(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)表示制御システムの構成:
(2)第1画面生成処理:
(3)第2画面合成処理:
(4)他の実施形態:
【0011】
(1)表示制御システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態である表示制御システムを実現する外部画像制御システム100とナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる表示制御システムは、車両に搭載されたシステムが協働することによって実現される。
【0012】
外部画像制御システム100は、CPU、RAM、ROM等を備える外部画像制御部200を備えており、外部画像制御部200は、当該ROMや記録媒体300に記録された所望のプログラムを実行することができる。本実施形態において、外部画像制御部200は、外部画像制御プログラム210を実行することができる。当該外部画像制御プログラム210を実行することにより、外部画像制御部200は、図示しない外部カメラを制御して車両の外部を撮影した画像である外部画像を取得し、表示させるための処理を行う。
【0013】
ナビゲーションシステム10は、CPU、RAM、ROM等を備えるナビゲーション制御部20を備えており、ナビゲーション制御部20は、当該ROMや記録媒体30に記録された所望のプログラムを実行することができる。本実施形態において、ナビゲーション制御部20は、ナビゲーションプログラム21を実行することができ、当該ナビゲーションプログラム21を実行することにより、図示しないGPS信号受信部の出力等に基づいてナビゲーションシステム10が搭載された車両を指定の目的地まで誘導する。
【0014】
以上のように、外部画像制御システム100は外部画像に関する制御を行い、ナビゲーションシステム10は誘導案内に関する制御を行う。本実施形態においては、これらの異なる種類の制御についてのユーザインタフェースを1個の表示部400上でのユーザインタフェース画面および1個のポインティングデバイス410で実現している。このため、ナビゲーションシステム10には表示部400とポインティングデバイス410とが接続され、外部画像制御システム100には表示部400が接続されている。
【0015】
すなわち、ナビゲーションシステム10は、ポインティングデバイスによってポインタの表示位置を決定するとともに誘導案内に関するユーザインタフェース画面を生成し、表示部400に出力して表示することができる。本実施形態においては、これらの処理を実行するため、ナビゲーションプログラム21に、指示位置取得部21aと第1画面生成部21bとが備えられている。すなわち、ナビゲーションシステム10のナビゲーション制御部20は、指示位置取得部21aおよび第1画面生成部21bの処理により、誘導案内に関するユーザインタフェース画面を生成するための処理を行う。
【0016】
一方、本実施形態においては、当該ユーザインタフェース画面に外部画像を合成して出力することも可能であり、合成が行われる場合、外部画像制御システム100は、ナビゲーションシステム10が生成した誘導案内のためのユーザインタフェース画面に外部画像を合成し、単一のユーザインタフェース画面として表示部400に表示する。本実施形態においては、これらの処理を実行するため、外部画像制御プログラム210に、第2画面合成部210aが備えられている。すなわち、外部画像制御システム100の外部画像制御部200は、第2画面合成部210aの処理により、誘導案内のためのユーザインタフェース画面に外部画像を合成する処理を行う。なお、本実施形態においては、合成が行われ得るユーザインタフェース画面を第1画面と呼び、ユーザインタフェース画面上で外部画像が占める部位を第2画面と呼ぶ。
【0017】
表示部400は、任意の画像を表示するディスプレイであり、表示制御部400aによって制御される。表示部400は図示しないインタフェースによってナビゲーション制御部20および外部画像制御部200と接続されており、表示制御部400aは、ナビゲーション制御部20または外部画像制御部200が出力する画像を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて表示部400にユーザインタフェース画面を表示する。
【0018】
