(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389567
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】一体型全密閉液晶スクリーンとその製造方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20180903BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20180903BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20180903BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20180903BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
G06F3/041 660
G06F3/041 495
G02F1/1333
G02F1/13357
G09F9/30 308A
G09F9/00 302
G09F9/00 336J
G09F9/00 338
G09F9/00 350Z
G09F9/00 366A
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-535695(P2017-535695)
(86)(22)【出願日】2016年3月18日
(65)【公表番号】特表2018-502332(P2018-502332A)
(43)【公表日】2018年1月25日
(86)【国際出願番号】CN2016076665
(87)【国際公開番号】WO2016150338
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2017年6月28日
(31)【優先権主張番号】201510123518.9
(32)【優先日】2015年3月20日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517227862
【氏名又は名称】歐浦登(順昌)光學有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100163544
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 緑
(72)【発明者】
【氏名】盧璋
【審査官】
星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2004/070737(WO,A1)
【文献】
特開2014−006530(JP,A)
【文献】
特開2008−292898(JP,A)
【文献】
特開2013−250900(JP,A)
【文献】
特開2013−145398(JP,A)
【文献】
特開2015−053055(JP,A)
【文献】
特開2010−015577(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0267129(US,A1)
【文献】
特開2010−257208(JP,A)
【文献】
特開2012−068278(JP,A)
【文献】
特開2012−008422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G02F 1/1333
G09F 9/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法であって、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤により、順次に配置された要素を相互に貼付させて一体型構造を形成するものであって、前記要素は、スクリーンの保護ガラス若しくはタッチスクリーンモジュールであるスクリーン保護剤と、液晶スクリーンモジュールと、支持フレームと、ガラスの背蓋板を含み、その製造方法は、下記ステップを含む:
ステップ1)任意の二つの隣接する要素の間に、厚さが50〜300μmの固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤を貼付し、該二つの隣接する要素を予め貼付し、そして、エッジライティングバックライトモジュールを、直接に支持フレームに嵌合する;
ステップ2)固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤を貼付された要素を蒸気圧釜に入れて、蒸気圧釜内の圧力が0.5〜10kgf/cm2であって、温度が30〜65℃になるように制御し、10〜250分脱気する;
ステップ3)ハイパワーのUV照射ランプを使用して、強光照射を行って、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤を硬化させ、各々の要素を固着し、一体型構造を形成する;
ステップ4)該一体型構造の端部を研磨して、透明のシーラーコーティングで一体型構造の端部を保護し、その後、一体型構造を乾燥する
ことを特徴とする、一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法。
【請求項2】
