(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389228
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】フィラーネックアセンブリ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B60K 15/04 20060101AFI20180903BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20180903BHJP
F16L 23/032 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
B60K15/04 D
F02M37/00 301Q
F02M37/00 301M
F16L23/032
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-229414(P2016-229414)
(22)【出願日】2016年11月25日
(65)【公開番号】特開2018-83599(P2018-83599A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2016年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】516355623
【氏名又は名称】コリア、フューエル−テク、コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】KOREA FUEL−TECH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】キ、キョン、ベ
(72)【発明者】
【氏名】キ、ホン、キム
(72)【発明者】
【氏名】ミョン、グン、チュ
【審査官】
葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2012−0008592(KR,A)
【文献】
韓国登録特許第10−0736410(KR,B1)
【文献】
韓国公開特許第10−2004−0087669(KR,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2002−0012825(KR,A)
【文献】
韓国登録実用新案第20−0424252(KR,Y1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0263991(US,A1)
【文献】
米国特許第05740842(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/04
F02M 37/00
F16L 23/032
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の注油ノズルと連結され、前記注油ノズルから燃料タンクに燃料の供給を案内するフィラーネックアセンブリにおいて、
前記注油ノズルが挿入されるキャップホルダ;
前記キャップホルダと相互結合されて前記注油ノズルを支持するノズル支持領域と、前記ノズル支持領域から一体となって延長されて前記ノズル支持領域と前記燃料タンクを相互連結するパイプ領域と、を有するフィラーパイプ;及び、
前記フィラーパイプが車体を媒介にして隔離されるように前記フィラーパイプを前記車体に支持させるフランジと一体として備えられ、外部からの空気が車両の内部に供給される経路を形成するエアードレイン部
を含み、
前記エアードレイン部は、
前記ノズル支持領域の外側で前記フィラーパイプの外壁に密着される第1のケース及び前記第1のケースに対応されるように前記フィラーパイプの外壁に密着される第2のケースを含み、
前記フランジは、
前記第1のケースと前記車両のフィラーハウジングを連結する第1のフランジ及び前記第1のフランジに一体化または密着されて前記第2のケースと前記フィラーハウジングを連結する第2のフランジ及び、前記第1及び第2のフランジの前端に配置され、前記第1及び第2のフランジが結合されるようにして前記フィラーパイプと分離されているフランジカバーを含む、フィラーネックアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のケースは、
前記第1のフランジを貫通して前記フィラーハウジングの内部に延長され、前記フィラーハウジングの内部空気が前記エアードレイン部の内部に流入される経路を形成するエアードレインポート、及び
