(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389744
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】規格外製品処理システム
(51)【国際特許分類】
B09B 5/00 20060101AFI20180903BHJP
B09B 3/00 20060101ALI20180903BHJP
B07B 7/01 20060101ALI20180903BHJP
B02C 21/00 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
B09B5/00 ZZAB
B09B3/00 Z
B07B7/01
B02C21/00 A
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-240056(P2014-240056)
(22)【出願日】2014年11月27日
(65)【公開番号】特開2016-101545(P2016-101545A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】早野 洋
(72)【発明者】
【氏名】峯川 佳房
(72)【発明者】
【氏名】木部 晴仁
【審査官】
齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−117688(JP,A)
【文献】
特開2004−321332(JP,A)
【文献】
特公平07−012444(JP,B2)
【文献】
特開昭62−102842(JP,A)
【文献】
特開平08−057445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B1/00−5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生用製品の規格外製品を投入して破砕する破砕装置と、この破砕装置で破砕された破砕品を空気搬送しながら破砕品と空気とに分離する破砕品分離機と、この破砕品分離機で分離された破砕品を梱包する梱包機と、前記破砕品分離機で分離された空気が供給されかつ空気中からダストを収集するダスト収集装置とを備えており、
規格外製品を破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有しており、
前記破砕装置は、規格外製品を破砕する破砕機構と、この破砕機構の上部で前記規格外製品搬送路から空気搬送されてくる規格外製品を空気と分離して破砕機構へ投入する空気分離機構とを有しており、
前記空気分離機構は投入される規格外製品を空気と分離するドラムと、このドラムから破砕機構への空気の侵入を規制しながら規格外製品を下方へ落下移送するロータリバルブとを有していることを特徴とする規格外製品処理システム。
【請求項2】
衛生用製品の規格外製品を投入して破砕する破砕装置と、この破砕装置で破砕された破砕品を空気搬送しながら破砕品と空気とに分離する破砕品分離機と、この破砕品分離機で分離された破砕品を梱包する梱包機と、前記破砕品分離機で分離された空気が供給されかつ空気中からダストを収集するダスト収集装置とを備えており、
規格外製品を破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有しており、
前記破砕装置は、規格外製品を破砕する破砕機構と、この破砕機構の上部で前記規格外製品搬送路から空気搬送されてくる規格外製品を空気と分離して破砕機構へ投入する空気分離機構とを有しており、
前記破砕装置の破砕機構は、空気分離機構から移送される規格外製品を挟持しかつ引き下げる挟持搬送ロータと、この挟持搬送ロータで引き下げられ規格外製品を破砕する破砕ローラとを有していることを特徴とする規格外製品処理システム。
【請求項3】
衛生用製品の規格外製品を投入して破砕する破砕装置と、この破砕装置で破砕された破砕品を空気搬送しながら破砕品と空気とに分離する破砕品分離機と、この破砕品分離機で分離された破砕品を梱包する梱包機と、前記破砕品分離機で分離された空気が供給されかつ空気中からダストを収集するダスト収集装置とを備えており、