前記支持フレームの材質は、有機ガラス板、酸素バリア性樹脂板若しくは金属板であることを特徴とする請求項1に記載の一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法。
【請求項3】
前記ステップ1)は、更に、エッジライティングバックライトモジュールを構成している底部反射シート(bottom reflector sheet)と導光板を固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤によって、ガラスの背蓋板の内側に貼付し、前記導光板の一側或いは両側に光源を設け、そしてガラスの背蓋板を支持フレームに貼付し、エッジライティングバックライトモジュールにある上部保護シート、プリズムシートおよび拡散シートを支持フレームに嵌合させることを特徴とする請求項1に記載の一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法。
【請求項4】
前記タッチスクリーンモジュールと、液晶スクリーンモジュールと、エッジライティングバックライトモジュールとガラスの背蓋板は、一定の可撓性を有し、前記ステップ1)でさらに、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤を利用して、前記液晶スクリーンモジュールを前記タッチスクリーンモジュールと及び前記エッジライティングバックライトモジュールをガラスの背蓋板と、各々予備的に貼付し、ついで、前記タッチスクリーンモジュールの後ろにある前記液晶スクリーンモジュールとガラスの背蓋板の前に位置する前記エッジライティングバックライトモジュールを、支持フレーム内に嵌合し、各々の要素が、円弧状を形成するように貼付させることを特徴とする請求項1に記載の一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法。
【請求項5】
前記ガラスの背蓋板は、導光ができ、導光できるガラスの背蓋板は、エッジライティングバックライトモジュールの導光板として使われ、導光できるガラスの背蓋板は、支持フレームに嵌合されて、支持フレームと貼付固定され、ガラスの背蓋板の両側若しくは一側の支持フレームに光源を設け、エッジライティングバックライトモジュールの底部反射シート(bottom reflector sheet)は、印刷され或いはガラスの背蓋板の外側に貼付させることを特徴とする請求項1または4に記載の一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法。
【請求項6】
液晶表示スクリーン本体を含み、前記液晶表示スクリーン本体は、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤で、順次貼付されたスクリーン保護ガラス或いはタッチスクリーンモジュールの要素の一と、液晶スクリーンモジュールと、支持フレームと、ガラスの背蓋板とを含み、エッジライティングバックライトモジュールは、支持フレーム内に嵌合され、液晶表示スクリーン本体のエッジは、透明なシーラー塗料を塗ることを特徴とする請求項1に記載の一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法。
【請求項7】
前記スクリーン保護ガラス若しくはタッチスクリーンモジュールであるスクリーン保護剤、支持フレーム、及びガラスの背蓋板は、順次貼付され、前記液晶スクリーンモジュールとエッジライティングバックライトモジュールは、支持フレーム内に嵌合され、液晶スクリーンモジュールは、スクリーン保護ガラス若しくはタッチスクリーンモジュールと貼付されることを特徴とする請求項6に記載の一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法。
【請求項8】
タッチスクリーンモジュールのガラス表面とガラスの背蓋板の表面に、各々ITO(indium tin oxide)導電膜をコーティングし、そして、各々のITO導電膜が接地することを特徴とする請求項6に記載の一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法。
【請求項9】
前記ガラスの背蓋板の内側に白いまたは黒いインクで印刷されることを特徴とする請求項6に記載の一体型全密閉液晶スクリーン。
【請求項10】
前記液晶表示スクリーン本体の両側は、シャフトを設け、前記シャフトは、一つの支持フレームと移動可能に接続することを特徴とする請求項8に記載の一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法。
【請求項11】
前記ガラスの背蓋板は、導光ができ、導光できるガラスの背蓋板は、エッジライティングバックライトモジュールの導光板として、支持フレーム内に嵌合され、支持フレームと貼付固定され、エッジライティングバックライトモジュールの底部反射シート(bottom reflector sheet)が、印刷され或いはガラスの背蓋板の外側に貼付され、エッジライティングバックライトモジュールの上部保護シート(フィルム)、プリズムシート(フィルム)及び拡散シート(フィルム)は、支持フレームに嵌合され、ガラスの背蓋板の両側或いは一側の支持フレームは、光源を設けることを特徴とする請求項6に記載の一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法。