前記エアードレイン部の内部に流入された空気が前記車両のエアーフィルターと連結されたエアーベントパイプに供給されるようにするエアー排出部を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィラーネックアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のケースは、
前記エアードレインポートと前記エアー排出部との間で前記第1のケースの内壁から突出形成される複数個のフレームで備えられて前記エアー排出部に提供される空気の水分と異物をフィルターリングするフィルター、及び
前記フィルターによりフィルターリングされた前記水分と異物が前記第1のケースの外部に排出する経路を形成する水拔孔をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のフィラーネックアセンブリ。
【請求項4】
前記エアードレイン部の材質は、
スチール、ステンレススチール及びプラスチックのうち少なくともいずれか一つを含むように備えられることを特徴とする請求項1記載のフィラーネックアセンブリ。
【請求項5】
前記キャップホルダの材質は、
ステンレススチール及びプラスチックのうち少なくともいずれか一つを含むように備えられ、
前記フィラーパイプは、ステンレススチールまたはプラスチックで備えられ、
熱融着、回転融着、及び組み立てのうちいずれか一つにより相互連結されることを特徴とする請求項1に記載のフィラーネックアセンブリ。
【請求項6】
前記プラスチックは、
HDPEマルチ素材、ナイロン、ナノ素材のうち少なくともいずれか一つを含むように備えられることを特徴とする請求項5に記載のフィラーネックアセンブリ。
【請求項7】
外部の注油ノズルと連結され、前記注油ノズルから燃料タンクに燃料の供給を案内するフィラーネックアセンブリの製造方法において、
前記フィラーネックアセンブリは、キャップホルダとフィラーパイプを含み、
前記注油ノズルを支持するノズル支持領域、及び前記ノズル支持領域と前記燃料タンクを相互連結するパイプ領域を一体として形成して前記フィラーパイプを製造するフィラーパイプ製造ステップ;
前記フィラーパイプの前記ノズル支持領域と前記キャップホルダを熱融着、回転融着及び組み立てのうち少なくともいずれか一つにより結合する結合ステップ;及び、
前記フィラーパイプが車体を媒介にして隔離されるように前記フィラーパイプを前記車体に支持させるフランジと、外部からの空気が車両の内部に供給される経路を形成するエアードレイン部を一体として形成するエアードレイン部製造ステップ
を含み、
前記エアードレイン部製造ステップは、
前記ノズル支持領域の外側で前記フィラーパイプの外壁に密着される第1のケースと前記第1のケースを前記車体に支持させる第1のフランジを一体として形成するステップ、及び
前記第1のケースに対応されるように前記フィラーパイプの外壁に密着される第2のケースと前記第1のフランジに密着されて前記第2のケースを前記車体に支持させる第2のフランジを一体として形成するステップを含み、
前記フランジを支持させるステップは、前記第1及び第2のフランジの前端に配置され、前記フィラーパイプと分離されているフランジカバーにより前記第1及び第2のフランジが結合されることを特徴とするフィラーネックアセンブリの製造方法。
【請求項8】
前記エアードレイン部製造ステップ以後に、
前記第1及び第2のケースを密着させて前記車両のフィラーハウジングに前記フランジを支持させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のフィラーネックアセンブリの製造方法。
【請求項9】
前記フィラーパイプ製造ステップは、
前記フィラーパイプを中空成形により形成することを特徴とする請求項7に記載のフィラーネックアセンブリの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラーネックアセンブリ及びその製造方法に関し、より詳しくは、燃料注油ノズルから流入される燃料を燃料タンクに案内するフィラーネックアセンブリ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車は、ガソリン、軽油、LPG(Liquefied Petroleum Gas)、LNG(Liquefied Natural Gas)及びCNG(Compressed Natural Gas)などのような多様な燃料により走行できる動力を得ることができる。このような自動車の多様な燃料は、フィラーネックを介して燃料タンクの内部に貯留される。
【0003】
一方、
図7に示すように、従来のフィラーネックアセンブリ10は、キャップホルダ11、フィラーチューブ13及びフィラーパイプ15を含むことができる。ここで、キャップホルダ11は、燃料注入ノズル(図示せず)が挿入される領域を形成する。そして、フィラーチューブ13は、キャップホルダ11とフィラーパイプ15との間でキャップホルダ11とフィラーパイプ15に両端が各々連結される。それによって、燃料注入ノズルからの燃料は、フィラーパイプ15を介して燃料タンクに提供される。このようなフィラーチューブ13にはフィラーネックアセンブリ10を車体に支持させるフランジ17が形成される。
