(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389512
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】低消費電力待機回路デバイス、エアーコンディショナー及びエアーコンディショナーの制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20180903BHJP
G06F 1/26 20060101ALI20180903BHJP
G06F 1/32 20060101ALI20180903BHJP
F24F 11/62 20180101ALI20180903BHJP
F24F 11/30 20180101ALI20180903BHJP
【FI】
H02J1/00 307F
G06F1/26 F
G06F1/32 B
F24F11/62
F24F11/30
H02J1/00 307C
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-510925(P2016-510925)
(86)(22)【出願日】2014年4月30日
(65)【公表番号】特表2016-526365(P2016-526365A)
(43)【公表日】2016年9月1日
(86)【国際出願番号】CN2014076600
(87)【国際公開番号】WO2014177056
(87)【国際公開日】20141106
【審査請求日】2017年3月31日
(31)【優先権主張番号】201310158665.0
(32)【優先日】2013年5月2日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512306405
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンシーズ インク オブ ズーハイ
【氏名又は名称原語表記】GREE ELECTRIC APPLIANCES, INC. OF ZHUHAI
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(74)【代理人】
【識別番号】100115451
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】シー トウ
(72)【発明者】
【氏名】トウ モン チュン
(72)【発明者】
【氏名】ウー イエン リャン
(72)【発明者】
【氏名】ウエ ハン チンン
【審査官】
高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−081712(JP,A)
【文献】
特開2000−346425(JP,A)
【文献】
特開2008−175486(JP,A)
【文献】
特開2012−222991(JP,A)
【文献】
特開2000−333365(JP,A)
【文献】
特開2000−097484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00 − 1/16
F24F 11/00 − 11/89
G06F 1/26 − 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次電源と2次電源と第1制御スイッチと第2制御スイッチと制御回路モジュールと、を備え、
前記1次電源の入力端子は、前記第1制御スイッチを介して外部電源に対して電気的に接続され、かつ、前記1次電源の出力端子は、外部負荷に電力供給するために前記外部負荷に対して電気的に接続され、
前記2次電源の入力端子は、前記外部電源に対して直接かつ電気的に接続され、かつ、前記2次電源の出力端子は、前記制御回路モジュールに対して電気的に接続され、
前記制御回路モジュールは、MCUモジュールと信号受信回路とを備え、
前記MCUモジュールは、第1MCU及び第2MCUを含み、前記第1MCUは、前記第2制御スイッチ及び前記2次電源に対して逐次直列接続され、前記第2MCUは、前記2次電源に対して電気的に接続され、前記第1MCU及び前記第2MCUの双方が前記2次電源によって電力供給され、
前記第1MCUは、前記第1制御スイッチのオンとオフとを制御し、かつ、前記第2MCUは、前記第2制御スイッチのオンとオフとを制御し、
低消費電力待機回路デバイス本体を含むエアーコンディショナーが待機モードに移行した後に、前記第1MCUが第1制御スイッチをオフに制御して1次電源と外部電源との間
の電気的接続を遮断してから、前記第2MCUが第2制御スイッチをオフに制御して第1MCUと第2MCUとの間の電気的接続を切断し、その後に、前記MCUを低消費電力モードに移行する低消費電力待機回路デバイス。
【請求項2】
さらに、電圧安定化モジュールを備え、
前記2次電源の前記出力端子は、前記電圧安定化モジュールに対して直列に電気的に接続され、かつ、前記第1MCU及び前記第2MCUに順次電気的に接続される、請求項1に記載の低消費電力待機回路デバイス。
