ42を備えた押し出しステーション40を備え、スクレーパ42は、回転式タブレットプレス機において生成されたタブレット44をさらなる加工のためにタブレット排出部46に供給する。
【0022】
回転式タブレットプレス機を作動させるための制御装置が、参照番号48で示される。制御装置48は、ライン(図示せず)によって、とりわけ、ロータの回転式ドライブおよび充填ホイール26の回転式ドライブに連結される。図示した例において、制御装置48内には、複数の適合指示が、回転式タブレットプレス機に使用される種々の充填材料に対して、ロータ回転速度の変化時に充填ホイール回転速度を適合させるために保存される。
【0023】
回転式タブレットプレス機の作動中、ロータは、制御装置48によって設定されたロータ回転速度において回転可能に駆動される。それと同時に、充填ホイール26は、制御装置48によって制御された充填ホイール回転速度において回転可能に駆動される。ダイプレート10の回転中、穴12は、充填チャンバ24の充填開口部の下方を通る。プレスされる充填材料は、この充填開口部を通して穴12に加えられる。充填高さは、穴12に部分的に入る底部パンチ16によって指定される。プレスステーション30の領域内で、穴12内に配置された充填材料は、上側パンチ14および下側パンチ16によって、すなわち、事前プレスローラ32、34および主要プレスローラ36、38によって連続的にプレスされる。充填材料をプレスした後、上側パンチ14は、穴12から引き出され、生産されたタブレット44は、下側パンチ16によってダイプレート10の上側に押し出され、それにより、これらは、スクレーパ42によってダイプレート10の上側から擦り取られ、さらなる加工のためにタブレット排出部46に供給される。
【0024】
他のプロセス構成要素が、回転式タブレットプレス機から上流側および/または下流側に存在し得る。最初に述べたように、回転式タブレットプレス機から上流側のプロセス構成要素は、たとえば、混合装置、造粒装置または乾燥装置であり得る。これも最初に述べたように、回転式タブレットプレス機から下流側の構成要素は、たとえば、パッケージング機またはタブレットコータであり得る。
【0025】
たとえば、状態変化が、回転式タブレットプレス機に連結されたプロセス構成要素に起きた場合、ロータ回転速度は、制御装置48によって、特に自動的に変更される。それと同時に、制御装置48は、使用される充填材料に適した適合指示に対応する充填ホイール回転速度に自動的に適合する。したがって、これにより、必要になり得る、ロータ回転速度の変化が生じた場合であっても、最適な生産品質が、いつでも、生産を中断することなく確保される。
【符号の説明】
【0026】
10 ダイプレート
12 穴
14 上側パンチ
16 下側パンチ
18 上側制御カム要素
20 下側制御カム要素
22 充填ステーション
24 充填チャンバ
26 充填ホイール
28 かくはんブレード
30 プレスステーション
32 上側事前プレスローラ
34 下側事前プレスローラ
36 上側主要プレスローラ
38 下側主要プレスローラ
40 押し出しステーション
42 スクレーパ
44 タブレット
46 タブレット排出部
48 制御装置
図1