【0004】
ただし、従来技術は、フィラーチューブ13とフィラーパイプ15が別個に備えられて連結される。それによって、フィラーチューブ13とフィラーパイプ15との間の連結部位では炭化水素ガスの漏れが発生し得る。それに応じて、最近台頭している強化された炭化水素ガス排出規制を満たすことができるフィラーネックが要求されている。
【0005】
また、従来技術において、フィラーネックアセンブリ10は、車体を支持するフランジ17がフィラーチューブ13と一体として備えられる。それによって、車両衝突のような事故発生時に外部衝撃がフランジ17を介してフィラーチューブ13に伝達され得る。したがって、燃料漏油発生による火災発生可能性があるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10−0936984号(車両の燃料注入装置用フィラーネック。2010年01月07日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、外部へのガス漏れを最小化することができるフィラーネックアセンブリ及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、車両衝突のような事故発生時に燃料供給部に伝達される衝撃を防止することができるフィラーネックアセンブリ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるフィラーネックアセンブリは、外部の注油ノズルと連結され、前記注油ノズルから燃料タンクに燃料の供給を案内するフィラーネックアセンブリにおいて、前記注油ノズルが挿入されるキャップホルダ、及び前記キャップホルダと相互結合されて前記注油ノズルを支持するノズル支持領域と、前記ノズル支持領域から一体となって延長されて前記ノズル支持領域と前記燃料タンクを相互連結するパイプ領域と、を有するフィラーパイプを含む。
【0010】
前記フィラーネックアセンブリは、前記フィラーパイプが車体を媒介にして隔離されるように前記フィラーパイプを前記車体に支持させるフランジと一体として備えられ、外部からの空気が車両の内部に供給される経路を形成するエアードレイン部をさらに含む。
【0011】
前記エアードレイン部は、前記ノズル支持領域の外側で前記フィラーパイプの外壁に密着される第1のケース及び前記第1のケースに対応されるように前記フィラーパイプの外壁に密着される第2のケースを含み、前記フランジは、前記第1のケースと前記車両のフィラーハウジングを連結する第1のフランジ及び前記第1のフランジに一体化または密着されて前記第2のケースと前記フィラーハウジングを連結する第2のフランジを含む。
【0012】
前記第1のケースは、前記第1のフランジを貫通して前記フィラーハウジングの内部に延長され、前記フィラーハウジングの内部空気が前記エアードレイン部の内部に流入される経路を形成するエアードレインポート、及び前記エアードレイン部の内部に流入された空気が前記車両のエアーフィルターと連結されたエアーベントパイプに供給されるようにするエアー排出部を含む。
【0013】
前記第1のケースは、前記エアードレインポートと前記エアー排出部との間で前記第1のケースの内壁から突出形成される複数個のフレームで備えられて前記エアー排出部に提供される空気の水分と異物をフィルターリングするフィルター、及び前記フィルターによりフィルターリングされた前記水分と異物が前記第1のケースの外部に排出する経路を形成する水抜孔をさらに含む。
【0014】
前記エアードレイン部の材質は、スチール、ステンレススチール及びプラスチックのうち少なくともいずれか一つを含むように備えられる。
【0015】
前記キャップホルダの材質は、ステンレススチール及びプラスチックのうち少なくともいずれか一つを含むように備えられ、前記フィラーパイプは、ステンレススチールまたはプラスチックで備えられ、熱融着、回転融着、及び組み立てのうちいずれか一つにより相互連結される。
【0016】
前記プラスチックは、HDPEマルチ素材、ナイロン、ナノ素材のうち少なくともいずれか一つを含むように備えられる。
【0017】
一方、本発明によるフィラーネックアセンブリの製造方法は、外部の注油ノズルと連結され、前記注油ノズルから燃料タンクに燃料の供給を案内するフィラーネックアセンブリの製造方法において、前記フィラーネックアセンブリは、キャップホルダとフィラーパイプを含み、前記注油ノズルを支持するノズル支持領域、及び前記ノズル支持領域と前記燃料タンクを相互連結するパイプ領域を一体として形成して前記フィラーパイプを製造するフィラーパイプ製造ステップ、及び前記フィラーパイプの前記ノズル支持領域と前記キャップホルダを熱融着、回転融着及び組み立てのうち少なくともいずれか一つにより結合する結合ステップを含む。
