(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
投入された貝を搬送する貝搬送部と貝を穿孔位置に移動するターンテーブル部とを備え、二枚貝の貝殻の耳状突起に養殖用ロープに貝を取り付けるための孔を穿孔する二枚貝自動穿孔機において、
ターンテーブル部に、貝搬送部により搬送されてくる貝をターンテーブル部に乗せ換えする貝乗せ換え装置が設けられ、
該貝乗せ換え装置は、間欠的に回転するターンテーブル部のドラムの周面に設置された複数個のテーブルに夫々設けられた回転ローラからなり、
上記回転ローラは上記テーブルが乗せ換え位置に位置するときに回転され、上記テーブルが穿孔位置に位置するとき回転停止となるよう間欠的に回転されることを特徴とする二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置。
請求項1記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記回転ローラは回転停止となるとき第2の位置決めポストを兼ねることを特徴とする二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置。
請求項1又は請求項2記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記回転ローラは上記ドラムの外側に回転可能に設置されたスリット板が乗せ換え位置において押圧されて回転駆動力を得ることを特徴とする二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置。
請求項3記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記スリット板は中心方向に向かって設けられる複数のスリットを有し、該スリットが上記スリット板の端縁部の円周に沿って設けられることを特徴とする二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置。
請求項3記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記スリット板の回転軸が上記ドラムの回転軸に対し偏心されることを特徴とする二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置。
請求項3記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記スリット板の回転軸が上記ドラムの回転軸と同軸に設けられることを特徴とする二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置。
請求項1又は請求項2記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記回転ローラがドラムの駆動力とは別の駆動源により乗せ換え位置において回転駆動力を得ることを特徴とする二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置。
請求項1記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記回転ローラは軸方向にローレット溝が形成されることを特徴とする二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置。
【背景技術】
【0002】
図14に示すように、例えばほたて貝1は貝殻の耳状突起3がその大部分において2枚の貝殻が重なり合った状態になっているが、耳状突起3の片側には1枚の貝殻のみからなる部分(一枚部分3c)が必ず存在する。ほたて貝1の養殖は
図15に示すように耳状突起3に係止ピン5を挿入して養殖用ロープ7に突き刺し、この養殖用ロープ7を海中に吊して行なわれる。ここで係止ピン5の挿入部位を耳状突起3の2枚の貝殻が重なり合った二枚部分3bにするか一枚部分3cにするかは、貝の成育と作業効率の両面から考えなければならない重要な問題である。
【0003】
「一枚開け」は、ほたて貝の外套膜を傷つけ難いこと、穴開けの際靱帯に無理がかからないこと、捕食の際ほたて貝が口を開け易いこと等よりほたて貝の成長に有利であることが知られている。
