特許第6389435号(P6389435)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389435
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】再構成可能なPV構成
(51)【国際特許分類】
   H02S 10/00 20140101AFI20180903BHJP
   H02S 40/30 20140101ALI20180903BHJP
   H01L 31/042 20140101ALI20180903BHJP
【FI】
   H02S10/00
   H02S40/30
   H01L31/04 500
【請求項の数】10
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2014-536179(P2014-536179)
(86)(22)【出願日】2012年10月5日
(65)【公表番号】特表2014-533072(P2014-533072A)
(43)【公表日】2014年12月8日
(86)【国際出願番号】EP2012069727
(87)【国際公開番号】WO2013060564
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2015年8月26日
(31)【優先権主張番号】11186415.3
(32)【優先日】2011年10月24日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/562,085
(32)【優先日】2011年11月21日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591060898
【氏名又は名称】アイメック
【氏名又は名称原語表記】IMEC
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100125874
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 純市
(72)【発明者】
【氏名】フランキー・カトール
(72)【発明者】
【氏名】マリア−イロ・バカ
【審査官】 山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0079412(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/070621(WO,A1)
【文献】 特開2002−050782(JP,A)
【文献】 特開2010−080548(JP,A)
【文献】 G. VELASCO et al.,Grid-Connected PV Systems Energy Extraction Improvement by means of an Electric Array Reconfiguration (EAR) Strategy: Operating Principle and Experimental Results,2008 IEEE POWER ELECTRONICS SPECIALISTS CONFERENCE ,2008年 6月15日,pp.1983-1988
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078、31/18−31/20
H02S 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュールにおける複数の光起電力セルの再構成可能な装置であって、
前記複数のセルは少なくとも2つのセルの複数のサブストリングにおいて直列に非分割的に連結され、前記装置は初期トポロジー及び動作時トポロジーを有して、前記初期トポロジー及び前記動作時トポロジーの両方は非一様であり、
前記再構成可能な装置は、
前記モジュール内に統合され、少なくとも2つのセルの前記複数のサブストリングと直接的に接続可能な、少なくとも1つのローカルDC−DC変換器と、
前記複数のサブストリングの並列及び/又は直列及び/又はハイブリッドの接続を形成することによって、動作時において、前記装置を再構成する手段であって、これによって、前記複数のサブストリングの全ての並列又は直列の接続が前記再構成可能な装置によって接続可能であるわけはなく、前記再構成可能な装置は、前記複数のサブストリングの非一様な再配列によって、更に、複数のグルーピングにおける複数のサブストリングの並列接続及び/又は直列接続を形成するように動作する、サブストリング間に設けられる複数の第1のスイッチにより、非一様な光子の刺激に対して応答する、再構成する手段と、並びに、
前記複数のサブストリングと前記少なくとも1つのローカルDC−DC変換器との間に配置される複数の第2のスイッチと
を備え、
前記複数の第1のスイッチと前記複数の第2のスイッチとは、配列を前記非一様な動作時トポロジーへ再構成するように選択的に制御される、
再構成可能な装置。
【請求項2】
前記再構成可能な装置は、複数のローカルDC−DC変換器を備え、
前記再構成する手段は、複数のローカルDC−DC変換器の間に配置される複数の第3のスイッチを備える、
請求項1記載の前記再構成可能な装置。
【請求項3】
前記モジュールの前記動作時トポロジーは複数の制御可能な装置を有し、
前記複数の制御可能な装置は、ミスマッチの発生において過電流が流れることを可能にするために配置されるアクティブに制御される複数のバイパスダイオードである、
請求項1又は2に記載の前記再構成可能な装置。
【請求項4】
前記複数のバイパスダイオードは、サブストリングをわたって、単一のセルをわたって、サブストリング内の複数のセルをわたって、又は近傍の複数のサブストリングを接続して、配置されることが可能である、
請求項3記載の前記再構成可能な装置。
【請求項5】
a)前記モジュールの主として又は完全に一方の側の複数のDC−DC変換器への複数の配線接続部、
b)前記複数のハイブリッドサブストリング接続のための、モジュールの一方の側から他方の側にわたらない複数の配線接続部、
c)対にされる上昇するサブストリングと下降するサブストリングとの間の複数の接続部、
d)DC変換器毎に提供されるグルーピングであって、複数のハイブリッドサブストリング接続から開始し、複数の非一様な刺激条件が複数のサブストリングの非一様なサブセットを識別するために使用される、グルーピング、
e)モジュールの主として又は完全に一方の側に配置される複数のDC/DC変換器、
f)前記モジュールの一方の側の前記複数のDC/DC変換器の接続部、及び偶数個のサブストリング、
g)サブストリングの数の半分の、又はサブストリングの数よりも少ない数のDC/DC変換器、
h)複数のサブストリングのグルーピングへの接続に加えて、複数のスイッチによって直列接続される複数のDC/DC変換器、
i)非一様な垂直分離で分離される前記モジュール、
j)垂直分離を用いて、モジュールの一方の側又は両側に配置される複数のDC−DC変換器、
k)垂直分離を用いて、いかなるDC−DC変換器も、前記モジュールの複数の分離された部分の間の中間に配置されない、
l)複数のバイパスダイオード、
m)グループをわたるバイパス、ストリングをわたるバイパス、若しくは近傍の複数のストリングを接続するバイパスを提供する複数のバイパスダイオード、
又は上記の任意の組み合わせ、
のうちのいずれかをさらに備える、
請求項1〜4のうちのいずれか一項記載の前記再構成可能な装置。
【請求項6】
モジュール毎のサブストリングの数はNであり、Nが偶数である場合にはモジュール毎に(N/2)個の変換器があり、Nが奇数である場合にはモジュール毎に((N/2)+(1/2))個の変換器がある、
請求項1〜5のうちのいずれか一項記載の前記再構成可能な装置。
【請求項7】
請求項1〜6のうちのいずれか一項に係る1つ又は複数のモジュールと、コントローラとを備える再構成可能な非対称的な構成であって、
前記コントローラは、前記構成のレイアウトにマッチする1つ又は複数の所定の設計テンプレートの観点においてリアルタイムで性能を最適化するように適合され、
各モジュールは、n×mのセルの配列を備え、n又はmの両方は2よりも大きく、各モジュールは、DC変換器と、アクティブな又はパッシブなバイパスダイオードと、スイッチと、セルと、コネクタと、を備える又はこれらから構成されるグループから選択される複数の要素を備え、
複数のセルの少なくとも1つの第1のグループはサブストリングとして直列接続され、及び/又は、複数のセルの少なくとも1つの第2のグループは並列接続され、及び/又は、
1つ又は複数のDC変換器の少なくとも1つの第3のグループは提供されて、
また、オプションとして、
1つ又は複数のバイパスの少なくとも1つの第4のグループと、及び/又は、
1つ又は複数のDC変換器の少なくとも1つの第3のグループが提供される場合、1つ又は複数のスイッチの少なくとも1つの第5のグループであって、前記複数のスイッチは、DC−DC変換器とサブストリングとの間、及び/又は、直列、並列、対称的、及び非対称的などの異なる複数の組み合わせにおける複数のサブストリングの間に配置される少なくとも1つの第5のグループと、
1つ又は複数のコネクタを備える複数のセルの少なくとも1つの第6のグループと、
のうちの1つ又は複数を備え、
複数のセルの各グループは機能的に相互に関連し、使用中の各モジュールは出力を提供する、
再構成可能な非対称的な構成。
【請求項8】
機能的な複数のセルを決定するステップと、
最適な性能を計算するステップと、
1つ又は複数のスイッチを閉じ、及び/又は、開くことによって、構成を再構成するステップと、を備える、
請求項1〜7のうちのいずれか一項記載の再構成可能な装置の動作の方法。
【請求項9】
前記再構成可能な配置は設計テンプレートから決定される、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項8又は9に係る方法を遂行するコンピュータ上で実行されるべき複数の命令を有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PV(光起電力)モジュール、装置及び設備、並びにそのようなPVモジュールの設計及び構築の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光起電力システム(又はPVシステム)は、通常は1つ又は複数のソーラーパネルの形式の多くのソーラーセルを使用して、太陽光を電力に変換するシステムである。それは、光起電力モジュール、機械的な又は電気的な接続及び実装、並びに電気的出力を調節及び/又は修正する手段、並びに太陽を追従する手段を含む、複数の構成要素を備えることが可能である。ソーラーシステムの効率は、時間依存性の影響による動的な条件の間に減少する。今日の電力回路の効率は高いが、全体の効率は、部分的な影などの変化する要因からの影響を強く受ける。屋上の活用において、これらの問題点はより重要になる。今日のシステムにおいて使用される公知の構成は、動作の期間すなわちシステムの動作時におけるこれらの問題点に効果的に取り組んでいない。最大電力点追従(MPPT)は、ソーラーインバータがPVシステムから最大可能電力を得るために使用する技術である。ソーラーセルは太陽放射、温度、及び全抵抗の間の複雑な関係を有し、当該関係はI−V曲線として知られる非線形出力効率を引き起こす。複数のセルの出力をサンプリングするとともに抵抗(負荷)を利用して、いかなる所与の環境条件に対しても最大電力を得ることが、MPPTシステムの目的である。本質的に、これは、インバータが最大可能電力を得るためにPVシステムから引き込む必要がある電流を定義する。MPP追従装置は、大きな数のモジュールに対して不可欠であり、モジュールのミスマッチを重要な因子にする。制御がモジュールレベルで非集中化されるときでさえ、効率はさらに減少して信頼性の問題はこれらの構成を非効率的にする。
【0003】
WO2005/112551(特許文献1)は、直列接続された複数のストリングの各PVモジュールに接続される予備的な電力源について説明している。部分的な影の場合において、この電力源は、一時的なシャットダウンを回避するために、必要な電力を供給する。MPPTは電力源の複数のスイッチを制御する。
【0004】
今日幅広く使用される複数のモジュールは一様である。商用の複数のモジュールの全てのセルは恒久的に直列接続されて、システムの制御は主として、中央又はローカルの複数の変換器に位置する。PVシステムの励起は一様ではない(例えば、非一様な放射、及び/又は温度)ため、複数のセルの小さなグループは、モジュールに、最適条件をはるかに下回るように動作させることが可能である。いくつかのセルの全破壊又は影の場合において、モジュール全体はシステムから非接続にされて電力の大幅な損失を導く可能性がある。文献において、純粋に変換器におけるものよりも多くの制御を用いる、いくつかの提案が紹介される。それらは主として、モジュールレベルにおけるローカルな制御を付加することに焦点を合わせている。モジュール内の複数のセルの動的な相互接続もまた紹介されている。既知のモジュール構成はしかしながら一様である。いくつかの研究は複数のセルの間のスイッチを提案して、一様な方法において近傍のセルを有するソーラーセルの全ての可能な接続を可能にしている。接続のこの数は、長い配線と多くのスイッチとの両方の観点において、大きなオーバーヘッドを導く。このことは、製造コストの観点から、容認可能であるとは考えられない。近傍にない複数のセルを接続するための少しの努力が行われてきました。既知の複数の構成は、対称的なルールを有する一様なトポロジーを示す。
