【実施例】
【0049】
一般的な考慮事項
すべての空気におよび湿気に感受性の高い操作は、標準的な真空ライン、Shlenkおよびカニューレ法、または精製窒素雰囲気を含有するMBraun不活性雰囲気ドライボックスを用いて実施された。空気におよび湿気に感受性の高い操作のための溶媒は、文献的な手順を用いて最初に乾燥され脱酸素化された。例として、PangbornらのOrganometallics1996、15、1518を参照できる。
【0050】
以下の略語と用語が使用された。
bs:ブロード・シングレット(broad singlet)
s:シングレット(singlet)
t:トリプレット(triplet)
bm:ブロードマルチプル(broad multiple)
GC:ガスクロマトグラフ(Gas Chromatograph)
MS:質量分析(Mass Spectroscopy)
THF:テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)
【0051】
実施例1〜9 本発明の金属錯体の調製
【0052】
実施例1 [2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジメチルフェニルイミン)]鉄ジブロミド(以下
2,6−Me2PDIFeBr
2とする)の調製
【0053】
1.1 2,6−ジアセチルピリジンの調製
3リットルの3口丸底フラスコに、54.6グラム(0,802モル)のナトリウムエトキシドが充填された。機械的スターラーによって激しく攪拌されながら、300ミリリットルのエチルアセタート中に35.5グラム(0.159モル)の2,6−ジエチルピリジンジカルボキシルエステルの溶液がフラスコへと滴下された。生じるスラリーは20時間還流され、0℃への冷却ならびに350ミリリットル(4.2モル)の濃縮HCLの添加が後に続いた。混合物はそのあと、20時間還流され、白い沈殿と透明で黄色い溶液を生成した。冷却の際、混合物は約1リットルの水を含有する分液漏斗へと添加された。有機相が分離され、水相はCH
2Cl
2によって抽出された。有機相は混合され、飽和Na
2CO
3によって洗浄され、Na
2SO
4上で乾燥され、そしてロータリーエバポレーションによって濃縮された。生じる茶色の固形物は最小量のCH
2Cl
2(30〜50ミリリットル)によって溶解され、過剰量(約1リットル)のペンタンの添加が後に続いた。濃い赤茶色の副産物が沈殿した。溶液はデカントされた。この溶液は−78℃に冷やされ、かきとられて黄褐色の固体を生成した。これはブフナー漏斗で回収され、ろ過物は繰り返し濃縮され、そして結晶化され、16.7グラム(65%、0.102モル)の所望の産物を得た。
【0054】
1.2 2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジメチルフェニルイミン)(以下
2,6−Me2PDIとする)の調製
250ミリリットルの丸底フラスコに、4.0グラムの2,6−ジアセチルピリジン、6.09グラム(2.05当量)の2,6−ジメチルアニリン、および100ミリリットルのメタノールが充填された。触媒量のp−トルエンスルホン酸が添加され、反応混合物は、硫酸カリウムを含有するDean−Starトラップ中へ一晩還流された。反応混合物はその後冷却され、そして、メタノールが開始容量のおおよそ半分量へと減少された。混合物は−35℃へと冷やされ、固形物がろ過され4.5グラム(50%)の所望の産物が得られた。ろ過物は濃縮され冷却されより多くの配位子が得られた。
1H NMR(ベンゼン−d
6、20℃):δ=8.50(d、2H、m−Py)、7.28(t、1H、p−Py))、7.08(d、4H、m−Ar)、6.99(t、2H、p−Ar)、2.17(s、6H、CH
3)、2.05(s、12H、Ar−CH
3)。
【0055】
1.3
2,6−Me2PDIFeBr
2の調製
丸底フラスコに、2.0グラムの
2,6−Me2PDIと1.16グラムのFeBr
2が添加され、30ミリリットルのTHFが後に続いた。この混合物はすぐにダークブルーとなり、そして一晩攪拌された。THFはそののち除かれ、そしてペンタンが添加された。スラリーはガラスフリットでろ過され、固形物が乾燥され、3.03グラム(96%)の常磁性体の
2,6−Me2PDIFeBr
2が得られた。
1H NMR(ベンゼン−d6、20℃):δ=77.71、52.48、15.92、14.80、−12.50、−22.37。
【0056】
実施例2 [(
2,6−Me2PDI)Fe(N
2)]
2[μ−(N
2)]
不活性雰囲気において、50ミリリットル丸底フラスコに500ミリグラム(0.85ミリモル)の(
2,6−Me2PDI)FeBr
2、41ミリグラム(1.79ミリモル)のナトリウムおよび5ミリグラム(0.04ミリモル)のナフタレンが充填された。この攪拌している混合物におおよそ25ミリリットルのTHFが添加され、ナトリウムが完全に消費されるまで約2時間の間反応混合物が攪拌され、THFが真空において除去された。ジエチルエーテルが残余物に対して添加され、そして溶液はCelite(登録商標)を通してろ過された。揮発物は再び除去され、固形物はジエチルエーテルの最小量に溶解され、−35℃において再結晶され、278ミリグラム(70%)の所望の赤茶色の化合物が得られた。C
50H
54N
12Feに対する元素分析は、計算上、C、64.25重量%;H、5.82重量%;N、17.98重量%;観測値、C、63.87重量%;H、6.19重量%;N、17.80重量%であった。
