(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、表面に高い平坦性が求められる被研磨物(例えば、ガラス等)を研磨するための研磨パッドが提供されている。研磨パッドは、被研磨物を研磨する研磨面と、該研磨面とは反対側の貼付面であって、一点を回転中心として回転する定盤に直接的又は間接的に貼り付けられる貼付面とを有する。そして、かかる研磨パッドによって被研磨物を研磨する場合、研磨面上にスラリーを供給しつつ、該研磨面に被研磨物を摺接させている。
【0003】
かかる研磨パッドには、研磨レート(単位時間当たりにおける被研磨物の研磨量)が高められたものや、被研磨物の傷付きを抑えるものがある。
【0004】
より具体的に説明する。研磨レートを高めた研磨パッドは、研磨面に複数の溝が形成される。そして、この種の研磨パッドにおける複数の溝のそれぞれは、例えば、定盤の回転中心と対応する位置を中心とした円形状に形成されるとともに、互いに同心となるように形成される(例えば、特許文献1の
図1参照)。
【0005】
この種の研磨パッドは、研磨層の外縁に向かって流れるスラリーが複数の溝のそれぞれに留まるため、被研磨物を研磨する際に使用できるスラリーの量を増加させることができる。これにより、この種の研磨パッドは、研磨レートを高めることができるとされている。
【0006】
被研磨物の傷付きを抑える研磨パッドも、研磨面に複数の溝が形成される。そして、この種の研磨パッドにおける複数の溝のそれぞれは、例えば、格子状に配置されたり、定盤の回転中心と対応する位置から研磨面の外縁に亘って放射状に配置されたりする(例えば、特許文献2の
図2参照)。
【0007】
この種の研磨パッドは、複数の溝のそれぞれが研磨面の外縁で開放している。そのため、この種の研磨パッドは、被研磨物を研磨する際に研磨屑が発生したとしても、該研磨屑が複数の溝を通じて研磨パッドの外に排出される。これにより、この種の研磨パッドは、被研磨物の傷付きを抑えることができるとされている。
【0008】
ところで、研磨レートを高めた研磨パッドは、複数の溝のそれぞれが円形状に形成されている。そのため、この種の研磨パッドは、被研磨物を研磨する際に発生した研磨屑が複数の溝のそれぞれに留まることがある。従って、この種の研磨パッドは、被研磨物を傷付けやすくなる。
【0009】
そして、被研磨物の傷付きを抑える研磨パッドは、複数の溝のそれぞれが研磨面の外縁で開放している。そのため、この種の研磨パッドは、研磨面上に滴下されたスラリーが該複数の溝のそれぞれを通じて開放端から研磨面の外に流出しやすくなり、研磨レートが低下する傾向にある。
【0010】
このように、従来の研磨パッドでは、研磨レートを高めると被研磨物が傷付きやすくなり、被研磨物の傷付きを抑えると研磨レートが低下することが問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、研磨レートを高めつつ、被研磨物の傷付きを抑
えることのできる研磨パッ
ドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る研磨パッドは、
被研磨物を研磨する研磨面と、
一点を回転中心として回転する定盤に直接的又は間接的に貼り付けられる貼付面とを有する研磨パッドであって、
研磨面は、
スラリーを保持する機能が付与された少なくとも一つの保持領域であって、複数の溝が形成される保持領域と、
スラリーを排出する機能が付与された排出領域であって、複数の溝が形成される排出領域とを含み、
前記保持領域と、前記排出領域とは、回転中心と対応する位置から外縁に向かって延びる複数の仮想境界線によって研磨面上に区画され、
前記保持領域には、該保持領域を区画する一対の仮想境界線のうちの一方の仮想境界線に対して傾斜する方向に延びるとともに、該一方の仮想境界線上に位置する一端、及び研磨面上に位置する他端を有する溝が複数形成され、
