特許第6389457号(P6389457)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389457
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】光源回路
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20180903BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20180903BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
   H01L33/00 J
   H05B37/02 L
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-512160(P2015-512160)
(86)(22)【出願日】2013年5月6日
(65)【公表番号】特表2015-522903(P2015-522903A)
(43)【公表日】2015年8月6日
(86)【国際出願番号】IB2013053619
(87)【国際公開番号】WO2013171622
(87)【国際公開日】20131121
【審査請求日】2016年4月6日
(31)【優先権主張番号】61/646,934
(32)【優先日】2012年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ファン アープ ヨセフュス アドリアヌス マリア
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−059260(JP,A)
【文献】 特開2011−009078(JP,A)
【文献】 特開2009−152518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色の光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードの第1のグループと、
第2の色の光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードの第2のグループと、
第3の色の光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードの第3のグループと
を有する光源回路であって、
前記発光ダイオードの前記第1、第2及び第3のグループは、固定された電流が光源回路に到達したとき、前記固定された電流が前記第1、第2及び第3のグループ間で共有されるように配されており、
前記光源回路は、前記第1及び第2のグループの各々を流れる前記固定された電流の割合が、単一の受け取られた制御信号に依存して制御可能であるように、かつ、前記固定された電流の残りが前記第3のグループを流れるように構成されている、光源回路。
【請求項2】
前記発光ダイオードの前記第1のグループと直列に接続されている第1のトランジスタと、
前記発光ダイオードの前記第2のグループと直列に接続されている第2のトランジスタと、
を更に有する請求項1に記載の光源回路であって、
前記制御信号の変化が、それぞれ第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを流れる前記固定された電流の割合における変化を生じるように構成されている請求項1に記載の光源回路。
【請求項3】
前記制御信号に基づく第1の信号が前記第1のトランジスタの制御端子に供給され、前記制御信号に基づく第2の信号が前記第2のトランジスタの制御端子に供給されるように構成されている請求項2に記載の光源回路。
【請求項4】
前記制御信号に基づく前記第1及び第2の信号が前記制御信号に依存して互いに対して変化するように構成されている請求項3に記載の光源回路。
【請求項5】
前記発光ダイオードの前記第3のグループと直列に接続されている第3のトランジスタを更に有する、請求項3又は請求項4に記載の光源回路。
【請求項6】
前記制御信号に基づく第3の信号は、前記第3のトランジスタの制御端子において受け取られ、前記第3の信号は、前記第1及び第2の信号よりも常に大きい、請求項5に記載の光源回路。
【請求項7】
前記発光ダイオードの前記第3のグループの組み合わされた順電圧は、発光ダイオードの前記第1のグループの組み合わされた順電圧及び前記発光ダイオードの前記第2のグループの組み合わされた順電圧よりも大きい、請求項1乃至6の何れか一項に記載の光源回路。
【請求項8】
前記制御信号が第1のレベルにある場合、前記固定された電流の最大の割合が前記発光ダイオードの前記第3のグループを流れ、前記制御信号が第2のレベルまで変化するにつれ、前記発光ダイオードの前記第1及び第2のグループを流れる前記固定された電流の割合が増大するように構成されている、請求項1乃至7の何れか一項に記載の光源回路。
【請求項9】