ポインティングデバイス410はレバーを備えており、利用者がポインティングデバイス410のレバーを操作すると、ポインティングデバイス410は直交する2方向についてのレバーの傾斜角に応じた2個の出力値を出力する。すなわち、利用者は、ポインティングデバイス410を利用して、2次元座標系内の座標を指定することができる。ナビゲーション制御部20は、指示位置取得部21aの処理により、ポインティングデバイス410の出力値から、ユーザインタフェース画面上でのポインタの指示位置を取得することができる。
【0019】
本実施形態において、誘導案内のためのユーザインタフェース画面には、アイコンと誘導案内に関する情報と上述のポインタとが含まれる。本実施形態において、誘導案内のためのユーザインタフェース画面はナビゲーション制御部20が生成する。具体的には、ナビゲーションシステム10の記録媒体30には、地図情報30aおよびアイコン情報30bが記録されている。地図情報30aはノードによって区切られた道路区間毎の情報であり、ナビゲーション制御部20は、当該地図情報30aに基づいて、ナビゲーションシステム10の現在地を含む現在地周辺の地図を示す画像を生成することができる。
【0020】
アイコン情報30bは、ナビゲーションシステムの機能の実行指示等を行う際に利用者が選択するアイコンの画像を示す情報である。本実施形態において、アイコンは長方形の内部に文字列が表示されるアイコンであり、アイコン情報30bには、アイコンがユーザインタフェース画面で占める位置を特定するための情報および文字列を示す情報が対応づけられている。なお、ユーザインタフェース画面で占める位置を特定するための情報は、例えば、長方形のアイコンの対角点の座標等である。すなわち、当該ユーザインタフェース画面で占める位置にポインタの指示位置が含まれる場合に、アイコンが選択されたと、ナビゲーション制御部20が判定できるように構成されている。
【0021】
また、本実施形態においては、ポインタによってアイコンが選択された状態と選択されていない状態とで当該アイコンが変化するように構成される。このため、アイコン情報30bにおいては、アイコンが選択された状態と選択されていない状態とのそれぞれについての画像を示す状態が定義されている。
【0022】
ナビゲーション制御部20は、第1画面生成部21bの処理により、RAMに確保された領域に地図情報30aが示す現在地周辺の地図の画像を配置し、当該地図上の所定位置にアイコン情報30bが示すアイコンの画像を配置する。さらに、ナビゲーション制御部20は、ポインティングデバイス410の出力値から取得された指示位置を指示するように、RAMに確保された領域にポインタの画像を配置する。なお、ポインタの指示位置が、アイコンがユーザインタフェース画面上で占める領域に含まれる場合(ポインタによってアイコンが選択されている場合)、ナビゲーション制御部20は、選択された状態を示すアイコンの画像をアイコン情報30bから抽出してRAMに確保された領域に配置する。
【0023】
このようにして誘導案内のためのユーザインタフェース画面を示す情報が生成されると、ナビゲーション制御部20は、当該情報を表示制御部400aに受け渡す。この結果、ユーザインタフェース画面が表示部400に表示される。
図2Aは、表示部400上に表示されるユーザインタフェース画面の例を示しており、同
図2Aにおいては、ユーザインタフェース画面Imに、誘導案内に関する情報としての地図が表示されているとともに、ポインタIcpと複数のアイコンIcnとが表示されている。
【0024】
一方、外部画像の合成条件が満たされた場合には誘導案内に関するユーザインタフェース画面に外部画像が合成される。当該合成はクロマキー合成によって実現されており、合成条件が満たされた場合、ナビゲーション制御部20は、第1画面生成部21bの処理により、予め決められた領域を特定の色とした第1画面の画像を生成する。
図2Cは、ユーザインタフェース画面Imに特定の色の領域Rcが形成された状態の例を示す図である。
【0025】
特定の色の領域を含む第1画面が生成されると、ナビゲーション制御部20は、第1画面を示す情報を外部画像制御部200に受け渡す。この結果、外部画像制御部200は、受け渡された情報から特定の色の領域を抽出し、当該領域を外部画像で置換することにより、第1画面上に第2画面を合成する。合成が行われると、外部画像制御部200は、合成後の画像を示す情報を表示制御部400aに受け渡す。この結果、合成後のユーザインタフェース画面が表示部400に表示される。
図2Dにおいては、ユーザインタフェース画面Im上に外部画像Ioが合成された例を示している。
【0026】
