(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1および第2のローラの各々の前記接続部は、断面において円形の扇形を形成し、前記第1および第2のローラの各々の前記接続部によって形成された前記円形の扇形は、90°より小さい中心角を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の廃棄物処理装置。
前記第1および第2のローラのうちの少なくとも一方のローラの少なくとも端部は、第1および第2のフィルム部分の間に液体を捕らえるためのくぼみを備える請求項1から4のいずれか一項に記載の廃棄物処理装置。
前記第1および第2のローラのうちの少なくとも一方のローラの前記接続部は、第1および第2のフィルム部分の間に液体を捕らえるための複数のくぼみを前記第1および第2のローラの幅方向に備える請求項1から5のいずれか一項に記載の廃棄物処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[概要]
廃棄物を密封するための廃棄物処理装置が提供される。廃棄物処理装置は、通常、装置の上部において廃棄物を受け入れるように構成される。廃棄物処理装置は、カセットをさらに受け入れることができ、カセットは、廃棄物を包むためのフィルムを含んでいる。装置は、廃棄物受け入れ部の下方に第1および第2のローラを備え、第1および第2のローラの各々が、第1および第2の実質的に円柱形の端部と、両者の間の接続部とを備える。第1のローラの各々の端部は、第2のローラのそれぞれの端部と相互作用し、ローラの回転時にこれらの端部の間に第1および第2のフィルム部分の端部を受け入れ、これらのフィルム部分の端部を密着させる。ローラの接続部は、ローラが第1の回転形態にあるときに廃棄物を受け入れるための開口を定める。ローラは、フィルム部分の封止された端部の間で廃棄物を通すことのできる開口を有する状態で回転する。廃棄物が開口を通過した後、ローラの接続部同士が第2の回転形態において当接する。これにより、ローラは、すでに封止された端部の間で、第1および第2のフィルム部分をその長さ方向に密着させる。ローラは、包まれた廃棄物の上方および下方の両方においてフィルム部分を封じることができる。このようにして、廃棄物処理装置は、ローラを通過する廃棄物の周囲に効果的なシールをもたらす。
【0010】
さらに、フィルムを送り出すためのカセットが提供される。カセットは、第2の部位にヒンジで接続された第1の部位を備える。第1および第2の部位の各々は、フィルム送出装置(例えば、フィルムのロール)を収容する。カセットは、ヒンジによって第1および第2の部位を折り曲げ、あるいは広げることによって、第1のコンパクトな状態と第2の広がった状態との間で可動である。第1のコンパクトな(あるいは、折り曲げられた)状態において、フィルムのロールが互いに隣接する。第2の広がった(あるいは、折り曲げられていない)状態において、フィルムのロールは互いに隔てられ、その間に廃棄物を受け入れるための開口が定められる。このようにして、カセットは、第1のコンパクトな状態にあるときに容易に輸送および保管できる一方で、第2の広がった状態にあるときに第1および第2のフィルム送出装置の間に廃棄物を受け入れるための充分に大きい開口をもたらすことができる。
【0011】
[詳細な説明]
図1および2は、改善された廃棄物処理装置1を示している。廃棄物処理装置1は、蓋100と、上部200と、下部300とを備えている。下部300は、廃棄物処理装置1へと挿入される廃棄物を受け入れるための容器を形成する底部および周壁302を備えている。周壁302の上部304は、段部306を定めるように凹んでいる。
【0012】
下部300は、廃棄物を受け入れる周壁302に設けられた引き出しをさらに備えてもよい。ユーザが廃棄物処理装置1を空にするときに廃棄物へのアクセスを容易にするため、引き出しは下部300から取り出すことができる。
【0013】
上部200は、上面202および周壁204を備える。上部200の周壁204は、下部300の凹まされた上部304に被さり、段部306に当接して囲いを定める。
【0014】
[蓋]
蓋100は、蓋100の縁104に沿ったヒンジを介して上部200に回動可能に取り付けられたカバー102を備える。次に、蓋100を、
図3〜6Aを参照してさらに詳しく説明する。
【0015】
図3に目を向けると、カバー102は、リング106が位置する実質的に円形の切り抜き部を有している。リング106は、実質的に円形のディスクで構成され、カバー102の切り抜き部内で回転可能である。ハンドル108が、リング106の回転を容易にするためにリング106に設けられている。ハンドル108は、リング106に対して回転可能である。
【0016】
図5は、カバー102が省略された蓋100を示す。
図6は、
図5と同じ図を示しているが、さらにリング106およびハンドル108も省略されている。
【0017】
リング106は、カバー102の下面に設けられたリング支持部110上で回転する。リング支持部110は、おおむね円形かつ断面において実質的にU字形であり、このU字形は、内壁112および外壁114ならびに両者を接続する底部116によって定められている。外壁114は、リング支持部110をカバー102に固定するため、径方向外側へと広がるフランジ118を備えている。
【0018】
リング106は、その外周に、下方へと突き出すリップ120を有している。リング106のリップ120は、リング支持部110の底部116に当接し、リング支持部110の内壁112および外壁114によって囲まれ、リング106をリング支持部110内で中心に保つ。
【0019】
複数の歯122は、リング106のリップ120の周囲に設けられている。一実施形態において、ラチェット140は、リング支持部110の外壁114のフランジ118の円弧状のチャネル144に設けられ、リング106の一方向の回転を保証するためにリング106の歯122と協働する。リングの歯122は、やはりカバー102の下面のリング支持部110に設けられた平歯車126の外周を巡る外側の歯124と噛合する。平歯車126は、駆動軸538を受け入れ、内側の歯130によって駆動軸538と係合する貫通孔128を有している。
【0020】
スイッチ142により、ユーザは、廃棄物処理装置1が詰まった場合にラチェット140をリング106から切り離すことができる。
【0021】
ラチェット140は、ラチェット140の第1の端部において互いに接合された第1および第2のアーム146および148を備えている。第1および第2のアーム146および148は、互いに隣接して設けられ、互いに近付くか離れるように偏向可能である。第1のアーム146は、第2のアーム148よりも短い。第2のアーム148のうち、第1のアーム146の端部を越えてラチェット140の第2の端部に向かって延びる部位に、ラチェット歯が設けられている。
【0022】
ラチェット140は、円弧状のチャネル144において可動である。ユーザがリング106を第1の方向(
図6における時計方向)に回転させるとき、ラチェット140は、第1のアーム146とリング106の歯122との間の摩擦力によってスイッチ142から遠ざかるように円弧状のチャネル144に沿って引き摺られる。リング106の歯122とラチェット140の第1のアーム146との間の摩擦は、ユーザがリング106を回転させるときに知覚可能な抵抗を感じるほどには大きくない。
【0023】
ユーザがリング106を第2の方向(
図6における反時計方向)に回転させるとき、ラチェット140は、スイッチ142に向かって円弧状のチャネル144に沿って引き摺られる。スイッチ142は、下面に傾斜部を有している。スイッチ142の作動時、ラチェット140がスイッチに向かって引き摺られるとき、ラチェットの第2のアーム148がスイッチ142の傾斜部に当接する。ラチェット140がスイッチ142に向かってさらに引き摺られるとき、傾斜部によって第2のアーム148が第1のアーム146に向かって偏向させられ、ラチェットの歯がリング106の歯122に係合し、リング106の第2の方向へのさらなる回転が防止される。
【0024】
このようにして、スイッチ142の作動時、わずかな量の逆回転だけをリング106に加えることができ、機構における小さな妨害の克服をユーザに許容する。
【0025】
ユーザは、より大きな妨害に遭遇した場合に、スイッチ142を解放することができる。スイッチ142が解放されるとき、傾斜部はラチェット140の経路から離れるように向けられ、したがってリング106が第2の方向に回転させられるときにラチェット140の第2のアーム148がスイッチ142の傾斜部に当接することがなく、リング106の自由な回転が可能である。
【0026】
あるいは、さらに詳しく後述されるとおり、ラチェット機構を廃棄物密封機構500に設けることができる。