前記制御信号が前記第2のレベルから第3のレベルに変化するにつれ、前記発光ダイオードの前記第1のグループを流れる前記固定された電流の割合は減少し、前記発光ダイオードの前記第2のグループを流れる前記固定された電流の割合は増大し続けるように構成されている請求項8に記載の光源回路。
【請求項10】
前記第2のグループは、赤色光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードにより構成され、
前記第3のグループは、白色光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードにより構成され、
前記発光ダイオードの前記第1のグループは、組み合わされた発光がライム色である1つ以上の発光ダイオーにより構成される、
請求項1乃至9の何れか一項に記載の光源回路。
【請求項11】
前記制御信号が前記第1のレベルから異なるレベルに変化するにつれ、前記発光ダイオードの前記第1、第2及び第3のグループの組み合わされた発光の色は、全般的にプランク軌跡を辿って従って変化するように構成されている、請求項8又は9に記載の光源回路。
【請求項12】
光源回路を製造する方法であって、
第1の色の光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードの第1のグループを設けるステップと、
第2の色の光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードの第2のグループを設けるステップと、
第3の色の光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードの第3のグループを設けるステップと、
前記発光ダイオードの前記第1、第2及び第3のグループを、固定された電流が光源回路に到達するときに、前記固定された電流が前記第1、第2及び第3のグループ間で共有されるように配するステップと、
前記光源回路を、前記第1及び第2のグループの各々を流れる前記固定された電流の割合が、単一の受け取られた制御信号に依存して制御可能であるように、かつ、前記固定された電流の残りが前記第3のグループを流れるように構成するステップと、
を有する方法。
【請求項13】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の光源回路を有するLED光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源回路に関し、より詳細には、発光ダイオードを有する光源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
高い発光効率のために、発光ダイオード(LED)が、照明アプリケーションの増加の一途をたどっている範囲において使用されている。LEDは、従来の電球によっては可能ではない又は容易に達成することができない多数の様々な機能を提供する。このような機能の1つは、単一の電球の明度又は色を変える性能である。一般に、LED電球に関して、この機能は、LED電球に複数の異なる色のLEDを供給し、各色のLEDに供給される電流量を制御するパルス幅変調(PWM)を用いることにより達成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、PWMの使用は、変化する電力レベル及び高周波に対処することが可能である電源及び回路を必要とする。このことは、回路の金銭的なコストを増大させ、電磁機能(EMC)に悪影響を与え得る。従って、可変の色又は明度(tint)を有するLED電球であって、この機能を提供するのにPWMを使用しないLED電球に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述を考慮して、第1の検知において、本発明は、第1の色の光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードの第1のグループと、第2の色の光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードの第2のグループと、第3の色の光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードの第3のグループとを有する光源回路を提供する。発光ダイオードの前記第1、第2及び第3のグループは、固定された電流が光源回路に到着する場合に、固定された電流が第1、第2及び第3のグループ間で共有されるように配されている。当該回路は、前記第1及び第2のグループの各々を流れる固定された電流の一部が、受け取られた制御信号に依存して制御可能であり、この結果、固定された電流の残りは前記第3のグループを流れるように、構成されている。当該光源回路の組み合わされた発光は、単一の制御信号のみを使用して、色度の範囲にわたって徐々に変化されることができる。このように、組み合された発光の色度を変えることは、比較的直接的なものであり、本線電源を調整している従来の調光器のような、既存のインフラストラクチャを用いて実行されることができる。更に、色度を変化させることは、PWMの使用を必要とせず、電力に対するPWM固有の要件を必要としない。従って、回路に対する電源は、より単純なものになることができる。従来のLED電球に対する多くの既存の電力供給は、定電流源を提供するように構成される。このように、本発明の光源回路は、既存の電力供給によって、容易に利用されることができる。