1H NMR(ベンゼン−d
6、20℃):δ=1.35(bs、24H、ArCH
3)、1.78(bs、12H、C(CH
3))、6.92(bs、12H、m−およびp−Ar)、7.52(bs、2H、p−py)、8.10(bs、4H、m−py)。
13C NMR(ベンゼン−d
6、20℃):δ=16.17(ArCH
3)、19.50(C(CH
3))、115.92(m−もしくはp−py)、125.35(m−もしくはp−Ar)、130.93(m−もしくはp−Ar)、148.76(m−もしくはp−py)、153.05。
15N NMR(トルエン−d8、−80℃)δ=−355.5(bs)、−334.2(bs)、−322.4(bs)。IR(トルエン):v(N
2)=2102、2085cm
−1。
【0057】
実施例3 [(
2,6−Et2PDI)Fe(N
2)]
2[μ−(N
2)]の調製
[(
2,6−Me2PDI)Fe(N
2)]
2[μ−(N
2)]で用いられたのと同様の手順が、500ミリグラム(0.78ミリモル)の
2,6−Et2PDIFeBr
2、38ミリグラム(1.64ミリモル)のナトリウム、および5mg(0.04ミリモル)のナフタレンを用いて踏襲された。おおよそ305ミリグラム(79%)の赤茶色の産物が得られた。C
58H
70N
12Feの元素分析は、計算上、C,66.54重量%;H、6.74重量%;N、16.05重量%、観測値、C、66.27重量%;H、7.10重量%;N、15.65重量%であった。
1H NMR(ベンゼン−d
6、20℃):δ=0.72(bs、24H、CH
2CH
3)、1.65(bs、28H、C(CH
3))およびCH
2CH
3)、7.04(bm、12H、m−およびp−Ar)、7.64(bs、2H、p−py)、8.16(bs、4H、m−py)。
13C NMR(ベンゼン−d
6、20℃):δ=14.79(CH
2CH
3)、18.07(C(CH
3))、24.68(CH
2CH
3)、117.04(m−もしくはp−py)、125.77(m−もしくはp−Ar)、126.19(m−もしくはp−Ar)、135.94(m−もしくはp−py)。
15N NMR(トルエン−d
8、−80℃)δ=−356.7(bs)、−331.5(bs)、−324.1(bs)。IR(トルエン):v(N
2)=2101、2086cm
−1。
【0058】
実施例4 [2,6−ジアセチルピリジンビス(2.6−ジメチルフェニルイミン)]鉄(1,1’−ジビニルテトラメチルジシロキサン)(以下(
2,6−Me2PDI)Fe(1,1’−ジビニルテトラメチルジシロキサン)とする)の調製
不活性雰囲気において、50ミリリットル丸底フラスコに500ミリグラム(0.85ミリモル)の(
2,6−Me2PDI)FeBr
2、41ミリグラム(1.79ミリモル)のナトリウム、および5ミリグラム(0.04ミリモル)のナフタレンが充填された。攪拌している混合物におおよそ25ミリリットルのTHFが添加された。ナトリウムが完全に消費されるまで反応混合物が約2時間攪拌され、475ミリグラム(2.55ミリモル)の1,1’−ジビニルテトラメチルジシロキサンが溶液へと添加された。THFおよび過剰量のビニルシランが高真空ラインで除去され、そして残余物に対してエーテルが添加された。溶液はCelite(登録商標)でろ過された。揮発物が除去され、固形物はエーテルより再結晶化され、460ミリグラム(88%)の、
1H NMRスペクトルにおいて幅広いピークをもたらす暗赤色の常磁性体の粉が得られた。
1H NMR(ベンゼン−d
6、20℃):δ=171.22、36.99、6.00、2.11、0.69、0.16、−4.24、−18.34、−112.68。
【0059】
実施例5 (
2,6−Me2PDI)Fe(1,1’−ジビニルテトラメチルジシロキサン)の代替的な調製
不活性雰囲気において、100ミリグラム(0.11ミリモル)の[(
2,6−Me2PDI)Fe(N
2)]
2[μ−(N
2)]に対して60ミリグラム(0.32ミリモル)の1,1’−ジビニルテトラメチルジシロキサンが添加された。この添加には、ガスの発生と溶液の赤への色変化が伴った。揮発物は除去され、残余物は少量のペンタンの添加から結晶化された。収量は95ミリグラム(72%)であった。
【0060】
実施例6 [2,6−ジアセチルピリジンビス(2−イソプロピルフェニルイミン)]鉄(1,1’−ジビニルテトラメチルジシロキサン)(以下(
2−iPrPDI)Fe(1,1’−ジビニルテトラメチルジシロキサン)とする)の調製
(
2,6−Me2PDI)Fe(1,1’−ジビニルテトラメチルジシロキサン)のものと同様の手順が、418ミリグラム(0.68ミリモル)の(
2−iPrPDI)FeBr
2、33ミリグラム(1.43ミリモル)のナトリウム、5ミリグラム(0.04ミリモル)のナフタレン、および381ミリグラム(2.04ミリモル)の1,1’−ジビニルテトラメチルジシロキサンを用いて踏襲された。おおよそ309ミリグラム(71%)の暗い紫色の粉が得られた。この化合物は広がったピークを持つ
1H NMRスペクトルを示したが、むしろ狭い範囲であり、少なくとも2つの化合物のイソマーと最も一致しているように見え、最も可能性の高いのはC2およびCsの対称分子であった。
1H NMR(ベンゼン−d
6、20℃):δ=−5.76、−2.30、0.10、0.58、0.87、0.99、1.25、2.52、2.70、3.25、3.94、4.45、4.52、5.62、5.84、6.09、6.53、6.30、10.51.