【0027】
あるいは、平歯車126は、
図6Aに示されるようなスリップ装置152を代わり備えてもよい。スリップ装置152は、例えば廃棄物密封機構500が動かなくなる場合、あるいは詰まった場合に、過度のトルクが廃棄物密封機構500へと加わることを防止する。
【0028】
スリップ装置152は、内側平歯車154および外側スリップ歯車156を備える。外側スリップ歯車156は、内側平歯車154が設けられる貫通孔を備えており、内側平歯車154および外側スリップ歯車156が、互いに同心かつ同じ平面内に位置する。内側平歯車154は、平歯車126に関して上述したように、駆動軸538を受け入れ、内側の歯130によって駆動軸538と係合する孔128を備えている。リングの歯122と協働する上述の外側の歯124が、外側スリップ歯車156の外周を巡って設けられている。
【0029】
複数の丸みを帯びた歯158は、内側平歯車154の外周を巡って設けられている。外側スリップ歯車156は、外側スリップ歯車156から径方向内側へと延びる一以上の可撓アーム160を備えている。可撓アーム160の自由端は、内側平歯車154の丸みを帯びた歯158のうちの二つの間に受け入れられており、外側スリップ歯車156の回転によって内側平歯車154の回転が生じる。しかしながら、外側スリップ歯車156に過度のトルクが加わる場合には、可撓アーム160が曲がり、丸みを帯びた歯158のうちの一以上を乗り越えて滑る。したがって、過度のトルクがスリップ装置152を通じて駆動軸538へと伝えられることがない。
【0030】
可撓アーム160について、丸みを帯びた歯158を乗り越えて滑らせるトルクの大きさを、滑りを生じさせるために必要な可撓アーム160の曲がりの量を必要に応じて減らし、あるいは増やすように、丸みを帯びた歯158に係合する可撓アーム160の数を変更する、可撓アーム160の材料または寸法を適切に選択することによって可撓アームの剛性を変える、あるいは丸みを帯びた歯158の深さまたは形状を変えるなど、いくつかの方法で所望のとおりに調節することができる。
【0031】
[上部]
次に
図7に目を向けると、廃棄物処理装置1の上部200の上面202は、着脱式のインサート206が設けられる開口220を有する。着脱式のインサート206は、ファンネル部208と、装置へと挿入される廃棄物を通過させることができる開口210を備えている。
【0032】
上面202および着脱式のインサート206は各々、駆動軸538を通すそれぞれの孔213、215を備えている。さらに、上面202および着脱式のインサート206は各々、蓋100の固定板132を通すそれぞれのスロット216、218を備えている。駆動機構およびロック機構は各々、さらに詳しく後述される。
【0033】
図8に最もよく示されるとおり、上部200は、壁204の内面に第1の棚212を備えている。
図9に示されるように、第2の棚214が、第1の棚212に実質的に向かい合うように壁204の内面に設けられている。第1および第2の棚212および214は、交換式のカセット400を支持することができる。
【0034】
[カセット]
図10は、上部200(図示されていない)内に設けられる交換式のカセット400および廃棄物密封システム500を示している。次に、交換式のカセット400を、
図11〜23を参照して詳しく説明する。
【0035】
図11に示されるとおり、交換式のカセット400は、ヒンジ406、408によって互いに回動可能に取り付けられた二つの実質的に同一の部位402、404を備えている。以下の説明が一方の部位に言及する場合、実施形態に応じて、他方の部位も実質的に同一の特徴を備えることを、理解できるであろう。
【0036】
部位402は、上面416と、第1の側壁418と、第2の側壁420とを備える。第1の側壁418は、上面416の第1の縁からぶら下がり、第2の側壁420は、第1の縁とは反対側の上面416の第2の縁からぶら下がっている。
【0037】
第1のヒンジ406は、第1の側壁418に設けられ、第2のヒンジ408は、第2の側壁420に設けられている。第1のヒンジ406は、第1の側壁418から外側へと突き出した円形クリップを備えている。第2のヒンジ408は、第2の側壁420の対応する円形の開口を備えている。組み立ての際に、第1の部位402の第1のヒンジ406のクリップが、第2の部位404の第2のヒンジ408の開口に挿入され、第2の部位404の第1のヒンジ406のクリップが、第1の部位402の第2のヒンジ408の開口に挿入され、カセット400が形成される。
【0038】
第1および第2の部位402および404の第1および第2のヒンジ406および408により、第1の部位402を、
図12に示される状態へと第2の部位404に対して回転させることができる。
図17Aおよび17Bのそれぞれは、折り畳まれていない状態および折り畳まれた状態のカセットについて、
図15に示した線A−Aによる断面図を示している。
図17Aおよび17Bは、第1および第2の部位402および404の側壁418および420の内面を示している。
【0039】
図17Bに最もよく見られるように、第1の側壁418は、第1の当接部422を備えている。カセットが
図17Aに示されている折り曲げられていない状態にあるとき、第1の当接部422が、ヒンジ406および408の間を延びている上面416の第3の縁に当接し、第1の部位402が第2の部位404に対して折り曲げられていない状態を越えて過度に回転することを防止する。
【0040】
図17Aに最もよく見られるように、第2の当接部424が、上面416からぶら下がっている。カセットが
図17Bに示されている完全に折り曲げられた状態にあるとき、第2の当接部424が、第1の側壁418の下縁に当接し、第1の部位402が第2の部位404に対して完全に折り曲げられた状態を越えて過度に回転することを防止する。
【0041】
図11に示されるとおり、着脱式のインサート206のファンネル部208により案内されて廃棄物が通過する開口410が、互いに取り付けられたときの第1および第2の部位402および404によって定められるように、上面416は、第3の縁に沿った切り抜き部を有している。
【0042】
各々の部位402、404は、フィルムのロール412を保持している。フィルムのロール412は、第1および第2のそれぞれの側壁418および420の内面の支持部426および428によって回転可能に支持されている。
図17Aを参照すると、フィルムのロール412は、筒436の周囲に巻き付けられたある長さのフィルム434を備えている。
図15に示されるとおり、筒436は、筒436の(長手)軸方向において、巻き付けられたフィルム434の縁よりも突き出している突出部438を備えている。
【0043】
図17Aに示されるとおり、第1の支持部426は、第1の側壁418の内側から突き出している十字(+)形を備えている。十字の幅は、筒436の内径よりも小さい。第2の支持部428は、
図17Aに示されている内側部分430と、
図15および16に示されている外側部分432とを備えている。内側および外側部分430および432は、第2の側壁420の内側から突き出しており、半円形の断面である。内側部分430の外径は、筒436の内径よりも小さく、外側部分432の内径は、筒436の外径よりも大きい。内側部分430は、外側部分432と正反対に設けられている。
【0044】
第1の支持部426と、第2の支持部428の内側部分430とが、筒436の端部の内側にはまり込み、フィルムのロール412を支持する。第2の支持部428の外側部分432が、筒436の突出部438の外側に被さることで、フィルムのロール412を逆さまに挿入することによるカセット400の不適切な組み立てを防止する。
【0045】
カセット400の組み立て後に、
図11に示されるように、第1および第2の側壁418および420の端部からぶら下がるタブ440が、上面416の第4の縁に取り付けられる。タブ440は各々、突出するクリップを備え、上面416の第4の縁が、対応する孔を備えている。タブ440は、クリップを孔に挿入することによって上面416へと固定される。タブ440は、カセット400の剛性を向上させる。カセット400の組み立て前は、タブ440は上面416に取り付けられていない。これは、フィルムのロール412を第1および第2の支持部426および428に組み込むことができるように、第1および第2の側壁418および420を上面416から外方向にたわませることを可能にする。フィルムのロール412が取り付けられた後、タブ440が上面416の第4の縁へと取り付けられ、フィルムのロール412をカセット400内に固定する。
【0046】
カセットの剛性は、構造部品のうちのいくつかを強化することによってさらに高められる。例えば、上面416および/または上面416の第4の縁からぶら下がる壁が、わずかにドーム形となるようわずかな湾曲を有することができる。わずかな湾曲は、カセットの部位402および404に剛性を付加する。
