特許第6389462号(P6389462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6389462パルス化制御されるレーザ光源を有する共焦点レーザ走査顕微鏡
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389462
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】パルス化制御されるレーザ光源を有する共焦点レーザ走査顕微鏡
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/00 20060101AFI20180903BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   G02B21/00
   G01N21/64 E
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-530377(P2015-530377)
(86)(22)【出願日】2013年9月4日
(65)【公表番号】特表2015-530616(P2015-530616A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】EP2013068286
(87)【国際公開番号】WO2014037401
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2016年9月2日
(31)【優先権主張番号】102012215932.0
(32)【優先日】2012年9月7日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102012218624.7
(32)【優先日】2012年10月12日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505211385
【氏名又は名称】ライカ ミクロジュステムス ツェーエムエス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】ウィツゴウスキー、ベルント
【審査官】 森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−526091(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0033989(US,A1)
【文献】 特開2012−19983(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0016201(US,A1)
【文献】 特開2012−19982(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0016200(US,A1)
【文献】 米国特許第6614525(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
G01N 21/00 − 21/01
G01N 21/17 − 21/74
G02B 21/00 − 21/36
G02B 23/24 − 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置(1)を有する共焦点レーザ走査顕微鏡(100)であって、
該照明装置(1)は、試料(25)の照明のために構成されたレーザ光源(41)と、該レーザ光源(41)の給電のためにパルス化制御信号(48)を生成するよう構成される該レーザ光源(41)のためのパルス制御回路(40)を有し、
該パルス制御回路(40)は、少なくとも1つの入力変数(S)に依存して該パルス化制御信号(48)の少なくとも1つのパルスのパルス振幅(A)及びパルス幅(W)を決定するよう、かつ、該少なくとも1つの入力変数(S)として光強度又は光量のための目標値を受け取るよう構成され
前記パルス制御回路(40)は、入力信号のための入力部(E/A)を有し、及び、該入力部に存在する入力信号に依存する周波数を有するパルス化制御信号(48)を生成可能に構成され、及び/又は、
前記パルス制御回路(40)は、出力信号のための出力部(E/A)を有し、及び、パルス化制御信号(48)の周波数に依存する信号を出力信号として出力可能に構成される
共焦点レーザ走査顕微鏡(100)。
【請求項2】
前記パルス制御回路(40)は、パルス化制御信号(48)の交互に続くパルスのために種々異なるパルス振幅(A)を有するパルス化制御信号(48)を生成可能に構成される
請求項1に記載の共焦点レーザ走査顕微鏡(100)。
【請求項3】
前記制御回路(40)は、パルス化制御信号(48)の交互に続くパルスのために種々異なるパルス幅(W)を有するパルス化制御信号(48)を生成可能に構成される
請求項1又は2に記載の共焦点レーザ走査顕微鏡(100)。
