特許第6389418号(P6389418)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社新富士空調の特許一覧

特許6389418フレキシブルダクト接続構造および接続方法
<>
  • 特許6389418-フレキシブルダクト接続構造および接続方法 図000002
  • 特許6389418-フレキシブルダクト接続構造および接続方法 図000003
  • 特許6389418-フレキシブルダクト接続構造および接続方法 図000004
  • 特許6389418-フレキシブルダクト接続構造および接続方法 図000005
  • 特許6389418-フレキシブルダクト接続構造および接続方法 図000006
  • 特許6389418-フレキシブルダクト接続構造および接続方法 図000007
  • 特許6389418-フレキシブルダクト接続構造および接続方法 図000008
  • 特許6389418-フレキシブルダクト接続構造および接続方法 図000009
  • 特許6389418-フレキシブルダクト接続構造および接続方法 図000010
  • 特許6389418-フレキシブルダクト接続構造および接続方法 図000011
  • 特許6389418-フレキシブルダクト接続構造および接続方法 図000012
  • 特許6389418-フレキシブルダクト接続構造および接続方法 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389418
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】フレキシブルダクト接続構造および接続方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20180903BHJP
【FI】
   F24F13/02 A
   F24F13/02 B
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-221387(P2014-221387)
(22)【出願日】2014年10月30日
(65)【公開番号】特開2016-90078(P2016-90078A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】591225394
【氏名又は名称】株式会社新富士空調
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】梶野 勇
(72)【発明者】
【氏名】橋本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】野口 智嗣
【審査官】 田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2001/0050480(US,A1)
【文献】 特開平02−169950(JP,A)
【文献】 実公平02−032490(JP,Y2)
【文献】 特開2000−146272(JP,A)
【文献】 特開2009−180412(JP,A)
【文献】 特開2002−144846(JP,A)
【文献】 特開2010−280275(JP,A)
【文献】 特開2013−002675(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3177294(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する円管状のフレキシブルダクトが円管材に接続されたフレキシブルダクト接続構造であって、互いに面的に着脱自在なファスナを面ファスナとし、
前記フレキシブルダクトの接続端面に第1の端面用面ファスナが配設され、さらに、前記フレキシブルダクトの接続端部の外周面に第1の外周面用面ファスナが配設され、
前記円管材に、前記フレキシブルダクトの接続端部とほぼ同径の円管側接続部を備え、該円管側接続部の接続端面に第2の端面用面ファスナが配設され、さらに、前記円管側接続部の外周面に第2の外周面用面ファスナが配設され、
前記フレキシブルダクトの接続端面と前記円管材の円管側接続部の接続端面とが対向した状態で、前記第1の端面用面ファスナと前記第2の端面用面ファスナとが接続され、さらに、前記第1の外周面用面ファスナと前記第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナが接続されている、
ことを特徴とするフレキシブルダクト接続構造。
【請求項2】
前記円管材が、前記フレキシブルダクトとほぼ同径の第2のフレキシブルダクトであり、前記円管側接続部が、前記第2のフレキシブルダクトの接続端部で構成され、
前記フレキシブルダクトの接続端面と前記第2のフレキシブルダクトの接続端面とが対向した状態で、前記第1の端面用面ファスナと前記第2の端面用面ファスナとが接続され、さらに、前記第1の外周面用面ファスナと前記第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナが接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルダクト接続構造。