なお、外部画像の合成条件としては、種々の条件を採用が可能であるが、本実施形態においては、外部画像制御部200が図示しない外部カメラの出力画像を監視し、出力画像に着目すべきオブジェクト(例えば、人物の像の特徴量を有するオブジェクト)が現れた場合に合成条件が満たされたと見なす。このように、合成条件が満たされた場合、外部画像制御部200は、合成条件が満たされたことを示す情報を第1画面生成部21bに受け渡す。この結果、ナビゲーション制御部20が、第1画面生成部21bの処理により、第1画面に特定の色の領域を形成するなど、合成のための処理が行われることになる。なお、着目すべきオブジェクトが現れている状態からオブジェクトが消失した状態に移行した場合、外部画像制御部200は合成条件が満たされないと見なし、外部画像制御部200は、合成条件が満たされていないことを示す情報を第1画面生成部21bに受け渡す。この結果、ナビゲーション制御部20が、第1画面生成部21bの処理により、第1画面に特定の色の領域を形成せず、第1画面を示す情報を表示部400に出力することで、合成を行わないことになる。
【0027】
以上のようにクロマキー合成を行う構成において、透過部位を有するアイコンが特定の色の領域に重なると、特定の色が変化し、本来合成が行われるべき部位において合成が行われず、クロマキーの色と類似する色が残存する場合がある。
図2Bは、選択された状態を示すアイコンIcn2の模式図である。本実施形態において、選択された状態を示すアイコンIcn2は、選択されていない状態における長方形のアイコンIcnにおいて、透過性のある透過部位が破線で示す境界まで広がるようにして構成されたアイコンである。
【0028】
すなわち、選択された状態を示すアイコンIcn2においては、アイコンの中央から破線で示す境界に向けて透過性が徐々に高くなるように透過性が定義されている。本実施形態においては、破線で示すアイコンIcn2の境界が、選択されていない状態のアイコンIcnの境界(長方形の辺)よりも広がっており、アイコンIcn2の大きさは、
図2Cに示すように、特定の色の領域Rcまで達し得る大きさである。従って、仮に、
図2Cに示すように第1画面に特定の色の領域Rcが表示された状態でアイコンが選択された場合に、
図2Bに示すアイコンIcn2が表示されるように構成すると、アイコンIcn2の透過部位が特定の色の領域Rcに重なってしまう。
【0029】
透過部位においては、アイコンの画像の色とアイコンの背景にある画像の色とが混合されるため、透過部位が特定の色の領域と重なると特定の色が変化する。例えば、
図2Cにおいて、アイコンIcn2の上方の境界と特定の色の領域Rcとは重なっているため、アイコンIcn2が透過する性質により、重なっている部分Zの色が特定の色ではなくなってしまう。従って、このような第1画面の情報が外部画像制御部200に受け渡された場合に、部分Zには第2画面が合成されない。また、部分ZにおいてはアイコンIcn2の色と特定の色とが混合された色であるため、特定の色に類似する色(通常の画面での使用が想定されない特殊な色に類似する色)になる。
【0030】
そこで、本実施形態においては、合成が行われる場合に特定の色に類似する色が残存することを防止できるように構成されている。具体的には、第1画面生成部21bは、画面の合成条件が満たされない場合に、透過部位を有するアイコンを含む第1画面の画像を生成し、合成条件が満たされた場合に、透過部位を有していないアイコンと、特定の色の領域とを含む第1画面の画像を生成する機能をナビゲーション制御部20に実行させるように構成されている。具体的には、ナビゲーション制御部20は、第1画面生成部21bの処理により、第1画面を生成する際に合成条件が満たされているか否かを判定する。合成条件が満たされていない場合、ナビゲーション制御部20は、ポインタの指示位置に基づいて各アイコンが選択された状態であるか否かを判定する。選択されたアイコンが存在する場合、ナビゲーション制御部20は、透過部位を有するアイコンの画像を選択されたアイコンの画像(
図2Bに示す画像)として第1画面を生成する。
【0031】
一方、合成条件が満たされている場合、ナビゲーション制御部20は、ポインタの指示位置に基づいて各アイコンが選択された状態であるか否かを判定する。選択されたアイコンが存在する場合、ナビゲーション制御部20は、透過部位を有していないアイコンの画像を選択されたアイコンの画像として第1画面を生成する。なお、