【0005】
前記光源回路は、更に、発光ダイオードの第1のグループと直列に接続される第1のトランジスタ、発光ダイオードの第2のグループと直列に接続される第2のトランジスタを有しており、当該回路は、制御信号の変化が第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを流れる固定された電流の一部における変化をもたらすように構成されている。このことは、単一の制御信号が徐々に色度を変化させるのに使用されることができる仕方の1つである。当該回路は、制御信号に基づく第1の信号が前記第1のトランジスタの制御端子に供給されるように、かつ、制御信号に基づく第2の信号が前記第2のトランジスタの制御端子に供給されるように構成されることができる。当該光源回路は、制御信号に基づく第1及び第2の信号は、当該制御信号に依存して互いに対して変化するように構成されることができる。前記光源回路は、更に、発光ダイオードの第3のグループと直列に接続される第3のトランジスタを有することができる。制御信号に基づく第3の信号は、第3のトランジスタの制御端子において受け取られることができ、第3の信号は、第1及び第2の信号よりも常に大きい。
【0006】
発光ダイオードの第3のグループの組み合わされた順電圧は、発光ダイオードの第1のグループの組み合された順電圧及び発光ダイオードの第2のグループの組み合わされた順電圧より大きいものであり得る。
【0007】
前記光源回路は、制御信号が第1のレベルにある場合、前記固定された電流の最大の割合は発光ダイオードの第3のグループを流れ、制御信号が第2のレベルまで変化するのにつれて、発光ダイオードの第1及び第2のグループを流れる前記固定された電流の割合が増大するように構成されることができる。当該回路は、制御信号が第2のレベルから第3のレベルに変化するにつれ、発光ダイオードの第1のグループを流れる前記固定された電流の割合が減少し、発光ダイオードの第2のグループにおいて流れる前記固定された電流の割合は増大するように構成されることができる。
【0008】
発光ダイオードの第2のグループは、赤色光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードにより構成されることができ、発光ダイオードの第3のグループは、白色光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードにより構成されることができ、発光ダイオードの第1のグループは、組み合わされた発光がライム色である1つ以上の発光ダイオードにより構成されることができる。前記光源回路は、制御信号が徐々に第1のレベルから様々なレベルに変化するにつれて、発光ダイオードの第1、第2及び第3のグループの組み合わされた発光の色が、全体的にプランク軌跡を辿って変化するように構成されることができる。プランク軌跡とは、様々な異なる技術を使用して利用可能な白色の異なる明度の表現である。プランク軌跡上にある色は、白色であるが異なる「暖かさ」を有するように知覚される。このように、光源回路は、発された光の暖かさを変化させることによって雰囲気の微妙な変化を提供するように使用されることもできる。プランク軌跡に沿って光の色を変化させることは、人々のムードと、人々の周囲の雰囲気の知覚に影響を与える。対照的に、プランク軌跡から逸脱する場合、人々は白色の代わりに有色の光を知覚することができ、従って、上述の利点が当てはまらない。
【0009】
第2の見地において、本発明は、第1の色の光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードの第1のグループを設けるステップと、第2の色の光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードの第2のグループを設けるステップと、第3の色の光を発するように動作可能な1つ以上の発光ダイオードの第3のグループを設けるステップと、発光ダイオードの第1、第2及び第3のグループを、固定された電流が光源回路に到達したとき、前記固定された電流が第1、第2及び第3のグループ間で共有されるように、配するステップと、光源を、第1及び第2のグループの各々を流れる前記固定された電流の割合が、受け取られた制御信号に依存して制御可能であるように、かつ、固定された電流の残りが第3のグループを流れるように構成するステップとを有する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による光源回路の例である。
図2】様々な異なる制御信号を受け取った場合に図1の回路により出力される光の色度を示しているグラフである。
図3】本発明による光源回路の代替的な例である。
図4】様々な異なる制御信号を受け取った場合に図3の回路により出力される光の色度を示しているグラフである。
