特許第6389570号(P6389570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6389570量子ドットバックライトモジュール及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389570
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】量子ドットバックライトモジュール及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20180903BHJP
   F21V 9/30 20180101ALI20180903BHJP
   F21V 9/08 20180101ALI20180903BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20180903BHJP
   C09K 11/08 20060101ALI20180903BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180903BHJP
【FI】
   F21S2/00 433
   F21V9/30
   F21V9/08 200
   G02F1/13357
   C09K11/08 Z
   C09K11/08 J
   F21Y115:10
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-545992(P2017-545992)
(86)(22)【出願日】2014年12月5日
(65)【公表番号】特表2017-538275(P2017-538275A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】CN2014093149
(87)【国際公開番号】WO2016086416
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2017年5月23日
(31)【優先権主張番号】201410718721.6
(32)【優先日】2014年12月1日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516010618
【氏名又は名称】深▲せん▼市華星光電技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN CHINA STAR OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】程艶
(72)【発明者】
【氏名】王将峰
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−052197(JP,A)
【文献】 特表2013−546142(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104075190(CN,A)
【文献】 特開2006−073202(JP,A)
【文献】 特開2014−235891(JP,A)
【文献】 特開2004−071357(JP,A)
【文献】 特開2013−058410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
C09K 11/08
F21V 9/08
F21V 9/30
G02F 1/13357
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード、反射シート、導光板、複数の網点、及び量子ドットを含む量子ドットバックライトモジュールであって、
前記導光板は前記反射シートの上に設けられ、前記複数の網点は前記導光板の上面に間隔をおいて設けられ、前記量子ドットは前記網点内に封止され、前記発光ダイオードは前記導光板の側辺に設けられ、前記量子ドット内に半導体量子ドット蛍光粉末が設けられ、前記網点は円柱状構造であり、
前記導光板は、互いに対向設置された第1側辺と第2側辺を含み、前記導光板の前記第1側辺の厚さは前記第2側辺の厚さより厚く、前記導光板の前記第1側辺は前記発光ダイオードに近い側辺であり、
前記発光ダイオードは前記導光板に光源を提供し、前記発光ダイオードが出射したバックライト光線は、順次に前記導光板と前記網点を通過し、さらに前記量子ドットにより前記発光ダイオード光源が出射した光を異なる波長の光に変換して出射し、
前記円柱状構造の網点の側面は、反射材料で形成される量子ドットバックライトモジュール。
【請求項2】