【0005】
US20090079412(特許文献2)は、PV配列の出力を制御する装置及び方法について説明しており、当該文献は、十分に高い出力電圧が、N個の並列接続されたセルストリングを、M倍の長さのセルストリングの(N/M)個の並列接続されたグループに、一様にスイッチングすることによって取得可能であることを開示する。各MPTT又はコントローラは、それが内部モジュールの方法で概念的に使用されるときでさえ、純粋にローカルで動作される。複数のセルの複数のストリングの一端から他端に渡る長い導体があるということが、配列において顕著である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2005/112551号
【特許文献2】米国特許公開第20090079412号公報
【0007】
【非特許文献1】V.Gheorghita e.a., ACM Trans. On Design Automation for Embedded Systems, Jan. 2009.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、スマートPVモジュール、及び当該スマートPVモジュールの設計の方法を提供することにある。本発明の複数の実施形態の利点は、PVシステムのより良いエネルギー生成などの性能の向上である。例えば、モジュールの異なる複数の構成を評価するために使用可能な有用なコスト関数が、制限された生産及び維持コスト、増加する年間エネルギー生成、及び増加する耐用年数の3次元オブジェクティブ空間であることが発見されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、複数のPVセルの配列を有するPVモジュールによって達成され、これによってモジュールは再構成可能であり、異なる複数の構成が、設置後であり且つ動作の期間にすなわち動作時に適用されることを可能にする。モジュールの動作時構成は複数の制御可能な装置を有する。主要な複数の制御可能な装置は、以下のうちの(個別に、又は組み合わせで)いずれかである:
a)複数のセルの並列/直列接続及びハイブリッドの場合をも決定する、複数のスイッチ。
b)複数のセルと複数のローカルdc/dc変換器との間の、及び/又は、複数のDC/DC変換器の間の複数のスイッチ;
c)ミスマッチの発生において過電流が流れることを可能にするために配置されるアクティブに制御される複数のバイパスダイオード。
【0010】
個別のセル毎の複数のスイッチの配置が大きなオーバーヘッドを導き得るため、いくつかのセルは恒久的に直列に、すなわち複数のサブストリングとして、相互接続される。配列がカルテシアンの形式である場合、サブストリングはモジュールの列又は行のいずれかであることができる。さらなる改良が必要とされる場合には、列及び行はさらに分割されることが、すなわち列の垂直分離又は行の水平分離によって、可能である。
【0011】
本発明は、複数のセルに接続可能な少なくとも1つのDC−DC変換器を有するモジュールにおける複数の光起電力セルの再構成可能な装置を提供し、当該装置は少なくとも2つのセルの複数のサブストリングにおいて直列に非分割的に連結される複数のセルを備え、当該装置は初期トポロジー及び動作時トポロジーを有し、初期トポロジー及び動作時トポロジーの両方は非一様であり、当該装置は複数のサブストリングの並列接続及び/又は直列接続を形成することによって動作時において装置を再構成する手段を備え、これによって、全ての並列接続又は直列接続、例えば複数のDC変換器を有する複数のグルーピングの全ての並列接続又は直列接続が、再構成可能な装置によって接続可能であるとは限らず、再構成可能な装置は、(例えば複数のグルーピングにおける)複数のサブストリング及び/又は少なくとも1つのDC変換器の非一様な再配列によって、非一様な光子の刺激に対して応答することが可能である。
【0012】
再構成する手段は、複数のグルーピングにおける複数のサブストリングの並列接続及び/又は直列接続を形成するように動作する複数の第1のスイッチを備えることが可能である。
【0013】
本装置は、複数のDC−DC変換器を含むことが可能であり、再構成する手段は、複数のサブストリングと複数のDC−DC変換器との間に配置される複数の第2のスイッチを備える。
【0014】
再構成する手段は好ましくは、複数のDC−DC変換器の間に配置される複数の第3のスイッチを備えてもよい。
【0015】
本発明の複数の特徴は、本装置の非一様性、適応性のある又はハイブリッドの直列又は並列のサブストリング接続、複数のローカルDC/DC変換器の配置、複数のセル及び複数のストリングの複数の垂直分離オプション、並びにアクティブに制御される複数のバイパスダイオードであり、これらのいくつか又は全ては、非常に適応性のある方法で組み合わせられてモジュールの全体の効率を増加させることが可能である。
【0016】
本発明の複数の実施形態の以下の複数の態様のほとんどは、非対称的な又は非一様なモジュールをもたらす:
a)設計は、例えば複数のハイブリッドサブストリング接続のための、モジュールの主として又は完全に一方の側上の複数の変換器への複数の配線接続部を有し、結果として、ほとんど又は全ての変換器が配置される位置と同一の側上の複数のサブストリングへのより多くの接続がある。
b)複数のハイブリッドサブストリング接続のために、複数の配線接続部は、モジュールの一方の側から他方の側にわたらず、このことは使用される配線全体の長さ及びコストを減少させる。
c)典型的には、上昇するサブストリングと下降するサブストリングとの間の複数の接続部は通常、対にされる。そのような場合において、複数のスイッチは典型的には、ほとんど又は全ての変換器が配置される底部のみにあり、固定される複数の接続は上部にある。
d)DC変換器毎に、グルーピングは、複数のハイブリッドサブストリング接続から開始する決定がされることが可能であり、複数の非一様な刺激条件は、複数のサブストリングの非一様なサブセットを識別するために使用される。
e)複数の配線接続の長さを限定する。
f)複数のDC−DC変換器は、モジュールの主として又は完全に一方の側上に配置される。このことは、非対称的な又は非一様なモジュールをもたらす。
g)一方の側上に複数のDC/DC変換器の接続部があるならば、好ましくは、偶数のサブストリングがある。さもなければ、偶数及び奇数のストリングは許される。
h)DC/DC変換器の数は、サブストリングの数の半分であるか、サブストリングの数よりも少ない。このことはコストを減少させる。
i)複数のサブストリングのグルーピングへの接続に加えて、複数のDC/DC変換器は、複数のスイッチによって、直列接続可能である。
j)モジュールは、非一様な垂直分離で分離可能である。
k)垂直分離を用いて、複数の変換器は、モジュールの一方の側上又は両側上に、配置可能である。
l)垂直分離を用いて、いかなる変換器も、モジュールの複数の分離された部分の中間に配置される必要はない。
m)複数のバイパスダイオードは使用可能であり、特に、アクティブに制御される複数のバイパスダイオードは使用可能である。
n)複数のバイパスダイオードは使用されて、グループをわたるバイパス、ストリングをわたるバイパス、又は近傍のストリングを接続するバイパスを提供してもよい。
【0017】
本発明の複数の実施形態において、再構成可能な非対称的な構成は提供されて、光起電力モジュールなどの1つ又は複数のモジュールと、コントローラとを備え、
コントローラは、構成のレイアウトにマッチする2つ又はそれ以上の所定の設計テンプレートの観点においてリアルタイムで性能を最適化するように適合され、
各モジュールは、N×Mのセルの配列を備え、N及びMの両方は2よりも大きく、各モジュールは、DC変換器を備える又はDC変換器から構成されるグループから選択される複数の要素と、アクティブ(又はパッシブ)なバイパスダイオードと、スイッチと、セルと、コネクタと、を備え、
複数のセルの少なくとも1つの第1のグループはサブストリングとして直列接続され、及び/又は、複数のセルの少なくとも1つの第2のグループは並列接続され、及び/又は、
1つ又は複数のDC変換器の少なくとも1つの第3のグループは提供されて、
オプションとして、
1つ又は複数のバイパスの少なくとも1つの第4のグループと、及び/又は、
1つ又は複数のスイッチの少なくとも1つの第5のグループであって、複数のスイッチは、DC−DC変換器とサブストリングとの間、及び/又は、直列、並列、対称的、及び非対称的などの異なる複数の組み合わせの複数のサブストリングの間に配置されることが可能である、少なくとも1つの第5のグループと、
1つ又は複数のコネクタを備える複数のセルの少なくとも1つの第6のグループと、
のうちの1つ又は複数を備え、
(複数のセルの各グループは機能的に相互に関連し)、
使用中の各モジュールは出力を提供する。
【0018】
本発明はまた、上述のような再構成可能な装置の動作の方法を提供して、
機能的な複数のセルを決定するステップと、
最適な性能を計算するステップと、
1つ又は複数のスイッチを閉じ、及び/又は、開くことによって、構成を再構成するステップと、を備える。再構成可能な配置は、好ましくは設計テンプレートから、決定される。
【0019】
本発明はまた、上述の方法を遂行するコンピュータ上で実行されるべき複数の命令を有するコンピュータプログラムプロダクトを含む。
【0020】
コンピュータプログラムプロダクトは、磁気ディスク、光ディスク、又は固体状態記憶装置(ソリッドステートメモリ)などの、非一時的な信号の媒体上に格納されてもよい。
【0021】
用語「再構成可能」は、例えば入力に基づいて、向上された性能などの特定の目的を達成するために、もう1つの構成のための任意の時点において、原則として例えばモジュールを構成するオプションを指す。構成の全ての要素が再構成可能であるわけではなく、存在している複数のセルなどは固定される。いくつかの要素、特に複数のスイッチ、複数のコネクタ、及び複数のバイパスは再構成されることが可能であり、すなわち接続を形成すること又はしないことが可能である。
【0022】
用語「非対称的」又は「非一様」は、2重の軸、鏡面等のような、主張される全ての要素を考慮して、全体としてモジュール及び/又は構成に対する対称的な複数の要素の非存在を指す。当該用語は、ローカルに対称的な複数の要素を除外しない。
【0023】
本構成は、オプションとして相互接続される1つ又は複数のモジュールに関連する。その一例は、光を電力に変換するPVモジュールである。典型的に、複数のモジュールは、例えば複数のセルの観点から、及び/又は寸法の観点から、標準化されたサイズを有する。複数のモジュールは、ビルディングブロックのように構成に付加されてもよく、典型的には相互接続される。
【0024】
性能を最適化するために、本発明の重要な課題は、1つ又はそれ以上の設計テンプレートを決定することである。本発明の複数の実施形態は、異なる実際の物理的な複数の構成を有するために適合可能である複数のテンプレートを提供して、このことはより一層の適応性を可能とする。適応性のある/ハイブリッドの、直列又は並列の複数のサブストリング接続、複数のローカルdc−dc変換器の配置、複数の垂直分離オプション、及びアクティブに制御される複数のバイパスダイオードの概念は、モジュールの全体の効率を向上させるために、非常に柔軟な方法で組み合わせ可能である。それらを組み合わせる間に、これらの異なるオプションの間で単一の方向の方法において伝搬される複数の制約を含めることが重要である。複数の制約は、前の複数のステップにおける非一様なサブセットの選択の適合性であることが可能である。
【0025】
完全に実施されるテンプレートは、任意の2つの要素の間のスイッチ、任意の2つの要素の間のコネクタ等の、本発明の全ての可能な要素を備える。設計テンプレートは、完全に実施されるテンプレートからのサブセットとして見なされることが可能であり、設計テンプレートは、構成の近傍のオブジェクトによって形成される影等の、複数の境界条件を考慮に入れ、影は時間に応じて且つ季節を通じてシフトする。そのような複数の境界条件は、移動する複数の影などの変化する複数の状況に適合するために再構成可能である構成の必要性を示す。設計テンプレートはまた、例えばモジュールの一部分又は全体を白くする雪などの、季節的な複数の状況を考慮に入れる。それはまた、(速い)温度過度及び材料の劣化に順応する。設計テンプレートはさらに、所与の時点における構成の性能の観点から最適化される。それはさらに、複雑性の観点から、構成要素の例えば数及び/又はコストを最小限に保ちながら、それによって獲得される出力等を考慮して、少なくとも一年などの時間周期にわたって測定された、しかし好ましくは構成の期待される寿命に渡って測定された、エネルギー収量の観点から最適化される。従って、現在の設計テンプレートは、全ての季節的な状況、及び所与の時点における複数の境界条件、並びに、例えば付加及び/又は除去されるべき複数の構成要素の観点からの、オプションとしてのそれらの複数の解決方法を考慮に入れる。従って、現在の構成は、2つの所定の設計テンプレートにマッチする少なくとも2つの構成に再構成可能であるが、典型的には大きな数の構成は可能であり、複数の設計テンプレートは提供される。3d環境を注意深く分析することによって、結論は、(モジュールのある部分に対する)再構成が何も予測されないという、非常に良いものになり得る。また、結果として、いかなる要素も付加される必要はなくなるであろう。
