(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モデムスタックにそれぞれ関連付けられた少なくとも第1の加入者識別モジュール(SIM)および第2のSIMを有するマルチSIMワイヤレス通信デバイスにおけるアウトオブサービスの回復を制御する方法であって、
前記第1のSIMに関連付けられた前記モデムスタックおよび前記第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックのうちの少なくとも1つがアウトオブサービス状態にあることを検出するステップと、
前記第1および第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックが両方とも前記アウトオブサービス状態にあるかどうかを判定するステップと、
前記第1および第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックが両方とも前記アウトオブサービス状態にあるとの判定に応答して、
サービスの喪失を経験すると、ボイス呼またはアクティブデータ通信セッションが、前記第1または第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックによってドロップされたかどうかを判定するステップと、
ボイス呼またはアクティブデータ通信セッションが、前記第1または第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックによってドロップされたとの判定に応答して、前記ドロップされたボイス呼またはアクティブデータ通信セッションに対応する前記モデムスタックにおけるサービスの回復に優先順位を付けるステップと
を含む方法。
前記第1および第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックが両方とも前記アウトオブサービス状態にあるとの判定に応答して、前記第1または第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックにおいて緊急呼がトリガされるかどうかを判定するステップと、
前記第1および第2のSIMのいずれかに関連付けられた前記モデムスタックにおいて緊急呼がトリガされたとの判定に応答して、前記トリガされた緊急呼に対応する前記モデムスタックにおけるサービスの回復に優先順位を付けるステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
ボイス呼またはアクティブデータ通信セッションが、前記第1または第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックによってドロップされなかったとの判定に応答して、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックにおける過去のアクティビティに関する情報にアクセスするステップと、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックにおける過去のアクティビティに関する情報に基づいて、前記第1および第2のSIMの各々の優先値を計算するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックにおける過去のアクティビティに関する情報に基づいて、前記第1および第2のSIMの各々の優先値を計算するステップが、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックにおける過去のアクティビティに関する前記情報にサービス回復優先順位式を適用するステップを含む、請求項3に記載の方法。
前記第1および第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックにおける過去のアクティビティに関する情報にアクセスするステップが、前記ワイヤレス通信デバイスに記憶されたアクティビティ履歴データベースにアクセスするステップを含み、前記アクティビティ履歴データベースに記憶された前記情報が、
前記第1および前記第2のSIMのうちの少なくとも1つによってサポートされるネットワークへの接続によって有効にされる複数のアクティビティの各々に割り当てられた重みと、
各SIMについて、少なくとも1つの監視時間期間中の各アクティビティの発生回数を合計するカウントと
を含む、請求項3に記載の方法。
前記第1および第2のSIMに関連付けられた前記モデムスタックが両方とも前記アウトオブサービス状態にないとの判定に応答して、前記第1または第2のSIMをインサービスSIMとして識別するステップと、
前記インサービスSIMに関連付けられた前記モデムスタックが現在の音声またはデータ通信に参加しているかどうかを判定するステップと、
前記アウトオブサービス状態である前記モデムスタックにおける過去のアクティビティに関する情報にアクセスするステップと、
前記アウトオブサービス状態の前記モデムスタックに関連付けられた前記SIMについての優先値を計算するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記インサービスSIMに関連付けられた前記モデムスタックが現在の音声またはデータ通信に参加しているとの判定に応答して、前記アウトオブサービス状態の前記モデムスタックによるサービスの回復を制限するステップ
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
前記アウトオブサービス状態の前記モデムスタックにおける過去のアクティビティに関する情報にアクセスするステップが、前記ワイヤレス通信デバイスに記憶されたアクティビティ履歴データベースにアクセスするステップを含み、前記アクティビティ履歴データベースからアクセスされる前記情報が、
前記アウトオブサービス状態の前記モデムスタックに関連付けられた前記SIMによってサポートされるネットワークへの接続によって有効にされる複数のアクティビティの各々に割り当てられた重みと、
前記アウトオブサービス状態の前記モデムスタックに関連付けられた前記SIMにおける少なくとも1つの監視時間期間中の各アクティビティの発生回数を合計するカウントと
を含む、請求項11に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照しながら、様々な実施形態が詳細に説明される。可能な場合はいつでも、同じまた同様の部分を指すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。具体的な例および実装形態への言及は説明のためであり、本発明の範囲または特許請求の範囲を限定するものではない。
【0013】
様々な実施形態は、マルチSIM、単一無線ワイヤレス通信デバイスの1つまたは複数のSIMにおけるアウトオブサービス(OOS)状態から回復するための向上したプロセスを提供する。様々な実施形態では、各アウトオブサービスSIMに対して許可された無線周波数(RF)リソースへのアクセスの順序および相対量は、ワイヤレスデバイスにおけるユーザアクティビティによって駆動され得る。このようにして、異なるSIMにおいてサービスを回復することの相対的重要度は、多くの現在のワイヤレスデバイスのユーザエクスペリエンス中心の機能を反映し得る。したがって、アウトオブサービスSIMのサービス回復プロセスは、特定のユーザごとにより大きい正確度を有し得る。いくつかの実施形態では、過去の間隔にわたるデバイスにおける現在のユーザアクティビティおよび/またはユーザアクティビティのパターンは、各アウトオブサービスSIMに対してRFリソースアクセスが許可されるべきかどうか、およびどのくらいのRFリソースアクセスが許可されるべきかの計算に組み込まれ得る。
【0014】
「ワイヤレスデバイス」および「ワイヤレス通信デバイス」という用語は、セルラー電話、スマートフォン、パーソナルまたはモバイルマルチメディアプレーヤ、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートブック、パームトップコンピュータ、ワイヤレス電子メール受信機、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、ワイヤレスゲームコントローラ、ならびに、ワイヤレス通信経路を確立し、ワイヤレス通信経路を介してデータを送信/受信するためのプログラマブルプロセッサおよびメモリおよび回路を含む同様のパーソナル電子デバイスのいずれか1つまたはすべてを指すために本明細書において互換的に使用される。
【0015】
「SIM」、「SIMカード」、および「加入者識別モジュール」という用語は、本明細書では、集積回路であっても、またはリムーバブルカードに組み込まれてもよいメモリであって、ネットワーク上のワイヤレスデバイスを識別および/または認証するために使用される国際モバイル加入者識別(IMSI)、関連する鍵、および/または他の情報を記憶し、ネットワークとの通信サービスを可能にするメモリを指すために互換的に使用される。SIMに記憶された情報は、ワイヤレスデバイスが特定のネットワークとの特定の通信サービスのための通信リンクを確立することを可能にするので、SIMおよび通信ネットワーク、ならびに、そのネットワークによってサポートされるサービスおよびサブスクリプションは、互いに相関するので、「SIM」という用語はまた、本明細書では、特定のSIM内に記憶された情報によって関連付けられ、可能にされた通信サービスへの簡略的な参照(shorthand reference)として使用される。同様に、SIMという用語は、特定のSIMに記憶された情報によって有効にされるサブスクリプションおよびネットワークとの通信サービスを確立し、実行する際に使用されるプロトコルスタックおよび/またはモデムスタックならびに通信プロセスの簡略的な参照としても使用され得る。たとえば、RFリソースのSIMへの割当て(またはSIM無線アクセスの許可)の言及は、RFリソースが、そのSIMに記憶された情報によって有効にされる特定のネットワークとの通信サービスの確立または使用に割り振られたことを意味する。
