(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような歯車装置では、歯車の回転駆動力を回転軸に伝える必要がある。通常は、特許文献2に記載されているように、平行ピンを用いて歯車の回転駆動力を回転軸に直接伝えている。しかしながら、平行ピンを用いる場合、平行ピンと歯車との接触部の回転半径が小さいため、歯車に極めて大きな応力が発生する。このため、感光ドラム及び中間転写ベルトに上記のような衝撃負荷が入力されると、平行ピンと歯車との接触部で瞬間的な変形が発生し、結果として、中間転写ベルトの搬送ムラ又は感光体ドラムの回転ムラが生じる。しかも、歯車の軸穴に平行ピンを嵌め込むための溝を形成する必要があるため、歯車の軸穴を真円にすることができない。このため、歯車の噛合い精度が低下する。また、歯車を射出成形する場合、熱収縮による歯車の歪みが大きくなるため、歯車を高精度に製造することが難しくなる。
【0006】
また、平行ピンではなくキーを用いて歯車の回転駆動力を回転軸に直接伝えることも考えられる。しかしながら、この場合も、歯車の軸穴を真円にすることができないため、上記の問題を解決することができない。
【0007】
特許文献1及び3に記載の歯車装置では、歯車と回転軸との関係が考慮されていないため、上記問題を解決することができない。また、特許文献2及び3に記載の歯車装置では、補強板を歯車にネジ止めしているため、組み立て時に注意が必要であるとともに、歯車の精度の管理が難しいという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、歯車の剛性を向上させつつ歯車の精度を維持することができる歯車装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る歯車装置は、中心部に軸穴を形成するボス部と、外周部に歯部を形成するリム部と、ボス部とリム部とを連結するウェブ部と、を有する歯車と、軸穴に嵌め込まれる回転軸と、回転軸が挿入される貫通孔を有し、歯車よりも剛性の高い補強部材と、を備え、歯車は、歯車の回転方向において補強部材を掛止する第一掛止部、を有し、回転軸は、回転方向において補強部材を掛止する第二掛止部を有し、補強部材は、回転方向において第一掛止部に掛止される第一被掛止部と、回転方向において第二掛止部に掛止される第二被掛止部と、を有する。
【0010】
本発明に係る歯車装置では、補強部材は、第一被掛止部において歯車の第一掛止部に掛止され、第二被掛止部において回転軸の第二掛止部に掛止される。つまり、歯車の回転駆動力は、補強部材を介して回転軸に伝えられるため、歯車の軸穴を真円にすることができる。また、歯車は、歯車よりも剛性の高い補強部材と一体的に回転する。これにより、歯車の剛性を向上させつつ歯車の精度を維持することができる。
【0011】
第一掛止部は、ボス部を中心として放射状に延びるリブであり、第一被掛止部は、歯車側に突出して回転方向においてリブに掛止される第一被掛止凸部であってもよい。この歯車装置では、補強部材の第一被掛止凸部が歯車のリブに掛止されることで、歯車の回転駆動力が補強部材に伝達される。つまり、歯車の軸穴に、回転駆動力の伝達機能を持たせなくてもよい。これにより、軸穴を真円にすることができるため、歯車の精度を維持することができる。そして、リブはボス部を中心として放射状に延びるため、軸穴から離れた位置において、歯車の回転駆動力を補強部材に伝達することができる。これにより、歯車に作用する応力を低減して、歯車の精度を更に維持することができる。
【0012】
また、第一掛止部は、ウェブ部に形成された掛止凹部であり、第一被掛止部は、歯車側に突出して掛止凹部に挿入される第二被掛止凸部であってもよい。この歯車装置では、補強部材の第二被掛止凸部が歯車のウェブ部に形成された掛止凹部に挿入されることで、歯車の回転駆動力が補強部材に伝達される。つまり、歯車の軸穴に、回転駆動力の伝達機能を持たせなくてもよい。これにより、軸穴を真円にすることができるため、歯車の精度を維持することができる。そして、掛止凹部は、歯車の任意の位置に形成することができるため、軸穴から離れた位置において、歯車の回転駆動力を補強部材に伝達することができる。これにより、歯車に作用する応力を低減することができる。
【0013】