【0026】
現在の構成をリアルタイムで(又は動作時に)再構成するために、コントローラは提供される。コントローラは、特にスイッチ、接続、及びバイパスのうちの1つ又は複数に適合させることによって、1つ又は複数のモジュール、及び/又は、複数のセルの1つ又は複数のグループを再構成するように適合される。現在のコントローラは、構成のレイアウトにマッチする1つ又は複数の所定の設計テンプレートの観点から、性能をリアルタイムで最適化するように適合され、コントローラは、レイアウトからレイアウトへのスイッチングとして見なされることが可能である。最適化は、コントローラが入力として利用できるデータを有するとともに、さらに現在の構成に関する情報も有することを意味する。この情報に基づいて、コントローラは、例えばその性能を最適化するために現在の構成を適合させてもよい。そのような最適化は、リアルタイムで、すなわちおよそ数秒又はそれ以下で実行されてもよい。最適化は実際、コントローラが最適な構成を決定する必要がある時間によって、且つ、複数のスイッチをスイッチし、及び/又は、複数のコネクタを接続/非接続し、及び/又は、複数のバイパスを動作させ/動作を停止させるために必要とされる時間によって制限されるのみである。典型的なスイッチング時間は、典型的には使用されるCPU等に依存して、ミリ秒から最大で数秒(のほんの一部)のオーダーであり、典型的なコントローラ時間はまたミリ秒から最大で数秒(のほんの一部)のオーダーである。もう一つの観点から、複数のdc変換器、複数のダイオード等の複数の電気的構成要素は、過度に頻繁/素早く負荷がかけられ/無負荷にされるべきではないため、スイッチング及び制御は好ましくは、いくつかの範囲に制限される。
【0027】
典型的には、各モジュールは、長方形配列などの、N×Mのセルの配列を備える。上述のように、複数のモジュールは、標準化された複数のサイズを有する傾向がある。配列のサイズは、2よりも大きい整数N及びMによって特徴づけられてもよく、N及びMは交換可能である。配列におけるセルの数は、典型的には12〜120のオーダーであるが、これに限定されない。
【0028】
各モジュールは光(複数の光子)を電流/電圧に変換する能力があり、当該電流/電圧は典型的には、電流及び電圧を使用可能とするために、例えばDCからACに、変圧器/変換器によって変換される。
【0029】
各モジュールは、直列接続された複数のセルの少なくとも1つの第1のグループ、及び/又は、並列接続された複数のセルの少なくとも1つの第2のグループを備える。従って、モジュールにおける複数のセルは、並列で若しくは直列で、又は両方で、1つともう1つとが接続される。モジュールの全てのセルが接続される必要はない。実際、現在の構成は、任意の時点において、障害、機能不全、1つ又は複数のセルを覆う外部の影、鳥の排泄物等の汚れ等の、1つ又はそれ以上の種々の理由によって接続されていない、ある数のセルを含んでもよい。典型的には、最適な構成は、直列接続される複数のセル、及び並列接続される複数のセルの組み合わせに関連する。第1及び/又は第2のグループにおけるセルの数は、例えば複数の境界条件によって、変化してもよい。実際、複数のセルの任意のグループは、任意の数のセルを備えても良く、その数は配列の数(n*m)よりも小さいかそれに等しい。全てのグループが配列のそれに等しい数のセルを有するということでなくともよいということが観測されて、従って構成は対称的である。
【0030】
各モジュールは、1つ又は複数のDC変換器を備える複数のセルの少なくとも1つの第3のグループを備える。電流/電圧をDCから例えばACに変換するために、少なくとも1つの変換器は提供される。
【0031】
本発明の複数の実施形態の利点は、強い非一様性をトポロジーに導入することによって、製造コストを著しく低減できることである。例えば、非一様性は、複数の配線及び複数のスイッチに対して適用され、また複数のDC変換器及び複数のバイパスダイオードに対しても適用される。複数のセルのグループは、エネルギー収量の改善をいまだ可能にし、又はエネルギー収量の最大化さえも可能にする戦略的な位置に配置される複数のスイッチ及び複数の配線を使用して、複数のサブストリングの並列接続又は直列接続によって形成可能である。複数の接続は、必要とされる複数のオーバーヘッド要素の付加的なコストを考慮して予測される寿命利得が不十分に高い設計から、除去される。各モジュールは好ましくはローカルDC/DC変換を有し、変換器の数は好ましくは、モジュールのサブストリングの数に関連しているがオーバーヘッドを低減するためにまだ制限される。所与の動作時状況に対してどの変換器が使用中であるかは、形成される複数のサブストリングの複数のグループに依存する。最後に、ローカルの複数の変換器は好ましくは、モジュールからのシステムの電力需要に応じて、並列又は直列のいずれかで接続可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】雲の影を有する、水平及び垂直のPV配置を示す。
図2】雲の影を有する、水平及び垂直のPV配置を示す。
図3】行及び列において複数のセルを有するPV配置を示す。
図4】9つのセルの長さの6つのサブストリングを有する6×9のPVモジュールを示す。
図5】6つのセルの長さの9つのサブストリングを有する6×9のPVモジュールを示す。
図6】複数のサブストリングの全て直列接続を有するPVモジュールを示す。
図7】複数のサブストリングの全て並列接続を有するPVモジュールを示す。
図8】非一様なモジュールを形成するための直列接続(9×6の場合)における交差している配線の除去を有する本発明の実施形態のPVモジュールを示す。
図9】非一様なモジュールを形成するための直列交差している配線の除去を有する本発明の実施形態のPVモジュールを示す。
図10】本発明の複数の実施形態に係る、PVモジュールにおけるサブストリングがモジュールのエッジにより近い場合において接続が低減されることを示す。
図11】本発明の複数の実施形態に係る、最大長(6×9の場合)に従った直列接続における配線の除去を有するPVモジュールを示す。
図12】本発明の複数の実施形態に係る、適用される最大長を有する並列の複数の配線を有するPVモジュールを示す。
図13】本発明の複数の実施形態に係る、PVモジュールについて、並列及び直列の配線に対して同一の最大長を適用する必要がないことと、これらが、同一でないオーバーヘッド計算によって異なることが可能であることとを示す。
図14】本発明の複数の実施形態に係るPVモジュールに対して、複数の変換器がモジュールの底部に配置可能であり、且つ、モジュールの底部側における複数のサブストリングの全ての入力ピン及び出力ピンが複数の変換器と潜在的に接続可能であることを示す。
図15】本発明の複数の実施形態に係る、除去されている複数の変換器の側からのいくつかの配線を有し、非対称的な又は非一様なモジュールを結果として生じる、PVモジュールを示す。
図16】本発明の複数の実施形態に係る、並列接続されてそして1//3が2//4モジュールと直列接続されるサブストリング1及び3並びにサブストリング2及び4を有するPVモジュールを示す。
図17】並列接続の実施形態における、「全ての」配線がPVモジュールの上部側から除去されることを可能として、実現可能とされるべき全ての許容可能な配置を実現する、複数のローカルdc/dc変換器の位置を示す。
図18】本発明の複数の実施形態に係る、複数の変換器モジュールを有するPVモジュールを示す。
図19】本発明の複数の実施形態に係る、複数のサブストリングの複数のローカル変換器への接続、及び複数の内部変換器接続を有するPVモジュールを示す。
図20】本発明の複数の実施形態に係る、1つの変換器に接続される各可能性がある入力と、全ての変換器に接続される全ての可能性がある出力とを有するPVモジュールを示す。
図21】本発明の複数の実施形態に係る、1つの変換器に接続される各入力及び出力を有するPVモジュールを示す。
図22】本発明の複数の実施形態に係る、複数の変換器を有するパラメータ化されたトポロジーを有するPVモジュールを示す。
図23】本発明の複数の実施形態に係る、ハイブリッド配置を有するPVモジュールを示し、1つのグループは、直列接続されて次いで並列接続されるサブストリング対(1,2)及び(3,4)からなる一方、第2のグループは直列のサブストリング5及び6である。
図24】本発明の複数の実施形態に係るPVモジュール配置を示し、当該PVモジュール配置において、サブストリング1,2,3,及び4は直列接続され且つ変換器番号2に接続され、それと同時に、サブストリング5及び6は再び直列接続され且つ変換器3に接続され、それらの間の複数の変換器は並列接続される。
図25】複数のサブストリングの垂直分割を有するPVモジュールの実施形態を示す。
図26】直列の複数のサブストリングを有するPVモジュールの垂直分割を有する実施形態を示す。
図27】並列の複数のサブストリングを有するPVモジュールの垂直分割を有する実施形態を示す。
図28】複数のサブストリングの単一の分離を有する実施形態を示し、複数のサブストリングは2つのサブストリングに分割される。
図29】本発明の複数の実施形態に係る、複数のサブストリングの3つのセットである上部(u)、中間部(m)、及び下部(l)のセットを有するPVモジュールを示す。
図30】本発明の実施形態に係る、モジュールの上部側に配置されるより少数の変換器を有する、結果として非対称的な又は非一様なモジュールを得る、PVモジュールを示す。
図31】本発明の複数の実施形態に係る、モジュールの上部の複数のピンを接続する長い配線を有する複数のPVモジュールを示す。
図32】本発明の複数の実施形態に係る、モジュールの中間部の複数のピンを接続する長い配線を有する複数のPVモジュールを示す。
図33】2つのサブモジュールに分割されるモジュールを有する実施形態を示す。
図34】PVモジュールの実施形態を示し、ここで、複数の変換器はモジュールの両側に配置される。
図35】上部側の1つの変換器と底部側の2つの変換器とを有するPVモジュールの実施形態を示す。
図36】本発明の複数の実施形態に係る、PVモジュールにおける複数のダイオードの配置の原則を示す。
図37】完全にパラメータ化されたトポロジーを有するPVモジュールを示す。
図38】例えばパレート最適化の形式における、対立する複数のパラメータの間のトレードオフの典型的な最適化曲線を示す。
【0033】
使用される線の説明
【表1】
【発明を実施するための形態】
【0034】
連続性は、関連する複数の要素の反復があるが、これらが個別には示されていないことを意味する。
【0035】
図面において、薄い灰色の複数のボックスは複数のモジュールの複数のサブストリングの複数のPVセルであり、一方、濃い灰色の複数のボックスは複数のローカルDC/DC変換器である。
【0036】
本発明は、特定の実施形態に関して、且つ、特定の図面を参照して説明されるが、本発明はそれらに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。特許請求の範囲における任意の参照符号は範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。説明される図面は概略図でしかなく且つ非限定的である。図面において、いくつかの要素の大きさは,
例示の目的のために、誇張されて縮尺の通りに描かれていない場合がある。
【0037】
ここで、用語「備える」は本明細書及び特許請求の範囲において使用され、それは他の要素又はステップを除外しない。ここで、例えば「a」又は「an」(1つの)、「the」(前記)である不定冠詞又は定冠詞は単数名詞を参照するときに使用され、これは、他のことが特に説明されない限り、そのような名詞の複数形を含む。
【0038】
さらにまた、明細書及び特許請求の範囲における、第1の、第2の等の用語は、類似の複数の要素の間の区別のために使用され、また、時間的な、空間的な、順位における、又は他のいかなる方法のいずれにおいても、順序を説明するために必要ではない。そのように使用される用語は適切な状況の下で相互に交換可能であること、及び本明細書において説明される本発明の複数の実施形態は、ここにおける説明又は図示とは異なる複数の順序で動作可能であることが理解されるべきである。
【0039】
本発明は、PVモジュール及び設置、そのようなPVモジュールの設計及び構築の方法に関し、これによって、PVモジュールは動作時において再構成可能である。
【0040】