図5】本発明によれば光源回路の代替的な例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施例は、以下で、例として、添付図面を参照して記載される。
【0012】
以下の記載において、符号は、全体を通して類似の要素を参照している。
【0013】
図1は、本発明による光源回路1の例である。光源回路1は、LEDの複数のグループ10、12、14を有する。詳細には、図1の光源回路1は、LEDの第1のグループ10、LEDの第2のグループ12及びLEDの第3のグループ14を有する。LEDの第1、第2及び第3のグループ10、12、14の各々は、1つ以上のLED(例えば、10A、12A、14A)を有する。LEDのグループ10、12、14の各々は、異なる色の光を発するように動作可能である。図1の例において、LEDの第1のグループ10は、複数のLED10A、10B(この例においては2つ)から成り、これらは、ライム色光を発するように動作可能である(以下、ライム色LEDと称する)。LEDの第2のグループ12は、複数のLED12A、12B、12C(この例においては3つ)から成り、これらは、赤色光を発するように動作可能である(以下、赤色発光ダイオードと称する)。LEDの第3のグループ14は、複数のLED14A、14B、14C(この例においては3つ)から成り、これらは、白色光を発するように動作可能である(以下、白色LEDと称する)。この例において、第1、第2及び第3のグループ10、12、14の各々におけるLEDは、互いに直列に接続されている。
【0014】
LEDの複数のグループ10、12、14は、互いに並列に接続されている。このように、回路に到達する固定された電流は、複数のグループLED10、12、14間で共有されている。光源回路1は、固定された電流を供給する電流源70も有する。光源回路1は、第1及び第2のグループ10、12の各々へ供給される前記固定された電流の割合が、受け取られた制御信号に依存して制御可能であるように構成されている。当該回路は、固定された電流の残りは、第3のグループ14に供給されるようにも構成されている。
【0015】
図1の具体的な例において、光源回路10は、制御信号が第1のレベルにある場合、前記固定された電流の大部分が第3のグループ14の白色LEDを流れるように構成されている。制御信号が第2のレベルに向かって徐々に移行するにつれ、第1及び第2のグループ10、12のライム色及び赤色発光ダイオードを流れる電流は、それぞれ両方とも増加する。第1のレベルと第2のレベルとの間では、ライム色LED10A、10Bを流れる電流は、赤色発光ダイオード12A、12B、12Cを流れる電流よりも大きい。前記制御信号が、第2のレベルを超えて第3のレベルに徐々に移行するにつれて、ライム色LED10A、10Bにおける電流は徐々に減少し始める一方で、赤色発光ダイオード12A、12B、12Cにおける電流は増大し続ける。白色LED14A、14B、14C内を流れる電流(即ち、第1及び第2のグループ10、12内を流れていない電流の残り)は、前記制御信号が第1のレベルから第3のレベルへ移行するにつれて、徐々に減少する。白色LED14A、14B、14C内の電流は、第3のレベルにおいて、略ゼロである。第2のレベルと第3のレベルとの間の点において、第2のグループ12内を流れる電流は、第1のグループ10内を流れる電流よりも大きくなる。このようにして構成されている光源回路1は、制御信号が第1のレベルから第3のレベルまで変化するにつれ、LEDの第1、第2及び第3のグループ10、12、14の組み合わされた発光の色度がプランク軌跡(黒体軌跡としても知られている)を実質的に辿るのを可能にする。
【0016】
LEDの第1のグループ10は、第1のトランジスタ16と直列に接続されている。LEDの第2のグループ12は、第2のトランジスタ18と直列に接続されている。この例において、第1及び第2のトランジスタ16、18は、nチャネル・バイポーラ接合トランジスタ(BJT)である。第1及び第2のトランジスタ16、18のベース端子は、第1のレジスタ20を介して互いに接続されている。第1の伝導経路19は、第1のトランジスタ16のベース端子と第1の抵抗器20とを接続する。第2の伝導経路21は、第2トランジスタ16のベース端子と第1の抵抗器20とを接続する。第1の抵抗器20の存在は、依存関係を形成し、この結果、LEDの第1及び第2のグループ10、12における電流は互いにあまり異ならない。このことは、第1の抵抗器20が第1及び第2のトランジスタ16、18のベース端子における電圧間に存在し得る違いを制限するので、達成される。しかしながら、幾つかの代替的な実施例において、第1の抵抗器20は、回路1から省略されることができる。
【0017】
光源回路1は、制御可能な電圧源22を有する。これは、LEDの第1及び第2のグループ10、12を流れる電流を変化させるための制御信号として作用する電圧を供給する。制御可能な電圧源22は、第2のトランジスタ18を流れる電流の量を変化させるように、従ってLEDの第2のグループ12を流れる電流の量も変化させるように、少なくとも第2のトランジスタ18のベース端子に接続されている。この例において、前記制御可能な電圧源は、第1のトランジスタ16を流れる電流の量を変化させるように、従ってLEDの第1のグループ10を流れる電流の量も変化させるように、第1のトランジスタ16のベース端子にも接続されている。