【請求項12】
前記液晶表示スクリーン本体は、弧度を有することを特徴とする請求項6または11に記載の一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーンの技術分野に関し、特に、全密閉で(fully-sealed)混信防止(anti-interference)の一体型タッチ液晶スクリーンとその製造方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
通常、大きなサイズの透明ガラスの固着は、一枚のガラス表面に液体UV紫外線光学貼付剤を塗り、光学貼付剤をガラス表面に流し平均に分布させた後、別の一枚の光学貼付剤がつけられていない透明なガラスを光学貼付剤がつけられているガラスの上側に近寄せ、それらの頭部側を一致させ、その後、光学貼付剤がつけられていないガラスの表面からローラーを使用してプレスし、貼付されたガラス本体から液体UV紫外線光学貼付剤中の気体と気泡を押出し、最後に透明な貼付されたガラス本体の上から、ハイパワーUV紫外線照射を使用して、硬化して固着する。しかしながら、UV紫外線光学貼付を適用する設備の値段が高く、それに液体UV貼付剤が使用され、単向に押出して流れるため、気泡を取り除く過程に、厚さの違いが発生しやすく、しばしば気泡を残し、画面にスティッフ現象(モアレ図形に類似)を発生させ、しかも余分な貼付剤が、エッジライトのバックライトモジュールのギャップに浸透しもれやすく、製品の不良率が高くなる。大きなサイズの貼付設備は非常に高価で、気泡を取り除くことが不完全で或いはスティッフ現象によって不良品が廃棄されることから、生産コストが向上する。
【0003】
出願番号201210011775.Xの中国特許公開は、液体光学の貼付剤によって固着する時に、過剰の貼付剤を制御する方法を開示し、その方法は、下記のステップを含む;(1)コンデンサー式のタッチスクリーンのパネルガラスと誘導線を液体光学貼付剤でしっかりと貼付し、(2)保護膜でタッチスクリーンをパッケージし、(3)タッチスクリーンを脱気装置の内部に配置させて、加圧し、(4)脱気装置で圧力を取り外してからタッチパネルを取り出し、保護膜を取り去る。このプロセスは複雑で、しかも気泡を取り除く過程に、加圧遠心回転を利用して気泡を取り除いているので、厚さのバラツキが発生しやすい。面積がより大きな表示スクリーンの、貼付過程において、その異なる部位が受ける圧力と温度の関係は、面積がより小さな表示スクリーン(例えば、携帯電話の画面など)等に比して、大きな意義における違いがあり、それはモアレを起こしやすく、しかも、スクリーンサイズが大きいほど、遠心力がカバーせねばならない距離が長くなり、気泡を除去しにくくなる。それゆえ、巨大型の回転脱気装置で、大きいなサイズのタッチパネルの気泡を取り除くことは実用的でない。
【0004】
また、出願番号201310379842.8の中国特許公開は、固体の光学的透明貼付剤(OCA)を使用し、小さなサイズの携帯電話のタッチスクリーンを貼付し及び偏光片を設ける方法を開示し、光学シート類の偏光片が柔らかいため、固体OCAを接合媒体として、柔らかい偏光片と硬質のタッチスクリーンを貼付する。しかしながら、固体のOCAを使用して、硬質のタッチスクリーンと硬質の液晶スクリーンを貼付するのは、プレスローラーで気泡を除去することができないうえに、OCAで貼付すると直ちに固化して、流動性がないため、オートクレーブを使用して加圧と加熱する時、厚さのバラツキが発生し、スティッフ現象で不良品を生産し、面積が大きければ大きなほど、スティッフの現象が多くなり、完成品率も悪くなる。
【0005】
一方、既存の液晶のディスプレイは、フレーム結構を使用して組み立て、ディスプレイを支えて、しかもフレームに保護ガラスを貼りつけている。1ミリメートルの液晶ガラスで組み合わされた液晶スクリーンは、大きければ大きいほど壊れやすく、人が傷つけやすくなるため、保護ガラスを使用しなければならない。保護ガラスは、普通に枠を貼った方法を採用し、即ち、保護ガラスの周りに両面テープを張り付けてから、両面テープを利用して保護ガラスを液晶のディスプレイのフレームに張り付ける。このようなフレーム結構は、スクリーンの厚さを増加してギャップを生じ、前記ギャップは、画像の解像度を失わせ、前記ギャップ内の二枚ガラスの表面は、霧とカビを出しやすく、拭くことができない。しかも保護ガラスが大きいほどそして重いほど脱落しやすい。同時に、輸送中と使用中に粉砕が発生することを防止するために、一般的に金属で背板を支え、液晶スクリーンを固定して、液晶画面のサイズが大きいほど、変形を防止する背板は、より重々しい。これによって、既存の液晶ディスプレイの構造は、支えて、保護して、合わせる背板カバーと、金属放熱の支え板と、液晶スクリーンの背板からなり、液晶スクリーンが大きければ大きいほど、ディスプレイの外殻が大きいほど厚いほど、ディスプレイの全体の厚さは、重く大きいものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】出願番号201210011775.Xの中国特許公開
【特許文献2】出願番号201310379842.8の中国特許公開
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的の一つは、製造方法が簡単で、完全に張付する効果に優れ、さらに薄型の一体型全密閉液晶スクリーンを提供する。