本構成の一例において、複数のスイッチは、考案、複数のモジュール及び/又は複数のサブストリングの接続及び再接続、複数のモジュール及び/又は複数のサブストリングを接続するための1つ又は複数のコネクタに適合される。
【0041】
複数のスイッチは、DC−DC変換器とサブストリングとの間で、及び、直列、並列、対称的、及び非対称的などの異なる複数の組み合わせにおける複数のサブストリングの間で構成可能である。
【0042】
各スイッチは、「オン」又は「オフ」、すなわち接続される又は非接続される、などの状態を有する。複数のスイッチの複数の状態は、各サブストリングにおける位相及び電流不均衡に依存して、ノブ・コントローラ等によって制御される。
【0043】
複数の変換器の複数の接続は動作時において制御可能であるため、現在の構成はリアルタイムで、すなわち例えば変化している状況に即座に適合して、再構成可能である。例えば、サブストリングが部分的に共有される場合、又は電流に任意の不均衡が現れる場合、サブストリングはスイッチを介してそれ自身のDC−DC変換器に接続されてそれは全ての他のサブストリングから絶縁される。従って、不整合の影響は回避可能である。欠点は、生成される電流が少なくなる可能性があることである。利点はそのようなサブストリングからの電流がモジュールの全電流に付加されることとなることであり、このことは全体の効率を改善することに役立つ。
【0044】
損傷の場合において、サブストリングは、モジュールから完全に絶縁可能である。
【0045】
2つ又はそれ以上のサブストリングが同一の位相にある場合、それらは複数のスイッチを介して例えば直列構成にあり単一の変換器に接続されるとともに、したがってシステムの性能を改善することとなる。
【0046】
電流の不均衡と回路のオーバーヘッドとは、コントローラによって動作時において比較されることが可能である。上述の両方の要因に依存して、コントローラは、サブストリング又はそれらのグループにおける、光子によって生成される電流が、全電流に付加可能であるか否かを決定することとなる。アクティブな複数のバイパスダイオードに対して、制御粒度は異なり、また高々近傍の複数のセルであることが可能である。
【0047】
本発明の複数の実施形態の複数の利点は、製造コストと増加するエネルギー収量との間の魅力的なトレードオフポイントであり、これらは実際の複数のPVモジュール及び設置されるPVシステムの評価のために用いられることが可能である。目的は、年間エネルギー収量を増加させると同時に、製造コストオーバーヘッドを十分に低く留まらせることである。全てのコスト態様の最適化は同時に可能ではない。一コスト態様の最適化を追求することによって他のトレンドが悪化することは明白である。最適化よりもトレードオフを求めることができる。この振る舞いを説明するために、図38はいくつかの構成の結果を示す。グラフの2つの軸は、製造コストオーバーヘッドとエネルギー収量損失を表す。目的は、最適選択であるパレート点を追跡することである。商用の複数のモジュールは低い製造コストを有するが、高いエネルギー損失(点1)を有する。全ての近傍のセルの、可能性がある接続は、低いエネルギー損失を有するが、高い製造コストに転換する(点2)。点3はモジュールの動的な再構成を有しないDC/DC変換のローカライゼーションであることが可能であり、点4はモジュール内の複数のセルの複数の可能性がある接続の減少である。点5は曲線の中間のパレート点である。本発明の複数の実施形態に係る複数の構成は、例えばDC−DC変換器の数、垂直分離の数、及びバイパスダイオードの数を変更することによって、パレート曲線上の異なる複数の位置において位置するように設計可能である。この方法において、原則として、点3と点4との間の範囲はカバーされることが可能である。
【0048】
用語
【0049】
・サブストリング:分割不可能なユニットとして取り扱われる、恒久的に相互接続された複数のセル。
【0050】
・パラメータ化されたトポロジー:全ての可能な配線及び付加的な構成要素(特にスイッチ)を含むトポロジー。これは所与の状況に対する最適なパレートトレードオフ境界内にあり、ここで、トポロジーは当該境界のために設計される。本発明の複数の実施形態において、複数の配線及びその他の構成要素の重要な且つ非一様に配置されるセットは、全ての可能な構成が達成可能である配置に比較すると、欠けている。この制限される相互接続及びトポロジーの構成は好ましくはパレート最適である。なぜならば、これは付加的な生産コスト、エネルギーオーバーヘッド、及び負の寿命効果を顕著に低減することとなるからである。さらに、達成可能なエネルギー収量全体は、理想的に至ることが可能なものに未だ近い。なぜならば、現存の複数の配線及び複数の構成要素は、所定の状況において存在する全ての可能性のあるシナリオのもとで、(一般的なコスト関数に基づいて)十分に良い結果を得るからである。パラメータ化されたトポロジーはまた、特定の状況の制約された複数の特徴を組み込むことによって、大きな数の設計インスタンス化にプロジェクトされることが可能である(設計インスタンス化の定義を参照)。そのような意味において、トポロジーはまた、そのような状況において必要とされることが可能であろう全ての可能な設計インスタンス化の結合として見られることが可能である。
【0051】
・ハイブリッド:複数のサブストリングの、直列接続及び並列接続の複数のグルーピングの配置。複数のハイブリッドは、階層的な方法において、すなわち1つ若しくはそれ以上の層又はともに接続された2つ以上の層において、直列接続及び/又は並列接続された複数のサブストリングの組み合わせを含むことが可能である。複数のスイッチは、複数のサブストリングの組み合わせの数が全ての可能なそのような組み合わせよりも少なくなるように、複数の層の間に配置可能である。複数のハイブリッドの配置は、複数のサブストリングの直列接続及び並列接続の複数のグルーピングを含むことができる。
【0052】
・設計インスタンス化:設計インスタンス化(すなわち、PVモジュールの物理的な動作実施であることを目的とした設計)は、PVモジュールのいくつかの動作時構成を可能にする。設計インスタンス化において欠けている複数の構成要素は、一般的なコスト関数(例えばパレート境界から外れること)に基づいて除去されるようなもののみではない。設計インスタンス化は、インスタンス化が使用されることが目的とされる位置(例えば、部分的な影又は特定の自然のローカルな悪化)のタイプの予期される複数の境界条件によって課されるアクティブな状況に依存するいくつかのコスト態様の間のトレードオフを考慮に入れるパレート点の選択である。複数の例は、垂直の建築物の壁、雲の影を多くの場合に強く変化させる地域に配置される屋根板、又は相対的に低い環境温度を有する地域、又は空気対流に影響を与える強い風を含む。
【0053】
・動作時インスタンス化:時間の特定の瞬間におけるPVモジュールの物理的な動作実施の構成。全てのスイッチは所与の位置に固定され、それは典型的に、あらかじめ選択されたシナリオのために使用される。
【0054】
・動作時状況(RTS):(任意の影を含む)所与の放射入力、悪化影響、温度プロファイル及び空気移動等の、光子の刺激に対するPVモジュールの使用の状況。
【0055】
・システムシナリオ:PVモジュールがこれらの複数の状況に対して反応する方法に向けて類似の振る舞いを提示する複数のRTSのクラスタリング。V.Gheorghita e.a., ACM Trans. On Design Automation for Embedded Systems, Jan. 2009.を参照(非特許文献1)。
【0056】
・並行方向:PVモジュールは、影のエッジが複数のサブストリングに平行である場合に影又は雲がモジュールの並行方向に移動しているように設置されていると仮定される(図1参照−雲の影は装置を部分的に覆うボックスによって表現される。)。
【0057】
・垂直方向:PVモジュールは、影のエッジが複数のサブストリングに直交する場合に影又は雲がモジュールの垂直方向に移動しているように設置されると仮定される(図2参照)。
【0058】
・「上部」及び「底部」:PV配置に適用される上部又は底部の用語は、第1の例において複数の図面の上部及び底部を指す。それはまた、複数のPVモジュールが多くの場合に傾斜角で配列されるため、本発明の任意の実施形態において重要な意味を有することが可能である。そのような配列に対して、本発明において使用されるように上部及び底部の使用と同一である上部及び底部がある。そのような場合において、底部は好ましくは、大抵のDC/DC変換器の既定の位置である。「上部」は通常DC/DC変換器を有さず、又は限定された数量のそれらのみである。
【0059】
・PVモジュールは、整数であるN及びMを有するPVセルのNxMメッシュ又は配列であることができる。N及び/又はMは2よりも大きい。メッシュ又は配列は通常、複数の行と複数の列で配列される(図3参照)。しかしながら、本発明はまた、六角形又は三角形の形状である複数のメッシュを含む。
【0060】
サブストリングの選択
モジュールの複数のサブストリングへの分割の目的は、動作時可変の(「ノブ−制御される」と呼ぶ)直列/並列又はハイブリッドの接続を有することであり、当該接続は、エネルギー収量を低減させる不整合の影響を回避するために、又はモジュール寿命(構成要素信頼性影響)を改善するために、類似の条件の下で機能する複数のサブストリングのグルーピングを可能にする。複数のサブストリングの各グループは、ローカルdc/dc変換器に接続され、ここで、デューティーサイクル、及び従って電圧は好ましくは、複数のサブストリングの特定のグループに対するほぼ最適な値に設定される。
【0061】
サブストリングは好ましくは、より一層の柔軟性をモジュールに許すために、可能な限り少数のセルを含む。複数のサブストリングの選択は好ましくは、それらの相互接続及びそれらの内部接続のために必要とされる配線の長さを考慮する。モジュールの複数のエッジにおける動作時可変の(「ノブ−制御される」)接続の付加が、モジュールの内部内における電気的接続を変化させることよりもコストが少ないことは明白である。モジュールの複数の列又は複数の行は、対象とされるN*Mメッシュ形状の複数のモジュールのために複数のサブストリングとして使用されるための、最良のオプションである。上記に基づいて、選択は好ましくは、モジュールの複数の列及び複数の行の(セルの数における)長さに従う。もう1つの基準は、行及び列の数が奇数であるか偶数であるかであることが可能である。偶数個のサブストリングは、モジュールの全ての直列接続において複数の入力及び複数の出力がモジュールの同一の側にあり且つ複数の変換器により簡単に接続されるため、より適切である。N×Mのモジュールであって、ここでN<M且つMが偶数である場合において、好ましい、例えば適切な選択は、N個のセルのM個のサブストリングを有することである。Mが奇数である場合、小さなサブストリング、又は偶数個のサブストリングを有することの観点から、トレードオフが存在する。N及びMの両方が奇数である場合には好ましさはより少ないと考えられるが、しかしそのような場合においては、より小さな寸法が複数のサブストリングに形成され得る。例えば、6×9のセルのモジュールは偶数個のサブストリングを有することを選択して9個のセルの6個のサブストリングか、より小さい長さのサブストリングを有するために6個のセルの9個のサブストリングかを有することが可能である。簡単な構造における複数のサブストリングの形成の2つのオプションは、図4及び図5に示される。
【0062】
本発明の複数の実施形態は、モジュールの複数のサブストリングへの分割の異なる複数の方法を含み、例えば、「垂直分離」において、これは偶数個のサブストリング−小さなサブストリングに関連する上述のトレードオフの取り扱いのもう1つのアプローチを提供する。より複雑な構造はハイブリッドを含むことが可能である。
【0063】
モジュールにおける直列及び並列サブストリング接続
a.サブストリングの直列接続
本発明の複数の実施形態における例示の基本として多くの場合に用いられることとなるPVモジュールは、9個のセルの6個の列を備える。1つの列における全てのセルは、恒久的に直列接続されてサブストリングを形成する。各サブストリングは、電流の流れの特定の方向を許す。この方法において、付加されるべき追加の配線の量は、低く又は最小に保たれることが可能である。そのことは、最適の照明条件の下で必要とされる配線オーバーヘッドに対して特にそうであり、ここで、全てのサブストリングは直列接続される。複数の図において、電流の流れはサブストリングの複数の端上の「出力」及び「入力」によって示される。図6において、サブストリングの全ての可能な直列接続は示される。直列接続において、「出力」ピンは「入力」ピンに直接的に接続可能であり、また逆の場合も同じである。図6における実線は、モジュールの同一の側に留まる配線接続を示し、さらに、長破線の配線は「入力」ピンをモジュールの異なる側の「出力」ピンと接続する。直列接続において、電流は全てのセルに対して等しく留まるのに対して、電圧は各付加的なセルとともに足し上げられる。
【0064】
b.サブストリングの並列接続
複数のサブストリングの全ての並列接続は図7に示される。サブストリングの全ての接続が可能であった場合、両方の図(全ての並列接続及び全ての直列接続)上の複数の配線は重ね合わせられるべきであり、このことは結果として過度に大量の配線をもたらす。