前記破砕品分離機は、破砕装置から搬送される破砕品を空気と分離するドラムと、このドラムから梱包機への空気の流動を規制しながら破砕品を下方へ送り出すロータリバルブとを有していることを特徴とする規格外製品処理システム。
【請求項4】
前記破砕品分離機とダスト収集装置とをブロアを有する空気搬送路で接続し、衛生用製品の製造機に備えられた集塵機のダスト収集路を前記空気搬送路と並列してダスト収集装置に接続していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の規格外製品処理システム。
【請求項5】
衛生用製品の規格外製品を投入して破砕する破砕装置と、この破砕装置で破砕された破砕品を空気搬送しながら破砕品と空気とに分離する破砕品分離機と、この破砕品分離機で分離された破砕品を梱包する梱包機と、前記破砕品分離機で分離された空気が供給されかつ空気中からダストを収集するダスト収集装置とを備えており、
規格外製品を破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有しており、
前記破砕装置は、規格外製品を破砕する破砕機構と、この破砕機構の上部で前記規格外製品搬送路から空気搬送されてくる規格外製品を空気と分離するドラムを備えた空気分離機構とを有しており、
前記規格外製品をシステムの入り口から前記破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有しており、前記規格外製品搬送路として、規格外オムツ用の紙オムツ搬送路と、規格外ナプキン用のナプキン搬送路とを備えており、紙オムツ搬送路とナプキン搬送路とを空気分離機構のドラム内に周方向同一流入方向に接続していることを特徴とする規格外製品処理システム。
【請求項6】
衛生用製品の規格外製品を投入して破砕する破砕装置と、この破砕装置で破砕された破砕品を空気搬送しながら破砕品と空気とに分離する破砕品分離機と、この破砕品分離機で分離された破砕品を梱包する梱包機と、前記破砕品分離機で分離された空気が供給されかつ空気中からダストを収集するダスト収集装置とを備えており、
規格外製品を破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有しており、
前記破砕装置は、規格外製品を破砕する破砕機構と、この破砕機構の上部で前記規格外製品搬送路から空気搬送されてくる規格外製品を多孔のドラム内に入れて空気と分離して破砕機構へ投入する空気分離機構とを有しており、
前記空気分離機構の多孔のドラムを通った分離空気が排出される空気排出口がバイパス路を介して破砕機構の破砕品排出路に接続していることを特徴とする規格外製品処理システム。
【請求項7】
衛生用製品の規格外製品を投入して破砕する破砕装置と、この破砕装置で破砕された破砕品を空気搬送しながら破砕品と空気とに分離する破砕品分離機と、この破砕品分離機で分離された破砕品を梱包する梱包機と、前記破砕品分離機で分離された空気が供給されかつ空気中からダストを収集するダスト収集装置とを備えており、
前記規格外製品をシステムの入り口から前記破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有しており、前記規格外製品搬送路として、規格外オムツ用の紙オムツ搬送路と、規格外ナプキン用のナプキン搬送路とを備えており、
前記紙オムツ搬送路とナプキン搬送路のうちの少なくとも一方の始端側には、規格外製品を載置しかつ荷崩れ姿勢で持ち上げて搬送路始端に供給する上向き傾斜状の傾斜コンベアを配置していることを特徴とする規格外製品処理システム。
【請求項8】
衛生用製品の規格外製品を投入して破砕する破砕装置と、この破砕装置で破砕された破砕品を空気搬送しながら破砕品と空気とに分離する破砕品分離機と、この破砕品分離機で分離された破砕品を梱包する梱包機と、前記破砕品分離機で分離された空気が供給されかつ空気中からダストを収集するダスト収集装置とを備えており、