【0008】
本発明の目的の一つの技術的課題を実現するのは、一体型全密閉液晶スクリーンの製造方法を提供することであり、それは固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤(Soft/Flexible UV adhesives in a solid state)により、順次に配置された要素を相互に貼付させて一体型構造を形成するものであり、前記要素は、スクリーンの保護ガラス若しくはタッチスクリーンモジュールかのスクリーン保護材料のいずれかと、液晶スクリーンモジュールと、支持フレームと、ガラスの背蓋板を順次に配置しそして含むものである、その製造方法は、下記を含む:
1)予め貼付:任意の二つ隣接する要素の間に、厚さが50〜300μmを形成する固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤を貼付し、エッジライティングバックライトモジュール(an edge-lighting backlight module)は、直接に支えフレームに嵌め込まれてある。
2)脱気:固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤を貼付された要素を蒸気圧釜に入れて、10〜250分ぐらい脱気し、蒸気圧釜内の圧力が0.5kg〜10kgであって、温度が30〜65℃になるように制御する。蒸気圧釜で脱気することが従来の遠心真空で脱気することと比べると、パネル要素が均一な圧力を受けて、脱気過程が安定し、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤の均一な厚さを確保し、貼付された二つ透明要素の間の距離が一定になって理想的な脱気効果を可能にする。
3)硬化:ハイパワーのUV照射ランプを使用して、透明貼付剤本体に強光照射を行い、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤を硬化させることによって、各々の要素を固着させることができる。
4)シーリングエッジ(エッジ密封ともいう:sealing edge):一体型構造(スクリーン)の端部(エッジ)に対して、磨耗させ、研磨し、シーラーコーティングを塗って後、該一体型構造を乾燥する。ガラスと支持フレームは、貼付されてから、貼り付けの差が生じていたため、二つの要素のカッティングと研磨できる特性を利用して、一体型構造(スクリーン)の端部に対して、密封し、最も酸化しやすく、湿気を受けやすい一体型構造(スクリーン)の端部に対して、補強密封操作をし、それによって、装飾フレーム用の支持バーを必要とせず、生産コストを節約できる。
【0009】
最も良好な技術効果を得るために、本発明の目的のもう一つの技術的課題は、下記の如く、改善できる。
1.前記支持フレームの材質は、有機ガラス板、酸素バリア性樹脂板や金属板である。
【0010】
2.前記ステップ1)に、更にエッジライティングバックライトモジュールを構成している底部反射シート(bottom reflector sheet)と導光板を固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤によって、ガラスの背蓋板の内側に貼付し、前記導光板の一側或いは両側は光源を設け、そしてガラスの背蓋板を支持フレームに貼付し、エッジライティングバックライトモジュールにある上部保護シート(フィルム)、プリズムシート(フィルム)および拡散シート(フィルム)を支持フレームに嵌合させる。エッジライティングバックライトモジュールを構成する各々の要素毎に別々に、組立てる。それにより、ランプ本体の熱が直接に支持フレームとガラス板を通って熱放散し、ランプの寿命を延ばす。底部反射シート(bottom reflector sheet)と導光板は、貼付され、ギャップをなくし、光の損失を低減し、明るさを増加させる。貼付したら、凸状の蓋板となり、定位の精度を向上させ、しかも凸状の蓋板は、支持フレームに嵌合された光学シートを平坦にして押圧する。
【0011】
3.前記支持フレームは、弧度(an arc shape)を有し、前記ステップ1)にさらに、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤を利用して、それぞれタッチスクリーンモジュールと液晶スクリーンモジュール及びガラスの背蓋板とバックライトモジュールとを予備的に貼付し、その後、組み立てられたタッチスクリーンモジュールの後方にある液晶スクリーンモジュールとガラスの背蓋板の前に位置するバックライトモジュールを、弧度(an arc shape)を有する支持フレーム内に嵌め入れ、各々の要素を円弧状に貼付する。タッチスクリーンモジュールと、液晶スクリーンモジュールと、バックライトモジュールとガラスの背蓋板は、一定の可撓性を有し、弧度(an arc shape)を有する支持フレームと貼付され、弧度(an arc shape)を有するディスプレイを形成する。
【0012】
4.前記ガラスの背蓋板は、導光でき、エッジライティングバックライトモジュールの導光板として使われる、導光できるガラスの背蓋板は、支持フレームに嵌められ、支持フレームと貼付固定し、ガラスの背蓋板の両側と一側の支持フレームに光源を設ける。エッジライティングバックライトモジュールの底部反射シート(bottom reflector sheet)は、印刷或いはガラスの背蓋板の外側に貼付させる。元のエッジライティングバックライトモジュールのアクリル導光板の代わりに、導光できるガラスの背蓋板を用い、一体型スクリーンの厚さは、より薄くなる。