前記排出領域には、研磨面の外縁で開放する一端と該一端とは反対側の他端とを有する溝が複数形成され、
前記排出領域は、他端が直接的又は間接的に保持領域の溝の一端に連続する複数の溝を含
み、
前記複数の仮想境界線として、
一方向に沿って延びる一対の第一の仮想境界線と、
該一対の第一の仮想境界線のそれぞれが延びる方向と直交する方向に沿って延びる一対の第二の仮想境界線とが設定され、
前記保持領域は、前記一方の第一の仮想境界線及び前記一方の第二の仮想境界線によって研磨面上に区画される領域と、前記他方の第一の仮想境界線及び前記一方の第二の仮想境界線によって研磨面上に区画される領域とであり、
前記排出領域は、一方の第一の仮想境界線及び他方の第二の仮想境界線によって研磨面上に区画される領域と、他方の第一の仮想境界線及び他方の第二の仮想境界線によって研磨面上に区画される領域とであり、
前記一方の保持領域は、前記一方の第二の仮想境界線上で前記他方の保持領域の溝と連続する複数の溝を含み、
前記一方の排出領域は、前記他方の第二の仮想境界線上で前記他方の排出領域の溝と連続する複数の溝を含む。
【0014】
上記構成の研磨パッドによれば、被研磨物を研磨するにあたり、貼付面が定盤に直接的又は間接的に貼り付けられる。そして、上記構成の研磨パッドは、定盤とともに回転している状態で研磨面上にスラリーが滴下され、該研磨面上に被研磨物が押し付けられる。そのため、研磨面上に区画される複数の領域のそれぞれは、順に被研磨物に摺接する。
【0015】
保持領域は、スラリーを保持する機能が付与されており、該保持領域の複数の溝のそれぞれは、該保持領域を区画する一対の仮想境界線のうちの一方の仮想境界線に対して傾斜する方向に延びる。すなわち、上記構成の研磨パッドは、保持領域の複数の溝のそれぞれが研磨パッドに生じる遠心力に対して交差する方向に延びている。
【0016】
そのため、上記構成の研磨パッドは、研磨面の外縁に向かって流れるスラリーを保持領域の複数の溝のそれぞれに留めることができる。従って、上記構成の研磨パッドは、被研磨物を研磨する際に使用できるスラリーの量を増加させることができる。これにより、上記構成の研磨パッドは、研磨レート(単位時間当たりにおける研磨量)が高まる。
【0017】
そして、排出領域は、スラリーを排出する機能が付与されており、該排出領域の複数の溝のそれぞれは、研磨面の外縁で開放する開放端を有する。そのため、上記構成の研磨パッドの排出領域において、スラリーは、該排出領域の複数の溝のそれぞれの内部を流れ、該排出領域の複数の溝のそれぞれの開放端から研磨面の外に排出される。
【0018】
また、上記構成の研磨パッドは、被研磨物の研磨に伴って研磨屑が発生したとしても、該研磨屑を排出領域の複数の溝のそれぞれの開放端から研磨面の外に排出することができる。従って、上記構成の研磨パッドは、被研磨物の傷付きを抑えることができる。
【0019】
以上のように、上記構成の研磨パッドは、研磨面上に対して、被研磨物を摺接させる位置においてスラリーを留める領域と、研磨屑を研磨面の外に排出する領域とが区画されるため、研磨レートを高めつつ、被研磨物の傷付きを抑えることができる。
【0021】
また、研磨パッドは、スラリーや研磨屑を保持領域の複数の溝を通じて研磨面の外に排出できるようになるため、被研磨物の傷付きをさらに抑えることができる。
【0023】
さらに、
上記構成の研磨パッドは、一方の保持領域の溝と他方の保持領域の溝とが連続
する部分、及び一方の排出領域の溝と他方の排出領域の溝とが連続する部分にスラリーが
留まりやすくなる。従って、研磨パッドは、被研磨物を研磨する際に使用できるスラリー
の量をさらに増加させることで、研磨レートを高めることができる。
【0024】
本発明の別の
研磨パッドは、
被研磨物を研磨する研磨面と、
一点を回転中心として回転する定盤に直接的又は間接的に貼り付けられる貼付面とを有する研磨パッドであって、
研磨面は、
スラリーを保持する機能が付与された少なくとも一つの保持領域であって、複数の溝が形成される保持領域と、