前記規格外製品をシステムの入り口から前記破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有しており、前記規格外製品搬送路として、規格外オムツ用の紙オムツ搬送路と、規格外ナプキン用のナプキン搬送路とを備えており、
前記ナプキン搬送路には、搬送途中のナプキンを裁断するナプキン裁断装置を備えており、このナプキン裁断装置は上下2段構造であり、裁断ローラを有する裁断機構の上部に裁断空気分離機構を有し、裁断空気分離機構にナプキン搬送路を接続し、裁断空気分離機構の空気排出口と裁断機構の裁断品排出路とをバイパス路で接続していることを特徴とする規格外製品処理システム。
【請求項9】
前記梱包機は破砕品を圧縮して梱包する破砕品圧縮梱包機であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の規格外製品処理システム。
【請求項10】
前記ダスト収集装置で収集されたダストを圧縮して減容する圧縮減容機を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の規格外製品処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸水体を有する紙オムツや生理用ナプキン、吸水体を含まないマスク等の衛生用製品の製造工程で発生する規格外製品を使用不能な状態に処理する規格外製品処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
吸水体を有する紙オムツ、生理用ナプキン等の製造工程では、運転初期にパルプ量、ポリマー量等が規格を満たしていない製品が発生し、これは規格外製品として規格内製品と区別される。この規格外製品は不良品であるといえども、十分に使用可能な物もある。製品の品質及びブランドの維持のためには、この規格外製品を使用不能な状態に処理して、規格外製品そのままの形態で市場に流出することを防止する必要がある。
【0003】
このような規格外製品を破砕(粉砕を含む)する技術として、特許文献1に開示されたフラッフ回収設備がある。
このフラッフ回収設備は、フラッフ(パルプ等からなる吸水体)を外装材によって包装して成る被処理材の投入口を有する閉ループ管路の途中に、前記被処理材を破砕すると共に閉ループ管路内に一定方向の被処理材搬送風を起こさせるカッタブロアと、破砕された外装材とフラッフとを分離するフラッフセパレータと、破砕された外装材の進行方向を閉ループ管路外に切換自在とされた切換ダンパと、が配備されて成る第1処理設備と;前記第1処理設備のフラッフセパレータから排出されるフラッフ含有排気風を受けて、該排気風からフラッフ分を分離収集する集綿機が配備されて成る第2処理設備と;から構成されている(請求項1)。
【0004】
そして、前記フラッフ回収設備においては、投入口より第1処理設備内に投入された被処理材は、先ずカッタブロアによって破砕されて細かくなり、フラッフセパレータに供給される。フラッフセパレータ内では、破砕された外装材とフラッフ分との分離が行われ、分離されたフラッフ分は管路を通って第2処理設備に搬送され、外装材は、更に閉ループ管路内を循環する。外装材は、その循環の間にカッタブロアを通過するごとに細かく破砕され、外装材に付着若しくは絡みついていたフラッフ分も、何度かフラッフセパレータを通過するうちに完全に分離される。その後、切換ダンパが開かれて外装材は機外に排出されて、フラッフは、第2処理設備の集綿機によって収集されて収納容器に蓄積され、当該
回収設備の工程(1サイクル)が終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平7−12444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来技術は、規格外製品を投入口から閉ループ管路に投入するとカッタブロアによって破砕することはできるが、外装材に付着若しくは絡みついていたフラッフ分も回収するため、外装材を循環して破砕し、破砕後に切換ダンパを開いて機外に排出しなくてはならなく、バッチ処理になるため作業効率が低くなっており、破砕品の後処理もやり難くなっている。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした規格外製品処理システムを提供することを目的とする。