前記量子ドットバックライトモジュールは、前記導光板の上に設けられた拡散シートをさらに含む請求項1に記載の量子ドットバックライトモジュール。
【請求項3】
前記量子ドットバックライトモジュールは、前記拡散シートの上に設けられた光学フィルムをさらに含む請求項2に記載の量子ドットバックライトモジュール。
【請求項4】
前記発光ダイオードは、青色発光ダイオードである請求項1に記載の量子ドットバックライトモジュール。
【請求項5】
前記量子ドットは、赤色量子ドットと緑色量子ドットを含む請求項1に記載の量子ドットバックライトモジュール。
【請求項6】
前記赤色量子ドットは、大粒子の赤色量子ドットと小粒子の赤色量子ドットとを含む請求項5に記載の量子ドットバックライトモジュール。
【請求項7】
前記緑色量子ドットは、大粒子の緑色量子ドットと小粒子の緑色量子ドットとを含む請求項5に記載の量子ドットバックライトモジュール。
【請求項8】
前記光学フィルムはプリズム又は拡散フィルムである請求項3に記載の量子ドットバックライトモジュール。
【請求項9】
発光ダイオード、反射シート、導光板、複数の網点、及び量子ドットを含む量子ドットバックライトモジュールであって、
前記導光板は前記反射シートの上に設けられ、前記複数の網点は前記導光板の上面に間隔をおいて設けられ、前記量子ドットは前記網点内に封止され、前記発光ダイオードは前記導光板の側辺に設けられ、前記量子ドット内に半導体量子ドット蛍光粉末が設けられ、
前記発光ダイオードは前記導光板に光源を提供し、前記発光ダイオードが出射したバックライト光線は、順次に前記導光板と前記網点を通過し、さらに前記量子ドットにより前記発光ダイオード光源が出射した光を異なる波長の光に変換して出射し、
前記網点は円柱状構造であり、
前記円柱状構造の網点の側面は、反射材料で形成される量子ドットバックライトモジュール。
【請求項10】
前記導光板は、互いに対向設置された第1側辺と第2側辺を含み、前記導光板の前記第1側辺の厚さは前記第2側辺の厚さより厚く、前記導光板の前記第1側辺は前記発光ダイオードに近い側辺である請求項9に記載の量子ドットバックライトモジュール。
【請求項11】
前記量子ドットバックライトモジュールは、前記導光板の上に設けられた拡散シートをさらに含む請求項9に記載の量子ドットバックライトモジュール。
【請求項12】
前記量子ドットバックライトモジュールは、前記拡散シートの上に設けられた光学フィルムをさらに含む請求項11に記載の量子ドットバックライトモジュール。
【請求項13】
前記発光ダイオードは青色発光ダイオードである請求項9に記載の量子ドットバックライトモジュール。
【請求項14】
前記量子ドットは、赤色量子ドットと緑色量子ドットを含む請求項9に記載の量子ドットバックライトモジュール。
【請求項15】
表示パネルと量子ドットバックライトモジュールとを含む表示装置であって、
前記表示パネルは前記量子ドットバックライトモジュールに対向設置され、前記量子ドットバックライトモジュールは、発光ダイオード、反射シート、導光板、複数の網点、及び量子ドットを含み、前記導光板は前記反射シートの上に設けられ、前記複数の網点は前記導光板の上面に間隔をおいて設けられ、前記量子ドットは前記網点内に封止され、前記発光ダイオードは前記導光板の側辺に設けられ、前記量子ドット内に半導体量子ドット蛍光粉末が設けられ、
前記発光ダイオードは前記導光板に光源を提供し、前記発光ダイオードが出射したバックライト光線は、順次に前記導光板と前記網点とを通過し、さらに前記量子ドットにより前記発光ダイオード光源が出射した光を異なる波長の光に変換して出射し、
前記網点は円柱状構造であり、
前記円柱状構造の網点の側面は、反射材料で形成される表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野、特に、量子ドットバックライトモジュール及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体量子ドット蛍光粉末は、新型の白色光LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)発光材料であって、水分子より多いが、ウイルスより小さい微粒子であり、それ自体の粒子サイズに基づいて、標準の青色発光ダイオード光源から出射した光を異なる波長の光に変換することができ、比較的大きな粒子により長波長光(例えば、赤色光)が出射される一方、比較的小さな粒子により短波長光(例えば、緑色光)に変換される。これらの異なる微粒子を混合することにより、新しいスペクトルが形成される。このような量子ドットの特性を利用して、量子ドット補強フィルム(Quantum Dot Enhanced Film、略称:QDEF)を製造し、標準青色光LED光源により高品質の三原色の白色光を実現し、液晶表示装置(Liquid crystal display、略称:LCD) の表示性能を新しいレベルに達させる。従来の白色光LED蛍光発光材料に比べて、量子ドット蛍光粉末は、吸収が広く発光が狭く、発光効率がより高く、耐用年数が長く、発色性がより高く、さらに、カラーの純度がより良い等の利点を有するため、量子ドット発光材料を用いた表示装置は広い色域、及び高い表示品質を有する。