【0061】
実施例7 ビス[(トリメチルシリル)メチル]鉄[2,6−ジアセチルピリジンビス(2−メチルフェニルイミン)(以下(
2,6−Me2PDI)Fe(CH
2SiMe
3)
2とする)の調製
不活性雰囲気において、20ミリリットルのシンチレーションバイアルに0.443グラム(1.00ミリモル)の(
2,6−Me2PDI)FeCl
2が充填された。ペンタン(約10ミリリットル)が添加され、スラリーを生成した。溶液は−35℃へとおおよそ30分間冷却され、その時間ののち、LiCH
2SiMe
3(0.188グラム、2.00ミリモル)のペンタン溶液が滴下された。加温されると黄色いスラリーが暗い紫色になった。反応物は1〜2時間室温で攪拌され、その後Celite(登録商標)を通してろ過され、溶液は新しい20ミリリットルシンチレーションバイアルへと移された。
2,6−Me2PDIのペンタンスラリー(0.379グラム、1.00ミリモル)が、攪拌している溶液へと滴下された。紫色の溶液はすぐに赤紫色になった。混合物は1〜2時間室温で攪拌された。混合物はそののち−35℃に冷却され、ろ過され0.425グラム(71%)の(
2,6−Me2PDI)Fe(CH
2SiMe
3)
2が常磁性体の暗い紫色の結晶固形物として得られた。
【0062】
実施例8 [2,6−ジイソプロピル−N−{(E)−1−[6−{[(1R)−1−1−tert−ブチルエチル]エタンイミドイル}−2−ピリジニル]エチリデン}アニリン]鉄ジブロミドの調製
8.1 1−{6−[(2,6−ジイソプロピルフェニル)エタンイミドイル]−2−ピリジニル}−1−エタノンの調製
250ミリリットルの丸底フラスコに、5.00グラム(30.64ミリモル)の2,6−ジアセチルピリジン、6.00グラム(33.84ミリモル)の2,6−ジイソプロピルアニリン、および100ミリリットルのメタノールが充填された。触媒量のp−トルエンスルホン酸が添加され、反応混合物が一晩還流された。反応混合物はそののち、おおよそ35℃から40℃へと冷却され、2,6−ビス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)エチル]ピリジンを除去するためにろ過された。反応溶液はそののち、0℃で24時間置かれ、固形物がろ過され、4.25グラム(43%)の所望の産物が黄色の粉として得られた。
1H NMR(ベンゼン−d
6、20℃):δ=1.21−1.14(2d、12H、CH
2CH
3)、2.19(s、3H、CH
3)、2.52(s、3H、CH
3)、2.88(sep、2H、CH
2CH
3)、7.05−7.13(m、3H、Ar)およびCH
2CH
3)、7.21(t、1H、p−py)、7.94(d、1H、py)、8.45(d、1H、py)。
【0063】
8.2 2,6−ジイソプロピル−N−[(E)−1−(6−{[(1R)−1−tert−ブチルエチル]エタンイミドイル}−2ピリジニル)エチリデン]アニリンの調製
丸底フラスコに3.10グラム(9.61ミリモル)の1−{6−[(2,6―ジイソプロピルフェニル)エタンイミドイル]−2−ピリジニル}−1−エタノン、1.5グラムの(R)−(−)−2−アミノ−3−メチルブタン(1.5当量)、100ミリリットルのメタノール、および触媒量のp−トルエンスルホン酸が充填された。溶液は硫酸ナトリウムを含有するDean−Starkトラップへと一晩還流され、そして0℃へと冷却されろ過された。白い粉が冷メタノールで洗浄され、高真空ラインで一晩乾燥され、2.95グラム(76%)の所望の化合物を得た。
1H NMR(ベンゼン−d
6、20℃):δ=0.96(s、9H、
tBu)、1.08−1.16(2dd、12H、CH
2CH
3)、2.20(s、3H、CH
3)、2.25(s、3H、CH
3)、2.88(2 sep、2H、CH
2CH
3)、2.94(s、3H、
tBuCHCH
3)、3.30(q、1H、
tBu−CH−CH
3)、7.11−7.16(m、3H、Ar)、7.21(t、1H、p−py)、8.28(d、1H、py)、8.39(d、1H、py)。
【0064】
8.3 [2.6−ジイソプロピル−N−{(E)−1−[6−{[(1R)−1−1−tert−ブチルエチル]エタンイミドイル}−2−ピリジニル]エチリデン}アニリン]鉄ジブロミドの調製
不活性雰囲気において、丸底フラスコに2.5グラム(6.61ミリモル)の2,6−ジイソプロピル−N−{(E)−1−[6−{[(1R)−1−tert−ブチルエチル]エタンイミドイル}−2−ピリジニル]エチリデン}アニリン、1.33グラム(6.60ミリモル)のFeBr