本発明は、規格外製品を破砕して、この破砕品を破砕品分離機で分離して連続して梱包することができ、破砕品を分離したあとの空気中のダストも収集することができ、破砕品の後処理及びダストの処理も連続して容易にできるようにした規格外製品処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、衛生用製品の規格外製品を投入して破砕する破砕装置と、この破砕装置で破砕された破砕品を空気搬送しながら破砕品と空気とに分離する破砕品分離機と、この破砕品分離機で分離された破砕品を梱包する梱包機と、前記破砕品分離機で分離された空気が供給されかつ空気中からダストを収集するダスト収集装置とを備えており、
規格外製品を破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有しており、
前記破砕装置は、規格外製品を破砕する破砕機構と、この破砕機構の上部で前記規格外製品搬送路から空気搬送されてくる規格外製品を空気と分離して破砕機構へ投入する空気分離機構とを有しており、
前記空気分離機構は投入される規格外製品を空気と分離するドラムと、このドラムから破砕機構への空気の侵入を規制しながら規格外製品を下方へ落下移送するロータリバルブとを有していることを特徴とする。
【0009】
第2に、
規格外製品を破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有しており、
前記破砕装置は、規格外製品を破砕する破砕機構と、この破砕機構の上部で前記規格外製品搬送路から空気搬送されてくる規格外製品を空気と分離して破砕機構へ投入する空気分離機構とを有しており、
前記破砕装置の破砕機構は、空気分離機構から移送される規格外製品を挟持しかつ引き下げる挟持搬送ロータと、この挟持搬送ロータで引き下げられ規格外製品を破砕する破砕ローラとを有していることを特徴とする。
【0010】
第3に、
前記破砕品分離機は、破砕装置から搬送される破砕品を空気と分離するドラムと、このドラムから梱包機への空気の流動を規制しながら破砕品を下方へ送り出すロータリバルブとを有していることを特徴とする。
第4に、
前記破砕品分離機とダスト収集装置とをブロアを有する空気搬送路で接続し、衛生用製品の製造機に備えられた集塵機のダスト収集路を
前記空気搬送路と並列してダスト収集装置に接続していることを特徴とする。
【0011】
第5に、
規格外製品を破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有しており、
前記破砕装置は、規格外製品を破砕する破砕機構と、この破砕機構の上部で前記規格外製品搬送路から空気搬送されてくる規格外製品を空気と分離するドラムを備えた空気分離機構とを有しており、
前記規格外製品をシステムの入り口から前記破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有しており、前記規格外製品搬送路として、規格外オムツ用の紙オムツ搬送路と、規格外ナプキン用のナプキン搬送路とを備えており、紙オムツ搬送路11とナプキン搬送路12とを空気分離機構のドラム内に周方向同一流入方向に接続していることを特徴とする。
【0012】
第6に、
規格外製品を破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有しており、
前記破砕装置は、規格外製品を破砕する破砕機構と、この破砕機構の上部で前記規格外製品搬送路から空気搬送されてくる規格外製品を多孔のドラム内に入れて空気と分離して破砕機構へ投入する空気分離機構とを有しており、
前記空気分離機構の多孔のドラムを通った分離空気が排出される空気排出口がバイパス路を介して破砕機構の破砕品排出路に接続していることを特徴とする。
【0013】
第
7に、前記紙オムツ搬送路とナプキン搬送路のうちの少なくとも一方の始端側には、規格外製品を載置し
かつ荷崩れ姿勢で持ち上げて搬送路始端に供給する上向き傾斜状の傾斜コンベアを配置していることを特徴とする。