【0016】
「マルチSIMワイヤレス通信デバイス」、「マルチSIMワイヤレスデバイス」、「デュアルSIMワイヤレス通信デバイス」、「デュアルSIMデュアルスタンバイデバイス」、および「DSDSデバイス」という用語は、2つ以上のSIMで構成され、すべてのサブスクリプションのネットワークとの通信を連続的に処理することが可能なワイヤレスデバイスを表すために本明細書において互換的に使用される。
【0017】
「ワイヤレスネットワーク」、「セルラーネットワーク」、「システム」、「パブリックランドモバイルネットワーク」、および「PLMN」という用語は、ワイヤレスデバイスおよび/もしくはワイヤレスデバイス上のサブスクリプションに関連付けられたキャリアのワイヤレスネットワーク、ならびに/またはそのローミングパートナーを表すために本明細書において互換的に使用される。
【0018】
「取得」および「再取得」という用語は、システムまたはネットワークに関して本明細書で使用される場合、SIMに関連付けられたチャネルを取得することを含むアイドルモード機能を実行することを指す。取得は、しきい値信号強度を超えるキャリア周波数を識別するために、以前取得されたPLMNのリストとそれらのキャリア周波数を走査すること、および/または周波数帯を走査することを伴い得る。チャネルを取得することは、制御情報を受信し、同期情報を復号し、識別された強いキャリア周波数上のブロードキャストからシステム情報を読み取ろうとすることをさらに含み得る。
【0019】
「キャンプ」という用語は、サービングセルまたはネットワークに関して本明細書で使用される場合、選択されたPLMNの識別子をブロードキャストする取得されたサービス信号を選択し、そのセルの制御チャネルに同調することによって、選択されたPLMNの適切なセルを選択することを指す。
【0020】
「アウトオブサービス」および「OOS」という用語は、ワイヤレスデバイスの状態、モード、または状況に関して本明細書で使用される場合、アイドルモードでセルにキャンプオンすることができないこと、またはその能力の喪失を互換的に指す。「サービスの回復」という用語は、ワイヤレスデバイスに関して本明細書で使用される場合、アウトオブサービス状態にあるワイヤレスデバイス上で実行されるセル選択プロセスを指し得る。
【0021】
「登録」および「接続」という用語は、ネットワークまたはシステムに関して本明細書で使用される場合、サービングセルにキャンプオンされたワイヤレスデバイスが、(たとえば、GSM(登録商標)における位置更新、GPRS接続、またはIMSI接続手順を実行する)1つまたは複数のネットワークエンティティとの特定のメッセージ交換を実行することによってネットワークにおける存在を確立するプロセスを指す。本明細書における登録への言及は、適用可能なプロトコル規格(たとえば、GSM(登録商標)におけるキャリアチャネル取得、PLMN選択、セル選択およびキャンプなど)によって定義される任意の必要な先行ステップの正常な完了も包含する。
【0022】
特定の登録手順で交換されるメッセージは、限定はしないが、ネットワークオペレータ、システムアーキテクチャ、通信プロトコル、使用されている無線アクセス技術(RAT)などを含む要素に基づいて変わり得る。GSM(登録商標)規格に記載されている登録および/または接続手順に言及され得るが、それらは単なる例として提供されており、特許請求の範囲は、他のタイプのセルラー電気通信ネットワークおよび技術に適用される。
【0023】
ワイヤレス通信ネットワークは、音声、パケットデータ、ブロードキャスト、メッセージングなどの様々な通信サービスを提供するために広く展開されている。これらのワイヤレスネットワークは、利用可能なネットワークリソースを共有することによって複数のユーザのための通信をサポートすることが可能であり得る。そのようなワイヤレスネットワークの例は、限定はしないが、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、および周波数分割多元接続(FDMA)ネットワークを含む。ワイヤレスネットワークは、限定はしないが、広帯域CDMA(W-CDMA)、CDMA2000、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、ロングタームエボリューション(LTE)、1xエボリューションデータオンリー(EVDO)などを含むいくつかの無線技術のうちの任意のものも使用し得る。
【0024】
マルチSIMワイヤレスデバイスにおけるOOS状態に続いて、少なくとも1つのアウトオブサービスSIMは、SIMに記憶された情報を使用して選択されたネットワークのセルを取得し、キャンプオンしようとすることを含むサービス回復プロセスを実行し得る。2つ以上のSIMが共通のRFリソースを共有するDSDSワイヤレスデバイスでは、システム取得およびキャンピングプロセスを実行するために、共有RFリソースを使用してSIMおよびその関連するモデムスタックが交替する。典型的には、両方のSIMがアウトオブサービスである場合、DSDSワイヤレスデバイスが、各SIMおよびそれに関連するモデムスタックがサービスの回復のために共有RFリソースを使用することを可能にする順序は、「先着順」など、任意であり得る。代替的に、いくつかのマルチSIMデバイスでは、ユーザが選択した優先順位に基づいて、サービス回復プロセスのための共有RFリソースの使用がSIMに対して許可され得る。しかしながら、サービスの回復のためにシステム取得およびサービングセルのキャンプオンを実行するための時間は、ワイヤレスデバイス上のSIM間の実際の通信優先順位/要件を反映しないことがある。結果として、アウトオブサービスSIM間のRFリソースへのアクセスの配分は、全体的なサービスの回復にとって非効率的である可能性がある。
【0025】
現行のモバイル通信では、ワイヤレスサービスキャリアは、加入者のサービスプロバイダ/キャリアの選好に従って、ワイヤレス通信システムを選択し、そこからサービスを取得するためのいくつかの技法を標準化している。サービスプロバイダは一般に、プロビジョニング情報を加入者デバイスに提供することによって、加入者がネットワークにアクセスするのを可能にする。
【0026】
ワイヤレスサービスキャリア/サービスプロバイダは、公衆に通信サービスを提供するためにパブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)を確立し得る。各PLMNは、1つまたは複数の異なる多元接続ワイヤレス通信プロトコルを使用するセルをサポートし得る。そのような多元接続ワイヤレス通信プロトコルの例には、限定はしないが、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、アドバンスドモバイルフォンサービス(AMPS)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、汎用パケット無線サービス(GARS)または高データレート(HDR)技術(たとえば、1xEV技術)、1xEVDO、LTEなどがあり得る。説明しやすいように、実施形態は、以下に、GSM(登録商標)タイプのネットワークについて説明するが、実施形態は、任意の他の無線技術またはプロトコルを使用するネットワークに等しく適用され得る。
【0027】
例示的なGSM(登録商標)ネットワークは、いくつかのGSM(登録商標)帯域(たとえば、GSM(登録商標)900、GSM(登録商標)850など)のいずれかで動作し得、その各々は、「Digital cellular telecommunications system (Phase 2+); Radio transmission and reception (Release 1999)」と題する3GPP TS 05.05において識別される複数の無線周波数(RF)チャネルをカバーする。さらに、各GSM(登録商標)ネットワークは、典型的には、特定のGSM(登録商標)帯域における特定の組のRFチャネル上で動作する。様々な実施形態を説明する際に、「チャネル」および「周波数」という用語は、互換的に使用され得、GSM(登録商標)帯域におけるチャネルおよび/または他のネットワーク帯域におけるチャネルを指し得る。
【0028】
単一のRFリソースへのアクセスを共有するために、2つ以上のSIMに関連付けられたプロトコルをベースバンドモデムプロセッサが実装するマルチSIMワイヤレスデバイスは、「スタンバイモード」で動作するように構成され得る。たとえば、DSDSデバイス上のデュアルスタンバイモードでは、各SIMによって有効にされる通信サービスはともにアイドルモードに入り得るが、一方のSIMによって有効にされる通信サービスがデータを送信または受信している間、他方のSIMによって有効にされる通信サービスは、使用することができない。他のマルチSIMワイヤレス通信デバイスは、スタンバイモードで2つ以上のSIMを動作させるように構成され得、それによって、少なくとも3つのSIM(たとえば、tri-SIM tri-standby(TSTS)デバイス)の間でRFリソースを共有し得る。マルチSIMワイヤレス通信デバイス内のSIMは、同じまたは異なるネットワークに関連付けられ得る。各SIMは、一般に、サービスプロバイダによって、ワイヤレスデバイスがサービス(すなわち、ホームPLMNおよびローミングパートナーPLMN)を受信し得る好ましいPLMNのリストがプロビジョニングされ得る。
【0029】
