特許第6389618号(P6389618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389618
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】工作機械の移動体案内機構
(51)【国際特許分類】
   B23Q 1/70 20060101AFI20180903BHJP
【FI】
   B23Q1/70
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-33371(P2014-33371)
(22)【出願日】2014年2月24日
(65)【公開番号】特開2015-157336(P2015-157336A)
(43)【公開日】2015年9月3日
【審査請求日】2016年8月29日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年12月11日に開催した自動車セミナーに出品
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087619
【弁理士】
【氏名又は名称】下市 努
(72)【発明者】
【氏名】星 隆史
(72)【発明者】
【氏名】木村 肇
(72)【発明者】
【氏名】安村 亮祐
【審査官】 津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07093334(US,B2)
【文献】 特開2001−030129(JP,A)
【文献】 特開2009−034751(JP,A)
【文献】 実開昭63−193630(JP,U)
【文献】 特開平11−077459(JP,A)
【文献】 特開昭57−163032(JP,A)
【文献】 特開2000−079528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/00 − 1/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2本の棒状のガイド部材及び該2本のガイド部材の各々に対して少なくとも各1個ずつが嵌合され、前記ガイド部材に対して相対的に移動するスライダにより移動体を該ガイド部材の長手方向に延びる移動軸と平行な軸線に沿って案内するようにした工作機械の移動体案内機構において、
前記2本のガイド部材又は前記各スライダの前記移動体への取付け面が、前記移動軸と平行な軸線を含む平面を挟んで対称をなすように、かつ各取付け面同士のなす角度が180°より小となるように配設され
前記取付け面同士の交線が前記スライダ間に前記移動軸と平行な軸に沿って延在するボールねじの軸線よりも前記移動体側に存在するように構成されている
ことを特徴とする工作機械の移動体案内機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械、例えば横型マシニングセンタの移動体、例えば主軸を水平方向に移動可能に支持案内する移動体案内機構に関する。
【背景技術】
【0002】
前記横型マシニングセンタにおいて、主軸を水平方向に移動可能に支持案内する主軸案内機構として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この従来の主軸案内機構では、主軸2を支持するヘッド3に左,右一対のガイドレール27を水平方向に延びるように配置すると共に、該ガイドレール27に、前記主軸2に固定されたリニアガイド33を摺動自在に嵌合させ、前記左,右のガイドレール27,27の間にボールねじ28を水平方向に延びるように配設し、前記主軸2に固定したナット部材45を前記ボールねじ28に螺合させ、該ボールねじ28の一端部に駆動モータ31を連結し、該駆動モータ31を前記ヘッド3に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4373892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の主軸案内機構では、左,右一対のガイドレール27,27の間にボールねじ28を配置すると共に、該ボールねじ28の後端部に駆動モータ31を連結する構造を採用しているので、このボールねじひいては駆動モータ31をガイドレール27と干渉しない程度に主軸2の軸線から離して配置するか、あるいはガイドレール27,27の間隔を拡げる必要があり、それだけ主軸案内機構が大型化するという問題がある。
【0005】
またボールねじを主軸の軸線から離して配置すると、主軸の軸線から遠い位置を駆動することとなり、残留振動が増大すると共に、加速度のアップが困難となり、高速化できないという問題もある。
【0006】