第
8に、前記ナプキン搬送路には、搬送途中のナプキンを裁断するナプキン裁断装置を備えて
おり、このナプキン裁断装置は上下2段構造であり、裁断ローラを有する裁断機構の上部に裁断空気分離機構を有し、裁断空気分離機構にナプキン搬送路を接続し、裁断空気分離機構の空気排出口と裁断機構の裁断品排出路とをバイパス路で接続していることを特徴とす
る。
【0014】
第9に、前記梱包機は破砕品を圧縮して梱包する破砕品圧縮梱包機であることを特徴とする。
第10に、前記ダスト収集装置で収集されたダストを圧縮して減容する圧縮減容機を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、規格外製品の破砕処理を連続して行うことができ、破砕品の後処理及びダストの処理も連続して容易にできる。
即ち、請求項1に係る発明は、衛生用製品の規格外製品を破砕装置で破砕して破砕品分離機に空気搬送すると、破砕品を空気と分離して梱包機で梱包することにより取り出すことができ、かつ分離した空気からダストを収集することもでき、規格外製品の破砕処理を連続して行うことができる。
しかも破砕装置はドラムで分離した規格外製品を空気の侵入を規制しながら下方の破砕機構へ落下移送するので、規格外製品を搬送空気の少ない状態にして破砕することができる。
【0016】
請求項2に係る発明は、
破砕装置の破砕機構は、規格外製品を挟持搬送ロータで挟持しかつ引き下げながら破砕ローラで破砕するので、規格外製品を搬送空気の少ない状態にしながら確実かつ効率よく破砕することができる。
請求項3に係る発明は、
ドラムで空気と分離した破砕品を、ロータリバルブで梱包機への空気の流動を規制しながら梱包機へ送り出すので、破砕品の圧縮減容効果を高めることができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、
破砕品分離機からダスト収集装置への空気の搬送を確実にできるとともに、これと並列的に、衛生用製品の製造機に備えられた集塵機のダスト収集路を介して、製造機から発生するダストをダスト収集装置に供給して、製品製造時に発生したダストを収集して破砕時に発生したダストとともに圧縮減容することができる。
請求項5に係る発明は、規格外製品をシステムの入り口から破砕装置へ空気搬送する規格外製品搬送路を有
し、規格外製品搬送路として、規格外オムツ用の紙オムツ搬送路と、規格外ナプキン用のナプキン搬送路とを備えており、紙オムツ搬送路とナプキン搬送路とを空気分離機構のドラム内に周方向同一流入方向に接続しているので、種類の異なる規格外製品を多数同時に搬送しかつ破砕処理することができる。
【0018】
請求項6に係る発明は
、規格外製品搬送路から空気搬送されてくる規格外製品を多孔のドラム内に入れて空気と分離して破砕機構へ投入し、多孔のドラムを通った分離空気を空気排出口から排出してバイパス路を介して破砕機構の破砕品排出路に供給しているので、ドラムの下方で規格外製品の目詰まりが発生しても、その規格外製品が分離空気と共に排出されるということがなく、規格外製品を含有しない分離空気を使って破砕品を連続的に搬送することができる。
【0019】
請求項
7に係る発明は、紙オムツ搬送路とナプキン搬送路のうちの少なくとも一方の始端側には、規格外製品を載置し
かつ荷崩れ姿勢で持ち上げて搬送路始端に供給する上向き傾斜状の傾斜コンベアを配置しているので、製造機から収集された規格外製品を一括で傾斜コンベヤに投入しても、傾斜コンベヤ上で
荷崩れして投入量が均されながら定量的に搬送され、搬送路始端に供給されて搬送路を介して破砕装置へ投入でき、破砕装置での処理
を円滑にできる。
【0020】
請求項
8に係る発明は、ナプキン搬送路には、搬送途中のナプキンを裁断するナプキン裁断装置を備えているので、紙オムツより小物の生理用ナプキンを破砕装置に至る前に裁断してより小さくするので、規格外製品の多種処理が可能にな
り、このナプキン裁断装置は上下2段構造であり、裁断ローラを有する裁断機構の上部に裁断空気分離機構を有し、裁断空気分離機構にナプキン搬送路を接続し、裁断空気分離機構の空気排出口と裁断機構の裁断品排出路とをバイパス路で接続しているので、搬送空気の少ない状態で裁断効率及び搬送効率を高めることができる。