また、歯車は、樹脂製であり、ボス部を中心として放射状に延びるリブを更に有し、掛止凹部は、歯車の同一半径上に複数形成され、歯車の同一半径上に形成される掛止凹部の数は、リブの本数と歯車の射出成型を行うゲートの数との公約数であってもよい。この歯車装置では、掛止凹部が歯車の同一半径上に複数形成されるため、歯車に生じる応力を分散させることができる。しかも、歯車の同一半径上に形成される掛止凹部の数が、リブの本数とゲートの数との公約数であるため、歯車を射出成形する際の、熱収縮による歪みを小さくすることができる。これにより、歯車を高精度に製造することができる。
【0014】
また、歯車は、樹脂製であり、掛止凹部は、歯車の射出成型を行うゲートの位置よりも半径方向内側に形成されていてもよい。この歯車装置では、掛止凹部がゲートの位置よりも半径方向内側に形成されているため、歯車を樹脂成型する際に、溶融樹脂が掛止凹部周辺に流れ込みやすくなる。これにより、歯車を高精度に製造することができる。
【0015】
また、第二掛止部は、回転軸の回転軸線に直交する方向に突出する掛止凸部であり、第二被掛止部は、掛止凸部が挿入される被掛止凹部であってもよい。この歯車装置では、補強部材の被掛止凹部に回転軸の回転軸線に直交する方向に突出する掛止凸部が挿入されるため、歯車の回転駆動力を回転軸に確実に伝えることができる。
【0016】
また、補強部材は、焼結金属であってもよい。この回転歯車では、補強部材が焼結金属であるため、歯車の剛性を更に向上することができる。
【0017】
また、補強部材は、中心部に貫通孔が形成され、歯車は、歯車の回転軸線方向に突出する円筒部を有し、円筒部は、貫通孔に嵌め込まれていてもよい。この回転歯車では、歯車の円筒部が補強部材の貫通孔に嵌め込まれることで、歯車に対する補強部材の位置を規制することができる。これにより、歯車装置全体の遊びを小さくすることができる。
【0018】
また、補強部材は、中心部に貫通孔が形成され、回転軸は、貫通孔に嵌め込まれていてもよい。この回転歯車では、回転軸が補強部材の貫通孔に嵌め込まれることで、回転軸に対する補強部材の位置を規制することができる。これにより、歯車装置全体の遊びを小さくすることができる。
【0019】
本発明に係る画像形成装置は、上記のいずれかの歯車装置を備え、歯車装置は、感光体を回転駆動する歯車装置である。本発明に係る画像形成装置では、感光体を回転駆動する歯車装置として、上記の歯車装置を備えるため、感光体の回転ムラを抑制することができる。これにより、生成される画像の品質を向上することができる。
【0020】
本発明に係る画像形成装置は、上記のいずれかの歯車装置を備え、歯車装置は、中間転写体を回転駆動する歯車装置である。本発明に係る画像形成装置では、中間転写体を回転駆動する歯車装置として、上記の歯車装置を備えるため、中間転写体の回転ムラを抑制することができる。これにより、生成される画像の品質を向上することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、歯車の剛性を向上させつつ歯車の精度を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】
[第1の実施形態]
図1は、画像形成装置の感光体及び中間転写体を示す概略構成図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、感光体2と、中間転写体3と、を備える。なお、画像形成装置1は、感光体2及び中間転写体3の他にも、画像形成装置として必要な様々な周知の構成を備える。
【0025】
感光体2は、周面に画像(トナー)が形成されるドラム状の静電潜像担持体(感光体ドラム)であり、例えばOPC(Organic PhotoConductor)からなる。感光体2は、駆動モータ4により歯車装置10aを介して一定速度で回転駆動される。
【0026】
中間転写体3は、感光体2に形成された画像を用紙に二次転写する。中間転写体3は、中間転写ベルト6と、一次転写ローラ(不図示)と、二次転写ローラ7と、二次転写バックアップローラ(不図示)と、を備える。中間転写ベルト6は、感光体2に形成された画像を用紙に転写するための無端ベルトである。一次転写ローラは、中間転写ベルト6を挟んで感光体2と対峙している。そして、一次転写ローラは、中間転写ベルト6に感光体2に形成された画像を一次転写する。二次転写ローラ7と二次転写バックアップローラとは、中間転写ベルト6を挟んで対峙している。二次転写ローラ7は、駆動モータ4により歯車装置10bを介して一定速度で回転駆動される。そして、中間転写ベルト6と二次転写ローラ7との間に用紙が挿入されることで、中間転写ベルト6に一次転写された画像が二次転写される。