スラリーを排出する機能が付与された排出領域であって、複数の溝が形成される排出領域とを含み、
前記保持領域と、前記排出領域とは、回転中心と対応する位置から外縁に向かって延びる複数の仮想境界線によって研磨面上に区画され、
前記保持領域には、該保持領域を区画する一対の仮想境界線のうちの一方の仮想境界線に対して傾斜する
方向に延びるとともに、該一方の仮想境界線上に位置する一端、及び研磨面上に位置する他端を有する溝が複数形成され、
前記排出領域には、研磨面の外縁で開放する一端と該一端とは反対側の他端とを有する溝が複数形成され、
前記排出領域は、他端が直接的又は間接的に保持領域の溝の一端に連続する複数の溝を含み、
前記複数の仮想境界線として、
一方向に沿って延びる一対の第一の仮想境界線と、
該一対の第一の仮想境界線のそれぞれが延びる方向と直交する方向に沿って延びる一対の第二の仮想境界線とが設定され、
前記保持領域は、前記一方の第一の仮想境界線及び前記一方の第二の仮想境界線によって研磨面上に区画される領域と、前記他方の第一の仮想境界線及び前記一方の第二の仮想境界線によって研磨面上に区画される領域とであり、
前記排出領域は、一方の第一の仮想境界線及び他方の第二の仮想境界線によって研磨面上に区画される領域と、他方の第一の仮想境界線及び他方の第二の仮想境界線によって研磨面上に区画される領域とであり、
各保持領域は、該保持領域内に他端が位置する複数の溝を含み、
各排出領域は、該排出領域内に他端が位置する複数の溝を含む
。
【0025】
このようにすれば、研磨パッドは、一方の保持領域の複数の溝のそれぞれと、他方の保持領域の複数の溝のそれぞれとが前記一方向で互いに間隔をあけて形成される。また、研磨パッドは、一方の排出領域の複数の溝のそれぞれと、他方の排出領域の複数の溝のそれぞれとが前記一方向で互いに間隔をあけて形成される。従って、研磨パッドは、非研磨物を研磨する領域が増加するため、研磨レートをさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、本発明の研磨パッ
ドによれば、研磨レートを高めつつ、被研磨物の傷付きを抑えることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の第一実施形態に係る研磨パッドについて、添付図面を参照しつつ説明を行う。
【0035】
本実施形態に係る研磨パッドは、表面に高い平坦性が求められる被研磨物(例えば、ガラス等)を研磨するためのものである。
【0036】
図1及び
図2に示すように、研磨パッド1は、円板状に形成されている。
図3に示すように、研磨パッド1は、被研磨物を研磨する研磨面2と、一点を回転中心として回転する定盤に直接的又は間接的に貼り付けられる貼付面3とを有する。
【0037】
図1に戻り、研磨面2には、回転中心(定盤の回転中心)と対応する位置から外縁4に向かって真っ直ぐに延びる複数の仮想境界線Lによって複数の領域20が区画される。また、研磨面2には、複数の溝21が形成される。
【0038】
より具体的に説明する。研磨面2は、スラリーを保持する機能が付与された少なくとも一つの保持領域20aであって、複数の溝21aが形成された保持領域20aと、スラリーを排出する機能が付与された排出領域20bであって、複数の溝21bが形成された排出領域20bとを含む。保持領域20aと、排出領域20bとは、回転中心と対応する位置から外縁4に向かって真っ直ぐに延びる複数の仮想境界線Lによって研磨面2上に区画される。
【0039】
本実施形態に係る仮想境界線Lは、一方向に沿って延びる一対の第一の仮想境界線L1と、該一対の第一の仮想境界線L1のそれぞれが延びる方向と直交する方向に沿って延びる一対の第二の仮想境界線L2とを有する。すなわち、研磨面2には、一対の第一の仮想境界線L1のそれぞれと、一対の第二の仮想境界線L2のそれぞれとによって四つの領域20が区画される。
【0040】