【0065】
並列接続を可能とするために、「入力」ピンはもう1つの「入力」ピンと接続される必要があるとともに、同じ2つのサブストリングの2つの「出力」ピンはまた同様に接続される必要がある。このことは、可能な並列接続を可能とするために、全ての「入力」ピンがもう1つに、且つ全ての「出力」ピンがもう1つに接続される必要があることを意味する。図7において、全ての可能な並列接続が示される。細い点線はモジュールの同一の側に沿った複数の接続のために用いられ、二点長鎖線はモジュールの異なる側からのピンを接続する。並列接続において、電流は足し上げられるのに対して、電圧は全てのサブストリングをわたって同一に留まる。
【0066】
c.配線の切り取り
i.直列接続
可能な直列接続及び並列接続が考慮される場合、全ての追加の配線によって生じるオーバーヘッドは全体の効率の低下を導くであろう。本発明の複数の実施形態に従って、可能である複数の接続は、それらの予期される利得に比較して過度のオーバーヘッドを与える長い複数の配線を後述される1つ又は複数の方法において除去することによって、また、オプションとして、それらがほぼ同一の全体の利得を提供する他のものによって置き換えられることが可能であるために必要性が低い接続を除去することによって、制限されるべきである。さらに、それらがエネルギー収量又は寿命の改善を可能にするために必要とされない場合、複数のスイッチ及び他の付加された複数の構成要素は、トポロジーにおける主要なアクティブな複数のパスから、可能な限り「隠される」ことが可能である。主要なアクティブな複数のパスは、最も多く発生する実施の複数のシナリオにおいて使用される設計ステージにおいて決定されるような、直列接続又は他の頻繁に使用される複数のパスである。従来の複数のアプローチにおいて、これらの付加される複数の構成要素は主要なアクティブな複数のパスに継続的に寄与し、従って、電力及び信頼性の損失におけるほぼ恒久的なオーバーヘッドを生じる。本発明の複数の実施形態は、動作時可変な(「ノブ−制御される」)トポロジーの選択によって、この問題の回避を可能にする。
【0067】
コスト及び利得は、制限された生産及び維持コスト、増加する年間エネルギー収量、及び増加する寿命の3次元目的空間においてここで見られるべきであるということに留意されたい。PVモジュールのこれらの3つの特性のうちの1つ又はそれ以上を提供することは、本発明の複数の実施形態の複数の利点である。
【0068】
本発明の複数の実施形態は、最も長い配線を除去する(すなわち、有しない又は使用しない)ことによって、複数の配線の存在によって導入されるオーバーヘッドを低減する。直列接続において、モジュールを「わたる」配線、長鎖線の配線は除去される(図6と対比される図8の実施形態参照)。
【0069】
複数の配線をモジュールの同一の側に保持するために(複数の配線が主として一方の側にあるために、結果として非一様な又は非対称的なモジュールをもたらす)、PVモジュールは、全てのサブストリングが逆の電流の流れを可能とする複数のサブストリングのみと接続されるように適合される。各列がサブストリングである6x9のモジュールにおいて、各サブストリングは、3つのサブストリングを有するモジュールの各側に接続される。残りの配線は、特にN×Mのセルの一般的な場合が考えられる場合には、まだ長い。そのような場合において、非対称的又は非一様である本発明の複数の実施形態において、さらに多くの切り取りが実行され、例えば、ユーザ定義のしきい値長さを超えて延びる全ての配線の除去が実行される。そのようなしきい値長さは、どの配線長オーバーヘッドが十分な利得を有してエネルギー収量を増加させることができないかの分析に基づいた計算によって選択可能である。従って、しきい値は、例えばエネルギー収量とコスト利得とを組み合わせるコスト関数を用いて決定可能である。これは、より詳細に以下説明される。
【0070】
非対称的又は非一様である図9に示される実施形態において、この場合において各列を意味する各サブストリングは、モジュールの同一の側上の逆の電流の流れの全てのサブストリングと接続される。従って、各サブストリングは、図9の実施形態において示されるように、モジュールの各側上の(N/2)個のサブストリングを有する接続を有する。これは各サブストリングが全ての(N−1)個のサブストリングと接続されるということを意味しない。各サブストリングは、モジュールの上部において1回そしてモジュールの底部において再び、(N/2)個のサブストリングと2回だけ接続される。複数のサブストリングが列挙される場合、左に位置するサブストリングから開始して、サブストリング1はサブストリング2,4,6....と(全ての偶数のサブストリングと)接続される。任意の奇数のサブストリングは潜在的に全ての偶数のサブストリングと接続され、任意の偶数のサブストリングは潜在的に全ての奇数のサブストリングと接続される。
【0071】
モジュールをわたる全ての配線は除去されているが、残りの配線はまだ非常に長い(最も長い配線の長さはモジュール全体の長さ、(N−1)セル長、に等しい)。配線の量をさらに削減するために、本発明の複数の実施形態は、配慮される必要がある最大長を割り当てる。一例として、最大長の提案される上限は(N/2)として選択可能である。xが最大長として設定されてxがセルの奇数番号である場合、サブストリング番号yに接続する最も長い配線はサブストリング番号y−x及びy+xを有することとなる。ここで、y−x及びy+xは1とNとの間である必要がある。xがセルの偶数番号である場合、最も長い配線はサブストリング番号yをサブストリング番号y−x+1及びy+x−1と接続することとなり、ここで、再びy−x+1は1とNとの間である必要がある。y−x{y−x+1}及びy+x{y+x−1}の両方が1からNまでのうちにあるような状況にサブストリングyがあると仮定すると、サブストリング番号yはx+1{x}個のサブストリングと潜在的に接続されることが可能である。サブストリングがモジュールのエッジにより近い場合、図10の実施形態において示されるように、複数の接続は低減される。
【0072】
本発明の複数の実施形態において、複数の配線は、一般的な場合における最大長基準に従って除去される。6×9のセル且つ3個のセルに設定された最大長のモジュールに対して、サブストリング1及び6はモジュールの各側に2つのサブストリングを有して直列接続されて、これによって、サブストリング2,3,4,及び5は他の3つに接続される。このことは、図11の実施形態において示される。
【0073】
ii.並列接続
全ての可能な並列配線が存在するモジュールのセクションは図12の実施形態において示される。複数の並列配線に対して、複数の配線における同一の低減は実行可能であり、これらの全ては本発明の複数の実施形態である。同一の最大長を並列配線及び直列配線に対して適用することは必要ではなく、それは同一ではないオーバーヘッド計算によって異なることが可能である(図13の実施形態参照)。
【0074】
d.ハイブリッド接続及び例。全てのもっともらしい放射シナリオを考慮する理由
先の複数の実施形態において、直列接続及び並列接続は複数のサブストリングの相互接続を指す。2つの種類の接続が別々に説明されるが、接続の両方の種類からの配線はモジュールの動作時インスタンス化においてアクティブであり、また、本発明の複数の実施形態に係るモジュールのパラメータ化されたトポロジーにおいて、全ての配線は存在する。各動作時インスタンス化におけるアクティブな複数の配線の組み合わせは、必要とされるDC/DC変換器と、ローカルDC/DC変換器に接続される必要がある複数のサブストリングとの数を決定することが可能であるが、複数の変換器の間の複数の接続の決定に影響を与えることはない。独立して取り扱われることが可能な最小の数のセルはサブストリングを形成するセルである。本発明の好ましい複数の実施形態において、PVモジュールは、主として水平方向において柔軟である(すなわち再構成可能である)ことが理解され、このことは複数のサブストリングの選択がモジュールの寸法に基づいていることの理由である。考慮される放射の複数の変化は主として雲の移動に起因する。存在する静的な障害物は、これらが事前に知られているとして考えられず(従って他の手段による設計に対して許されることが可能である)、異なる複数の種類の最適化が行われることが可能である。各雲はモジュールの部分に影を作ることが可能であり、この影は一方向に移動する。いくつかの雲の影の重ね合わせはモジュールの影の様々な移動を引き起こすことが可能であるが、モジュールの市松模様(チェッカー盤)放射シナリオは非常に起こりそうもないと考えられ、すなわち考慮されないこととなる。例えば経年劣化によるセルの電気的劣化は通常、電気的に近傍の複数のセルの動作に影響を与えるため、市松模様シナリオはまた劣化効果は極めて起こりそうにない。各動作時状況において、各サブストリングは、特定の動作条件の下で最大のある電力を潜在的に発生することが可能である。そのような電力のために発生される電圧及び電流は、各サブストリングの他の複数のサブストリングとの適合性を調べるために使用される。サブストリング内のいくつかのセルがサブストリングによって発生される潜在的な最大電力を顕著に低下させる場合(例えば、複数のセルの直列接続における不整合の複数の影響が、電流に、接続に関わる「最悪の」セルによって発生される電流の値をとらせる)、アクティブに制御される複数のバイパスダイオードはそのような電力損失を回避するために配置されることが可能である。これらのバイパスダイオードは他の複数の実施形態において後にさらに分析されることとなる。各サブストリングを特徴づける電流及び電圧によれば、複数の設計決定はそれらの相互接続に関して行われる。目的は、それらの電流が類似している複数のサブストリングを直列接続すること、及び類似の電圧値を有する複数のサブストリングを並列接続することである。複数の接続の決定が、必要とされる複数の配線の長さ及びまた電流及び電圧需要の影響を受ける場合において、類似の電流及び電圧を同時に有することが可能である。従って、本発明の複数の実施形態において、複数のバイパスダイオードの潜在的な配置で組み合わされる複数のサブストリングの動作時可変な(「ノブ−制御される」)直列接続及び並列接続によって提供されるモジュールの柔軟性は、ほぼ全ての可能な動作時状況をカバーする。
【0075】
分散されるDC−DC変換器
a.サブストリングの変換器との接続
本発明のいくつかの実施形態において、dc/dc変換器の最大数は原則として、モジュールにおけるサブストリングの数である。しかしながら、変換器に接続される単一のサブストリングを有することは非常に効果的ではない。図示(6x9)として考えられたモジュールにおいて、各サブストリングの入力及び出力はモジュールの反対の側にあり、従ってdc/dc変換器を有する接続は、モジュールを垂直にわたる長い配線を含むこととなろう。ここで今やいくつかの配線が除去されているために可能な複数のグループが低減される「グループ」の入力及び出力は、グループが奇数個のサブストリングを有するとき、モジュールの異なる側にあることとなる。モジュール全体が類似の照明条件下で動作している最良の場合のシナリオにおいて、全てのサブストリングは直列接続される必要がある。複数の変換器への長い複数の配線を有することを回避するために、モジュールは、偶数個のサブストリングを有すると見なされる。
【0076】
そのような目的のために、本発明の複数の実施形態において、1つのモジュールのために可能であるローカルdc/dc変換器の最大数はモジュールのサブストリングの数の半分に低減されて、複数のローカル変換器はモジュールの一方の側にあり、従って結果として非対称的な又は非一様なモジュールを得る。各列がサブストリングであるN×Mのモジュールの場合において、最大で(N/2)個のdc/dc変換器がある。全ての変換器が必ずしも特定の動作時インスタンス化において使用中であるわけではない。複数の変換器の相互接続は複数のスイッチの位置によって決定可能である。接続は、直列、並列、又はハイブリッドであることが可能である。変換器は全てのサブストリングのために使用されるわけではないため、単一のサブストリングは、サブストリングの全数が偶数の場合において絶縁されることは可能ではない。サブストリングが全ての接続から絶縁される必要があるとき、さらに1つのサブストリングを除去する必要があり、このことは、より一層の柔軟な絶縁を可能にするために必要とされる長い複数の配線及び複数のスイッチの付加のさらに大きなコストが与えられる、受け入れ可能なペナルティと見なされる。
【0077】
この実施形態の複数のサブストリングの直列接続及び並列接続は図14において示される。複数の変換器はモジュールの底部に配置されて、モジュールの底部側における複数のサブストリングの全ての入力ピン及び出力ピンは、複数の変換器と潜在的に接続される。図において複数のサブストリングを複数の変換器と接続する複数の点線は、スイッチ制御される。
【0078】