【0027】
なお、感光体2を回転させる歯車装置10aと二次転写ローラ7を回転させる歯車装置10bとは、寸法及び具体的な形状は異なるものの、基本構成は同じである。このため、以下の説明では、これらを歯車装置10として纏めて説明する。
【0028】
図2は、第1の実施形態の歯車装置の分解斜視図である。
図3は、
図2に示す歯車の正面図である。
図4は、
図3に示すIV−IV線における歯車装置の断面図である。
図2〜
図4に示すように、歯車装置10は、歯車11と、回転軸12と、補強部材13と、を備える。
【0029】
歯車11は、駆動モータ4により回転駆動される部材である。なお、歯車装置10(歯車11)の回転方向を、回転方向Rといい、歯車装置10(歯車11)の回転軸線を、回転軸線Lという。歯車11は、樹脂製であり、射出成型により、回転軸線Lを中心とした円板状に形成されている。歯車11の素材としては、例えば、ポリアセタールが用いられる。歯車11は、ボス部14と、リム部15と、ウェブ部16と、リブ17と、を有する。
【0030】
ボス部14は、歯車11の半径方向中心部に位置する部位である。ボス部14は、回転軸線Lを中心とした円筒状に形成されている。ボス部14には、回転軸12が嵌め込まれる軸穴18が形成されている。軸穴18は、歯車11を貫通する穴であり、回転軸線Lを中心とした真円に形成されている。また、ボス部14は、回転軸線L方向に突出する円筒部19を有する。円筒部19は回転軸線Lを中心とした円筒状に形成されている。円筒部19の内径及び外径は、ボス部14の内径及び外径と同じである。
【0031】
リム部15は、歯車11の外周部に位置する部位である。リム部15は、回転軸線Lを中心とした円筒状(円環状)に形成されている。つまり、リム部15は、ボス部14と同心円の関係となる。リム部15の外周面には、歯部20が形成されている。歯部20は、駆動モータ4の出力軸に取り付けられた歯車と直接的または間接的に噛み合う部位である。
【0032】
ウェブ部16は、ボス部14とリム部15とを連結する部位である。ウェブ部16は、ボス部14及びリム部15よりも薄肉の略円板状に形成されている。ウェブ部16は、均一な厚さに形成されて、ボス部14とリム部15との間を隙間なく塞いでいる。
【0033】
リブ17は、回転方向Rにおいて補強部材13を掛止する第一掛止部として機能する。具体的に説明すると、リブ17は、歯車11を補強する部位である。リブ17は、ウェブ部16の一方の面又はウェブ部16の両面から突出している。リブ17の断面形状は、特に限定されるものではなく、例えば、矩形状とすることができる。リブ17は、円筒状リブ部21と、放射状リブ部22と、を有する。なお、本実施形態では、円筒状リブ部21があるものとして説明するが、円筒状リブ部21はなくてもよい。
【0034】
円筒状リブ部21は、ボス部14とリム部15との間において、回転軸線Lを中心とした円状に形成されている。つまり、円筒状リブ部21は、ボス部14及びリム部15と同心円の関係となる。円筒状リブ部21は、1又は複数本設けられている。
【0035】
放射状リブ部22は、回転方向Rにおいて補強部材13を掛止する第一掛止部として機能する部位である。放射状リブ部22は、ボス部14(歯車11の半径方向中心)を中心として放射状に延びている。つまり、放射状リブ部22は、回転方向Rと直交する方向に延びている。円筒状リブ部21が一本のみ設けられている場合は、放射状リブ部22は、ボス部14と円筒状リブ部21、円筒状リブ部21とリム部、とをそれぞれ連結する。円筒状リブ部21が複数設けられている場合は、放射状リブ部22は、更に隣り合う円筒状リブ部21も連結する。なお、円筒状リブ部21が無い場合は、放射状リブ部22は、ボス部14とリム部15とを連結する。
【0036】
回転軸12は、感光体2又は二次転写ローラ7と連結されて、感光体2又は二次転写ローラ7を回転駆動する部材である。回転軸12は、ロッド部23と、掛止凸部24と、を有する。
【0037】
ロッド部23は、感光体2又は二次転写ローラ7に連結されるとともに、歯車11の軸穴18に嵌め込まれる部位である。ロッド部23は、外周面が真円の円棒状に形成されている。ロッド部23の外径は、軸穴18の内径と略同じである。このため、ロッド部23が軸穴18に嵌め込まれることで、回転軸12に対する歯車11の半径方向の位置が定まる。なお、ロッド部23外径は、全長において軸穴18の内径と略同じである必要はなく、少なくとも軸穴18に嵌め込まれる部分において軸穴18の内径と略同じであればよい。