【請求項3】
前記1次電源は、多重出力を有し、かつ、
前記2次電源は、単一出力又は多重出力を有する、請求項1に記載の低消費電力待機回路デバイス。
【請求項4】
さらに、前記制御回路モジュールは、リセット回路と表示モジュールとを備え、かつ、
前記リセット回路及び前記表示モジュールは、それぞれ前記2次電源の前記出力端子に対して電気的に接続される、請求項1から3のいずれか1項に記載の低消費電力待機回路デバイス。
【請求項5】
請求項1、2又は3に記載の低消費電力待機回路デバイスを含み、
前記低消費電力待機回路デバイスは、前記エアーコンディショナーの前記室内機及び前記室外機に電力を供給するための外部電源に対して電気的に接続され、
第3制御スイッチは、前記室外機と前記室内機との間の電源接続を接続し又は切断するために前記室外機と前記室内機との間に電気的に接続され、かつ、前記MCUモジュールは、前記第3制御スイッチのオンとオフとを制御するために前記第3制御スイッチに対して結合される、エアーコンディショナー。
【請求項6】
エアーコンディショナーは、室内機及び室外機を備え、
前記エアーコンディショナーは、請求項1に記載の低消費電力待機回路デバイスを含み、
前記低消費電力待機回路デバイスは、前記エアーコンディショナーの前記室内機及び前記室外機に電力を供給するために外部電源に対して電気的に接続され、 第3制御スイッチは、前記室外機と前記室内機との間の電源接続を接続し又は切断するために前記室外機と前記室内機との間に電気的に接続され、かつ、前記第1MCUは、前記第3制御スイッチのオンとオフとを制御するために前記第3制御スイッチに電気的に接続される、エアーコンディショナー。
【請求項7】
起動プロセスを備え、
前記起動プロセスは、
前記エアーコンディショナー内の前記低消費電力待機回路デバイスの前記制御回路モジュールの前記MCUモジュールが起動信号を受信し又は再通電される場合、前記MCUモジュールは、まず、前記第1制御スイッチがオンとなるように制御するステップと、それから、前記エアーコンディショナーの前記第3制御スイッチがオンとなるように制御するステップと、前記低消費電力待機回路デバイスの前記1次電源と前記室外機及び前記室内機の負荷回路とを通電させて前記エアーコンディショナーを通常の運転状態に移行するステップと、を備える請求項6に記載のエアーコンディショナーの制御方法。
【請求項8】
待機プロセスを備え、前記待機プロセスは、
エアーコンディショナーが待機モードに移行する場合、前記室内機と室外機との間の電気的接続を切断し、かつ、前記1次電源と前記外部電源との間の電気的接続を切断するために、前記MCUモジュールは、まず、前記第3制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、それから、前記第1制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、前記MCUモジュールを低消費電力モードに移行するステップと、を備える請求項5に記載のエアーコンディショナーの制御方法。
【請求項9】
前記待機プロセスは、
前記MCUモジュールが遮断信号を受信する場合、前記MCUモジュールは、まず、前記室外機のスイッチをオフにするために前記第3制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、それから、前記1次電源のスイッチをオフにするために前記第1制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、
前記第1制御スイッチがスイッチオフされた後、第1の予め設定された時間内に、前記MCUモジュールが動作信号を受信していたか否かを判定するステップと、受信していた場合に前記MCUモジュールが前記低消費電力モードに移行することを禁止するステップと、受信していなかった場合に前記MCUモジュールを低消費電力モードに移行するステ
ップと、を備える請求項8に記載のエアーコンディショナーの制御方法。
【請求項10】
起動プロセスを備え、
前記起動プロセスは、
前記エアーコンディショナー内の前記低消費電力待機回路デバイスの前記制御回路モジュールの前記第2MCUモジュールが起動信号を受信し又は再通電される場合、前記第2MCUモジュールは、前記低消費電力待機回路デバイスの前記第2制御スイッチがオンとなるように制御するステップと、前記低消費電力待機回路デバイスの前記第1MCUが通電するように制御するステップと、
前記第1MCUは、まず、前記第1制御スイッチがオンとなるように制御し、それから、前記エアーコンディショナーの前記第3制御スイッチがオンとなるように制御するステップと、前記1次電源と前記室外機及び前記室内機の負荷回路とを通電させて前記エアーコンディショナーを通常の運転状態に移行するステップと、を備える請求項6に記載のエアーコンディショナーの制御方法。
【請求項11】
待機プロセスを備え、かつ、前記待機プロセスは、