【請求項3】
前記円管材が、外径が前記フレキシブルダクトの内径とほぼ同径の丸ダクトであり、前記円管側接続部が、前記丸ダクトの外周から突出して設けられた段差部で構成され、
前記フレキシブルダクトの接続端面と前記丸ダクトの段差部の接続端面とが対向した状態で、前記第1の端面用面ファスナと前記第2の端面用面ファスナとが接続され、さらに、前記第1の外周面用面ファスナと前記第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナが接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のダクト接続構造。
【請求項4】
前記円管材が、箱状の器具ボックス本体に配設され外径が前記フレキシブルダクトの内径とほぼ同径の入り口単管であり、前記円管側接続部が、前記入り口単管の外周から突出して設けられた段差部で構成され、
前記フレキシブルダクトの接続端面と前記入り口単管の段差部の接続端面とが対向した状態で、前記第1の端面用面ファスナと前記第2の端面用面ファスナとが接続され、さらに、前記第1の外周面用面ファスナと前記第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナが接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のダクト接続構造。
【請求項5】
前記連結用面ファスナの外周面に、気密性を有する気密テープが貼り付けられている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のダクト接続構造。
【請求項6】
可撓性を有する円管状のフレキシブルダクトを円管材に接続するフレキシブルダクト接続方法であって、互いに面的に着脱自在なファスナを面ファスナとし、
前記フレキシブルダクトの接続端面に第1の端面用面ファスナを配設し、さらに、前記フレキシブルダクトの接続端部の外周面に第1の外周面用面ファスナを配設し、
前記円管材に、前記フレキシブルダクトの接続端部とほぼ同径の円管側接続部を備え、該円管側接続部の接続端面に第2の端面用面ファスナを配設し、さらに、前記円管側接続部の外周面に第2の外周面用面ファスナを配設し、
前記フレキシブルダクトの接続端面と前記円管材の円管側接続部の接続端面とを対向させた状態で、前記第1の端面用面ファスナと前記第2の端面用面ファスナとを接続し、さらに、前記第1の外周面用面ファスナと前記第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナを接続する、
ことを特徴とするフレキシブルダクト接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可撓性を有するフレキシブルダクトをスパイラルダクトなどに接続する、フレキシブルダクト接続構造および接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伸縮性に富み、配設および施工の自由度が高いことから、可撓性が高いフレキシブルダクトが広く使用されるようになった。このフレキシブルダクトは、円管状で、例えば、グラスウール管などによってダクト本体を構成し、このグラスウール管の管内面に亜鉛メッキ鋼線などの線材を螺旋(スパイラル)状に配設し、グラスウール管の管外面にビニルシートなどの表層材(外被材)を被覆したものである。
【0003】
このようなフレキシブルダクトを、例えばスパイラルダクトに接続する場合、従来、次のような作業を行っていた(例えば、非特許文献1参照。)。すなわち、フレキシブルダクトの接続側端部において、グラスウールを管内に折り込んで小口処理し、スパイラルダクトの接続側端部にフレキシブルダクトの接続側端部を被せ、フレキシブルダクトの接続側端部の上から締め付けバンドを取り付ける。さらに、締め付けバンドの上から所定数のビスを打ち付けて、フレキシブルダクトとスパイラルダクトとを接続するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「標準ダクトテキスト」一般社団法人 全国ダクト工業団体連合会 編集発行、平成25年7月、p.59
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、締め付けバンドにビスを打ち付けるには、電動工具を使用する必要があり、しかも、高い位置のフレキシブルダクトに対して電動工具でビスを打ち付けなければならず、作業者にとって大きな負担となっていた。さらに、ダクトの配設場所や作業環境などによっては、締め付けバンド(接続箇所)の周辺に十分な作業スペースを確保できない場合があり、締め付けバンドの取り付けやビスの打ち付けに多大な時間と労力とを要するばかりでなく、締め付けバンドの取り付けやビスの打ち付けが困難な場合もあった。
【0006】