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、ボールねじ及び駆動モータを移動体の軸線に近づけて配置することができ、移動体案内機構をコンパクト化でき、また残留振動を抑制し、加速度をアップできる工作機械の移動体案内機構を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、少なくとも2本の棒状のガイド部材及び該2本のガイド部材の各々に対して少なくとも各1個ずつが嵌合され、前記ガイド部材に対して相対的に移動するスライダにより移動体を該ガイド部材の長手方向に延びる移動軸と平行な軸線に沿って案内するようにした工作機械の移動体案内機構において、
前記2本のガイド部材又は前記各スライダの前記移動体への取付け面が、前記移動軸と平行な軸線を含む平面を挟んで対称をなすように、かつ各取付け面同士のなす角度が180°より小となるように配設され
前記取付け面同士の交線が前記スライダ間に前記移動軸と平行な軸に沿って延在するボールねじの軸線よりも前記移動体側に存在するように構成されていること特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の工作機械の移動体案内機構において、前記2本のガイド部材又は前記各スライダは、前記各取付け面同士のなす角度が90°となるように配設されていることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の工作機械の移動体案内機構において、前記2本のガイド部材又は前記各スライダは、前記各取付け面が水平方向に延伸するように配設されていることを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1に記載の工作機械の移動体案内機構において、前記移動体は水平方向に延びる軸線を有し、先端部に装着された工具を回転駆動する主軸であり、前記2本のガイド部材又は前記各スライダは、前記各取付け面同士のなす角度が90°をなし、各取付け面が水平方向に延伸するように、かつ前記軸線より上側に配設されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、前記2本のガイド部材又は前記各スライダの前記移動体への取付け面が前記移動軸と平行な軸線を含む平面を挟んで対称をなすように、かつ各取付け面同士のなす角度が180°より小となるように配設したので、つまり一対のガイド部材及びスライダを前記平面に対して外拡がりのハの字状に配設し、前記取付け面同士の交線が前記スライダ間に前記移動軸と平行な軸に沿って延在するボールねじの軸線よりも前記移動体側に存在するように配設したので、該一対のガイド部材及びスライダの間に配置されるボールねじひいては駆動モータを移動体の軸線に近づけて配置でき、それだけ移動体案内機構のX軸方向の寸法をコンパクト化できる。
【0012】
またボールねじを移動体の軸線に近づけて配設できるので、移動体の重心に近い部位を駆動でき、残留振動を抑制できると共に、加速度をアップでき、加工の高速化を図ることができる。
【0013】
また請求項2の発明では、前記取付け面同士のなす角度が90°となるように構成したので、切削負荷やモーメントを例えばX軸方向及びY軸方向に均等に受けることができ、ガイドレール及びスライダの寿命を延ばすことができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、前記2本のガイド部材又は前記各スライダを、前記各取付け面が水平方向に延伸するように配設したので、移動体を水平方向に移動可能に支持する場合に、一対のガイド部材及びスライダの間に配置されるボールねじひいては駆動モータを移動体の軸線に近づけて配置でき、それだけ移動体案内機構をコンパクト化できる。
【0015】
請求項4の発明によれば、水平方向に配置された主軸を、前記各取付け面同士のなす角度が90°をなし、かつ各取付け面が水平方向に延伸し、さらに前記主軸の軸線より上側に配置されたガイド部材とスライダとで案内するようにしたので、前記主軸の下側に案内機構を設けた場合に比較して主軸のY軸ストロークの最下端位置を下方に下げることでき、その結果、主軸で加工されるワークの配置位置を低くでき、それだけワークの脱着等の取扱が容易となる。
【0016】
また主軸の下側に案内機構が無いので、スペース的に余裕が生まれ、該余裕スペースを利用してベッドの支持剛性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例1に係る主軸案内機構を備えた横型マシニングセンタの正面図である。
図2】前記横型マシニングセンタの側面図である。
図3】前記横型マシニングセンタの断面側面図(図1のIII-III線断面図)である。
図4】前記横型マシニングセンタの主軸案内機構部分の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0019】
図1図4は、本発明の実施例1に係る主軸案内機構を備えた横型マシニングセンタを説明するための図である。
【0020】