【0021】
請求項9に係る発明は、空気と分離した破砕品を梱包機で圧縮減容して梱包することができ、破砕品の後処理も容易にできる。
請求項10に係る発明は、破砕品分離機で分離された空気をダスト収集装置に供給して、規格外製品破砕時に発生したダストを収集して圧縮減容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態を示す全体概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、規格外製品処理システム1は大別して、規格外製品3を破砕(粉砕を含む)する破砕装置4と、空気から破砕品を分離する破砕品分離機5と、分離された破砕品を圧縮して梱包する破砕品圧縮梱包機(梱包機)6と、分離された空気からダストを分離して収集するダスト収集装置7と、収集されたダストを圧縮減容する圧縮減容機8とを備えている。
【0024】
前記破砕装置4は、規格外製品3を破砕する破砕機構4Aの上部に空気分離機構4Bを有し、この空気分離機構4Bに紙オムツ搬送路11と規格外ナプキンを空気搬送するナプキン搬送路12とを接続し、その空気排出口13と破砕機構4Aの破砕品排出路14とをバイパス路P1で接続している。
パルプ等からなる吸水体を有する製品、樹脂、不織布等の繊維素材で製作される製品としては、紙オムツ、生理用ナプキン、マスク等の衛生用製品があり、例えば、紙オムツの製品製造には、複数台の紙オムツ製造機10aが配置され、それぞれの近傍に集塵機15が配置されている。前記紙オムツ製造機10aは運転初期にパルプ量、ポリマー量等が規格を満たしていない製品、即ち、オムツ規格外製品3aを発生することがあり、このオムツ規格外製品3aは紙オムツ製造機10a側(製品製造ライン2)から分離して取り出される。
【0025】
紙オムツ製造機10a側から摘出・収集されたオムツ規格外製品3aは、規格外製品処理システム1の入り口となる傾斜コンベヤ16aまで移送され、この傾斜配置した傾斜コンベヤ16aに一括投入して載置する。傾斜コンベヤ16aは傾斜していることにより、投入側に積載したオムツ規格外製品3aは荷崩れ姿勢になって持ち上げられ、その搬送中に投入量が均されながら定量化して紙オムツ搬送路11の搬送路始端に供給され、紙オムツ搬送路11を介して破砕装置4へ定量的に投入される。
【0026】
なお、前記紙オムツ搬送路11は、終端が破砕装置4に接続された搬送用管で形成されていて、搬送用管の始端にオムツ規格外製品3aを直接投入することはできるが、前記傾斜コンベヤ16aを搬送用管の始端側に備える方が、システムの入り口から破砕装置4の上部までのオムツ規格外製品3aの持ち上げ、空気搬送、投入量の定量化を効率良く行える。
【0027】
生理用ナプキンの製品製造には、複数台のナプキン製造機10bが配置され、それぞれの近傍に集塵機15が配置されている。前記ナプキン製造機10bにおいても、運転初期に規格を満たしていない製品、即ち、ナプキン規格外製品3bを発生することがあり、このナプキン規格外製品3bはナプキン製造機10b側(製品製造ライン2)から分離して取り出される。
【0028】
ナプキン製造機10b側から摘出・収集されたナプキン規格外製品3bは、規格外製品処理システム1の入り口となる傾斜コンベヤ16bまで移送され、この傾斜配置した傾斜
コンベヤ16bに一括投入して載置する。傾斜コンベヤ16bは傾斜していることにより、投入側に積載したナプキン規格外製品3bは小物故にばらけた姿勢になって持ち上げ搬送され、その搬送中に投入量が均されながら定量化してナプキン搬送路12の搬送路始端に供給され、ナプキン搬送路12を介して破砕装置4へ定量的にされる。
【0029】
なお、前記ナプキン搬送路12は、終端が破砕装置4に接続された搬送用管で形成されていて、搬送用管の始端にナプキン規格外製品3bを直接投入することはできるが、前記傾斜コンベヤ16bを搬送用管の始端側に備える方が、システムの入り口から破砕装置4の上部までのナプキン規格外製品3bの持ち上げ、空気搬送、投入量の定量化を効率良く行える。
【0030】