マルチSIMワイヤレス通信デバイスは、エンドユーザに様々なオプションを提供するが、複雑なタスクの効率的な実行も必要とする。特に、DSDSワイヤレスデバイスは、一般に、一方のモデムスタックがアクティブな通信に関与する場合、他方のモデムスタックが無線アクセスを拒否されるように、単一の無線を共有する、SIMに各々関連付けられた、別々のモデムスタックを有する。
【0030】
無線オフ状態またはOOS状態から回復すると、従来のワイヤレスデバイスは、以前取得されたキャリア周波数のリスト内のチャネルを走査することによって、または有効にされた各周波数帯域のチャネル上の信号強度を走査し、測定することによって、その近傍の利用可能なセルを識別し得る。ワイヤレスデバイスは、潜在的なキャリア周波数であるものとしてしきい値信号強度を上回るチャネルを識別し得る。チャネルがキャリア周波数であることを検出すると、ワイヤレスデバイスは、通常、その周波数に同調し、様々なシステムおよび/または制御情報を読み取る。たとえば、GSM(登録商標)ネットワークでは、ワイヤレスデバイスは、基地局識別コード(BSIC)を取得するために同期チャネル(SCH)を復号し得、システム情報(たとえば、PLMN識別子)を取得するためにブロードキャスト制御チャネル(BCCH)を読み取り得る。キャリア周波数、ならびにワイヤレスデバイスによって受信され、復号されるメッセージおよび信号を取得することに関わるプロセスは、特定の無線アクセス技術および/またはネットワークに基づいて変わり得る。
【0031】
従来のワイヤレスデバイスはまた、SIMに記憶された好ましいPLMNリストに基づいて(すなわち、自動モード)、またはキャリア周波数において取得されたPLMN識別子から見つけられたすべてのネットワークを含むリストが提示されることによって所望のPLMNを選択し得、また、SIMに記憶されたリストから1つを選択し得る(すなわち、手動モード)。従来のワイヤレスデバイスは、降順で受信信号強度のリストを通過し、一連の要件を満たす十分な信号強度を有するキャリア周波数を選択することによって、キャンプオンのための適切なセルを見つけようと試み得る。ワイヤレスデバイスは、その制御チャネルに同調することによってセルにキャンプオンし得る。
【0032】
ひとたびその選択されたネットワークのセルにキャンプオンされると、従来のワイヤレスデバイスは、位置登録、GPRS接続、またはIMSI接続手順によるなど、選択されたネットワーク内にその存在を登録しようと試み得る。
【0033】
マルチSIMワイヤレス通信デバイスは、異なるSIM間でリソースを共有するように構成され得るが、これらの従来のプロセスは、各SIMによって順次実行され得る。したがって、あるSIMに関連付けられたモデムスタックが共有RFリソースを制御している間、別のSIMに関連付けられたモデムスタックによるプロセス、サービス、または要求は待機しなければならない。
【0034】
様々な実施形態は、
図1に示す例示的な通信システム100などのいくつかの通信システム内で実装され得る。通信システム100は、1つまたは複数のワイヤレスデバイス102と、電話ネットワーク104と、電話ネットワーク104およびインターネット108に結合されたネットワークサーバ106とを含み得る。いくつかの実施形態では、ネットワークサーバ106は、電話ネットワーク104のネットワークインフラストラクチャ内のサーバとして実装され得る。
【0035】
典型的な電話ネットワーク104は、電話地上通信線(たとえば、POTSネットワーク、図示せず)およびインターネット108などを介してワイヤレスデバイス102(たとえば、タブレット、ラップトップ、セルラーフォンなど)と他のネットワーク宛先との間でボイス呼およびデータ呼を接続するように動作するネットワーク運用センター112に結合された複数のセル基地局110を含む。電話ネットワーク104はまた、インターネット108および/またはネットワークサーバ106への接続を提供するネットワーク運用センター112に結合されたまたはその内部の1つまたは複数のサーバ116を含み得る。ワイヤレスデバイス102と電話ネットワーク104との間の通信は、GSM(登録商標)、UMTS、EDGE、4G、3G、CDMA、TDMA、LTE、および/または他の通信技術などの双方向ワイヤレス通信リンク114を介して達成され得る。
【0036】
明快のために、本明細書で説明する技法および実施形態は、少なくとも1つのGSM(登録商標)サブスクリプションで構成されたワイヤレスデバイスに関するが、これらの技法および実施形態は、他の無線アクセスネットワーク(たとえば、CDMA2000、UMTS、WCDMA(登録商標)、LTEなど)上のサブスクリプションに拡張され得る。
【0037】
図2Aは、様々な実施形態を実装するのに適したマルチSIMワイヤレスデバイス200の機能ブロック図である。様々な実施形態によれば、ワイヤレスデバイス200は、ワイヤレスデバイス102のうちの1つまたは複数に類似していてもよい(
図1を参照)。
図1および
図2を参照すると、ワイヤレスデバイス200は、第1のサブスクリプションに関連付けられた第1の識別モジュールSIM1 204aを受けることができる第1のSIMインターフェース202aを含み得る。ワイヤレスデバイス200は、第2のサブスクリプションに関連付けられた第2の識別モジュールSIM2 204bを受けることができる第2のSIMインターフェース202bを含むことも可能である。
【0038】
様々な実施形態でのSIMは、SIMおよび/またはUSIMアプリケーションとともに構成されるユニバーサル集積回路カード(UICC:Universal Integrated Circuit Card)であり得、GSM(登録商標)および/またはUMTSネットワークへのアクセスを可能にする。UICCは、電話帳および他のアプリケーション用のストレージを提供することもできる。代替的に、CDMAネットワーク内で、SIMは、カード上のUICCリムーバブルユーザ識別情報モジュール(R-UIM)またはCDMA加入者識別モジュール(CSIM)であり得る。様々な実施形態では、SIMは、限定はしないが、LTEネットワーク、1xEVDOネットワークなどを含む任意の無線アクセス技術を使用してネットワークへのアクセスを可能にするように構成され得る。
【0039】
各SIMカードは、CPU、ROM、RAM、EEPROM、およびI/O回路を有し得る。様々な実施形態で使用されるSIMは、ユーザアカウント情報と、IMSIと、SIMアプリケーションツールキット(SAT)コマンドのセットと、電話帳連絡先用の記憶スペースとを含み得る。SIMカードは、SIMカードネットワークオペレータプロバイダを示すための(たとえば、システム識別番号(SID)/ネットワーク識別番号(NID)のペア、ホームPLMN(HPLMN)コードなど)ホーム識別子をさらに記憶することができる。集積回路カード識別(ICCID)SIMシリアル番号が、識別のためにSIMカード上に印刷され得る。
【0040】
ワイヤレスデバイス200は、コーダ/デコーダ(コーデック)208に結合され得る、一般のプロセッサ206などの少なくとも1つのコントローラを含み得る。コーデック208は、スピーカー210およびマイクロフォン212に結合され得る。一般のプロセッサ206は、少なくとも1つのメモリ214にも結合され得る。メモリ214は、プロセッサ実行可能命令を記憶する非一時的有形コンピュータ可読記憶媒体であり得る。たとえば、これらの命令は、対応するベースバンドRFリソースチェーンを介して、第1のサブスクリプションまたは第2のサブスクリプションに関する通信データを経路指定することを含み得る。メモリ214は、オペレーティングシステム(OS)、ならびにユーザアプリケーションソフトウェアおよび実行可能命令を記憶し得る。メモリ214は、(たとえば、
図5Aおよび
図5Bを参照して)SIMの動的監視から生成され得る各SIMに関連付けられたモデムスタックにおけるアクティビティに関する情報を記憶するためのアクティビティ履歴データベースも記憶し得る。
【0041】
汎用プロセッサ206およびメモリ214は、各々、少なくとも1つのベースバンドモデムプロセッサ216に結合され得る。ワイヤレスデバイス200内の各SIM(たとえば、SIM1 202aおよびSIM2 202b)は、ベースバンドRFリソースチェーンに関連付けられ得る。ベースバンドRFリソースチェーンは、ベースバンドモデムプロセッサ216を含んでもよく、ベースバンドモデムプロセッサ216は、少なくとも1つのSIM上の通信のためのベースバンド/モデム機能を実行してもよく、アンテナ220に結合される、本明細書では一般にRFリソース218と呼ばれる、1つまたは複数の増幅器および無線を含み得る。RFリソース218は、ワイヤレスデバイス200の少なくとも1つのSIMについての送信/受信機能を実行し得る。いくつかの実装形態では、RFリソース218は、別個の送信回路および受信回路を含み得るか、または送信機機能および受信機機能を組み合わせるトランシーバを含み得る。RFリソース218は、RF信号を送り、かつ受信するためのワイヤレスアンテナ220に結合され得る。
【0042】
DSDSワイヤレスデバイス200は、ワイヤレスデバイス200内のすべてのSIMについて共通のベースバンドRFリソースチェーンを有し得る(すなわち、単一のベースバンドモデムプロセッサ216、単一のRFリソース218、および単一のアンテナ220)。他の実施形態では、物理的または論理的に別々のベースバンドモデムプロセッサ(たとえば、BB1、BB2)を含む別々のベースバンドRFリソースチェーンに異なるSIMが関連付けられ得、その各々が共通のRFリソース218(すなわち、ワイヤレスデバイス上のすべてのSIMについての送信/受信機能を実行する単一のデバイス)に結合され得る。
【0043】