【0004】
一方係止ピン5の穿孔は稚貝に対してなされるため、作業効率面からは、面積の小さい一枚部分3cに穿孔する「一枚開け」よりも二枚部分3bに穿孔する「二枚開け」の方がよい。しかし、最近は貝の成長不良や斃死を起こすことがある二枚開けが敬遠され、一枚開けが望ましいとされている。
【0005】
一枚開けは次の理由から非常に難しい。まず、穿孔部位が貝の耳状突起3に僅かしか存在しない一枚部分3cであり、しかも対象となる貝が稚貝であるから一枚部分3cがさらに小さい。例えば6cmの稚貝では直径2mm位が的となる。さらに貝は異形のわん曲形状を呈し、海水で濡れているから滑り易く、位置決めし難い。
【0006】
穿孔に失敗すると、貝の耳状突起3を毀損していわゆる「貝割れ」現象を起こして養殖不適となったり、工具の折損を惹起せしめることがある。
【0007】
ところで、ほたて貝1には裏表があり、黒色の方が表面で、白色の方が裏面である。表面には、寄生虫等の付着物が付着することが多く、これらの寄生虫は貝表面に不均一で硬く付着し、貝表面に大きな凸凹を形成する。このため、貝の表面を押圧して穿孔する場合は、この付着物により貝1が弾かれることがあり、貝1の保持が安定しない。よって、従来はこれら付着物を叩き落としてから作業せざるを得なかった。
【0008】
そこで例えば、搬送コンベヤに傾斜した状態で貝を載置し、貝の自重を利用し貝を上方から押さえることにより搬送し穿孔する装置が試みられた。
【0009】
しかし、かかる装置であっても、搬送中貝の表面がコンベヤのスクリューに接触すると貝が弾き飛ばされ作業不能となる。よって、かかる装置によっては安定的に固定することが不十分となり、上記した欠点を解消することができない。
【0010】
本願発明は二枚貝自動穿孔機にさらなる改良を加えたものであり、とくに貝の貝搬送部からターンテーブル部に乗せ換えするときの不安定さを改良したものである。
【0011】
詳述すると、貝搬送部から搬送されてくる貝がターンテーブル部のテーブルに乗せ換えられるとき、貝の滑りが悪いと乗せ換えが不能になったり、不良になったりする。
【0012】
貝は、貝殻の周縁即ち腹側縁4b及び側縁4aのギザギザが一様でなく、このギザギザの不均一性あるいは貝殻に付着したゴミ等が貝の滑りを悪化させる。
【0013】
この点の対策として、例えば貝殻の周縁を一様に加工することが考えられるが、これは手間がかかるため、現実的な選択肢ではない。
【0014】
例えば貝殻の周縁を削ったり、研磨したりすると、貝の生育に影響を与える弊害がある。
【0015】
従来は貝を搬送させるときの勢いや、貝の重心移動を利用して貝の乗せ換えをしており、受け渡しと位置決めを矯正する特段の対策をしていなかったため、乗せ換え不能の都度機械を停止し、貝を穿孔位置にセットしていた。このため穿孔効率が甚だ低下していた。
【0016】
貝の表面に不純物が付いていたり、外観の形状がきれいでないものは乗せ換えを円滑にすることが困難であり、不適切なところに穿孔されたり、全く穴が穿孔されなかったりすると、失敗乃至不良となる率が高くなる。
【0017】
実際上、作業者はこのような不適切穿孔や不穿孔といった不良貝に気付かずに作業を続けてしまうことが多い。このような不良貝が多く混在すると、養殖用ロープに貝を取り付ける作業に際し、作業効率を著しく低下せしめる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記背景に鑑み、本願発明は搬送されてきた貝のターンテーブルへの乗せ換えを迅速円滑にすることにより、穿孔効率を良好にすることを目的とする。
【0020】
また他の目的は、乗せ換えられた貝の位置決め精度の向上を図り、穿孔が正確になされることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的達成のため、本願発明による二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置は、投入された貝を搬送する貝搬送部と貝を穿孔位置に移動するターンテーブル部とを備え、二枚貝の貝殻の耳状突起に養殖用ロープに貝を取り付けるための孔を穿孔する二枚貝自動穿孔機において、ターンテーブル部に、貝搬送部により搬送されてくる貝をターンテーブル部に乗せ換えする貝乗せ換え装置が設けられ、該貝乗せ換え装置は、間欠的に回転するターンテーブル部のドラムの周面に設置された複数個のテーブルに夫々設けられた回転ローラからなり、上記回転ローラは上記テーブルが乗せ換え位置に位置するときに回転され、上記テーブルが穿孔位置に位置するとき回転停止となるよう間欠的に回転されることを特徴とする。