【0018】
LEDの第1のグループ10は、第1のトランジスタ16のコレクタ端子に接続されている。第1のトランジスタ16のエミッタ端子は、第2の抵抗器64を介して接地に接続されている。LEDの第2のグループ12は、第2のトランジスタ18のコレクタ端子に接続されている。第2のトランジスタ18のエミッタ端子は、第3の抵抗器68を介して接地に接続しされている。第2及び第3の抵抗器64、68の抵抗は、同じである。第2及び第3の抵抗器64、68の存在は、当該回路を様々な温度の範囲にわたって、かつ、光源回路1の様々なインスタンス間において、より安定なものにする。このことは、これらの存在がベース―エミッタ電圧のドリフトに対する感度を低減させるからである。
【0019】
LEDの第3のグループ14は、接地に接続されている。LED第1及び第2のグループ10、12を流れる電流が制御信号に依存するのに対し、LEDの第3のグループ14を通る電流は、直接的に制御可能ではないが、代わりに、第1及び第2のグループ10、12を流れていない第1の電流の残りを有する。
【0020】
制御可能な電圧源22は、第1の制御回路24Aを介して第2のトランジスタ18のベース端子に接続されている。制御可能な電圧源22は、第2の制御回路24Bを介して第1のトランジスタ16のベース端子に接続されている。第1及び第2の制御回路24A、24Bは、LEDの第1、第2及び第3のグループ10、12、14の組み合わされた発光ができるだけ長くできるだけ密接にプランク軌跡を辿ることを保証するように構成される。図1の例において、このことは、ダイオード、抵抗器及びトランジスタを含むアナログの構成要素を使用して達成される。しかしながら、このことが、代わりに、単一の電圧を受け取り、第1及び第2のトランジスタ16、18のうちの少なくとも一方のベース端子に適切な電流を供給するためにこの電圧を使用するように構成されるマイクロプロセッサを使用して達成される得ることは言うまでもない。代替的には、このことは、オペアンプを使用して達成されることができる。
【0021】
図1において、第1の制御回路24Aは、制御可能な電圧源22と第2の伝導経路21との間に接続されている1つ以上の(この例においては3つの)並列回路分岐26A、26B、26Cを有する。第1の分岐26Aは、第4の抵抗器28を有する。第2の分岐26Bは、逆バイアスされた第1のツェナー・ダイオード32と直列の第5の抵抗器30を有する。第3の分岐26Cは、逆バイアスされた第2のツェナー・ダイオード36と直列の第6の抵抗器34を有する。第1及び第2のツェナー・ダイオード32、36の存在は、有意な電流が、制御可能な電圧源22と第2の伝導経路21との間の電位差が所定の値(即ちツェナー・ダイオード32、36の逆電圧)を超える場合にのみ、第2及び第3の分岐26B、26Cを流れることを意味する。対照的に、電流は、電位差が存在する限り、常に第1の分岐26Aを流れる。この例において、第1の分岐26Aは、第2のトランジスタ18のベース端子に最も近い位置において、第2の伝導経路21に接続されている。第3の分岐26Cは、第1の抵抗器20に最も近い場所において、第2の伝導経路21に接続されている。第2の分岐26Bは、第1及び第2の分岐26A、26Cが第2の伝導経路21に接続されている場所間の場所において、第2の伝導経路21に接続されている。
【0022】
第2の制御回路24Bは、制御可能な電圧源22と第1の伝導経路19との間で並列に接続されている1つ以上の(この例においては3つの)分岐38A、38B、38Cを有する。第1の分岐38Aは、第7の抵抗器40を有する。第2の分岐38Bは、第8の抵抗器44と直列に接続されている順バイアスされた従来のダイオード42を有する。第3の分岐38Cは、第3の逆バイアスされたツェナー・ダイオード48に直列の第9の抵抗器46を有する。第2の分岐38Bにおける第1の従来のダイオードの存在は、有意な電流が、制御可能な電圧源と第1の伝導経路19との間の電位差がダイオード42の順電圧よりも高い場合にのみ、第2の分岐を流れることを意味する。第3のツェナー・ダイオード48の存在は、有意な電流が、前記電位差が第3のツェナー・ダイオード48の逆電圧よりも大きい場合にのみ、第3の分岐38Cを流れることを意味する。電流は、電位差が存在する限り、第1の分岐38Aにおいて、常に流れる。この例では、第2の分岐38Bは、第1のトランジスタ16のベース端子に最も近い場所において、第1の伝導経路19に接続されている。第3の分岐38Cは、第1の抵抗器20に最も近い場所において第1の伝導経路19に接続されている。第1の分岐38Aは、第2及び第3の分岐38B、38Cが第1の伝導経路19に接続されている場所間の場所において、第1の伝導経路19に接続されている。
【0023】
