(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定部材を前記可動部材に連結するサスペンションワイヤを更に含み、且つ連結凹部が、前記固定部材の下表面に形成されており、前記サスペンションワイヤの一端は、前記連結凹部内に固定される請求項1に記載の電磁駆動アセンブリ。
前記固定部材は、前記主軸に平行な方向に延伸する延伸部を含み、前記外部端子は、前記主軸から離れた側は前記延伸部の側面で露出され、前記主軸に近い側は前記延伸部の側面でカバーされる請求項1に記載の電磁駆動アセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
添付の図面とともに以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本発明はより完全に理解できる。
【
図1】本発明の一部の実施形態のカメラ装置の断面概略図を示している。
【
図2】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの一部の要素の概略図を示している。
【
図3】
図2のA−A’線による断面図を示している。
【
図4A】本発明の一部の実施形態の位置センサと固定部材の断面図を示している。
【
図4B】本発明の一部の実施形態の位置センサと固定部材の断面図を示している。
【
図5】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの一部の要素のブロック概略図を示している。
【
図6A】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの一部の要素を製造する複数のステップの概略図を示している。
【
図6B】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの一部の要素を製造する複数のステップの概略図を示している。
【
図6C】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの一部の要素を製造する複数のステップの概略図を示している。
【
図6D】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの一部の要素を製造する複数のステップの概略図を示している。
【
図6E】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの一部の要素を製造する複数のステップの概略図を示している。
【
図6F】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの一部の要素を製造する複数のステップの概略図を示している。
【
図6G】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの一部の要素を製造する複数のステップの概略図を示している。
【
図6H】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの一部の要素を製造する複数のステップの概略図を示している。
【
図6I】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの一部の要素を製造する複数のステップの概略図を示している。
【
図6J】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの一部の要素を製造する複数のステップの概略図を示している。
【
図7】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの断面概略図を示している。
【
図8】本発明の一部の実施形態の電磁駆動モジュールの断面概略図を示している。
【
図9】本発明の一部の実施形態における固定部の断面概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の発明を実施するための形態では、説明のために、多数の特定の詳細および実施形態が本開示の完全な理解を提供するために明記されている。以下の発明を実施するための形態で説明された特定の構成要素および構造は、本開示を明瞭に説明するために記述されている。しかしながら、本明細書で記述される例示的な実施形態は、単に説明のために用いられることは明らかであり、発明の概念は、これらの例示的な実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。また、異なる実施形態の図面では、本開示を明瞭に説明するために、類似の番号および/または対応の番号を用いて、類似の構成要素および/または対応の構成要素を示すことができる。しかしながら、異なる実施形態の図面では、類似の番号および/または対応の番号の使用は、異なる実施形態間の相関関係を示唆するものではない。また、この明細書では、例えば、「第2の材料層上/第2の材料層の上方に配置された」などの表現は、第1の材料層および第2の材料層の直接接触の状況を含む。または1つ以上の他の材料層との離間状態も含むことができる。上述の状況では、第1の材料層と第2の材料層との間は直接接触しなくてもよい。