【0047】
フィルムのロール412は、
図17Aに矢印442によって示されるように、フィルム434が上面416に近いロール領域から上面416の第3の縁へと向かう方向にロール412から取り出されるように、カセット400内に配置される。
【0048】
各々のロールにおけるフィルム434の外面は、第1のロール412のフィルム434の外面が第2のロール414のフィルム434の外面に押し付けられるときにフィルム同士が接着するよう、接着剤を有している。
【0049】
あるいは、フィルムのロール412を、カセット400において、フィルム434が上面416から遠いロール領域から上面416の第3の縁へと向かう方向にロール412から取り出されるように向けることもできる。この構成においては、各々のロールのフィルム434の外面ではなくて内面が、接着剤を有する。この構成によれば、フィルムが不適切な表面に貼り付くことがないようにロールを梱包することができる。
【0050】
カセット400の組み立ての最中(または、直後)に、第1の部位402のロール412のフィルム434の端部を、第2の部位404のロール412のフィルム434の端部へと接着することができる。すなわち、カセット400が廃棄物処理装置1において使用されているとき、さらに後述されるように、廃棄物が開口410を通って挿入されるときに、廃棄物は、フィルム434に接触してフィルム434をロール412から引き出す。
【0051】
フィルム434のロールが尽きるとき、ユーザは、廃棄物処理装置1のカセット400の交換を望んでもよい。
図18〜23を参照して次に説明されるように、上述のカセット400を折り曲げる動作によって、廃棄物処理装置1のカセット400を取り外して交換することができる。
【0052】
カセット400を廃棄物処理装置1へと挿入するための工程を説明する。しかしながら、実質的に同じ工程が、廃棄物処理装置1からカセット400を取り外すために逆順で適用されることは、読者にとって明らかであろう。
【0053】
カセット400を廃棄物処理装置1へと挿入するために、最初に蓋100が開かれ、着脱式のインサート206が取り外され、上部200の上面202の開口220が露出される。開口220および折り曲げられた状態のカセット400の相対的な寸法は、カセット400が
図18に示されるように開口220を通って挿入できるような寸法である。
図19に示されるとおり、カセット400が開口220を通って挿入されるとき、第1および第2の側壁418および420の下縁が、上部200の第1および第2の棚212および214に当接する。
【0054】
次いで、
図20に示されるように、カセットを折り曲げられていない状態にするために、下向きの圧力がユーザによってカセット400の第1および第2のヒンジ406および408の上部へと加えられる。これにより、カセット400が
図22および23に示されている折り畳まれていない状態に達するまで、第1および第2の側壁418および420の下縁が、
図21に示されるとおり、第1および第2の棚212および214に沿って側方へと滑る。
【0055】
図23に示されるとおり、カセット400が廃棄物処理装置1へと挿入されるとき、カセット400は、上部200の第1および第2の棚212および214によって支持される。
【0056】
カセット400を取り外すために、ユーザは、当接部422を使用してカセット400を上方へと引き出してもよく、これにより、カセット400は、開口220を通じて取り外すことができるように、自重のもとで折り畳まれた状態へと折り畳まれる。
【0057】
別のカセット900が、
図42および43に示されている。この別のカセット900は、上述のカセット400と同様の方法で機能する。この別のカセット900は、上面916がフィルムのロール912を包み込むように凹状に湾曲している点で、カセット400から相違する。この湾曲した上面916は、カセット900の強度および剛性を向上させ、製造するのが容易であり、ユーザにとって廃棄物処理装置への取り付けがより容易である。
【0058】
この別のカセット900は、フィルムのロールの端部を支持するための第2の支持部928を有している。第2の支持部928の各々は、上述のカセット400の第2の支持部428と同様の半円形の内側部分および半円形の外側部分を備えている。
【0059】
カセット400の十字形の第1の支持部426の代わりに、この別のカセット900は、芯ロック927を受け入れる孔926を備えている。
【0060】
この別のカセット900にフィルムのロール412を組み込むために、フィルムのロール412の筒438の第1の端部が、第2の支持部928へと配置される。上述のように、筒436の第1の端部は、フィルムのロール412を正しい向きでなければカセット900へと取り付けることができないように保証する突出部438を備えている。次いで、フィルムのロール412は、筒436の第2の端部がカセット900の孔926とほぼ同心に位置するように、カセット900内に調整される。最後に、芯ロック927が、カセット900の孔926を通ってフィルムのロール412の筒436に受け入れられ、これにより、フィルムのロール412をカセット900内に固定する。
【0061】
上述の組み立て方法によれば、フィルムのロールをカセット900へと組み込むためにカセットのフレームを変形させる必要がないため、堅固かつ構造的に安全なフレームをカセット900に使用することができる。
【0062】
さらに別のカセットは、上述の実施形態の機械的なヒンジ406、408または906、908を、別の可動要素で置き換えることができる。例えば、カセットの実質的に同一な二つの部位(402、404または902、904)の間で、これらの部位と一体になる薄い可撓なプラスチック製のブリッジを備える、連続ヒンジ(live hinge)である。このようなヒンジは、カセット全体を単一のプラスチック部品として成形して組み立て時間を短縮できるという追加の利点を有するとともに、カセットを廃棄物処理装置に取り付ける際に、曲げたり曲げ戻したりする(例えば、折り畳まれた状態または折り畳まれていない状態へと向かう付勢する)ための本質的な要求を具備して成形できるという、さらなる利点を有することができる。
【0063】
別のカセット900は、選択的に、(
図42に示される向きにおいて)カセット900の中央であって、実質的に同一な二つの部位902、904の間を通って鉛直方向に突出する先導カード946を備える。先導カード946は、実質的に平坦であり、カセット900の第1および第2のヒンジ906、908の間を延びている。フィルムのロール912の各々の端部が、タブ948を含む縁に沿って先導カード946の両面に貼り付けられる。
【0064】
カセット900は、カセット400と同じ方法で廃棄物処理装置へと取り付けられる。カセット900が廃棄物処理装置へと挿入された後で、先導カード946を、ユーザによって廃棄物密封機構へと押し込むことができ、次いで廃棄物密封機構を1サイクルだけ動作させることによって、ローラ600、602によって廃棄物密封機構を通して引き出すことができる。先導カード946の孔950が、先導カード946がローラ600(その機構は、さらに詳しく後述される)を通過するときにフィルムの二つのロール912の間に確実な接着が形成されることを保証する。このようにして、カセット900を最初に使用する前にユーザがフィルムのロール912の端部を手作業で貼り合わせる必要性が回避される。さらに、先導カード946は、初期の送り動作によってフィルム912の端部が最小限のひずみで全幅にわたって密着することを保証し、その結果、フィルム912が密封機構に対して最適な配置となり、したがってすぐに廃棄物を受け入れることができるようになる。
【0065】
さらに、先導カード946の前縁にあるタブ948がローラ上の受入機構に配置されるように使用することで、フィルムがローラ600、602に対して正しい位置に調整させるようにユーザを手助けすることが有益であるかもしれない。そのような受入機構は、ローラ600、602の表面に成形される後述の液体捕捉用のくぼみと同様のくぼみ(ただし、形状はタブ948の形状により正確に適合するように調節されてよい)であってよい。
【0066】
カセットの設計400または900にかかわらず、各々のロールから送り出されるときにフィルム片が真っ向から接触し、その結果、最大の重なり合いを確保して最小限の横ひずみで封止するように、フィルムのロールがそれぞれの芯に沿って配置されなければならないことに注意すべきである。
【0067】