【0018】
前記フィラーネックアセンブリの製造方法は、前記フィラーパイプが車体を媒介にして隔離されるように前記フィラーパイプを前記車体に支持させるフランジと、外部からの空気が車両の内部に供給される経路を形成するエアードレイン部を一体として形成するエアードレイン部製造ステップを含む。
【0019】
前記エアードレイン部製造ステップは、前記ノズル支持領域の外側で前記フィラーパイプの外壁に密着される第1のケースと前記第1のケースを前記車体に支持させる第1のフランジを一体として形成するステップ、及び前記第1のケースに対応されるように前記フィラーパイプの外壁に密着される第2のケースと前記第1のフランジに密着されて前記第2のケースを前記車体に支持させる第2のフランジを一体として形成するステップを含む。
【0020】
前記フィラーネックアセンブリの製造方法は、前記エアードレイン部製造ステップ以後に、前記第1及び第2のケースを密着させて前記車両のフィラーハウジングに前記フランジを支持させるステップをさらに含む。
【0021】
前記フィラーパイプ製造ステップは、前記フィラーパイプを中空成形により形成する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によるフィラーネックアセンブリ及びその製造方法は、燃料供給部でのガス漏れを最小化することで、最近台頭している強化された炭化水素ガス排出規制条件を満たすことができる効果がある。
【0023】
また、本発明によるフィラーネックアセンブリ及びその製造方法は、事故発生時に燃料供給部に伝達される衝撃を最小化することで、燃料漏油による火災発生などの2次事故発生が防止される効果がある。
【0024】
以上のような本発明の技術的効果は、以上で言及した効果に制限されるものではなく、言及されない他の技術的効果は、以下の記載により当業者が明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本実施例に係るフィラーネックアセンブリを示した斜視図である。
【
図2】本実施例に係るフィラーネックアセンブリとフィラーハウジングの結合を示した側面図である。
【
図3】本実施例に係るフィラーネックアセンブリの前端を示した斜視図である。
【
図4】本実施例に係るフィラーネックアセンブリの前端を示した分解斜視図である。
【
図5】
図3に示したI−I′線を基準に切断した断面斜視図である。
【
図6】本実施例に係るフィラーネックアセンブリの製造方法を示した流れ図である。
【
図7】従来のフィラーネックアセンブリを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本実施例は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに多様な形態で具現されることができ、但し、本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、通常の知識を有する者に発明の範ちゅうを完全に知らせるために提供されるものである。図面での要素の形状などは、より明確な説明のために誇張表現された部分がある場合があり、図面上で同一符号で表示された要素は、同一要素を意味する。
【0027】
図1は、本実施例に係るフィラーネックアセンブリを示した斜視図である。
【0028】
図1に示すように、本実施例に係るフィラーネックアセンブリ100には、燃料注入ノズル(図示せず)が挿入される。ここで、フィラーネックアセンブリ100は、燃料注入ノズルからの燃料を燃料タンクまで移送させる燃料供給部300と、燃料供給部300の前端一側に連結されてエアーフィルターに連結されるエアー供給部500と、を含むことができる。
【0029】
ここで、燃料供給部300は、キャップホルダ310及びフィラーパイプ330を含むことができる。
【0030】
まず、キャップホルダ310は、燃料注入ノズルの挿入経路を形成する。キャップホルダ310には、燃料注入ノズルが挿入される挿入孔311が形成される。そして、キャップホルダ310の材質は、ステンレススチールまたはプラスチックで備えられることができる。
【0031】
そして、フィラーパイプ330は、キャップホルダ310と連結されて燃料注入ノズルからの燃料が燃料タンクに案内されるようにする。このとき、キャップホルダ310とフィラーパイプ330は、ウェルディング工法のような熱または回転融着、または組み立てにより相互連結されることができる。そして、フィラーパイプ330の材質は、ステンレス、スチール、プラスチックのうちいずれか一つで備えられることができる。ここで、プラスチックは、HDPEマルチ素材、ナイロン、ナノ素材のうち少なくともいずれか一つを含むように備えられることができる。しかし、フィラーパイプ330の材質は限定しない。