また、請求項1記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記回転ローラは回転停止となるとき第2の位置決めポストを兼ねることを特徴とする。
また、請求項1又は請求項2記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記回転ローラは上記ドラムの外側に回転可能に設置されたスリット板が乗せ換え位置において押圧されて回転駆動力を得ることを特徴とする。
また、請求項3記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記スリット板は中心方向に向かって設けられる複数のスリットを有し、該スリットが上記スリット板の端縁部の円周に沿って設けられることを特徴とする。
また、請求項3記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記スリット板の回転軸が上記ドラムの回転軸に対し偏心されることを特徴とする。
また、請求項3記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記スリット板の回転軸が上記ドラムの回転軸と同軸に設けられることを特徴とする。
また、請求項1又は請求項2記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記回転ローラがドラムの駆動力とは別の駆動源により乗せ換え位置において回転駆動力を得ることを特徴とする。
また、請求項1記載の二枚貝自動穿孔機の貝乗せ換え装置において、上記回転ローラは軸方向にローレット溝が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
貝搬送部から送り出されて乗せ換えられる貝1は、直線状に形成されている耳状突起3の下端縁3dが回転ローラ35に当たり、この回転ローラ35の回転により、腹側縁及び側縁の前端部分4cが第1の位置決めポスト34に当接するまで強制的に移動されるから、貝殻表面の付着物や貝殻の周縁形状(貝殻の側縁4a及び貝殻の腹側縁4b)等貝の素性に影響を受けることなく、ターンテーブル部に迅速円滑に乗せ換えすることができる。
【0023】
また乗せ換え作業がコンベヤの搬送時の慣性力等に依存せず、回転ローラ35の回転力に基づくため、乗せ換え位置での移動の精度が向上する。よって、乗せ換え工程に続く穿孔工程での穿孔の位置決め精度が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、実施の形態を示す図面に基づき本願発明による二枚貝自動穿孔機10の貝乗せ換え装置をさらに詳しく説明する。なお、便宜上同一の機能を奏する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0026】
二枚貝自動穿孔機10は貝搬送部20、ターンテーブル部30、押圧部40及び穿孔部50を備える。
【0027】
貝搬送部20は回転するコンベヤ21からなる。該コンベヤ21は、搬送方向に向かってα°(
図4(A)に示す。図示実施例ではα=7°)の上り勾配とした搬送路20a上に設けられ、駆動輪22により矢印R
1方向に回転する。上記搬送路20aは
図4(B)に最も良く示すように傾斜(図示実施例では45°)されて設けられる。搬送路20aには該コンベヤ21の搬送方向とは反対方向(矢印R
2方向)に間欠的に回転する搬送チェーン23が設けられ、該搬送チェーン23のチェーンリンク23aに、搬送中のほたて貝1の搬送姿勢を矯正する矯正プレート25が取り付けられる。24aは該搬送チェーン23の駆動輪、24bは従動輪である。
【0028】
上記矯正プレート25は、上記搬送チェーン23のチェーンリンク23aにアタッチメント23bを介して取り付けられる取付部25aと、矯正面25dが鈍角β(
