(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389467
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】低侵襲手術のための分離されたマルチカメラシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20180903BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20180903BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20180903BHJP
A61B 1/05 20060101ALI20180903BHJP
A61B 1/313 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
A61B34/30
A61B1/00 522
A61B1/00 620
A61B1/00 715
A61B1/00 731
A61B1/045 622
A61B1/05
A61B1/313
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-548200(P2015-548200)
(86)(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公表番号】特表2016-506261(P2016-506261A)
(43)【公表日】2016年3月3日
(86)【国際出願番号】DE2013000804
(87)【国際公開番号】WO2014094717
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年12月2日
(31)【優先権主張番号】102012025100.9
(32)【優先日】2012年12月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515168857
【氏名又は名称】アヴァテラメディカル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォン グリュンベルグ フーベルタス
(72)【発明者】
【氏名】セーベル マルセル
【審査官】
沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/057117(WO,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0248041(US,A1)
【文献】
特開2009−125297(JP,A)
【文献】
特開2008−307225(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/142189(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30
A61B 1/00
A61B 1/045
A61B 1/05
A61B 1/313
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低侵襲手術のための少なくとも一つの内視鏡がそれぞれに配置された少なくとも二つのロボットアーム(45,47,49,51)を有する手術ロボットシステムにおいて、
第1のロボットアーム(47)上の第1の内視鏡は、
身体の外部から内部まで前記第1の内視鏡の全体の長さに渡って実質的に伸びていて、遠位末端に少なくとも一つの照射ユニット(23,24)及び二つの画像取得器(20a,21a,22a,20b,21b,22b)を備えた第1主支持手段(4b)と、
前記第1の内視鏡の身体内へのアクセスを成し遂げる第1トロカール(1b)とを備え、
前記二つの画像取得器(20a,21a,22a,20b,21b,22b)は、前記第1主支持手段(4b)の同一平面内にて外側へ旋回可能にそれぞれ取り付けられており、
第2のロボットアーム(45)上の第2の内視鏡は、
身体の外部から内部まで前記第2の内視鏡の全体の長さに渡って実質的に伸びている、手術器具のための第2主支持手段(4a)と、
前記第2の内視鏡の身体内へのアクセスを成し遂げる第2トロカール(1a)と、
前記第2トロカール(1a)と前記第2主支持手段(4a)の間に設けられて、遠位末端に、第1付加画像取得器(8,9,10,11)を備えた第1付加支持手段(3)とを備え、
前記第1付加画像取得器(8,9,10,11)は、前記第1付加支持手段(3)から外側へ旋回可能に配置され、かつ第1付加照明ユニット(10,11)と、前記第1の内視鏡の二つの画像取得器(20a,21a,22a,20b,21b,22b)の二つの監視領域を含む第1監視領域を有する少なくとも一つの第1付加画像センサ(8,9)とを備え、さらに、
前記二つの画像取得器(20a,21a,22a,20b,21b,22b)及び前記第1付加画像取得器(8,9,10,11)に接続された画像処理ユニット(31)と、