前記エアーコンディショナーが待機モードに移行した後、前記室内機と前記室外機との間の電気的接続を切断し、かつ、前記1次電源と前記外部電源との間の電気的接続を切断するために、前記第1MCUは、まず、前記第3制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、それから、前記第1制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、
前記第2MCUは、前記第2制御スイッチがオフとなるように制御し、かつ、前記第1MCUと前記第2MCUとの間の電気的接続を切断し、かつ、前記MCUが低消費電力モードに移行するステップと、を備える請求項6に記載のエアーコンディショナーの制御方法。
【請求項12】
前記待機プロセスは、
前記第1MCUモジュールが前記第2MCUから送信される遮断信号を受信し、かつ、第2の予め設定された時間内に前記第2MCUからの任意の更なる信号を受信していなかった場合、前記第1MCUは、まず、前記室外機への通電を停止するために、前記第3制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、それから、前記第1MCUは、前記1次電源への通電を停止するために、前記第1制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、
前記第1制御スイッチがスイッチオフされた後、前記第3の予め設定された時間内に、前記第2MCUが動作信号を受信していたか否かを判定するステップと、受信していた場合に前記MCUが前記低消費電力モードに移行することを禁止するステップと、受信していなかった場合に、前記第2MCUは、前記第2制御スイッチがオフとなるように制御し、前記第2MCUは前記低消費電力モードに移行するステップと、を備える請求項11に記載のエアーコンディショナーの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、その内容全体を参照によって本願明細書に組み込まれたものとする、「低消費電力待機回路デバイス、エアーコンディショナー及びエアーコンディショナーの制御方法」という名称の、2013年5月2日に出願された、中国特許出願番号201310158665.0号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、電気及び冷却の分野に関し、特に、低消費電力待機回路デバイス、エアーコンディショナー及びエアーコンディショナーの制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
家電装置の現行の制御部は、通常、1モードの電源によって行われている。例えば、たとえエアーコンディショナーの制御部が待機状態であっても、旋回モータの回路、室内機の表示パネル、メインボード、及び、表示パネルのメインチップは、すべて電源オンである。待機状態でのエアーコンディショナーの消費電力は、3ワット以上あるので、電気エネルギーを浪費するだけでなく、潜在的な安全性の問題が増大する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術に存在する欠点を克服するために、本開示は、合理的な電源供給配分を通じて、エアーコンディショナーが待機状態にある場合に低消費電力を実現する、低消費電力待機回路デバイス、エアーコンディショナー及びエアーコンディショナーの制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の技術的な解決手段は、以下のとおりであり、低消費電力待機回路デバイスは、1次電源と2次電源と第1制御スイッチと制御回路モジュールと、を備え、
前記1次電源の入力端子は、前記第1制御スイッチを介して外部電源に対して電気的に接続され、かつ、前記1次電源の出力端子は、外部負荷に電力供給するために前記外部負荷に対して電気的に接続され、
前記2次電源の入力端子は、前記外部電源に対して直接かつ電気的に接続され、かつ、前記2次電源の出力端子は、前記制御回路モジュールに対して電気的に接続され、
前記制御回路モジュールは、MCUモジュールと信号受信回路とを備え、かつ、前記MCUモジュールは、前記第1制御スイッチのオンとオフとを制御する。
【0006】
さらに、低消費電力待機回路デバイスは、第2制御スイッチを備え、
前記MCUモジュールは、第1MCU及び第2MCUを含み、前記第1MCUは、前記第2制御スイッチ及び前記2次電源に対して逐次直列接続され、前記第2MCUは、前記2次電源に対して電気的に接続され、前記第1MCU及び前記第2MCUの双方が前記2次電源によって電力供給され、
前記第1MCUは、前記第1制御スイッチのオンとオフとを制御し、かつ、前記第2MCUは、前記第2制御スイッチのオンとオフとを制御する。
【0007】
さらに、低消費電力待機回路デバイスは、電圧安定化モジュールを備え、
前記2次電源の前記出力端子は、前記電圧安定化モジュールに対して直列に電気的に接続され、かつ、前記第1MCU及び前記第2MCUに順次電気的に接続される。
【0008】