しかも、締め付けバンドは円環状に形成されており、曲面に対してビスを打ち付けなければならない。このため、作業が困難であるばかりでなく、締め付けバンドに対してビスが滑ってしまい、ビスを作業者の腕などに当ててしまうおそれがあった。すなわち、一方の手で電動工具を持ち、他方の手でフレキシブルダクトなどを支えてビスを打ち付けるため、ビスが滑った際に自分の腕などにビスを刺してしまうおそれがあった。
【0007】
そこでこの発明は、容易かつ安全にフレキシブルダクトを接続することを可能にする、フレキシブルダクト接続構造および接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、可撓性を有する円管状のフレキシブルダクトが円管材に接続されたフレキシブルダクト接続構造であって、互いに面的に着脱自在なファスナを面ファスナとし、前記フレキシブルダクトの接続端面に第1の端面用面ファスナが配設され、さらに、前記フレキシブルダクトの接続端部の外周面に第1の外周面用面ファスナが配設され、前記円管材に、前記フレキシブルダクトの接続端部とほぼ同径の円管側接続部を備え、該円管側接続部の接続端面に第2の端面用面ファスナが配設され、さらに、前記円管側接続部の外周面に第2の外周面用面ファスナが配設され、前記フレキシブルダクトの接続端面と前記円管材の円管側接続部の接続端面とが対向した状態で、前記第1の端面用面ファスナと前記第2の端面用面ファスナとが接続され、さらに、前記第1の外周面用面ファスナと前記第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナが接続されている、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフレキシブルダクト接続構造において、前記円管材が、前記フレキシブルダクトとほぼ同径の第2のフレキシブルダクトであり、前記円管側接続部が、前記第2のフレキシブルダクトの接続端部で構成され、前記フレキシブルダクトの接続端面と前記第2のフレキシブルダクトの接続端面とが対向した状態で、前記第1の端面用面ファスナと前記第2の端面用面ファスナとが接続され、さらに、前記第1の外周面用面ファスナと前記第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナが接続されている、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のフレキシブルダクト接続構造において、前記円管材が、外径が前記フレキシブルダクトの内径とほぼ同径の丸ダクトであり、前記円管側接続部が、前記丸ダクトの外周から突出して設けられた段差部で構成され、前記フレキシブルダクトの接続端面と前記丸ダクトの段差部の接続端面とが対向した状態で、前記第1の端面用面ファスナと前記第2の端面用面ファスナとが接続され、さらに、前記第1の外周面用面ファスナと前記第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナが接続されている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のフレキシブルダクト接続構造において、前記円管材が、箱状の器具ボックス本体に配設され外径が前記フレキシブルダクトの内径とほぼ同径の入り口単管であり、前記円管側接続部が、前記入り口単管の外周から突出して設けられた段差部で構成され、前記フレキシブルダクトの接続端面と前記入り口単管の段差部の接続端面とが対向した状態で、前記第1の端面用面ファスナと前記第2の端面用面ファスナとが接続され、さらに、前記第1の外周面用面ファスナと前記第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナが接続されている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載のフレキシブルダクト接続構造において、前記連結用面ファスナの外周面に、気密性を有する気密テープが貼り付けられている、ことを特徴とする
【0013】
請求項6に記載の発明は、可撓性を有する円管状のフレキシブルダクトを円管材に接続するフレキシブルダクト接続方法であって、互いに面的に着脱自在なファスナを面ファスナとし、前記フレキシブルダクトの接続端面に第1の端面用面ファスナを配設し、さらに、前記フレキシブルダクトの接続端部の外周面に第1の外周面用面ファスナを配設し、前記円管材に、前記フレキシブルダクトの接続端部とほぼ同径の円管側接続部を備え、該円管側接続部の接続端面に第2の端面用面ファスナを配設し、さらに、前記円管側接続部の外周面に第2の外周面用面ファスナを配設し、前記フレキシブルダクトの接続端面と前記円管材の円管側接続部の接続端面とを対向させた状態で、前記第1の端面用面ファスナと前記第2の端面用面ファスナとを接続し、さらに、前記第1の外周面用面ファスナと前記第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナを接続する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1および請求項6に記載の発明によれば、フレキシブルダクトの第1の端面用面ファスナと円管材の円管側接続部の第2の端面用面ファスナとを接続し、フレキシブルダクトの第1の外周面用面ファスナと円管材の円管側接続部の第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナを接続するだけで、フレキシブルダクトと円管材を接続することができる。