第2の制御回路24Bは、第1及び第2の制御トランジスタ50、52も有する。この例において、第1及び第2の制御トランジスタ50、52は、p型チャネルBJTを有する。制御可能な電圧源22は、第4のツェナー・ダイオード56と直列に接続された第10の抵抗器54を介して、第1の制御トランジスタ50のベース端子に接続されている。制御可能な電圧源22は、第5のツェナー・ダイオード60と直列に接続される第11の抵抗器58を介して第2の制御トランジスタ52のベース端子に接続されている。
第1の制御トランジスタ50のコレクタは、この例においては、第2の制御回路24Bの第1及び第3の分岐38A、38Cが第1の伝導経路19に接続している場所間の場所において、第1の伝導経路19に接続されている。第1の制御トランジスタ50のエミッタは、接地に接続されている。第2の制御トランジスタ52のコレクタは、この例においては、第2の制御回路24Bの第1及び第2の分岐38A、38Bが第1の伝導経路19に接続している場所間の場所において、第1のトランジスタ16のベース端子に接続している。第2の制御トランジスタ50のエミッタは、接地に接続されている。第10及び第11の抵抗器45、58の抵抗は、同じであっても良い。
【0024】
第1及び第2の制御トランジスタ50、52の存在は、第1及び第2の制御トランジスタ50、52のベース端子と制御可能な電圧源22との間の電位差が第4及び第5のツェナー・ダイオード56、60の逆電圧を上回る場合、幾らかの電流が、第1の伝導経路から第1及び第2の制御トランジスタを流れることを意味する。このように、より少ない電流が、第1のトランジスタ16のベース端子へと流れ、こうしてより少ない電流が第1のトランジスタ16のコレクタ・エミッタ接合を流れ、このことは、より少ない電流がLEDの第1のグループ10にも流れ、従って、LEDの第1のグループ10により発される光の強度を減少させることを意味する。
【0025】
第1乃至5のツェナー・ダイオード32、36、48、56、60の各々は、様々な逆電圧を有していても良い。ツェナー・ダイオード32、36、48、56、60の逆電圧は、制御電源の電圧の範囲に基づいて選択される。ツェナー・ダイオードの各々は、光源回路1の色度のグラフ(図2参照)の勾配における変化の原因となる。このように、ツェナー・ダイオード32、36、48、56、60の含有は、光源回路が色度のより広い範囲にわたるプランク軌跡を辿ることを可能にする。このことは、図2及び4の比較から明らかである。
【0026】
図1の実施例に示されていないが、光源回路1は、更に、電流源70と接地との間に接続された電流保護分岐を有していても良い。このような電流保護分岐は、LEDの第1、第2及び第3のグループ10、12、14と並列に接続されることができる。電流保護分岐は、少なくとも、逆バイアスされるツェナー・ダイオードと直列に接続される抵抗器を有することができる。電流源70と接地との間の電位差がツェナー・ダイオードの逆電圧を超える場合、電流の保護分岐は、電流を伝導し始める。このことは、LEDの第1、第2及び第3のグループ10、12、14を流れることができる電流の量を減少し、これにより過剰な電流による損傷からLEDを保護する。
【0027】
1つの例において、図1に示されている電気的構成要素は、以下の電気的特性を有する。しかしながら、以下の特性が例のみであり、様々な特性を有する構成要素が、代わりに使用されることができることは、言うまでもない。
第1の抵抗器20の抵抗=15,000オーム(Ω)、
第2の抵抗器64の抵抗=0.68Ω
第3の抵抗器68の抵抗、=0.68Ωの
第4の抵抗器28の抵抗、=2,400Ω
第5の抵抗器30の抵抗、=1,800Ω、
第6の抵抗器32の抵抗、=220,000Ω、
第7の抵抗器40の抵抗、=4,200Ω、
第8の抵抗器44の抵抗、=1100のΩ、
第9の抵抗器46の抵抗、=220,000Ω、
第10の抵抗器54の抵抗、=82,000Ω、
第11の抵抗器58の抵抗、=82,000Ω、
ライム色LED10A、10Bへの順電圧=各3Volts(V)、
赤色発光ダイオード12A、12B、12Cの順電圧=各2.4V、
白色LED 14A、14B、14Cの順電圧=各3V、
ダイオード42の順電圧=0.6V、
第1のツェナー・ダイオード32の逆電圧=3.3V
第2のツェナー・ダイオード36の逆電圧=4.7V
第3のツェナー・ダイオード48の逆電圧=5.1V
第4のツェナー・ダイオード56の逆電圧=9.1V
第5のツェナー・ダイオード60の逆電圧=15V、
電流供給源70により提供される電流=700mA
【0028】
表1は、以下で、様々な制御信号のために上述の特性を有する光源回路1のライム色、赤色及び白色LEDを流れる電流を示している。
【表1】
【0029】
表1から、この例では、第1の制御信号レベルは1.0Vと1.5Vの間にあることが分かる。ライムLED10A、10B、10Cを流れている電流が降下し始める第2の制御信号レベルは、6.5Vと7.0Vとの間に位置されている。
【0030】
表2は、以下で、制御信号が第1のレベルから第3のレベルまで徐々に変化するときの、LEDの第1、第2及び第3のグループ10、12、14の組み合わされた発光の色度及び束レベルを示している。