【0038】
掛止凸部24は、回転方向Rにおいて補強部材13を掛止する第二掛止部として機能する。具体的に説明すると、掛止凸部24は、ロッド部23から突出している。ロッド部23に対する掛止凸部24の突出方向は、回転軸12の回転軸線に直交する方向である。掛止凸部24としては、例えば、ロッド部23を貫通して両端部がロッド部23から突出する棒状の平行ピンを採用してもよく、ロッド部23の外周面から突出する矩形板状のキーを採用してもよい。
【0039】
補強部材13は、歯車11を補強するとともに、歯車11の回転駆動力を回転軸12に伝達する部材である。補強部材13は、歯車11よりも剛性の高い素材で形成されている。補強部材13は、例えば、金属紛体が焼結された焼結金属により形成されている。補強部材13は、貫通孔25と、被掛止凹部26と、第一被掛止凸部27と、を有する。
【0040】
貫通孔25は、回転軸12が挿入されるとともに、歯車11のボス部14が嵌め込まれる部位である。貫通孔25は、補強部材13の中心部に形成されている。貫通孔25は、略真円に形成されており、補強部材13を貫通している。つまり、補強部材13は回転軸線Lを中心とした円筒状に形成されており、その内側の穴が、貫通孔25となる。貫通孔25の内径は、歯車11の円筒部19が貫通孔25に嵌め込まれるように、円筒部19の外径と略同じである。このため、円筒部19が貫通孔25に嵌め込まれることで、歯車11に対する補強部材13の半径方向の位置が定まる。
【0041】
被掛止凹部26は、回転方向Rにおいて掛止凸部24に掛止される第二被掛止部として機能する。具体的に説明すると、被掛止凹部26は、回転軸12の掛止凸部24に対応して設けられている。被掛止凹部26は、掛止凸部24が挿入されるように、貫通孔25から補強部材13の半径方向外方に延びている。被掛止凹部26の形状は、回転方向Rにおいて掛止凸部24に掛止され得る形状であれば、如何なる形状であってもよい。例えば、被掛止凹部26は、掛止凸部24の外形に対応した矩形状であってもよい。また、被掛止凹部26は、補強部材13を貫通してもよく、補強部材13を貫通していなくてもよい。そして、被掛止凹部26に、回転軸12の掛止凸部24が挿入されることで、被掛止凹部26は、回転方向Rにおいて掛止凸部24に掛止される。
【0042】
第一被掛止凸部27は、回転方向Rにおいて放射状リブ部22に掛止される第一被掛止部として機能する。具体的に説明すると、第一被掛止凸部27は、回転軸線Lに沿って歯車11側に突出している。第一被掛止凸部27の形状は、特に限定されないが、例えば、補強部材13の外周面に沿った円弧板状に形成することができる。第一被掛止凸部27の回転方向Rの端面は、放射状リブ部22と面接触する形状であることが好ましい。例えば、第一被掛止凸部27及び放射状リブ部22の回転方向Rの端面は、回転軸線Lに平行な線と、回転軸線Lを中心として放射状に延びる線と、により成される平面とすることができる。
【0043】
第一被掛止凸部27は、回転軸線Lを中心とした同一円上に複数設けられている。第一被掛止凸部27は、円筒部19が貫通孔25に嵌め込まれた際に放射状リブ部22に対応する位置であって、回転方向Rにおいて等間隔となる位置に設けられている。第一被掛止凸部27の回転方向Rにおける長さは、回転方向Rにおいて隣り合う放射状リブ部22の間隔よりも短い。
【0044】
そして、ロッド部23が軸穴18に嵌め込まれるとともに、円筒部19が貫通孔25に嵌め込まれている。これにより、歯車11、回転軸12及び補強部材13が半径方向において位置決めされている。なお、回転軸12は、所定位置で回転するように、画像形成装置1に回転自在に保持されている。また、掛止凸部24が、被掛止凹部26に挿入されているとともに、第一被掛止凸部27が、回転方向Rにおいて隣り合う放射状リブ部22の間に挿入されて、回転方向Rにおいて放射状リブ部22に掛止されている。これにより、歯車11の回転駆動力が、補強部材13を介して回転軸12に伝達される。
【0045】
ここで、比較例の歯車装置について説明する。
図9は、比較例の歯車の正面図である。