【0019】
本開示の図面の構成要素または装置は、当業者に公知のどんな形式または構成にも存在することができるということが留意されるべきである。また、「もう1つの層を覆う(overlying)層」、「層はもう1つの層の上方(above)に配置される」、「層はもう1つの層上(on)に配置される」、および「層はもう1つの層の上方(over)に配置される」などの表現は、層がもう1つの層と直接接触することを指すだけでなく、層がもう1つの層とは直接接触せず、層ともう1つの層との間に配置された1つ以上の中間層があることも指すことができる。
【0020】
また、この明細書では、関連する表現が用いられる。例えば、「より低い」、「底部」、「より高い」、または「上部」は、もう1つに対する1つの構成要素の位置を説明するのに用いられる。仮に装置が上下反転された場合、「より低い」側の構成要素は、「より高い」側の構成要素となる、ということが了解されるべきである。
【0021】
用語「約」および「大抵」は、一般的に、所定値の+/−20%を意味し、より一般的に、所定値の+/−10%を意味し、さらにより一般的に、所定値の+/−5%を意味する。本開示の所定値は、近似値である。特定の説明がないとき、所定値は、「約」または「大抵」の意味を含む。
【0022】
図1は、本発明の一部の実施形態のカメラ装置の断面概略図を示している。一部の実施形態では、カメラ装置1は、電磁駆動モジュール2、光学レンズアセンブリ4、回路板5、および光センサ6を含む。光学レンズアセンブリ4は、電磁駆動モジュール2の内部に設置される。外側からの光線は、光学レンズアセンブリ4を通過し、回路板5の上に設置された光センサ6に投射される。光センサ6が光線を受けると、光線に対応したデジタル信号が生成される。電磁駆動モジュール2は、多方向(光学レンズアセンブリ4の光軸に垂直な方向)で光学レンズアセンブリ4の移動を制御するように配置される。電磁駆動モジュール2の制御によって、光学レンズアセンブリ4を通過する光線は、光センサ6に正確に偏向されて投射され、カメラ装置1の画像品質を向上させることができる。
【0023】
本発明の一部の実施形態に係る、電磁駆動モジュール2の構造の特徴は以下に説明される。
【0024】
一部の実施形態では、
図1に示されるように、電磁駆動モジュール2は、ハウジング20、固定部材21、可動部材22、2つのスプリングシート23および24、複数のサスペンションワイヤ25、および複数の駆動磁石、例えば、2つの駆動磁石26および2つの駆動磁石27(
図1では、1つの駆動磁石27のみ示されている)を含む。電磁駆動モジュール2の要素は、必要に応じて増加または減少することができ、この実施形態を限定するものではない。
【0025】
一部の実施形態では、ハウジング20は、前部ハウジング部材201および側部ハウジング部材202を含む。開口203は、前部ハウジング部材201に形成され、主軸Mと同一軸上に配置される。側部ハウジング部材202は、前部ハウジング部材201の縁部から延伸し、固定部材21に向けて延伸する。
【0026】
図2は、本発明の一部の実施形態に係る、固定部材21の一部の要素の概略図を示している。一部の実施形態では、固定部材21は、長方形のプレート状の構造である。固定部材21は、上表面211、および上表面211と対向する下表面212を有する。4つの側面216は、固定部材21の上表面211と下表面212の間に連結される。開口213は、上表面211と下表面212を貫通し、主軸M(
図1)と同一軸上に配置される。4つの連結凹部215は、下表面212の4つの角に形成される。また、2つの位置決め凹部214は、上表面211の上に形成され、それぞれ互いに隣接する異なる2つの側面216に配置される。
【0027】
図3は、
図2のA−A’線による断面図を示している。一部の実施形態では、固定部材21は、2つの積層構造(即ち、コイル基板217および下部基板218)を有する。コイル基板217は、下部基板218の上に配置され、コイル基板217の上表面2171は、固定部材21の上表面211であり、且つ下部基板218の下表面2180は、固定部材21の下表面212である。理解すべきことは、本発明では、固定部材21を2つの積層構造に分けているのは、説明を容易にするためであり、コイル基板217と下部基板218が2つの独立した構成要素でなければならないということではない。一部の実施形態では、コイル基板217の下表面2170と下部基板218の上表面2181は、一体成型であり、両者の間は間隙がない。また、コイル基板217の下表面2170と下部基板218の上表面2181の間は、接着剤またはその他の接合材料が塗布されていない。本発明の実施形態に係る固定部材21の1つの製造方法は、