【0003】
従来技術において、通常、量子ドット補強フィルムをバックライトモジュールに応用している。図1 に示すように、バックライトモジュールは、主として、青色発光ダイオード10、反射シート20、反射シート20の上側に設けられた導光板30、前記導光板30の上側に設けられた量子ドット膜40、及び量子ドット膜40の上側に位置する光学フィルム50を含み、青色発光ダイオード10は前記導光板30の左側に設けられている。量子ドット膜40は、青色発光ダイオード10が出射した光を赤色と緑色に変換することができる。エネルギー変換の原理に基づいて、外部エネルギーの関与がない場合に、高エネルギーレベルから低エネルギーレベルへの変換しかできないため、青色発光ダイオード10が出射した青色光を赤色光と緑色光に変換し、ディスプレイの三原色表示を実現できる。量子ドット膜40を青色発光ダイオード10に設置すると、青色発光ダイオード10光源が放熱できない問題がある。該放熱の問題を解決するために、従来、量子ドット膜40を導光板30の上に設置することにより、放熱の問題を効果的に解決するとともに、青色光から赤色光及び緑色光波長への効果的な変換を実現することができるが、量子ドット膜40のサイズを液晶表示パネルのサイズと同一にする必要があるため、量子ドット材料を効果的に利用できない問題がある。さらに、量子ドット材料はカドミウム含有材料である場合が多く、毒性を有するため、製膜際の四辺シールは大きな問題となっており、シールが十分ではないと、カドミウム汚染を招き、危害が大きい。さらに、量子ドット材料自体は空気における酸素と水の影響により失活してしまう。
【0004】
そのため、上記の問題を解決するために、新しい技術手段を提出する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、量子ドットバックライトモジュール及び表示装置を提供することにより、従来技術における、量子ドット膜を導光板の上に設置することで、量子ドット材料を効果的に利用できない問題、製膜際に四辺シールが十分ではないと、カドミウム汚染を招き、危害が大きい問題、及び、量子ドット材料自体は空気における酸素と水の影響により失効になる問題を解決することを目的とする。
【0006】
上記の問題を解決するために、本発明の技術手段は以下の通りである。
【0007】
発光ダイオード、反射シート、導光板、複数の網点、及び量子ドットを含む前記量子ドットバックライトモジュールであって、前記導光板は前記反射シートの上に設けられ、前記複数の網点は前記導光板の上面に間隔をおいて設けられ、前記量子ドットは前記網点内に封止され、前記発光ダイオードは前記導光板の側辺に設けられ、前記量子ドット内に半導体量子ドット蛍光粉末が設けられ、前記網点は円柱状構造であり、
前記導光板は、互いに対向設置された第1側辺と第2側辺都を含み、前記導光板の前記第1側辺の厚さは前記第2側辺の厚さより厚く、前記導光板の前記第1側辺は前記発光ダイオードに近い側辺であり、
前記発光ダイオードは前記導光板に光源を提供し、前記発光ダイオードが出射したバックライト光線は、順次に前記導光板と前記網点とを通過し、さらに前記量子ドットにより前記発光ダイオード光源が出射した光を異なる波長の光に変換して出射する量子ドットバックライトモジュール。
【0008】
好ましくは、前記複数の網点同士の間隔はt/tanθc であり、ただし、θcは光線が前記導光板において全反射される時の入射角であり、tは左側の隣接する網点の底部の中心と前記導光板の底部との厚さである。
【0009】
好ましくは、前記量子ドットバックライトモジュールは、前記導光板の上に設けられた拡散シートをさらに含む。
【0010】
好ましくは、前記量子ドットバックライトモジュールは、前記拡散シートの上に設けられた光学フィルムをさらに含む。
【0011】
好ましくは、前記発光ダイオードは青色発光ダイオードである。
【0012】
好ましくは、前記量子ドットは、赤色量子ドットと緑色量子ドットとを含む。
【0013】