2および50ミリリットルのTHFが充填された。反応物は12時間攪拌され、その時に等量のペンタンが添加され、所望の産物の沈殿を生じ、焼結ガラスフリット上で集められ、減圧下で乾燥され、3.6グラム(94%)の青い常磁性体の粉を得た。
1H NMR(CD
2Cl
2、20℃):δ=−19.43、−15.21、−11.97、−7.08、−4.52、−2.59、−1.40、5.47、14.51、16.52、23.15、44.85、70.32、83.38、187.03。
【0065】
実施例9 (THF)
2Mg(ブタジエン)を還元剤として用いる
2,6−iPr2PDIFe(ブタジエン)の調製
実施例1に示される
2,6−Me2FePDIBr
2に対して用いられたのと同様の手順が、
2,6−iPr2FePDIBr
2を作製するのに踏襲された。不活性雰囲気において、0.200グラム(0.29ミリモル)の
2,6−iPr2PDIFeBr
2および0.095グラム(0.43ミリモル、1.5当量)の(THF)
2Mg(ブタジエン)を含有するシンチレーションバイアルがスターラーバーと共に攪拌プレート上に配置された。攪拌中、10ミリリットルのジエチルエーテルが添加され、赤い溶液が得られた。反応物は10分間攪拌され、そのときに5ミリリットルのペンタンが添加され、反応混合物はCelite(登録商標)を通してろ過された。揮発物は除去され、残余物は最小量のジエチルエーテル中に取り入れられ、35℃のフリーザーに12時間置かれた。ろ過は、フィルターフリット上に、
2,6−iPr2PDIFe(ブタジエン)と認識される0.120グラム(70%)の赤い粉を残した。
【0066】
実施例10〜14 本発明の金属錯体を用いるヒドロシリル化反応
【0067】
実施例10 M
viD
120M
viおよびMD
15M
H30Mの架橋
不活性雰囲気において、シンチレーションバイアルに対して、1.0グラムのM
viD
120M
vi〔M
viはビニルジメチルSiO
2/2である〕および44ミリグラムのMD
15D
H30Mが添加された。200ミリグラムのエーテル中に溶解した2ミリグラムの[(
2,6−Me2PDI)Fe(N
2)]
2[μ−(N
2)]のストック溶液を含有する他のバイアルが用意された。触媒溶液が、1.0グラムのM
viD
120M
viおよび44ミリグラムのMD
15D
H30Mの攪拌している溶液へと一度に添加された。ほとんどすぐに溶液がゲル化し固形物となった。ゲル化は、同じシリルヒドリドおよび不飽和の化合物を用いるが、従来型の白金触媒を用いる反応において観察されるものとは見分けがつかなかった。
【0068】
実施例11 1−オクテンのメチルビス(トリメチルシリルオキシ)シラン(MD
HM)とのヒドロシリル化
窒素充満ドライボックスにおいて、シンチレーションバイアルに150ミリグラム(1.33ミリモル)の1−オクテンと229ミリグラム(1.03ミリモル)のMD
HMが添加された。別のバイアルに対し、5ミリグラムの[(
2,6−Me2PDI)Fe(N
2)]
2[μ−(N
2)]と200ミリグラムのトルエンが添加された。攪拌しているオレフィンとシランの溶液に対し、19ミリグラムの触媒溶液(0.48ミリグラム、シランに対し0.1モル%)が添加された。反応は室温で約1時間攪拌しながらドライボックス内で行われた。
1H NMRでSi−Hと関連する共鳴が反応の過程で消失することが観察され、ケイ素に結合したメチレンに割り当てられる0.41ppmでの新しい共鳴高磁場が現れ、従来報告された化合物に一致するスペクトルをもたらした。
【0069】
Shimadzu GC−2010ガスクロマトグラフにおいてガスクロマトグラフィーが実行された。GC分析はSupelco30m×0.25mm BETA DEX 120キャピラリーカラムを用いて実行された。MD
HMと1−オクテンの反応のための温度プログラムは以下の通りである:80℃2分;15℃/分で180℃まで、そして2分。ヒドロシリル化産物の反応時間は7.83分であった。
【0070】
実施例12 1−オクテンとトリエトキシシランのヒドロシリル化
窒素充満雰囲気において、シンチレーションバイアルに150ミリグラム(1.33ミリモル)の1−オクテン、170ミリグラム(1.03ミリモル)のトリエトキシシランが添加された。別のバイアルに5ミリグラムの[(
2,6−Me2PDI)Fe(N
2)]
2[μ−(N
2)]と200ミリグラムのトルエンが添加された。攪拌しているオレフィンおよびシランの溶液に対し、19ミリグラムの触媒溶液(0.48ミリグラム、シランに対し0.1モル%)が添加された。反応物は室温で約一時間ドライボックス中で攪拌された。