ナプキン搬送路12には搬送途中にナプキンを裁断(破砕でもよい)するナプキン裁断装置20を設けている。このナプキン裁断装置20は上下2段構造であり、裁断ローラ21を有する裁断機構20Aの上部に裁断空気分離機構20Bを有し、裁断空気分離機構20Bにナプキン搬送路12を接続し、その空気排出口22と裁断機構20Aの裁断品排出路23とをバイパス路P2で接続している。
【0031】
ナプキン規格外製品3bはナプキン搬送路12の上流側によって空気搬送されて裁断空気分離機構20Bに投入され、この裁断空気分離機構20Bで空気から分離されて裁断機構20Aの裁断ローラ21に送られ、裁断ローラ21によって細かく裁断されて裁断品(使用不能な形態)として裁断品排出路23に排出される。
前記裁断空気分離機構20Bで分離された空気は、空気排出口22からバイパス路P2を通って裁断品排出路23に送られ、裁断品排出路23に排出されてくるナプキン規格外製品3bの裁断品をナプキン搬送路12の下流側へ搬送される。
【0032】
ナプキンは紙オムツに比べて小さく軽量であり、ナプキン裁断装置20は小物のナプキンを搬送用空気と分離した状態で効率よくかつ確実に裁断し、分離されてバイパス路P2を通る空気で、裁断品を裁断品排出路23から下流側のナプキン搬送路12へ送り出しており、搬送空気の少ない状態で裁断効率及び搬送効率を高めている。
この下流側のナプキン搬送路12は、オムツ規格外製品3aの搬送径路である紙オムツ搬送路11とともに、破砕装置4の空気分離機構4Bに接続されている。
【0033】
この空気分離機構4Bは多孔板で形成したドラム25を有し、このドラム25内に紙オムツ搬送路11とナプキン搬送路12とを周方向同一流入方向に接続して、空気の流れが衝突しないようにしている。
前記ドラム25の下方にはロータリバルブ26が回転駆動可能に設けられている。このロータリバルブ26は、ドラム25から破砕機構4Aへの空気の侵入を規制しながら、オムツ及びナプキンの規格外製品3を下方へ落下移送する。
【0034】
破砕機構4Aは下部の破砕ローラ27とその上側の挟持搬送ロータ28とを有し、ロータリバルブ26から移送されるオムツ規格外製品3aを挟持搬送ロータ28で挟持しかつ引き下げながら、強制的に破砕ローラ27へ供給する。
破砕ローラ27は外周に多数本の鉤針形状の破砕刃を有し、この破砕刃で紙オムツを破砕(鉤針で引っ掻き解す)して破砕品(使用不能な形態)に加工し、破砕した破砕品を破砕品排出路14に順次落下排出する。
【0035】
前記空気分離機構4Bに搬送されるナプキン規格外製品3bの裁断品は、小物であるのでロータリバルブ26、破砕ローラ27及び挟持搬送ロータ28を素通りして破砕品排出路14に排出される。そして、紙オムツの破砕品及びナプキンの裁断品は、空気排出口13からバイパス路P1を通って送られてくる分離空気によって、破砕品排出路14から後側の空気搬送路29へ搬送される。
【0036】
破砕装置4はナプキン規格外製品3bに比べて大物のオムツ規格外製品3aを、搬送用空気と分離した状態で使用不能な破砕品に破砕加工し、分離された空気で破砕品を破砕品排出路14から後側の空気搬送路29へ送り出しており、搬送空気の少ない状態で破砕効率を高めている。
オムツ規格外製品3aの破砕品とそれに混ざっているナプキン規格外製品3bの裁断品を含有する空気は、空気搬送路29で破砕品分離機5に送られ、この破砕品分離機5で破
砕品及び裁断品と空気とを分離する。
【0037】
破砕品分離機5は破砕装置4の空気分離機構4Bと同様な構造であって、多孔板製のドラム30の下部にロータリバルブ31が回転駆動可能に設けられ、ドラム30内に空気搬送路29が連通されており、また破砕品分離機5はドラム30の外周側が主ブロアF1を備えた空気搬送路32と連通している。
破砕品分離機5は、ドラム30内に破砕品含有空気を導入し、空気をロータリバルブ31で下方へ流動するのを規制しながらドラム30外へ放出し、破砕品を回転するロータリバルブ31で下方へ送り出しており、搬送空気の少ない状態で含有破砕品の分離効率を高めている。
【0038】