図2Dにおいては、ユーザインタフェース画面Im上の左から2個目のアイコンが透過部位を有していないアイコンIcn3である。当該アイコンIcn3においては、選択されていない状態のアイコンIcnの周囲を囲む線がアイコンIcnに追加されたような形状である。
【0032】
本実施形態においては、ポインタによってアイコンが選択された場合に、アイコンが選択されたことを示すために、通常は、透過部位を有するアイコンIcn2が表示される構成になっている。そこで、合成が行われ、透過部位を有するアイコンIcn2が透過部位を有していないアイコンIcn3で代替される場合であっても、アイコンが選択されているという意味は利用者に伝達されるように、アイコンIcnを線で囲む形状によってアイコンIcn3が構成される。
【0033】
いずれにしても、ナビゲーション制御部20は、第1画面生成部21bの処理により、第1画面を示す情報を生成し、合成条件が満たされていない場合は、生成した情報を表示制御部400aに対して出力する。合成条件が満たされている場合、ナビゲーション制御部20は、生成した情報を外部画像制御部200に対して出力する。
【0034】
第1画面を示す情報が外部画像制御部200に対して出力された場合、外部画像制御部200は、第2画面合成部210aの処理により、図示しない外部カメラの出力信号に基づいて外部画像を生成する。さらに、外部画像制御部200は、第1画面を示す情報から特定の色の領域を抽出し、当該領域を外部画像で置換することで第1画面上に第2画面を合成する。合成が行われると、外部画像制御部200は、合成後の画像を示す情報を表示制御部400aに対して出力する。
【0035】
以上の処理によれば、合成条件が満たされていない場合に表示部400に
図2Aに示すようなユーザインタフェース画面Imが表示され、合成条件が満たされている場合に表示部400に
図2Dに示すようなユーザインタフェース画面Imが表示される。
図2Dに示す画面において、アイコンが選択されていることは、透過部位を有していないアイコンによって示されるため、第1画面が生成される際に特定の色の領域に透過部位を有するアイコンが重なることはない。従って、透過によって特定の色が変化することはなく、特定の色に類似する色が合成後に残存することを防止することができる。
【0036】
さらに、本実施形態において、表示制御システムは、ナビゲーションシステム10、外部画像制御システム100、表示部400という3個の制御部によって構成される。また、第1画面の生成はナビゲーション制御部20で行われ、第2画面の合成は外部画像制御部200で行われ、第1画面の生成と第2画面の合成は異なる制御部によって行われている。
【0037】
そして、第1画面の生成と第2画面の合成が異なる制御部によって行われる構成において、外部画像制御部200は、ナビゲーション制御部20が生成した画像の情報から特定の色の領域を検出するのみで第2画面の合成位置を特定することができる。従って、第1画面生成手段と第2画面合成手段との連携が画像の情報の転送という最小限の連携であっても、合成条件に応じて異なるアイコンが表示される第1画面に第2画面を合成することができる。このため、ナビゲーションシステム10と外部画像制御システム100とが異なる製造者によって製造されたとしても、合成条件に応じて第1画面に第2画面を合成するとともに、合成が行われる場合に特定の色に類似する色を残存させないようにする構成を容易に実現することができる。
【0038】
(2)第1画面生成処理:
次に、第1画面生成処理について詳細に説明する。
図3Aは、第1画面生成処理のフローチャートである。第1画面生成処理は、ナビゲーション制御部20や外部画像制御部200が表示部400にユーザインタフェース画面を表示させる処理を実行している状態において、ユーザインタフェース画面の画面構成を変化させるトリガが発生した場合に実行される。なお、本実施形態において、画面構成を変化させるトリガは、外部画像制御システム100が備える外部カメラの出力画像に着目すべきオブジェクトが現れた場合と、消失した場合に発生する。
【0039】
第1画面生成処理において、ナビゲーション制御部20は、第1画面生成部21bの処理により、変化後の画面は合成画面であるか否かを判定する(ステップS100)。すなわち、ナビゲーション制御部20が、外部画像制御部200から合成条件が満たされたことを示す情報を受け取った場合、ナビゲーション制御部20は変化後の画面が合成画面であると判定する。一方、ナビゲーション制御部20が、外部画像制御部200から合成条件が満たされていないことを示す情報を受け取った場合、ナビゲーション制御部20は変化後の画面が合成画面でないと判定する。