フィルムおよびローラの素材の一部の組み合わせにおいては、静電気の蓄積によってフィルムの前縁が一方のローラにくっつき、廃棄物保管装置の下部へと垂れ下がる代わりに、ローラの周囲に巻き付く可能性がある。これが問題となる場合、下部または取り外し可能な引き出しは、ローラからフィルムの前縁を取り除くことを確保するために、例えばフックなどの適切な装置を含んでもよい。
【0068】
[廃棄物密封機構]
次に、廃棄物密封機構500を、
図24〜32を参照して説明する。
【0069】
廃棄物密封機構500は、フレーム502内に収容されている。フレーム502は、比較的長い第2および第4の両側壁508および510によって接続された比較的短い第1および第3の両側壁504および506を備えている。
図25は、フレーム502および上部200について、
図24に示した線B−Bに沿った断面図を示している。
【0070】
図24に示されるように、フランジ512は、
図25に示されるようにフレーム502を上部200の面202の下面からぶら下がる壁222へと固定するために、第2および第4の側壁508および510の上縁から延びている。
【0071】
あるいは、
図25Aおよび25Bを参照すると、フレーム502は、第1の部位568および第2の部位570を備える。上述のフランジ512の代わりに、第1の部位568は、例えばねじによってフレームを上部200の上面202の下面へと取り付けるためのポスト566を備える。第2の部位570は、
図25Bに示されるようにねじ572によって第1の部位568へと取り付けられる。
【0072】
この実施形態の組み立ての際には、フレーム502の第1の部位568が逆さまに置かれ、詳しくは後述される廃棄物密封機構の種々の構成要素が、
図25Aに示されるように第1の部位568へと組み込まれる。廃棄物密封機構の構成要素が第1の部位568に取り付けられた後で、第2の部位570は、
図25Bに示されるように廃棄物密封機構の構成要素を所定の場所に固定するために第1の部位へと取り付けられる。
【0073】
最後に、組み立てられたフレーム502は、ポスト566によって上部200の上面202へと取り付けられる。このように、この実施形態においては、フレーム502が壁222には固定されない。
【0074】
図26Aに示されるとおり、駆動軸514および被駆動軸516は、フレーム502の第1および第3の壁504および506の間に回転可能に取り付けられている。軸514、516は、フレーム502の第2および第4の側壁508および510に実質的に平行に長手方向に延びている。第3の壁506の内面は、その内面から内側へと突出する取り付けバー518を有している。取り付けバー518は、駆動軸514の第2の端部を受け入れる第1の切り欠き部520を有している。取り付けバー518は、ブロック524が摺動可能に取り付けられる第2の切り欠き部522を有している。被駆動軸516の第2の端部は、ブロック524の開口へと収容される。ばね526は、ブロック524(したがって、被駆動軸516)を駆動軸514に向かって付勢するために、圧縮された状態で切り欠き部522の内面とブロック524の外面との間に設けられている。
【0075】
図26Bに示されるとおり、駆動軸514および被駆動軸516の第1の端部は、同様の方法でフレーム502の第1の壁504へと取り付けられる。第1の壁504の内面は、上述の取り付けバー518の第1および第2の切り欠き部520および522と同様の第1および第2の切り欠き部530および532を有する取り付けバー528を有している。駆動軸514の第1の端部は、第1の切り欠き部530に受け入れられ、第2の切り欠き部532には、被駆動軸516の第1の端部が受け入れるブロック534が摺動可能に取り付けられる。第2の切り欠き部532に圧縮された状態で配置されるばね536は、ブロック536および被駆動軸516を駆動軸514に向かって付勢する。
【0076】
図26Aおよび26Bに示されるとおり、第1の壁504および取り付けバー528のうちの被駆動軸514を受け入れる部位は、第1の壁504および取り付けバー528のうちの駆動軸516を受け入れる部位よりも外側へとずれている。したがって、駆動軸514は、被駆動軸516よりも長い。
【0077】
図28を参照すると、廃棄物密封機構500は、駆動シャフト538と、ウォーム歯車540と、ホイール歯車542と、駆動歯車544と、被駆動歯車546とをさらに備える。
【0078】
図7に示されるように、駆動シャフト538は、すでに説明したように、廃棄物密封機構500から上部200の面202の開口213および着脱式のインサート206の開口215を通って上方へと突き出している。駆動シャフト538は、
図26Bに示されるようにフレーム502の筒状のケーシング548に回転可能に取り付けられている。
【0079】
図27に示されるように、平歯車126(または、スリップ装置152の内側平歯車154)の下面は、筒状の突出部134を有している。平歯車126(または、スリップ装置152の内側平歯車154)の孔128は、筒状の突出部134を貫いて延びている。廃棄物処理装置1の蓋100が閉じられるとき、駆動シャフト538の上端は、孔128によって筒状の突出部134へと収容される。駆動シャフト538の外面に位置する駆動シャフトの歯550は、平歯車126(または、スリップ装置152の内側平歯車154)の内面に位置する内側の歯130と協働し、駆動シャフト538が平歯車126(または、スリップ装置152の内側平歯車154)と一緒に回転する。
【0080】
図28に戻り、駆動シャフト538の下端は、ウォーム歯車540へと接続されている。
【0081】
ホイール歯車542は、駆動軸514の第1の端部に取り付けられ、駆動軸514と一緒に回転する。ホイール歯車542のホイール歯車の歯は、ウォーム歯車540の回転によってホイール歯車542の回転が生じるように、ウォーム歯車540のウォーム歯車の歯と協働する。ホイール歯車は駆動軸514に取り付けられているため、ホイール歯車542の回転により駆動軸514の回転が生じる。
【0082】
さらに、駆動歯車544は、ホイール歯車542と同軸に駆動軸514に取り付けられている。したがって、ホイール歯車542または軸514の回転によって、駆動歯車544の回転が生じる。
【0083】
図28に見られるとおり、ホイール歯車542は、本体574およびホイール歯車キャップ576を備えている。本体574は、駆動歯車544と一体であり、ホイール歯車キャップ576は、本体574へと取り付けられている。ホイール歯車キャップの歯は、本体574へと取り付けられたホイール歯車キャップ576の端部において本体の歯に整列し、ウォーム歯車540の曲率に一致するように形成されている。
【0084】
組み立ての際に、ウォーム歯車540が、駆動歯車544およびホイール歯車542の本体574の傍らに設置され、次いでホイール歯車キャップ576が、本体574へと取り付けられる。このように、ホイール歯車542が二つの部分からなる構成であることで、ウォーム歯車540およびホイール歯車542の可能な限り最良の噛合を保証しつつ、フレーム内の利用可能な小さな空間において、ホイール歯車542をウォーム歯車540とともに組み立てることができる。
【0085】
被駆動歯車546は、被駆動歯車546の被駆動歯車の歯が駆動歯車544の駆動歯車の歯と協働するように、被駆動軸516に取り付けられる。したがって、駆動歯車544の第1の方向の回転により、被駆動歯車546および被駆動軸516の第2の反対の方向の回転が生じる。
【0086】
動作時、廃棄物処理装置1の蓋100が閉じられた状態で、ユーザがハンドル108によってリング106を回転させることで、平歯車126を回転させる。平歯車126の回転によって、駆動シャフト538およびウォーム歯車540の回転が生じる。回転するウォーム歯車540によってホイール歯車542が駆動され、結果として駆動軸514および駆動歯車544が第1の方向に回転する。駆動歯車544の回転は、被駆動歯車546、したがって被駆動軸516を、第2の反対の方向に回転させる。
【0087】
図29に示されるとおり、第1のローラ600は、駆動軸514に取り付けられ、第2のローラ602は、被駆動軸516に取り付けられている。
図29においては、フレーム502の一部が省略されている。第1および第2のローラ600および602は、実質的に同一である。次に、第1のローラ600を説明するが、以下の説明が第2のローラ602にも同様に当てはまることを、理解できるであろう。
【0088】
第1のローラ600は、接続部608によって接続された第1および第2の実質的に円柱形の端部603および605を備えており、接続部608は、ローラ600の中心(回転)軸からずらされている。断面において、接続部608は、90°未満の中心角度を有する実質的に円形の扇形(circular sector)を形成している。中心軸は、金属棒を備え、ローラ600の中心(回転)軸を通って設けられている。中心軸は、後述の廃棄物密封処理の際にローラ600に剛性をもたらす。あるいは、接続部608は、さらに詳しく後述されるように、第1および第2のローラ600および602の間により大きな最大サイズの開口606をもたらすために、ローラ600の中心(回転)軸から径方向に変位してもよい。
