(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
【0013】
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、
図1及び
図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、
図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。
図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。
図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定(抽選)に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
【0014】
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
【0015】
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。この下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。
【0016】
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
【0017】
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、第1ゲート15、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、大入賞口13、2つの普通入賞口14、第2ゲート16、及び上記電動チューリップ17が設けられている。
【0018】
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、及び普通入賞口14のいずれかに入球して入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
【0019】
第1始動領域としての第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動領域としての第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
【0020】
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定(抽選)を総称して「特別図柄判定(特別図柄抽選)」と呼ぶものとする。
【0021】
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
【0022】
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(
図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
【0023】
第2始動口12は、
図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球が第1ゲート15又は第2ゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、第1ゲート15又は第2ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定(抽選)を「普通図柄判定(抽選)」と呼ぶものとする。
【0024】
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定(抽選)が行われることはない。
【0025】
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示器5、可動役物7、スピーカ24、盤ランプ25、及び回転演出装置38,39が設けられている。また、枠部材3には、
図1には示されていない枠ランプ37(
図4参照)が内蔵されている。
【0026】
液晶表示器5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。液晶表示器5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
【0027】
可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、例えば、所定の方向に移動したり、内蔵された発光素子(例えばLED)を発光させたりすることによって各種の演出を行う。可動役物7は、第1始動口11又は第2始動口12への遊技球の入賞に応じて動作する。
【0028】
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。回転演出装置38,39は、内蔵された発光素子と発光素子の周辺を回転する回転体とによって各種の演出を行う。スピーカ24は、液晶表示器5で行われる表示演出と同期するように楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
【0029】
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。演出キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
【0030】
[表示器4の構成例]
図3は、
図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、
図3に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び遊技状態表示器47を有して構成されている。
【0031】
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
【0032】
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
【0033】
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄表示器45の点灯パターンによって普通図柄の結果が当たりか否か(短開放当たり、長開放当たり、ハズレの何れか)が報知される。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。
【0034】
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
【0035】
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。
【0036】
以下、
図4を参照しつつ、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、
図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図である。
図4に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、判定(抽選)の実行や大当たり遊技の制御、演出制御部130へのコマンド送信処理等を制御する遊技制御部100、遊技制御部100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御部130、画像や音による演出を制御する画像音響制御部140、および各種のランプや可動役物7による演出を制御するランプ制御部150を備えている。また、