本実施形態において、保持領域20aは、一方の第一の仮想境界線L1及び一方の第二の仮想境界線L2によって研磨面2上に区画される領域20と、他方の第一の仮想境界線L1及び一方の第二の仮想境界線L2によって研磨面2上に区画される領域20とである。また、本実施形態において、排出領域20bは、一方の第一の仮想境界線L1及び他方の第二の仮想境界線L2によって研磨面2上に区画される領域20と、他方の第一の仮想境界線L1及び他方の第二の仮想境界線L2によって研磨面2上に区画される領域20とである。
【0041】
各保持領域20aには、直線状又は略直線状に延びる複数の溝21aが形成される。また、各保持領域20aには、該保持領域20aを区画する一対の仮想境界線Lのうちの一方の仮想境界線L(第一の仮想境界線L1)に対して傾斜する方向に延びる溝21aが複数形成される。
【0042】
各保持領域20aにおける複数の溝21aのそれぞれは、一方の仮想境界線L(第一の仮想境界線L1)上に位置する一端と、研磨面2上に位置する他端とを有する。
【0043】
各保持領域20aにおける複数の溝21aのそれぞれの他端は、第二の仮想境界線L2上に位置する。そして、一方の保持領域20aの複数の溝21aのそれぞれの他端と、他方の保持領域20aの複数の溝21aのそれぞれの他端とは、第二の仮想境界線L2上で連続する。換言すると、一方の保持領域20aは、一方の第二の仮想境界線L2上で他方の保持領域20aの溝21aと連続する複数の溝21aを含む。
【0044】
なお、各保持領域20aに形成される複数の溝21aのそれぞれには、長手方向における両端のそれぞれが研磨面2の外縁4で開放するものも含まれる。
【0045】
各排出領域20bには、直線状又は略直線状に延びる複数の溝21bが形成される。また、各排出領域20bにおける複数の溝21bのそれぞれは、研磨面2の外縁4で開放する一端と該一端とは反対側の他端とを有する。
【0046】
各排出領域20bにおける複数の溝21bのそれぞれの他端は、第一の仮想境界線L1上又は第二の仮想境界線L2上に位置する。
【0047】
各排出領域20bの複数の溝21bのそれぞれのうち、第一の仮想境界線L1上に他端が位置するものは、該他端が第一の仮想境界線L1上で保持領域20aの溝21aの一端に連続する。そのため、各排出領域20bは、他端が直接的又は間接的に保持領域20aの溝21aの一端に連続する複数の溝21bを含む。
【0048】
そして、一方の排出領域20bの複数の溝21bのそれぞれのうち、他端が他方の第二の仮想境界線L2上に位置する溝21bと、他方の排出領域20bの溝21bであって、他端が他方の第二の仮想境界線L2上に位置する溝21bとは、他方の第二の仮想境界線L2上で互いに連続する。
【0049】
このように、研磨パッド1は、研磨面2に形成される複数の溝21のそれぞれが一方の第一の仮想境界線L1上及び他方の第一の仮想境界線L1上で屈曲するように形成されている。
【0050】
本実施形態に係る研磨パッド1は、以上の通りである。続いて、本実施形態に係る研磨パッド1による被研磨物の研磨について説明する。
【0051】
研磨パッド1は、被研磨物を研磨するにあたり、貼付面3が定盤(図示しない)上に直接的又は間接的に貼り付けられる。そして、研磨パッド1は、
図4に示すように、定盤とともに回転している状態で研磨面2上(研磨面2の中心付近)にスラリーが滴下され、該研磨面2上に被研磨物Tが押し付けられる。
【0052】
なお、スラリーを滴下する位置は、研磨面2の中心部や、被研磨物Tを摺接させる位置の上流側に設定されることがあるが、特に限定されるものでない。また、被研磨物Tは、研磨面2に押し付けられた状態で研磨面2の中心に接近する方向と研磨面2の中心から離間する方向とに動かされる。
【0053】