前記二つの画像取得器(20a,21a,22a,20b,21b,22b)及び/又は前記第1付加画像取得器(8,9,10,11)の2次元画像データ及び/又は3次元画像データを表示する可視化ユニット(33)とを備えていることを特徴とする手術ロボットシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のロボットシステムにおいて、
前記第1付加画像センサ(8,9)は、旋回状態で前記第2トロカール(1a)の遠位末端近くに配置されている広角のレンズ(8)を備えていることを特徴とするロボットシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のロボットシステムにおいて、
前記二つの画像取得器(20a,21a,22a,20b,21b,22b)のそれぞれは、前記第1主支持手段(4b)の遠位末端に、一平面内にて互いに平行である旋回軸回りに旋回可能に取り付けられていることを特徴とするロボットシステム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のロボットシステムにおいて、
前記二つの画像取得器(20a,21a,22a,20b,21b,22b)は、ジョイント(25a,25b)により、前記第1主支持手段(4b)の縦の延長線に対して直交する旋回軸及び回転軸(27)回りの両方にそれぞれ傾けられるように配置されており、前記旋回軸及び前記回転軸(27)回りの回転動作は互いに独立して分離されていることを特徴とするロボットシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載のロボットシステムにおいて、
少なくとも一つの第3の内視鏡が第3のロボットアーム(51)上に設けられ、
前記第3の内視鏡は、
身体の外部から内部まで前記第3の内視鏡の全体の長さに渡って実質的に伸びている、手術器具のための第3主支持手段(4d)と、
前記第3の内視鏡の身体内へのアクセスを成し遂げる第3トロカール(1d)と、
前記第3主支持手段(4d)上に配置され、遠位末端に、第2付加画像取得器(8d,9d,10d,11d)を備えた第2付加支持手段(3d)とを備え、
前記第2付加画像取得器(8d,9d,10d,11d)は、前記第2付加支持手段(3d)から外側へ旋回可能に配置されて、第2付加照明ユニット(10d,11d)と、前記第1の内視鏡の二つの画像取得器(20a,21a,22a,20b,21b,22b)の二つの監視領域を含む第2監視領域を有する少なくとも一つの第2付加画像センサ(8d,9d)とを備えていることを特徴とするロボットシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のロボットシステムにおいて、前記第3の内視鏡の前記第2付加画像取得器(8d,9d,10d,11d)は、前記画像処理ユニット(31)に接続されており、
前記可視化ユニット(33)は、前記二つの画像取得器(20a,21a,22a,20b,21b,22b)及び/又は前記第1付加画像取得器(8,9,10,11)及び/又は前記第2付加画像取得器(8d,9d,10d,11d)の2次元画像データ及び/又は3次元画像データを表示することを特徴とするロボットシステム。
【請求項7】
請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載のロボットシステムにおいて、
前記第1付加支持手段(3)は、前記第2主支持手段(4a)の直接上に設けられていることを特徴とするロボットシステム。
【請求項8】
請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載のロボットシステムにおいて、
前記第2主支持手段(4a)と前記第1付加支持手段(3)は、円筒状に形成されていることを特徴とするロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低侵襲処置に使用するための少なくとも一つの内視鏡カメラ及び少なくとも一つのトロカールカメラ(外套針カメラ)からなるマルチカメラシステム、並びに特に腹腔鏡検査のような低侵襲手術に使用するために適当な手術ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
腹腔鏡下手術のような低侵襲処置は、一つ又は複数のトロカール(外套針)を介して患者の身体に導かれる(入れられる)掴み具、切断具及び縫い具のような手術器具を用いてなされる。一般的には、二つ乃至四つの手術器具、多くの場合、三つの手術器具が用いられる。これらの手術器具に加えて、手術領域を観察することを外科医に許容する表示ユニットがあることが必要とされる。このような表示ユニットは、通常、トロカールを介して患者の身体に差し込まれるカメラ又は内視鏡である。通常、可視化は、外部モニタ上に手術領域の画像を2次元(2D)又は3次元(3D)で表示する内視鏡によって可能となる。先行技術では、カメラのような表示ユニットが遠位末端に合体された多くの内視鏡がある。一般的には、内視鏡は、遠位末端ばかりか、その近位端にもカメラを有し得る。内視鏡によって取得される画像は、画像送信システム及び画像処理ユニットを利用する一つ以上の外部モニタ上に表示される。多くの内視鏡が、先行技術には示されている。