図5(C)に示す。図示実施例ではβ=140°)に傾斜して形成されるとともに該矯正面25dがコンベヤ21の回転方向とは反対方向に向けて設けられる傾斜部25bと、下端部が上記取付部25aに連続するとともに上端部が上記傾斜部25bに連続する起立部25cとからなる。上記起立部25cはその高さH
1が搬送される貝1の耳状突起3の高さH
2未満(起立部高H
1<貝の耳状突起高H
2)に形成される(
図5(C)に示す)。貝の耳状突起高H
2は投入・搬送される貝1の最低高さに設定される。
【0029】
27は搬送路20aをガイドする搬送ガイドである。該搬送ガイド27は
図4(B)に示すようにL字金具27aに固着されてなり、上方が開放され、ほたて貝1を投入する投入口29となっている。上記投入口29よりほたて貝1は表面を上側にして投入される。
【0030】
上記貝搬送部20に隣接してターンテーブル部30を設ける。ターンテーブル部30はターンテーブル31からなり、上記コンベヤ21に対し直交して設置される。該ターンテーブル31は、間欠的に回転する円形のドラム32の周面に、複数個(実施例は8個)のテーブル33を取り付けてなる。各テーブル33は扁平状の平板からなり、
図7(A)(B)に示すように、上面に第1の位置決めポスト34及び貝乗せ換え装置38を構成する第2の位置決めポスト35を立設する。第1の位置決めポスト34と第2の位置決めポスト35との間にドリル51が下進する穿孔部位39を形成する。
【0031】
上記第1の位置決めポスト34は、
図7(A)(B)に示すように、中空円筒状に形成された比較的大径のステンレス製支柱であり、円形状面34bがほたて貝1の側に形成される。上記第1の位置決めポスト34は貝殻の側縁4aに当接するa点及び前耳状突起3aの側面に当接するb点を形成する。上記第2の位置決めポスト35は貝殻の後耳状突起3bの下端縁3dに当接するc点を形成する。第1の位置決めポスト34の周面部は水平のギザギザからなる貝押え溝34aが形成される。上記第2の位置決めポスト35は、回転可能の回転ローラからなり、円柱状に形成されたステンレス製支柱である。上記第2の位置決めポスト35は、耳状突起3の下端縁3dが摺接されて後耳状突起3bに当たるように、上記第1の位置決めポスト34と並べて設けられる。上記第2の位置決めポスト兼回転ローラ35の周面には軸方向にローレット溝35a(
図12に示す)が形成される。
【0032】
上記した第2の位置決めポスト兼回転ローラ35は、
図5(A)(B)に示すように、間欠的に回転するドラム32の周面に設置された複数個のテーブル33に夫々設けられ、上記テーブル33が乗せ換え位置P1に位置するときに回転され、上記テーブル33が穿孔位置P2に位置するとき回転停止となるよう間欠的に回転される。即ち、
図5(A)及び
図12に示すように、スリット板36が上記ドラム32の外側に回転可能に設置されており、貝1が乗せ換え位置P1にきたとき、押圧ローラ37により該スリット板36が押圧されて変形されるため、スリット36a(
図6(A)に示す)を介して回転力が回転ローラ35に伝達される。貝乗せ換え装置38はかかる回転ローラ35、スリット板36及び押圧ローラ37からなる。上記スリット板36は長溝からなるスリット36aが端縁部の円周に沿って設けられている。36bはスリット板36の回転軸であり、ドラム32の回転軸32aに対し、
図6(A)の右方に偏心して設けられる。
【0033】
押圧部40は第1押圧手段41及び第2押圧手段44からなる。
【0034】
第1押圧手段41は、
図8及び
図9に示すように、舌片状に形成されたステンレス板からなり、正逆方向に回動自在である。該第1押圧手段41は、ほたて貝1が
図5(B)に「1b」で示す水平状態の穿孔位置P2になったとき、貝殻の腹側縁4b(
図7(B)に示す)に当接し、ほたて貝1を
図7(A)に矢印Xで示す直線方向に押圧する。第1押圧手段41の下部41aは屈曲され、該屈曲下部41aに貝殻の腹側縁4bを上方から抑えるための貝方向に突設されたフレームからなる貝押え41bを設けてなる。42は該第1押圧手段41が係止された昇降体であり、下進するとき第1押圧手段41をほたて貝1方向に移動せしめる。43は上記第1押圧手段41を原位置に復帰せしめる引張りばねである。
【0035】
