特許第6389718号(P6389718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389718
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】水圧駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F15B 21/04 20060101AFI20180903BHJP
【FI】
   F15B21/04 Z
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-193491(P2014-193491)
(22)【出願日】2014年9月24日
(65)【公開番号】特開2016-65564(P2016-65564A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】304039065
【氏名又は名称】カヤバ システム マシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100067367
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 泉
(72)【発明者】
【氏名】横山 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】米川 典秀
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−102035(JP,U)
【文献】 特開2003−156007(JP,A)
【文献】 特開2012−200718(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3118493(JP,U)
【文献】 特開2003−211291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 20/00−21/14
F15B 11/00−11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水圧の供給で駆動される駆動部と、
作動水を貯留するタンクと、
前記駆動部と前記タンクとを接続する水圧回路と、
前記水圧回路の途中に設けられて前記タンクから作動水を吸い上げて前記駆動部へ水圧を供給するポンプと、
前記水圧回路或いは前記タンクから作動水を外部へ排水する排水部と、
外部から前記タンクへ作動水を供給する給水部とを備え、
前記水圧回路は、前記ポンプから前記駆動部へ供給される水圧を制御するリリーフ弁を有し、
前記排水部は、前記リリーフ弁の下流であって前記タンクより上流で排水する
ことを特徴とする水圧駆動装置。
【請求項2】
水圧の供給で駆動される駆動部と、
作動水を貯留するタンクと、
前記駆動部と前記タンクとを接続する水圧回路と、
前記水圧回路の途中に設けられて前記タンクから作動水を吸い上げて前記駆動部へ水圧を供給するポンプと、
前記水圧回路或いは前記タンクから作動水を外部へ排水する排水部と、
外部から前記タンクへ作動水を供給する給水部とを備え、
前記給水部は、前記タンクの水位が基準水位に満たない場合に給水し、
前記排水部は、前記タンク内の水温が基準温度以上であると排水する
ことを特徴とする水圧駆動装置。
【請求項3】
前記排水部は、前記タンクの側壁であって前記タンク内の水位が水位上限に到達すると外部へ排水可能な高さに設けられた排水口である
ことを特徴とする請求項1に記載の水圧駆動装置。
【請求項4】
前記排水部は、前記駆動部の下流であって前記タンクより上流で排水する
ことを特徴とする請求項に記載の水圧駆動装置。
【請求項5】
前記水圧回路は、前記ポンプから前記駆動部へ供給される水圧を制御するリリーフ弁を備え、
前記排水部は、前記リリーフ弁の下流であって前記タンクより上流で排水する