【0040】
ステップS100において、変化後の画面は合成画面であると判定された場合、ナビゲーション制御部20は、第1画面生成部21bの処理により、透過部位を有していないアイコンを取得する(ステップS105)。すなわち、ナビゲーション制御部20は、アイコン情報30bを参照し、ポインタによって選択された状態を示すアイコンの画像として、透過部位を有していないアイコンを選択し、取得する。
【0041】
次にナビゲーション制御部20は、第1画面生成部21bの処理により、アイコンと特定の色の領域を含む第1画面を生成する(ステップS110)。すなわち、ナビゲーション制御部20は、RAMに確保された領域に地図情報30aが示す現在地周辺の地図の画像を配置し、予め決められた画面上の領域を特定の色とした第1画面の画像を生成する。さらに、ナビゲーション制御部20は、当該画面上の所定位置にアイコン情報30bが示すアイコンの画像を配置する。ポインタによって選択された状態のアイコンが存在する場合、ナビゲーション制御部20は、当該ポインタによって選択された状態のアイコンの画像として、ステップS105で取得したアイコンの画像を使用する。
【0042】
次に、ナビゲーション制御部20は、第1画面を示す情報を外部画像制御部200に出力する(ステップS115)。すなわち、ナビゲーション制御部20は、外部画像制御部200が第2画面を合成できるようにするため、第1画面を示す情報を外部画像制御部200に出力する。なお、ステップS115まで処理が行われると、ナビゲーション制御部20は、次に画面構成を変化させるトリガが発生するまで、ステップS105〜S115と同様の処理を一定期間(例えば、100ms)毎に繰り返すことでユーザインタフェース画面を表示する。
【0043】
一方、ステップS100において、変化後の画面は合成画面であると判定されない場合、ナビゲーション制御部20は、第1画面生成部21bの処理により、透過部位を有するアイコンを取得する(ステップS120)。すなわち、ナビゲーション制御部20は、アイコン情報30bを参照し、ポインタによって選択された状態を示すアイコンの画像として、透過部位を有するアイコンを選択し、取得する。
【0044】
次にナビゲーション制御部20は、第1画面生成部21bの処理により、アイコンを含む第1画面を生成する(ステップS125)。すなわち、ナビゲーション制御部20は、RAMに確保された領域に地図情報30aが示す現在地周辺の地図の画像を配置して第1画面の画像を生成する。さらに、ナビゲーション制御部20は、当該画面上の所定位置にアイコン情報30bが示すアイコンの画像を配置する。ポインタによって選択された状態のアイコンが存在する場合、ナビゲーション制御部20は、当該ポインタによって選択された状態のアイコンの画像として、ステップS120で取得したアイコンの画像を使用する。
【0045】
次に、ナビゲーション制御部20は、第1画面を示す情報を表示制御部400aに出力する(ステップS130)。この結果、表示制御部400aは、第1画面を表示部400に表示する。また、当該第1画面において、ポインタで選択されたアイコンは、透過部位を有するアイコンであるが、第1画面には第2画面は合成されないため、特定の色に類似する色が第1画面上に表示されることはない。なお、ステップS130まで処理が行われると、ナビゲーション制御部20は、次に画面構成を変化させるトリガが発生するまで、ステップS120〜S130と同様の処理を一定期間(例えば、100ms)毎に繰り返すことでユーザインタフェース画面を表示する。
【0046】
(3)第2画面合成処理:
次に、第2画面合成処理について詳細に説明する。
図3Bは、第2画面合成処理のフローチャートである。第2画面合成処理は、ナビゲーション制御部20から外部画像制御部200に対して第1画面を示す情報が出力された場合に実行される。第2画面合成処理において、外部画像制御部200は、第2画面合成部210aの処理により、特定の色の領域に第2画面を合成する(ステップS200)。すなわち、外部画像制御部200は、図示しない外部カメラが出力する外部画像を取得する。また、外部画像制御部200は、第1画面を示す情報を参照して特定の色の領域を抽出し、当該領域を外部画像で置換することで第1画面上に第2画面を合成する。
【0047】
次に、外部画像制御部200は、第2画面合成部210aの処理により、合成後の画面を示す情報を表示制御部400aに出力する(ステップS205)。この結果、表示制御部400aは、合成後の画面を表示部400に表示する。また、当該合成後の画面において、ポインタで選択されたアイコンは、透過部位を有していないアイコンであるため、仮に、アイコンが第2画面と重なっていたとしても、合成後の画面にはアイコンが本来のアイコンの色で表示され、特定の色に類似する色が表示されることはない。