すなわち、電動工具でビスを打ち付けたりする必要がなく、面ファスナ同士を接続するだけでよいため、ダクトの配設場所や作業環境、あるいは作業者の技能などによらず、容易、確実かつ安全にフレキシブルダクトと円管材を接続することが可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、フレキシブルダクトの第1の端面用面ファスナと第2のフレキシブルダクトの第2の端面用面ファスナとを接続し、フレキシブルダクトの第1の外周面用面ファスナと第2のフレキシブルダクトの第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナを接続するだけで、フレキシブルダクト同士を接続することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、フレキシブルダクトの第1の端面用面ファスナと丸ダクトの段差部の第2の端面用面ファスナとを接続し、フレキシブルダクトの第1の外周面用面ファスナと丸ダクトの段差部の第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナを接続するだけで、フレキシブルダクトと丸ダクトを接続することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、フレキシブルダクトの第1の端面用面ファスナと入り口単管の段差部の第2の端面用面ファスナとを接続し、フレキシブルダクトの第1の外周面用面ファスナと入り口単管の段差部の第2の外周面用面ファスナとにわたって連結用面ファスナを接続するだけで、フレキシブルダクトと入り口単管を接続することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、連結用面ファスナの外周面に気密テープが貼り付けられているため、面ファスナを通過する空気を遮断して、空気漏洩を効果的に防止・抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明の実施の形態1に係るフレキシブルダクト接続構造において、第1の端面用面ファスナと第2の端面用面ファスナとが接続された状態を示す正面図である。
図2図1のフレキシブルダクト接続構造におけるフレキシブルダクトを示す正面図である。
図3図2の右側面図である。
図4図2のA−A断面図である。
図5図1の状態から連結用面ファスナが接続された状態を示す正面図である。
図6図5の状態から気密テープが貼り付けられた状態を示す正面図である。
図7】この発明の実施の形態2に係るフレキシブルダクト接続構造において、第1の端面用面ファスナと第2の端面用面ファスナとが接続された状態を示す正面図である。
図8図7のフレキシブルダクト接続構造におけるスパイラルダクトを示す正面図である。
図9図8のB−B断面図である。
図10】この発明の実施の形態3に係るフレキシブルダクト接続構造において、第1の端面用面ファスナと第2の端面用面ファスナとが接続された状態を示す正面図である。
図11図10のフレキシブルダクト接続構造における入り口単管周辺を示す正面図である。
図12図11のC−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1図6は、この実施の形態に係るフレキシブルダクト接続構造を示す図である。このフレキシブルダクト接続構造は、可撓性を有する円管状のフレキシブルダクト1が円管材に接続された接続構造であり、この実施の形態では、円管材が、フレキシブルダクト1とほぼ同径の第2のフレキシブルダクト2である場合、つまり、同等径の2つのフレキシブルダクト1、2が接続された接続構造について説明する。
【0022】
フレキシブルダクト1は、図4に示すように、グラスウール管11の管内面に樹脂フィルム12が敷設された状態で亜鉛メッキ鋼線13が螺旋に配設され、グラスウール管11の管外面に表層材14が被覆されており、可撓性が高い保温付きフレキシブルダクトとなっている。このフレキシブルダクト1の接続端部15において、グラスウール管11の自由端部11aを管内に折り込むとともに、グラスウール管11の外径を圧縮して、小口処理されている。
【0023】
このようなフレキシブルダクト1の接続端部15の接続端面15aに、第1の端面用面ファスナ31が複数配設されている。すなわち、第1の端面用面ファスナ31は、互いに面的に着脱自在なファスナであり、略長方形に形成され、図3図4に示すように、フレキシブルダクト1の接続端面15aに中央部が位置し、両端部が接続端部15の外面および内面に位置するように貼り付けられている。このような第1の端面用面ファスナ31が、接続端面15aの全周において等間隔で配設されている。また、第1の端面用面ファスナ31の幅および配設数は、後述するような仮接続が適正に(所定の接続強度で)行えるように設定されている。