ことを特徴とする請求項に記載の水圧駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水圧駆動装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の水圧駆動装置は、たとえば、水圧アクチュエータと、作動水を貯留するタンクと、タンクと水圧アクチュエータとを接続する水圧回路と、タンクから作動水を吸い上げて水圧を水圧アクチュエータへ供給するポンプとを備えている。このような水圧駆動装置にあっては、水圧回路の途中に水圧を制御するリリーフ弁を設けており、水圧アクチュエータへ供給される水圧はリリーフ弁の開弁圧に制御される。
【0003】
詳しくは、作動水がリリーフ弁を通過すると、上流側の水圧がリリーフ弁の開弁圧に制御され、下流側の水圧はタンク圧となって、リリーフ弁によって減圧されるために、水道水に付加されていたエネルギが熱に変換される。さらに、ポンプ自体も摩擦などによって発熱するため、作動水が暖められる。よって、水圧駆動装置の運転を継続すると作動水の水温が高温となる。
【0004】
作動水温が高温となると、各部のシールに影響を与えるほか、作動水が沸騰してしまうと、ポンプから安定した水圧を水圧アクチュエータへ供給できなくなって安定動作が困難になってしまう場合もある。
【0005】
そこで、このような水圧駆動装置では、作動水を冷却する冷却ユニットが設けられる。この冷却ユニットは、タンク内に収容される熱交換部と、冷却器と、熱交換部と冷却器とを接続する冷媒通路とを備えていて、熱交換部でタンク内の作動水から冷媒が熱を吸い取り、熱を吸い取った冷媒を冷却器で冷却するようになっている。このように冷却ユニットを設けて水圧駆動装置内の作動水の温度上昇を抑制するようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−204765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記した従来の水圧駆動装置では、作動水の冷却に、熱交換器と冷却器が必要であり、特に冷却器は、コンプレッサとコンデンサが必要で、コンプレッサには圧縮用駆動源が、コンデンサには熱放出のための冷却ファンの駆動源がそれぞれ必要であるから、装置が大掛かりでコストも嵩んでしまう。
【0008】
また、冷却ユニットにおける冷媒に作動水を利用可能とは言え、冷却ユニット用の作動水と、水圧アクチュエータの駆動用の作動水とは分離する必要があり、管理も面倒である。
【0009】
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、冷媒と駆動用の作動水とを分けて管理する必要がなくコストも低減可能な水圧駆動装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を解決するために、本発明の課題解決手段における水圧駆動装置は、排水部が作動水を外部へ排出し、給水部が外部から水温が低い作動水を給水するので、水圧駆動装置内の作動水の温度が、常に、低く保たれる。そして、作動水の冷却に際し、熱交換器、駆動源が必要なコンプレッサとコンデンサを要する冷却器が不要であり、作動水の冷却に作動水と分離すべき冷媒も不要である。
【0011】
また、水圧駆動装置における排水部が、水圧回路がポンプから駆動部へ供給される水圧を制御するリリーフ弁の下流であってタンクより上流で排水する場合、リリーフ弁を通過した高温の作動水がタンク内の作動水内に流入せずタンク内の作動水の温度上昇を抑制しつつ、タンクへ給水できるから、効果的に作動水を冷却できる。
【0012】
水圧駆動装置における排水部が、駆動部の下流であってタンクより上流で排水する場合、駆動源から排出される高温の作動水がタンク内の作動水内に流入せずタンク内の作動水の温度上昇を抑制しつつ、タンクへ給水できるから、効果的に作動水を冷却できる。
【0013】
水圧駆動装置における給水部がタンクの水位が基準水位に満たない場合に給水し、排水部がタンク内の水温が基準温度以上であると排水するようにすれば、作動水の冷却が必要な時に、適時に作動水の排出と給水を行え、タンク内の温度を最適保てるとともに、タンク内の水位も過不足なく最適に保つことができる。
【0014】