【0048】
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、合成条件が満たされた場合に、透過部位を有していないアイコンと特定の色の領域とを第1画面上に配置し、第1画面上の特定の色の領域に第2画面を合成する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、表示制御システムを構成する手段は、1個または2個の装置で実現されてもよいし、4個以上の装置に分かれて存在していても良い。
【0049】
さらに、ユーザインタフェース画面を生成する制御部は、外部画像の制御を行うための制御部、ナビゲーションシステムの制御を行うための制御部以外にも、種々の制御部を想定可能である。例えば、オーディオ再生に関する制御を行う制御部や、携帯端末や無線通信システム等で外部機器と通信するための制御を行う制御部等でユーザインタフェース画面を合成する際に本発明を適用してもよい。むろん、各制御部は、表示部400と離れた場所に設置さていてもよく、
図1に挙げられた第1画面生成部21b等の各制御部または各制御部の一部が離れた場所に設置されたサーバで実現される構成であってもよい。むろん、各制御部は、車両に搭載されていなくてもよい。
【0050】
さらに、第1画面生成手段は、画面の合成条件が満たされない場合に、透過部位を有するアイコンを含む第1画面の画像を生成し、合成条件が満たされた場合に、透過部位を有していないアイコンと、特定の色の領域とを含む第1画面の画像を生成することができればよい。すなわち、第1画面生成手段は、第1画面に対して第2画面が合成されるか否かに応じて、表示対象となるアイコンの透過性がない状態と透過性がある状態とを変化させ、特定の色の領域の有無を制御することができればよい。
【0051】
合成条件は種々の態様で決定されることが可能であり、表示制御システムが任意の処理を実行する過程で、例えば、割込処理の発生や各種の機能を実行する処理の開始等によって第1画面に第2画面を合成する処理を実行する条件が満たされる構成を採用可能である。むろん、表示制御システム以外の他の制御部において所定の処理が発生した場合に、表示制御システムで合成条件が満たされたと見なす構成であってもよい。例えば、通信の制御部の処理によって着信が発生した場合や、各種のセンサによる監視を制御する制御部の処理によって監視対象の画像を表示すべきトリガが発生した場合等に、表示制御システムが合成条件を満たしたと判定してもよい。
【0052】
アイコンは、第1画面上で表示される任意の形状のアイコンであってよい。また、アイコンは、合成条件が満たされたか否かによって透過性がない状態と透過性がある状態とが変化する。従って、透過性がない状態においては、透過性がある状態において透過部位によって示された意味が、非透過な部位で代替されていることが好ましい。例えば、ポインタ等によってアイコンが選択された場合に選択前のアイコンよりもアイコンが拡大し、少なくとも拡大した部位が透過部位となり、内側から外側に向けて透過性が徐々に大きくなるアイコンが第1画面に表示される構成を想定する。この場合、透過性を有するアイコンが表示されたことは、アイコンが選択されたことを意味しているため、透過性を有しないアイコンを表示する場合であっても、例えば、選択前のアイコンを強調するなどして選択されたことを意味することが好ましい。
【0053】
特定の色の領域は、第2画面を合成する領域であればよい。従って、特定の色は、通常の画像において使用される確率が小さい色であることが好ましい。このような色としては、例えば、画素の色を色成分(例えば、R,G,B)毎の階調値の組み合わせで表現する画像情報において、全色成分が階調値の上限値または下限値となっている色が挙げられ、256階調の情報において、(R,G,B)=(255,0,255)等の色を特定の色とすることができる。
【0054】
第2画面合成手段は、特定の色の領域に第2画面の画像を合成することができればよい。すなわち、第2画面合成手段は、第1画面生成手段が生成した第1画面の画像を示す情報を参照して特定の色の領域の位置を取得し、当該領域に第2画面の画像を重畳した情報を生成することができればよい。第2画面は、第1画面に合成される任意の内容であってよい。すなわち、第2画面は、通常は利用者が第1画面を利用するシステムにおいて、必要が生じた場合に表示される内容の画面であればよい。