【0003】
このように、例えば、WO2009/057117A2は、二つの画像取得器を備えた内視鏡を示している。画像取得器は、トロカールを介して身体内に導かれ、トロカールに付けられたフラップ(蓋)により、横方向、すなわちトロカール側面の縦軸から角度をもって伸ばされる。両方の画像取得器を、異なる角度に動かすことができて、二つの異なる画像が取得される。
【0004】
先行技術に示されたカメラシステム又は内視鏡は、内視鏡が手術領域の可視化のために与えられているだけで、次の点で不都合である。この内視鏡は、手術器具の変化する位置及びより広い手術行為の周辺及び視野内における内視鏡の位置に起因して、腹腔内に差し込まれた手術器具の位置及び方位を同時に表示することができない。それにより、手術行為の近接領域だけが表示されるだけである。手術器具が手術視野(手術領域)から取り除かれたときには、手術器具は、内視鏡によって検出されず、外科医又はその補助者の可視コントロール下にない。
【発明の概要】
【0005】
それゆえ、本発明の技術的な役割は、腹腔鏡下検査行為のような低侵襲手術行為のために改良された可視化化システムを提供することである。この可視化システムは、例えば腹部を通して患者内に導びかれた手術器具の位置及び方位についての追加情報を外科医に与える。この役割は、少なくとも二つの類似する内視鏡を備えた手術ロボットシステムによる請求項1に従った発明によって解決される。
【0006】
本発明は、腹腔鏡検査のような低侵襲手術行為に使用するための内視鏡及び少なくとももう一つのトロカールカメラ(外套針カメラ)からなる分離されたマルチカメラシステムを提供する。
【0007】
本発明の第1の主題は、低侵襲手術のためのトロカールカメラに関し、特に、低侵襲手術のための少なくとも一つの内視鏡がそれぞれに配置された少なくとも二つのロボットアームを有する手術ロボットシステム内での利用のため、第1のロボットアーム上の第1の内視鏡は、身体の外部から内部まで第1の内視鏡の全体の長さに渡って実質的に伸びていて、遠位末端に少なくとも一つの照射ユニット及び二つの画像取得器を備えた
第1主支持手段と、前記第1の内視鏡の身体内へのアクセスを成し遂げる
第1トロカールとを備え、前記二つの画像取得器は、前記
第1主支持手段の同一平面内に
て外側へ旋回可能にそれぞれ取り付けられており、第2のロボットアーム上の第2の内視鏡は、身体の外部から内部まで前記第2の内視鏡の全体の長さに渡って実質的に伸びている
、手術器具のための第2主支持手段と、前記第2の内視鏡の身体内へのアクセスを成し遂げる
第2トロカールと、
前記第2トロカールと前記第2主支持手段との間に設けられて、遠位末端に
、第1付加画像取得
器を備えた
第1付加支持手段とを備え、前記
第1付加画像取得器は、前記
第1付加支持手段から外側へ旋回可能に
配置され、かつ
第1付加照明ユニットと、前記第1の内視鏡の二つ画像取得器の二つの監視領域を含む
第1監視領域を有する少なくとも一つの
第1付加画像センサとを備え、さらに、前記二つの画像取得器及
び前記
第1付加画像取得
器に接続された画像処理ユニットと、前記二つの画像取得器及び/又は前記
第1付加画像像取得器の2次元画像データ及び/又は3次元画像データを表示する可視化ユニットとを備えている。
【0008】
本発明は、少なくと
も二つの画像システム、すなわち内視鏡における少なくとも一つの2次元外観カメラ及びもう一つの内視鏡における3次元詳細カメラの提供及び同時使用により有利である。そこでは、2次元視野カメラを導くために、組み合わせトロカールが手術器具と共に使用され、患者の身体内に導かれる。これは、広い視野(典型的には、90度より大きな広角)をもつ少なくとも2次元視野画像と、70度までの通常の視野をもつ3次元詳細画像の両方を生成することを可能にする。このことは、腹腔鏡下手術のような低侵襲手術の全体の期間中、直接の手術領域及びその広い領域を監視することを可能とする。このように、内視鏡及び視野の両方の位置及び一方の位置を変化させることにより、手術器具が内視鏡の手術視野外に位置していても、全ての手術器具が同時に表示され得る。なぜならば、
第1付加画像取得器は、内視鏡の手術視野の外部にある手術器具も検出することができるためである。これは、例えば、手術器具が必要とされないために「一時的に置く」場合である。この「一時的に置くこと」は、多くの場合、手術行為の間に邪魔にならないように、直接の手術行為の外及び手術視野の外側にある。本発明によれば、「一時置きされた」手術構成部は、今までにない2次元監視カメラにより捕えられ、連続的に外科医又は補助者の視覚コントロール下にある。
【0009】
さらに、
第1付加支持手段上の
第1付加
照明ユニットは、特に、3次元詳細カメラの画像が質的に改良されて表示されるように、3次元画像のための改良された照射を成し遂げる。
【0010】
本発明の好ましい実施形態によれば、
第1付加画像センサは、旋回状態で
第2トロカールの遠位末端近くに配置されている広角のレンズを備えている。
【0011】
本発明の