水圧駆動装置における排水部がタンクの側壁であってタンク内の水位が水位上限に到達すると外部へ排水可能な高さに設けられた排水口であると、タンク内の水位が水位上限に保たれるとともに、給水部によってタンクへ常時給水する場合には、温度センサや水位センサがなくても、作動水を冷却できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の水圧駆動装置によれば、冷媒と駆動用の作動水とを分けて管理する必要がなくコストも低減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第一の実施の形態における水圧駆動装置の概略図である。
図2】第二の実施の形態における水圧駆動装置の概略図である。
図3】第三の実施の形態における水圧駆動装置の概略図である。
図4】第四の実施の形態における水圧駆動装置の概略図である。
図5】第四の実施の形態の一変形例における水圧駆動装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の水圧駆動装置を図に基づいて説明する。なお、各実施の形態の水圧駆動装置の説明にあたり、いくつかの実施の形態で共通する部材については同じ符号を付し、説明が重複するので、一の実施の形態において説明した部材については他の実施の形態での説明は省略する。
<第一の実施の形態>
第一の実施の形態の水圧駆動装置S1は、図1に示すように、駆動部としての水圧アクチュエータAと、作動水を貯留するタンクTと、水圧アクチュエータAとタンクTとを接続する水圧回路Cと、水圧回路Cに設けられてタンクTから作動水を吸い上げて水圧アクチュエータAへ水圧を供給するポンプPと、水圧回路Cから作動水を外部へ排水する排水部Eと、タンクTへ外部から作動水を給水する給水部Wとを備えて構成されている。
【0018】
以下、水圧駆動装置S1の各部について詳細に説明する。水圧アクチュエータAは、この場合、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内をロッド側作動室3とボトム側作動室4とに区画するピストン2と、シリンダ1内に移動自在に挿入されてピストン2に連結されるピストンロッド5とを備えている。
【0019】
そして、ロッド側作動室3およびボトム側作動室4は、シリンダ1に設けたポート1a,1bを介して水圧回路Cに接続されており、水圧回路Cからボトム側作動室4へ水圧を供給してロッド側作動室3から作動水を排水すると、水圧アクチュエータAは伸長駆動され、反対に、水圧回路Cからロッド側作動室3へ水圧を供給してボトム側作動室4から作動水を排水すると、水圧アクチュエータAは収縮駆動されるようになっている。
【0020】
水圧回路Cは、図1に示すように、タンクTから伸びてポンプPが途中に設けられて水圧を水圧アクチュエータAへ供給する供給通路10と、水圧アクチュエータAから排出される作動水をタンクTへ戻す戻り通路11と、水圧アクチュエータAのポート1aに接続される第一制御通路12と、水圧アクチュエータAのポート1bに接続される第二制御通路13と、供給通路10から分岐してタンクTへ接続される圧力制御通路14と、供給通路10を第一制御通路12と第二制御通路13の一方に選択的に連通させるとともに戻り通路11を第一制御通路12と第二制御通路13の他方に選択的に連通させる方向切換弁15と、圧力制御通路14の途中に設けられたリリーフ弁16とを備えて構成されている。
【0021】
ポンプPは、供給通路10の途中に設けられており、吸込口をタンクT側へ、吐出口を水圧アクチュエータA側に接続して設けられている。また、ポンプPは、モータMによって駆動され、タンクTに貯留されている作動水を吸い上げて、供給通路10を介して水圧アクチュエータAへ水圧を供給できるようになっている。なお、ポンプPには、ギヤポンプ、ピストンポンプ、ベーンポンプといった種々のポンプを利用できる。
【0022】
方向切換弁15は、四つのポートp,t,a,bを備えた4ポート3位置の切換弁として構成されており、水圧アクチュエータAのロッド側作動室3は第一制御通路12を介してポートaに接続され、水圧アクチュエータAのボトム側作動室4は第二制御通路13を介してポートbに接続され、タンクTから伸びる供給通路10はポートpに接続され、同じくタンクTから伸びる戻り通路11はポートtに接続されている。
【0023】