特定の実施形態では、一般のプロセッサ206、メモリ214、ベースバンドモデムプロセッサ216、およびRFリソース218は、システムオンチップデバイス222に含まれ得る。第1のSIM204aおよび第2のSIM204b、ならびにそれらの対応するインターフェース202a、202bは、システムオンチップデバイス222の外部にあってもよい。さらに、様々な入力デバイスおよび出力デバイスは、インターフェースまたはコントローラなどの、システムオンチップデバイス222の構成要素に結合され得る。ワイヤレスデバイス200内での使用に適する例のユーザ入力コンポーネントは、キーパッド224、タッチスクリーンディスプレイ226、およびマイクロフォン212を含むことができるが、これに限定はされない。
【0044】
いくつかの実施形態では、キーパッド224、タッチスクリーンディスプレイ226、マイクロフォン212、またはその組合せは、発信呼を開始する要求を受け取る機能を実行することができる。たとえば、タッチスクリーンディスプレイ226は、連絡先リストから連絡先の選択を受け取り、または電話番号を受け取ることができる。別の例では、タッチスクリーンディスプレイ226およびマイクロフォン212のいずれかまたは両方は、発信呼を開始するための要求を受信する機能を実行し得る。たとえば、タッチスクリーンディスプレイ226は、連絡先リストから連絡先の選択を受信すること、または電話番号を受信することができる。別の例として、発信呼を開始するための要求は、マイクロフォン212を介して受信された音声コマンドの形をとり得る。当技術分野で知られているように、ワイヤレスデバイス200内の様々なソフトウェアモジュールおよび機能間の通信を可能にするために、それらの間にインターフェースが提供され得る。
【0045】
図1〜
図2Bを参照すると、ワイヤレスデバイス200は、SIMに関連付けられるアクセスネットワークを介して通信するための階層化ソフトウェアアーキテクチャ250を有し得る。ソフトウェアアーキテクチャ250は、ベースバンドモデムプロセッサ216などの1つまたは複数のプロセッサ間に分散し得る。ソフトウェアアーキテクチャ250はまた、非アクセス層(NAS)252およびアクセス層(AS)254を含み得る。NAS252は、ワイヤレスデバイス200のSIM(たとえば、SIM1 204a、SIM2 204b)とそれらのそれぞれのコアネットワークとの間のトラフィックおよびシグナリングをサポートする機能およびプロトコルを含み得る。AS254は、SIM(たとえば、SIM1 204a、SIM2 204b)とそれらのそれぞれのアクセスネットワークのエンティティ(GSM(登録商標)ネットワーク内にある場合、MSCなど)との間の通信をサポートする機能およびプロトコルを含み得る。
【0046】
マルチSIMワイヤレスデバイス200では、AS254は、異なるSIMに各々関連付けられ得る、複数のプロトコルスタックを含み得る。たとえば、AS254は、SIM204a、204bにそれぞれ関連付けられたプロトコルスタック256a、256bを含み得る。以下にGSM(登録商標)タイプの通信レイヤを参照して説明するが、プロトコルスタック256a、256bは、ワイヤレス通信のための様々な規格およびプロトコルのいずれかをサポートし得る。各プロトコルスタック256a、256bは、それぞれ、無線リソース管理(RR)層258a、258bを含み得る。RR層258a、258bは、GSM(登録商標)シグナリングプロトコルのレイヤ3の一部であり得、ワイヤレスデバイス200と関連するアクセスネットワークとの間のリンクの確立を監督し得る。様々な実施形態では、NAS252およびRR層258a、258bは、ワイヤレスネットワークを検索し、呼を確立し、維持し、終了するための様々な機能を実行し得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、各RR層258a、258bは、レイヤ3のいくつかのサブレイヤのうちの1つであり得る。他のサブレイヤは、たとえば、呼をルーティングする、サービスタイプを選択する、データの優先順位付けを行う、QoS機能を実行するなどの接続管理(CM)サブレイヤ(図示せず)を含み得る。
【0048】
RR層258a、258bの下にある、プロトコルスタック256a、256bは、GSM(登録商標)シグナリングプロトコルにおけるレイヤ2の一部であり得るデータリンク層260a、260bも含み得る。データリンク層260a、260bは、出力データをいくつかのデータフレームに分割し、着信データを分析してそれが正常に受信されたことを確実にするなど、ネットワークを介した着信データおよび発信データを処理するための機能を提供し得る。いくつかの実施形態では、各データリンク層260a、260bは、様々なサブレイヤ(たとえば、メディアアクセス制御(MAC)および論理リンク制御(LLC)層(図示せず))を含み得る。データリンク層260a、260bの下にある、プロトコルスタック256a、256bは、エアインターフェースを介して接続を確立し、ワイヤレスデバイス200についてのネットワークリソースを管理し得る物理層262a、262bも含み得る。
【0049】
プロトコルスタック256a、256bは、物理媒体を通じてデータを送信するための機能を提供するが、ソフトウェアアーキテクチャ250は、ワイヤレスデバイス200内の様々なアプリケーションに対するデータ転送サービスを提供するための少なくとも1つのホスト層264をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのホスト層264によって提供されるアプリケーション特有の機能は、プロトコルスタック256a、256bと一般のプロセッサ206との間のインターフェースを提供し得る。他の実施形態では、プロトコルスタック256a、256bは、ホスト層機能を提供する1つまたは複数の上位論理層(たとえば、トランスポート、セッション、プレゼンテーション、アプリケーションなど)を各々含み得る。いくつかの実施形態では、ソフトウェアアーキテクチャ250は、AS254において、物理層262a、262bと通信ハードウェア(たとえば、1つまたは複数のRFトランシーバ)との間のハードウェアインターフェース266をさらに含み得る。
【0050】
マルチSIMデバイスのベースバンドモデムプロセッサは、それぞれ少なくとも2つのSIMに関連付けられた少なくとも2つのプロトコルスタックを含むソフトウェアを実行するように構成され得る。SIMおよび関連するプロトコルスタックは、異なるユーザ要件を満たす様々な通信サービスをサポートするように構成され得る。さらに、特定のSIMは、これらのサービスに関連付けられたコアネットワークのドメインにアクセスするための、ならびにそれらのデータを処理するための異なるシグナリング手順を実行するための情報がプロビジョニングされ得る。
【0051】
適切にプロビジョニングされたマルチSIMワイヤレス通信デバイスは、複数のワイヤレスネットワークからワイヤレスサービスを受信し得る。ワイヤレス通信デバイスは、ワイヤレスデバイスが1つまたは複数のSIMによってサポートされているネットワーク内のセルサイトの通信範囲を超えているなど、1つまたは複数のSIMについてOOS状態を経験し得る。その結果、1つまたは複数のSIMに関連付けられたモデムスタックは、OOS状態になり得る。この状態から、ひとたびOOS状態が終了すると、各アウトオブサービスSIMのモデムスタックは、サービス信号を検索(たとえば、取得)する、特定のネットワークおよびセルを選択する、セルにキャンプオンしようとする、および/またはネットワークに登録するためにRFリソースを使用することによってサービスを提供できるワイヤレスネットワークとの接続を試み得る。上記で説明したように、サービス回復プロセスを実行するために、一度に1つのアウトオブサービスSIMのみがRFリソースを使用することができるが、RFリソースの使用をいつどのように割り当てるかを選択するための適切なメカニズムの欠如は、すべてのアウトオブサービスSIMにおけるサービスの回復に望ましくない遅延が生じ得る。
【0052】
様々な実施形態では、マルチSIMワイヤレス通信デバイスは、OOS状態に続く少なくとも1つのSIMでのサービスの回復のためのユーザアクティビティベースの優先順位付け方式を実施し得る。アウトオブサービスSIMがサービス回復プロセスのために共有RFリソースを使用すべきかどうか、およびいつ使用すべきかを判定するために使用され得る要因は、(すなわち、サービングセルにキャンプオンした)使用可能中のままである任意のSIMにおける現在のアクティビティ、サービス喪失時の各アウトオブサービスSIMにおける過去のアクティビティ、および各アウトオブサービスSIMにおける監視された履歴アクティビティを含み得る。特に、そのような要因は、各アウトオブサービスSIMについての優先値を計算するために使用され得、これは次いで、そのアウトオブサービスSIMにおいてサービス回復プロセスを実行するためのRFリソースへのアクセスのための時間の相対的な割合を計算するために使用され得る。
【0053】
たとえば、モバイル着信(MT)呼を受信する、モバイル発信呼(MO)をかける、データ通信セッションに参加するなどのアクティビティに基づいて、アウトオブサービスSIMについて優先値が計算され得る。様々な実施形態では、優先値の計算が基づき得るアクティビティ(すなわち、重要なアクティビティ)の監視は、現在から振り返ってあらかじめ設定された時間期間にわたり得る(たとえば、前の1時間、1日、1週間などの間のアクティビティ)。ワイヤレスデバイスのSIMに関連付けられたモデムスタックは、各SIMについての様々なアクティビティの発生がカウントされ、アクティビティ履歴データベースに記憶され得るように監視され得る。アクティビティ履歴データベースは、各SIMに対応する1つまたは複数のデータ構造、および/または各SIM上のアクティビティを含み得る。特に、各SIMは、アクティビティ履歴データベース内の別々に維持されたデータ構造に対応し得、またはデータベースは、複数のSIMに対応する共同のデータ構造を維持し得る。
【0054】