第2の主題は、低侵襲手術のための手術器具及び
第2の内視鏡
を置くことができる、少なくとも二つのロボットアームをもつ手術ロボットシステムに関する。そこでは、加えて、手術器具のための
第2トロカール上に、
第1付加画像
取得器と共に
第1付加支持手段が配置されている。
第2トロカールは、身体への
第2の内視鏡のアクセスを成し遂げる。そして、
第1付加支持手段は、その遠位末端に、
第1付加支持手段から外側へ旋回できるように取り付けられた
第1付加画像
取得器を備えている。
第1付加画像
取得器は、
第1付加照明ユニットと、位置及び方位において、例えば腹部を通して導かれた全ての手術器具及
び第1の内視鏡を含む
第1監視領域を有する少なくとも一つの
第1付加画像センサとを備えている。さらに、
第1の内視鏡及
び第1付加画像取得
器に接続された画像処理ユニットと、
第1の内視鏡及び/又は
第1付加画像取得器の2次元画像データ及び/又は3次元画像データを表示する表示ユニットとを備えている。
【0012】
制御ユニットは、
ロボットアームとそれに取り付けられた手術器具又は
第1の内視鏡の現在位置及び現在方位を知り、この情報は、
第1の内視鏡及び
第1付加画像
取得器の両方に接続された画像処理ユニットに送られる。そして、表示ユニットは、
第1の内視鏡及び/又は
第1付加画像取得
器の2次元画像データ及び/又は3次元画像データを表示するようになっている。加えて、
ロボットアームとそれに取り付けられた手術器具又は
第1の内視鏡の位置及び方位からそれらの動作経路を計算して、動作経路を2次元画像データ及び/又は3次元画像データと共に重ねて表示(オーバーレイ表示)する。
【0013】
本発明の手術ロボットシステムは、2次元画像データ又は3次元画像データのいずれかである、画像データが必要に応じて外科医に表示されるという特別な利点を有する。そして、このことは、監視カメラの画像データが、表示ユニット上に単一シーケンスの画像による非常に改良された外観が外科医に与えられるように、画像処理ユニットを用いて3次元詳細カメラの画像データと結合されることを意味する。
【0014】
前記
第1付加画像センサが、外に振られた状態(旋回状態)で
第2トロカールの遠位末端近くに配置されている広角のレンズを備えている点で、特に有利である。
【0015】
前記二つの画像取得器のそれぞれが、
第1主支持手段の遠位末端に、
一平面内にて互いに平行である旋回軸回りに旋回可能に取り付けられて
おれば、構成コストが削減されて、特に有利である。
【0016】
さらに、構造上の簡素化は、前記
第1付加支持手段は
、前記
第2主支持手段
の直接上に設けられている。また、前記
第2主支持手段及び前記
第1付加支持手段
は、円筒状に
形成されているという事実にも見られる。
【0017】
さらに、前記二つの画像取得器は、ヒンジ(ジョイント)により、前記
第1主支持手段の縦の延長線に対して直交す
る旋回軸及
び回転軸回りの両方にそれぞれ傾けられるように配置されており、前記旋回軸及び前記回転軸回りの回転動作が互いに独立して分離されていれば、有利である。
【0018】
さらに、本発明の好ましい実施形態は、少なくとも
一つの第3の内視鏡が第3のロボットアーム上に設けられ、前記第3の内視鏡は、身体の外部から内部まで前記
第3の内視鏡の全体の長さに渡って実質的に伸びている
、手術器具のための第3主支持手段と、前記第3の内視鏡の身体内へのアクセスを成し遂げる
第3トロカールと
、前記
第3主支持手段上に配置され、遠位末端に、
第2付加画像取得器を備えた
第2付加支持手段とを備え、前記
第2付加画像取得器は、前記
第2付加支持手段から外側へ旋回可能に配置されて、
第2付加照明ユニットと、前記第1の内視鏡の二つの画像取得器の二つの監視領域を含む
第2監視領域を有する少なくとも一つの
第2付加画像センサとを備えていることを特徴としている。
【0019】
さらに、前記第3の内視鏡の
第2付加画像取得器が前記画像処理ユニットに接続されており、表示ユニット(可視化ユニット)が、前記第1の内視鏡の二つの画像取得器及び/又は前記第2の内視鏡の
第1付加像取得器及び/又は前記第3の内視鏡の
第2付加画像取得器の2次元画像データ及び/又は3次元画像データを表示すれば、有利である。
【0020】
この本発明の全体説明は、前述と同様に、3次元詳細カメラ及び少なくとももう一つの2次元概観カメラからなる組み合わせに関係する。このとき、この2次元概観カメラは、好ましくは手術器具のために使用されるもう一つのトロカールを通して身体内に導かれ、他のトロカールを介して身体内に導かれた全てのさらなる手術器具又は内視鏡カメラが2次元監視カメラにより光学的に包含(カバー)されるように位置決めされる。そればかりか、さらなるトロカールを介して身体内に入れられた全ての手術器具及び内視鏡カメラが2次元監視カメラによって光学的に包含(カバー)されるように、3次元詳細カメラと組み合わ
せた手術器具のために使われたさらに二つのトロカールを有する、少なくとも二つの2次元監視カメラが、身体内に導かれて、位置決めされる。
【0021】