【表2】
【0031】
表2から、図1の光源回路により生成された束レベルが、ほどよく一定であることが分かる。異なる制御信号の束レベルにおける変化は、異なる色のLED間の効率の違いによって生じる。
【0032】
表2の色度は、図2におけるグラフの形態においても分かるように、G1と記されている線によって結ばれている正方形により示されている。図2は、比較として、プランク軌跡も示しており、これは、PLとして記されている線により示されている。従って、光源システムの色度が実質的にプランク軌跡を辿っていることが分かる。
【0033】
上述から理解されるように、本発明による光源回路は、光源回路により生成される明度又は光の色がPWMを使用する必要なく変化されるのを可能にする。更に、広範囲にわたる異なる明度又は色を得るのに単一の制御信号の変化のみが必要とされ、このことは、幾らかの実施例において、プランク軌跡を密接に辿る。光源回路の構造の単純さと、広範囲の色度にわたって明度を変化させるのに単一の制御信号のみが必要とされる事実とは、光源回路、及び光源回路を含む何らかの機器(例えば、電球)の製造のコストが、比較的低いままであり得ることを意味する。
【0034】
図3は、図1の光源回路の補償されていない変形3を示す。補償されていない光源回路3は、非常に単純化された制御回路24A、24Bを含むことを除いて、図1の回路1と実質的に同じである。詳細には、第1の制御回路24Aは、制御可能な電圧源22と第2の伝導経路21との間に接続される抵抗器27により構成される。第2の制御回路24Bは、制御可能な電圧源22と第1の伝導経路21との間に接続される抵抗器39により構成される。
【0035】
図4は、プランク軌跡(PLと示されている)に対する図3の光源回路3の組み合わされた発光の色度のグラフ(G2と示されている)を示している。これから分かるように、組み合わされた発光は、色度のより短い範囲においてであるが、依然としてプランク軌跡を辿っている。図4に示されている色度の生成に関して、光源回路3の構成要素の電気的特性は、図1を参照して上述の対応する構成要素の特徴と同じであった。(即ち、抵抗器20、64及び68の抵抗、LED10、12、14の順電圧並びに制御可能な電圧及び電流源22、70の電圧及び電流は、それぞれ同じであった。)第1の制御回路24Aの抵抗器27の抵抗は、4,200Ωであった。第2の制御回路24Bの抵抗器39の抵抗は、2,400Ωであった。
【0036】
図5は、本発明による光源回路150の他の代替的な配置の例である。
【0037】
図5の光源回路5は、図3の補償されていない光源回路と実質的に同じである。しかしながら、図5の光源回路5は、LEDの第3のグループ14と直列に接続された第3のトランジスタ500を有する。図5の例において、LEDの第3のグループは、第3のトランジスタ500のコレクタ端子に接続されている。第3のトランジスタ500のエミッタ端子は、接地に接続されている。制御可能な電圧源22は、第3のトランジスタ500のベース端子に接続されている。制御可能な電圧源22と第3のトランジスタ500のベース端子との間の接続は、抵抗器を含まなくても良い、又は第1及び第2の制御回路24A、24Bの抵抗器27、39より著しく低い抵抗である抵抗器を含み得る。このことは、より高い電流が、第1及び第2のトランジスタ16、18のベース―エミッタ接合よりも、第3のトランジスタのベース―エミッタ接合を流れることを意味する。このように、第3のトランジスタ500のコレクタ・エミッタ接合を流れる電流は、第1及び第2のトランジスタ16、18のコレクタ・エミッタ接合を流れる電流よりも制限されない。低い制御信号において、電流は、第1乃至3のトランジスタ16、18、500のベース―エミッタ接合を流れ、回路5に供給される電流の殆どが、第3のトランジスタ500を流れ、従ってLEDの第3のグループ14も流れるようになっている。
【0038】
図1及び3の例と同様に、図5の光源回路5は、制御信号が第1のレベルにある場合に電流の大部分が第3のグループ14の白色LEDを流れるように、構成されている。制御信号が第2のレベルに向かって徐々に移動するにつれ、第1及び第2のグループ10、12のライム色及び赤色LEDを流れている電流は、それぞれ両方、増大する。第1のグループ10のLEDを流れる電流は、第2のグループ12のLEDを流れる電流よりも大きい。この例において、LEDの第2のグループ12を流れている電流は、LEDの第1のグループ10を流れる電流よりも大きくなることはない。このように、光源回路5の組み合わされた発光は、図1の例が辿っていたよりも短い範囲の色度にわたってプランク軌跡を辿る。第3のグループ14において流れる電流(即ち、第1及び第2のグループ10、12において流れていない電流の残り)は、制御信号が第1のレベルから第3のレベルまで移動するにつれ、徐々に減少する。図5の光源回路5は、このようにして動作する。少なくとも部分的には、LEDの第3のグループ14の組み合わされた順電圧が、LEDの第1及び第2のグループ10、12の順電圧よりも大きいからである。LED12の第2のグループの順電圧は、好ましくは、LED10の第1のグループの順電圧と同様である。