【請求項4】
測定装置(39、51)を有し、
該測定装置(39、51)は、前記入力部(E/A)に接続され、及び、試料(25)から出射する測定光(27)を走査周波数で検出しかつ該走査周波数によって規定される信号を入力信号として出力するよう構成され、
前記パルス制御回路(40)は、前記入力部に存在する入力信号に依存する周波数を有するパルス化制御信号(48)を生成するよう構成される
請求項に記載の共焦点レーザ走査顕微鏡(100)。
【請求項5】
測定装置(39、51)を有し、
該測定装置(39、51)は、前記出力部(E/A)に接続され、及び、試料(25)から出射する測定光(27)をパルス化制御信号(48)の周波数に依存する走査周波数で検出するよう構成される
請求項に記載の共焦点レーザ走査顕微鏡(100)。
【請求項6】
前記パルス制御回路(40)は、パルス振幅(A)、パルス幅(W)及び前記少なくとも1つの入力変数(S)の間の少なくとも1つの関係が記憶されている及び/又は記憶可能な記憶装置(45)を有する
請求項1〜の何れかに記載の共焦点レーザ走査顕微鏡(100)。
【請求項7】
共焦点レーザ走査顕微鏡(100)のレーザ光源(41)の光強度の調整方法であって、
該レーザ光源にはパルス化制御信号(48)が供給され、
パルス化制御信号(48)の少なくとも1つのパルス振幅(A)及びパルス幅(W)は、少なくとも1つの入力変数(S)に依存して予め設定され
該少なくとも1つの入力変数(S)として、光強度又は光量のための目標値が使用され、
試料(25)から出射する測定光は、パルス化制御信号(48)の周波数に依存して予め設定される走査周波数で検出される
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光源を有する共焦点レーザ走査顕微鏡、及び、共焦点レーザ走査顕微鏡のレーザ光源の光強度の調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、例えば米国特許第7,477,449B2に記載されているような共焦点レーザ走査顕微鏡(英語ではCLSM:confocal laser scanning microscopy)の分野に属する。この場合、画像生成のために、被観察試料上のある位置が合焦されたレーザビームによって照明され、そこから出射する反射光又は蛍光光が、同様にこの位置に合焦されるセンサによって検出され、かくして、大きな解像度(分解能)を達成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US 7,477,449 B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像の質に決定的な影響を与えるのは、使用されるレーザである。とりわけ、レーザの強度は、可及的に正確に調整可能であり、その際、レーザが可及的に多くの異なる蛍光着色物質ないし蛍光色素に対しても利用可能であるよう、大きな強度範囲をカバーするべきである。1MHzの周波数範囲に至るまでの変調周波数を達成しようと努められている。更に、最小に調整可能な強度は可及的にゼロの近くにあるべきである。オン・オフ切替え操作の際に、供給されるパワーのオーバーシュート又はアンダーシュートは可及的に現れないようにすべきである。
【0005】
それゆえ、共焦点レーザ走査顕微鏡のレーザ光源の強度調整を改善することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に応じ、夫々独立請求項の特徴を有する共焦点レーザ走査顕微鏡及び共焦点レーザ走査顕微鏡のレーザ光源の光強度の調整方法が提案される。有利な実施形態は、従属請求項及び以下の説明の対象である。
(形態1)上記の課題を解決するために、本発明の第1の視点により、照明装置を有する共焦点レーザ走査顕微鏡が提供される。この共焦点レーザ走査顕微鏡において、
該照明装置は、試料の照明のために構成されたレーザ光源と、該レーザ光源の給電のためにパルス化制御信号を生成するよう構成される該レーザ光源のためのパルス制御回路を有し、
該パルス制御回路は、少なくとも1つの入力変数に依存して該パルス化制御信号の少なくとも1つのパルスのパルス振幅及びパルス幅を決定するよう、かつ、該少なくとも1つの入力変数として光強度又は光量のための目標値を受け取るよう構成され、
前記パルス制御回路は、入力信号のための入力部を有し、及び、該入力部に存在する入力信号に依存する周波数を有するパルス化制御信号を生成可能に構成され、及び/又は、
前記パルス制御回路は、出力信号のための出力部を有し、及び、パルス化制御信号の周波数に依存する信号を出力信号として出力可能に構成される(第1基本構成)。
(形態2)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡において、前記パルス制御回路は、パルス化制御信号の交互に続くパルスのために種々異なるパルス振幅を有するパルス化制御信号を生成可能に構成されることが好ましい。