腹腔鏡下手術のような低侵襲手術処置では、患者の身体(一般的には、腹部又は胸腔)内へのアクセスは、トロカールを通して行われる。そのようなトロカールを使って、手術器具、カメラ又は内視鏡が身体内へ導かれる。上述したように、本発明によれば、手術器具及びトロカールカメラは、同時にトロカールを通して導かれる。ルールとして、三つ乃至五つの手術器具及び少なくとも一つのカメラが手術関与のために必要とされるので、三つ乃至五つのトロカールが必要とされる。
【0022】
単に例示することにより、本発明は、添付した図面によって説明される。図面は、次のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、手術用ロボットシステムの画像処理ユニット及び表示ユニットに接続され、本発明の内視鏡に配置されている3次元詳細カメラ、及び他のトロカール上の独立した支持手段に配置された少なくとも一つの2次元画像カメラの好ましい実施形態において、適当な内視鏡を使った低侵襲処置中における好ましいトロカールアセンブリの概略図である。
【
図2】
図2は、3次元詳細カメラ及び2次元監視カメラからなる可視化解決を利用した、腹腔鏡検査のような低侵襲手術で使用される手術用ロボットシステムの概略図である。
【
図3】
図3は、手術用ロボットシステムの画像処理ユニット及び表示ユニットに接続され、本発明の内視鏡に配置されている3次元詳細カメラ、及び二つの異なるトロカール上の独立したキャリアに配置された少なくとも二つの2次元画像カメラの好まし実施形態において、適当な内視鏡を使った低侵襲処置における好ましいトロカールアセンブリの概略図である。
【
図4】
図4は、3次元詳細カメラ及び2次元監視カメラからなる可視化解決を利用した、腹腔鏡検査のような低侵襲手術で使用される手術用ロボットシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明のマルチカメラシステムを示している。トロカール(外套針)1を使って、身体組織2を通して通路が作られ、患者の身体の内部へのアクセスがなされる。トロカール1aを介して、2次元(2D)監視カメラのための付加支持具(サポート)3が身体の中に導かれる。付加支持具3は、手術器具のための回転対称であるロッド形状のもう一つの主支持具(サポート)4aのための管状通路ができるように設計されている。付加支持具3には、カメラホルダ(カメラ支持具)5がヒンジ(蝶番)6により取り付けられている。カメラホルダ5は、トロカール1aを通過した後、旋回動作7により回転軸に対して基本的に90度に広げられる。カメラホルダ5は、画像センサ9及び開口角度(オープニングアングル)18を有する広角の結像光学系(イメージング光学系、撮像光学系)8からなる付加画像センサを運ぶ。視野を照らすために、カメラホルダ5は、さらに、光源11及び開口角度19を有する同様な広角の結像光学システム10からなる付加照明ユニットも備えている。この広角の結像光学システム10は、広角の結像レンズ(広角の結像光学系)8と広角の結像光学システム10との間の視差オフセットを除いて、画像センサ9及び関連する広角の結像レンズ8によって包含(カバー)される視野全体が照らされるように設計されている。付加画像センサ及び付加照明ユニットを有するカメラホルダ5は、共に、2次元概観画像を生成するための2次元監視カメラを形成する。好ましくは、画像センサ9は、1920×1080画素以上の分解能をもつCCDセンサ又はCMOSセンサとして設計されている。外側のトロカール1aにおける2次元監視カメラの適当な位置決めで、トロカール1b,1c,1dを通して、身体内に移入されたさらなる手術器具又は導かれた内視鏡は、2次元監視カメラの視野内にあり、2次元監視カメラによって視覚的に捕えられて画像センサ9上に表示される。
【0025】
受け取った画像データは、データリンク29を介して処理ユニット31に供給され、処理ユニット31は画像データを表示のために処理し、処理された画像データをもう一つのデータパス32を介して可視化ユニット(視覚化ユニット)33に供給する。可視化ユニット33は、2次元画像データ及び3次元画像データの両方を、例えば分けて表示できる。また、単一の画像又は単一の画像シーケンスに結合して表示することもできる。
【0026】
回転対称の主支持具(サポート)4bの端部には、二つのカメラモジュール、すなわち特に二つのカメラホルダ20a,20bに取り付けられた二つの光学結像システム(光学イメージングシステム)22a,22bをそれぞれ有する二つの画像取得器20a,21a,22a,20b,21b,22bが位置している。カメラホルダ20a,20bは、旋回軸(回転軸)を形成するジョイント25a,25bにより、身体内に導かれた後に、旋回方向(回転方向)26a,26bにおいて主支持具4bの回転軸に対して90度まで伸ばすことができるように、主支持具4bに接続されている。視野を照らすために、光源23及び結像光学システム24からなる照明ユニットが、伸ばせるカメラホルダ20a,20bが取り付けられている主支持具4bの端部に取り付けられている。カメラホルダ20a,20bは、画像センサ21a,21b及び結像光学系(光学結像システム)22a,22bからなる画像器を備えている。これらの二つの画像取得器20a,21a,22a,20b,21b,22bは、共に3次元詳細カメラを形成する。