様々な実施形態では、優先値の計算は、OOSの回復を決定する際の要因としてそれらの相対的重要度を反映する、様々な過去のアクティビティに与えられた重みを組み込み得る。具体的には、各アクティビティに割り当てられた重みは、ネットワークサーバとのオーバージエア交換を介して、または進化するユーザアクティビティパターンに基づいて動的に更新され得、他の実施形態では、重みは、各SIMにおいてあらかじめ決定され、構成されてもよい。さらに他の実施形態では、各アクティビティに与えられた重みは、時刻に基づいて自動的に変わるように事前設定されてもよい。いくつかの実施形態では、時刻に基づいて自動的に変わる重みは、進化するユーザアクティビティパターンを使用して動的に構成され得る。いくつかの実施形態では、特定の過去のアクティビティに与えられた重みは、そのようなアクティビティがいつ発生したかにかかわらず同じであってもよく、他の実施形態では、最新性に応じて過去のアクティビティに異なる重みが割り当てられてもよい(たとえば、より最近のアクティビティにより高い重みが割り当てられ得る)。様々な実施形態では、過去のアクティビティに割り当てられた重みは、複数のSIMについて同じであってもよく、いくつかの実施形態では、アクティビティ履歴データベースは、各SIMに対応する異なる重みを記憶してもよい。
【0055】
様々な実施形態では、アウトオブサービスSIMのための優先値を計算することは、様々なアクティビティに割り当てられた重みならびに現在の時刻から遡った所定の数の間隔にわたるアクティビティの発生に関する情報を記憶している可能性があるアクティビティ履歴データベースにアクセスすることによって実行され得る。そのような情報は、過去のアクティビティの発生回数の重み付きカウントを計算するために使用されてもよく、サービス回復優先順位の式または方式に入力され得る。
【0056】
DSDSワイヤレスデバイスに関して本明細書で説明されるが、いくつかの実施形態では、ユーザアクティビティベースの優先順位付け方式は、マルチSIMマルチアクティブデバイス上のサービスの回復に適用されてもよい。たとえば、2つのSIMが独立したRFリソースに関連付けられているDSDAデバイスでは、一方のSIMについての送信チェーン上の通信アクティビティが、他方のSIMについての受信チェーン上の通信アクティビティを妨害する(すなわち、それに対する感度抑圧を引き起こす)可能性がある。一方または両方のSIMに対するそのような通信アクティビティは、サービス回復プロセスを含み得る。したがって、DSDAデバイスの少なくとも1つのSIMがアウトオブサービスの場合、両方のSIMがアクティビティを同時に実行しているとき、各SIMの優先値を計算するために、様々な実施形態におけるユーザアクティビティベースの優先順位付け方式が使用され得る。様々な実施形態では、計算された優先順位がより低いSIMの通信アクティビティは、対応するRFリソース上でブランキングされ得る(すなわち、データ送信または受信が防止される)。
【0057】
図3は、RFリソースへのアクセスを共有する少なくとも2つのSIMで構成されたDSDSワイヤレスデバイスにおけるOOS回復プロセス(すなわち、システム取得およびセルへのキャンプオン)を向上させる方法300を示す。
図1〜
図3を参照すると、方法300の動作は、一般のプロセッサ206および/またはベースバンドモデムプロセッサ216などの、ワイヤレスデバイス200の1つまたは複数のプロセッサ、あるいはメモリおよびベースバンドモデムプロセッサ216に結合され得る別個のコントローラ(図示せず)によって実装され得る。
【0058】
ブロック302において、ワイヤレスデバイスプロセッサは、DSDSワイヤレスデバイスの少なくとも1つのSIMに関連付けられたモデムスタックがOOS状態にあることを検出し得る。サービスの喪失は、限定はしないが、ネットワーク信号強度の低下、別のSIMにおける通話中の無線リソース制御(RRC)接続の喪失などを含むいくつかのOOS状態のうちのいずれかに起因し得る。ワイヤレスデバイス(たとえば、
図1の102、
図2Aの200)の階層化ソフトウェアアーキテクチャ(たとえば、
図2Bの250)は、RFリソース218の一部、および/またはRFリソース218に接続され得る1つまたは複数のベースバンドモデムプロセッサ216間に分散されてもよい。様々な実施形態では、プロトコルスタック(たとえば、
図2Bの256a、256b)は各々、異なるSIMと関連付けられ、複数のSIMにプロビジョニングされた情報を使用してモデム動作を可能にするように実装され得る。したがって、ベースバンドモデムプロセッサによって実行され得るプロトコルスタックは、本明細書では、モデムスタックと互換的に呼ばれる。決定ブロック304において、ワイヤレスデバイスプロセッサは、ワイヤレスデバイスのすべてのSIMに関連付けられたモデムスタックがOOS状態にあるかどうかを判定し得る。
【0059】
ワイヤレスデバイスのすべてのSIMに関連付けられたモデムスタックがOOS状態にあるとの判定に応答して(すなわち、決定ブロック304=「Yes」)、ワイヤレスデバイスプロセッサは、ワイヤレスデバイスの任意のSIMに関連付けられたモデムスタックが、決定ブロック306で緊急呼をトリガしたかどうかを判定し得る。たとえば、ワイヤレスデバイスプロセッサは、アウトオブサービスSIMに関連付けられたインターフェースを介して、緊急ダイヤル番号(たとえば、米国では「9-1-1」)に対応するユーザ入力を検出し得る。多くのエリアにおける規制機関は、発呼側デバイスが通常の状況下でそのネットワークに接続するように構成されているかどうかにかかわらず、ワイヤレスサービスプロバイダに、それらが最も近いセルサイトを提供する場所からダイヤルされたすべての緊急呼を接続することを要求する。したがって、SIMのうちの1つに関連付けられたモデムスタックは、そのSIMに関連付けられたネットワークにおいてOOS状態にあるにもかかわらず、緊急呼をトリガし得、そのような呼は、別のネットワーク上の公共安全応答ポイント(PSAP)に送られる。SIMに関連付けられたモデムスタックが緊急呼をトリガしたと判定したことに応答して(すなわち、決定ブロック306=「Yes」)、ワイヤレスデバイスプロセッサは、ブロック308で緊急呼をトリガするモデムスタックに関連付けられたSIMのOOS回復プロセスに優先順位を付け得る。いくつかの実施形態では、ワイヤレスデバイスプロセッサは、同様に、方法300(図示せず)中の任意の後の時点で緊急呼をトリガするモデムスタックに関連付けられたSIMのOOS回復に優先順位を付け得る。
【0060】
SIMに関連付けられたモデムスタックが緊急呼をトリガしていないと判定したことに応答して(すなわち、決定ブロック306=「No」)、ワイヤレスデバイスプロセッサは、ブロック310で次のSIMのサービス喪失時に発生するアクティビティを識別し得る。すなわち、ワイヤレスデバイスプロセッサは、サービス喪失時に各SIMに関連付けられているモデムスタックが関与するアクションまたはモードを識別し得る。たとえば、SIMに関連付けられたモデムスタックは、アクティブデータセッション、アイドルモードでの不連続受信(DRX)サイクル、呼セットアッププロセスなどに参加していた可能性がある。そのようなアクティビティは、サービス喪失前のサービングセルの構成および/または無線アクセス技術に応じて、いくつかの方法のいずれかでワイヤレスデバイスプロセッサによって識別され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイスプロセッサによってアクセスされ得るサービスの損失を検出すると、進行中のアクティビティを文書化するサービスログを記憶するように構成され得る。他の実施形態では、ワイヤレスデバイスプロセッサは、サービス喪失時の進行中のアクティビティに関する情報を取得するために、各SIMに関連付けられたモデムスタックについて別個に問い合わせるように構成され得る。
【0061】
決定ブロック312において、ワイヤレスデバイスプロセッサは、サービス喪失時のアクティビティがワイヤレスデバイスの各SIMについて識別されたかどうかを判定し得る。1つまたは複数の残りのSIMについてアクティビティが識別されていないと判定したことに応答して(すなわち、決定ブロック312=「No」)、ワイヤレスデバイスプロセッサは、ブロック310で次のSIMのサービス喪失時のアクティビティを識別し得る。
【0062】
各SIMについてサービス喪失時からのアクティビティが識別されたとの判定に応答して(すなわち、決定ブロック312=「Yes」)、ワイヤレスデバイスプロセッサは、決定ブロック314で任意のSIMについて識別されたアクティビティがボイス呼であるかどうかを判定し得る。すなわち、ワイヤレスデバイスプロセッサは、サービス喪失時に任意のSIMに関連付けられたモデムスタックによってボイス呼がドロップされたかどうかを判定し得る。SIMのうちの1つについての識別されたアクティビティがボイス呼であるとの判定に応答して(すなわち、決定ブロック314=「Yes」)、ワイヤレスデバイスプロセッサは、ブロック316で、ドロップされたボイス呼に関連付けられたSIMのOOS回復プロセスに優先順位を付け得る。そのような優先順位が付けられたOOS回復は、ボイス呼がドロップされたSIMがサービスを回復する(たとえば、システム取得が完了し、システムのセルにキャンプオンされる)まで、または満了タイマが、そのSIMにおけるサービスの回復が所定の数の試行後に失敗したことを示すまで、関連するモデムスタックによるRFリソースへの連続アクセスを可能にすることを伴い得る。
【0063】