図7の内容と関連して説明を行う。
【0028】
一部の実施形態では、コイル基板217と下部基板218は、同じ絶縁材料(例えば、ガラス繊維、不織材料、および樹脂からなる絶縁材料)で製造されているが、本発明はこれを限定するものではない。コイル基板217と下部基板218は、異なる材料で製造されることもできる。また、コイル基板217と下部基板218は、異なる厚さを有することもできる。例えば、主軸Mに平行な方向では、コイル基板217の厚さは、同じく主軸Mに平行な方向の下部基板218の厚さより小さい。
【0029】
図2と
図3に示すように、一部の実施形態では、電磁駆動モジュール2は、複数の外部端子28、導電層29(
図3)、複数の駆動コイル(例えば、2つの駆動コイル30および2つの駆動コイル31)、複数の位置センサ32、および複数のビア(例えば、ビア33、34、および35)を更に含む。外部端子28、導電層29、駆動コイル30と31、位置センサ32、およびビア33、34と、35は、固定部材21によって支持される。
【0030】
外部端子28は、外部制御回路を連結するように配置される。外部制御回路(図示されていない)からの電気信号は、外部端子28を経由して電磁駆動モジュール2の他の要素に伝送されるか、または電磁駆動モジュール2の他の要素からの電気信号は、外部端子28を経由して外部制御回路に伝送される。一部の実施形態では、各外部端子28は、シート構造を含み、各外部端子28の表面は、固定部材21の側面216で外側に露出される。
【0031】
一部の実施形態では、各外部端子28は、L形状に形成される。外部端子28の一部の表面は、固定部材21の側面216で露出され、且つ外部端子28の一部の表面は、固定部材21の下表面212で露出される。また、外部端子28は、下部基板218内に埋設されるため、外部端子28が変形するのを回避することができ、外部回路への電気的接続の安定性を確保することができる。
【0032】
導電層29は、外部端子28を電磁駆動モジュール2の他の電気素子に電気的に接続する。一部の実施形態では、導電層29は、下部基板218に配置され、且つ下部基板218の外部に露出されない。また、導電層29は、駆動コイル30に近い位置に設置される。即ち、導電層29と下部基板218の上表面2181の間の距離D1は、導電層29と下部基板218の下表面2180の間の距離D2より小さい。上述の特徴により、駆動コイル30と31を導電層29と電気的に接続する内部トレースに必要な長さが減少され、電気的接続の安定性が確保される。
【0033】
一部の実施形態では、導電層29は、ビア33と外部端子28によって電気的に接続される。また、外部端子28の厚さは、導電層29の厚さと異なる。例えば、各外部端子28は、主軸Mに垂直な方向上に、厚さT1を有する。また、導電層29は、主軸Mに平行な方向上に厚さT2を有する。一部の実施形態では、導電層29の厚さT2は、外部端子28の厚さT1より小さく、電磁駆動モジュール2の薄型化の要求を満たすことができる。
【0034】
駆動コイル30と31は、導電層29に電気的に接続され、磁界を発生して可動部材22を駆動し、可動部材22を固定部材21に対して移動させる。一部の実施形態では、
図2に示されるように、2つの駆動コイル30は、X軸の方向にある2つの対向する側面216に隣接するように配置され、2つの駆動コイル31は、Y軸の方向にある2つの対向する側面216に隣接するように設置される。一部の実施形態では、2つの駆動コイル30と2つの駆動コイル31、およびその他の要素の連結関係は、類似している。説明を簡単にするために、以下の説明では、単一の駆動コイル30の配置の方式についてのみ説明が行われている。しかしながら、留意すべきことは、各駆動コイルは、異なる方式を用いて配置されてもよく、本発明は、本実施形態に限定されるべきではないということである。
【0035】
図3に示されるように、一部の実施形態では、駆動コイル30は、コイル基板217内に配置され、コイル基板217の外部に露出されない。駆動コイル30は、ビア34によって導電層29に電気的に接続される。主軸Mに平行な方向への駆動コイル30の投影は、
図3に示すように、導電層29と重なる。ただし、主軸Mに平行な方向への駆動コイル30の投影は、導電層29と重ならない配置としてもよく、この場合、寄生容量(parasitic capacitance)の発生が回避され、電磁駆動モジュール2の動作が正確に行われる。
【0036】