【0027】
好ましくは、光源23及び結像光学系(結像光学系、イメージング光学系)24からなる照明ユニットは、二つの画像センサ21a,21b及び関連する結像光学系22a,22bの両方によって表示される視野が完全に照らされるように、適当な結像レンズ24と結合されたLEDの放射角度が選択される方法で直接のLED光源として設計することができる。
【0028】
受け取った画像データは、データリンク30を介して処理ユニット31に供給される。処理ユニット31は、その画像データを表示のために処理して、もう一つデータパス32を介して可視化ユニット33に供給する。可視化ユニット33は、2次元画像データ及び3次元画像データの両方を、例えば分けて表示できる。また、単一の画像又は単一のフレームシーケンスに結合して表示することもできる。
【0029】
図2は、腹腔鏡検査のような低侵襲手術に使用される手術ロボットシステム内の3次元詳細カメラ及び2次元監視カメラからなる可視化解決の利用を示す。四つのロボットアーム45,47,49,51及び四つのトロカールアクセス44,46,48,50を備えたロボットシステムの実施形態が示されている。ここで、トロカールアクセス44は、トロカール1aにおける
図1に示した2次元監視カメラを備えている。トロカールアクセス46は、トロカール1bにおける
図1に示した3次元詳細カメラを備えている。トロカールアクセス48,50は、他の二つの手術器具4c,4dによるアクセスのためのトロカール1c,1dを備えている。2次元監視カメラのためのトロカールアクセス44は、事前位置決め器45により、ガイド43に接続されている。3次元詳細カメラのためのトロカールアクセス46は、事前位置決め器47により、ガイド43に接続されている。手術器具のためのトロカールアクセス48は、事前位置決め器49により、ガイド43に接続されている。手術器具のためのトロカールアクセス50は、事前位置決め器51により、ガイド43に接続される。事前位置決め器は、例えば手動調整により受動的に、又は能動的に実現され得る。事前位置決め器自身は、例えばガイド43のような適当な支持(サポート)により保たれる。ガイド43は、ジョイント42により患者に対して位置決めされる。張出し棒(ブーム)41は、可動性支持システム40に接続され、これにより、手術テーブル39に対して相対的に支持システム全体の位置決めを行うことができる。制御及び表示ユニット34を用いて、操作者は事前位置決め器の現在の状態を知る。制御及び表示ユニット34を用いて、操作者は、制御指示を入力し、その制御指示は適当なデータリンク35を介して制御ユニット36に送られ、そして、さらなる処理のために、制御指示は、制御ユニット36から2次元画像カメラのためのトロカールアクセス44、3次元詳細カメラのためのトロカールアクセス46、トロカールアクセス48,50、事前位置決め器45,47,49,51及びガイド43に送られる。制御ユニット36は、適当なデータリンク37により、支持システム40に接続されている。手術テーブル39は、データリンク38により、制御目的のために制御ユニット36に接続されている。これにより、手術テーブル位置、例えば高さを変更する場合に、制御ユニット36内でこの位置変更を処理して、信号で知らせることができる。それゆえ、患者の位置の変更は、手術テーブル39の位置の変更に基づいて評価される。
【0030】
受け取った画像データは、データライン29,30を介して処理ユニット31に供給され、処理ユニット31は、その画像データを表示のために処理して、もう一つのデータパス32を介して可視化ユニット33に供給する。可視化ユニット33は、2次元画像データ及び3次元画像データの両方を、例えば分けて表示できる。また、単一の画像又は単一のフレームシーケンスに結合して表示することもできる。
【0031】
制御及び表示ユニット34は、適当はデータリンク52により、処理ユニット31に接続されている。制御及び表示ユニット34を用いて、外科医は、画像データの選択、処理及び表示のための制御指示を処理ユニット31に送ることができる。処理ユニット31は適当なデータリンク32により、表示ユニット(可視化ユニット)33に接続されている。表示ユニット33は、2次元監視カメラ及び3次元詳細カメラによって供給された詳細画像及び画像シーケンスに加えて、処理ユニット31で生成された手術器具の経路のような付加情報も、分けた画像、画像シーケンス、並びに2次元監視カメラ及び/又は3次元詳細カメラによって計算された画像情報のいずれかとして表示できる。
【0032】