好ましくは、前記円柱状構造の網点の側面は、反射材料で形成される。
【0014】
好ましくは、前記赤色量子ドットは、大粒子の赤色量子ドットと小粒子の赤色量子ドットとを含む。
【0015】
好ましくは、前記緑色量子ドットは、大粒子の緑色量子ドットと小粒子の緑色量子ドットとを含む。
【0016】
好ましくは、前記光学フィルムは、プリズム又は拡散フィルムである。
【0017】
発光ダイオード、反射シート、導光板、複数の網点、及び量子ドットを含む量子ドットバックライトモジュールであって、
前記導光板は前記反射シートの上に設けられ、前記複数の網点は前記導光板の上面に間隔をおいて設けられ、前記量子ドットは前記網点内に封止され、前記発光ダイオードは前記導光板の側辺に設けられ、前記量子ドット内に半導体量子ドット蛍光粉末が設けられ、
前記発光ダイオードは前記導光板に光源を提供し、前記発光ダイオードが出射したバックライト光線は、順次に前記導光板と前記網点とを通過し、さらに前記量子ドットにより前記発光ダイオード光源が出射した光を異なる波長の光に変換して出射する量子ドットバックライトモジュール。
【0018】
好ましくは、前記網点は円柱状構造である。
【0019】
好ましくは、前記導光板は、互いに対向設置された第1側辺と第2側辺とを含み、前記導光板の前記第1側辺の厚さは前記第2側辺の厚さより厚く、前記導光板の前記第1側辺は前記発光ダイオードに近い側辺である。
【0020】
好ましくは、前記複数の網点同士の間隔はt/tanθc であり、θcは光線が前記導光板において全反射される時の入射角であり、tは左側の隣接する網点の底部の中心と前記導光板の底部との厚さである。
【0021】
好ましくは、前記量子ドットバックライトモジュールは、前記導光板の上に設けられた拡散シートをさらに含む。
【0022】
好ましくは、前記量子ドットバックライトモジュールは、前記拡散シートの上に設けられた光学フィルムをさらに含む。
【0023】
好ましくは、前記発光ダイオードは青色発光ダイオードである。
【0024】
好ましくは、前記量子ドットは、赤色量子ドットと緑色量子ドットとを含む。
【0025】
好ましくは、前記円柱状構造の網点の側面は、反射材料で形成される。
【0026】
表示パネルと量子ドットバックライトモジュールとを含む表示装置であって、
前記表示パネルは前記量子ドットバックライトモジュールに対向設置され、前記量子ドットバックライトモジュールは、発光ダイオード、反射シート、導光板、複数の網点、及び量子ドットを含み、前記導光板は前記反射シートの上に設けられ、前記複数の網点は前記導光板の上面に間隔をおいて設けられ、前記量子ドットは前記網点内に封止され、前記発光ダイオードは前記導光板の側辺に設けられ、前記量子ドット内に半導体量子ドット蛍光粉末が設けられ、
前記発光ダイオードは前記導光板に光源を提供し、前記発光ダイオードが出射したバックライト光線は、順次前記導光板と前記網点とを通過し、さらに前記量子ドットにより前記発光ダイオード光源が出射した光を異なる波長の光を変換して出射する表示装置。
【0027】
従来技術に比べて、本発明は、導光板の上面に量子ドットが封止された網点が設けられ、発光ダイオードが出射したバックライト光線が、順次に前記導光板と前記網点とを通過し、さらに前記量子ドットにより前記発光ダイオード光源の出射した光を異なる波長の光に変換して出射することにより、このように設計される量子ドットバックライトモジュールは、量子ドット材料の利用率を効果的に向上させることができる。網点が間隔をおいて設けられ、且つ量子ドットが網点内に封止されることにより、完全な一枚の量子ドット膜が必要でないため、量子ドット材料の使用を節約し、コストを低減できるとともに、発光ダイオードの効果な放熱、及び広い色域の目的に達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】は従来技術の提供するバックライトモジュールの構造模式図である。
図2】は本発明の実施例が提供する量子ドットバックライトモジュールの構造模式図である。
図3】は本発明の実施例が提供する導光板構造の模式図である。
図4】は本発明の実施例が提供する導光板構造の上面図である。
図5】は本発明の実施例が提供する導光板構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書に用いられる用語「実施例」とは、例、実例又は例証をいう。また、特に指定がない限り、本明細書と特許請求の範囲に用いられる冠詞「一」は、「1つ又は複数」の意味をする。
【0030】