【0089】
ローラ600の第1および第2の実質的に円柱形の端部603および605、ならびに接続部608の径方向外側の部分は、可撓な弾性材料610によって覆われている。フレーム502の第3の壁506の取り付けバー518の第1および第2の切り欠き部520および522、ならびにフレーム502の第1の壁504の取り付けバー528の第1および第2の切り欠き部530および532は、駆動軸514および被駆動軸516に取り付けられたときに第1のローラ600の材料610がばね526および536によって第2のローラ602の材料610に押し付けられるよう、ローラ600の直径にほぼ等しい距離だけ離れている。
【0090】
ローラ600を覆っている材料610が可撓かつ弾性的であるがゆえに、ローラ600の表面は、ローラ600が回転するときにフィルム343をつかんで引っ張ることができる。
【0091】
駆動歯車544および被駆動歯車546の歯元円の半径(すなわち、歯の間の谷へと測定したときの歯車の半径)は、第1のローラ600の材料610が第2のローラ602の材料610に接触できるように、材料610を含むローラ600の半径よりも小さい。駆動歯車544および被駆動歯車546の歯元円からの歯の突出の距離は、駆動歯車544および被駆動歯車546の歯が噛合できるよう、材料610を含むローラ600の半径よりも大きい。
【0092】
動作時、ユーザが廃棄物処理装置1の蓋100を開き、廃棄すべき廃棄物を開口210を通じて着脱式のインサート206へと挿入する。着脱式のインサート206のファンネル部208が、カセット400の開口410の中央に向かって廃棄物を案内する。
【0093】
廃棄物は、ユーザによって開口210、410を通って落とされ、ローラ412から引き出されたフィルム434に接触し、
図29に示されるようにプラットフォームを形成している第1および第2のローラ600および602の接続部608上に位置する。廃棄物は、フィルム434によって第1および第2のローラ600および602の各々から隔てられている。
【0094】
廃棄物が第1および第2のローラ600および602の接続部608によって形成されるプラットフォーム上に位置しているときに、ユーザは、蓋100を閉じる。次いで、ユーザは、ハンドル108を使用してリング106を回転させ、第1および第2のローラ600および602を
図29〜32に示される状態を経て回転させる。リング106、平歯車126、ウォーム歯車540、およびホイール歯車542の歯車比は、リング106の360°の回転により第1および第2のローラ600および602の各々について360°の回転を生じさせるような歯車比である。
【0095】
第1および第2のローラ600および602が
図29に示される状態から
図30に示される状態へと90°回転するときに、それぞれのロール412からのフィルム434の二つの層が、ばね526および536によって押し付けられている第1および第2のローラ600および602の円柱形の端部を囲んでいる材料610によって、互いに押し合わされ、廃棄物処理装置1の下部300に向かって引っ張られる。ばね526、536によって第1および第2のローラ600および602を囲んでいる材料610を介してフィルム434の層に加えられる力が、フィルム434の層の表面の接着剤を有効にするために充分であるように、ばね526、536は選択される。したがって、フィルム434の二つの層が互いに押し合わせられたときに、これらは互いに接着し、廃棄物の下方にシールが形成され、新たに密封される袋の底が生成される。
【0096】
第1および第2のローラ600および602が
図30に示される状態から
図31に示される状態へとさらに90°回転するとき、フィルム434の二つの層および廃棄物は、下部300に向かってさらに引き込まれ、第1および第2のローラ600および620の間に廃棄物が落下する開口606が形成される。このようにして、フィルムの二つの層が互いに押し合わせられることで、廃棄物の両側にシールが形成され、密封される袋の側方が生成される。
【0097】
第1および第2のローラ600および602が
図31に示される状態から
図32に示される状態へとさらに90°回転するとき、フィルム434がロール412からさらに引き出され、廃棄物が下部300に向かってさらに移動する。廃棄物がフィルム434ともに下部300に向かって引き込まれるとき、第1および第2のローラ600および602の各々の接続部608は、好ましくは廃棄物を圧縮することなく、廃棄物を囲んで回転する。
【0098】
最後に、第1および第2のローラ600および602が、
図32に示される状態からさらに90°回転し、廃棄物処理装置1は、次の廃棄物を受け入れる準備ができた
図29に示される状態へと戻る。第1および第2のローラ600および602がこの最後の状態を経て回転するときに、第1のローラ600の接続部608の径方向外側の表面に位置する材料610が、フィルム434の二つの層を介して第2のローラ602の接続部608の径方向外側の表面に位置する材料610と接触し、フィルム434の二つの層を押し合わせて、廃棄物の上方のシールを形成する。今や廃棄物の周囲に完全なシールが形成されている。これにより、廃棄物の周囲に完全に密封された袋が生み出されるとともに、次の廃棄物を挿入することができる新たに密封される袋の底部も形成される。
【0099】
図25Aおよび25Bに示されるように、各々のローラ600、602を覆っている材料610は、第1および第2の実質的に円柱形の端部603および605を覆っている材料610の部位に、一以上のくぼみ612を備えてもよい。ローラ600、602が廃棄物処理システムに取り付けられるとき、第1のローラ600の材料610のくぼみ612の各々は、第2のローラ602の材料610のくぼみ612と対にされる。くぼみ612の対がローラ600、602が回転するときに整列することで、上述の密封される袋の周囲において、フィルム434の二つの層の間に密封されたポケットを生成する。このようにして、くぼみ612は、廃棄物の密封処理の際に廃棄物から漏れる可能性がある液体を捕らえて密封する。必要であれば、廃棄物の密封処理の際にフィルム434の二つの層が接触する領域に沿ったいずれかの場所に集まる液体を捕らえて密封するように、ローラ600、602に沿った軸方向の列としてくぼみ612の対を配置してもよい。
【0100】
あるいは、ローラ600、602は、被覆の材料610を備えなくてもよい。この場合、ローラ600、602は、ローラ600、602の表面に直接形成されたくぼみを備えてもよい。
【0101】
各々のローラ600、602を覆う材料610は、上述のくぼみ612に関して説明したように、第1および第2のローラ600および602にわたって対にされうる突起を備えてもよい。材料610の突起は、ローラ600、602の間で圧縮されるときにフィルム434の層に追加の封止力を加える。
【0102】
一実施形態において、上述したような蓋100に設けられるラチェット140の代わりに、駆動歯車544にラチェット機構を設けてもよい。この実施形態においては、
図32A〜32Cに示されるように、ラチェットアーム560が、駆動歯車544の歯元円の外周から突き出しているリム554に設けられる。リム554のうちのラチェットアーム560を形成している部位は、
図32Bに示されるように駆動歯車544に直接的には固定されておらず、駆動歯車544の中心軸に向かって径方向内側に自由にたわむことができる。
【0103】
ラチェットアーム560の自由端は、当接部562を備えている。ラチェットアーム560の傾斜部564は、ラチェットアーム560がリム554へとつながっているラチェットアーム560の固定端から当接部562の先端へと径方向外側に傾斜している。
【0104】
動作時、廃棄物密封機構500が
図29〜32に関して上述したサイクルの終わりに達するとき、傾斜部564は、取り付けバー528の縁に当接する。駆動歯車544がさらに回転するにつれ、傾斜部564は取り付けバー528の縁を滑り、ラチェットアーム560を径方向内側へと変形させる。駆動歯車544がさらにもっと回転するとき、当接部562は取り付けバー528の縁を過ぎ、ラチェットアーム560が
図32A〜32Cに示されるニュートラルな位置へと復帰する。
【0105】
ラチェットアーム560がニュートラルな位置へと復帰(すなわち、
図29のとおり)すると、当接部562は取り付けバー528の縁に当接し、駆動歯車544の逆回転を妨げる。したがって、ユーザは、一サイクルの間に廃棄物密封機構500を両方向に回転させることができるが、いったんそのサイクルが完了すると逆回転が妨げられる。