SIMのいずれかについて識別されたアクティビティがボイス呼でないとの判定に応答して(すなわち、決定ブロック314=「No」)、ワイヤレスデバイスプロセッサは、決定ブロック318において、任意のSIMの識別されたアクティビティがアクティブデータセッションであるかどうかを判定し得る。すなわち、ワイヤレスデバイスプロセッサは、サービス喪失時にいずれかのSIMにおいてアクティブデータ通信セッションがドロップされたかどうかかを判定し得る。SIMのうちの1つについて識別されたアクティビティがアクティブデータセッションであるとの判定に応答して(すなわち、決定ブロック318=「Yes」)、ワイヤレスデバイスプロセッサは、ブロック320で、ドロップされたアクティブデータセッションに関連付けられたSIMのOOS回復プロセスに優先順位を付け得る。そのような優先順位が付けられたOOS回復は、アクティブデータセッションがドロップされたSIMがサービスを回復する(たとえば、システム取得が完了し、システムのセルにキャンプオンされる)まで、または満了タイマが、そのSIMにおけるサービスの回復が所定の数の試行後に失敗したことを示すまで、関連するモデムスタックによるRFリソースへの連続アクセスを可能にすることを伴い得る。
【0064】
識別されたアクティビティがSIMのいずれかについてアクティブデータセッションではないとの判定に応答して(すなわち、決定ブロック318=「No」)、ワイヤレスデバイスプロセッサは、方法400の動作を実行し得る(たとえば、
図4Aを参照して説明するように)。ワイヤレスデバイスのSIMのすべてよりも少ないSIMに関連付けられたモデムスタックがOOS状態にあるとの判定に応答して(すなわち、決定ブロック304=「No」)、ワイヤレスデバイスプロセッサは、方法450の動作を実行し得る(たとえば、
図4Bを参照して説明するように)。
【0065】
図4Aは、すべてのSIMがOOS状態にあり、サービス喪失時にボイス呼またはアクティブデータセッションに関与していないときに優先順位付けアルゴリズムを適用する方法400を示す。
図1〜
図4Aを参照すると、ブロック402において、ワイヤレスデバイスプロセッサ(たとえば、一般のプロセッサ206、ベースバンドモデムプロセッサ216、別個のコントローラなど)は、識別されたアクティビティがSIMのいずれかについてアクティブデータセッションではないとき(すなわち、決定ブロック318=「No」)、アクティビティ履歴データベースにアクセスして、パラメータ値および/またはワイヤレスデバイスに関する他の情報にアクセスし得る。説明したように、アクティビティ履歴データベースは、各SIMに関連付けられたモデムスタック上で実行されるアクティビティの記録を維持し得る。そのようなアクティビティは、たとえば、SIM、ユーザ、製造業者などによってサポートされるネットワークによって構成され得る様々な時間間隔(たとえば、1時間、1日、15日など)のいずれかを使用して監視され得る。さらに、アクティビティ記録は、現在の時間から遡ってまたがる任意の数の時間間隔の間(たとえば、先週のアクティビティを評価するために、それぞれ1日ごと7間隔)維持され得る。アクティビティ履歴データベースで使用される例示的なデータ構造およびパラメータについて説明する(たとえば、
図5を参照して)。
【0066】
ブロック404において、ワイヤレスデバイスプロセッサは、ワイヤレスデバイスの各SIMのためのサービス回復についての優先値を計算し得る。そのような値を計算するための例示的な式について説明する(たとえば、
図6を参照して)。ブロック406において、計算された優先値を使用して、ワイヤレスデバイスプロセッサは、各SIMについてのRFリソース割振り率を計算し得る。特定のアウトオブサービスSIMのRFリソース割振り率は、SIMがサービスの回復にRFリソースを利用することが許可され得る時間の割合を提供する。たとえば、ワイヤレスデバイスが2つのSIM(「SIM1」および「SIM2」)で構成されている場合、SIM1のRFリソース割振り率は、次の式1に従って計算され得る。
【数1】
【0067】
すなわち、SIM1のRFリソース割振り率は、ワイヤレスデバイス上のすべてのSIMについての優先値の合計に占める割合であり得る。SIM1/第1のSIMおよびSIM2/第2のSIMへの言及は任意であり、単に実施形態を説明する目的のために使用されており、ワイヤレスデバイスプロセッサは、SIM間を区別するための任意のインジケータ、名前または他の指示を割り当て得る。ブロック408において、ワイヤレスデバイスプロセッサは、サービス回復プロセスを実行するために計算された割合に従って、SIMにRFリソースを割り振り得る。
【0068】
図4Bは、ワイヤレスデバイスにおける少なくとも1つのSIMが使用可能状態のままであるとき、優先順位付けアルゴリズムを適用する方法450を示す。
図1〜
図4Bを参照すると、決定ブロック452において、ワイヤレスデバイスプロセッサ(たとえば、一般のプロセッサ206、ベースバンドモデムプロセッサ216、別個のコントローラなど)は、ボイス呼またはアクティブデータセッションがワイヤレスデバイス上のインサービスSIM(in-service SIM)に関連付けられたモデムスタックによって進行中であるかどうかを判定し得る。ボイス呼またはアクティブデータセッションがインサービスSIMに関連付けられたモデムスタックによって進行中であるとの判定に応答して(すなわち、決定ブロック452=「Yes」)、ワイヤレスデバイスプロセッサは、ブロック454において、たとえば、ボイス呼またはアクティブデータセッションからのチューンアウェイを禁止することによって、アウトオブサービスSIMにおける任意のサービス回復プロセスを制限し得る。ボイス呼またはアクティブデータセッションが終了するまで(すなわち、決定ブロック452=「Yes」である限り)、ワイヤレスデバイスプロセッサは、ブロック454で、引き続き、任意のアウトオブサービスSIMのための任意のサービス回復プロセスの実行を控え得る。
【0069】
インサービスSIMに関連付けられたモデムスタックによって進行中のボイス呼またはアクティブデータセッションが存在しないと決定したことに応答して(すなわち、決定ブロック452=「No」)、ブロック456において、ワイヤレスデバイスプロセッサは、アクティビティ履歴データベースにアクセスして、各アウトオブサービスSIMの情報にアクセスしたり、取り出したりし得る。ブロック458において、ワイヤレスデバイスプロセッサは、(たとえば、
図6に関して説明したように)アクセスされた情報を使用して各アウトオブサービスSIMの優先値を計算し得る。ブロック460において、少なくとも1つの計算された優先値を使用して、ワイヤレスデバイスプロセッサは、各アウトオブサービスSIMのRFリソース割振り率を計算し得る。ブロック406(
図4A)を参照すると、各アウトオブサービスSIMについてのRFリソース割振り率を計算することは、式1と同様の式を使用して実行され得る。特に、少なくとも1つのインサービスSIMについて優先値が計算されないので、ブロック460でのRFリソース割振り率の計算の目的で、各インサービスSIMの代替値が使用され得る。たとえば、ワイヤレスデバイスが2つのアウトオブサービスSIM(「SIM1」および「SIM2」)ならびにボイス呼またはアクティブデータセッションに関与していない1つのインサービスSIM(「SIM3」)で構成されている場合、SIM1のRFリソース割振り率は、次の式2に従って計算され得る。
【数2】
【0070】
SIM3の代替値は、現在のアクティビティの重要度、モード、またはインサービスSIMの接続状態を反映し得る。いくつかの実施形態では、代替値は、ワイヤレスデバイス内の設定に記憶されたユーザ構成プリファレンス、および/またはユーザプリファレンスが記憶されていない場合に実装されるデフォルト値に基づき得る。
【0071】
ブロック462において、各アウトオブサービスSIMの計算されたRFリソース割振り率に基づいて、ワイヤレスデバイスプロセッサは、サービス回復プロセスを実行するために少なくとも1つのインサービスSIMにおけるアクティビティからRFリソースのチューンアウェイを許可し得る。したがって、インサービスSIMに関連付けられたモデムスタックが重要度の低いアクティビティを実行しているとき、RFリソースがアウトオブサービスSIMにおけるサービスを回復するために使用され得る時間量は、インサービスSIMにおける重要度のより高いアクティビティの場合よりも比較的大きい可能性がある。
【0072】
図1〜
図4Bを参照すると、様々な実施形態は、少なくとも1つのアウトオブサービスSIMにおけるサービスを回復するためにユーザアクティビティベースの優先順位付け方式を実施し得る。そのような優先順位付けを実施することは、各SIMに対応する情報を記憶する1つまたは複数のデータ構造を含み得るアクティビティ履歴データベースにアクセスすることを伴い得る。
図5Aおよび
図5Bは、マルチSIMワイヤレスデバイスのメモリ内に維持されるアクティビティ履歴データベースに記憶され得る例示的なデータ構造を示す。
図1〜
図5Bを参照すると、アクティビティ履歴データベース内のデータ構造は、マルチSIMワイヤレスデバイス上で監視される各SIM、アクティビティ、および/または時間間隔に対応する情報を記憶し得る。アクティビティ履歴データベースのデータ構造に記憶された情報は、(たとえば、
図6を参照して説明したように)各SIMの優先値を計算するために使用され得る。
【0073】
図5Aは、例示的なマルチSIMワイヤレスデバイス(たとえば、
図1の102、
図2Aの200)において実行されるアクティビティに割り当てられた重みを記憶するための例示的なデータ構造500を示す。
図1〜
図5Aを参照すると、データ構造500において、各行は、過去の時間間隔の間に実行され、アウトオブサービスSIM間の優先順位付けを決定する際に使用され得る様々な過去のアクティビティに割り当てられた重み値を提供する。具体的には、行502は、MT呼に割り当てられた重み値(「WMT」)を提供し、行504は、MO呼に割り当てられた重み値(「WMO」)を提供し、行506は、データ呼に割り当てられた重み値(「WD」)を提供し得る。
【0074】