方向切換弁15は、この場合、ポートpとポートaを接続するとともに、ポートtをポートbに接続する第一連通ポジションと、ポートpとポートbを接続するとともに、ポートtをポートaに接続する第二連通ポジションと、全てのポートp,t,a,bの連通を断つ遮断ポジションとを備えた弁体15aと、弁体15aのポジションを切り換えるソレノイド15bとを備えて構成されている。
【0024】
そして、方向切換弁15が第一連通ポジションをとる場合、供給通路10が第一制御通路12に連通されるとともに、戻り通路11が第二制御通路13に連通されるので、ポンプPからの水圧がロッド側作動室3へ供給される一方、ボトム側作動室4とタンクTが連通されてボトム側作動室4から排水可能となり、水圧アクチュエータAは収縮作動を呈する。
【0025】
反対に、方向切換弁15が第二連通ポジションをとる場合、供給通路10が第二制御通路13に連通されるとともに、戻り通路11が第一制御通路112に連通されるので、ポンプPからの水圧がボトム側作動室4へ供給される一方、ロッド側作動室3とタンクTが連通されてロッド側作動室3から排水可能となり、水圧アクチュエータAは伸長作動を呈する。
【0026】
さらに、方向切換弁15が遮断ポジションをとる場合、供給通路10とは戻り通路11が第一制御通路12と第二制御通路13のいずれにも連通されず、第一制御通路12と第二制御通路13も互いに連通されず遮断状態に置かれるから、ロッド側作動室3とボトム側作動室4は作動水が供給も排出もできない状態となって、水圧アクチュエータAは停止状態に維持される。このように、ポンプPを駆動しつつ、方向切換弁15の切換によって水圧アクチュエータAを伸長、収縮および停止できるようになっている。
【0027】
なお、本実施の形態では、駆動部を直動型の水圧アクチュエータAとしているが、水圧モータ等の回転型のアクチュエータとしてもよいし、駆動部が複数のアクチュエータを備えていてもよい。駆動部が複数のアクチュエータを備える場合、アクチュエータを別個独立に駆動させたいのであれば、方向切換弁15をアクチュエータ毎に対応する数だけ設ければよい。
【0028】
圧力制御路14は、供給通路10の途中であってポンプPと方向切換弁15の間から分岐して(供給通路10から分岐して)タンクTへ接続されている。この圧力制御通路14の途中には、リリーフ弁16が設けられている。リリーフ弁16は、上流が予め設定される開弁圧を超えると開弁して圧力を逃がし、ポンプPから方向切換弁15へ供給される水圧を開弁圧に調節するようになっている。したがって、ポンプPを駆動して水圧アクチュエータAへ水圧を供給すると、リリーフ弁16によって水圧がリリーフ弁16の開弁圧に制御されて、水圧アクチュエータAは、開弁圧にピストン2の受圧面積を乗じた値の推力を発揮しつつ伸縮するようになっている。なお、本実施の形態では、リリーフ弁16は、開弁圧の変更できない弁とされているが、電磁リリーフ弁のように開弁圧の変更が可能なリリーフ弁とされてもよい。
【0029】
つづいて、排水部Eは、本実施の形態では、圧力制御路14のリリーフ弁16の下流に設けられる切換弁17と、タンクT内に貯留される作動水の温度を検知する温度センサ18と、前記切換弁17を切換制御するコントローラ19とで構成されている。
【0030】
切換弁17は、3ポート2位置の切換弁であって、リリーフ弁16を通過した作動水をタンクTへ戻す戻しポジションと、リリーフ弁16を通過した作動水を外部へ排水する排水ポジションとを備えた弁体17aと、弁体17aのポジションを切り換えるソレノイド17bを備えて構成されている。コントローラ19は、温度センサ18が検知した作動水の温度の入力を受け、この水温が予め設定されている基準温度以上であると、ソレノイド17bに通電して切換弁17を排水ポジションへ切り換え、水温が基準温度未満であるとソレノイド17bへ通電せず切換弁17を戻しポジションへ切り換えるようになっている。
【0031】
よって、水温が基準温度以上になると、排水部Eは、切換弁17を排出ポジションとし、リリーフ弁16を通過した作動水を外部へ排水し、水温が基準温度未満である場合には、切換弁17を戻しポジションとし、リリーフ弁16を通過した作動水をタンクTへ戻すようになっている。
【0032】
給水部Wは、外部の水源QとタンクTとを接続する給水通路21と、給水通路21の途中に設けた開閉弁22と、タンクT内に貯留される作動水の水位を検知する水位センサ23と、前記開閉弁22を開閉制御するコントローラ19とで構成されている。