1H NMRでSi−Hと関連する共鳴が反応の過程で消失することが観察され、ケイ素に結合したメチレンに割り当てられる0.62ppmでの新しい共鳴高磁場が現れ、従来報告された化合物に一致するスペクトルをもたらした。
【0071】
実施例13 名目上の構造H
2C=CHCH
2O(C
2H
4O)
8CH
3を持つメチルキャップアリルポリエーテルとメチルビス(トリメチルシリルオキシ)シラン(MD
HM)のヒドロシリル化の手順
窒素充満ドライボックスにおいて、シンチレーションバイアルに1.00グラムの名目上の構造H
2C=CHCH
2O(C
2H
4O)
8CH
3を持つメチルキャップアリルポリエーテル(2.09ミリモル)および0.465グラム(2.09ミリモル)のMD
HMが充填され、ここでM=(CH
3)
3SiO
1/2であり、D
H=CH
3SiHOである。攪拌しているポリエーテルとシランの溶液に対して、10ミリグラム(0.01ミリモル)の[(
2,6MePDI)Fe(N
2)][μ−(N
2)]が添加された。シンチレーションバイアルは封止され、ドライボックスから出され、60℃のオイルバスに配置された。反応物は1時間攪拌され、ここでバイアルはオイルバスから出され、反応は湿潤エーテルの添加によって止められた。溶液は
1H NMRスペクトロスコーピーによって分析された。スペクトルは、開始物質のメチルキャップアリルポリエーテル共鳴が存在せず、そしてヒドロシリル化産物の共鳴が存在する事を示した。
1H NMRスペクトロスコーピーの検出限界中には、反応で生じるプロペニル共鳴が見られなかった。
1H NMRでSi−Hと関連する共鳴が反応の過程で消失することが観察され、ケイ素に結合したメチレンに割り当てられる0.41ppmでの新しい共鳴高磁場が現れ、所望のヒドロシリル化産物の生成を示した。
【0072】
実施例14 (
2,6−iPR2PDI)Fe(1,1’−ジビニルテトラメチルジシロキサン)を用いる1−オクテンとメチルビス(トリメチルシリルオキシ)シラン(MD
HM)のヒドロシリル化
窒素充満ドライボックスにおいて、シンチレーションバイアルに150ミリグラム(1.33ミリモル)の1−オクテンと229ミリグラム(1.03ミリモル)のMD
HMが添加された。別のバイアルに対し、2ミリグラムの(
2,6−iPR2PDI)Fe(1,1’−ジビニルテトラメチルジシロキサン)と200ミリグラムのトルエンが添加された。オレフィンとシランの攪拌している溶液に対し、触媒溶液(シランに対し0.5モル%)が添加された。反応物は室温で1時間ドライボックス中で攪拌された。
1H NMRでSi−Hと関連する共鳴が反応の過程で消失することが観察され、ケイ素に結合したメチレンに割り当てられる0.41ppmでの新しい共鳴高磁場が現れ、所従来報告された化合物に一致するスペクトルをもたらした。
【0073】
比較例1 従来の白金触媒を用いるメチルキャップアリルポリエーテル(H
2C=CHCH
2O(C
2H
4O)
8CH
3とMD
HMのヒドロシリル化
アリルポリエーテルは名目上の構造H
2C=CHCH
2O(C
2H
4O)
8CH
3の市販のメチルキャップサンプルであった。ヒドリドシロキサンはビス(トリメチルシロキシ)メチルシランであり、略称はMD
HM〔M=(CH
3)
3SiO
1/2であり、D
H=CH
3SiHOである。〕55.1グラムのポリエーテル(0.13モル)および22.2グラムMD
HM(0.1モル)がヒドロシリル化に用いられた。
【0074】
反応は、機械的スターラー、水冷Friedrich condenser、加熱マントルおよび温度制御器、ならびに乾燥窒素源へと接続された散布チューブを備えた250ミリリットル4口丸底フラスコにおいて実施された。フラスコは試薬の添加前と添加後に窒素によってパージされた。反応混合物は攪拌され、80℃へと加熱され、この時に窒素散布が中止され、そして反応は0.4ミリリットル(0.4cc)のエタノール中の10ミリグラムPt/ミリリットル溶液である塩化白金酸溶液によって触媒された。約2分後に20℃の温度上昇が観測され、反応混合物はクリーミーな不透明から透明な琥珀色に変化した。加熱は中止され、攪拌は反応混合物が23℃に冷めるまでさらなる1時間続けられた。SiHの試験は陰性であった。ヒドロシロキサンの使用の完全性は、A.L.SmithのAnalysis Of Silicones、John Wiley and Sons、NY 1974年、pp 145−149に記載されるように、反応混合物がアルコールKOHによって処理されるときに産生するH
2の容量を測定する事によって決定された。