(形態3)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡において、前記制御回路は、パルス化制御信号の交互に続くパルスのために種々異なるパルス幅を有するパルス化制御信号を生成可能に構成されることが好ましい
形態)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡は、測定装置を有し、
該測定装置は、前記入力部に接続され、及び、試料から出射する測定光を走査周波数で検出しかつ該走査周波数によって規定される信号を入力信号として出力するよう構成され、
前記パルス制御回路は、前記入力部に存在する入力信号に依存する周波数を有するパルス化制御信号を生成するよう構成されることが好ましい
形態)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡は、測定装置を有し、
該測定装置は、前記出力部に接続され、及び、試料から出射する測定光をパルス化制御信号の周波数に依存する走査周波数で検出するよう構成されることが好ましい
形態)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡において、前記パルス制御回路は、パルス振幅、パルス幅及び前記少なくとも1つの入力変数の間の少なくとも1つの関係が記憶されている及び/又は記憶可能な記憶装置を有することが好ましい。
(形態)上記の課題を解決するために、本発明の第2の視点により、共焦点レーザ走査顕微鏡のレーザ光源の光強度の調整方法が提供される。この調整方法においては、
該レーザ光源にはパルス化制御信号が供給され、
パルス化制御信号の少なくとも1つのパルス振幅及びパルス幅は、少なくとも1つの入力変数に依存して予め設定され
該少なくとも1つの入力変数として、光強度又は光量のための目標値が使用され、
試料から出射する測定光は、パルス化制御信号の周波数に依存して予め設定される走査周波数で検出される(第2基本構成)
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の枠内において、共焦点レーザ走査顕微鏡は、パルス化制御(ないしパルス励起制御)されるレーザ光源、有利にはレーザダイオード、を有する。パルス化制御は複数の自由度を提供するが、そのうち、少なくともパルス振幅及びパルス幅が本発明の枠内において使用される。本発明は、制御品質(Regelungsguete)及び制御ダイナミクスを改善し、利用可能な明るさ範囲を、とりわけ小さい光強度(の領域)にまで、拡大し、並びに、波長安定性を大きくする。
【0008】
本発明は、とりわけ連続的制御(kontinuierlichen Ansteuerung)と比べて、特別な利点を提供する。1MHz又はそれより大きい周波数範囲に至るまでの変調周波数が実現可能になる。更に、最小に調整可能な強度はゼロに近い。オン・オフ切替え推移の際に、出力(供給)されるパワーのオーバーシュート又はアンダーシュートは殆ど生じない。更に、信号/雑音比(S/N比)は、とりわけ小さい強度(域)に対して改善される。
【0009】
2つの自由度を使用することにより、その都度の試料、例えばその都度使用される蛍光色素に対する又は許容可能な熱投入に対するとりわけ良好な適合が可能になる。
【0010】
本発明は、パルス制御(Ansteuerung)のための広範囲のスペクトルを可能にする。試料に放射される光量は、強度を照射時間で積分したものである。パルス制御回路は、レーザ光源に調整可能な強度及び持続時間(期間)についての制御信号が供給されるよう構成される。電流の持続時間は100ps(ピコ秒)未満に至るまで調整可能である。最大の持続時間は、連続運転(Dauerbetrieb)に至るまで可能である。電流パルスの持続時間は、可変にすることが可能であり、有利には外的に(extern)実質的に連続的に(ないし最小のデジタルの調整ステップで)調整されることもできる。更に、パルス振幅を調整することも可能である。有利には、それ未満ではレーザ光の確実な放出が保証されない下側振幅閾値(いわゆるレーザ閾値ないし閾値電流強度)が予め設定される。パルス制御回路は、有利には、この閾値が下回られないよう構成される。
【0011】
レーザ閾値において供給される光パワーを更に低減するために、デューティー比ないしパルス幅を自由度として利用することができる。
【0012】
本発明の枠内において、少なくとも二次元の特性フィールド(Kennfeld)はパルス振幅及びパルス幅から構成されることができるが、この場合、各値ペアは平均光強度ないし光量を特徴付ける。従って、所望の光強度ないし光量の各々に対し、パルス振幅及びパルス幅からなる少なくとも1つのベクトルないし値ペアを得ることができる。尤も、大抵は、特性フィールドには、複数の好適な値ペアが存在し、そのため、例えば強度雑音、システムの所定のパワー吸収(Leistungsaufnahme)、励起の最大効率、試料の最小ブリーチング、所定の蛍光着色物質のための特別な適正等のような更なる境界条件も考慮されることができる。