【0033】
開閉弁22は、給水通路21を開閉する弁体22aと、通電時に弁体22aを開弁方向へ駆動するソレノイド22bと、弁体22aをソレノイド22bの駆動方向とは逆向きに弁体22aを閉弁方向に附勢するばね22cとを備えて構成されている。そして、ソレノイド22bへ通電しない状態では開閉弁22は閉弁し、ソレノイド22bへ通電すると開閉弁22は給水通路21を開放するようになっている。
【0034】
コントローラ19は、水位センサ23から入力されるタンクT内の作動水の水位が予め決められる基準水位に満たないと判断すると、ソレノイド22bへ通電して開閉弁22を開弁させ、水源Qから作動水をタンクT内へ給水する。反対に、コントローラ19は、水位センサ23から入力されるタンクT内の作動水の水位が予め決められる基準水位以上であると判断すると、ソレノイド22bへ通電せず開閉弁22を閉弁させ、外部からの作動水のタンクT内への給水を中止する。この場合、コントローラ19は、排水部Eと給水部Wのコントローラを兼ねているが、排水部Eと給水部Wとで別個にコントローラを設けてもよい。また、コントローラ19は、水圧駆動装置S1のモータM、方向切換弁15を制御する図示しないコントローラに統合されてもよい。なお、給水部Wの給水通路21にフィルタ等を設けるようにして、水圧駆動装置S1内への異物混入を防止するようにしてもよい。また、給水通路21のタンクTへの給水口は、タンクTのなるべく上方に設けると、水圧の低い水源Qを利用しても難なくタンクTへ給水でき、作動水への気体の溶け込みが少ないので、作動水の水面下からの給水を必須とせずとも好い。
【0035】
前記したところから理解できるように、この水圧駆動装置S1は、作動水の温度が基準温度以上になると排水部Eが切換弁17から作動水を外部へ排出し、この排出に伴ってタンクT内の水位が下がり、給水部WがタンクTへ外部から水温が低い作動水を給水する。水圧駆動装置S1内の水温の高い作動水の排水と、外部からの水温の低い作動水の給水によって、水圧駆動装置S1内で作動水の温度が低下せしめられ、水圧駆動装置S1内の作動水の温度は、常に、基準温度未満に維持される。
【0036】
このように水圧駆動装置S1内の作動水の水温は、水圧駆動装置S1が正常動作可能な水温に保たれるので、作動水の冷却に際し、熱交換器、駆動源が必要なコンプレッサとコンデンサを要する冷却器が不要である。また、給水と排水に必要となるのは安価な開閉弁22と切換弁17であるから、水圧駆動装置S1を小型化できるとともにコストも低減される。また、水温が高い作動水を外部へ排出し、作動水を外部から給水するために、作動水の冷却に作動水とは分離すべき冷媒も不要となるから、水圧駆動装置S1の管理も容易となる。
【0037】
よって、本発明の水圧駆動装置S1によれば、冷媒と駆動用の作動水とを分けて管理する必要がなくコストも低減可能となる。
【0038】
さらに、この水圧駆動装置S1では、排水と給水によって作動水そのものが入れ替えられるので、水圧駆動装置S1を清潔に保て、定期的に作動水の入れ替え作業を行う手間も省ける。
【0039】
水圧駆動装置S1における給水部WがタンクTの水位が基準水位に満たない場合に給水し、排水部EがタンクT内の水温が基準温度以上であると排水するので、作動水の冷却が必要な時に、適時に作動水の排出と給水を行え、タンクT内の温度を最適保てるとともに、タンクT内の水位も過不足なく最適に保つことができる。
【0040】
そして、水圧駆動装置S1における排水部Eは、高温の作動水を外部へ排水するので、高温の作動水に蓄積されている熱エネルギを外部機器での再利用も可能である。従来の水圧駆動装置では、冷却器におけるコンデンサで熱を大気に放出しているだけで、熱エネルギを利用できないが、排水される作動水を外部の暖房設備などで利用可能であり、エネルギ損失の少ないシステムを提供できる。
【0041】
また、水圧駆動装置S1で作動水の温度を一番上昇させるのはリリーフ弁16であるが、この水圧駆動装置S1では、排水部Eがリリーフ弁16とタンクTとの間から外部へ作動水を排水する、つまり、リリーフ弁16を通過した作動水がタンクTへ戻される前に排水する。このように、水圧駆動装置S1は、タンクT内に貯留されている作動水を高温の作動水の流入で暖めずに済み、タンクT内に水温の低い作動水を供給するので、効果的に作動水を冷却できる。