一部の実施形態では、駆動コイル30は、2つの導電構造301および302を含む。2つの導電構造301および302は、磁界を発生するように構成され、可動部材22の移動を行うことができる。一部の実施形態では、2つの導電構造301および302は、固定部材21の上表面211から異なる距離で互いに離間されており、導電構造301は、導電構造302より固定部材21の上表面211に近い。2つの導電構造301および302は、異なる幅(2つの最も外側の導電構造の間の距離)を有することができる。例えば、主軸Mに垂直な方向では、導電構造301の幅は、導電構造302の幅より大きい。
【0037】
理解すべきことは、導電構造層の数は、この実施形態に限定されるべきではなく、導電構造層の数は、3つ以上でもよく、且つ導電構造層の数は、奇数または偶数でもよいことである。
【0038】
一部の実施形態では、上述の2つの駆動コイル30は、コイル基板217に配置された導電トレース(図示されていない)によって互いに電気的に接続されるため、電磁駆動モジュール2が動作しているとき、2つの駆動コイル30は、同じ電流が供給される。また、2つの駆動コイル31は、コイル基板217に配置された導電トレース(図示されていない)によって互いに電気的に接続されるため、電磁駆動モジュール2が動作しているとき、2つの駆動コイル30は、同じ電流が供給される。しかしながら、本発明は、この実施形態を限定するものではない。いくつかの他の実施形態では、2つの駆動コイル30のそれぞれは、各導電トレースによって導電層29に電気的に接続され、2つの駆動コイル31のそれぞれは、各導電構造によって個別に、導電層29に電気的に接続される。2つの駆動コイル30は、導電層29から同じ電流が供給され、2つの駆動コイル31は、導電層29から同じ電流が供給される。
【0039】
図2に示されるように、2つの位置センサ32は、駆動磁石26および27(
図1)の磁界の変化を検出するように配置され、検出結果に基づいて電気信号を制御モジュール(図示されていない)に発生させ、閉ループ制御(closed−loop control)を形成する。一部の実施形態では、2つの位置センサ32は、固定部材21の2つの位置決め凹部214内にそれぞれ配置され、導電層29(
図3)に電気的に接続される。電磁駆動モジュール2の薄型化の要求を満たすために、位置センサ32は、固定部材21の上表面211の下方に配置されるか、または位置センサ32は、固定部材21の上表面211と同じ高さに配置される。一部の実施形態では、2つの位置センサ32は、それぞれホールセンサである。しかしながら、理解すべきことは、本発明の実施形態に変更や修正を行うことは可能である。例えば、
図4Aに示されるように、2つの位置センサ32は、固定部材21の中に埋設されることができ、位置センサ32の上表面321は、固定部材21の上表面211と同じ高さである。また、
図4Bに示されるように、2つの位置センサ32は、固定部材21内に埋設され、位置センサ32の上表面321は、固定部材21の外部に露出されない。
【0040】
図1に示すように、可動部材22は、光学レンズアセンブリ4を載置するように配置され、光学レンズアセンブリ4がカメラ装置1内で移動できるようにしている。一部の実施形態では、可動部材22は、オートフォーカスモジュール(AFモジュール)であり、フレーム221とレンズ鏡筒222を含む。レンズ鏡筒222は、フレーム221で囲まれている。チャネル223は、主軸Mに沿ってレンズ鏡筒222を貫通し、開口203に対応して配置される。光学レンズアセンブリ4は、チャネル223に配置され、光学レンズアセンブリ4の光軸は、主軸Mと同一軸上に配置される。理解すべきことは、
図1に示された可動部材22は、光学レンズアセンブリ4を載置するように配置されているが、本発明はこれを限定するものではなく、可動部材22は、その他の要素を載置するように用いられることもできることである。
【0041】
2つのスプリングシート23と24は、可動部材22の上側と下側にそれぞれ連結される。一部の実施形態では、光学レンズアセンブリ4を載置するように用いられるレンズ鏡筒222は、2つのスプリングシート23とスプリングシート24との間に配置される。2つのスプリングシート23とスプリングシート24は、主軸Mに平行な方向に沿ってレンズ鏡筒222が固定部材21に対応して移動できるようにさせる。
【0042】
サスペンションワイヤ25は、主軸Mに垂直な方向で可動部材22が移動できるように配置される。一部の実施形態では、電磁駆動モジュール2は、固定部材21と可動部材22との間に連結された4つのサスペンションワイヤ25を含む。具体的に言えば、各サスペンションワイヤ25の1つの端部251は、可動部材22に配置されたスプリングシート23に連結され、各サスペンションワイヤ25のもう1つの端部252は、接着剤253によって固定部材21の連結凹部215に接続される。接着剤は、はんだ材料または他の好適な材料を含むことができる。サスペンションワイヤ25の端部252は、連結凹部215に収納されるため、サスペンションワイヤ25は、可動部材22をX−Y面上のより広い範囲内で移動させることができる十分な長さを有する。従って、電磁駆動モジュール2の全ての厚さが減少されても、電磁駆動モジュール2の特性は保持される。