【0024】
また、フレキシブルダクト1の接続端部15の外周面に、第1の外周面用面ファスナ32が配設されている。すなわち、第1の外周面用面ファスナ32は、互いに面的に着脱自在なファスナであり、帯状に形成され、図2図4に示すように、第1の端面用面ファスナ31の上から、接続端部15の開口側の外周面の全周にわたって貼り付けられている。
【0025】
第2のフレキシブルダクト2は、フレキシブルダクト1と同等の構成となっている。すなわち、外径、内径ともにフレキシブルダクト1と同径のフレキシブルダクトであり、図1に示すように、接続端部(円管側接続部)25において、フレキシブルダクト1と同様な小口処理が施されている。この接続端部25の外径および内径は、フレキシブルダクト1の接続端部15の外径および内径とほぼ同径となっている。
【0026】
そして、フレキシブルダクト1の接続端部15と同様に、接続端部25の接続端面25aに第2の端面用面ファスナ33が複数配設され、さらに、接続端部25の外周面に第2の外周面用面ファスナ34が配設されている。ここで、第2の端面用面ファスナ33は、第1の端面用面ファスナ31と同等の面ファスナであり、第2の外周面用面ファスナ34は、第1の外周面用面ファスナ32と同等の面ファスナである。このように、第2のフレキシブルダクト2は、フレキシブルダクト1と同等の構成となっている。
【0027】
このようなフレキシブルダクト1の接続端部15の接続端面15aと、第2のフレキシブルダクト2の接続端部25の接続端面25aとが対向した状態で、図1に示すように、第1の端面用面ファスナ31と第2の端面用面ファスナ33とが接続されている。このとき、各第1の端面用面ファスナ31と各第2の端面用面ファスナ33とがそれぞれ対向するように、フレキシブルダクト1と第2のフレキシブルダクト2とが位置合わせされている。このようにして、フレキシブルダクト1と第2のフレキシブルダクト2とが、同心に位置合わせされているとともに、仮接続されている。
【0028】
さらに、図5に示すように、第1の外周面用面ファスナ32と第2の外周面用面ファスナ34とにわたって連結用面ファスナ35が接続されている。すなわち、連結用面ファスナ35は、互いに面的に着脱自在なファスナであり、帯状に形成され、その幅は、並列に配置された2つの外周面用面ファスナ32、34の幅(2つを足した幅)とほぼ同寸法に設定されている。そして、2つの外周面用面ファスナ32、34を全周にわたって覆うように、連結用面ファスナ35が第1の外周面用面ファスナ32と第2の外周面用面ファスナ34とに接続されている。これにより、連結用面ファスナ35を介して、第1の外周面用面ファスナ32と第2の外周面用面ファスナ34とが接続されている。
【0029】
そして、この連結用面ファスナ35の外周面に、図6に示すように、2つの気密テープ36が貼り付けられている。この気密テープ36は、高い気密性を有するテープであり、連結用面ファスナ35の中央部35aを除く両側に貼り付けられている。すなわち、連結用面ファスナ35の中央付近からフレキシブルダクト1の接続端部15を覆うように、一方の気密テープ36が全周にわたって貼り付けられている。また、連結用面ファスナ35の中央付近から第2のフレキシブルダクト2の接続端部25を覆うように、他方の気密テープ36が全周にわたって貼り付けられている。
【0030】
次に、このようなフレキシブルダクト接続構造の形成方法、つまり、フレキシブルダクト1を第2のフレキシブルダクト2に接続するフレキシブルダクト接続方法などについて説明する。
【0031】
まず、上記のようにして、フレキシブルダクト1の接続端部15を小口処理して、図2に示すように、接続端部15の接続端面15aに第1の端面用面ファスナ31を配設し、接続端部15の外周面に第1の外周面用面ファスナ32を配設する。同様に、第2のフレキシブルダクト2の接続端部25を小口処理して、接続端部25の接続端面25aに第2の端面用面ファスナ33を配設し、接続端部25の外周面に第2の外周面用面ファスナ34を配設する。
【0032】
次に、図1に示すように、フレキシブルダクト1の接続端部15の接続端面15aと、第2のフレキシブルダクト2の接続端部25の接続端面25aとを対向させて押し当て、第1の端面用面ファスナ31と第2の端面用面ファスナ33とを接続する。続いて、図5に示すように、第1の外周面用面ファスナ32と第2の外周面用面ファスナ34とにわたって連結用面ファスナ35を接続し、さらに、図6に示すように、連結用面ファスナ35の外周面に2つの気密テープ36を貼り付けるものである。
【0033】