図14の実施形態において、複数の変換器を用いる接続は6×9のモジュールの場合において示され、ここで、全ての長い複数の配線は除去されている(直列接続のみ)。複数の変換器がモジュールの一方の側だけにあるため(従って、非一様又は非対称的であり)、全てのグループがモジュールのそのような側において入力及び出力を有することとなることが事前に知られる。図14の実施形態において、複数の変換器は、モジュールの底部側に配置されて、結果として、非対称的な又は非一様なモジュールとなる。モジュールの底部及び上部側は、複数のサブストリングの間の完全に同一の接続を有する。サブストリング3は、モジュールの底部及び上部の両方においてサブストリング4と接続される。これらの2つの接続は、それらが異なる複数のグループを可能にするために等価ではなく、ここで、入力及び出力は両方、モジュールの底部にある。例えば、サブストリング1,2,3,及び4は同一のグループにおいて必要とされる場合、サブストリング3及び4は上部側において接続されることとなる。サブストリング2,3,4,及び5が同一のグループに属する場合において、サブストリング3及び4はモジュールの底部側において接続されることとなる(「入力」ピンから開始する複数のサブストリングの順序は、5,4,3,2である)。複数の変換器がモジュールの一方の側にあるという事実は、非対称的なトポロジーをもたらし、複数の配線の対称性が不要であることが可能であることを示す。全ての入力及び出力がモジュールの底部にある必要があるため、それは複数のグループの中間の複数の接続のみがモジュールの底部側にあることを意味する。グループが2つのサブストリングからなるとき、それらの間の接続は、モジュールの上部側にある。4つのサブストリングのグループの場合において、2つの接続は上部側にあり、1つは底部側にある。
【0079】
上述のように、直列接続において、底部側における複数の配線は、少なくとも4つのサブストリングのグループがある場合においてのみ使用される。変換器の数はサブストリングの全ての対がローカル変換器と接続されることを可能にするため、複数の変換器の側からのいくつかの配線は除去されることが可能である。多くの動作時インスタンス化は、前述と同様の方法でまだ実現可能であるが、他はより多くの変換器の使用を必要とすることとなる。
【0080】
図15の実施形態において、複数の変換器の側からのいくつかの配線は削除されており、結果として非対称的な又は非一様なモジュールをもたらす。サブストリング2,3,5,及び6は「入力」ピンから「出力」ピンへの直列接続の順序3,2,5,6を有するグループを形成することが可能であるが、モジュールの底部側におけるサブストリング2及び5の間の長い配線が必要とされる。このグループは単一の変換器に接続されるであろう。対照的に、図15の実施形態において、これは可能ではない。むしろ、サブストリング2及び3は直列接続可能であり、そしてそれらは1つの変換器を使用するが、サブストリング5及び6はもう1つの変換器を使用する。
【0081】
複数のサブストリングの並列接続を有する複数の実施形態の場合は異なる。2つのサブストリングを並列接続するために、配線の対は必要であり、1つは複数のサブストリング又は複数のサブストリングのセットの複数の出力に接続するために必要であり、そして1つは複数のサブストリング又は複数のサブストリングのセットの複数の入力に接続するために必要である。特に並列接続が単一のサブストリングを接続するために使用されることが仮定されるとき、モジュールの底部及び上部における複数の配線が同一であろうと予期することは合理的である。複数のサブストリングの複数の並列接続を可能にするための全ての配線の付加的なコストは、適用される最大長の基準を用いたとしても、極めて大きい。2つの主要な要因は、並列接続された2つの単一のサブストリングからなるグループの形成に対するルールに寄与する。
【0082】
・低電圧:単一のサブストリングは、通常のサイズのモジュールにおいて、小さな出力電圧を発生する。2つのサブストリングの並列接続において、電圧は同一に留まり、電流は足し上げられて、そのような低電圧をローカルdc/dc変換器と接続することは、通常は非効率的であることとなる。
【0083】
・入力ピン及び出力ピン:2つのサブストリングの並列接続の入力ピン及び出力ピンは、モジュールの異なる側にあることとなる。複数のローカルdc/dc変換器はモジュールの一方の側にあるため、接続はモジュールをわたる長い複数の配線の存在を必要とするであろう。
【0084】
4つのサブストリングが類似の条件下で動作するとともに電圧需要がそれほど高くない場合において、全ての4つのサブストリングの直列接続を有することは適切ではない。サブストリング1及び3、並びにサブストリング2及び4は並列接続可能であり、従って、1//3は2//4と直列接続可能である({1//3}&{2//4})。この接続はしかし、複数のサブストリングをまず直列接続して次いで並列接続することと等価である({1&2}//{3&4})。第2の構成は、図16の実施形態において示されるようにより少ない配線の使用の利点を有する。
【0085】
並列接続の実施形態において、複数のローカルdc/dc変換器の位置は、「全ての」配線がモジュールの上部側から除去されることを可能にして、全ての受け入れ可能な複数の構成を前述のように実現可能であることを可能にする(図17の実施形態参照)。
【0086】
しかしながら、複数の変換器はモジュールの両側にあることができるため、最小入力電圧は使用される複数の変換器の種類に従い、これらの実施形態における複数の配線の切り取りはトレードオフであって制約ではない。
【0087】
前の複数の図において示されたように、複数のサブストリングの潜在的な「グループ」(「セット」)の全ての入力及び出力は複数のローカルdc/dc変換器に接続される。6つのサブストリングのモジュールにおいて、これは複数の図において使用され、3つのローカル変換器が必要とされる。
【0088】
本発明の複数の実施形態において、変換器に接続される潜在的な複数の入力及び複数の出力の全ての組み合わせを有することが可能である。サブストリング1がサブストリング2と直列接続されて、また、3が4と、そして5が6と直列接続される場合に、全ての3つの変換器は同時に使用されて、複数のサブストリングを複数の変換器の複数の入力ポートと接続する複数の配線は、この構成を可能にする必要がある。最初の4つのサブストリングが直列接続される場合、入力ポート入力1−出力4は利用可能である必要がある。全ての直列接続において、入力1及び出力6を変換器の入力ポートに接続することが必要とされる。従って、入力1は潜在的にモジュールの底部側の全ての3つの出力に接続される。これはまた、他の2つの入力ピン(入力3及び入力4)に対しても適用する。図17の実施形態において示されるように、N×Mモジュールの場合において、複数の変換器が配置されるモジュールの底部において、複数の入力は全て奇数番号が付されたサブストリングであり、出力は全て偶数番号が付されたサブストリングである。nが入力である場合、それは、出力n+1,n+3,n+5を、また特定の動作時インスタンス化においてはn−1,n−3,n−5を用いて、変換器への入力として、潜在的に組み合わせられることが可能である。これはモジュールの全ての潜在的な入力に対して適用する。
【0089】
複数のサブストリングの複数の変換器への全ての可能な接続を可能とするために、各潜在的な入力は1つの変換器に接続されて、全ての潜在的な出力は全ての変換器に接続される。これは、入力及び出力の複数の対の全ての可能な組み合わせが変換器に接続されることを可能にする。
【0090】
図18の実施形態において設計インスタンス化があり、ここで、複数のサブストリングと複数の変換器とを接続する複数の配線が示される。この図において、複数の内部変換器接続は示されていない。
【0091】
奇数個のサブストリングを有するモジュール:「サブストリングの選択」に関して前に、偶数個のサブストリングを有することにおいて、又は可能な最も短いサブストリングを有することにおいて、優先度が与えられることが可能であることが述べられ、このことは6×9のモジュールが6つのセルの長さの9つのサブストリングを有することが可能であることを意味する。1つのセットが1つのサブストリングによって他を超えるため、複数のサブストリングは、許される電流の流れの方向に従う2つの等しいセットに今分割されることは可能ではない。奇数個のサブストリングの存在はまた、サブストリングの標準的な全ての直列接続において、モジュールの入力及び出力がモジュールの異なる側にあることとなることを示す。長い配線がないとき、(サブストリングのより大きなセットからの)1つのサブストリングが任意の電気的接続から常に絶縁されることを意味する。そのようなことを回避するために、少なくとも1つの長い配線が付加される必要がある。長い配線が、最後のサブストリングの出力を複数の変換器に接続するために付加されるとき、上述の複数の動作時インスタンス化の大半は実現可能である。サブストリングの数は今偶数ではないため、変換器の数は((サブストリングの数+1)/2)として計算される。この長い配線の付加はまた、(最後のサブストリングと同一の電流の流れを可能にする)単一のサブストリングの絶縁を可能にするとともに、最後のサブストリングの変換器との接続を可能にする。
【0092】
b.内部変換器接続
図19及び20において示される複数の実施形態において、非常に多くの配線は複数の変換器に接続される。dc/dc変換器の各「ボックス」が並列接続を可能にするために必要とされる複数のダイオードを含むと考えられるとき、モジュールを用いない(複数の変換器の間、及び複数の変換器と複数のサブストリングとの間の両方の)複数の変換器の全ての可能な接続は図20の実施形態において示される。
【0093】
図20において、前のセクションにおいて述べたように、各潜在的な入力は1つの変換器に接続されて、全ての潜在的な出力は全ての変換器に接続される。複数の変換器は、直列又は並列で互いに接続可能である。各入力はちょうど1つの変換器に接続されるため、変換器1及び3がちょうど使用されることが可能である。そのような理由のために、変換器1及び3を直列に接続して変換器2をバイパスする配線がまたある。複数の変換器の全ての入力はモジュールの一般的な入力に接続されて、全ての出力は、複数の変換器の並列接続を可能にするモジュールの一般的な出力に接続される。全ての接続は複数のスイッチによって制御される。一般的な入力及び出力への複数の接続はまた、複数の変換器の任意のセットが直列接続で使用されることを可能にする。
【0094】
図21の実施形態において、各入力及び出力は1つの変換器に接続される。複数の変換器の(複数の出力ポートの複数の入力ピンと同一である)複数の入力ポートの複数の出力ピンはもう1つと接続される。
【0095】
複数のサブストリングが番号順で使用されるとき、問題は存在しない。サブストリング1及び2は変換器1に接続可能であり、サブストリング3及び4は変換器2に接続され、サブストリング5及び6は変換器3に接続され、複数の変換器は従って、任意の可能な方法(直列、並列、又はハイブリッド)で接続可能である。サブストリング1,2,3,及び4を1つの変換器と直列で接続することがまた可能である。変換器1及び2(黒い配線)の間のスイッチが閉じられる場合、第1のサブストリングの入力ピンは第2の変換器の入力ポートの出力ピンに転送されて、1及び4は同一の複数の変換器に接続されて、2つの変換器(2及び3)のみが使用中であるである。複数のサブストリングの複数のグループが番号順を「破る」とき、複数の変換器の並列接続は可能である。例えば、サブストリング1及び4が同一のグループにある必要があり且つ2及び3がもう1つのグループにある必要があるとき、全ての3つの変換器は同時に使用中であり、複数の変換器の間の複数のスイッチは全て閉じられてそれらを並列で接続する。この場合においてはしかし、いかなるオプションも、直列接続される複数の変換器を有することについて存在しない(図22の実施形態参照)。
【0096】
モジュールの動作時インスタンス化の例
複数のサブストリングの複数の接続が説明されたセクションにおいて、直列接続及び並列接続は個別に議論された。本発明の複数の実施形態に従って、モジュールの動作時インスタンス化において、そのような複数の接続のハイブリッドを有することが可能である。複数のサブストリングのいくつかのグループは、並列及びその他直列で接続可能である。各シナリオにおける複数のサブストリングをどのように接続するかの決定は、複数のサブストリングの複数の動作条件と電力需要との両方に依存する。複数のサブストリングの接続は、どの変換器が特定のシナリオにおいて使用されるのかを決定する。上述のように、どの変換器が使用されるかに従って、可能な相互変換器接続は制限されてもよい。しかしながら、複数の変換器は任意の方法において接続可能であり、このことは複数のサブストリングの接続に独立して、適法である。
【0097】
図23の実施形態において、1つのグループは、直列接続されて次いで並列接続されるサブストリング対(1,2)及び(3,4)から成る。第2のグループは直列のサブストリング5及び6である。各グループはローカル変換器に接続される。使用される複数の変換器は番号2及び3であり、直列接続される(複数の変換器の並列接続はまた、複数のサブストリングのこのグルーピングを用いて、可能であろう)。
【0098】