さらに、前記1次電源は、多重出力を有し、かつ、
前記2次電源は、単一出力又は多重出力を有する。
【0009】
さらに、前記制御回路モジュールは、リセット回路及び表示モジュールを備え、かつ、
前記リセット回路及び前記表示モジュールは、それぞれ前記2次電源の前記出力端子に対して電気的に接続される。
【0010】
エアーコンディショナーは、室内機及び室外機を備え、
前記エアーコンディショナーは、上記の低消費電力待機回路デバイスを含み、
前記低消費電力待機回路デバイスは、前記エアーコンディショナーの前記室内機及び前記室外機に電力を供給するための外部電源に対して電気的に接続され、
第3制御スイッチは、前記室外機と前記室内機との間の電源接続を接続し又は切断するために前記室外機と前記室内機との間に電気的に接続され、かつ、前記MCUモジュールは、前記第3制御スイッチのオンとオフとを制御するために前記第3制御スイッチに対して結合される。
【0011】
エアーコンディショナーは、室内機及び室外機を備え、
前記エアーコンディショナーは、上記の低消費電力待機回路デバイスを含み、
前記低消費電力待機回路デバイスは、前記エアーコンディショナーの前記室内機及び前記室外機に電力を供給するための外部電源に対して電気的に接続され、
第3制御スイッチは、前記室外機と前記室内機との間の電源接続を接続し又は切断するために前記室外機と前記室内機との間に電気的に接続され、かつ、前記第1MCUは、前記第3制御スイッチのオンとオフとを制御するために前記第3制御スイッチに電気的に接続される。
【0012】
エアーコンディショナーの制御方法は、起動プロセスを備え、かつ、前記起動プロセスは、
前記エアーコンディショナー内の前記低消費電力待機回路デバイスの前記制御回路モジュールの前記MCUモジュールが起動信号を受信し又は再通電される場合、前記MCUモジュールは、まず、前記第1制御スイッチがオンとなるように制御するステップと、それから、前記エアーコンディショナーの前記第3制御スイッチがオンとなるように制御するステップと、前記低消費電力待機回路デバイスの前記1次電源と前記室外機及び前記室内機の負荷回路とを通電させて前記エアーコンディショナーを通常の運転状態に移行するステップと、を備える。
【0013】
エアーコンディショナーの制御方法は、待機プロセスを備え、かつ、前記待機プロセスは、
エアーコンディショナーが待機モードに移行する場合、前記室内機と室外機との間の電気的接続を切断し、かつ、前記1次電源と前記外部電源との間の電気的接続を切断するために、前記MCUモジュールは、まず、前記第3制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、それから、前記第1制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、前記MCUモジュールを低消費電力モードに移行するステップと、を備える。
【0014】
さらに、前記待機プロセスは、
前記MCUモジュールが遮断信号を受信する場合、前記MCUモジュールは、まず、前記室外機のスイッチをオフにするために前記第3制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、それから、前記1次電源のスイッチをオフにするために前記第1制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、
前記第1制御スイッチがスイッチオフされた後、第1の予め設定された時間内に、前記MCUモジュールが動作信号を受信していたか否かを判定するステップと、受信していた場合に前記MCUモジュールが前記低消費電力モードに移行することを禁止するステップと、受信していなかった場合に前記MCUモジュールを低消費電力モードに移行するステップと、を備える。
【0015】
エアーコンディショナーの制御方法は、起動プロセスを備え、かつ、前記起動プロセスは、
前記エアーコンディショナー内の前記低消費電力待機回路デバイスの前記制御回路モジュールの前記第2MCUモジュールが起動信号を受信し又は再通電される場合、前記第2MCUモジュールは、前記低消費電力待機回路デバイスの前記第2制御スイッチがオンとなるように制御するステップと、前記低消費電力待機回路デバイスの前記第1MCUが通電するように制御するステップと、
前記第1MCUは、まず、前記第1制御スイッチがオンとなるように制御し、それから、前記エアーコンディショナーの前記第3制御スイッチがオンとなるように制御するステップと、前記1次電源と前記室外機及び前記室内機の負荷回路とを通電させて前記エアーコンディショナーを通常の運転状態に移行するステップと、を備える。
【0016】
制御方法は、待機プロセスを備え、かつ、前記待機プロセスは、
前記エアーコンディショナーが待機モードに移行した後、前記室内機と前記室外機との間の電気的接続を切断し、かつ、前記1次電源と前記外部電源との間の電気的接続を切断するために、前記第1MCUは、まず、前記第3制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、それから、前記第1制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、