【0106】
一実施形態において、第2のホイール歯車は被駆動軸516に取り付けられ、ウォーム歯車540は、ホイール歯車542および第2のホイール歯車をそれぞれ介して駆動軸514および被駆動軸516の両方を駆動するように、駆動軸514と被駆動軸516との間に配置される。そのような構成は、被駆動軸516をより効率的に駆動できるが、ローラ600、602を介してフィルム434へと加えることができる封止の圧力を制限しうる。
【0107】
廃棄物処理装置1が一杯になったときにフィルム434を切断するために、下部300に切断機構を設けてもよい。切断機構は、カッタースライダ本体と、カッタースライダレールとを備える。動作時、カッタースライダ本体がカッタースライダレールを横切るように引き出され、フィルム434の縁は、フィルム434を切断するように狭くなるチャネルの端部に位置する刃に向かって案内される。
【0108】
切断機構は、上述の下部300の引き出しの内面に配置してもよい。ユーザが引き出しを開くときにフィルム434がカッタースライダレールリーダへと引っ張られ、カッタースライダ本体によって切断されるように、切断機構を引き出しの背に配置してもよい。
【0109】
あるいは、
図44aに示されるとおり、フィルムを容易に裂くことができる場合、廃棄物処理装置は、ノッチ1001または適度に鋭い縁に向けてフィルムを引っ張ってフィルムに傷をつけることにより、ユーザがフィルムを裂き始めることができるように成形される機構を含んでもよい。
【0110】
別の駆動機構1000が
図44および45に示される。この別の駆動機構1000において、ユーザは、ローラ600、602を回転させるために制御ノブ1002にねじる力を加える。制御ノブ1002の回転により、駆動軸1038を回転させる。駆動軸1038の回転は、かさ歯車1040を介して第2の駆動軸1042へと伝えられる。第2の駆動軸1042は、駆動歯車1044に噛合する歯車1048を駆動する。上述した方法と同様の方法に、駆動歯車1044は、第1のローラ600を駆動するとともに、第2のローラ1048を駆動する被駆動歯車1046に噛合する。理想的には、制御ノブ1002の1回転によって、ローラ600、602の正確に1回転がもたらされる。
【0111】
この別の駆動機構1000は、制御ノブ1002とかさ歯車1040との組み合わせがきわめて効率的な伝達であるために他の駆動機構と比べて動作において必要なトルクが小さく、さらに、低い変速比の歯車装置は高い変速比の歯車機構よりも静穏であるため、駆動機構の操作を容易にする。
【0112】
さらに
図45は、
図26Aおよび26Bに示して上述した駆動機構500のばね526、536およびブロック524、534の代替案も示している。駆動機構1000は、1対のV字形ばね1026、1036を備えている。V字形ばね1026、1036の各々の一端はフレーム1004へと取り付けられ、他端は被駆動軸1016に駆動軸1014へと向かう方向の力を加え、これにより、被駆動歯車1046および駆動歯車1044がしっかりと噛合し、フィルムがローラ600、602の間で圧縮されることを保証する。
【0113】
図46は、キャップが取り除かれた状態の制御ノブ1002を示している。制御ノブは、例えば廃棄物密封機構1000が動かなくなり、あるいは詰まった場合に、廃棄物密封機構1000に過度のトルクが加わることを防止する
図6Aに関して上述したスリップ装置152と同様のスリップ装置1052を備えている。
【0114】
制御ノブ1002は、制御部1006およびハブ部1008を備えている。制御部1006およびハブ部1008の両者は、駆動シャフト1038と同軸である。ハブ部1008が、ハブ部1008の回転によって駆動シャフト1038の回転が生じるように、駆動シャフト1038へと接続される。接続は、任意の公知の方法によって達成することができるが、本発明の発明者は、「D字」形の断面を有する駆動シャフト1038と、ハブ部1008に位置する称賛の形状の受け入れ手段と、を使用することが、有用であることを見い出した。制御部1006は、駆動シャフト1038の周囲を自由に回転できるよう、駆動シャフト1038には接続されていない。
【0115】
ハブ部1008は、平歯車1054を備え、制御部1006は、滑り歯車1056を備えている。平歯車1054の外周を巡って複数の丸みを帯びた歯が設けられており、滑り歯車1056は、滑り歯車1056から径方向内側へとぶら下がる一以上の可撓アーム1060を備えている。可撓アーム1060の自由端は、制御部1006および滑り歯車1056の回転によって平歯車1054、ハブ部1008、および駆動シャフト1038の回転が生じるように、平歯車1054の丸みを帯びた歯のうちの二つの間に受け入れられている。しかしながら、過度のトルクが滑り歯車1056へと加わる場合には、可撓アーム1060が曲がり、平歯車1054の丸みを帯びた歯の一以上を滑って乗り越える。したがって、過度のトルクが滑り歯車1056を通じて駆動シャフト1038へと伝えられることはないであろう。
【0116】
さらに、ハブ部1008は、ローラ600、602の相対位置の表示器として機能する切り欠き1082を外周に備えている。ハブ部1008の回転はローラ600、602の回転に固定されており、ユーザが廃棄物の密封のサイクルをどこまで進めたかを観察できるように、切り欠き1082がハブ部の外縁に設けられる。通常の使用において、切り欠き1082は、ユーザがローラ600、602を動作させるべく制御ノブ1002を回転させるときに、制御ノブ1002と一緒に移動する。しかしながら、スリップ装置1052の作動時には、ローラ600、602、ハブ部1008、および切り欠き1082の全てが動きを止める。ユーザは、廃棄物の密封のサイクルを続ける前に、例えばローラを逆回転させ、あるいは障害物を取り除くことによって、滑りの原因に直ちに対処することができ、ローラ600、602の相対位置に関して常に切り欠き1082の位置を参照することができるであろう。
【0117】
さらに制御ノブ1002は、
図47〜49を参照して説明されるラチェットシステム1060を備えている。
【0118】
ラチェットシステム1060は、ラチェットシステム1060において爪として機能するばね1062を備えている。ばね1062は、ハブ部1008の切り欠き部1064に位置している。ばね1062は、U字部1070によって隔てられた固定端1066および自由端1068を備えている。
【0119】
ばね1062の固定端1066は、実質的にL字形であり、ハブ部1008が反時計方向(
図47に示されている向きにおいて)に回転させられるときにばね1062がハブ部1008に対して移動することがないように、ハブ部1008の段部1072に当接している。ばね1062のU字部1070は、ハブ部が時計方向(
図47に示されている向きにおいて)に回転させられるときにばね1062がハブ部1008に対して移動することがないように、ハブ部1008のラグ1074に当接している。したがって、ばね1062は、ハブ部1008と一緒に回転する。
【0120】
図48および49は、分かり易くする目的で、ハブ部1008を除いたラチェットシステム1060を図示しているが、以下の説明にて、ハブ部1008と一緒にばね1062が回転することが理解されよう。
【0121】
ばね1062の自由端1068は、傾斜部1076および段部1078を備えている。ハブ部1008のニュートラルな位置において、ばね1062の自由端は、蓋の切り欠き部1080に位置している。ハブ部1008が時計方向(
図47に示されている向きにおいて)に回転させられるとき、ばね1062の傾斜部1076が蓋の切り欠き部1080の縁に当接し、切り欠き部1080の縁を越えて滑り、
図49に示されるようにばね1062を圧縮する。このようにして、時計方向のハブ部1008の回転が許される。ばね1062の傾斜部1076を切り欠き部1080の縁を越えて押すために必要な抵抗は、それまでに封止された包みの重量下においてローラが回転できないようにするのに充分であると考えられる。しかしながら、この抵抗は、小さな子供を除く大人であれば、制御ノブ1002を困難なく回転させることができる程度に、依然として充分に小さいと考えられる。
【0122】
ハブ部1008が360度の回転の完了に近付くとき、圧縮された状態にあるばね1062の自由端1068が、蓋の切り欠き部1080に復帰する。蓋の切り欠き部に復帰するとき、ばね1062は、はっきりと聞き取ることのできるクリック音を生じさせ、封止動作の完了をユーザに知らせるだろう。
【0123】
ハブ部1008が反時計方向(
図47に示されている向きにおいて)に回転させられる場合には、ばね1062の段部1078が、蓋の切り欠き部1080の縁に当接し、ハブ部1008のさらなる回転を防止する。このように、ニュートラルな位置からの反時計方向のハブ部1008の回転は妨げられる。