図3は、本発明のマルチカメラシステムを示している。トロカール(外套針)1は、身体組織2を通して通路を提供し、これにより、患者の身体の内部にアクセスする。トロカール1aを介して、第1の2次元(2D)監視カメラのための付加支持具(サポート)3aが身体の中に導かれる。付加支持具3aは、手術器具のための回転対称であるロッド形状のもう一つ主支持具(サポート)4aのための管状通路ができるように設計されている。付加支持具3aには、カメラホルダ(カメラ支持具)5aがジョイント6により取り付けられている。カメラホルダ5aは、トロカール1aを介した導入の後で、旋回動作7により回転軸に対して基本的に90度に広げられる。カメラホルダ5aは、画像センサ9及び開口角度(オープニングアングル)18aを有する広角の結像光学系(イメージング光学系、撮像光学系)8aからなる付加画像センサを運ぶ。視野を照らすために、カメラホルダ5aは、さらに、光源11及び開口角度19aを有する同様な広角の結像レンズ(イメージング)10aからなる付加照明ユニットも備えている。この広角の結像レンズ10aは、広角の結像レンズ8aと広角の結像光学システム10aとの間の視差オフセットを除いて、画像センサ9a及び関連する広角の結像レンズ8aの視野全体が照らされるように構成されている。付加画像センサ及び付加照明ユニットを有するカメラホルダ5aは、共に、第1の2次元概観画像を生成するための第1の2次元画像カメラを形成する。好ましくは、画像センサ9aは、1920×1080画素以上の分解能をもつCCDセンサ又はCMOSセンサとして設計されている。外側のトロカール1aにおける2次元監視カメラの適当な位置決めで、トロカール1b,1c,1dを通して身体内に導かれたさらなる全ての手術器具又は内視鏡は、第1の2次元監視カメラの視野内に表示することができ、第1の2次元監視カメラによって視覚的に捕えられて画像センサ9上に表示される。
【0033】
受け取った画像データは、データライン29aを介して処理ユニット31に供給され、処理ユニット31は画像データを表示のために処理し、処理された画像データをもう一つのデータパス32を介して可視化ユニット(視覚化ユニット)33に供給する。可視化ユニット33は、2次元画像データ及び3次元画像データの両方を、例えば分けて表示できる。また、単一の画像又は単一のフレームシーケンスに結合して表示することもできる。
【0034】
トロカール1dは、身体組織2を通過する通路を提供し、それゆえ、患者の身体内部にアクセスできる。第2の画像カメラのための付加支持具(サポート)3dは、トロカール1dを介して身体の中に導かれる。付加支持具3dは、手術器具のための回転対称であるロッド形状のもう一つ主支持具(サポート)4dのための管状通路ができるように設計されている。補助(予備)の付加支持具3dには、カメラホルダ(カメラ支持具)5dがヒンジ6dにより取り付けられている。カメラホルダ5dは、トロカール1dを介した通過の後で、旋回動作7dにおいて回転軸に対して基本的には90度に広げられる。カメラホルダ5dは、画像センサ9d及び開口角度(オープニングアングル)18dを有する広角の結像光学系(イメージング光学系、撮像光学系)8dからなる付加画像センサを運ぶ。視野を照らすために、カメラホルダ5dは、さらに、光源11d及び開口角度19dを有する同様な広角の結像光学システム10dからなる付加照明ユニットも備えている。この広角の結像光学システム10dは、広角の結像レンズ8dと広角の結像光学システム10dとの間の視差オフセットを除いて、画像センサ9a及び関連する広角の結像光学系8dの視野全体が照らされるように設計されている。付加画像センサ及び付加照明ユニットを有するカメラホルダ5dは、共に、第2の2次元概観画像を生成するための第2の2次元画像カメラを形成する。好ましくは、画像センサ9dは、1920×1080画素以上の分解能をもつCCDセンサ又はCMOSセンサとして設計されている。外側のトロカール1dにおける第2の2次元監視カメラの適当な位置決めで、トロカール1a,1b,1cを通して身体内に導かれたさらなる全ての手術器具又は内視鏡は、第2の2次元監視カメラの視野内にあり、第2の2次元監視カメラによって視覚的に捕えられて画像センサ9d上に表示される。
【0035】
受け取った画像データは、データライン29dを介して処理ユニット31に供給され、処理ユニット31は画像データを表示のために処理し、処理された画像データをもう一つのデータパス32を介して可視化ユニット(視覚化ユニット)33に供給する。可視化ユニット33は、2次元画像データ及び3次元画像データの両方を、例えば分けて表示できる。また、単一の画像又は単一のフレームシーケンスに結合して表示することもできる。
【0036】
回転対称の主支持具(サポート)4bの端部には、二つのカメラモジュール、すなわち特に二つのカメラホルダ20a,20bに取り付けられた二つの光学結像システム(光学イメージングシステム)22a,22bをそれぞれ有する二つの画像取得器20a,21a,22a,20b,21b,22bが位置している。カメラホルダ20a,20bは、旋回軸(回転軸)を形成するジョイント25a,25bにより、身体内に導かれた後に、旋回方向(回転方向)26a,26bにおいて主支持具4bの回転軸に対して90度まで伸ばすことができるように、主支持具4bに接続されている。視野を照らすために、光源23及び結像光学システム4からなる照明ユニットが、伸ばせるカメラホルダ20a,20bが取り付けられている主支持具4の端部に取り付けられている。カメラホルダ20a,20bは、画像センサ21a,21b及び結像光学系(光学結像システム)22a,22bからなる画像器を運ぶ。これらの二つの画像取得器20a,21a,22a,20b,21b,22bは、共に3次元詳細カメラを形成する。