本発明の表示パネルは、例えば、TFT-LCD(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display、薄膜トランジスタ液晶表示パネル)、AMOLED(Active Matrix Organic Light Emitting Diode、アクティブマトリックス有機発光ダイオードパネル)等の表示パネルである。
【0031】
本発明の実施例において、導光板の上面に量子ドットが封止された網点を設けることにより、発光ダイオードから出射したバックライト光線は、順次前記導光板と前記網点を通過し、さらに前記量子ドットにより前記発光ダイオード光源が出射した光を異なる波長の光に変換して出射する。このような構造の量子ドットバックライトモジュールは、量子ドット材料の利用率を効果的に向上させることができ、間隔をおいて網点を設け、且つ量子ドットを網点内に封止するため、完全な一枚の量子ドット膜が必要でないので、量子ドット材料の使用を節約し、コストを低減できるとともに、発光ダイオードの効果的な放熱、及び広い色域の目的に達することができる。従って、本発明は、従来技術における、量子ドット膜を導光板の上に設置することで、量子ドット材料を効果的に利用できない問題、製膜の際に四辺シールが十分ではないと、カドミウム汚染を招き、危害が大きい問題、及び、量子ドット材料自体は空気における酸素と水の影響により失効になる問題を解決できる。
【0032】
以下、具体的な実施例を参照しながら、本発明の前記技術手段を説明する。
【0033】
図2は、本発明の実施例が提供する量子ドットバックライトモジュールの構造模式図である。説明の便宜のため、本発明の実施例に関連する部分のみを示す。
【0034】
前記量子ドットバックライトモジュールは、主として発光ダイオード100、反射シート200、導光板300、複数の網点400、及び量子ドット500を含む。前記導光板300は前記反射シート200の上に設けられ、前記複数の網点400は前記導光板300の上面に間隔をおいて設けられ、前記量子ドット500は前記網点400内に封止され、前記発光ダイオード100は前記導光板300の側辺に設けられ、前記量子ドット500内に半導体量子ドット蛍光粉末が設けられている。
【0035】
本発明の実施例において、前記発光ダイオード100は前記導光板300に光源を提供し、前記発光ダイオード100が出射したバックライト光線は、順次前記導光板300と前記網点400を通過し、さらに前記量子ドット500により前記発光ダイオード100の光源が出射した光を異なる波長の光に変換して出射し、前記反射シート200は、底面から露出した光を前記導光板300に反射することにより、光の使用効率を向上させる。前記網点400は、バックライト光線を点光源に効果的に集光させることができ、さらに前記量子ドット500により表示することで、量子ドット材料の利用率を効果的に向上できる。本実施例において、前記量子ドット500を、前記発光ダイオード100に設置することではなく、前記網点400内に封止することにより、発光ダイオード100の放熱問題を効果的に解決することができる。
【0036】
本発明の好ましい実施例において、前記網点400の構造は柱状構造である。図3に示すように、前記網点400の構造は円柱状構造であることが好ましいが、前記網点400の構造は、多角形柱状構造等であってもよい。本発明の趣旨及び精神内で実施される修正、同等置換、及び改良等は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。実施例において、円柱状構造の前記網点400の側面は反射材料で形成され、前記網点400の上面はシリコン樹脂又はPMMA(Polymethyl Methacrylate、ポリメチルメタクリレート)により前記量子ドット500を封止する。光線が前記導光板300の基材から引き出された後、多重反射されて、最後にほとんど円柱状構造の前記網点400の上面に集中し、さらに前記光線が前記網点400の上面から出射される。前記網点400を円柱状構造に設計することにより、光を量子ドット500により集光させ、量子ドット500の効率を向上させる。また、前記網点400を円柱状構造に設計することも、量子ドット500の封止に有利である。量子ドット500が前記円柱状構造の網点400内に封止されるため、量子ドット材料は、空気における酸素と水の影響により失効することはない。
【0037】