第2押圧手段44は、
図7(B)及び
図8に示すように、ステンレスからなるプレート44aに、金属製の押圧面部45を取り付けてなり、正逆方向に回動自在である。第2押圧手段44はほたて貝1が
図5(B)に「1b」で示す水平状態の穿孔位置P2になったとき、
図7(B)に矢印Yで示す方向に回転し、このとき上記押圧面部45が後耳状突起3bの側面に当接する。該押圧面部45は後耳状突起3bに当接する押圧面に水平のギザギザからなる貝押え溝45aが形成される。上記第2押圧手段44はカムフォロア46を有し、該カムフォロア46が回転するカム47に倣い接触することにより、正逆方向に回動する。48は上記第2押圧手段44をほたて貝1方向に付勢する引張りばね、49は上記第2押圧手段44の回転軸44bの軸受けである。
【0036】
穿孔部50は、
図8及び
図9に示すように、上下動するドリル51からなる。52は該ドリル51を回転させるモータである。該ドリル51はほたて貝1がターンテーブル31の所定の穿孔位置P2に位置決め・固定された後下進し穿孔する。
【0037】
61は上記ターンテーブル部30に形成される乗せ換え位置P1の直上に設けられる昇降可能の移送ガイドである。該移送ガイド61は、
図10に示すように下端部に所定の角度に傾斜されたガイド板63が設けられ、全体が昇降自在である。上記移送ガイド61は、貝1aの乗せ換え時には上限位置で待機し、ターンテーブル31が回転する直前までに下降し、ターンテーブル31が回転しているときは下限位置にある。
図10はこの下限位置にある状態を示す。貝の搬送は穿孔時と同時である。貝の乗せ換え動作は上記移送ガイド61が
図10に一点鎖線で示す上限位置にあるとき、即ち、ターンテーブル31が停止し乗せ換え位置P1に貝1aがない間に行なわれる。上記ガイド板63は、口を開けた貝の貝殻が接触すると、貝が自ら口を閉じるので、これにより貝1aをガイドする。65は、上記移送ガイド61に付設され貝方向に付勢されたばねであり、例えば貝が2箇乗せ換え位置P1に入ってきた場合、ガイド板63を上方に回避させ機器の損傷を防止する。
【0038】
貝の投入範囲Tの投入口29より表面Aを上側にして投入されたほたて貝1が、コンベヤ21により、ターンテーブル31に供給される(
図4(A)(B))。コンベヤ21による搬送の際、矯正プレート25によりその姿勢を適正姿勢にされたほたて貝1a(
図5(A)(B)に示す)がテーブル33上に乗せ換えられる。この乗せ換えについては後に詳述する。
【0039】
ターンテーブル31の回転に伴ないほたて貝1aが
図5(B)に「1b」で示す穿孔位置P2にくる。このときほたて貝1bは水平状態になっているが、正確な位置決めに関しては後記する乗せ換え工程で詳述する。
【0040】
次いで第1押圧手段41が下進して貝殻の腹側縁4bに当たり、ほたて貝1を第1の位置決めポスト34及び第2の位置決めポスト35方向に押圧する(
図8、
図9)。
【0041】
また略同時に第2押圧手段44が回動して貝殻の後耳状突起3bの横端部に当たり、貝を第1の位置決めポスト34方向に押圧する(
図7(B))。
【0042】
ターンテーブル31に供給される貝は、大きさ、形状、姿勢等の供給条件が区々であり、必ずしも位置決めポストの各当接点に理想通り当接されるとは限らない。
【0043】
即ち、ほたて貝1は、第1押圧手段41及び第2押圧手段44の押圧により第1の位置決めポスト34のa点、b点の2点、及び、第2の位置決めポスト35のc点の合計3点で当接されるのが望ましい。しかし供給条件が区々であるため、第1押圧手段41により第1の位置決めポスト34のa点及び第2の位置決めポスト35のc点に当接すべきところ、第1の位置決めポスト34に1点で当接されることがある。
【0044】
かかる場合であっても、第2押圧手段44がほたて貝1の前耳状突起3aを押圧するので、これにより貝1はc点に接触していた場合、c点を滑るように案内されてその方向が若干修正され、第1の位置決めポスト34に2点で当接するから、3点支持が実現する。
【0045】
よって、ほたて貝1は確実に所定の位置に位置決めされる。
【0046】
この状態で第1押圧手段41及び第2押圧手段44によるほたて貝1の押圧は継続するから、ほたて貝1は所定の位置に安定的に固定される。
【0047】