以上のように、このフレキシブルダクト接続構造および接続方法によれば、フレキシブルダクト1の第1の端面用面ファスナ31と第2のフレキシブルダクト2の第2の端面用面ファスナ33とを接続し、フレキシブルダクト1の第1の外周面用面ファスナ32と第2のフレキシブルダクト2の第2の外周面用面ファスナ34とにわたって連結用面ファスナ35を接続するだけで、フレキシブルダクト1、2同士を接続することができる。すなわち、電動工具でビスを打ち付けたりする必要がなく、面ファスナ31〜35同士を接続するだけでよいため、ダクトの配設場所や作業環境、あるいは作業者の技能などによらず、容易、確実かつ安全にフレキシブルダクト1、2同士を接続することが可能となる。
【0034】
例えば、作業スペースが狭く電動工具を使用することが困難な場所や、フレキシブルダクト1が高所に位置していて電動工具の使用に多大な負担がかかる場所であっても、容易、確実かつ安全にフレキシブルダクト1、2同士を適正に接続することが可能となる。また、各第1の端面用面ファスナ31と各第2の端面用面ファスナ33とをそれぞれ接続することで、フレキシブルダクト1と第2のフレキシブルダクト2とを容易に、同心に位置合わせすることができる。さらに、端面用面ファスナ31、33の接続により、フレキシブルダクト1と第2のフレキシブルダクト2とが仮接続されるため、次の工程・作業を容易に行うことが可能となる。
【0035】
一方、連結用面ファスナ35の外周面に気密テープ36が貼り付けられているため、面ファスナ31〜35を通過する空気を遮断して、空気漏洩を効果的に防止・抑制することが可能となる。また、連結用面ファスナ35の中央部35aを除いて、気密テープ36が貼り付けられているため、連結用面ファスナ35が配設されていること、つまり、フレキシブルダクト1、2同士の接続が正しく施工されていることを、外から容易に目視確認することができる。
【0036】
(実施の形態2)
図7図9は、この実施の形態に係るフレキシブルダクト接続構造を示す図である。この実施の形態では、円管材が、外径がフレキシブルダクト1の内径とほぼ同径のスパイラルダクト(丸ダクト)4であり、円管側接続部が、スパイラルダクト4の外周から突出して設けられたガスケット(段差部)42で構成されている点で、実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
【0037】
スパイラルダクト4は、図8に示すように、帯板材を螺旋状に巻いて形成された丸ダクトであり、その外径がフレキシブルダクト1の内径とほぼ同径に設定され、先端部41がフレキシブルダクト1の接続端部15内に挿入・装着可能となっている。このスパイラルダクト4の先端部41側の外周面に、ガスケット42が配設されている。このガスケット42は、空気の漏れを防止するための部材であり、可撓性を有し、図9に示すように、断面が略四角形の棒状で、スパイラルダクト4の外周面に全周にわたって配設されている。
【0038】
このガスケット42の配設位置は、スパイラルダクト4の先端部41を所定量だけフレキシブルダクト1の接続端部15内に挿入した状態で、ガスケット42の接続端面42a(後述する端面部43a)がフレキシブルダクト1の接続端部15の接続端面15aに当接するように設定されている。また、ガスケット42の高さ・厚みは、図7に示すように、ガスケット42の接続端面42aとフレキシブルダクト1の接続端面15aとが当接した状態で、後述する段差用面ファスナ43の外周面部43bが、第1の外周面用面ファスナ32と面一になるように設定されている。
【0039】
このようなガスケット42の接続端面(フレキシブルダクト1と対向する端面)42aと外周面42bとに、全周にわたって段差用面ファスナ43が貼り付けられている。この段差用面ファスナ43は、互いに面的に着脱自在なファスナであり、帯状に形成され、接続端面42aに対向する段差用面ファスナ43の端面部43aが、第2の端面用面ファスナとなり、外周面42bに対向する段差用面ファスナ43の外周面部43bが、第2の外周面用面ファスナとなっている。
【0040】
そして、図7に示すように、フレキシブルダクト1の接続端面15aとスパイラルダクト4のガスケット42の接続端面42aとが対向した状態で、第1の端面用面ファスナ31と段差用面ファスナ43の端面部43aとが接続されている。さらに、図示していないが、実施の形態1と同様に、第1の外周面用面ファスナ32と段差用面ファスナ43の外周面部43bとにわたって連結用面ファスナ35が接続され、連結用面ファスナ35の外周面に2つの気密テープ36が貼り付けられているものである。
【0041】
このような実施の形態によれば、スパイラルダクト4の先端部41をフレキシブルダクト1の接続端部15内に挿入・装着して、実施の形態1と同様に、第1の端面用面ファスナ31と段差用面ファスナ43の端面部43aとを接続し、第1の外周面用面ファスナ32と段差用面ファスナ43の外周面部43bとにわたって連結用面ファスナ35を接続するだけで、フレキシブルダクト1とスパイラルダクト4とを接続することができる。この結果、スパイラルダクト4に対しても容易、確実かつ安全にフレキシブルダクト1を接続することが可能となる。また、実施の形態1と同様に、第1の外周面用面ファスナ32と段差用面ファスナ43の外周面部43bとが面一な状態で、連結用面ファスナ35が接続されるため、フレキシブルダクト1とスパイラルダクト4とを強固・適正に接続することが可能となる。