本発明の別の好ましい実施例において、図4、5に示すように、前記導光板300は、互いに対向設置された第1側辺と第2側辺を含み、前記導光板300の前記第1側辺の厚さは前記第2側辺の厚さより厚く、前記導光板300の前記第1側辺は前記発光ダイオード100に近い側辺である。例えば、導光板300の前記発光ダイオード100に近い側辺の厚さをt1、もう一つの側辺の厚さをt2とした場合に、網点の封止過程を簡単にするため、該導光板300を、網点のサイズが均一であるが、t1がt2より大きいくさび形導光板構造となるように設置する。さらに、前記複数の網点400同士の間隔はt/tanθcであり、ただし、θcは臨界角(即ち、光線が前記導光板において全反射される時の入射角)であり、tは左側の隣接する網点の底部の中心と前記導光板の底部との厚さである。赤色と緑色量子ドットが混合されて該円柱状の網点に封止され、光が引き出される際に、量子ドット500を経て上の光学フィルムに照射される。
【0038】
本発明の実施例において、前記発光ダイオード100は、青色発光ダイオードを使用することが好ましいが、前記発光ダイオード100は、他の色の発光ダイオードを使用してもよい。本発明の趣旨及び精神内で実施される修正、同等置換、及び改良等は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。量子ドット500は、標準の青色発光ダイオード光源から出射した光を異なる波長の光に転換することができ、比較的に大きな粒子の量子ドット500により長波長光(例えば、赤色光)が出射される一方、比較的に小さな粒子の量子ドット500により短波長光(例えば、緑色光)に変換されるため、これらの異なる微粒子を混合することにより、新しいスペクトルが形成される。標準の青色発光ダイオード光源により高品質の三原色の白色光を実現し、液晶表示装置(Liquid crystal display、略称:LCD)の表示性能を新しいレベルに達させることができる。従って、本実施例は、青色発光ダイオードを使用することが好ましい。
【0039】
本発明の実施例において、前記量子ドット500は、赤色量子ドットと緑色量子ドットとを含む。赤色量子ドットは、大粒子の赤色量子ドットと小粒子の赤色量子ドットとを含み、緑色量子ドットは、大粒子の緑色量子ドットと小粒子の緑色量子ドットとを含む。本実施例において、各前記網点400内にいずれも複数の大顆粒の赤色量子ドットと小粒子の赤色量子ドット、及び複数の大顆粒の緑色量子ドットと小粒子の緑色量子ドットが封止されている。それにより、量子ドット500は、標準の青色発光ダイオード光源から出射した光を異なる波長の光に転換することができ、比較的大きな粒子の量子ドット500により長波長光(例えば、赤色光)が出射される一方、比較的小さい粒子の量子ドット500により短波長光(例えば、緑色光)に変換されるため、これらの異なる微粒子を混合することにより、新しいスペクトルが形成される。
【0040】
本発明の別の好ましい実施例において、前記量子ドットバックライトモジュールは拡散シート600をさらに含み、前記拡散シート600は前記導光板300の上に設けられている。前記拡散シート600は、バックライト光線を均一に分布させ、拡散効果を向上させるとともに、光線透過率を高め、高輝度を発生できる。
【0041】
本発明の別の好ましい実施例において、前記量子ドットバックライトモジュールは、光学フィルム700をさらに含み、前記光学フィルム700は前記拡散シート600の上に設けられている。前記光学フィルム700は、プリズム、拡散フィルム等であることができる。前記光学フィルム700は、量子ドットバックライトモジュールの光学性能を向上させる作用を有する。
【0042】
理解できるように、前記量子ドットバックライトモジュールはエッジ型バックライトモードである。前記量子ドットバックライトモジュールは表示装置にバックライトを提供する。
【0043】
本発明の実施例において、表示装置をさらに提供する。説明の便宜のため、本発明の実施例に関連する部分のみを示す。前記表示装置は、表示パネルと量子ドットバックライトモジュールとを含み、前記表示パネルは前記量子ドットバックライトモジュールに対向して設置されている。本発明の表示パネルは、例えば、TFT-LCD(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display、薄膜トランジスタ液晶表示パネル)、AMOLED(Active Matrix Organic Light Emitting Diode、アクティブマトリックス有機発光ダイオードパネル)等の表示パネルであってもよい。前記表示パネルは、2枚の透明基板と基板の間に封止されている液晶とからなり、表示パネルは複数の像素を有し、映像を表示するために用いられる。
【0044】
以下、前記量子ドットバックライトモジュールの構造を詳述した。
【0045】