図4に示す他に、パチンコ遊技機1は、賞球の払い出しを制御する払出制御部(図示せず)も備えている。
【0037】
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、およびRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
【0038】
遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ(SW)117、および表示器4が接続されている。
【0039】
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。電動チューリップ開閉部113は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート15又はゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口スイッチ115は、遊技球が大入賞口13に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口制御部116は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ117は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。
【0040】
遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、または普通入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御部に指示し、払出制御部からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
【0041】
CPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、CPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、特別図柄判定の結果が大当たりになると、大入賞口制御部116を介して大入賞口13の開閉させることによって、特別遊技を実行する。また、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、普通図柄判定の結果が当たりになると、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17を動作させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
【0042】
また、CPU101は、特別図柄の変動開始や変動停止を示す情報を演出制御部130に送信する。また、CPU101は、特別図柄抽選の当選確率の変動設定や、普通図柄抽選の当選確率の変動設定に関する情報を演出制御部130に送信する。また、CPU101は、特別図柄の変動時間の短縮設定を示すデータ、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞したことを通知するための情報等を演出制御部130に送信する。
【0043】
また、CPU101は、表示器4に対して、以下のような処理を実行する。すなわち、CPU101は、第1特別図柄判定を実行すると、第1特別図柄表示器41に特別図柄を変動表示させた後にその判定結果を示す特別図柄を停止表示させる。また、CPU101は、第2特別図柄判定を実行すると、第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させた後にその判定結果を示す特別図柄を停止表示させる。また、CPU101は、普通図柄判定を実行すると、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させた後にその判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。
【0044】
また、CPU101は、第1特別図柄判定の保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させ、第2特別図柄判定の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させ、普通図柄判定の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。また、CPU101は、パチンコ遊技機1の遊技状態を遊技状態表示器47に表示させる。
【0045】
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、およびRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
【0046】
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄判定の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン26または演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。演出制御部130は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140およびランプ制御部150に送信する。
【0047】
[画像音響制御部140の構成]
画像音響制御部140は、CPU141、ROM142、およびRAM143を備えている。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。図には示されていないが、画像音響制御部140は、液晶表示器5に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)、およびスピーカ24から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)を備えている。CPU141は、演出制御部130からのコマンドおよびROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDPおよび音響DSPに出力することによって、VDPおよび音響DSPの動作を制御する。
【0048】
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
【0049】
VDPは、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、および描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示器5に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングで液晶表示器5に出力する。
【0050】
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、およびRAM153を備えている。CPU151は、ROM152に記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ25や枠ランプ37、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