【0124】
したがって、ラチェットシステム1060は、ハブ部1008の時計方向の自由な回転を許す。回転の間に廃棄物密封機構において閉塞が生じた場合、閉塞に対処できるようにハブ部1008を反時計方向に回転させることができる。ラチェットシステム1060は、ユーザが、以前の包みの封止を破るおそれなく、現在のサイクルにおいて廃棄物密封機構を逆転させることができることを意味する。しかしながら、ひとたびハブ部1008の完全な360度の回転が生じ、廃棄物密封の動作が完了すると、廃棄物密封機構の逆転は妨げられる。
【0125】
[ロック機構]
廃棄物処理装置1は、ロック機構700をさらに備える。
図33および34を参照すると、ロック機構700は、廃棄物密封機構500のフレーム502に取り付けられたロック702と、駆動歯車544に位置する孔552と、駆動歯車544の歯元円の円周から突き出したリム554と、蓋100のロック板132とを備える。ロック機構700は、フィルム434の浪費を避けるため、蓋100が開いているときに廃棄物密封機構500の動作を妨げ、蓋100が閉じられているときに廃棄物密封機構500の回転を1回の密封サイクルに制限する。
【0126】
図35に示されるように、ロック702は、第1および第2の切り欠き部530および532の間であって、第1の切り欠き部530の近傍において、フレーム502の第1の壁504の取り付けバー528に取り付けられている。
【0127】
図36および37を参照すると、ロック702は、取り付け部704およびロック部708を備える。取り付け部704およびロック部708は、ばね部706によって接続されている。ばね部706は、ロック部708が駆動軸514の中心軸に平行な第1の方向にたわむことを可能にする。ロック部708は、駆動歯車544の孔552と協働する突起710と、蓋100のロック板132と協働する解除部712とをさらに備える。
【0128】
取り付け部704は、取り付け部704から延び、駆動歯車544のリム554と協働する駆動部714をさらに備える。駆動部714は、取り付け部704に対して、第1の方向に対して垂直かつ駆動歯車544の径方向に平行な第2の方向にたわむことができる。
【0129】
解除部712は、ロック702がフレーム502に取り付けられたときに駆動歯車544から遠ざかる方向となる、第1の方向にロック部708から延びる実質的に平坦な表面を備える。リップ716は、解除部712のロック部708から遠い端部から延びている。リップ716は、こぶ718を備えている。
【0130】
図33および34を参照すると、蓋100のロック板132は、湾曲した縁を有する平坦な表面を備えている。突出フランジ136が、湾曲した縁から外方向に延びている。突出フランジ136は、ロック板132の蓋100の面102から遠い端部に向かう切り欠き部138を備え、この切り欠き138が、ロック702のこぶ718と協働する。
【0131】
図38に示されるように、解除部712は、傾斜部720をさらに備える。ロック部708が第1の方向726にたわむとき、解除部712の傾斜部720は、対応する傾斜部722を駆動部714に当接させ、駆動部714を第2の方向724にたわませる。
【0132】
図39を参照すると、駆動歯車544のリム554は、ロック702の駆動部714と協働する第1および第2のくぼみ556および558を備えている。第1および第2のくぼみ556および558は、リム554から径方向内側へと突き出しており、各々が急な傾斜の凸部と、浅い傾斜の凹部とを備えている。第1および第2のくぼみ556および558は、リム554の半径において互いに約20°離れており、駆動歯車544の孔552の近くに位置している。
【0133】
廃棄物処理装置1の蓋100が閉じられたとき、ロック702のこぶ718は、
図34に示されるようにロック板132の切り欠き部138に位置する。ひとたび廃棄物密封機構500が
図29〜32に関連して上述したように360°にわたって回転させられると、
図34にも示されているように、ばね部706の付勢作用によって突起710が駆動歯車544の孔552に受け入れられ、廃棄物密封機構500のさらなる回転を防止する。
【0134】
ユーザが上述のように廃棄物処理装置1へと廃棄物を挿入するために蓋100を完全に開き、次いで蓋100を閉じるとき、蓋100のロック板132の突出フランジ136がロック702のこぶ718に最初に当接し、ロック部708を第1の方向726にたわませることによって、突起710を駆動歯車544の孔552から取り除き、駆動歯車544を解放する。ロック部708が第1の方向726にたわむとき、駆動部714が上述のように第2の方向724にたわみ、駆動部714の取り付け部704から遠い端部728を駆動歯車544のリム554の第1のくぼみ556の急な傾斜の凸部から逃がす。
【0135】
蓋100が閉位置に向かってさらに動かされるにつれて、ロック702のこぶ718が、ロック702のばね部706の付勢作用によってロック板132の切り欠き部138へと受け入れられ、ロック部708がニュートラルな位置へと再び解放される。ロック部708が解放されるとき、ロック部708が第1の方向726と反対の方向にたわむことで、駆動部714は、ニュートラルな位置に向かって第2の方向724と反対の方向に再びたわむことができる。駆動部714が第2の方向724とは反対の方向にたわむとき、駆動部714の端部728が第1のくぼみ556の浅い傾斜の凹部に当接し、径方向外側への方向に力を加える。駆動部714によって加えられる力は、駆動部714の端部728が第1のくぼみ556の浅い傾斜の凹部に沿って滑るようにして、駆動歯車544を回転させる。
【0136】
駆動歯車544が回転しているため、廃棄物密封機構500が
図29〜32に関連して上述した1サイクルを完了させるまでは、蓋100が閉じられた後であっても、突起710は、駆動歯車544の孔552へと戻ることがない。
【0137】
第2のくぼみ558は、駆動歯車544のリム554において第1のくぼみ556に隣接して設けられている。第2のくぼみ558は、構造および動作において第1のくぼみ556と同様であり、例えばユーザが閉塞を解除するために廃棄物の封止サイクルを
図29に示した開始状態へと戻して蓋100を開くことを可能にする。
【0138】
ロック機構800の別の実施形態が、
図40および41に示されている。この実施形態のロック機構800は、
図33〜39に関連して上述したロック機構700に類似している。しかしながら、蓋100のロック板132の代わりに、ブレーキ棒830が設けられている。ブレーキ棒830は、上部200にスライド可能に取り付けられている。ブレーキ棒830の第1の端部は、蓋100の下面かつヒンジ付きの縁104の近くに設けられるカム150と協働する湾曲面832を備えている。蓋100が開かれるとき、カム150がブレーキ棒830の湾曲面832に当接し、上部200においてブレーキ棒830をスライドさせる。
【0139】
ブレーキ棒830の第2の端部は、傾斜部834を備えている。傾斜部834は、ロック702のこぶ718と協働する。蓋100が開かれるとき、ブレーキ棒830が上部200においてスライドし、傾斜部834がロック702のこぶ718に当接することで、ロック702のロック部708が駆動歯車544から遠ざかるようにたわみ、突起710が駆動歯車544の孔552から外れる。
【0140】
ロック部708がブレーキ棒830の傾斜部834によって駆動歯車から遠ざかるようにたわむとき、駆動部714が
図38に示される第2の方向724にたわみ、上述のように、蓋100が後に閉じられるときに突起710が駆動歯車544の孔552へと戻ることがないように駆動歯車544を回転させる。
【0141】
上述の構成は、任意の適切な材料に関して、および、装置またはカセットの任意の寸法および材料に関して実現できることが理解できるであろう。
【0142】
蓋100に設けられるリング106およびハンドル108の代わりに、任意の適切な機構を、廃棄物密封機構500を駆動するために使用してもよい。例えば、駆動軸514または被駆動軸516へと直接的または他の方法で機械的に接続されるハンドルを、下部300の壁302に設けてもよい。あるいは、軸514、516を、電気モータによって駆動してもよい。
【0143】
平歯車126を置き換える代わりに、スリップ装置152を、廃棄物処理装置1内の任意の適切な位置に設けてもよい。例えば、スリップ装置を、駆動歯車544に設けてもよい。
【0144】
上部200および下部300を、廃棄物密封機構500の周囲に一体に形成してもよい。廃棄物密封機構500のフレーム502を、上部200と一体に形成してもよい。
【0145】