かかる状態でドリル51が下進し貝殻の耳状突起3の一枚部分3cの所定の穿孔部位39を穿孔する。これにより係止ピン5を挿入するための係止孔2(
図14に示す)を形成する。なお、この点についても後記する。
【0048】
穿孔されたほたて貝1(
図5(B)に「1c」として示す)は、ターンテーブル31の回転により落下・搬出される。なお、上記位置決め・穿孔の際、ターンテーブル31の回転は停止している。
【0049】
ここで前記した搬送工程及び乗せ換え工程について詳しく説明する。
【0050】
まず
図16及び
図17を参照して搬送工程について述べる。ほたて貝1の耳状突起3の側縁3eは、必ずしも
図16(A)に示すように直立線を有するとは限らず、
図16(B)に示すように下端角部3fが丸みを帯びていたり、
図16(C)に示すように側縁3eが傾斜していたりする。このような異形状の耳状突起3を有するほたて貝1の搬送は、矯正が困難である。即ち、本願発明のような矯正プレート25の起立部25cがない治具25´の場合、屈曲部25fをコンベヤ21上から高い位置に設定すると、コンベヤ21が図示左方に回転し、治具25´が図示右方に移動するため、回転により姿勢を矯正しようとする貝1がコンベヤ21と治具25´の間に矢示の如く食い込んでいこうとするので、治具25´に無理がかかり破損させるおそれがある(
図17(B))。一方屈曲部25fをコンベヤ21上から低い位置に設定すると、コンベヤ21が図示左方に回転し、治具25´が図示右方に移動するため、回転により姿勢を矯正しようとする貝1の保持が安定せず、貝1が回転し続けるおそれがある(
図17(C))。
【0051】
これに対し、本願発明においては、起立部25cがあるため、
図17(A)に示すように、耳状突起3の側縁3eの形状が異形状であってもその形状に影響されず、姿勢の矯正が可能である。しかも矯正プレート25の起立部25cがコンベヤ21上から高くなるほど、矯正プレート25は貝1の整列した状態を保持しようとするので、矯正姿勢の安定化を図ることができる。また貝はどの方向から投入されても所定の乗せ換え位置にセットされるので、乗せ換えの位置決め精度の向上を図ることができ、誰でも簡単な操作で貝の穿孔することができる。これにより、長時間の穿孔作業を安定的に行うことが可能になる。
【0052】
次の乗せ換え工程を
図11に基づき詳しくみる。矯正プレート25の起立部25cにより後耳状突起3bを押圧されてテーブル33上に移動された貝1(
図11(A))は、前耳状突起3aが前進するため、前耳状突起3aの下端縁3dが回転ローラ35上に接する(
図11(B))。回転ローラ35に下端縁3dが当接されたほたて貝1は、該回転ローラ35が回転しているため、回転ローラ35により前方へ送られ(
図11(C))、前耳状突起3aがストッパとして機能する第1の位置決めポスト34に当接するまでテーブル33上を図示右方に移送される(
図11(D))。
【0053】
図12に基づき回転ローラ35の回転の仕組みをみる。乗せ換え位置P1において、押圧ローラ37がスリット板36を押圧すると、該スリット板36が回転ローラ35側に変形されるので、スリット板36のスリット36aを介して回転力が回転ローラ35に伝達される。これにより、回転ローラ35が回転するのである。
【0054】
ほたて貝1の耳状突起3は、下端縁3dが直線状に形成されているため、貝殻表面の付着物や貝殻の周縁形状(貝殻の側縁4a及び貝殻の腹側縁4b)等貝の素性に影響を受けることなく、回転する回転ローラ35により、迅速円滑に乗せ換え作業を完了することができる。
【0055】
回転ローラ35により強制移動された貝1は第1の位置決めポスト34に当たると該第1の位置決めポスト34がストッパとして機能するため、それ以上の前進はなく、所定の乗せ換え位置にセットされるので、乗せ換えの位置決め精度の向上を図ることができる。
【0056】
また乗せ換え作業がコンベヤ21の搬送時の慣性力等に依存せず、回転ローラ35の回転力に基づくため、乗せ換え位置での移動の精度が向上する。よって、乗せ換え工程に続く穿孔工程での穿孔の位置決め精度が向上する。
【0057】