【0032】
一方、エアー供給部500は、エアードレイン部510及びエアーベントパイプ530を含むことができる。
【0033】
まず、エアードレイン部510は、キャップホルダ310に隣接するフィラーパイプ330の前端に備えられる。エアードレイン部510は、車両外部の新鮮な空気が車両の内部に流入される経路を形成する。このようなエアードレイン部510には、フィラーネックアセンブリ100を車体に支持させるフランジ550が一体として備えられることができる。そして、エアードレイン部510とフランジ550の材質は、スチール、ステンレススチールまたはプラスチックで備えられることができる。このとき、エアードレイン部510とフランジ550がステンレススチールで備えられる場合には、フランジ550がフィラーネックアセンブリ100を車体にさらに強固に支持させることができる。そして、エアードレイン部510とフランジ550がプラスチックで備えられる場合には、フィラーネックアセンブリ100自体の軽量化が可能であるという利点がある。
【0034】
そして、エアーベントパイプ530は、エアードレイン部510とエアーフィルターを相互連結する。ここで、エアーベントパイプ530は既に公知された技術により理解可能なので、詳細な説明は省略する。そして、以下ではフィラーパイプ330及びエアードレイン部510に対して詳細に説明する。
【0035】
図2は、本実施例に係るフィラーネックアセンブリとフィラーハウジングの結合を示した側面図であり、
図3は、本実施例に係るフィラーネックアセンブリの前端を示した斜視図である。そして、
図4は、本実施例に係るフィラーネックアセンブリの前端を示した分解斜視図であり、
図5は、
図3に示したI−I'線を基準に切断した断面斜視図である。
【0036】
図2乃至
図5に示すように、本実施例に係るフィラーパイプ330には、ノズル支持領域331及びパイプ領域333が形成されることができる。
【0037】
まず、ノズル支持領域331には、キャップホルダ310を介してフィラーパイプ330の内部に挿入される燃料注油ノズルが支持される。そして、パイプ領域333は、燃料注油ノズルからの燃料が燃料タンクまで移送される経路を形成する。このとき、フィラーパイプ330のノズル支持領域331の内径は、フィラーパイプ330のパイプ領域333の内径より大きく備えられることができる。そして、フィラーパイプ330は、3D Blowのような中空成形を介して製作される。ここで、ノズル支持領域331とパイプ領域333は、単一のフィラーパイプ330の内部に形成される。
【0038】
これは従来フィラーネックでフィラーチューブとフィラーパイプが別個の構造物で備えられて相互連結されることによって発生される炭化水素ガスの漏れ問題を解決するためである。したがって、本実施例に係るフィラーパイプ330は、ノズル支持領域331とパイプ領域333が単一のフィラーパイプ330の内部に形成されるため、炭化水素ガスの漏れ問題を解決することができるという利点がある。
【0039】
一方、フィラーパイプ330の内部には、内部チューブ350が配置されることができる。
【0040】
内部チューブ350は、ノズル支持領域331に配置されることができ、図示されないフラップバルブを含むことができる。フラップバルブは、内部チューブ350の内側にピボット結合されることができる。ここで、フラップバルブは、内部チューブ350の内部が開閉可能にすることで、燃料注入時に注油防止、及び注油中または注油後の燃料の過多逆流を阻止させることができる。しかし、フラップバルブの適用有無を限定しない。また、このとき、フィラーパイプ330は、内部チューブ350を収容し、内部チューブ350の下端より相対的に長く延長されて燃料タンクに連結されることができる。
【0041】
一方、エアードレイン部510は、フィラーパイプ330が車体を媒介にして隔離されるようにフィラーパイプ330を車体に支持させるフランジ550と一体として備えられる。エアードレイン部510は、外部からの新鮮な空気が車両の内部に供給される経路を形成する。エアードレイン部510は、フィラーパイプ330の前端外側でフィラーパイプ330を囲む形態で備えられる。それによって、エアードレイン部510は、新鮮な外部空気と接するフィラーハウジング30の内側への外部空気の流出入経路を形成する。
【0042】