カセット400の部位402、404は、実質的に同一でなくてもよい。例えば、カセット400は、第2の部位404の一部分が第1の部位402の一部分内へと収容される伸縮式であってよい。カセットを第1のコンパクトな状態と第2の広がった状態との間で可動にすることができる任意の適切な機構を、採用してもよい。
【0146】
フィルムのロール412の代わりに、カセットからフィルムを送り出すための任意の適切な送出装置を使用してもよい。例えば、カセット400の各々の部位402、404が、折り畳まれたフィルムの箱を保持してもよい。送出装置は、任意の適切な手段によってカセット400内に支持されてもよい。
【0147】
廃棄物密封機構500の具体例を詳しく上述したが、ローラ600、602を回転させて廃棄物をフィルム434内に密封するために、任意の適切な機構を使用することができる。
【0148】
第1および第2のローラ600、602を、ばね526、536以外の手段により互いに向けて付勢させてもよい。例えば、駆動軸514および被駆動軸516を、第1および第2のローラ600、602のコーティング610が圧縮された状態となるような間隔に配置してもよい。
【0149】
ロック機構700の具体例を上述したが、任意の適切なロック機構を使用できることが理解されるであろう。
【0150】
[別の廃棄物密封装置]
別の廃棄物密封装置2000が
図50〜53に示されている。廃棄物密封装置2000は、廃棄物を封止するようにフィルムの単一の層を折り曲げる。廃棄物密封装置2000は、容器2100と、フィルム送出装置2200と、廃棄物密封機構2300とを備える。図においては、容器2100の壁が、廃棄物処理システム2000を示すために透明であるものとして示されているが、容器2100が不透明であってよいことが理解されるであろう。
【0151】
容器2100は、前壁2102と、後壁2104と、底壁2106と、側壁2108、2110と、廃棄物受け入れ壁2112と、上壁2114とを備える。廃棄物受け入れ壁2112は、上壁2114から前壁2102へと延びており、使用時にユーザへと向くように傾けられている。廃棄物受け入れ壁2112は、廃棄物を廃棄物密封装置2000へと受け入れるための開口2116を備えている。前壁2102は、廃棄物密封装置2000によってその中に廃棄物が蓄えられる引き出しを備えてもよく、ユーザは、この引き出しから封止された廃棄物の包みを取り出すことができる。
【0152】
次に、フィルム送出装置2200および廃棄物密封機構2300を、
図52および53を参照して詳しく説明する。
【0153】
送出装置2200は、フィルム2202を送り出す。送出装置2200は、フィルム2202の補充を可能にするために廃棄物密封装置2000へと着脱可能に取り付けされるカセットを備えてもよい。送出装置は、フィルムのロール2204を収容することができ、フィルムのロール2204は、フィルム2202を送り出すべく自身の長手軸を中心にして回転できるように送出装置に取り付けられる。フィルム2202の少なくとも一方の面は接着剤を備え、もしくは、熱融着に適した材料でフィルムを形成してもよい。
【0154】
フィルム2202が送出装置2200から送り出されるとき、フィルム2202は、アイドルローラ2206を走行する。アイドルローラ2206は、カセットに取り付けられても、容器2100に取り付けられてもよい。アイドルローラ2206は、フィルム2202の供給が使い果たされるときに送出装置2200からのフィルムの供給と廃棄物密封機構2300との間の角度を維持する。
【0155】
廃棄物密封機構2300は、モータ2302と、駆動ベルト2304と、駆動ローラ2306と、被駆動ローラ2308と、第2の駆動ローラ2310と、第2の被駆動ローラ2312とを備える。
【0156】
動作時、フィルム2202の端部の二つの角2208、2210が折り合わせられ、廃棄物密封機構2300へと送られる。したがって、フィルム2202は、フィルムのロール2204の端部の各々から廃棄物密封機構へと向かって三角形の開口2212を有するピラミッド形状を形成する折り目を備える。
【0157】
作動時、モータ2302は駆動ベルト2304を駆動し、駆動ベルト2304が駆動ローラ2306を回転させる。モータ2302は、電気モータを備えてもよく、あるいは手動で駆動される機構を備えてもよい。駆動ローラ2306は、フィルム2202を被駆動ローラ2308に係合させ、送出装置2200から廃棄物密封機構2300を通ってフィルムを引っ張り、フィルム2202の折り曲げられたピラミッド形態を維持する。駆動ローラ2306は、フィルム2202を把持するための鋲(stud)を備えてもよい。フィルム2202が接着剤を備えているため、駆動ローラ2306がフィルム2202を被駆動ローラ2308に係合させるときに、フィルム2202の第1の縁がフィルム2202の第2の縁へと封じられる。駆動ローラ2306および被駆動ローラ2308をばねまたは他の方法により互いに向けて付勢させ、効果的な封止をもたらしてもよい。
【0158】
さらにモータ2302は、第2の駆動ローラ2310も駆動する。第2の駆動ローラ2310は、上述の駆動ローラ2306および被駆動ローラ2308と同様の方法で、フィルムを第2の被駆動ローラ2312に係合させる。第2の駆動ローラ2310および第2の被駆動ローラ2312は、後述される後の封止工程のためにフィルムの引っ張りを維持する。
【0159】
廃棄物密封機構2300は、カッター2314をさらに備える。カッター2314は、容器2100内にスライド可能に取り付けられ、上述のようにフィルム2202が引っ張られた状態に保たれている駆動ローラ2306および被駆動ローラ2308と第2の駆動ローラ2310および第2の被駆動ローラ2312との間の位置において、フィルム2202に係合するように配置される。
【0160】
カッター2314は、刃先2316および密封バー2318を備えている。密封バー2318は、カッター2314の上面および下面を横切って刃先2316に平行に延びている。刃先2316は、密封バー2318を越えてフィルム2202へと突き出している。
【0161】
図54に最もよく見られるように、廃棄物密封機構2300は、背板2320をさらに備える。背板2320は、カッター2314に対して容器2100の反対側に位置し、カッター2314に対して実質的に垂直である。背板2320は、刃先2316の長さに対応する細長い開口2322を備えている。
【0162】
廃棄物が廃棄物密封機構を通過した後、カッター2314をフィルム2202に向かってスライドさせてもよい。カッター2314は、フィルム2202を背板2320へと偏向させる。密封バー2318は、カッター2314の平面から延びる高さが背板の開口2322よりも大きい高さを有して、フィルム2202を背板へと押し付ける一方で、刃先2316は、開口2322を通って延びる。このようにして、刃先は、折り曲げられたフィルム2202を切断し、密封バーは、折り曲げられたフィルム2202を切断の両側の縁に沿って封止する。
【0163】
このようにして、使用時に、ユーザは、容器2100の廃棄物受け入れ壁2112の開口2116を通じて廃棄物を配置する。廃棄物は、折り曲げられたフィルム2202の三角形の開口2212を通って受け入れられる。次いで、モータ2302が作動させられ、送出装置2200からフィルム2202を引き出し、フィルム2202の折り曲げられた縁の間に密閉を生じさせる。廃棄物は、フィルム2202と一緒に廃棄物密封機構を通って引き込まれる。ひとたび廃棄物が第2の駆動ローラ2310および第2の被駆動ローラ2312を越えて引き込まれると、モータ2302が停止され、カッター2314が作動させられる。カッター2314は、容器2100内をスライドして廃棄物の上方でフィルム2202を密封および切断する。廃棄物は、直ちに密封されたフィルムの包み内に収容され、容器2100へと落下する。フィルム2202は、下端において直ちに封じられ、すぐに次の廃棄物を受け入れることができる。
【0164】
「上部」、「下部」、「上方」、「下向き」、「下部」、「上」、「上部」、「時計方向」、「反時計方向」などといった空間に関して相対的な用語が、本明細書において、図面に示されるように、他の要素または機構に対する一要素または機構の関係性を説明するため、説明を容易にすることを目的として使用されうる。これらの空間に関して相対的な用語が、図面に示されている向きに加えて、使用時または動作時の装置の種々の向きを包含するように意図されていることが、理解されるであろう。例えば、図中の装置がひっくり返される場合、他の構成要素または特徴の「下方」または「直下」として説明された構成要素が、この他の構成要素または特徴の「上方」に位置すると考えられる。したがって、この例示の用語「下方」は、上方および下方の両方の位置を包含しうる。装置について、他の配置(90度回転させ、あるいは他の向きにする)も可能であり、本明細書において使用される空間に関して相対的な記述は、そのような配置に応じて解釈される。