図10において、例えば乗せ換え位置P1にある貝の口が「開」になっているような場合、口を開けた貝の貝殻がターンテーブル31の回転に伴いガイド板63に接触すると貝が自ら口を閉じるので、貝1がドリル51等の穿孔装置のどこにも干渉することない。よってターンテーブル31が乗せ換え位置P1から穿孔位置P2へ回転可能となる。
【0058】
ここで、ほたて貝1の位置決め及び固定について一言する。ほたて貝1は、第1押圧手段41及び第2押圧手段44により異なる方向から押圧されるため、位置決めポスト34、35の当接点3点及び押圧手段41、44による当接を加えた5点支持により、テーブル33上の所定の乗せ換え位置及び穿孔位置P2に水平方向及び垂直方向からしっかりと固定される。
【0059】
よって、正確な穿孔を確保し、ほたて貝1の成育に有利な一枚開けが可能となる。
【0060】
また当接点3点による「位置決め」と、これに続く当接点5点による「貝1の固定」とが連続的に行なわれるから、作業効率が良好となる。
【0061】
ここで
図8及び
図9に基づき穿孔時の貝の姿勢矯正について説明する。耳状突起3の穿孔部位39にドリル51が接触して穿孔が開始すると、ほたて貝1は球面状のためテーブル33との接触点が1点なので、時計回りに回転しようとする。しかしながら、ほたて貝1は、第1の位置決めポスト34の貝押え溝34a及び第2押圧手段44の貝押え溝45aに貝殻周縁の先端部が喰わえられ、かつ第1押圧手段41の貝押え41bにより穿孔時の上方への反動動作が抑圧される。よって、穿孔時における貝1のあおりやぐらつきといった反動動作が防止されるので、穿孔が安定する。
【0062】
よって、穿孔時におけるほたて貝1の動揺を抑えることができる。
【0063】
投入されたほたて貝1は、搬送路20a(
図4(B)に示す)からターンテーブル31の乗せ換え位置P1及び穿孔位置P2にくるまで、一切表面が押圧されない。よって、搬送や穿孔の際、上記した付着物の影響を実質上受けずに、またほたて貝1にストレスをかけずに、作業することができる。つまり、ほたて貝1を安定的に保持し、正確に穿孔することができる。
【0064】
本願発明は上記した実施の形態に限定されない。例えば穿孔対象となる貝は二枚貝であればその種類を問わない。
【0065】
図13は回転ローラ35の回転機構に関する他の実施例を示す。この場合、乗せ換え位置P1にきた回転ローラ35は、ドラム32を回転するモータ(図示せず)とは別のモータ67によりプーリ69を介して回転される。
【0067】
スリット板36はドラム32の回転軸32bと同軸に設けることができる。
【0068】
コンベヤ21の上り勾配角度αは他の角度にすることができる。
【0069】
矯正プレート25の傾斜部25bの傾斜角度βは他の角度にすることができる。
【0070】
搬送路の傾斜角度も他の角度にすることができる。
【0071】
第2押圧手段44による押圧は、第1押圧手段41と同様直線方向とし、第1押圧手段41の押圧方向に直交する方向とすることもできる。この場合、第2押圧手段44の押圧態様については後記を参照されたい。
【0072】
第1押圧手段41の形状及び押圧態様は問わない。例えばプッシュブルソレノイド、ロータリーソレノイド、エアシリンダ、電動シリンダ等により押圧するものであってもよい。しかし、上記実施の形態のような機械の方が確実であり、低コストとなるので望ましい。
【0073】
位置決めポストは3点当接の一部材で構成することができる。またテーブル33と位置決めポスト34、35とを一体成型してもよい。
【0074】
第1の位置決めポスト34、第2の位置決めポスト35は中実であってもよい。
【0075】
位置決め・固定される貝の方向性は任意であり、例えば貝を垂直状態にして穿孔することも可能である。
【0076】
また、貝を位置決め・固定するものはテーブルの如き扁平状のものに限られない。
【0077】
第1押圧手段41と第2押圧手段44の作業手順に順番性をつけることもできる。例えば、ターンテーブル31が回転し穿孔位置P2で停止するときに、ほたて貝1が遠心力で排出側に飛び出そうとするのをまず第1押圧手段41により押さえながら第1の位置決めポスト34及び第2の位置決めポスト35側に押圧し、次いで第2押圧手段44によりほたて貝1の姿勢を最終的に矯正してもよい。
【0078】
本願発明による二枚貝自動穿孔機はとくに耳状突起の一枚部分3cの穿孔に著効のあるものであるが、二枚部分3bの穿孔に適用するのを妨げない。