【0013】
本発明の創造性は、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤を貼付剤とし、蒸気圧釜を使い脱気することによって達成される完全な貼付プロセスにある。固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤が、液体のUV紫外線光学貼付剤や固体のOCA光学貼付剤よりもさらに良い固体の流動性を有していることから、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤が、ロール状シートに加工される過程中、すべての気泡は除去される。気泡がない貼付剤の媒体であるこのような固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤は、使用中、二つの透明なパネル板要素間を固体状態で貼付する。蒸気圧釜での加温と加圧することを介して、固体状可撓性貼付剤は、二つの硬パネル板間に押圧するための液体状の可撓性貼付剤となる。それによって、気泡をおこすことなく、硬パネル板が別の硬パネル板に対しての押圧を実現でき、気泡を起こさない二つの透明なパネル板要素間で、等距離に、可撓性貼付剤は、より平衡に流動できる。その後、冷却と減圧をしている過程中、透明一体型本体が、貼付剤によって共に貼付される二つの透明パネル板要素によって形成され、そして、二つの貼付された透明パネル板要素間において、その距離が均一であり、そこに使用された貼付剤は気泡がなく、あふれない(not overflow)。欠陥がないことを確認してから、貼付剤は、ハイパワーUV強光照射灯で照射され固化する。さらに、脱気過程中に、もし過剰な貼付剤が支持フレームの外部にもれたら、エッジ(端部)は磨耗及び研磨を行い、過剰な貼付剤がエッジライティングバックライトモジュールについていることによって不良な状態となったエッジライティングバックライトモジュールの廃棄を回避できる。
【0014】
上記新規なプロセスを使用して生産した透明な一体型本体は、気泡を発生しにくく、それによって、貼付される二つのパネル板要素が、凸凹のない距離で均一に貼付剤によって配置される。これにより、かくして製造されたスクリーンは、スティッフ現象が無く、貼付剤をもらすことがない。この本発明のプロセスで使用される設備は、コストが低く、それゆえ、一方で、大幅に生産コストを低減することができ、他方で、その完成品率が液晶UV貼付剤を使用した場合より大幅に向上できる。
【0015】
本発明の他の目的は、従来の液晶表示装置の構造を変更して、旧構造から起こった問題を改善した。それは、スクリーン保護ガラス或いはタッチスクリーンモジュールとガラスの背蓋板が支持フレームを挟むサンドイッチ式の密封構造方式を採用し、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤を完全密封一体型LCDスクリーンの製造のためのシーリング剤(密封剤)とした。このLCDスクリーン(一体型全密閉液晶スクリーン)は上記方法で調製された。このLCDスクリーンは、液晶表示スクリーン本体を含み、この液晶表示スクリーン本体は、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤で、順次貼付される、スクリーン保護ガラス或いはタッチスクリーンモジュールであるスクリーン保護剤と、液晶スクリーンモジュールと、支持フレームと、ガラスの背蓋板とを含む。エッジライティングバックライトモジュールは、支持フレーム内に嵌合される。液晶表示スクリーン本体のエッジは、透明なシーラー塗料を塗る。
【0016】
更に、前記スクリーン保護ガラス或いはタッチスクリーンモジュールの材料の選択された一は、支持フレームと、ガラスの背蓋板に、順次貼付し、前記液晶スクリーンモジュールとエッジライティングバックライトモジュールは、支持フレーム内に嵌合され、液晶スクリーンモジュールは、スクリーン保護ガラス或いはタッチスクリーンモジュールと貼り付ける。
【0017】
更に、前記タッチスクリーンモジュールのガラス表面とガラス背板の表面は、それぞれ透明なITO(indium tin oxide)導電膜で被覆され、各々のITO導電膜は、接地し、全機器の全スクリーンが、保護(shielding)と混信防止の機能を実現できる。
【0018】
また、前記ガラスの背蓋板の内側に、白または黒インクで印刷され、それによって、ガラスの背蓋板は、書き込み板となる。
【0019】
また、前記液晶表示スクリーン本体の両側には、シャフト(回転軸:rotating axes)を各々設け、前記各シャフトは、一つの支持フレームと移動可能に接続される。該スクリーンは、両サイドで支持されたシャフトよって、表示スクリーン又は書き込み板間の自由転換を実現できる。
【0020】
また、前記ガラスの背蓋板は、導光でき、導光できるガラスの背蓋板は、エッジライティングバックライトモジュールの導光板として、支持フレーム内に嵌合され、支持フレームと貼付固定される。エッジライティングバックライトモジュールの底部反射シート(bottom reflector sheet)は、印刷され、或いはガラスの背蓋板の外側に貼付される。エッジライティングバックライトモジュールの上部保護シート(フィルム)、プリズムシート(フィルム)及び拡散シート(フィルム)は、支持フレームに嵌合され、ガラスの背蓋板の両側或いは一側は、支持フレームに、光源を設ける。