図2は、本発明の実施例が提供する量子ドットバックライトモジュールの構造模式図であり、説明の便宜のため、本発明の実施例に関連する部分のみを示す。
【0046】
前記量子ドットバックライトモジュールは、主として発光ダイオード100、反射シート200、導光板300、複数の網点400、及び量子ドット500を含む。前記導光板300は前記反射シート200の上に設けられ、前記複数の網点400は前記導光板300の上に間隔をおいて設けられ、前記量子ドット500は前記網点400内に封止され、前記発光ダイオード100は前記導光板300の側辺に設けられ、前記量子ドット500内に半導体量子ドット蛍光粉末が設けられている。
【0047】
本発明の実施例において、前記発光ダイオード100は前記導光板300に光源を提供し、前記発光ダイオード100が出射したバックライト光線は、順次に前記導光板300と前記網点400を通過し、さらに前記量子ドット500により前記発光ダイオード100の光源が出射した光を異なる波長の光に変換して出射し、前記反射シート200は、底面から露出した光を前記導光板300に反射することにより、光の使用効率を向上させる。前記網点400は、バックライト光線を点光源に効果的に集光させることができ、さらに前記量子ドット500により表示することで、量子ドット材料の利用率を効果的に向上できる。本実施例において、前記量子ドット500を、前記発光ダイオード100に設置することではなく、前記網点400内に封止することにより、発光ダイオード100の放熱問題を効果的に解決することができる。
【0048】
本発明の好ましい実施例において、前記網点400の構造は柱状構造である。図3に示すように、前記網点400の構造は円柱状構造であることが好ましいが、前記網点400の構造は、多角形柱状構造等であってもよい。本発明の趣旨及び精神内で実施される修正、同等置換、及び改良等は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。本実施例において、円柱状構造の前記網点400の側面は反射材料で形成され、前記網点400の上面はシリコン樹脂又はPMMAにより前記量子ドット500を封止する。光線が前記導光板300基材から引き出された後、多重反射されて、最後にほとんど円柱状構造の前記網点400の上面に集中し、さらに前記光線が前記網点400の上面から出射される。前記網点400を円柱状構造に設計することにより、光を量子ドット500により集光させ、量子ドット500の効率を向上させる。また、前記網点400を円柱状構造に設計することも、量子ドット500の封止に有利である。量子ドット500が前記円柱状構造の網点400内に封止されるため、量子ドット材料は、空気における酸素と水の影響により失効することはない。
【0049】
本発明の別の好ましい実施例において、図4、5に示すように、前記導光板300は、互いに対向設置された第1側辺と第2側辺を含み、前記導光板300の前記第1側辺の厚さは前記第2側辺の厚さより厚く、前記導光板300の前記第1側辺は前記発光ダイオード100に近い側辺である。例えば、導光板300の前記発光ダイオード100に近い側辺の厚さをt1、もう一つの側辺の厚さをt2とした場合に、網点の封止過程を簡単にするため、該導光板300を、網点のサイズが均一であるが、t1がt2より大きいくさび形導光板構造となるように設置する。さらに、前記複数の網点400同士の間隔はt/tanθcであり、ただし、θcは臨界角(即ち、光線が前記導光板において全反射される時の入射角)であり、tは左側の隣接する網点の底部の中心と前記導光板の底部との厚さである。赤色と緑色量子ドットが混合されて該円柱状の網点に封止され、光が引き出される際に、量子ドット500を経て上の光学フィルムに照射される。
【0050】
本発明の実施例において、前記発光ダイオード100は、青色発光ダイオードを使用することが好ましいが、前記発光ダイオード100は、他の色の発光ダイオードを使用してもよい。本発明の趣旨及び精神内で実施される修正、同等置換、及び改良等は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。量子ドット500は、標準の青色発光ダイオード光源から出射した光を異なる波長の光に転換することができ、比較的大きな粒子の量子ドット500により長波長光(例えば、赤色光)が出射される一方、比較的に小さな粒子の量子ドット500により短波長光(例えば、緑色光)に変換されるため、これらの異なる微粒子を混合することにより、新しいスペクトルが形成される。標準の青色発光ダイオード光源により高品質の三原色の白色光を実現し、液晶表示装置(Liquid crystal display、略称:LCD)の表示性能を新しいレベルに達させることができる。従って、本実施例は、青色発光ダイオードを使用することが好ましい。