図9に示すように、比較例の歯車装置101では、平行ピン102により歯車103の回転駆動力を回転軸104に直接伝達している。つまり、歯車103の軸穴105には、平行ピン102が挿入されて、回転方向Rに平行ピン102を掛止する被掛止用凹部106が形成されている。また、歯車103のウェブ部107には、被掛止用凹部106を囲むリブ108が設けられている。
【0046】
このように、歯車装置101では、軸穴105に被掛止用凹部106が形成されるため、軸穴105を真円にすることができない。このため、歯車103の噛合い精度が低下する。また、歯車103を射出成形する場合、熱収縮による歯車103の歪みが大きくなるため、歯車103を高精度に製造することが難しくなる。また、ウェブ部107及びリブ108は、平行ピン102の回転駆動力によりせん断荷重を受けるため、歯車103の精度を維持することができない。また、平行ピン102と歯車103との接触は、理想的には線接触であるが、実際には点接触になるため、応力集中が過大となる。しかも、平行ピン102と歯車103とが点接触する位置は、回転半径の小さい位置であるため、接触力が大きくなる。このため、歯車103の精度を維持することができない。
【0047】
これに対して、本実施形態に係る歯車装置10では、補強部材13は、第一被掛止凸部27において歯車11の第一被掛止凸部27に掛止され、被掛止凹部26において回転軸12の掛止凸部24に掛止される。つまり、歯車11の回転駆動力は、補強部材13を介して回転軸12に伝えられるため、歯車11の軸穴18を真円にすることができる。また、歯車11は、歯車11よりも剛性の高い補強部材13と一体的に回転する。これにより、歯車11の剛性を向上させつつ、歯車11の精度を維持することができる。
【0048】
また、補強部材13の第一被掛止凸部27が歯車の放射状リブ部22に掛止されることで、歯車11の回転駆動力が補強部材13に伝達される。つまり、歯車11の軸穴18に、回転駆動力の伝達機能を持たせなくてもよい。これにより、軸穴18を真円にすることができるため、歯車11の精度を維持することができる。そして、放射状リブ部22はボス部14を中心として放射状に延びるため、軸穴18から離れた位置において、歯車11の回転駆動力を補強部材13に伝達することができる。これにより、歯車11に作用する応力を低減して、歯車の精度を更に維持することができる。
【0049】
また、補強部材13の被掛止凹部26に回転軸12の回転軸線Lに直交する方向に突出する掛止凸部が挿入されるため、歯車11の回転駆動力を回転軸12に確実に伝えることができる。
【0050】
また、補強部材13が焼結金属であるため、歯車11の剛性を更に向上することができる。
【0051】
また、歯車11の円筒部19が補強部材13の貫通孔25に嵌め込まれることで、歯車11に対する補強部材13の位置を規制することができる。これにより、歯車装置10全体の遊びを小さくすることができる。
【0052】
そして、本実施形態に係る画像形成装置1では、感光体2を回転駆動する歯車装置10aとして、上記の歯車装置10を備えるため、感光体2の回転ムラを抑制することができる。これにより、生成される画像の品質を向上することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る画像形成装置1では、二次転写ローラ7を回転駆動する歯車装置10bとして、上記の歯車装置10を備えるため、中間転写ベルト6の回転ムラを抑制することができる。これにより、生成される画像の品質を向上することができる。
【0054】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であるが、歯車装置における歯車及び補強部材の一部のみ第1の実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第1の実施形態と相違する点のみを説明し、第1の実施形態と同様の説明を省略する。
【0055】
図5は、第2の実施形態の歯車装置の分解斜視図である。
図6は、
図5に示す歯車の正面図である。
図7は、
図6に示すVII−VII線における歯車装置の断面図である。
図8は、
図6に示すVIII−VIII線における歯車装置の断面図である。
図5〜
図8に示すように、歯車装置40は、歯車41と、回転軸12と、補強部材43と、を備える。
【0056】