この破砕品分離機5の下方には梱包機6が配置されており、破砕品分離機5から分離された破砕品及び裁断品が落下供給される。この梱包機6は、裁断品含有破砕品を容器に梱包し、梱包されたもの(ロス片梱包)は自動排出する。排出された梱包物は、その後保管場所へ移送される。
前記梱包機6は、裁断品含有破砕品をプレス機構により圧縮減容して容器に梱包する破砕品圧縮梱包機であることが好ましく、圧縮減容すると梱包されたものの移送、保管等の後処理が容易になる。
【0039】
前記主ブロアF1は紙オムツ搬送路11及びナプキン搬送路12からダスト収集装置7までの工程の空気の吸引及び排出で、搬送用空気の流動を1台で司るものであるが、破砕装置4のバイパス路P1やダスト収集装置7の出口側等に補助ブロアF2、F3を設けてもよい。
ダスト収集装置7は、規格外製品3を裁断したり破砕したときに発生したダストが搬送空気とともに運ばれてくるのをフィルタで収集、かつ収集したダストをまとめて落下排出する装置である。
【0040】
ダスト収集装置7の下方には、収集されかつ落下排出されるダストを持ち上げ搬送するコンベヤ33を備えた圧縮減容機8が配置されている。この圧縮減容機8はダストを圧縮して減容可能になっており、圧縮減容されたダストは人為的に持ち出される。
前記ダスト収集装置7には、製造機10の集塵機15と接続されるダスト収集路35が連結されている。紙オムツや生理用ナプキンの製造機10は多数台が並べられて製品製造ライン2が構成され、それぞれの製造機10には集塵機15が配置され、製品製造現場のダストを収集している。
【0041】
一連の多数台の集塵機15にはダスト収集路35が接続されており、ダスト回収ブロアF4によってダスト収集装置7へ搬送可能になっており、ダスト収集装置7は紙オムツ及びナプキン等の規格外製品3の破砕、裁断から発生するダストとともに、製造機10の集塵機15から収集されるダストも、同時に収集して圧縮減容処理することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
【0042】
例えば、規格外製品処理システム1を製品製造ライン2から独立して構築し、製品製造ライン2で発生した規格外製品3を運搬手段を使用してシステムの入り口まで搬送してもよい。
破砕装置4の空気分離機構4B及び空気搬送路11、12を割愛して、破砕装置4を破砕機構4Aのみで構成し、その破砕機構4Aの挟持搬送ロータ28の上方を開放しておいて、紙オムツ及び/又は生理用ナプキン等の規格外製品3を傾斜コンベヤ16で挟持搬送ロータ28へ直接投入するようにしてもよい。
【0043】
ナプキン裁断装置20の下流側のナプキン搬送路12を、破砕装置4の破砕品排出路14またはバイパス路P1に接続してもよい。
また、規格外製品処理システム1を、紙オムツ専用又は生理用ナプキン専用としたり、紙オムツ及び生理用ナプキン以外の吸水体を有する製品、吸水体を含まないマスク等の衛生用製品専用としたりすることができる。
【0044】
さらに、破砕装置4はナプキンも破砕可能であるので、ナプキン裁断装置20を割愛して、製造機10側からナプキン搬送路12を空気分離機構4Bに直接接続して、紙オムツ
とナプキンの規格外製品3をともに破砕装置4で破砕してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 規格外製品処理システム
2 製品製造ライン
3 規格外製品
3a オムツ規格外製品
3b ナプキン規格外製品
4 破砕装置
4A 破砕機構
4B 空気分離機構
5 破砕品分離機
6 破砕品圧縮梱包機
7 ダスト収集装置
8 圧縮減容機
10 製造機
10a 紙オムツ製造機
10b ナプキン製造機
11 紙オムツ搬送路
12 ナプキン搬送路
14 破砕品排出路
15 集塵機
16 傾斜コンベヤ
20 ナプキン裁断装置
20A 裁断機構
20B 裁断空気分離機構
21 裁断ローラ
22 空気排出口
23 裁断品排出路
25 ドラム
26 ロータリバルブ
27 破砕ローラ
28 挟持搬送ロータ
29 空気搬送路
30 ドラム
31 ロータリバルブ
32 空気搬送路
33 コンベヤ
35 ダスト収集路
F1 主ブロア
F2 補助ブロア
F3 補助ブロア
F4 ダスト回収ブロア
P1、P2 バイパス路