【0051】
本発明の実施例において、前記量子ドット500は、赤色量子ドットと緑色量子ドットとを含む。赤色量子ドットは、大粒子の赤色量子ドットと小粒子の赤色量子ドットとを含み、緑色量子ドットは、大粒子の緑色量子ドットと小粒子の緑色量子ドットとを含む。本実施例において、各前記網点400内にいずれも複数の大顆粒の赤色量子ドットと小粒子の赤色量子ドット、及び複数の大顆粒の緑色量子ドットと小粒子の緑色量子ドットが封止されている。それにより、量子ドット500は、標準の青色発光ダイオード光源から出射した光を異なる波長の光に転換することができ、比較的に大きな粒子の量子ドット500により長波長光(例えば、赤色光)が出射される一方、比較的小さい粒子の量子ドット500により短波長光(例えば、緑色光)に変換されるため、これらの異なる微粒子を混合することにより、新しいスペクトルが形成される。
【0052】
本発明の別の好ましい実施例において、前記量子ドットバックライトモジュールは拡散シート600をさらに含み、前記拡散シート600は前記導光板300の上に設けられている。前記拡散シート600は、バックライト光線を均一に分布させ、拡散効果を向上させるとともに、光線透過率を高め、高輝度を発生できる。
【0053】
本発明の別の好ましい実施例において、前記量子ドットバックライトモジュールは、光学フィルム700をさらに含み、前記光学フィルム700は前記拡散シート600の上に設けられている。前記光学フィルム700は、プリズム、拡散フィルム等であることができる。前記光学フィルム700は、量子ドットバックライトモジュールの光学性能を向上させる作用を有する。
【0054】
理解できるように、前記量子ドットバックライトモジュールはエッジ型バックライトモードである。前記量子ドットバックライトモジュールは表示装置にバックライトを提供する。
【0055】
なお、前記表示装置は、携帯、タブレットPC、テレビ、ディスプレイ、ノートPC、デジタルフォトフレーム、ナビゲーター等の表示機能を有する製品又は部品であることができる。
【0056】
以上より、本発明の実施例は、導光板の上面に量子ドットが封止された網点が設けられ、発光ダイオードが出射したバックライト光線が、順次に前記導光板と前記網点とを通過し、さらに前記量子ドットにより前記発光ダイオード光源の出射した光を異なる波長の光に変換して出射することにより、このように設計される量子ドットバックライトモジュールは、量子ドット材料の利用率を効果的に向上させることができる。網点が間隔をおいて設けられ、且つ量子ドットが網点内に封止されることにより、完全な一枚の量子ドット膜が必要でないため、量子ドット材料の使用を節約し、コストを低減できるとともに、発光ダイオードの効果な放熱、及び広い色域の目的に達することができる。従って、本発明は、従来技術における、量子ドット膜を導光板の上に設置することで、量子ドット材料を効果的に利用できない問題、製膜の際に四辺シールが十分ではないと、カドミウム汚染を招き、危害が大きい問題、及び、量子ドット材料自体は空気における酸素と水の影響により失活してしまう問題を解決できる。
【0057】
1つ又は複数の実現方式にて本発明を説明したが、当業者であれば、本明細書と図面に対する理解に基づいて、同等の変形および修正を想到することができる。本発明は、このようなすべての変形及び修正を含み、且つ特許請求の範囲のみにより制限される。特に、前記部品で実行される様々な機能について、構造上、本明細書に例示される実施態様における機能を実行する構造と同等ではなくても、それらの部品を述べるための用語は、前記部品の特定機能(例えば、機能上同等のもの)を実行する任意な部品(特に断りのない限り)に対応する。さらに、本明細書の特定な特徴は幾つかの実施態様の1つにより開示されたが、このような特徴を他の実施態様の1つ又は複数の他の特徴と組み合わせてもよい。また、用語「含む」、「有する」、「含有」又はその変形は具体的な実施態様用又は請求項に用いられる場合に、このような用語は、それらの用語に類似する含有を含む。
【0058】
上記より、本発明は好ましい実施例により開示されたが、上記の好ましい実施例は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨及び範囲を脱出しない限り、当業者であれば、様々な変更及び修飾を加えることができるため、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に基づくものである。
図1
図2
図3
図4
図5