前記第2MCUは、前記第2制御スイッチがオフとなるように制御し、前記第1MCUと前記第2MCUとの間の電気的接続を切断させて前記MCUを低消費電力モードに移行するステップと、を備える。
【0017】
さらに、待機プロセスは、
前記第1MCUモジュールが前記第2MCUから送信される遮断信号を受信し、かつ、第2の予め設定された時間内に前記第2MCUからの任意の更なる信号を受信していなかった場合、前記第1MCUは、まず、前記室外機への通電を停止するために、前記第3制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、それから、前記第1MCUは、前記1次電源への通電を停止するために、前記第1制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、
前記第1制御スイッチがスイッチオフされた後、前記第3の予め設定された時間内に、前記第2MCUが動作信号を受信していたか否かを判定するステップと、受信していた場合に前記MCUが前記低消費電力モードに移行することを禁止するステップと、受信していなかった場合に、前記第2MCUは、前記第2制御スイッチがオフとなるように制御し、前記第2MCUは前記低消費電力モードに移行するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本開示の効果は、以下のとおりである。
【0019】
本開示の低消費電力待機回路デバイス、エアーコンディショナー及びエアーコンディショナーの制御方法によれば、エアーコンディショナーには、2つのスイッチング電源モードによって電力供給される低消費電力待機回路デバイスが設けられている。本開示のエアーコンディショナーの制御方法によれば、エアーコンディショナーが待機中の場合、室外機の外部電源と1次電源とがスイッチオフされ、さらに、2つのMCUが適用される場合、メインボード上の電源VCCもスイッチオフされ、メインボードは通電されず、かつ、表示パネルのメインチップ及び信号受信回路のみが、2次電源により電力供給される。1つのチップがメインボード上の負荷と表示パネル上の負荷との両方を制御する方式と比較して、2つのメインチップが設けられ、2つのメインチップが、それぞれ、メインボード上の負荷と表示パネル上の負荷とを制御する方式の場合、チップの通信インタフェースを低減させ、表示パネルとメインボードとの間に接続されていて、負荷を制御するために用いられる接続配線を省略させ、それによって、製造コストを低減させ、かつ、生産効率を高められる。エアーコンディショナーが待機中の場合、表示パネルのメインチップは、低消費電力モードに移行する、すなわち、待機信号が受信される場合、表示パネルのメインチップの周波数は減少する。本開示の制御方法は、合理的な電源分配を通じて、ほぼゼロワット(すなわち、50ミリワット未満)の待機を達成することができ、それは、待機中のエアーコンディショナーの消費電力を低減するだけでなく、メインチップの耐干渉能力も向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に従うエアーコンディショナーの回路の模式的な回路接続図である。
【
図2】
図1に示される回路の待機プロセスを例示する制御フローチャートである。
【
図3】
図1に示される回路の起動プロセスを例示する制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の対象、技術的な解決策、及び、利点を明確にするために、本開示の低消費電力待機回路デバイス、エアーコンディショナー及びエアーコンディショナー制御方法は、付随の図面と実施形態とを参照してより詳細に説明される。下記の好ましい実施形態は、本発明の例示のためにのみ記載されており、本発明を限定するものではないと理解されるべきである。
【0022】
図1に示すように、本開示のエアーコンディショナーは、室内機及び室外機を含む。第3の制御スイッチは、室外機と室内機との間の電源接続を接続し又は切断するために、室外機と室内機との間に電気的に接続されている。エアーコンディショナーには、さらに、低消費電力待機回路デバイスが設けられている。
【0023】
低消費電力待機回路デバイスは、1次電源13と、2次電源11と、第1制御スイッチ12と、制御回路モジュールとを含む。
【0024】
1次電源13の入力端子は、第1制御スイッチ12を介して外部電源に対して電気的に接続され、かつ、1次電源13の出力端子は、外部負荷に電力を供給するために外部負荷に対して電気的に接続される。これにより、外部電源に対して電気的に接続される低消費電力待機回路デバイスは、エアーコンディショナーの室内機及び室外機に電力を供給する。
【0025】