図24の実施形態において、複数のサブストリングの2つのグループがある。サブストリング1,2,3,及び4は直列接続されて変換器番号2に接続されるとともに、サブストリング5及び6は再び直列接続されて変換器3に接続される。それらの間の複数の変換器は、並列接続される。
【0099】
垂直分離トポロジー
a.垂直分離:基本
現時点で、説明されたモジュールの構成は、異なる複数の動作時インスタンス化が水平方向における異なる複数の照射シナリオを利用することを可能にする。影が垂直方向にのみ移動しているとき、いかなる動作時インスタンス化もモジュールの効率を改善するために存在しない。上述のように、「サブストリングの選択」のセクションにおいて、垂直方向における照射のより少ない差異、及び垂直方向の影によるより少ない電力損失を有するために、モジュールの最も短い寸法を有して複数のサブストリングを形成することが好ましい。しかしながら、垂直方向におけるいくつかの柔軟性は必要とされて、複数のサブストリングの垂直分離が考えられる。
【0100】
複数の垂直分離の実施形態の目的は、複数のサブストリングを垂直方向に分割することによって、より多く調整可能なモジュールを有することである。垂直分離の概念は当然に、モジュールのどの寸法においてサブストリングが形成されることとなるのかの選択の決定に影響を与える。
【0101】
サブストリングの分割及びサブストリングの接続
10×6のモジュールが考慮されるとき、適用される垂直分離を有しない最適な選択は、6つのセル長の10個のサブストリングを有することである。複数のサブストリングの垂直分割を有する実施形態は、3つのセル長の20個のサブストリングを有するモジュールを導く。初めの10個のサブストリングの各サブストリングは、3つのセルの2つのサブストリングに分割される(図25の実施形態参照)。モジュールは今や、複数のサブストリングの2つの分離セット(複数の行)である上位のセット及び下位のセット(行)からなる。電流の流れは、各サブストリングの2つのピンにおける「入力」及び「出力」によって示される。
【0102】
この実施形態において、モジュールは今や、10×3の2つのサブモジュールとして見られることが可能である。しかし複数のサブストリングの各セットがしかしそれ自身上の個別のモジュールとして取り扱われるとき、(前の複数のセクションにおける)上述の全ての接続のために必要とされる配線は、複数のサブモジュール又は複数のサブストリングのセットをまだ有してもいない、垂直分離の前に使用されるものの量の2倍になるであろう。付加されるであろう全ての配線は、モジュールの柔軟性に寄与して異なる複数の水平放射シナリオのもとで動作して、これにおいて垂直分離は全く不必要である。垂直分離が適用される場合、従って2つの水平サブモジュールの間の全ての配線接続を保つために有用ではなく、従って垂直分離を有する複数の実施形態において、そのように(下記参照)大量に切り取ることが好ましい。対照的に、モジュールの上部及び底部の接続(対応して複数のサブストリングの上位セットの上部及び複数のサブストリングの下位セットの底部)は、直列及び並列の場合に対して両方、前述のように残される。
【0103】
b.垂直分離:直列接続
垂直分離及び直列接続を有する複数の実施形態において、モジュールの中間において、複数のスイッチは、全てのサブストリングが直列接続されることを可能にするために付加可能である。垂直方向における非一様性の場合において、これらのスイッチは一定して閉じた位置にあり、モジュールが10個のサブストリングのモジュールとして機能することを可能にする。複数の配線はまた、対応して上位セット及び下位セットの全てのサブストリングの直列接続を可能にするように付加される。複数のサブストリングの上位セット及び下位セットが、異なる複数の照射条件下において動作する場合、2つのセットは独立して機能する。照射の同時水平変化の場合においてある柔軟性を可能とするために、複数の配線は付加されて、複数のサブストリングの各セットにおける全ての近傍のサブストリングを接続する。2つのセットの相互作用のみは、サブストリングNuを有する各Nlサブストリングの可能性がある接続である。モジュールの直列接続は図26の実施形態において示される。
【0104】
c.垂直分離:並列接続
複数の並列接続を用いた複数のサブストリングの2つのセットの相互作用は、予期される利得によって補償されることとはならないオーバーヘッドを引き起こすであろう。本発明のこれらの実施形態において、モジュールの中間に付加される複数の配線のみは、垂直分離が使用されるときに、水平方向におけるモジュールの柔軟性の増加を目的とする。各行の複数のサブストリングは、電流の流れの同一の方向を可能にする最も近いサブストリングと潜在的に並列接続されることが可能である。モジュールの複数の並列接続は図27の実施形態において示される。
【0105】
6つのセルの10列を有する、原理の例示のために用いられる例示のモジュールにおいて、この実施形態において、各列は、2つのサブストリングに分割されて、3つのセルの20個のサブストリングを導く。標準的なモジュールサイズは6×9であると考えられる。上で分析された前述の複数の構成において、モジュールの9つのセルの6つのサブストリングへの分割又は6つのセルの9つのサブストリングへの分割のいずれかは、導入される。垂直分離が6×9のモジュールの実施形態において適用されるべきならば、より短いサブストリングの長さを初めに有することが好ましいことが可能である。モジュールが6つのセル長の9つのサブストリングを有するように組織される場合、垂直分離は前に説明されたものに類似するであろう。各サブストリングは3つのセルの2つのサブストリングに分割されるであろう。そのようなことはもちろん、奇数個の列があることを意味し、このことは、全ての直列接続において、モジュールの入力ピン及び出力ピンがモジュールの異なる側に配置されるであろうことを示す。そのような場合において、追加の配線及び構成要素の最小の付加を有する全てのもっともらしい放射シナリオの最も幅広い範囲を有するように、長い配線があるべきという考察が必要とされる。モジュール内の複数のセルの電気的接続の方向の変更が容認可能でない場合において、垂直分離は9つのセルの複数のサブストリングに適用される。1つの実施形態において、複数のサブストリングの単一の分離があり、複数のサブストリングは、上述(図28の実施形態参照)のように複数のサブストリングの複数のセットの間の同一の接続を有する5つ及び4つのセルの2つのサブストリングに分割される。
【0106】
9つのセルの長さは、6つのセルのものに比較して、より多くの放射変化がそのような寸法において存在できることを意味する。さらなる複数の実施形態において、垂直方向における複数のセルのさらなる分離は従って適用可能であり、各列における3つのセルの3つのサブストリングを導く。モジュールは、上位(u)、中間(m)、及び下位(l)のセットの、複数のサブストリングの3つのセットを有するであろう。複数のサブストリングの複数のセットの間の直列接続及び並列接続は、10×6のモジュールの場合(図29の実施形態参照)において分析されるのと同様であろう。
【0107】
結論として、垂直分離は、本発明の複数の実施形態における元のサブストリングの2つへの単一の分割があることを必要に意味しない。さらなる複数の分割は、それが必要又は有用ならば、行われることが可能である。複数のサブストリングにおけるセルの最小量はしかし、全ての可能性がある接続のために必要とされる付加的な配線による大きなオーバーヘッドを有しないために、割り当てられる必要がある。提案される最小数はサブストリング当たり2〜3セルである。
【0108】
垂直分離:変換器
標準的なトポロジーにおける複数の変換器に関して、ローカルdc/dc変換器の数が公式(サブストリングの数/2)を用いて計算されることが上述されている。長い接続の非存在と偶数個のハイブリッドサブストリングとを組み合わるこの公式は、単一のサブストリングが絶縁されることができないことを意味する。垂直分離が6×10のモジュールに適用される場合、結果は20個のサブストリングを有することである。上記の公式に従うと、必要とされるローカルdc/dc変換器の数は10である。複数の変換器は、モジュールの両側に位置するように分割されるか、モジュールの一方の側上に集結されるかのいずれかであることが可能である。
【0109】
モジュールの両側の変換器
主として水平方向においてか、主として垂直方向においてかのいずれかの非一様な放射を有することが予期される。両方の重ね合わせが可能であるが、市松模様放射シナリオは全く起こりそうもないと考えられる。前述のように、垂直方向の放射の変化の場合において、複数のサブストリングの複数のセットの独立性は必要である。放射が垂直方向において変化するのみの場合、必要とされる変換器の数は、モジュールの複数のサブストリングのセットの数に等しい。6×10のモジュールの場合において、2つの変換器は、モジュールの上部側からの1つの変換器及び底部側からの他の変換器、というようなシナリオにおいて使用されることとなる。複数の水平放射シナリオにおいて、モジュールは、モジュールの底部側に位置する複数の変換器を主として用いて、前述の垂直分離のように機能することとなる。そのような理由のために、且つ、オーバーヘッドを低減するために、本発明の複数の実施形態において、より少ない変換器がモジュールの上部側に配置される必要があり、結果として非対称的な又は非一様なモジュールが得られる。複数のサブストリングの(中間部ではなく、モジュールの上部か底部かのいずれかにある)全ての入力ピン及び出力ピンは、複数の変換器に接続される。複数の変換器接続は、「内部変換器接続」のセクションにおいて説明したとおりである。図30に示される実施形態において、モジュールの複数の接続が示され、しかし一方、複数の変換器は分析的に示されていない。
【0110】
複数の変換器はモジュールの上部及び底部の両方において存在するが、非対称的な又は非一様なモジュールを得る長い配線は結果として存在しないため、各変換器のための複数の入力ピンはモジュールの同一の側にある必要がある。照射が垂直方向及び水平方向の両方において同時に変化する場合において、モジュールは、垂直分離を可能にすることによって2つに分割可能であり、次いで複数のサブストリングの2つのセットは独立して取り扱われて複数の水平動作条件の複数の差異を考慮することが可能である。複数のサブストリングの各セットは、モジュールの対応している側の複数の変換器を使用する。そのようなシナリオにおけるもう1つのオプションはモジュールの部分においてのみ垂直分離を適用することであり、これは、そのようなことが可能である場合に垂直放射の変化による影響を受けることが可能である。例えば放射がモジュールのちょうど4つの初めの列において垂直に変化すると、垂直分離はちょうどそこで適用可能であるが、垂直方向における放射が一様であるためにモジュールの他の列(5から10)は分割されない。
【0111】
複数のサブストリングの各セットがモジュールの一方の側のそのそれ「自身」の複数の変換器に接続されることが上述された。モジュールの行又は列が3つに分割される場合において、結果は上位、中間、及び下位のセットの、サブストリングの3つの分離セットである。各セットは、サブストリングの等しい数を共有するが、モジュールの上位部分又は下位部分のいずれかに属するサブストリングのみは、複数のローカル変換器が潜在的に配置されるモジュールのエッジ上に複数のピンを有する。複数の変換器を中間部分に配置することは、非常により高い技術的努力、増加したコストを必要とするであろう。そして、複数の変換器を中間部分に配置することは、おそらく望まれる結果を導かないこととなる。変換器を有するモジュールの中間のセットに属する複数のサブストリングを接続することのオプションを有することは必要であると考えられる場合、いくつかの長い配線を付加することがより好ましい。いかなるそのようなオプションも必要とされない場合、中間部における複数のサブストリングは、モジュールの上位部又は下位部に直接的に接続されることとなる。そのような理由のために、モジュールのサブストリングの全数を計算する間、モジュールの中間セットに属する複数のサブストリングは考慮されない。
【0112】
一方の側の変換器
モジュールの上部において複数のローカル変換器を減らす極端な場合は、モジュールのちょうど一方の側の複数の変換器を有することであり、底部側は結果として非対称的な又は非一様なモジュールを得る。複数の水平放射変化は、付加的な配線が必要とされることなく、前に説明されたのと同一の方法において取り扱われる。しかし垂直分離が適用される場合、入力ピン及び出力ピンは複数のサブストリングの両方のセット(上位及び下位)からのモジュールの両側に位置する。これはモジュールをわたるいくつかの長い配線の存在を許すことによって補償されて、モジュールの上部側の複数のサブストリングの「複数のピン」がモジュールの底部側において複数の変換器に接続することを可能にする。この構成はもはや垂直方向において全く対称的ではなく、それは高度に非一様なモジュールを導く。モジュールの上部上の複数のサブストリングの入力ピン及び出力ピンの全てが複数の変換器に潜在的に接続されることとなるとは限らない。エッジ(左及び右)に近い入力ピン及び出力ピンは、複数の変換器に接続される必要がある。しかし問題がここで提起され、すなわち、この場合において、モジュールの上部かモジュールの中間部かのいずれかの上位のサブストリングの入力ピン及び出力ピンを複数の変換器と接続するために、複数の配線が付加される必要がある。複数の配線が上部に付加される場合、モジュールの機能性は上述と同一であることが可能であり、さもなければ機能性はわずかに異なる。第一の場合において、ほとんどの接続も有する複数のサブストリングの上位のセットの上部側が複数の変換器に接続されるのに対して、第二の場合においては、より少ない接続を有する中間側が複数の変換器に接続される。前に分析されたように、第二の場合は複数のサブストリングの直列接続に対して好ましい。複数の配線の付加のハイブリッドはまた、それがより多くの柔軟性を導く可能性があるため、考えられることが可能である。