歯車41は、基本的に第1の実施形態の歯車41と同様であり、円筒部がボス部ではなく円筒状リブ部に設けられている点、ウェブ部に掛止凹部が形成されている点のみ、第1の実施形態の歯車41と相違する。具体的に説明すると、歯車41は、第1の実施形態のボス部14、ウェブ部16及びリブ17のそれぞれに対応するボス部44、ウェブ部46及びリブ47と、第1の実施形態と同様のリム部15と、を有する。
【0057】
ボス部44は、第1の実施形態の円筒部19が形成されていない点を除き、第1の実施形態のボス部14と同様である。
【0058】
リブ47は、円筒状リブ部に円筒部が設けられている点を除き、第1の実施形態のリブ47と同様である。リブ47は、第1の実施形態の円筒状リブ部21に対応する円筒状リブ部48と、第1の実施形態と同様の放射状リブ部22と、を有する。円筒状リブ部48は、円筒状リブ部21と同様に、ボス部44とリム部15との間において、回転軸線Lを中心とした円状に形成されている。そして、円筒状リブ部48は、回転軸線L方向に突出する円筒部49を有する。円筒部49は、円筒状リブ部48と同様に、回転軸線Lを中心とした円筒状に形成されている。なお、円筒状リブ部48が複数設けられている場合は、円筒部49は、何れかの円筒状リブ部48にのみ設けられている。この場合、円筒部49は、最も半径方向内側の円筒状リブ部48(回転軸線Lに最も近い円筒状リブ部48)にのみ設けられることが好ましい。
【0059】
ウェブ部46は、掛止凹部50が形成されている点を除き、第1の実施形態のウェブ部16と同様である。
【0060】
掛止凹部50は、ウェブ部46を貫通する貫通孔である。掛止凹部50は、リブ47が形成されていない位置に形成されている。つまり、掛止凹部50は、円筒部49が設けられた円筒状リブ部48とボス部44との間であって、回転方向Rにおいて隣り合う放射状リブ部22の間に形成されている。円筒状リブ部48が複数設けられている場合は、半径方向において最も内側の円筒状リブ部48とボス部44との間、又は、半径方向において隣り合う円筒状リブ部48の間に形成されている。
【0061】
また、掛止凹部50は、歯車41の同一半径上に複数形成されている。つまり、回転軸線Lを中心とした一つの円上に、複数の掛止凹部50が形成されている。歯車41の同一半径上に形成される掛止凹部50の数は、掛止凹部50と同一半径上に設けられた放射状リブ部22の数と、歯車41の射出成型を行うゲート(不図示)の数と、の公約数である。例えば、掛止凹部50と同一半径上に設けられた放射状リブ部22の数が“6”であり、ゲートの数が“2”である場合は、掛止凹部50の数を“2”とすることができる。ゲートは、射出成型をする際に、溶融樹脂を金型の空洞内に流入させる流入路である。
【0062】
また、掛止凹部50は、歯車41の射出成型を行うゲートの位置よりも半径方向内側に形成されている。通常、ゲートを複数設ける場合は、金型の空洞内に溶融樹脂が均一に流れ込むように、これらのゲートを、歯車41の半径方向中心を中心とした同一円上に配置する。また、ゲートの位置に対して半径方向外側よりも半径方向内側の方が、溶融樹脂が流れ込みやすくなる。そこで、ゲートの位置よりも半径方向内側に、掛止凹部50を形成する。
【0063】
補強部材43の基本的な機能及び素材は、第1の実施形態の補強部材13と同様である。補強部材43は、貫通孔51と、外周当接面52と、被掛止凹部53と、第二被掛止凸部54と、を有する。
【0064】
補強部材43は、回転軸線Lを中心とした円筒状に形成されており、その内側の穴が貫通孔51となり、その外周面が外周当接面52となる。貫通孔51は、回転軸12が挿入される貫通孔である。外周当接面52は、歯車41の円筒部49が嵌め込まれる部位である。外周当接面52の外径は、外周当接面52が円筒部49に嵌め込まれるように、円筒部49の内径と略同じである。このため、外周当接面52が円筒部49に嵌め込まれることで、歯車41に対する補強部材43の半径方向の位置が定まる。
【0065】
被掛止凹部53は、回転方向Rにおいて掛止凸部24に掛止される第二被掛止部として機能する。具体的に説明すると、被掛止凹部53は、回転軸12の掛止凸部24に対応して設けられている。被掛止凹部53は、掛止凸部24が挿入されるように、貫通孔51から補強部材43の半径方向外方に延びている。被掛止凹部53の形状は、回転方向Rにおいて掛止凸部24に掛止され得る形状であれば、如何なる形状であってもよい。例えば、補強部材43が薄肉の円筒状である場合は、被掛止凹部53は、補強部材43の端部を回転軸線L方向に沿って切り欠いた切り欠きとしてもよい。そして、被掛止凹部53に、回転軸12の掛止凸部24が挿入されることで、回転方向Rにおいて掛止凸部24に掛止される。