様々な実施形態では、各SIMにおいてどのようにアクティビティが実行されたかを指示するパラメータもアクティビティ履歴データベースに記憶され得る。そのようなパラメータの例には、限定はしないが、アクティビティの発生のカウントのための周期を提供する持続時間を記載し得るアクティビティインターバル(「A」)(図示せず)を含み得る。たとえば、アクティビティ間隔Aは、1時間の値を有し得、これは、SIMにおける特定のアクティビティの発生回数が時間単位でカウントされることを示す。アクティビティ履歴データベースに記憶され得る別のパラメータは、優先値の計算に記憶され、および/または使用される過去のアクティビティ間隔(すなわちサイクル)の数を提供するサイクル数パラメータ(「N」)(図示せず)を含む。たとえば、サイクル数パラメータNは、3の値を有し得、これは、過去3つのアクティビティ間隔(たとえば、Aの値が1時間の場合は過去3時間)の各々の間のSIMにおけるアクティビティのカウントされた発生が記憶されるべきであることを示す。N値とA値の様々な組合せが実施され得、これは、より多くのまたはより少ない各SIMの情報の監視および記憶をもたらし得る。
【0075】
データ構造500における各列は、Aの持続時間を有する監視時間期間に対応する。いくつかの実施形態では、監視時間期間は、開始時間、または開始時間から経過した時間および/またはアクティビティ間隔の数によって識別され得る。たとえば、列508は、現在の時間(「T」)で終了し、現在の時間から1つ前のアクティビティ期間(「T-A」として識別される)を開始する監視時間期間に対応し得る。様々な実施形態では、列510は、時間T-Aで終了し、現在の時間から2つ前のアクティビティ間隔(「T-2A」として識別される)を開始した監視時間期間に対応し得る。列512は、時間T-2Aで終了し、現在の時間から3つ前のアクティビティ間隔(「T-3A」として識別される)を開始した監視時間期間に対応し得る。様々な実施形態では、データ構造500における列の数は、Nの値に対応し得る。さらに、データ構造500は3つの行を示しているが、これらの行は単なる例として提供されているにすぎず、データ構造500に含まれ得る行の数を限定するものではない。さらに、データ構造500は、SIM間を区別しないが、いくつかの実施形態では、データ構造500は、SIMごとに異なる重みを提供することによって追加の寸法を含み得る。データ構造500内のエントリとして提供される重み値は、単なる例として示され、上記で説明したように、様々なソースから提供され得る。様々な実施形態では、過去のアクティビティに対して与えられた重みは、両方のSIMについて同じであってもよく、いくつかの実施形態では、アクティビティ履歴データベースは、各SIMに対応する異なる重みを記憶してもよい。
【0076】
図5Bは、それぞれ例SIM1およびSIM2に対応する情報を記憶し得る例示的なデータ構造550a、550bを示す。
図1〜
図5Bを参照すると、様々な実施形態では、データ構造550a、550bは、データ構造500で識別された各監視期間中に、データ構造500において識別された各アクティビティの発生のカウントを記憶する。データ構造550a、550bにおいて、各行は、そのSIMにおけるアクティビティの監視から発生のカウントを提供し、列は、データ構造500からの列508、510、512に対応し得る。
【0077】
具体的には、行552a、552bにおけるエントリは、T-2A、T-3AなどからT-NAまでの監視時間期間の間にそれぞれSIM1およびSIM2において受信されたMT呼(「CMT」)の数のカウントを提供し得る。行554a、554bにおけるエントリは、T-2A、T-3AなどからT-NAまでの監視時間期間の間にそれぞれSIM1およびSIM2においてかけられたMO呼(「CMO」)のカウントを提供し得る。行556a、556bにおけるエントリは、T-2A、T-3AなどからT-NAまでの監視時間期間の間にそれぞれSIM1およびSIM2が参加したデータ呼(「CD」)のカウントを提供し得る。
【0078】
データ構造500、550a、550bのエントリに含まれる様々な値および情報は、単なる例として提供されているにすぎず、そこに記憶され得るデータタイプまたは値を限定するものではない。様々な実施形態では、データ構造500、550a、550bは、ワイヤレスデバイスの揮発性または不揮発性メモリのようなワイヤレスデバイスプロセッサにアクセス可能な場所に記憶され得る。
【0079】
図5Bは、2つのSIMに対応するデータ構造550a、550b内の情報を示しているが、様々な実施形態におけるデータ構造は、マルチSIMワイヤレスデバイスにおいてプロビジョニングされた任意の数のSIMを収容するように構成され得る。さらに、データ構造500、550a、550bに示される情報は、データフィールドおよび/またはテーブルのいくつかの異なる構成のいずれかにおいて提供されてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、データ構造500、550a、550bは、単一の大きいデータ構造の一部であってもよい。
【0080】
図6は、方法400(
図4A)のブロック404を実装する、および/または例示的なアウトオブサービスSIM(
図4B)のための方法450のブロック416を実装する方法600を示す。方法600は、ワイヤレスデバイスプロセッサ(たとえば、一般のプロセッサ206、ベースバンドモデムプロセッサ216、別個のコントローラなど)によって実行され得る。
図1〜
図6を参照すると、様々な実施形態では、例示的なアウトオブサービスSIMの優先値の計算を示すために、データ構造500、550a、550bに示されるエントリ内の例示的な値が使用され得る。方法600は、SIMの一例に関する計算を示しているが、方法600のステップは、ワイヤレスデバイス上の各アウトオブサービスSIMについて繰り返されてもよい。したがって、例示的なSIMは、DSDSワイヤレスデバイス上にプロビジョニングされた任意のSIMを表し得る。
【0081】
ブロック602において、ワイヤレスデバイスプロセッサは、現在の時間T、アクティビティ間隔A、およびサイクル数Nを含むパラメータの値を識別し得る。様々な実施形態では、AおよびNの値は、アクティビティ履歴データベースからアクセスされた情報に基づき得る。データ構造500、550a、550b(たとえば、
図5Aおよび
図5B)を参照すると、例示的なアウトオブサービスSIMはSIM1であってもよく、データ構造500、550a、550bに示される例示的エントリは、SIM1の優先値の計算を示すために使用され得る。したがって、この例では、Aの値は1時間であり得、Nの値は3であり得る。
【0082】
ブロック604において、ワイヤレスデバイスプロセッサは、データ構造500内のエントリに基づいて、各監視時間期間TA、T-2A...T-NAの間に関与するかけられたMT呼(WMT)に割り当てられた例示的な重み、受信されたMO呼(WMO)に割り当てられた例示的な重み、およびデータ呼(WD)に割り当てられた例示的な重みを識別し得る。
【0083】
ブロック606において、ワイヤレスデバイスプロセッサは、データ構造550a内のエントリに基づいて、T-2A、T-3AなどからT-NAまでの監視時間期間中にSIM1上で受信されたMT呼(CMT)のカウント数、SIM1上でかけられたMO呼(CMO)のカウント数、およびSIM1上で発生したデータ呼(CD)のカウント数を識別し得る。
【0084】
ブロック608において、ワイヤレスデバイスプロセッサは、以下の式3に従って、N個のアクティビティ間隔にわたるMT呼、MO呼、およびデータ呼の重み付きカウントの合計として、アウトオブサービスSIMのための優先値を計算し得る。
【数3】
【0085】
たとえば、データ構造500、550aに示されるエントリの値を使用して、SIM1についての優先値の計算は、以下であり得る。
優先値=8*5+6*3+4*1+6*3+4*2+2*1+7*6+5*4+3*1=155 式4
【0086】
図4Aおよび
図4Bを参照すると、回復サービスに対するRFリソースを使用するためのRFリソース割振り率を計算するために、ワイヤレスデバイスにおける他のアウトオブサービスSIMについての同様に計算された優先値とともに、SIM1についてのこの優先値が使用され得る。
【0087】
様々な実施形態(限定はしないが、
図3、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、および
図6を参照しながら上記で説明した実施形態を含む)は、様々なワイヤレスデバイスのうちのいずれかにおいて実装される場合があり、その一例700が
図7に示される。たとえば、ワイヤレスデバイス700は、タッチスクリーンコントローラ704および内部メモリ706に結合されたプロセッサ702を含み得る。プロセッサ702は、汎用または特定の処理タスクに指定された1つまたは複数のマルチコアICであり得る。内部メモリ706は揮発性または不揮発性メモリであってもよく、また、セキュアおよび/もしくは暗号化メモリ、または非セキュアおよび/もしくは非暗号化メモリ、またはそれらの任意の組合せであってもよい。
【0088】
タッチスクリーンコントローラ704およびプロセッサ702は、抵抗感知タッチスクリーン、容量感知タッチスクリーン、赤外線感知タッチスクリーンなどのタッチスクリーンパネル712に結合される場合もある。ワイヤレスデバイス700は、互いに結合され、かつ/またはプロセッサ702に結合された、送受信のための、1つまたは複数の無線信号トランシーバ708(たとえば、Peanut(登録商標)無線、Bluetooth(登録商標)無線、Zigbee(登録商標)無線、Wi-Fi無線、RF無線)、およびアンテナ710を有する場合がある。トランシーバ708およびアンテナ710は、様々なワイヤレス伝送プロトコルスタックおよびインターフェースを実装するために、上述した回路で使用されてもよい。ワイヤレスデバイス700は、セルラーネットワークを介した通信を可能にし、プロセッサに結合されたセルラーネットワークワイヤレスモデムチップ716を含み得る。ワイヤレスデバイス700は、プロセッサ702に結合された周辺デバイス接続インターフェース718を含み得る。周辺デバイス接続インターフェース718は、1つのタイプの接続を受け入れるように単独で構成される場合があるか、あるいは、USB、FireWire、Thunderbolt、またはPCIeなどの共通またはプロプライエタリの様々なタイプの物理接続および通信接続を受け入れるように複合的に構成される場合がある。