【0113】
図31及び32の実施形態において示される長い複数の配線は任意に選択され、当該長い複数の配線は、複数の配線がモジュールの上部とモジュールの中間部との複数のピンをそれぞれ接続する場合にどのように複数の配線が配置されることとなるかをちょうど示す。どのピンが接続されることとなるのかは、コスト要求と各放射シナリオの頻度とに、主として依存する。図31及び32の実施形態において示される破線の複数の配線は、そのような位置上において、図示されていないスイッチが存在することを示す。
【0114】
上部の複数の変換器の除去とモジュールをわたるいくつかの長い配線の付加とは、オーバーヘッドの低減は別として、複数のセルのちょうど1つの列の電気的絶縁をまた可能にする。変換器の入力ピンのために使用される2つのピンは、モジュールの異なる複数の側から接続されることが可能である。このことは、モジュールの列1が除去される必要がある場合に、入力が列10の底部にあることが可能であるとともに出力が列2の上部にあることが可能であることを意味する。
【0115】
垂直分離の応用を用いたモジュールの動作時インスタンス化の例
図33の実施形態において、ちょうど垂直放射変化があり、従ってモジュールは2つのサブモジュールに分割される。複数の変換器がモジュールの底部に配置されるため、複数の長い配線は、上位のサブモジュールを複数の変換器に接続するために使用される。この場合において、複数の長い配線は、複数の変換器を、モジュールの上部側に位置する上位の複数のサブストリングの入力ピン及び出力ピンと接続する。
【0116】
図34の実施形態において、複数の接続は、同一の影の条件において示され、ここで、複数の変換器は、複数のモジュールの両側に配置される。
【0117】
図35の実施形態において、複数の変換器はモジュールの両側に配置される。モジュールの最初の4つの列は垂直の影の影響を受けそうになく、従って、垂直分離はモジュールのそのような部分において適用されない。残りのモジュールは分割される。3つの変換器は、複数のサブストリングのこのグルーピングのために必要とされて、上部側からの1つの変換器及び底部側からの2つの変換器は結果として非対称的な又は非一様なモジュールをもたらす。いかなる変換器もモジュールの上部側に配置されなかった場合、複数の長い配線は、複数のサブストリングの上位のセットを、モジュールの底部における複数の変換器と接続することが必要とされるであろう。
【0118】
アクティブに制御されるバイパスダイオード
アクティブに制御されるバイパスダイオードは、制御可能な特定の量の電流が流れることを可能にするダイオードである。通常のバイパスダイオードと比較すると、アクティブに制御されるバイパスダイオードを介してバイパスされる電流は制御可能である。以後、バイパスダイオードの用語は、アクティブに制御されるバイパスダイオードを指すために使用される。提案されるトポロジーの目的は、前述のように、モジュールの、複数のセルの複数のグループへの分割であり、当該複数のセルは同一の量の電流か電圧か(直列接続及び並列接続)のいずれかを発生する。上述された動作時可変(「ノブ−制御される」)トポロジーにおいて、特定のグループに属するように又は属さないように選択可能であるモジュールのより小さな構成要素はサブストリングであり、単一のソーラーセルではない。より一層、サブストリングは好ましくは、少なくとも2つのサブストリングのグループに属する必要がある。単一のサブストリング又はより少数のセルが、残りのモジュールとは異なる複数の条件下で動作する場合において、これらのセルは少なくともあと1つのサブストリングの動作に影響を及ぼす。バイパスダイオードがそのような複数のセルと並行に配置されるとき、過電流はダイオードを通って流れて残りの複数のセルがそれらの最大電力を発生することを可能にすることとなる。複数のバイパスダイオードがモジュール上に配置されることが可能であるいくつかの潜在的な位置があることは明白である。原則として、複数のダイオードはモジュールの任意の2つのセルを潜在的に接続可能であろうが、特に長い配線又は他の複数の配線の横断が必要とされる2つのセルを接続するダイオードを有することはコスト効率が良くない。図36の実施形態において、複数のダイオードの配置の原則は示される。完全な又は一様な照射条件の下で、全てのバイパスダイオードは非アクティブである。複数のダイオードは、スイッチによって電気的に非接続とされていないが、制御可能であるそれらの固有抵抗の交代によって電気的に接続される。
【0119】
本発明の複数の実施形態において、アクティブに制御されるバイパスダイオードの複数の位置は以下の通りであることが可能である:
1.サブストリングの横断:前の複数のセクションにおいて説明された複数の接続において、サブストリングの対よりも少ない数のセルを非接続にすることは可能ではないことが指摘された。アクティブに制御されるバイパスダイオードは、ちょうど1つのサブストリングを除去するために、又は過電流がダイオードを介して流れることを可能にすることによって異なる電流を発生する2つ又はそれ以上のサブストリングの接続を可能とするために、使用可能である。
2.単一のセルの横断。この場合は過度に粒度が細かく、過度のコストが増大することを証明することが可能であり、従って、これ以上考慮されることはない。
3.サブストリング内の複数のセルの横断。これは潜在的にまだ有用であるが、潜在的なエネルギー収量利得の予測と比較すると、通常は過度にコストがかかるであろう。
4.近傍のサブストリングの接続。複数の照射条件が接続されたセットからの複数のサブストリングのセクションをカバーしていることが予期されるならば、このオプションは潜在的に有用となる。
【0120】
図37は完全なパラメータ化されたトポロジーにおいて利用できる全ての可能なハイブリッドを示す。
【0121】
本発明の複数の実施形態は、図示されている複数のテンプレートを提供し、さらなる柔軟性を可能とする異なる複数の現実的な物理的構成を有するために、組み合わせ可能である。柔軟な/ハイブリッド、直列、又は並列の複数のサブストリング接続の概念、複数のローカルdc/dc変換器の配置、複数の垂直分離オプション、及びアクティブ制御される複数のバイパスダイオードは、非常に柔軟な方法で組み合わせて、モジュールの全体の効率を向上させることが可能である。それらを組み合わせる間に、これらの異なるオプションの間の単一の方向の方法において伝搬される複数の制約を含めることが重要である。
【0122】
これらの設計方法は、例えばコンピュータ上で実行するときにPVモジュールを計画及び/又は設計することを可能にするモジュールとして、ソフトウェアを提供することによってコンピュータ上で実施可能である。ソフトウェアは、コンピュータ上で実行するときに、それが本発明の複数の特徴の組み合わせを選択すること又は決定することを可能にするように適合され、ここで上記特徴の組み合わせは、例えば、コスト、効率及び柔軟性を最適化するための最良のアプローチである。コンピュータシステムは、複数の入力制約が自動的に与えられる設計を提案するようにセットアップされたエキスパートシステムを備えることが可能である。
【0123】
コンピュータは、プロセッサと、そのプロセッサによって実行されるときにプロセッサに上述の複数の方法を実行させる機械読み出し可能な複数の命令(上述のようなソフトウェア)を格納するメモリとを備えることが可能である。コンピュータは、例えばユニックスワークステーション又はパーソナルコンピュータである一般目的コンピュータとして実施されてもよい。
【0124】
コンピュータは典型的には、米国のインテル株式会社によって供給されるペンティアム(登録商標)プロセッサはただの一例であり且つ多数の他のユニットがバスシステムを介して相互接続される従来のマイクロプロセッサなどの、中央処理装置(「CPU」)を含む。バスシステムは任意の適切なバスシステムであってよい。コンピュータは、少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、当業者に知られたランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読み出し専用メモリ(「ROM」)、及びハードディスクなどの不揮発性読出/書込メモリなどの、当業者に知られた多様なデータストレージ装置のうちのいずれを含んでもよい。例えば、コンピュータは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)及び読み出し専用メモリ(「ROM」)、並びに、システムバスをビデオディスプレイ端末に接続するためのディスプレイアダプタ及び周辺機器(例えば、ディスク装置及びテープ装置)をシステムバスに接続するオプションの入力/出力(I/O)アダプタをさらに含んでもよい。ビデオディスプレイ端末は、コンピュータの視覚的出力であることが可能であり、また、コンピュータハードウェアの技術分野において周知のCRT型のビデオディスプレイなどの任意の適切なディスプレイ装置であることが可能である。しかしながら、デスクトップコンピュータ、携帯型又はノートブック型のコンピュータを用いて、ビデオディスプレイ端末はLCD型又はガスプラズマ型のフラットパネルディスプレイと置き換え可能である。コンピュータは、さらにキーボード、マウス、及びオプションのスピーカを接続するためのユーザインタフェースアダプタを含む。
【0125】
コンピュータはまた、機械読み出し可能な媒体内に存在してコンピュータの動作を指示するグラフィカルユーザインタフェースを含むことが可能である。任意の適切な機械読み出し可能な媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気ディスケット、磁気テープ、又は光ディスク(最後の3つはディスク装置及びテープ装置に配置される)などの、グラフィカルユーザインタフェースを保持してもよい。任意の適切なオペレーションシステム及び関連するグラフィカルユーザインタフェース(例えば、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)、Linux(登録商標))は、CPUを指示してもよい。また、コンピュータは、コンピュータメモリストレージ内に存在する制御プログラムを含む。制御プログラムは、CPU上で実行されるときに、コンピュータに、本発明の複数の方法のうちのいずれかに関して説明された複数の動作を実行させることを可能にする複数の命令を含む。
【0126】
グラフィカルユーザインタフェースは、それが進展しつつあるPVモジュールを可視化するために使用される。それはまた計画及び/又は設計のために使用可能であるとともに、例えば計画される/シミュレーションが行われるPVモジュールの効果に関する質的及び/又は量的なフィードバックを視覚化するために、種々の照射条件下でモジュールの動作時動作のシミュレーションを行うことに適合可能であり、それはまた設計のアプローチ又は最良のアプローチの選択又は決定の視覚化のために使用可能である。
【0127】
当業者であれば、コンピュータハードウェアなどの技術分野において周知である光ディスク媒体、複数のオーディオアダプタ、又はPAL若しくはEPROMプログラミング装置などの複数のチッププログラミング装置などの他の複数の周辺機器が、既に説明したハードウェアに加えて又はそれに替えて、使用されてもよいことが分かるであろう。
【0128】
本発明の方法を実行するためのコンピュータプログラムプロダクトは、任意の適切なメモリにおいて存在可能であり、本発明は、コンピュータプログラムプロダクトを実際に格納するために使用される特定の種類の信号搬送媒体に関わりなく等しく適用する。コンピュータ読み出し可能信号搬送媒体の例は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、固体状態記憶装置、テープストレージ装置、磁気ディスクなどの記録可能な種類の媒体を含む。
【0129】
従って、本発明はまた、適切なコンピューティング装置上で実行されるときに本発明の複数の方法のいずれかを実行するソフトウェアプロダクトを含む。適切なソフトウェアは、Cなどの適切な高級言語でプログラミングして目的のコンピュータプロセッサのための適切なコンパイラ上でコンパイルすることによって取得可能である。
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