【0013】
特に有利には、測定光の検出は、パルス化制御信号の時間的特性(パルス幅及び/又は周波数)に適合化される。従って、有利には、パルス制御回路は、パルス化制御信号のパルス周波数のための入力部及び/又は出力部(例えばTTL又はスイッチコンタクト)を有する。かくして、パルス周波数は、外部から、例えば測定装置によって、予め設定されることができ、或いは、パルス周波数は、外部に対して、例えば測定装置に対して、予め設定されることができる。両方の場合において、励起周波数の調整は、検出ないし走査周波数によって可能になり、かくして、とりわけ検出におけるモワレ・アーチファクト(Moire-Artefakte)を回避することができる。
【0014】
本発明の更なる利点及び実施形態は、詳細な説明及び添付の図面から明らかになる。
【0015】
上述した及び以下において更に説明されるべき特徴は、本発明の枠を逸脱しない限り、夫々列挙された組み合わせだけではなく、他の組み合わせでも又は単独でも使用することができることは明らかである。
【0016】
以下に、本発明の態様を付記する。
(態様1)照明装置を有する共焦点レーザ走査顕微鏡が提供される。この共焦点レーザ走査顕微鏡において、
該照明装置は、試料の照明のために構成されたレーザ光源と、該レーザ光源の給電のためにパルス化制御信号を生成するよう構成される該レーザ光源のためのパルス制御回路を有し、
該パルス制御回路は、少なくとも1つの入力変数に依存して該パルス化制御信号の少なくとも1つのパルスのパルス振幅及びパルス幅を決定するよう構成される。
(態様2)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡において、前記パルス制御回路は、パルス化制御信号の交互に続くパルスのために種々異なるパルス振幅を有するパルス化制御信号を生成可能に構成される。
(態様3)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡において、前記制御回路は、パルス化制御信号の交互に続くパルスのために種々異なるパルス幅を有するパルス化制御信号を生成可能に構成される。
(態様4)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡において、前記パルス制御回路は、入力信号のための入力部を有し、及び、該入力部に存在する入力信号に依存する周波数を有するパルス化制御信号を生成可能に構成される。
(態様5)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡は、測定装置を有し、
該測定装置は、前記入力部に接続され、及び、試料から出射する測定光を走査周波数で検出しかつ該走査周波数によって規定される信号を入力信号として出力するよう構成され、
前記パルス制御回路は、前記入力部に存在する入力信号に依存する周波数を有するパルス化制御信号を生成するよう構成される。
(態様6)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡において、前記パルス制御回路は、出力信号のための出力部を有し、及び、パルス化制御信号の周波数に依存する信号を出力信号として出力可能に構成される。
(態様7)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡は、測定装置を有し、
該測定装置は、前記出力部に接続され、及び、試料から出射する測定光をパルス化制御信号の周波数に依存する走査周波数で検出するよう構成される。
(態様8)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡において、前記パルス制御回路は、前記少なくとも1つの入力変数として光強度又は光量のための目標値を受け取るよう構成される。
(態様9)上記の共焦点レーザ走査顕微鏡において、前記パルス制御回路は、パルス振幅、パルス幅及び前記少なくとも1つの入力変数の間の少なくとも1つの関係が記憶されている及び/又は記憶可能な記憶装置を有する。
(態様10)共焦点レーザ走査顕微鏡のレーザ光源の光強度の調整方法が提供される。この調整方法においては、
該レーザ光源にはパルス化制御信号が供給され、
パルス化制御信号の少なくとも1つのパルス振幅及びパルス幅は、少なくとも1つの入力変数に依存して予め設定される。
(態様11)上記の調整方法において、試料から出射する測定光は、パルス化制御信号の周波数に依存して予め設定される走査周波数で検出され、又はその反対に構成される。
本発明は、その一実施例が図面に模式的に記載されているが、以下において、図面を参照して詳細に説明する。なお、特許請求の範囲に付した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図しない。