【0066】
第二被掛止凸部54は、回転方向Rにおいて放射状リブ部22に掛止される第一被掛止部として機能する。具体的に説明すると、第二被掛止凸部54は、回転軸線Lに沿って歯車41側に突出している。第二被掛止凸部54の突出長さは、補強部材43が歯車41のリブ47に当接した際に、第二被掛止凸部54が掛止凹部50に挿入される長さである。第二被掛止凸部54の形状は、特に限定されないが、例えば、補強部材43の外周面に沿った円弧板状に形成することができる。第二被掛止凸部54の回転方向Rの端面は、掛止凹部50を形成するウェブ部46と面接触する形状であることが好ましい。
【0067】
第二被掛止凸部54は、回転軸線Lを中心とした同一円上に複数設けられている。各第二被掛止凸部54は、外周当接面52が円筒部49に嵌め込まれた際に掛止凹部50に対応する位置に設けられている。
【0068】
そして、ロッド部23が軸穴18に嵌め込まれるとともに、外周当接面52が円筒部49に嵌め込まれている。これにより、歯車41、回転軸12及び補強部材43が半径方向において位置決めされている。また、第二被掛止凸部54、が掛止凹部50に挿入されて、回転方向Rにおいて放射状リブ部22に掛止されている。これにより、歯車41の回転駆動力が、補強部材43を介して回転軸12に伝達される。
【0069】
このように、本実施形態では、補強部材43の第二被掛止凸部54が歯車41のウェブ部46に形成された掛止凹部50に挿入されることで、歯車41の回転駆動力が補強部材43に伝達される。つまり、歯車41の軸穴18に、回転駆動力の伝達機能を持たせなくてもよい。これにより、軸穴18を真円にすることができるため、歯車41の精度を維持することができる。そして、掛止凹部50は、歯車41の任意の位置に形成することができるため、軸穴18から離れた位置において、歯車41の回転駆動力を補強部材43に伝達することができる。これにより、歯車41に作用する応力を低減することができる。
【0070】
また、掛止凹部50が歯車41の同一半径上に複数形成されるため、歯車41に生じる応力を分散させることができる。しかも、歯車41の同一半径上に形成される掛止凹部50の数が、掛止凹部50と同一半径上に設けられた放射状リブ部22の本数とゲートの数との公約数であるため、歯車41を射出成形する際の、熱収縮による歪みを小さくすることができる。これにより、歯車41を高精度に製造することができる。
【0071】
また、掛止凹部50がゲートの位置よりも半径方向内側に形成されているため、歯車41を樹脂成型する際に、溶融樹脂が掛止凹部50周辺に流れ込みやすくなる。これにより、歯車41を高精度に製造することができる。
【0072】
また、補強部材43の被掛止凹部53に回転軸12の回転軸線に直交する方向に突出する掛止凸部24が挿入されるため、歯車41の回転駆動力を回転軸12に確実に伝えることができる。
【0073】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0074】
例えば、上記実施形態では、第一掛止部、第二掛止部、第一被掛止部及び第二被掛止部の具体的な構成を例示して説明したが、第一掛止部と第一被掛止部とが互いに回転方向Rにおいて掛止され、第二掛止部と第二被掛止部とが互いに回転方向Rにおいて掛止されれば、如何なる構成であってもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、補強部材は、歯車に対して位置決めされるものとして説明したが、回転軸にのみ又は回転軸にも位置決めされるものとしてもよい。例えば、補強部材は、中心部に貫通孔が形成され、回転軸は、貫通孔に嵌め込まれるものとしてもよい。この回転歯車では、回転軸が補強部材の貫通孔に嵌め込まれることで、回転軸に対する補強部材の位置を規制することができる。これにより、歯車装置全体の遊びを小さくすることができる。
【0076】
また、第1の実施形態では、リブとして円筒状リブ部及び放射状リブ部を有するものとして説明したが、円筒状リブを有しなくてもよい。第2の実施形態では、歯車はリブを有するものとして説明したが、リブを有しなくてもよい。
【0077】
また、歯車の素材は、樹脂に限定されるものではなく、金属などの他の素材であってもよい。