1H NMR分析は、産物中のSiH官能性の非存在を確かにし、
13C NMRはプロペニル(
13C=8.1および11.4ppm)ならびにアリル(
13C=115.6および133.8ppm)の存在を示した。
【0075】
上述の記載が多くの具体例を含有するが、これらの具体例は本発明の範囲の限定としては考えられるべきでなく、単にそれらの好ましい実施態様の例示であるとして考えられるべきである。当業者は、ここに添付される請求項によって定義される本発明の範囲及び精神に入る多くの他の可能な改変を想到するであろう。
【0076】
1.式(I)
【化13】
もしくは式(II)
【化14】
の錯体であって、
式中、
GがMn、Fe、NiもしくはCoであり;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8およびR
9の各々が独立して水素、C1−C18アルキル、C1−C18置換アルキル、アリール、置換アリールもしくは不活性の官能基であり、水素以外のR
2〜R
9が、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
R
23の各々が独立してC1−C18アルキル、C1−C18置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、R
23が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択でお互いに隣接するR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
23の任意の二つが一緒になって、置換もしくは不置換の、飽和もしくは不飽和の、環構造である環を形成しても良く;
L
1−L
2が
【化15】
であり、
ここで、
R
10、R
11、R
13、R
14、R
15およびR
16の各々が独立して水素、C1−C18アルキル、C2−C18アルケニルもしくはC2−C18アルキニルであり、ここで水素以外のR
10、R
11、R
13、R
14、R
15およびR
16が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し、そして、水素以外のR
10、R
11、R
13、R
14、R
15およびR
16が任意選択で置換され;
R
12の各々が独立して、C1−C18アルキル、C1−C18置換アルキル、C2−C18アルケニル、C2−C18置換アルケニル、C2−C18アルキニル、C2−C18置換アルキニル、アリール、置換アリールであり、ここでR
12が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択でR
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16の任意の二つが一緒になって、置換もしくは不置換の、飽和もしくは不飽和の、環構造である環を形成し;
R
17およびR
18の各々が独立して、アルキル、置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、R
17およびR
18の各々が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し、そして、R
17およびR
18が一緒になって、置換もしくは不置換の、飽和もしくは不飽和の、環構造である環を任意選択で形成し;
R
19およびR
20の各々が独立して、SiとCとを結合する共有結合、アルキル、置換アルキル、またはヘテロ原子であり、R
19およびR
20が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
ここでL
1−L
2がS1およびS2の不飽和部位を介してGと結合する、
錯体。
2.R
23が
【化16】
であり、
式中、R
1、R
2、R
4、R
5およびR
6が上項1に記載されるように定義される、上項1に記載の式(I)もしくは式(II)による錯体。
3.R
1およびR
2が両方ともメチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピル基である、上項1に記載の式(I)もしくは式(II)による錯体。
4.R
3がメチルである、上項1に記載の式(I)もしくは式(II)による錯体。
5.R
10、R
11、R
13、R
14、R
15およびR
16が水素である、上項1に記載の式(II)による錯体。
6.
【化17】
であり、式中G、R
1〜R
9、R
17、R
18およびR
23が上項1に定義される通りである、上項1に記載の式(II)による錯体。
7.