外部負荷には、第1の負荷3と第2の負荷4と第6の負荷14とDCモータ(図示せず)とが含まれる。第1の負荷3は、入力電圧が14Vの負荷であり、例えば、電熱線又は他の追加の機能負荷である。第2の負荷4には、表示パネル上又はメインボード上に設けられている、共に入力電圧が12Vであるステッピングモータの駆動回路及びブザー回路が含まれる。第6の負荷14には、ステッピングモータが含まれる。
【0026】
2次電源11の入力端子は外部電源に対して直接かつ電気的に接続され、かつ、2次電源11の出力端子は制御回路モジュールに対して電気的に接続されている。制御回路モジュールは、MCUモジュールと信号受信回路とを備える。MCUモジュールは、第1制御スイッチ12のオンとオフとを制御する。MCUモジュールには、1つのMCU又は2つのMCUを含めること、すなわち、MCUモジュールには、1つのメインチップ又は2つのメインチップを含めることができる。信号受信回路は、MCUモジュールに対して、エアーコンディショナー用の動作信号を伝送するように構成されている。
【0027】
好ましくは、本実施形態の一つとして、低消費電力待機回路デバイスは、さらに、第2制御スイッチ8を含む。MCUモジュールは、第3の負荷6と第4の負荷7と第5の負荷10とを含む。低消費電力待機回路デバイスには、さらに、表示モジュール5が設けられてもよく、表示モジュール5は、2次電源11の出力端子に対して電気的に接続されている。表示モジュール5は、表示画面又は表示放電管である。
【0028】
第3の負荷6には、第2MCU(すなわち、表示パネルのメインチップ)とリセット回路とが含まれる。第2MCUは、表示パネル2の負荷の運転を制御する。第4の負荷7は、表示パネル上に配置されており、ここにはエアーコンディショナーが待機中の場合には機能しない入力電圧が5Vの他の回路が含まれる。第5の負荷10には、エアーコンディショナーが待機中の場合に機能せず、かつ、メインボード1上に配置される、第1MCU(すなわち、メインボードのメインチップ)と、他の回路とが含まれる。第1MCUは、メインボード1上の負荷の運転を制御する。信号受信回路は、第2MCUに電気的に接続され、かつ、第2MCUにエアーコンディショナー用の動作信号を伝送するように構成されている。信号受信回路は、遠隔操作受信回路及び/又は開閉回路である。これに代えて、信号受信回路は、第3の負荷6に配置してもよい。
【0029】
第1MCUは、第2制御スイッチ8及び2次電源11に、逐次直列に接続される。第2MCUは、2次電源11に対して電気的に接続される。第1MCU及び第2MCUは、共に2次電源11によって電力が供給される。第1MCUは、第1制御スイッチ12のオンとオフとを制御する。第2MCUは、第2制御スイッチ8のオンとオフとを制御する。第1MCUは、第3制御スイッチのオンとオフとを制御するために、第3制御スイッチに対して電気的に接続される。
【0030】
1次電源13、2次電源11、第1MCU、第1制御スイッチ12及び第3制御スイッチは、メインボード1上に配置されている。第2MCU及び第2制御スイッチ8は、表示パネル2上に配置されている。
【0031】
好ましくは、第1制御スイッチ12及び第3制御スイッチはリレーであり、第2制御スイッチ8は三極真空管又はリレーである。
【0032】
好ましくは、実施形態の一つでは、2次電源11の出力端子は、直列に電圧安定化モジュール9に対して電気的に接続され、かつ、第1MCU及び第2MCUに対して順次電気的に接続されている。電圧安定化モジュール9は、IC7805又はDC−DCモジュールである。
【0033】
1次電源13及び2次電源11は、共にスイッチング電源である。1次電源13は多重出力を有し、かつ、2次電源11は単一出力又は多重出力を有する。単一出力は、1種類の出力電圧のみを出力することを意味し、多重出力は、5V、12V、15Vの出力電圧等の数種類の出力電圧を出力することを意味する。好ましくは、1次電源13は、それぞれ12V、14V及び15Vの3つの出力電圧を有する。2次電源11は、12Vの唯一つの出力電圧を有する。
【0034】
エアーコンディショナーが通常の動作をする場合、1次電源13及び2次電源11は、共に動作する。1次電源13は、3種類の電圧を出力する。15Vの出力電圧はDCモータに電力を供給し、14Vの出力電圧は電熱線又は他の追加の機能回路等の他の機能回路に電力を供給し、12Vの出力電圧は表示パネル2上又はメインボード1上に配置されるブザー回路に電力を供給し、かつ、周囲を掃引するためのステッピングモータの駆動回路に電力を供給し、かつ、同様にステッピングモータに電力を供給する。
【0035】