【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の好ましい一実施例の共焦点レーザ走査顕微鏡における光路の模式図。
図2】本発明の共焦点レーザ走査顕微鏡の照明装置の好ましい一実施例の模式図。
【実施例】
【0018】
図1及び図2は共通に記載されているが、図1には、本発明の共焦点レーザ走査顕微鏡の好ましい一実施例が模式的に記載され、全体として図面参照符号100が与えられており、図2には、本発明の枠内において好ましい照明装置1が回路図として詳細に記載されている。
【0019】
顕微鏡は、図面参照符号1が付された照明装置を有し、該照明装置はレーザダイオードとして構成されたレーザ光源41を有する。レーザ光源41は照明光ビーム5を放出し、該照明光ビーム5はビームスプリッタ21と対物レンズ23を通過し、試料25に入射する。
【0020】
試料から反射される又は蛍光によって生成される測定光27は、対物レンズ23に入射して通り抜け、ビームスプリッタ21において観察光路に差込出射されて、検出器51に供給される。
【0021】
照明装置1には、更に、レーザダイオード41に電流を供給するパルス制御回路40が設けられる。パルス制御回路40は、目標光量を目標値として受け取りかつ処理するよう構成される。目標値は、この実施例では、顕微鏡100を制御するよう構成される計算ユニット39から供給される。更に、測定データが検出器51から計算ユニット39に供給され、該計算ユニット39において評価される。計算ユニット39は、この場合、検出器51も制御する。
【0022】
パルス制御回路40は、以下に説明する複数の機能ユニットを有する。回路部分44は、制御回路部分、例えばASIC(application specific integrated circuit:特定用途向け集積回路)又はFPGA(field-programmable gate array)、として構成され、制御回路40の制御のために構成・調整される。制御回路部分44は、入力変数Sのための入力部と周波数信号のための端部E/Aを有し、これらは図示の実施例では計算ユニット39に接続されている。入力部には、目標値信号が入力変数S、この例では目標強度又は目標光量、として供給される。端部E/Aは、後述するように、検出器51の運転の改善に資することができる。
【0023】
制御回路部分44は、供給された目標光量から、とりわけ制御回路部分44に記憶された特性フィールド(Kennfeld)45を用いて、デューティー比R(パルス周期Tに対するパルス幅Wの比)のための目標値とパルス振幅Aのための目標値を求める(決定する)よう構成される。
【0024】
デューティー比Rのための目標値はPWM回路部分46に供給され、該部分46は該目標値からPWM信号を生成する。
【0025】
パルス振幅Aのための目標値は、PWM回路部分46によって生成されるPWM信号と一緒に、PAM回路部分47に供給され、これらから、PAM回路部分47は、本発明の枠内において可変パルス幅Wないしデューティー比Rと可変パルス振幅Aを以て生成される制御信号48を生成し、該信号48は、電流測定回路部分49を介してレーザダイオード41に供給される。
【0026】
電流測定回路部分49は、図示の好ましい実施例に応じて実行されるレーザ調整の部分として使用される。照明装置1は、更に、レーザ調整の枠内において照明光5のフィードバックないし測定のために、フォトダイオード43と光測定回路42を有する。フォトダイオード43には、照明光5の小部分が差込出射される。フィードバックされた電流値及び強度ないし光量値を介して、制御回路部分44はパルス化制御信号48の生成を調整することができる。
【0027】
本発明は、パルス化制御信号48の個々のパルスのためのパルス振幅及びパルス幅を目標を定めて(制御された態様で)調整すること、かくして、照明ビーム5の平均の光強度及び光量を予め設定することを可能にする。本発明の枠内において、とりわけパルス幅の減少によって、極めて小さい平均強度及び光量を達成することもできる。
【0028】
測定光の測定、従って顕微鏡100の全機能を改善するために、パルス制御回路40は、接続端部E/Aを介して計算ユニット39に接続され、出力部としての接続端部E/Aを介して、パルス化制御信号48の周波数を規定する周波数信号を送信する。これにより、計算ユニット39は、パルス化制御信号48の周波数に依存する走査周波数で検出器51による測定を実行することができ、このようにして例えば測定のモアレ・アーチファクトを回避することができる。代替的に又は付加的に、接続端部E/Aは入力部として機能することができ、或いは、1つの端部がその都度出力端として及び入力端として機能することができる。入力端の場合、パルス化制御信号48の周波数は走査周波数に依存して予め設定され得る。何れの場合も、パルス化制御信号48の周波数は走査周波数の整数倍(1、2、3、…)であることが目的に適合して達成される。
図1
図2