【0021】
また、前記液晶表示スクリーン本体は弧度を有する。
【0022】
本発明のプロセスで製造された全密閉、防水、防湿、超薄型の一体型タッチスクリーンは、スクリーン保護ガラス或いはタッチスクリーン、液晶スクリーンモジュール、及びエッジライティングバックライトモジュールの間に潜在的に存在する全ギャップを排除できる。それによって、一方で、画面の高解像度を高め、他方で、明るさを下げ、大幅な省エネ効果を達する。タッチスクリーンモジュール前面のタッチスクリーンガラスとタッチスクリーンモジュール後面のガラス背蓋板と支持フレームのような、多様な要素によって、熱放散を達成する。それゆえ、熱放散背蓋板と熱放散孔は不要となり、それにより、静電吸着でのテレビの内部のほこりを生じる現象を完全に排除できる。本発明の一体型スクリーンは、保護ガラス貼付の従来の金属フレーム、固定液晶ガラスのための熱放散用金属支持体、エッジライティングバックライトモジュールの固定用金属部材、保護及び熱放散用の金属背蓋等のすべての金属部材を必要としないために、金属材料を節約でき、新製品のモールディングの時間と費用を節約でき、更に重要なことに、液晶表示装置の厚さを5ミリメートルまで薄くすることができ、大幅に重量を減らし、製造コストも下げることができた。本発明は、広く、テレビ、広告装置、電子ホワイトボード、および他の超大型電子表示スクリーン等の領域に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施例に関わる一体型全密閉液晶スクリーンの各要素の組み立て構造を示す図である。
【
図2】本発明の実施例に関わる一体型全密閉液晶スクリーンの断面図である。
【
図3】導光できるガラスの背蓋板をエッジライティングバックライトモジュールの導光板としている一体型全密閉液晶スクリーンの結構を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
下記は図面を参照して、本発明の好ましい実施態様の詳細を説明する。
【0025】
図1と
図2に示すように、本発明は、一体型全密閉液晶スクリーンを提供し、液晶表示スクリーン本体1を含み、前記液晶表示スクリーン本体1は、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤10で、順次貼付されたタッチスクリーンモジュール11と、支持フレーム13と、ガラスの背蓋板14とを含み、前記支持フレーム13は、液晶スクリーンモジュール12とエッジライティングバックライトモジュール15を嵌める。前記液晶スクリーンモジュール12は、前記タッチスクリーンモジュール11と貼付され、液晶表示スクリーン本体1のエッジは、透明なシーラー塗料16を塗る。
【0026】
本発明の全密閉で混信防止の一体型液晶タッチスクリーンの製造方法に関わる実施例は以下である:
【0027】
実施例1
【0028】
全密閉の液晶一体型スクリーンの製造方法であって、それは固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤10を使い、順次配置した要素をお互いに一体型構造を形成し、前記要素は、タッチスクリーンモジュール11と、支持フレーム13と、ガラスの背蓋板14とを含む。本発明のプロセスは、下記のステップを含む:
【0029】
1)任意の二つ隣接する要素の間に、厚さが50〜300μmである固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤が貼付され、前記支持フレーム13は、前記液晶スクリーンモジュール12とエッジライティングバックライトモジュール15を嵌合する。
【0030】
2)脱気:固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤の要素を蒸気圧釜に入れ、10〜50分ぐらい脱気し、蒸気圧釜内の圧力が0.5kg〜3kgであって、温度が30〜40℃になるように制御する。
【0031】
3)硬化:ハイパワーのUV照射ランプを使用し、透明貼付剤本体に強光照射を行って、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤を硬化させ、各々の要素を固着する。
【0032】
4)シーリングエッジ:一体型構造(スクリーン)の端部に対して、磨耗させ、研磨して、透明シーラーコーティングをおこなって、乾燥する。
【0033】
5)スクリーンシールデイング:ステップ4)の摩耗及び研摩をした一体型構造(スクリーン)のタッチスクリーンモジュールの表面とタッチスクリーンモジュールの反対側のガラスの背蓋板の表面に、ITO(indium tin oxide)導電膜をコーティングし、そして、該タッチスクリーンモジュールと該ガラスの背蓋板にコーティングされた各々のITO導電膜ガラスを接地する。
【0034】
全密閉の液晶一体型スクリーンを構成する各々の要素と、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤と、透明シーラーコーティングと、プロセスに使用された蒸気圧釜と、磨耗・研磨のプロセスに使用された装置(フライス)は、公知の技術であるため、ここに詳細に説明しない。