【0051】
ROM152には、発光パターンデータおよび動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ37、盤ランプ25、および可動役物7が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7の動作パターンを示すデータである。
【0052】
CPU151は、ROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをRAM153に読み出して、盤ランプ25、枠ランプ37、および可動役物7の発光素子の発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをRAM153に読み出して、可動役物7を動作させるためのモータの駆動を制御する。
【0053】
[本実施形態の遊技機の演出概要]
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1における演出について説明する。
図5は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の液晶表示器5の画面上において行われる演出を示す図である。
【0054】
図5に示すように、液晶表示器5の画面には、装飾図柄51と、第1予告演出実行表示画像55と、第2予告演出実行表示画像56とが表示される。
【0055】
装飾図柄51は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される特別図柄に対応する演出用の図柄であり、特別図柄の変動開始に応じて変動開始し、特別図柄の変動停止に応じて変動停止する。装飾図柄51は、3つの領域(左領域、中領域、右領域)に表示される図柄によって構成される。装飾図柄51の停止態様によって特別図柄判定の結果が報知され、例えば、3つの同種の装飾図柄(例えば、「7」図柄)が停止した場合には、大当たりとなる。
【0056】
第1予告演出実行表示画像55は、第1予告演出が実行されたことを示す画像であり、複数の段階を表示するためのゲージ画像である。第1予告演出実行表示画像55は、大当たりに対する信頼度(期待度;大当たりが報知される確率)を示す。第1予告演出は、大当たりに対する信頼度に応じた演出であり、後述するように複数の種類が用意されている。
【0057】
具体的には、第1予告演出には信頼度に応じたポイントが付与され、第1予告演出が行われた場合に、当該第1予告演出に付与されたポイントに応じて、第1予告演出実行表示画像55の目盛りの値が上昇する(
図5(B))。本実施形態では、1回の特別図柄の変動において、第1予告演出が複数実行される場合があり、各第1予告演出にはポイントが対応付けられる。1回の特別図柄の変動中に第1予告演出が実行されると、当該第1予告演出に対応付けられたポイントが累積され、当該累積されたポイントに応じて、第1予告演出実行表示画像55の目盛りの値が上昇する。第1予告演出実行表示画像55の目盛りの値が上昇すると、信頼度が上昇し、最大目盛りまで達すると信頼度は最大となる。
【0058】
第2予告演出実行表示画像56は、第1予告演出が実行されたか否かを示す画像である。第2予告演出が実行された場合、第2予告演出実行表示画像56は、第2予告演出が実行されたことを示す表示となる(
図5(B))。第2予告演出は、大当たりに対する信頼度に応じた演出であり、信頼度は第1予告演出よりも高い。
【0059】
第2予告演出実行表示画像56は、第1予告演出実行表示画像55のように第1予告演出に応じたポイントを累積表示するものではなく、第2予告演出が行われたことを報知する。第2予告演出は、それ単体で大当たりに対する信頼度が高く、実行された場合には、比較的高い確率で大当たりとなる。このため、第2予告演出が実行されると遊技者の期待感は上昇する。第2予告演出実行表示画像56によって第2予告演出が実行されたことを報知することにより、第2予告演出が終了した後においても第2予告演出が実行されたことを遊技者は認識することができる。
【0060】
一方、第1予告演出は、それ単体では比較的信頼度は低く、また、多数のバリエーションがあるため、それぞれの第1予告演出の信頼度を知らない遊技者にとってはその演出が期待できるかどうかが分かりにくい。このため、第1予告演出実行表示画像55によって第1予告演出の信頼度を報知することで、遊技者は第1予告演出の信頼度を知ることができる。また、第1予告演出実行表示画像55は、第1予告演出の信頼度を示すポイントを累積的に表示するため、遊技者は、複数の第1予告演出が実行されたことによる全体としての信頼度を知ることができる。
【0061】
図6は、第1予告演出および第2予告演出を含む変動演出の一例を示す図である。
【0062】
図6に示すように、装飾図柄51が変動開始すると、第1予告演出としての画像551が表示される。画像551は、例えば、所定のキャラクタのCG画像であってもよいし、特定の人物の写真画像であってもよい。
図6(B)に示すように、画像551には、当該第1予告演出の信頼度を示すポイント画像552(星印)が含まれる。
【0063】
第1予告演出として画像551が表示されると、当該画像551に含まれるポイント画像552の数に応じて、第1予告演出実行表示画像55の目盛りの値が上昇する(
図6(C))。
【0064】
その後、
図6(D)に示すように、第1予告演出としての画像553がさらに表示される場合がある。2回目の第1予告演出の画像553(
図6(D))は、1回目の第1予告演出の画像551(
図6(B))とは、異なる画像であり、2回目の第1予告演出の画像553の方が信頼度は高い。具体的には、画像553には、3つのポイント画像552が含まれ、画像551よりも信頼度が高いことが示されている。
【0065】
2回目の第1予告演出が行われると、当該第1予告演出の画像553に含まれるポイント画像552の数に応じて、第1予告演出実行表示画像55の目盛りの値がさらに上昇する(
図6(E))。具体的には、2回目の第1予告演出の画像553には3つのポイント画像552が含まれるため、第1予告演出実行表示画像55の目盛りが3つさらに上昇する。
【0066】
さらに、所定時間経過後、第2予告演出としての特定画像561が画面に表示される場合がある(
図6(F))。特定画像561は、大当たりの信頼度が比較的高い(例えば、40%以上)であることを示す画像であり、特定の柄(例えば、ゼブラ柄)の画像であってもよい。
【0067】
第2予告演出として特定画像561が表示されると、第2予告演出実行表示画像56は、第2予告演出が実行されたことを示す表示に変化する(
図6(G))。その後、例えば、リーチ演出が行われる。リーチ演出では、例えば、左右の領域に同種の装飾図柄が揃って中領域において装飾図柄が変動し、中領域に左右と同種の図柄が停止することを遊技者に期待させる演出が行われる。そして、中領域に装飾図柄が停止して、大当たりか否かが報知される。この特別図柄の変動が終了すると、第1予告演出実行表示画像55および第2予告演出実行表示画像56は初期の状態に戻る。
【0068】
図7は、第1予告演出の一例と各第1予告演出に付与されるポイントおよび信頼度を示す図である。
図8は、第2予告演出の一例を示す図である。
【0069】