【0043】
一部の実施形態では、サスペンションワイヤ25は、固定部材21にある導電層29(
図3)に電気的に接続される。導電層29からの電気信号は、サスペンションワイヤ25およびスプリングシート23を介して可動部材22に送信され、可動部材22の制御を容易にする。一部の図示されていない実施形態では、2つのスプリングシート23と24は、省略される。可動部材22は、外向きに延伸するフランジ(図示されていない)を含み、各サスペンションワイヤ25は、可動部材22と固定部材21のフランジの間に連結される。
【0044】
いくつかの実施形態では、駆動磁石26と27は、駆動コイル30と31に対応して、固定部材21に面する可動部材22の下表面に配置される。具体的に言えば、2つの駆動磁石26は、駆動コイル30に対応して配置され、2つの駆動磁石27(
図1では、1つの駆動磁石27のみ図示されている)は、駆動コイル31に対応して配置される。従って、可動部材22は、2つの駆動コイル30および2つの駆動磁石26によって生成された磁力でX方向に移動するように駆動される。また、可動部材22は、2つの駆動コイル31および2つの駆動磁石27によって生成された磁力でY方向に移動するように駆動される。いくつかの実施形態では、駆動磁石26と27は、レンズ鏡筒222の上に位置するコイル(図示されていない)に対応するように配置される。また、レンズ鏡筒222は、コイルおよび駆動磁石26と27によって生成された磁力でZ方向に移動するように駆動される。
【0045】
留意すべきことは、上述の実施形態では、位置センサ32が位置決め凹部214内に配置され、サスペンションワイヤ25を固定するのに用いられる接着剤253が連結凹部215に塗布されるため、位置センサ32と接着剤253は、固定部材21の上表面211より突出しない。従って、電磁駆動モジュール2の薄型化の要求が達成される。一方では、固定部材21に配置された駆動コイル30および31と駆動磁石26および27との間の距離は減少するため、電磁駆動モジュール2の駆動力は、向上される。
【0046】
図5は、本発明の一部の実施形態に係る、電磁駆動モジュール2の一部の要素のブロック概略図を示している。いくつかの実施形態では、導電層29は、可動部材22、駆動コイル30、および位置センサ32に電気的に接続される。制御回路7からの電気信号は、外部端子28と導電層29を介して可動部材22、駆動コイル30と31、および位置センサ32に送信される。従って、電磁駆動モジュール2は、過不足なく接続され、製造コストおよび製造時間が減少されることができる。
【0047】
以下、本発明の一部の実施形態に係る、固定部材21の製造方法が示される。
【0048】
図6A〜
図6Jは、本発明の一部の実施形態に係る、固定部材21を製造するステップの概略図を示している。
図6Aに示されるように、固定部材21の製造方法は、まず、絶縁層80を形成し、絶縁層80の上に導電構造301を形成する。一部の実施形態では、導電構造301は、ボンディングまたはコーティング技術によって絶縁層80の上に形成される。次いで、
図6Bに示されるように、絶縁層81は、導電構造301の層上に形成され、止まり穴加工プロセスが行われて、絶縁層81に止まり穴811を形成し、導電構造301を露出する。絶縁層81は、ボンディングまたはコーティング技術によって導電構造301の上に形成される。次いで、
図6Cに示されるように、ビア35は、止まり穴811に形成され、導電構造302は、絶縁層81の上に形成される。次いで、
図6Dに示されるように、絶縁層82は、導電構造302の上に形成され、止まり穴加工プロセスが行われて、絶縁層82に止まり穴821を形成し、導電構造302を露出する。
【0049】
次いで、
図6Eに示されるように、ビア34は、止まり穴821に形成され、導電層29は、絶縁層82の上に形成される。次いで、
図6Fに示されるように、絶縁層83は、導電層29の上に形成され、止まり穴加工プロセスが行われて、絶縁層83に止まり穴831を形成し、導電層29を露出する。次いで、
図6Gに示されるように、ビア33は、止まり穴831に形成される。次いで、
図6Hに示されるように、絶縁層84は、絶縁層83の上に形成され、止まり穴加工プロセスが行われて、絶縁層84に止まり穴841を形成し、ビア33を露出する。次いで、
図6Iに示されるように、端子は、絶縁層82の上に形成され、且つ止まり穴841内に形成される。次いで、
図6Jに示されるように、カッティングプロセスが止まり穴841の縁部に沿って行われて、固定部材21を形成する。固定部材21では、コイル基板217は、絶縁層80、81、および82を含む、下部基板218は、絶縁層83と84を含む。