【0089】
周辺デバイス接続インターフェース718はまた、同様に構成された周辺デバイス接続ポート(図示せず)に結合され得る。ワイヤレスデバイス700はまた、音声出力を提供するためのスピーカー714を含み得る。ワイヤレスデバイス700はまた、本明細書で説明した構成要素のすべてまたはいくつかを収容するための、プラスチック、金属、または材料の組合せで構築されたハウジング720を含み得る。ワイヤレスデバイス700は、使い捨てバッテリーまたは充電式バッテリーなどの、プロセッサ702に結合された電源722を含み得る。充電可能バッテリーは、ワイヤレスデバイス700の外部の源から充電電流を受け取るために、周辺デバイス接続ポートにも結合されてもよい。
【0090】
上述した様々な実施形態(限定はしないが、
図3、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、および
図6を参照しながら上記で説明した実施形態を含む)は、
図8に示すラップトップコンピュータ800などの様々なパーソナルコンピューティングデバイス内に実装される場合もある。多くのラップトップコンピュータは、コンピュータのポインティングデバイスとして働くタッチパッドのタッチ面817を含み、したがって、タッチスクリーンディスプレイを装備した上述のワイヤレスコンピューティングデバイス上で実装されるものと同様のドラッグジェスチャ、スクロールジェスチャ、およびフリックジェスチャを受け取ることができる。ラップトップコンピュータ800は通常、揮発性メモリ812、およびフラッシュメモリのディスクドライブ813などの大容量不揮発性メモリに結合されたプロセッサ811を含む。コンピュータ800はまた、プロセッサ811に結合されたフロッピーディスクドライブ814およびコンパクトディスク(CD)ドライブ815を含み得る。コンピュータ800はまた、USBもしくはFireWire(登録商標)コネクタソケット、またはプロセッサ811をネットワークに結合するための他のネットワーク接続回路など、データ接続を確立するための、または外部メモリデバイスを受け入れるための、プロセッサ811に結合されたいくつかのコネクタポートを含み得る。ノートブック構成では、コンピュータハウジングは、すべてがプロセッサ811に結合された、タッチパッド817、キーボード818、およびディスプレイ819を含む。コンピューティングデバイスの他の構成は、よく知られているように、(たとえば、USB入力を介して)プロセッサに結合されたコンピュータマウスまたはトラックボールを含んでよく、それらはまた、様々な実施形態とともに使用され得る。
【0091】
プロセッサ702、811は、上で説明された様々な実施形態の機能を含む、種々の機能を実行するためのソフトウェア命令(アプリケーション)によって構成され得る、任意のプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、または1つもしくは複数の多重プロセッサチップであり得る。いくつかのデバイスでは、ワイヤレス通信機能専用の1つのプロセッサ、および他のアプリケーションの実行専用の1つのプロセッサなどの、複数のプロセッサが設けられ得る。通常、ソフトウェアアプリケーションは、それらがアクセスされ、プロセッサ702、811にロードされる前に、内部メモリ706、812、813内に記憶され得る。プロセッサ702、811は、アプリケーションソフトウェア命令を記憶するのに十分な内部メモリを含み得る。多くのデバイスにおいて、内部メモリは、揮発性メモリ、もしくはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、または両方の混合物であってもよい。本明細書では、メモリへの一般的な言及は、内部メモリ、またはデバイスに差し込まれるリムーバブルメモリと、プロセッサ702および811自体の中のメモリとを含む、プロセッサ702、811によってアクセス可能なメモリを指す。
【0092】
上記の方法の説明およびプロセスフロー図は、例示的な例として与えられるものにすぎず、様々な実施形態のステップが、提示された順序で実行されなければならないことを要求または示唆するものではない。当業者は諒解されるように、上記の実施形態でのステップの順序は、任意の順序で実施されてもよい。「その後」、「次いで」、「次」などの語は、ステップの順番を限定するものではなく、これらの語は単に、読者に本方法の説明を案内するために使用される。さらに、たとえば、冠詞「a」、「an」、または「the」を使用する単数形での請求項の要素へのいかなる参照も、要素を単数形に限定するものとして解釈すべきではない。
【0093】
「第1の」および「第2の」という用語は、あるSIMに関連付けられたデータ送信および異なるSIMに関連付けられたデータ受信を表すために本明細書で使用されるが、そのような識別子は便宜上のものにすぎず、様々な実施形態を特定の順序、シーケンス、ネットワークのタイプまたはキャリアに限定するものではない。
【0094】
本明細書で開示する実施形態に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装される場合がある。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、一般にそれらの機能性に関して上述した。そのような機能性がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定の用途およびシステム全体に課せられる設計制約によって決まる。当業者は説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実施する場合があるが、そのような実装決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。
【0095】
本明細書で開示する態様に関して説明する様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用されるハードウェアは、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。処理装置はまた、コンピューティングデバイスまたはマルチコアデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロ処理装置の組合せ、複数のマイクロ処理装置、DSPコアと連携した1つもしくは複数のマイクロ処理装置、または任意の他のそのような構成として実装される場合もある。代替的に、いくつかのステップまたは方法は、所与の機能に固有の回路によって実施されてもよい。
【0096】
1つまたは複数の実施形態では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて実装されてもよい。ソフトウェアにおいて実装された場合、機能は、非一時的コンピュータ可読媒体または非一時的プロセッサ可読媒体上に1つまたは複数の命令またはコードとして記憶されてもよい。本明細書で開示する方法またはアルゴリズムのステップは、非一時的コンピュータ可読またはプロセッサ可読記憶媒体上に存在し得るプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュール内で具現化され得る。非一時的コンピュータ可読またはプロセッサ可読記憶媒体は、コンピュータまたはプロセッサによってアクセスされる場合がある任意の記憶媒体であってもよい。例として、限定はしないが、そのような非一時的コンピュータ可読媒体または非一時的プロセッサ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、FLASHメモリ、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含み得る。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスクおよびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、非一時的コンピュータ可読およびプロセッサ可読記憶媒体の範囲内に含まれる。加えて、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、非一時的プロセッサ可読媒体および/またはコンピュータ可読媒体上のコードおよび/または命令の1つまたは任意の組合せまたはセットとして存在し得る。
【0097】
開示した実施形態の前述の説明は、いかなる当業者も本発明を作成または使用することができるように記載されている。これらの実施形態に対する様々な修正は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義した一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用されてもよい。したがって、本発明は、本明細書に示す実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲、ならびに本明細書で開示する原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。