図7に示すように、第1予告演出として、写真予告と、セリフ予告等がある。写真予告では、キャラクタの写真画像が表示される。写真予告には複数のバリエーションがある。例えば、写真予告画像に含まれるキャラクタの種類や画像の大きさによって、信頼度が異なる。例えば、キャラクタAを表示し、かつ、サイズが小さい画像は、信頼度が最も低く(例えば、5%)、ポイントは「1」である。また、キャラクタBを表示し、かつ、特大サイズの画像は、信頼度が最も高く(例えば、20%)、ポイントは「4」(ポイント画像552が4つ)である。
【0070】
また、第1予告演出としてのセリフ予告では、所定のキャラクタが登場して様々なセリフを発する、文字列を表示する演出が行われる。表示される文字列(セリフ)には複数のバリエーションがあり、また、文字列の色には複数のバリエーションがある。文字列の種類や色によって信頼度(ポイント)が異なる。例えば、セリフAで文字列の色が緑色の場合は、ポイントは「2」であって信頼度は10%であり、セリフAで文字列の色が赤である場合は、ポイントは「3」であって信頼度は15%に定められる。
【0071】
第1予告演出の信頼度は比較的低く、出現率は比較的高い。各第1予告演出の信頼度は比較的低いが、これら第1予告演出が複数実行されると全体としての信頼度は高くなる。すなわち、各第1予告演出に対応する信頼度に応じたポイントが累積され、当該累積されたポイントが高い場合、その特別図柄の変動において大当たりとなる確率が高くなる。
【0072】
一方、第2予告演出は、第1予告演出よりも信頼度が高い演出であり、第1予告演出よりも出現率が低い演出である。第2予告演出としては、例えば、
図8に示すように4種類がある。例えば、第2予告演出として、
図8に示すように、特定画像を表示する演出、群予告、役物演出、および、ゾーン演出がある。
【0073】
特定画像は、
図6を用いて説明した画像であり、当該画像が表示された場合の信頼度は、例えば40%以上である。また、群予告は、液晶表示器5の画面上で行われる画像演出であって所定のキャラクタ群が出現する演出であり、信頼度は40%以上である。また、役物演出は可動役物を所定の動作パターンで動作させる演出であり、信頼度は50%以上である。また、ゾーン演出は、液晶表示器5の画面上で行われる画像演出であって信頼度が高い状態を示すゾーンに突入したことを報知する演出を行った後に、背景画像が専用画像に変化する演出であり、信頼度は50%以上である。このように、第2予告演出は、出現率が第1予告演出よりも低く、大当たりに対する信頼度が高い演出である。
【0074】
なお、1回の特別図柄の変動において複数の第2予告演出が行われてもよい。この場合、第2予告演出実行表示画像56によって、第2予告演出のうちの何れかが行われたことが表示されてもよいし、それぞれの第2予告演出が行われたことがそれぞれ表示されてもよい。例えば、特定画像が表示され、かつ、群予告が行われた場合は、特定画像が表示されたこと、および、群予告演出が行われたことがそれぞれ表示されてもよい。しかしながら、第2予告演出では、上記第1予告演出のように、各予告演出の信頼度が累積的に表示されることはない。
【0075】
以上のように、本実施形態では、第1予告演出実行表示画像55によって、信頼度が比較的低い(出現率が比較的高い)第1予告演出が実行される毎に、当該第1予告演出に対応付けられたポイントが累積的に表示される。また、信頼度が比較的高い(出現率が比較的低い)第2予告演出が実行されると、第2予告演出実行表示画像56によって、当該第2予告演出が実行されたことが表示される。
【0076】
このような2つの第1予告演出実行表示画像55および第2予告演出実行表示画像56を用いた演出を行うことにより、遊技機を知らない遊技者であっても大当たりに対する信頼度が高いか否かを直感的に知ることができ、また、信頼度の高い第2予告演出を見逃した場合でも第2予告演出が実行されたことを知ることができる。
【0077】
なお、本実施形態では、1回の特別図柄の変動中における一連の演出において複数の第1予告演出と第2予告演出とが行われる場合に、上述した第1予告演出実行表示画像55および第2予告演出実行表示画像56を用いた演出を行うことを想定した。
図9は、1回の特別図柄の変動における一連の演出を示す図である。
図9では、第1予告演出と第2予告演出とを含む一連の演出が、特別図柄の1回の変動(当該変動)において行われることが示されている。そして、当該変動が終了すると、第1予告演出実行表示画像55および第2予告演出実行表示画像56は初期の状態に戻る。
【0078】
他の実施形態では、複数回の特別図柄の変動中における一連の演出において複数の第1予告演出と第2予告演出とが行われる場合に、上述した第1予告演出実行表示画像55および第2予告演出実行表示画像56を用いた演出を行ってもよい。
図10は、複数回の特別図柄の変動における一連の演出を示す図である。
【0079】
例えば、
図10に示すように、現在の特別図柄の変動を含む4回の特別図柄の変動にわたって一連の演出が行われてもよい。当該一連の演出において、第1予告演出が複数回行われると、第1予告演出実行表示画像55を用いた累積表示が行われ、第2予告演出が行われると、第2予告演出実行表示画像56を用いた表示が行われる。この場合において、一連の演出が行われる間の各演出は、当該一連の演出の最終変動(保留3に係る特別図柄の変動)の信頼度を表す。
【0080】
すなわち、一連の演出の演出内容は、保留3に対する事前判定の結果に基づいて決定される。後述のように、パチンコ遊技機1は、特別図柄の変動中に始動口に遊技球が入賞して特別図柄判定の権利として保留された場合に、当該入賞に応じて取得された乱数に基づいて、大当たりか否か、変動パターン等を事前判定する。複数の第1予告演出と第2予告演出とを含む一連の演出は、この事前判定の結果に基づく演出であってもよく、複数の特別図柄の変動にわたって行われてもよい。
【0081】
一連の演出の実行中(複数の特別図柄の変動中)において、複数の第1予告演出が行われると、各第1予告演出に対応付けられたポイントに応じて第1予告演出実行表示画像55を用いた累積表示が行われる。また、一連の演出の実行中において、第2予告演出が行われると、当該第2予告演出が行われたことを示す表示が第2予告演出実行表示画像56を用いて行われる。そして、一連の演出が終了すると、すなわち、
図10に示す保留3の変動が終了すると、第1予告演出実行表示画像55および第2予告演出実行表示画像56は初期の状態に戻る。
【0082】
[遊技制御部100によるメイン処理]
次に、
図11を参照しつつ、遊技制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。ここで、
図11は、遊技制御部100によって実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、
図11に示されている一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、
図11以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムをCPU101が実行することによって行われる。
【0083】