【0042】
(実施の形態3)
図10図12は、この実施の形態に係るフレキシブルダクト接続構造を示す図である。この実施の形態では、円管材が、箱状の器具ボックス本体61に配設され、外径がフレキシブルダクト1の内径とほぼ同径の入り口単管5であり、円管側接続部が、入り口単管5の外周から突出して設けられた段差部51で構成されている点で、実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
【0043】
器具ボックス本体61は、複数のダクトを接続したり風量を調整したりするための器具ボックスの本体部であり、図11に示すように、略直方体の箱状で、一側面に円管状の入り口単管5が接続されている。この入り口単管5は、先端側の外径がフレキシブルダクト1の内径とほぼ同径で、先端側がフレキシブルダクト1の接続端部15内に挿入・装着可能となっている。
【0044】
また、図12に示すように、入り口単管5の器具ボックス本体61側の外径が、先端側よりも大径となっていることで、段差部51が形成されている。この段差部51の形成位置は、入り口単管5の先端側を所定量だけフレキシブルダクト1の接続端部15内に挿入した状態で、段差部51の接続端面51aがフレキシブルダクト1の接続端部15の接続端面15aに当接するように設定されている。また、段差部51の高さ・外径は、図10に示すように、段差部51の接続端面51aとフレキシブルダクト1の接続端面15aとが当接した状態で、後述する段差用面ファスナ52の外周面部52bが、第1の外周面用面ファスナ32と面一になるように設定されている。
【0045】
このような段差部51の接続端面(フレキシブルダクト1と対向する端面)51aと外周面51bとに、図12に示すように、全周にわたって段差用面ファスナ52が貼り付けられている。この段差用面ファスナ52は、互いに面的に着脱自在なファスナであり、帯状に形成され、接続端面51aに対向する段差用面ファスナ52の端面部52aが、第2の端面用面ファスナとなり、外周面51bに対向する段差用面ファスナ52の外周面部52bが、第2の外周面用面ファスナとなっている。
【0046】
そして、図10に示すように、フレキシブルダクト1の接続端面15aと入り口単管5の段差部51の接続端面51aとが対向した状態で、第1の端面用面ファスナ31と段差用面ファスナ52の端面部52aとが接続されている。さらに、図示していないが、実施の形態1と同様に、第1の外周面用面ファスナ32と段差用面ファスナ52の外周面部52bとにわたって連結用面ファスナ35が接続され、連結用面ファスナ35の外周面に2つの気密テープ36が貼り付けられているものである。
【0047】
このような実施の形態によれば、入り口単管5の先端側をフレキシブルダクト1の接続端部15内に挿入・装着して、実施の形態1と同様に、第1の端面用面ファスナ31と段差用面ファスナ52の端面部52aとを接続し、第1の外周面用面ファスナ32と段差用面ファスナ52の外周面部52bとにわたって連結用面ファスナ35を接続するだけで、フレキシブルダクト1と入り口単管5とを接続することができる。この結果、器具ボックスの入り口単管5に対しても容易、確実かつ安全にフレキシブルダクト1を接続することが可能となる。また、実施の形態2と同様に、第1の外周面用面ファスナ32と段差用面ファスナ52の外周面部52bとが面一な状態で、連結用面ファスナ35が接続されるため、フレキシブルダクト1と入り口単管5とを強固・適正に接続することが可能となる。
【0048】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態1では、第1の端面用面ファスナ31と第1の外周面用面ファスナ32とが別体となっているが、一体の面ファスナで構成してもよい。これとは逆に、実施の形態2、3では、段差用面ファスナ43、52が第2の端面用面ファスナと第2の外周面用面ファスナとを兼ねているが、それぞれを別体の面ファスナで構成してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 フレキシブルダクト
15 接続端部
15a 接続端面
2 第2のフレキシブルダクト(円管材)
25 接続端部(円管側接続部)
25a 接続端面
31 第1の端面用面ファスナ
32 第1の外周面用面ファスナ
33 第2の端面用面ファスナ
34 第2の外周面用面ファスナ
35 連結用面ファスナ
36 気密テープ
4 スパイラルダクト(円管材、丸ダクト)
42 ガスケット(段差部、円管側接続部)
42a 接続端面
42b 外周面
43 段差用面ファスナ(第2の端面用面ファスナ、第2の外周面用面ファスナ)
5 入り口単管(円管材)
51 段差部(円管側接続部)
51a 接続端面
51b 外周面
61 器具ボックス本体
52 段差用面ファスナ(第2の端面用面ファスナ、第2の外周面用面ファスナ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12