【0037】
好ましくは、光源23及び結像光学系24からなる照明ユニットは、二つの画像センサ21a,21b及び関連する結像光学系22a,22bの両方によって形成される視野が完全に照らされるように、適当な結像レンズ24と共にLEDの放射角が選択される方法で直接のLED光源として実現される。
【0038】
受け取った画像データは、データリンク30を介して処理ユニット31に供給される。処理ユニット31は、その画像データを表示のために処理して、もう一つデータパス32を介して可視化ユニット33に供給する。可視化ユニット33は、2次元画像データ及び3次元画像データの両方を、例えば分けて表示できる。また、単一の画像又は単一のフレームシーケンスに結合して表示することもできる。
【0039】
図4は、腹腔鏡検査のような低侵襲手術に使用される手術ロボットシステム内の3次元詳細カメラ及び2次元監視カメラからなる可視化解決の利用を示す。四つのロボットアーム45,47,49,51及び四つのトロカールアクセス44,46,48,50を備えたロボットシステムの実施形態が示されている。ここで、トロカールアクセス44は、
図3に示したトロカール1aにおける第1の2次元監視カメラを備えている。トロカールアクセス46は、
図3に示したトロカール1bにおける3次元詳細カメラを備えている。トロカールアクセス50は、
図3に示したトロカール1dにおける第2の2次元監視カメラを備えている。トロカールアクセス48はもう一つ手術器具4cのアクセスのためのトロカール1cを備えている。第1の2次元画像カメラのトロカールアクセス44は、事前位置決め器45により、ガイド43に接続されている。3次元カメラのためのトロカールアクセス46は、事前位置決め器47により、ガイド43に接続されている。手術器具のためのトロカールアクセス48は、事前位置決め器49により、ガイド43に接続されている。第2の2次元監視カメラのトロカールアクセス50は、事前位置決め器51により、ガイド43に接続されている。事前位置決め器は、例えば手動調整により受動的に、又は能動的に実現され得る。事前位置決め器自身は、例えばガイド43のような適当な支持具(サポート)により保たれる。ガイド43は、ジョイント42により患者に対して位置決めされる。張出し棒(ブーム)41は、可動性支持システム40に接続され、これにより手術テーブル39に対して相対的に支持システム全体の位置決めを行うことができる。制御及び表示ユニット34は、操作者に事前位置決め器の現在の状態を知らせる。制御及び表示ユニット34を用いて、操作者は、制御指示を入力し、その制御指示は適当なデータリンク35を介して制御ユニット36に送られ、そして、さらなる処理のために、制御ユニット36から2次元画像カメラのためのトロカールアクセス44,50、3次元詳細カメラのためのトロカールアクセス46、トロカールアクセス48、事前位置決め器45,47,49,51及びガイド43に送られる。制御ユニット36は、適当なデータリンク37により、支持システム40に接続されている。手術テーブル39は、制御目的のために、データリンク38を介して制御ユニット36に接続されている。これにより、手術テーブル位置、例えば高さを変更する場合に、制御ユニット36内でこの位置変更を処理して、信号化される。ゆえに、手術テーブル39の位置変更に基づいて、患者の位置変更を評価できる。
【0040】
受け取った画像データは、データライン29a,29d,30を介して処理ユニット31に供給され、処理ユニット31は、その画像データを表示のために処理して、もう一つのデータパス32を介して可視化ユニット33に供給する。可視化ユニット33は、2次元画像データ及び3次元画像データの両方を、例えば分けて表示できる。また、単一の画像又は単一のフレームシーケンスに結合して表示することもできる。
【0041】
制御及び表示ユニット34は、適当はデータリンク52により、処理ユニット31に接続されている。制御及び表示ユニット34を用いて、外科医は、画像データの選択、処理及び表示のための制御指示を処理ユニット31に送ることができる。処理ユニット31は適当なデータリンク32により、表示ユニット(可視化ユニット)33に接続されている。表示ユニット33は、2次元監視カメラ及び3次元詳細カメラにより、画像又は画像シーケンスに加えて、処理ユニット31内で生成された手術道具の経路のような付加情報も供給される。その手術道具の経路は、2次元監視カメラ及び/又は3次元詳細カメラの画像情報によって計算された分けられた画像/画像シーケンス、複数の画像、及び画像シーケンスのいずれかとして表されている。
【0042】
このように、本発明は、手術ロボットシステムを示しており、そこでは、手術器具の経路及び照明器が表示ユニットの画面に表示される。だから、外科医には、器具の個々の構成要素の現在の位置が知らされるばかりか、他の器具及び照明装置がどの方向にあるかも示される。本発明は、外科医が全ての器具を常に調整でき、それらをいわゆる「ブラインド飛行」において3次元カメラの視野に持ち込まなくてもよくなる。