【0039】
1つの例において、図5の回路5の構成要素の特性は、第1の制御回路24Aの抵抗器27の抵抗が2,400Ωであり、第2制御回路24Bの抵抗器39の抵抗が3000Ωであることを除いては、図3の対応するものと実質的に同じである。
【0040】
図1、3及び5の具体的な例は、光源回路1、3、5の一部として固定された電流源70を示しているが、これが分離可能であることは言うまでもない。このように、回路1、3、5は、代わりに、固定された電流源70に接続可能であるように(かつ、実際に固定された電流源を含まないように)構成されることができる。固定された電流源70は、例えば、本線電源(mains-power)フライバック・コンバータを有していても良い。代替的には、固定された電流源70は、固定された電流を光源回路1、3、5へ供給するための何らかの他の手段を有し得る。
【0041】
同様に、制御信号を供給する制御可能な電圧源22は、光源回路1、3、5と別個のものである又は分離可能なものであっても良い。例えば、制御可能な電圧源22は、例えば、1Vと10Vの間の出力電圧を有する整流された本線信号を含み得る。
【0042】
図1、3及び5の例は、異なるトランジスタ16、18、500のコレクタ端子に接続されているLED10、12、14のグループを示しているが、LEDのグループが、代わりに、エミッタ端子に接続されることができることが理解されよう。更に、特定の例において、n型チャネルBJTを含んでいるが、幾つかの例において、p型チャネルBJTが使用されることができる。代替的には、電界効果トランジスタが、使用されることもできる。電界効果トランジスタを含む例においては、ベース端子に対するものであると上述された接続は、代わりに、ゲート端子に対するものである。同様に、接続は、エミッタ端子又はコレクタ端子とのものであると記載され、電界効果トランジスタを含む例においては、当該接続は、代わりに、それぞれドレイン又はソース端子へのものである。電界効果トランジスタのゲート端子及びベース端子、並びにBJTのベース端子は、本明細書においてひとまとめに制御端子と称され得る。このことは、これらの端子に供給される信号がトランジスタを流れる電流を制御するからである。
【0043】
LED10、12、14のグループの各々が異なる色のLEDを含むことができ、これらのLEDの組み合わされた発光は、結果として所望の色の光をもたらすことは、言うまでもない。例えば、LEDの第1のグループ14は、全てがライム色LEDである代わりに、ライム色の組み合わされた発光を生成するように、緑色LED及び琥珀色LEDの混合から成っていても良い。
【0044】
上述の例において、LEDの色及び量は、プランク軌跡を密接に辿る組み合わされた発光を生成することが可能であるように選択される。しかしながら、他の例において、上述のものとは異なる色のLEDが使用されることもできる。同様に、上述されたものと異なる数のLEDが使用されることができる。更に、図面は直列に接続されている各グループのLEDを示しているが、幾つかの代替的なものにおいては、各グループのLEDは、並列に接続されることができ、又は直列及び並列の組み合わせにおいて接続されることができる。当業者にとって明らかであるように、本発明による光源回路は、レトロフィットランプのようなLED光源、LED照明機器、又は劇場において使用されるランプ若しくは階段を照明するランプのようなプロフェッショナル・アプリケーションのためのランプを作るのに使用されることができる。
【0045】
「有する」という語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形の構成要素は、複数の構成要素を排除するものではないことは言うまでもない。単一のプロセッサが、添付の請求項に記載されている幾つかの項目の機能を実現しても良い。特定の手段が、相互に異なる従属請求項において列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用されることができないことを示しているものではない。請求項における如何なる符号も、請求項の範囲を制限するものとして解釈されてはならない。
【0046】
請求項は、この出願において、フィーチャの特定の組合せとして示されているが、本発明の開示の範囲は、現在何らかの請求項に記載されているものと同じ発明に関するものであるか否かにせよ、本発明が親発明と同じ技術的問題の一部又は全てを緩和するか否かにせよ、明示的に若しくは暗示的に又は一般化の何れにおいても本願明細書に開示されている如何なる新規なフィーチャ又は如何なる新規な組み合わせのフィーチャも含むものであることを理解されたい。出願人は、ここで、新たな請求項は、前記フィーチャ、及び/又は本出願若しくは本出願から得られる更に他の出願の中間処理におけるフィーチャの組み合わせとして記載され得ることを通知しておく。
【0047】
添付の特許請求の範囲にある他の修正及び変更は、当業者にとって明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5