このようなエアードレイン部510は、ノズル支持領域331の上側でフィラーパイプ330の外壁に密着される上部ケース511と、ノズル支持領域331の下側でフィラーパイプ330の外壁に密着される下部ケース513と、で備えられることができる。ここで、上部ケース511と下部ケース513は、ロック突起とロック溝の係合、及び融着などのような多様な締結方式により連結されることができる。ただし、フィラーパイプ330が車体に強固に支持されるようにし、フィラーパイプ330の流動が阻止されるようにボルティングにより連結されることが好ましい。
【0043】
一方、上部ケース511は、エアードレインポート511a、上部フランジ551、フィルター511c、上部水抜孔511e及びエアー排出部511gを含むことができる。
【0044】
エアードレインポート511aは、上部ケース511の前端に備えられる。エアードレインポート511aは、フィラーネックアセンブリ100が車体に連結される場合、フィラーハウジング30の内部に延長されるように備えられる。それによって、エアードレインポート511aは、フィラーハウジング30の内部からの外部空気がエアードレイン部510の内部に形成されたエアー供給路に提供されるようにする。それによって、新鮮な外部空気がエアーベントパイプ530に提供されることができる。
【0045】
そして、上部フランジ551は、上部ケース511の外側方向に延長形成される。上部フランジ551は、以後説明する下部フランジ553と共にフィラーハウジング30に結合されてフィラーネックアセンブリ100がフィラーハウジング30に支持されるようにする。
【0046】
このような上部フランジ551と下部フランジ553は、従来技術と違って、燃料供給部に備えられるものではなく、エアードレイン部510に備えられる。それによって、車両衝突のような事故発生時に外部衝撃が燃料供給部300自体に伝達されることを最小化することができる。併せて、上部フランジ551と下部フランジ553は、事故発生時にクラック発生と共に相互分離され、外部衝撃が燃料供給部300に伝達されることを最小化させることができる。
【0047】
フィルター511cは、上部ケース511の内側に備えられる。フィルター511cは、エアードレインポート511aから提供される外部空気内に存在する水分及び異物などがエアーベントパイプ530に提供されることを阻止することができる。このようなフィルター511cは、エアードレインポート511aに隣接する上部ケースの内側に備えられる。ここで、フィルター511cは、上部ケース511の内壁からフィラーパイプ330に向かって突出形成される複数個のフレームで備えられることができる。しかし、フィルター511cの形態は限定しない。
【0048】
そして、上部水抜孔511eは、上部ケース511の後端でエアー排出部511gの下部に形成される。上部水抜孔511eは、フィルター511cによりフィルターリングされた水分及び異物が上部ケース511の外部に排出される経路を形成する。それによって、上部ケース511の内側の水分残存率は、最小化されることができる。
【0049】
そして、エアー排出部511gは、上部ケース511の後端から延長形成される。エアー排出部511gは、上部ケース511の内部とエアーベントパイプ530を連通させる。それによって、エアー排出部511gは、上部ケース511の内部で水分及び異物がフィルターリングされた外部空気がエアーフィルターに提供されるようにすることができる。
【0050】
一方、下部ケース513は、下部フランジ553及び下部水抜孔513aを含むことができる。
【0051】
まず、下部フランジ553は、上部フランジ551に対応されるように下部ケース513の外側方向に延長形成される。このような下部フランジ553は、上部フランジ551と一体として備えられ、または上部フランジ551と共にフィラーハウジング30に結合されることで、フィラーネックアセンブリ100がフィラーハウジング30に支持されるようにする。ここで、フランジ550は、フィラーハウジング30とナットインサート射出または組み立て方式により連結されることができる。しかし、フランジ550とフィラーハウジング30の連結方式は限定しない。
【0052】
また、上部フランジ551と下部フランジ553は、フランジカバー555により密着されることができる。フランジカバー555は、上部フランジ551と下部フランジ553の前端で上部フランジ551と下部フランジ553の結合を補強する。ここで、フランジカバー555は、複数個のピン555aを含む。複数個のピン555aは、上部フランジ551と下部フランジ553に挿入されることにより、上部フランジ551と下部フランジ553の結合が補強されるようにすることができる。
【0053】
下部水抜孔513aは、下部ケース513の後端に形成される。下部水抜孔513aは、エアードレインポート511aを介して流入された外部空気によって下部ケース513の内側に存在できる水分及び異物が下部ケース513の外部に排出される経路を形成することができる。