そして、研磨面2上に区画される複数の領域20のそれぞれは、順に被研磨物Tを摺接させる位置を通過する。各保持領域20aの複数の溝21aのそれぞれは、該保持領域20aを区画する一対の仮想境界線L(第一の仮想境界線L1及び第二の仮想境界線L2)のうちの一方の仮想境界線(第一の仮想境界線L1)に対して傾斜する方向に延びる。すなわち、研磨パッド1は、保持領域20aの複数の溝21aのそれぞれが研磨パッド1に生じる遠心力に対して交差する方向に延びている。そのため、研磨パッド1は、研磨面2の外縁4に向かって流れるスラリーを保持領域20aの複数の溝21aのそれぞれに留めることができる。
【0054】
従って、研磨パッド1は、被研磨物Tを研磨する際に使用できるスラリーの量を増加させることができる。これにより、研磨パッド1は、研磨レート(単位時間当たりにおける研磨量)を高めることができる。
【0055】
そして、研磨パッド1において、排出領域20bの複数の溝21bのそれぞれは、一端が研磨面2の外縁4で開放する。そのため、研磨パッド1は、スラリーが排出領域20bの複数の溝21bのそれぞれの内部を流れて該排出領域20bの複数の溝21bのそれぞれの一端(開放端)から研磨面2の外に排出される。
【0056】
また、研磨パッド1は、被研磨物Tの研磨に伴って研磨屑が発生したとしても、該研磨屑が排出領域20bの複数の溝21bのそれぞれを通じて研磨面2の外に排出される。従って、研磨パッド1は、被研磨物Tの傷付きを抑えることができる。
【0057】
以上のように、本発明の研磨パッド1によれば、研磨レートを高めつつ、被研磨物Tの傷付きを抑えることができるという優れた効果を奏し得る。
【0058】
また、本実施形態に係る研磨パッド1は、研磨面2に形成される複数の溝21のそれぞれが第二の仮想境界線L2上で屈曲している。そのため、研磨パッド1は、複数の溝21のそれぞれの屈曲している部分(保持領域20aの複数の溝21aのそれぞれと排出領域20bの複数の溝21bのそれぞれとが一対の第二の仮想境界線L2上で交わる部分)にスラリーが溜まりやすくなる。従って、研磨パッド1は、研磨レートをさらに高めることができる。
【0059】
さらに、各排出領域20bは、他端が直接的又は間接的に保持領域20aの溝21aの一端に連続する複数の溝21bを含む。すなわち、各保持領域20aの複数の溝21aのそれぞれは、一端が間接的に研磨面2の外縁4で開放するように形成されている。従って、研磨パッド1は、研磨屑を保持領域20aの複数の溝21aのそれぞれを通じて研磨面3の外に排出することもできる。
【0060】
なお、本発明に係る研摩パッドは、上記一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
【0061】
上記実施形態において、研磨パッド1は、
図6に示すように、被研磨物を研磨する研磨面2と、一点を回転中心として回転する定盤に直接的又は間接的に貼り付けられる貼付面3とを有する研磨パッド1を構成するための研磨パッドピース5によって構成されていてもよい。なお、
図6に示す研磨パッド1は、4つの研磨パッドピース5によって構成されているが、3つの研磨パッドピース5や、5つ以上の研磨パッドピース5で構成されていてもよい。
【0062】
各研磨パッドピース5は、定盤の回転中心と対応する位置に配置される頂点50と、該頂点50から延びる一対のエッジ51と、該一対のエッジ51同士に繋がる外縁52と、 前記一対のエッジのそれぞれと前記外縁とによって画定される第一面(採番しない)であって、研磨面の一部となる第一面と、該第一面とは反対側の第二面(採番しない)であって、貼付面の一部となる第二面とを有する。
【0063】
各研磨パッドピース5の一対のエッジ51のそれぞれは、研磨パッド1の仮想境界線Lと対応する。そのため、各研磨パッドピース5のうち、二つの研磨パッドピース5は、保持領域20aを構成し、残りの二つの研磨パッドピース5は、排出領域20bを構成するようになっている。
【0064】
保持領域20aを構成する各研磨パッドピース5は、第一面に複数の溝21aが形成される。保持領域20aを構成する各研磨パッドピース5の第一面に形成される複数の溝21aのそれぞれは、一方のエッジ51に対して傾斜する方向に延びるように形成される。