2次電源11は1つの出力電圧を有し、出力端子12V_1は第1制御スイッチ12に電力を供給する。第1制御スイッチ12は、メインボード1上に配置され、1次電源13のオンとオフとを制御する。第1制御スイッチ12は第1MCUに接続され、かつ、第1MCUは第1制御スイッチ12のオンとオフとを制御する。2次電源11は、表示パネル2上の表示モジュール5及び電圧安定化モジュール9にも電力を供給する。電圧安定化モジュール9は、少なくとも2つの電圧出力を有しており、一方は、第2MCUと、リセット回路と、信号受信回路とに電力を供給するための+5V出力で、他方は、エアーコンディショナーが待機中の場合に機能していないメインボード1上の、第1MCUと、他の回路とに電力を供給するための電源VCC(電圧も+5V)である。第2制御スイッチ8は、電源VCCの回路に電気的に接続され、第2制御スイッチ8は、第2MCUのピンVCC_ONに対して接続される。第2MCU(すなわち、表示パネルのメインチップ)は、第2制御スイッチ8のオンとオフとを制御する。エアーコンディショナーが通常の動作をする場合、第2MCUは第2制御スイッチ8がオンとなるように制御し、それから、+5Vの電源VCCはスイッチオンを得る(すなわち、VCCの電圧は、5Vに等しい)。
【0036】
第1MCUは、第2MCUに対して通信可能に接続されている。TXDはデータを伝送するための第2MCUのシリアルIOポートであり、かつ、RXDはデータを受信するための第2MCUのシリアルIOポートである。
【0037】
第1の負荷3、第2の負荷4及び第6の負荷14の接地端子GNDは、1次電源13の接地端子(負端子)に対して電気的に接続される。表示モジュール5、電圧安定化モジュール9、第3の負荷6、第4の負荷7及び第5の負荷10の接地端子GNDは、2次電源11の接地端子(負端子)に対して電気的に接続される。
【0038】
第1MCUは、第2の負荷4、表示モジュール5、リセット回路及び受信回路に対して結合される。第1MCUは、第2の負荷4、表示モジュール5、リセット回路及び受信回路の稼働状態を制御する。
【0039】
MCUモジュールが、1つのMCUを有する場合、メインボード1及び表示パネル2は、共にそのMCUによって制御される。エアーコンディショナーの稼働手順は起動プロセスを備え、かつ、起動プロセスは以下のステップを備える。
【0040】
エアーコンディショナー内の低消費電力待機回路デバイスの制御回路モジュールのMCUモジュールが起動信号を受信し又は再通電される場合、MCUモジュールは、まず、第1制御スイッチ12がオンとなるように制御し、それから、エアーコンディショナーの第3制御スイッチがオンとなるように制御し、低消費電力待機回路デバイスの1次電源13と室外機及び室内機の負荷回路とを通電させてエアーコンディショナーを通常の運転状態に移行する。
【0041】
MCUモジュールが、1つのMCUを有する場合、エアーコンディショナーの稼働手順は、待機プロセスを備え、かつ、待機プロセスは、以下のステップを備える。
【0042】
エアーコンディショナーが待機モードに移行する場合、室内機と室外機との間の電気的接続を切断し、かつ、1次電源13と外部電源との間の電気的接続を切断するために、MCUモジュールは、まず、第3制御スイッチがオフとなるように制御し、それから、第1制御スイッチ12がオフとなるように制御する。
【0043】
MCUモジュールは、低消費電力モードに移行する、すなわち、MCUモジュール上のMCUのクロック周波数は、通常の運転状態における予め設定された周波数よりも低くなる。エアーコンディショナーがオフに切り替わる場合、エアーコンディショナーの室外機及び室内機の負荷への通電が停止され、かつ、エアーコンディショナーは待機に移行する。MCUは、起動信号を受信した場合、低消費電力モードを終了する。
【0044】
好ましくは、実施形態の一つとして、待機プロセスは、以下のステップを備える。
【0045】
MCUモジュールが遮断信号を受信する場合、MCUモジュールは、まず、室外機をスイッチオフするために、第3制御スイッチがオフとなるように制御し、それから、1次電源13をスイッチオフするために、第1制御スイッチ12がオフとなるように制御する。
【0046】
第1制御スイッチ12がスイッチオフされた後、第1の予め設定された時間内に、MCUモジュールが動作信号を受信していたか否かを判定し、受信していた場合にMCUモジュールが低消費電力モードに移行することを禁止し、受信していなかった場合にMCUモジュールは、低消費電力モードに移行する。好ましくは、第1の予め設定された時間は1分である。
【0047】
MCUモジュールが、2つのMCU、すなわち、第1MCU及び第2MCUを含む場合、エアーコンディショナーの稼働手順は、
図3に示すような起動プロセスを備える。
【0048】
起動プロセスは、以下のステップを含む。第2MCUモジュールが起動信号を受信し又は再通電される場合、第2MCUモジュールは、第2制御スイッチ8がオンとなるように制御し、第1MCUを通電させて第1制御スイッチ12と第3制御スイッチとが逐次オンとなるように制御し、1次電源13と室外機及び室内機の負荷回路とを通電させてエアーコンディショナーを通常の運転状態に移行する。
【0049】
MCUモジュールが、2つのMCUを含む場合、エアーコンディショナーの稼働手順は、
図2に示すような待機プロセスを備える。
【0050】