【0054】
一方、以下では添付図面を参照して本実施例に係るフィラーネックアセンブリの製造方法について詳細に説明する。ただし、前述した構成要素について詳細な説明は省略して同じ参照符号を付与するようにし、以下ではフィラーネックアセンブリの製造方法について順次に説明するが、下記の順序に限定されないことを明確にする。
【0055】
図6は、本実施例に係るフィラーネックアセンブリの製造方法を示した流れ図である。
【0056】
図6に示すように、本実施例に係るフィラーネックアセンブリの製造方法は、キャップホルダ製造ステップ(S100)、フィラーパイプ製造ステップ(S200)、燃料供給部結合ステップ(S300)、エアードレイン部製造ステップ(S400)、エアー供給部結合ステップ(S500)及び車体支持ステップ(S600)を含むことができる。
【0057】
キャップホルダ製造ステップ(S100)は、キャップホルダ310を形成する。ここで、キャップホルダ310の材質は、ステンレススチールまたはプラスチックで備えられることができる。
【0058】
フィラーパイプ製造ステップ(S200)は、燃料注入ノズルが支持されることができるノズル支持領域331と、ノズル支持領域331から延長されて燃料タンクまでの燃料移送経路を形成するパイプ領域333が単一のフィラーパイプ330内に形成されるようにする。ここで、フィラーパイプ330は、ステンレス、スチール、プラスチックで備えられることができる。より具体的に、フィラーパイプ330がプラスチックで備えられる場合には、HDPEマルチ素材、ナイロン、ナノ素材のうち少なくともいずれか一つを含むように備えられることができる。このようなフィラーパイプ330は、3D Blowのような中空成形により製作されることができる。
【0059】
燃料供給部結合ステップ(S300)は、キャップホルダ310とフィラーパイプ330を相互連結して燃料供給部300が構成されるようにする。ここで、キャップホルダ310とフィラーパイプ330は、ウェルディング工法のように熱及び回転融着、または組み立てにより連結されることができる。
【0060】
エアードレイン部製造ステップ(S400)は、フランジ550を含むエアードレイン部510を形成する。ここで、エアードレイン部510は、上部ケース511と下部ケース513で製作されることができる。上部ケース511と下部ケース513には、各々、上部フランジ551と下部フランジ553が一体型として備えられることができる。ここで、エアードレイン部510とフランジ550の材質は、スチール、ステンレススチールまたはプラスチックで備えられることができる。
【0061】
エアー供給部結合ステップ(S500)は、上部ケース511と下部ケース513をフィラーパイプ330に密着させる。ここで、上部ケース511と下部ケース513は、ボルティング、ロック突起とロック溝の係合、及び融着などのような多様な締結方式により相互連結されてフィラーパイプ330に密着される。そして、エアー排出部511gにはエアーフィルターと連結されることができるエアーベントパイプ530が連結される。
【0062】
車体支持ステップ(S600)は、上部フランジ551と下部フランジ553がフィラーハウジング30に連結されてフィラーネックアセンブリ100が車体に支持されるようにする。
【0063】
このように、フィラーネックアセンブリ及びその製造方法は、燃料供給部でのガス漏れを最小化することで、最近台頭している強化された炭化水素ガス排出規制条件を満たすことができる効果がある。また、フィラーネックアセンブリ及びその製造方法は、事故発生時に燃料供給部に伝達される衝撃を最小化することで、燃料漏油による火災発生などの2次事故発生が防止される効果がある。
【0064】
前述して図面に示した本発明の一実施例は、本発明の技術的思想を限定すると解釈されてはいけない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に記載された事項によってのみ制限され、本発明の技術分野において、通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想を多様な形態で改良変更することが可能である。したがって、このような改良及び変更は、通常の知識を有する者に自明である限り本発明の保護範囲に属するようになる。
【符号の説明】
【0065】
100 フィラーネックアセンブリ
300 燃料供給部
310 キャップホルダ
330 フィラーパイプ
331 ノズル支持領域
333 パイプ領域
350 内部チューブ
500 エアー供給部
510 エアードレイン部
511 上部ケース
513 下部ケース
530 エアーベントパイプ
550 フランジ
551 上部フランジ
553 下部フランジ