【化18】
であり、式中G、R
1〜R
9およびR
23が上項1に定義される通りである、上項1に記載の式(II)による錯体。
8.L
1−L
2が少なくとも4つの不飽和部位を持つオルガノシロキサンであり、ここで錯体がダイマーである、上項1に記載の式(II)による錯体。
9.L
1−L
2が、ブタジエン、1,5−シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエンおよびノルボルナジエンからなる群より選択される、上項1に記載の式(II)による錯体。
10.GがFeである、上項1に記載の式(I)もしくは式(II)による錯体。
11.錯体が支持体上に固定されている、上項1に記載の式(I)もしくは式(II)による錯体。
12.前記支持体が、カーボン、シリカ、アルミナ、MgCl
2、ジルコニア、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(アミノスチレン)、デンドリマーおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、上項11に記載の錯体。
13.R
1〜R
9の少なくとも一つが前記支持体と共有結合する官能基を含有する、上項11に記載の錯体。
14.シリルヒドリドと少なくとも一つの不飽和基を含有する化合物とを含有する組成物のヒドロシリル化のためのプロセスであって、(i)任意選択で溶媒の存在下において、前記組成物を上項1に記載の錯体、式(III)の錯体もしくは式(IV)錯体と接触させ、シリルヒドリドを少なくとも一つの不飽和基を含有する化合物と反応させるようにして前記錯体を含有するヒドロシリル化産物を産生するステップ、ならびに(ii)任意選択でヒドロシリル化産物から金属錯体を除去するステップを含有し、ここで式(III)が、
【化19】
であり、そして式(IV)が、
【化20】
であり、
式中、
GがMn、Fe、NiもしくはCoであり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8およびR
9の各々が独立してH、C1−C18アルキル、C1−C18置換アルキル、アリール、置換アリールもしくは不活性の官能基であり、水素以外のR
2〜R
9が、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
R
22およびR
23の各々が独立してC1−C18アルキル、C1−C18置換アルキル、アリールもしくは置換アリール基であり、ここでR
22およびR
23が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択でお互いに隣接するR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
23の任意の二つが一緒になって、置換もしくは不置換の、飽和もしくは不飽和の、環構造である環を形成しても良く;
L
1がR
10R
11C=CR
12R
13もしくは
【化21】
であり、
L
2がR
14R
15C=CR
16R
17もしくは
【化22】
であり、
ここで、R
10〜R
21の各々が独立して水素、C1−C18アルキル、C2−C18アルケニルもしくはC2−C18アルキニルであり、
任意選択で、R
18〜R
19が、ならびに/または、R
20〜R
21が、ならびに/または、R
10、R
11、R
12、R
13の任意の二つが、ならびに/または、R
14、R
15、R
16、R
17の任意の二つが一緒になって、置換もしくは不置換の、飽和もしくは不飽和の、環構造である環を形成しても良く;
ここで、水素以外のR
10〜R
21が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し、そして水素以外のR
10〜R
21が任意選択で置換され、そしてここでL
1およびL
2が不飽和部位を介してGと結合する、
プロセス。
15.磁気分離および/もしくはろ過によってヒドロシリル化産物から錯体を除去するステップをさらに含有する上項14に記載のプロセス。
16.R
23の各々が独立して
【化23】
であり、
式中、R
1、R
2、R
4、R
5およびR
6が上項14に記載されるように定義される、上項14に記載のプロセス。
17.R
1およびR
2が両方ともメチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピル基である、上項14に記載のプロセス。
18.R
3がメチルである、上項14に記載のプロセス。
19.R
10、R
11、R
14、R
15、R
18およびR
20が水素である、上項14に記載のプロセス。
20.前記錯体が
【化24】
であり、式中G、R
1〜R
9、R
17、R
18およびR
23が上項1に定義される通りである、上項14に記載のプロセス。
21.R
17およびR
18がメチル基である、上項14に記載のプロセス。
22.GがFeである、上項14に記載のプロセス。
23.錯体が支持体上に固定されている、上項14に記載のプロセス。
24.前記支持体が、カーボン、シリカ、アルミナ、MgCl
2、ジルコニア、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(アミノスチレン)、デンドリマーおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、上項23に記載のプロセス。
25.R
1〜R
9の少なくとも一つが前記支持体と共有結合する官能基を含有する、上項23に記載のプロセス。
26.前記シリルヒドリドがR
aSiH
4−a、(RO)
aSiH
4−a、Q
uT
vT
HpD
wD
HxM
HyM
zおよびそれらの組み合わせからなる群より選択され、ここでQがSiO
4/2であり、TがR’SiO
3/2であり、T
HがHSiO
3/2であり、DがR’
2SiO
2/2であり、D
HがR’HSiO
2/2であり、M
HがH
gR’
3−gSiO
1/2であり、MがR’
3SiO
1/2であり、RおよびR’の各々が独立してC1−C18アルキル、C1−C18置換アルキルであり、ここでRおよびR’が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し、aの各々が独立して1〜3の値を持ち、gが0〜3の値を持ち、p、u、v、yおよびzの各々が独立して0〜20であり、wおよびxが独立して0〜500であり、但しp+x+yは1〜500と等しいという条件であり、シリルヒドリド内のすべての元素の値が飽和している、上項14に記載のプロセス。
27.p、u、v、yおよびzの各々が独立して0〜10であり、wおよびxが独立して0〜100であり、ここでp+x+yが1〜100と等しい、上項26に記載のプロセス。
28.前記不飽和基を含有する化合物が、アルキルキャップアリルポリエーテル、ビニル官能化アルキルキャップアリルもしくはメチルアリルポリエーテル、末端不飽和アミン、アルキン、C2−C18オレフィン、不飽和シクロアルキルエポキシド、末端不飽和アクリラートもしくはメチルアクリラート、不飽和アリールエーテル、不飽和芳香族炭化水素、不飽和シクロアルカン、ビニル官能化ポリマー、ビニル官能化シラン、ビニル官能化シリコーンならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、上項14に記載のプロセス。