待機プロセスは、エアーコンディショナーが待機に移行した後、室内機と室外機との間の電気的接続を切断し、かつ、1次電源と外部電源との間の電気的接続を切断するために、第1MCUは、まず、第3制御スイッチがオフとなるように制御するステップと、それから、第1制御スイッチ12がオフとなるように制御するステップと、を含む。
【0051】
第2MCUは、第2制御スイッチ8がオフとなるように制御し、かつ、第1MCUと第2MCUとの間の電気的接続を切断し、そして、MCUは、低消費電力モードに移行する。
【0052】
MCUが低消費電力モードに移行するということは、第2MCUのクロック周波数が、通常の運転状態における予め設定された周波数よりも低いことを意味する。
【0053】
好ましくは、実施形態の一つとして、待機プロセスは、以下のステップを備える。
【0054】
ステップS1:第1MCUモジュールが第2MCUから送信される遮断信号を受信し、かつ、第2の予め設定された時間内に第2MCUからの任意の更なる信号を受信していない場合、まず、第1MCUは、室外機への通電を停止するために第3制御スイッチがオフとなるように制御し、それから、第1MCUは、1次電源13への通電を停止するために第1制御スイッチ12がオフとなるように制御する。
【0055】
ステップS2:第1制御スイッチがスイッチオフされた後、第3の予め設定された時間内に、第2MCUが動作信号を受信していたか否かを判定し、受信していた場合は、MCUが低消費電力モードに移行することを禁止し、受信していなかった場合は、第2MCUは第2制御スイッチ8がオフとなるように制御し、かつ、第2MCUが低消費電力モードに移行する。
【0056】
動作信号は、遠隔制御信号、開閉信号又はタッチ信号である。好ましくは、第2の予め設定された時間は5分で、第3の予め設定された時間は1分である。
【0057】
上記実施形態では、第2MCUは、2分周周波数技術を適用すること、すなわち、低消費電力モードにおける第2MCUの周波数は、通常の運転状態で予め設定された周波数の半分とすることができる。第2MCUは、起動信号を受信する場合、低消費電力モードを終了する。
【0058】
エアーコンディショナーが待機中の場合、低消費電力待機回路デバイスは、2次電源11のみによって電力供給される。ピンVCC_ONからの信号は、5Vの電源VCCがスイッチオフとなるように制御するので(すなわち、VCCの電圧が0Vに等しい)、メインボードは通電が停止され、低消費電力待機回路デバイスにおける第2MCU(表示パネルのメインチップ)、リセット回路及び受信回路のみ電源がオンされる。
【0059】
第2MCUが有効な遠隔制御信号、開閉信号若しくはタッチ信号を受信し又は再通電される場合、第2MCUは、5Vの電源VCCのスイッチがオンとなるように制御するので、第1MCUは電源がオンされる。通電された第1MCUは、第1制御スイッチ12及び第3制御スイッチのスイッチがオンするように制御し、1次電源13と室外機の電気制御盤との電源がオンされて、エアーコンディショナーは通常の運転となる。
【0060】
上記実施形態では、低消費電力待機回路デバイスは、エアーコンディショナーに配置されているため、エアーコンディショナーの制御において合理的な電源分配を通じて、駆動回路は1次電源により電力供給され、かつ、表示パネルは、2次電源により電力供給される。エアーコンディショナーが待機に移行する場合、まず、室外機の電源がスイッチオフされ、それから、1次電源がスイッチオフされ、最後に、2つのMCUが適用される場合、メインボード上の電源VCCが、同様に、スイッチオフされる。2次電源は、表示パネルにのみ電力を供給し、例えば、2次電源は、ほぼゼロワット待機目標(すなわち、待機中のエアーコンディショナーの電力が50ミリワット未満)を達成するために、表示パネルのメインチップ及び遠隔制御受信回路(すなわち、信号受信回路)にのみ電力を供給する。本開示は、既存のエアーコンディショナー(特にインバータエアーコンディショナー)の待機中の大きな消費電力の技術的問題を解決する。一つのチップが、メインボード上の負荷と表示パネル上の負荷との両方を制御する方式と比較して、2つのメインチップが設けられて、2つのメインチップが、それぞれ、メインボード上の負荷と表示パネル上の負荷とを制御する方式の場合、チップの通信インタフェースを低減し、表示パネルとメインボードとの間に接続されていて、負荷を制御するために用いられる接続配線が省略され、これにより、製造コストを低減させ、生産効率を増加させ、かつ、メインチップの耐干渉能力を向上させることができる。エアーコンディショナーが待機中の場合、第2MCU(表示パネル上のメインチップ)の電源のみオンされ、単一のMCU制御方式と比較すると、通電される素子の数が低減され、エアーコンディショナーの待機中の消費電力がさらに低減される。
【0061】
上記の実施形態は、本発明の例示のためにのみ、具体的かつ詳細に記載されており、本発明の範囲を限定するものではない。本開示の思想から逸脱することなく、種々の変形及び改良を本発明の範囲内で行えると、当業者は理解すべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲に基づく。