図において、1は横型マシニングセンタ(工作機械)であり、該横型マシニングセンタ1は、ベッド2と、該ベッド2上に正面視で左右(X軸)方向に移動可能に搭載されたコラム3と、該コラム3の前面に上下(Y軸)方向に移動可能に支持されたサドル4と、該サドル4に前後(Z軸)方向に移動可能に支持された主軸5とを備えている。
【0021】
前記ベッド2には、前部レール取付け面2a及び後部レール取付け面2bがX軸方向に水平に延びるように形成されている。この後部レール取付け面2bは前部レール取付け面2aに対して一段高所に配置されている。前記前部レール取付け面2aの背面側にはボールねじ取付部2cが少し窪むように形成され、該ボールねじ取付部2cと前記後部レール取付け面2bとの間は後側ほど高くなる傾斜壁2dとなっている。
【0022】
そして前記前部,後部レール取付け面2a,2bには前記X軸方向に延伸する前部X軸ガイドレール6a,後部X軸ガイドレール6a′が前記X軸と平行をなすように固定されている。
【0023】
前記コラム3は、正面視で、左,右側壁部3a,3bと、該左,右側壁部3a,3bの、下端部同士及び上端部同士を接続する底壁部3c及び天壁部3dとを有し、縦長矩形枠状をなしている。該コラム3の左,右側壁部3a,3bの前端面3eは鉛直面をなし、後端面3fは下端側ほど後方に位置する傾斜面をなしており、その結果、前記左,右側壁部3a,3bは側面視で略台形状をなしている。
【0024】
前記コラム3の底壁部3cの前端部には左,右の前部X軸スライダ6b,6bが固定され、後端部には左,右の後部X軸スライダ6b′,6b′が前部X軸スライダ6bより一段高所に位置するように固定されている。前記前部,後部X軸スライダ6b,6b′は、それぞれ前記前部X軸ガイドレール6a,後部X軸ガイドレール6a′に摺動可能に嵌合している。
【0025】
前記ベッド2の前記ボールねじ取付部2cにはX軸方向に延伸するX軸ボールねじ8aがX軸と平行をなすように配置されている。このX軸ボールねじ8aは、軸受8bにより前記ボールねじ取付部2cに回転自在に、かつ軸方向移動不能に支持されている。
【0026】
また前記X軸ボールねじ8にはX軸ナット部材(図示せず)が螺合しており、該X軸ナット部材は前記コラム3の底壁部3cに固定されている。さらにまた前記X軸ボールねじ8aの一端にはX軸駆動モータ8cが連結され、該モータ8cは前記ボールねじ取付部2cに固定されている。
【0027】
前記X軸駆動モータ8cがX軸ボールねじ8aを回転駆動することにより、前記コラム3はX軸方向に進退移動する。
【0028】
そして前記コラム3の左,右側壁部3a,3bの前端面3e,3eにはY軸方向に延伸する左,右のY軸ガイドレール7a,7a′がY軸と平行をなすように配置固定されている。
【0029】
前記サドル4は、正面視略矩形状の正面部4aと、該正面部4aから後方に一体的に延びる支持部4bとを有する。前記正面部4aの裏面の上,下の左,右コーナ部には左,右のY軸スライダ7b,7b′が固定されており、該左,右のY軸スライダ7b,7b′は前記コラム3に固定された左,右のY軸ガイドレール7a,7a′にY軸方向に摺動自在に嵌合している。
【0030】
また前記サドル4の正面部4aの裏側にはY軸方向に延伸するY軸ボールねじ9aが前記左のY軸ガイドレール7aに隣接するように、かつY軸と平行をなすように配設されている。また、前記Y軸ボールねじ9aの中途部にはY軸ナット部材9bが螺合しており、該Y軸ナット部材9bは前記正面部4aの裏面に固定されている。さらにまた前記Y軸ボールねじ9aの上端部にはY軸駆動モータ9cが連結されており、該Y軸駆動モータ9cは前記コラム3の天壁部3dに固定されている。
【0031】
前記Y軸駆動モータ9cがY軸ボールねじ9aを回転駆動すると、前記サドル4がY軸方向に上下移動する。
【0032】
また前記サドル4の支持部4bには左,右のレール取付け面4c,4c′がZ軸方向に延伸するように形成されている。この左,右のレール取付け面4c,4c′は、後述する主軸5の軸線Aを含む鉛直面Sを挟んで左,右対称をなすように、かつ両レール取付け面4c,4c′のなす角度θが90°となるように形成されている。そして前記左,右のレール取付け面4c,4c′にはZ軸方向に延伸する左,右のZ軸ガイドレール10a,10a′が固定されている。
【0033】
前記主軸5は、角筒状のケーシング5aと、該ケーシング5a内に回転自在に挿入配置された主軸本体5bと、該主軸本体5bを回転駆動する主軸モータ(図示せず)とを有する。
【0034】
前記ケーシング5aの外表面の前記軸線Aより上方部分には、左,右のスライダ取付け面5c,5c′が前記レール取付け面4c,4c′と対向し、Z軸方向に延伸するように形成されている。このスライダ取付け面5c,5c′は、前記レール取付け面4c,4c′と同様に、前記鉛直面Sを挟んで左,右対称をなすように、かつ両スライダ取付け面5c,5c′のなす角度θが90°となるように形成されている。
【0035】