【0035】
実施例2−3
【0036】
実施例1と同様のプロセス方法を採用したが、実施例1に使用した数値の代わりに、それぞれ下記表1に列挙された、ステップ1の予め貼付とステップ2の脱気ステップにおける、厚さ、圧力と温度を使用し、異なるサイズの一体型全密閉の液晶スクリーンを得た。
【0037】
表1
【表1】
【0038】
上記実施例にある固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤の厚さが、50μmより少ない場合、流動性が不十分であり、そして厚さのばらつきを発生しやすく、その厚さが、300μmより大きい場合、流動性が高くなって、貼付剤がもれやすくなる。温度と圧力は、制限値より低い場合、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤が各々の要素を貼付しにくくなる。実施態様においては、脱気過程中の温度は30〜65℃であり、圧力は0.5〜10kgであり、脱気時間は10〜250分間かかる。もしこのような数値が、制限値より高い場合、樹脂が軟化しやすいため、貼付剤のもれを引き起こし、同様に、厚さがばらばらとなり、さらにスティッフ現象を生じる。実際の生産過程中に、スクリーンのサイズに応じて、上記の数値範囲内で、適切なパラメータを選んで製造する。
【0039】
本発明のプロセス1における予め貼付は、シート(フィルム)ラミネータで貼付される、若しくはフィルムロールコーティング装置でも貼付することができる。固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤で貼付した要素の多層構造は、2層若しくは2層以上の構造となることができる。代替的に、全液晶タッチスクリーンが、一体型貼付化本体を形成するために、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤で適用されることが可能で、その一体型貼付化本体が、蒸気圧釜におかれ、加温、加圧、脱気して、透明で、密封で、混信防止で、防水で、防霧で、自然に熱放散できる、超薄型多層ガラスパネル体を形成させる。そのうえ、液晶のスクリーンモジュールも、直接に支持フレームの外表面に貼付されることも可能である。
【0040】
本発明は、前記ガラスの背蓋板の内側に白いまたは黒いインクを印刷することができ、前記液晶表示スクリーン本体の両側は、シャフトを各々設け、前記各シャフトは、一つの支持フレームと移動可能に接続し、フリップスクリーン(回転できるスクリーン)を形成する。
【0041】
エッジライティングバックライトモジュールの組立方式は、本発明の実施例に限定されるものではない。特に、エッジライティングバックライトモジュールを構成する各々の要素は、別々に、設置ができ、エッジライティングバックライトモジュールを構成する底部反射シート(bottom reflector sheet)と導光板を、固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤でガラスの背蓋板の内側に貼付させ、そして、ガラスの背蓋板を支持フレームに貼付させ、エッジライティングバックライトモジュールにある保護シート(フィルム)、プリズムシート(フィルム)および拡散シート(フィルム)を支持フレームに直接嵌合させる。
【0042】
図3に示すように、導光できるガラスの背蓋板14がエッジライティングバックライトモジュールの導光板として使用され、エッジライティングバックライトモジュールの底部反射シート(bottom reflector sheet)155が印刷され又はガラスの背蓋板14の外側に貼付され、エッジライティングバックライトモジュールでの保護フィルム151、プリズムフィルム152及び拡散フィルム153は、支持フレームに嵌合され、しかも支持フレームと貼付されそして固定される。ガラスの背蓋板14の両側或いは一側の支持フレームに、光源156を設ける。かくして、スクリーンは、元のアクリルの導光板によって構成された厚さを減じたのち、より軽くそして薄くなる。
【0043】
実施例にある完成品は、すべてタッチ機能を有する全密閉の液晶一体型タッチスクリーンであって、実際の生産において、タッチモジュールの代わりにスクリーン保護ガラスを使用し、非タッチ液晶一体型スクリーンを製造することもできる。また、前記タッチスクリーンモジュールのガラス表面と防水ガラス背板の表面はそれぞれ透明なITO導電膜をコーティングし、二つのITO導電膜は、各々接地する。
【0044】
以上は、本発明の実施例を説明するためのものであって、本発明の請求範囲を限定するものではなく、本発明の内容と等価的なプロセス変更、直接または間接的に、他の関連技術分野に応用されるものは、本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
10:固体状可撓性紫外線(UV)貼付剤
11:タッチスクリーンモジュール
12:液晶スクリーンモジュール
13:支持フレーム
14:ガラスの背蓋板
15:エッジライティングバックライトモジュール
151:エッジライティングバックライトモジュールの保護フィルム
152:プリズムフィルム
153:拡散フィルム
155:底部反射シート(bottom reflector sheet)
156:光源