29.前記不飽和基を含有する化合物が一般式:
R
1(OCH
2CH
2)
z(OCH
2CHR
3)
w−OR
2 (式VIII)、
R
2O(CHR
3CH
2O)
w(CH
2CH
2O)
z−CR
42−C≡C−CR
42−(OCH
2CH
2)
z(OCH
2CHR
3)
wR
2 (式X)もしくは
H
2C=CR
4CH
2O(CH
2OCH
2)
z(CH
2OCHR
3)
wCH
2CR
4=CH
2 (式XI)
を持つポリオキシアルキレンであり、
式中、R
1の各々が2〜10個の炭素原子を含有する不飽和の有機基であり、R
2の各々が独立して水素、ビニルもしくは1〜8個の炭素原子のポリエーテルキャップ基であり、R
3およびR
4の各々が独立して一価の炭化水素基であり、zの各々が0から100以下であり、wの各々が0から100以下である、
上項14に記載のプロセス。
30.上項14において定義される錯体の存在下において、末端不飽和ポリウレタンポリマーとシリルヒドリドを接触させるステップを含有するシリル化ポリウレタンを調製するためのプロセス。
31.上項14に記載のプロセスにより作製された組成物であって、前記不飽和基を含有する化合物がアルキルキャップアリルポリエーテルであり、ここで前記組成物が反応していないアルキルキャップアリルポリエーテルおよびそのイソマー化産物を本質的に含まない、組成物。
32.上項14に記載のプロセスにより作製された組成物であって、前記不飽和基を含有する化合物が末端不飽和アミンであり、ここで前記組成物が反応していない末端不飽和アミンおよびそのイソマー化産物を本質的に含まず、前記産物が内部付加産物を本質的に含まない、組成物。
33.上項14に記載のプロセスにより作製された組成物であって、前記少なくとも一つの不飽和基を含有する化合物がビニル官能化シリコーンである、組成物。
34.上項1に定義される式(I)の錯体を合成するためのプロセスであって、式(V)の化合物を、フェロセンに対して−0.6vよりも負である還元電位を持つ還元剤と、窒素存在下で反応させるステップを含有し、
ここで式(V)が、
【化25】
であり、
GがMn、Fe、NiもしくはCoであり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8およびR
9の各々が独立してH、C1−C18アルキル、C1−C18置換アルキル、アリール、置換アリールもしくは不活性の官能基であり、水素以外のR
2〜R
9は、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
R
23が独立してC1−C18アルキル基もしくはC1−C18置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、R
23が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択でお互いに隣接するR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
23の任意の二つが一緒になって、置換もしくは不置換の、飽和もしくは不飽和の、環構造である環を形成し、
Xがアニオンである、
プロセス。
35.前記還元剤がナトリウムナフタレニドである、上項34に記載のプロセス。
36.XがF、Cl、Br、I、CF
3R
40SO
3−もしくはR
50COO
−であり、R
40が共有結合もしくはC1−C6アルキル基であり、そしてR
50がC1−C10ヒドロカルビル基である、上項34に記載のプロセス。
37.上項1に定義される式(II)の錯体を合成するためのプロセスであって、式(V)の化合物を、L
1−L
2と反応させるステップを含有し、
ここで式(V)が、
【化26】
であり、
GがMn、Fe、NiもしくはCoであり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8およびR
9の各々が独立してH、C1−C18アルキル、C1−C18置換アルキル、アリール、置換アリールもしくは不活性の官能基であり、水素以外のR
2〜R
9は、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
R
23が独立してC1−C18アルキル基もしくはC1−C18置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、R
23が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択でお互いに隣接するR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
23の任意の二つが一緒になって、置換もしくは不置換の、飽和もしくは不飽和の、環構造である環を形成しても良く、
XがF、Cl、Br、I、CF
3R
40SO
3−もしくはR
50COO
−であり、R
40が共有結合もしくはC1−C6アルキル基であり、そしてR
50がC1−C10ヒドロカルビル基であり;そして
L
1−L
2が
【化27】
であり、
R
10、R
11、R
13、R
14、R
15およびR
16の各々が独立して水素、C1−C18アルキル、C2−C18アルケニル、C2−C18アルキニルもしくはアリールであり、ここで水素以外のR
10、R
11、R
13、R
14、R
15およびR
16が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し、そして、水素以外のR
10、R
11、R
13、R
14、R
15およびR
16が任意選択で置換され;
R
12の各々が独立して、C1−C18アルキル、C1−C18置換アルキル、C2−C18アルケニル、C2−C18置換アルケニル、C2−C18アルキニル、C2−C18置換アルキニル、アリール、もしくは置換アリールであり、ここでR
12が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択でR
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16の任意の二つが一緒になって、置換もしくは不置換の、飽和もしくは不飽和の、環構造である環を形成し;
R
17およびR
18の各々が独立して、アルキル、置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、R
17およびR
18の各々が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し、そして、R
17およびR
18が一緒になって、置換もしくは不置換の、飽和もしくは不飽和の、環構造である環を任意選択で形成しても良く;
R
19およびR
20の各々が独立して、SiとCとを結合する共有結合、アルキル、置換アルキル、またはヘテロ原子であり、ここでR
19およびR
20が任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する、
プロセス。