【0042】
温度センサ18の設置位置は、タンクT内で温度が高くなる傾向にある個所へ設置すると、いち早く排水を行え、作動水を冷却できる点で利点がある。作動水は温度によってタンクT内で対流し、温度の高い作動水はタンクT内の上方側に移動するので、温度センサ18をタンクT内の上方に配置すると前記利点を享受できる。また、温度センサ18をタンクT内の供給通路10の接続口付近に設置すると、ポンプPに吸い上げられる作動水の温度を検知できるから、水圧駆動装置S1内の作動に実際に使用されている作動水の水温を検知でき、タイムリーに排水と給水を行って作動水の冷却をおこなえる利点がある。
【0043】
また、前述したところでは、排水部Eは、水温が基準水温以上であるか否かのみを基準として排水の可否を決定しているが、水位センサ23で検知する水位も参照して水温を基準とする排水のほかに、水位を基準とした排水を行ってもよい。たとえば、タンクT内の水位が水圧駆動装置S1の正常動作を妨げる恐れのある水位以下になる場合に外部への排水を中止して、タンクTへ作動水を戻すようにしてもよい。このようにすると、作動水不足となる事態を防止できる。給水部Wは、水位が基準水位未満であるか否かのみを基準として給水の可否を決定しているが、温度センサ18で検知する温度も参照して水位を基準とする給水のほかに、水温を基準とした給水を行ってもよい。たとえば、タンクT内の水温が水圧駆動装置S1の正常動作を妨げる恐れのある水温以上になる場合に水位が基準水位以上であっても給水を開始して、タンクT内の作動水を冷却するようにしてもよい。このようにすると、水圧駆動装置S1の異常高温を防止でき、システムの保護と正常作動を保証できる。
<第二の実施の形態>
つづいて、第二の実施の形態の水圧駆動装置S2について説明する。作動水の冷却効率の観点からは、前述したとおり、リリーフ弁16の直下から外部へ高温の作動水を排出する構造が理想的であるが、図2に示した、第二の実施の形態の水圧駆動装置S2のように、排水部E1がタンクTから外部へ排水する構造も採用できる。この場合の排水部E1は、切換弁17の代わりにタンクTに設けた排水弁24を備えており、この排水弁24も、切換弁17と同様に、コントローラ19によって開閉制御されるようになっている。
【0044】
コントローラ19は、温度センサ18が検知した作動水の温度の入力を受け、この水温が予め設定されている基準温度以上であると切換弁17と同様に排水弁24を開弁させ、水温が基準温度未満であると排水弁24を閉弁させる。そのほかの第二実施の形態の水圧駆動装置S2の構成は、第一の実施の形態の水圧駆動装置S1と同一の構成であるので、この同一の構成については詳しい説明を省略する。
【0045】
このようにタンクTから直接に排水しても、高温となった作動水を外部へ排水でき、入れ替わりに給水部Wから低温の作動水の供給で作動水の水温を低くできる。そして、熱交換器や冷却器といった大掛かりな冷却装置が不要である。よって、本発明の水圧駆動装置S2にあっても、水圧駆動装置S1と同様に冷媒と駆動用の作動水とを分けて管理する必要がなくコストも低減可能となる。また、水圧駆動装置S2内の作動水の入れ替えが自動的に行え、入れ替え作業の手間がなくなる点も同様である。
<第三の実施の形態>
つづいて、第三の実施の形態の水圧駆動装置S3について説明する。第三の実施の形態の水圧駆動装置S3の第一の実施の形態の水圧駆動装置S1と異なる点は、図3に示すように、圧力制御通路14に設けられていた切換弁17を廃止して、切換弁17と同じ構成の切換弁25を圧力制御通路14ではなく戻り通路11に設けている点である。
【0046】
この第三の実施の形態の水圧駆動装置S3における排水部E2は、前述のように、切換弁25を戻り通路11に設けているほかは、排水部Eと同じ構成をとっている。
【0047】