【0050】
一部の実施形態では、外部端子28、導電層29、駆動コイル30と31、位置センサ32、およびビア33は、ニッケル、金、スズ、鉛、銅、アルミニウム、銀、クロミウム、タングステン、またはその合金を含むことができるが、これに限定されるものではない。また、絶縁層80〜84は、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン、ポリイミド、味の素ビルドアップフィルム、ポリフェニレンオキサイド、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、またはポリテトラフルオロエチレンを含むことができるが、これに限定されるものではない。絶縁層80〜84は、接着剤を用いて接合しないため、絶縁層80〜84の間に間隙が形成されない。
【0051】
図7は、本発明の一部の実施形態に係る、電磁駆動モジュール2cの固定部材21cの断面図を示している。
図7の実施形態では、
図1〜
図3の実施形態の同一または類似の構成要素には、同一の符号が付され、その特徴は、簡略化のため、ここでは再度説明しない。一部の実施形態では、固定部材21cのコイル基板217と下部基板218は、個別に製造され、上表面2181と下表面2170によって互いに接合され、電気的接続は、電気接点2173と2183の接続によって確立される。また、位置センサ32は、上表面2181に配置され、導電層29に電気的に接続される。
【0052】
図8は、本発明の一部の実施形態に係る、電磁駆動モジュール2dの固定部材21dの断面図を示している。
図8の実施形態では、
図1〜
図3の実施形態と同一または類似の構成要素には、同一の符号が付され、その特徴は、簡略化のため、ここでは再度説明しない。一部の実施形態では、固定部材21dは、下部基板218dを含む。下部基板218dは、主軸Mに平行な方向に延伸する延伸部2185dを有する。外部端子28は、主軸Mから離れた側は延伸部2185dの側面で露出され、主軸Mに近い側は延伸部2185dの側面でカバーされる。
外部端子28は、下部基板218d内に埋設されるため、外部端子28が変形するのを回避することができ、外部回路への電気的接続の安定性を確保することができる。
【0053】
図9は、いくつかの実施形態に係る、固定部材21eの概略断面図を示している。
図9の実施形態では、
図1〜
図3の実施形態と同様の構成については、同一の符号が付され、その特徴は、簡略化のため、再度説明しない。固定部材21eと固定部材21との相違点には、導電層29が導電層29eに置き換えられている点が含まれる。
【0054】
いくつかの実施形態においては、導電層29eと駆動コイル30は、完全に重なる配置ではなく、開口又は切り欠き291eが、導電層29eに形成されている。その結果として、主軸Mに平行な方向に関する駆動コイル30の投影の少なくとも一部は、導電層29eの外側に配置され、これにより寄生容量(parasitic capacitance)の発生が回避され、固定部材21eを用いた電磁駆動モジュールの動作が正確に行われる。
【0055】
従来の駆動モジュールに比べ、本発明の電磁駆動モジュールは、構成要素がより少ないため、製造コストが減少されて、製造プロセスが簡易化される。また、本発明では、電磁駆動モジュールの導電層、駆動コイル、および外部端子は、1つの単一の固定部材に直接形成されるため、接着剤の使用によって隣接の構成要素に接合させるプロセスが省略される。従って、不均一に塗布された接着剤による、駆動コイルと駆動磁石が不等な離間距離を有する問題を回避することができる。従って、薄型化の要求が達成されると同時に、電磁駆動モジュールは、向上された駆動力と制御精度を有する。
【0056】
本開示及びそれらの利点の一部の実施形態が詳細に説明されてきたが、添付の請求の範囲によって定義されるように、本開示の精神および範囲を逸脱せずに、本明細書において種々の変更、代替、および改変をすることができることを理解すべきである。また、本出願の範囲は、本明細書中に述べられたプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者が本開示の開示から容易に諒解するように、本明細書で述べられた対応する実施形態と、実質的に同様の機能を実行するか、または実質的に同様の結果を達成する、現存の、または後に開発される、開示、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップが本開示に従って利用され得る。よって、添付の特許請求の範囲は、上述のプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップを含むように意図される。また、各請求の範囲は、個別の実施形態を構成し、各請求の範囲及び実施形態の組み合わせは、本発明の保護範囲である。