【0055】
表示制御手段は、第1画面を表示部に表示させることができればよい。すなわち、合成が行われなかった場合、第1画面生成手段によって生成された第1画面の画像を表示部に表示することができればよい。また、合成が行われた場合、第2画面合成手段によって生成された、第1画面に第2画面が合成された後の画像を表示部に表示することができればよい。
【0056】
以上の構成において、表示制御システムは、1個の制御部(または装置)で実現されてもよいし、2個以上の制御部(装置または装置)で実現されてもよい。このような構成の例として、第1画面生成手段が、第1の制御手段によって実現され、第2画面合成手段が、第1の制御手段と異なる第2の制御手段によって実現される構成を採用してもよい。
【0057】
すなわち、第1画面生成手段と、第2画面合成手段とが異なる制御部によって実現される。制御部は、例えば、CPU,ROM,RAM等からなるプログラム実行環境等によって実現可能であり、第1画面生成手段と、第2画面合成手段とが異なる制御部によって実現される構成は、第1画面生成手段としての制御部で生成した画像の情報を第2画面合成手段としての制御部に転送し、第2画面合成手段としての制御部で合成を行う構成等を採用可能である。このような構成であれば、第1画面生成手段と第2画面合成手段とが、異なる製造者によって製造された後、表示制御システムとして組み立てられる構成等に本発明を適用することができる。
【0058】
また、このように、第1画面生成手段と、第2画面合成手段とが異なる制御部によって実現される構成において、第2画面合成手段は、第1画面生成手段が生成した画像の情報から特定の色の領域を検出するのみで第2画面の合成位置を特定することができる。従って、第1画面生成手段と第2画面合成手段との連携が画像の情報の転送という最小限の連携であっても、合成条件に応じて異なるアイコンが表示される第1画面に第2画面を合成することができる。このため、第1画面生成手段と第2画面合成手段とが、異なる製造者によって製造された後、表示制御システムとして組み立てられる構成等であっても本発明を容易に適用することができる。
【0059】
さらに、第1画面生成手段が、第2画面合成手段が指定した領域を特定の色の領域とする構成を採用してもよい。すなわち、第1画面生成手段は、第2画面合成手段の指示によって特定の色の領域を決定する。この構成においては、第2画面合成手段が主体になって第2画面の大きさや形状、位置を決定することができる。従って、第2画面に関する制御を行う第2画面合成手段が可換あるいは複数個存在し得る構成において、第2画面合成手段がどのような第2画面を合成する場合であっても、第1画面生成手段の構成を変更する必要はない。このため、第1画面生成手段と第2画面合成手段とが、異なる製造者によって製造された後、表示制御システムとして組み立てられる構成等であっても本発明を容易に適用することができる。
【0060】
例えば、
図1に示す構成において、外部画像制御システム100が備える外部カメラの出力画像に着目すべきオブジェクトが現れることによって、合成条件が満たされた場合に、外部画像制御部200が第2画面合成部210aの処理により、特定の色の領域を示す情報(位置、大きさ、形状等を示す情報)をナビゲーション制御部20に対して出力する構成とする。ナビゲーション制御部20は、当該特定の色の領域を示す情報に基づいて、特定の色の領域を決定((位置、大きさ、形状等を決定)し、第1画面上に当該特定の色の領域を形成する。この後、ナビゲーション制御部20が、特定の色の領域を含む第1画面を示す情報を外部画像制御部200に対して出力することにより、第2画面合成部210aの処理によって指定された領域に第2画面が合成され、表示部400に表示されることになる。
【0061】
さらに、本発明のように、合成条件が満たされた場合に、透過部位を有していないアイコンと特定の色の領域とを第1画面上に配置し、第1画面上の特定の色の領域に第2画面を合成する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合や、複数の装置によって実現される場合が想定可能であり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような手段を備えたナビゲーションシステムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。