切換弁25は、3ポート2位置の切換弁であって、水圧アクチュエータAのロッド側作動室3或いはボトム側作動室4から排出される作動水をタンクTへ戻す戻しポジションと、ロッド側作動室3或いはボトム側作動室4から排出される作動水を外部へ排水する排水ポジションとを備えた弁体25aと、弁体25aのポジションを切り換えるソレノイド25bを備えて構成されている。コントローラ19は、温度センサ18が検知した作動水の温度の入力を受け、この水温が予め設定されている基準温度以上であると、ソレノイド25bに通電して切換弁25を排水ポジションへ切り換え、水温が基準温度未満であるとソレノイド25bへ通電せず切換弁25を戻しポジションへ切り換えるようになっている。
【0048】
よって、水温が基準温度以上になると、排水部E2は、切換弁25を排出ポジションとし、水圧アクチュエータAから排出された作動水を外部へ排水し、水温が基準温度未満である場合には、切換弁25を戻しポジションとし、水圧アクチュエータAから排出された作動水をタンクTへ戻すようになっている。
【0049】
このように水圧アクチュエータAから排出される作動水を排水部E2で排水しても、高温となった作動水を外部へ排水でき、入れ替わりに給水部Wから低温の作動水の供給で作動水の水温を低くできる。そして、熱交換器や冷却器といった大掛かりな冷却装置が不要である。よって、本発明の水圧駆動装置S3にあっても、水圧駆動装置S1と同様に冷媒と駆動用の作動水とを分けて管理する必要がなくコストも低減可能となる。また、水圧駆動装置S3内の作動水の入れ替えが自動的に行え、入れ替え作業の手間がなくなる点も同様である。
【0050】
そして、水圧アクチュエータAも駆動されると摩擦熱が発生し、伸縮によって高圧の作動水が排出されるので、リリーフ弁16の直下程ではないが、高温の作動水がシリンダ1内から排出される。高温の作動水をタンクTへ戻される前に外部へ排出してタンクT内の作動水の温度上昇を抑制しつつ、給水部Wの給水により作動水の冷却が可能であり、冷却効率が高くなる。
<第四の実施の形態>
最後に、第四の実施の形態の水圧駆動装置S4について説明する。第四の実施の形態の水圧駆動装置S4は、図4に示すように、排水部E3と給水部W1の構成が、第一の実施の形態の水圧駆動装置S1と異なっている。排水部E3は、圧力制御通路14のリリーフ弁16の下流をタンクTへ接続せずに、直接外部へ開放する構成を採用している。また、給水部W1は、水源QとタンクTとを接続する給水通路21を備えるのみで、第一の実施の形態の給水部Wで備える開閉弁22を廃止している。
【0051】
つまり、排水部E3は、水圧アクチュエータAが動作していないとき、つまり、方向切換弁15が遮断ポジションをとるとき、高温の作動水を外部へ放出し、給水部W1は、常に、外部へ排出される作動水量に見合った量の作動水をタンクTへ供給する。このようにすると、水圧駆動装置S4内の作動水は、常に、入れ替えられるので、作動水の温度が低く保たれる。そして、熱交換器や冷却器といった大掛かりな冷却装置が不要である。よって、本発明の水圧駆動装置S4にあっても、水圧駆動装置S1と同様に冷媒と駆動用の作動水とを分けて管理する必要がなくコストも低減可能となる。また、水圧駆動装置S3内の作動水の入れ替えが自動的に行え、入れ替え作業の手間がなくなる点も同様である。この第四の実施の形態の水圧駆動装置S4では、給水と排水に温度センサ、水位センサおよびコントローラが不要となるので、より一層、水圧駆動装置S4が安価となる。そして、リリーフ弁16を通過した高温の作動水を外部へ排出するので、冷却効率が高くなるのは、第一の実施の形態の水圧駆動装置S1と同様である。
【0052】
なお、水源Qからの作動水の供給量を制御する流量制御弁を給水通路21に設けて、水位が一定に保たれるようにしてもよい。また、図5に示すように、リリーフ弁16の直下に排水口を設ける場合に比較すると、冷却効率が劣るが、タンクTの側壁であって作動水が水位上限に到達すると排水可能な高さに設けられた排水口26を排水部としてもよく、このようにすることでタンクT内の作動水量を常に水位上限に保たれるようにしてもよい。
【0053】
以上で本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
【符号の説明】
【0054】
16・・・リリーフ弁、26・・・排水口、A・・・駆動部してのアクチュエータ、C・・・水圧回路、E,E1,E2,E3・・・排水部、P・・・ポンプ、S1,S2,S3,S4・・・水圧駆動装置、T・・・タンク、W,W1・・・給水部
図1
図2
図3
図4
図5