そして前記左,右のスライダ取付け面5c,5c′には、Z軸スライダ10b,10b′がそれぞれ前後2個ずつ固定されており、該Z軸スライダ10b,10b′は前記Z軸ガイドレール10a,10a′にZ軸方向に摺動自在に嵌合している。
【0036】
このようにして前記左,右のZ軸ガイドレール10a,10a′及び左,右のZ軸スライダ10b,10b′からなるZ軸摺動部10d,10d′は、前記鉛直面Sに対して上向き外方に拡開している。
【0037】
そしてZ軸方向に延伸するZ軸ボールねじ11aが、前記主軸5のケーシング5aの前記左,右のZ軸摺動部10d,10d′の間に位置するように配設されている。このZ軸ボールねじ11aの中途部にはZ軸ナット部材11bが螺合しており、該Z軸ナット部材11bは前記ケーシング5aの外表面の上端部に固定されている。また前記Z軸ボールねじ11aの後端部にはZ軸駆動モータ11cが連結されており、該モータ11cは前記サドル4の支持部4bの後端部4cに固定されている。
【0038】
本実施例に係る横型マシニングセンタ1では、コラム3をX軸方向に移動させ、サドル4をY軸方向に移動させ、さらに主軸5をZ軸方向に移動させることにより、主軸5の主軸本体5bの先端部に装着された工具(図示せず)がX,Y,Z軸方向に移動し、ワークに所要の機械加工が施される。
【0039】
そして本実施例1では、前記2本のZ軸ガイドレール10a,10a′をサドル4の支持部4bに固定し、該両ガイドレール10a,10a′に螺合するZ軸スライダ10b,10b′を主軸5のケーシング5aに固定する場合に、ガイドレール取付け面4c,4c′及びスライダ取付け面5c,5c′を前記主軸本体5bの軸線Aを含む鉛直平面Sを挟んで左右対称をなすように、かつ各取付け面4c,4c′同士のなす角度θ及び取付け面5c,5c′同士の角度θが共に90°をなすように、つまり一対のZ軸摺動部10d,10d′が前記平面Sに対して上方に外拡がりのハの字状をなすように配設した。
【0040】
そのため、前記一対のZ軸摺動部10d,10d′同士の実質的な間隔が広くなり、その間に配置されるZ軸ボールねじ11aひいてはZ軸駆動モータ11cを主軸本体5aの軸線Aに近づけて配置でき、それだけ主軸案内機構をコンパクト化できる。
【0041】
ちなみに、前記各取付け面同士が180°をなすように、つまり各取付け面を同一平面上に配置した場合は、前記Z軸摺動部との干渉を回避するために前記Z軸ボールねじ等を前記軸線Aから離して配置するか、左,右のZ軸摺動部の間隔を拡げる必要があり、何れにしても主軸案内機構が大型化する恐れがある。
【0042】
またZ軸ボールねじ11aを主軸本体5bの軸線Aに近づけて配置できるので、このボールねじ11aにより、重心により近い部位を駆動でき、それだけ残留振動を軽減できると共に、加速度をアップして加工速度を向上できる。
【0043】
さらにまた、ガイドレール取付け面4c,4c′同士及びスライダ取付け面5c,5c′同士のなす角度θが90°をなすように構成したので、切削負荷やモーメントをX軸方向とY軸方向に均等に分割して受けることができ、Z軸ガイドレール10a,10a′及びZ軸スライダ10b,10b′の寿命を延ばすことができる。
【0044】
また、前記2本のZ軸ガイドレール10a,10a′をサドル4の支持部4bに固定し、該両ガイドレール10a,10a′に螺合するZ軸スライダ10b,10b′を主軸5のケーシング5aに固定する場合に、これらを主軸本体5aの軸線Aより上側に配置したので、前記軸線Aより下側に案内機構を設けた場合に比較して主軸5のY軸ストロークの最下端位置を低くでき、その結果、主軸本体5bにより加工されるワークの配置位置を低くでき、それだけワークの脱着等の取扱が容易となる。
【0045】
また主軸案内機構を主軸5の軸線Aより上側に設けたので、下側に主軸案内機構を設けた場合に比較して、主軸5とベッド2との間にスペース的な余裕が得られ、これに伴ってベッド2の後部レール取付け面2bを前部レール取付け面2aに対して一段高所に配置すると共に、ボールねじ取付部2cと後部レール取付け面2bとの間に後側ほど高くなる傾斜壁2dを設けることが可能となった。その結果、ベッド2によるコラム3の支持剛性を向上でき、コラム3を軽量化しつつZ軸加工反力に耐え得る構造となっている。
【0046】
なお、前記実施例では、主軸5の軸線Aより上側のみにZ軸摺動部10d,10d′を設けたが、さらに下側にもZ軸摺動部を設けてよく、このようにすれば残留振動をより一層軽減でき、また加速度をアップできる。
【0047】
また、前記実施例では、移動体としての主軸が水平方向に移動するものである場合を説明したが、本発明は移動体が垂直方向に移動する工作機械、例えば縦型マシニングセンタである場合にも主軸の案内機構に適用可能である。
【0048】
さらにまた、前記実施例では取付け面同士の角度θが90°の場合を説明したが、本発明における角度θは180°より小さい角度であればよい。
【符号の説明】
【0049】
10a,10a′ Z軸ガイドレール
10b,10b′ Z軸スライダ
5 主軸(移動体)
A 軸線
図1
図2
図3
図4