そのため、保持領域20aを構成する各研磨パッドピース5の第一面に形成される複数の溝21aのそれぞれは、一方のエッジ51上に位置する一端と、他方のエッジ51又は第一面上に位置する他端とを有する。
【0065】
各研磨パッドピース5は、頂点50が定盤の回転中心と対応する位置に配置され、一対のエッジ51のそれぞれに別の研磨パッドピース5を隣接させた状態で第二面が定盤に貼り付けられる。このようにして、研磨パッドピース5によって研磨パッド1が構成される。
【0066】
そして、被研磨物Tを研磨する場合、かかる研磨パッド1は、定盤とともに回転している状態で研磨面2上にスラリーが滴下され、該研磨面2上に被研磨物Tが押し付けられる。
【0067】
このとき、保持領域20aを構成する研磨パッドピース5が被研磨物Tを摺接させる位置に到達すると、該研磨パッドピース5の複数の溝21aのそれぞれが(一方のエッジ51から他方のエッジ51に対して傾斜する方向に延びる複数の溝21aのそれぞれが)研磨パッド5に生じる遠心力に対して交差する方向に延びている状態になる。
【0068】
そのため、研磨パッドピース5は、被研磨物Tを摺接させる位置において、研磨面2の外縁4に向かって流れるスラリーを前記複数の溝21aのそれぞれに留めることができる。従って、研磨パッドピース5を用いて構成された研磨パッド1は、被研磨物Tを研磨する際に使用できるスラリーの量が増加するため、研磨レートが高まる。
【0069】
また、研磨パッドピース5は、一方のエッジ51から他方のエッジ51に対して傾斜する方向に延びる複数の溝21aのそれぞれの一端が一方のエッジ51上に位置する。そのため、該複数の溝21aのそれぞれは、直接的又は間接的に隣接する別の研磨パッドピース5の溝21を介して研磨面2の外縁4で開放するように構成すれば、研磨屑を研磨面2の外に排出することができる。
【0070】
従って、研磨パッドピース5は、研磨レートを高めつつ、被研磨物の傷付きを抑えることができる。
【0071】
また、上記実施形態において、一方の保持領域20aに形成される複数の溝21aのそれぞれと、他方の保持領域20aに形成される複数の溝21aのそれぞれとは、第二の仮想境界線L2上で互いの端部が交わるようになっていたが、これに限定されるものではなく、例えば、
図7に示すように、一方の保持領域20aに形成される複数の溝21aのそれぞれと、他方の保持領域20aに形成される複数の溝21aのそれぞれとは、第二の仮想境界線L2上で互いの長手方向における途中位置が交わるようにしてもよい。
【0072】
また、一方の排出領域20bに形成される複数の溝21bのそれぞれと、他方の排出領域20bに形成される複数の溝21bのそれぞれとは、第二の仮想境界線L2上で互いの端部が交わるようになっていたが、これに限定されるものではなく、例えば、一方の排出領域20bに形成される複数の溝21bのそれぞれと、他方の排出領域20bに形成される複数の溝21bのそれぞれとは、第二の仮想境界線L2上で互いの長手方向における途中位置が交わるようにしてもよい。
【0073】
このようにすれば、研磨パッド1は、一方の保持領域20aの複数の溝21aのそれぞれと他方の保持領域20aの複数の溝21aのそれぞれとが交わる部分、及び一方の排出領域20bの複数の溝21bのそれぞれと他方の排出領域20bの複数の溝21bのそれぞれとが交わる部分にスラリーを保持させやすくなる。従って、研磨パッド1は、上記構成を採用すれば、研磨レートを高めることができる。
【0074】
また、上記実施形態において、一方の保持領域20aに形成される複数の溝21aのそれぞれと、他方の保持領域20aに形成される複数の溝21aのそれぞれとは、第二の仮想境界線L2上で互いの端部が交わるようになっていたが、これに限定されるものではなく、例えば、
図8に示すように、一方の保持領域20aに形成される複数の溝21aのそれぞれと、他方の保持領域20aに形成される複数の溝21aのそれぞれとは、互いに連続していなくてもよい。
【0075】
また、一方の排出領域20bに形成される複数の溝21bのそれぞれと、他方の排出領域20bに形成される複数の溝21bのそれぞれとは、第二の仮想境界線L2上で互いの端部が交わるようになっていたが、これに限定されるものではなく、例えば、
図8に示すように、一方の排出領域20bに形成される複数の溝21bのそれぞれと、他方の排出領域20bに形成される複数の溝21bのそれぞれとは、互いに繋がっていなくてもよい。
【0076】
このようにすれば、研磨パッド1は、一方の保持領域20aの複数の溝21aのそれぞれと他方の保持領域20aの複数の溝21aのそれぞれとが第一の仮想境界線L1が延びる方向で互いに間隔をあけて形成され、一方の排出領域20bの複数の溝21bのそれぞれと他方の排出領域20bの複数の溝21bのそれぞれとが第一の仮想境界線L1が延びる方向で互いに間隔をあけて形成されることになる。そのため、上記構成を採用した研磨パッド1は、被研磨物を研磨する領域20が増加するため、研磨レートを高めることができる。
【0077】
また、上記実施形態において、各排出領域20bに形成される複数の溝21bのそれぞれは、第一の仮想境界線L1に対して傾斜する方向に延びていたが、これに限定されるものではなく、例えば、各排出領域20bに形成される複数の溝21bのそれぞれは、
図9に示すように、第一の仮想境界線L1に対して直交する方向に延びるように形成したり、
図10に示すように、第一の仮想境界線L1に対して平行に延びるように形成したり、
図11に示すように、格子状に形成してもよい。
【0078】
なお、上記実施形態において、各保持領域20aに形成される複数の溝21aのそれぞれは、直線状に形成されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、各保持領域20aに形成される複数の溝21aのそれぞれは、略直線状となるように形成されていてもよい
【0079】
また、上記実施形態において、研磨面2は、複数の保持領域20aのそれぞれ(本実施形態では、二つの保持領域20aのそれぞれ)が周方向で互いに隣り合うように形成されていたが(第二の仮想境界線L2を介して隣り合うように形成されていたが)、これに限定されるものではなく、例えば、研磨面2は、
図12に示すように、保持領域20aと排出領域20bとが周方向で隣り合うように形成されていてもよい。
【0080】
このようにする場合においても、各排出領域20bに形成される複数の溝21のそれぞれは、
図13に示すように、第一の仮想境界線L1に対して直交する方向に延びるように形成したり、
図14に示すように、格子状に形成してもよい。
【0081】
また、上記実施形態において、研磨面2は、四つの領域20を有していたが、これに限定されるものではなく、例えば、二つの領域20を有するようにしたり、5つ以上の領域20を有するようにしてもよい。また、上記実施形態において、特に言及しなかったが、研磨面2の複数の領域20には、少なくとも一つの保持領域20aが含まれていればよい。
【0082】
より具体的に説明する。上記実施形態において、研磨面2の複数の領域20には、二つの保持領域20aと、二つの排出領域20bとが含まれていたが、これに限定されるものではなく、例えば、研磨面2の複数の領域20には、
図15に示すように、一つの保持領域20aと、3つの排出領域20bとが含まれるようにしたり、
図16に示すように、3つの保持領域20aと、一つの排出領域20bとが含まれるようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態において、各仮想境界線L(第一の仮想境界線L1、及び第二の仮想境界線L2)は、回転中心(定盤の回転中心)と対応する位置から外縁4に向かって真っ直ぐに延びていたが、これに限定されるものではなく、例えば、各仮想境界線L(第一の仮想境界線L1、及び第二の仮想境界線L2)は、回転中心(定盤の回転中心)と対応する位置から外縁4に向かって湾曲しつつ延びていてもよい。