まず、遊技制御部100のCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。ここで、大当たり乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりか、ハズレかを決定するための乱数である。図柄乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりであった場合に、大当たりの種類(16R確変大当たり、10R通常大当たり等)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄判定の結果がハズレの場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選の当選または落選を決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数は、予め定めれた範囲で変動し、このステップS1の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。なお、ステップS1において、上記各乱数が予め設定されている最大値に達した場合は、各乱数はリセットされる。
【0084】
ステップS1に続いて、CPU101は、始動口スイッチ(SW)処理を実行する(ステップS2)。始動口スイッチ処理では、CPU101は、第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、検知信号が入力された時点の値を取得して、RAM103に記憶する。この始動口スイッチ処理については、
図12を参照して、後に詳述する。
【0085】
ステップS2に続いて、CPU101は、ゲートスイッチ(SW)処理を実行する(ステップS3)。ゲートスイッチ処理では、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視し、検知信号の入力があった場合、ステップS1の処理で更新された普通図柄乱数の値を取得して、RAM103に記憶する。このゲートスイッチ処理については、
図13を参照して、後に詳述する。
【0086】
ステップS3に続いて、CPU101は、特別図柄処理を実行する(ステップS4)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、特別図柄判定の結果が大当たりであったか否か、大当たりであった場合の大当たりの種類(大当たり図柄)が判定される。また、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理で取得された乱数を用いて特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す特別図柄を停止表示させる。特別図柄処理については、
図14を参照して、後に詳述する。
【0087】
ステップS4に続いて、CPU101は、普通図柄処理を実行する(ステップS5)。普通図柄処理では、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる。普通図柄処理については、
図18を参照して、後に詳述する。
【0088】
ステップS5に続いて、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理における特別図柄判定で大当たりとなった場合に、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉する大入賞口処理を実行する(ステップS6)。大入賞口処理については、
図19を参照して、後に詳述する。
【0089】
ステップS6に続いて、CPU101は、電動チューリップ処理を実行する(ステップS7)。電動チューリップ処理では、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理における普通図柄抽選に当選した場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17の一対の羽根部材を作動させる。電動チューリップ処理については、
図21を参照して、後に詳述する。
【0090】
ステップS7に続いて、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS8)。具体的には、CPU101は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、および普通入賞口14の何れかに遊技球が入賞した場合、入賞した場所に応じた個数の賞球を払い出しする。例えば、CPU101は、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞した場合は、3個の賞球を払い出し、大入賞口13に遊技球が入賞した場合は10個の賞球を払い出す。
【0091】
ステップS8に続いて、CPU101は、出力処理を実行する(ステップS9)。ステップS9の出力処理では、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理やステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理等でRAM103にセットされた各種コマンドを演出制御部130に送信する。
【0092】
[遊技制御部100による始動口スイッチ処理]
次に、
図12を参照して、遊技制御部100において実行される始動口スイッチ処理の詳細について説明する。ここで、
図12は、
図11のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。
【0093】
図12に示すように、ステップS201において、遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否か(第1始動口11に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS201:YES)、RAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0094】
CPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS203)。そして、CPU101は、ステップS1の処理によって更新した各種乱数(乱数データD1の大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)の値を取得して、RAM103に格納する(ステップS204)。
【0095】
ここでは、第1始動口11に遊技球が入賞したことに応じて取得された各種乱数がRAM103に格納されることにより、ステップS203で保留数U1を増加させた保留玉に係る特別図柄判定の権利が、保留されることになる。詳細は後述するが、保留された特別図柄判定の権利は、ステップS4の特別図柄処理において消化されて、特別図柄が変動表示されて所定時間経過後に停止表示されることにより、当該特別図柄判定の結果が報知される。
【0096】
続いて、CPU101は、ステップS204でRAM103に格納された各種乱数に基づいて事前判定処理を実行する(ステップS205)。事前判定処理は、保留された特別図柄判定の権利についての判定処理であり、大当たりか否かや大当たりの種類、変動パターン等を判定して当該判定結果を示す事前判定情報を生成する処理である。その後、CPU101は、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS206)。保留コマンドは、特別図柄判定が保留されたことを通知するためのコマンドであって、
図11のステップS9における出力処理において演出制御部130へと送信される。なお、ステップS205の事前判定処理では、ステップS204で取得された各種乱数がそのまま事前判定情報として生成されて、当該事前判定情報が保留コマンドに含められてもよい。
【0097】
ステップS201で「NO」と判定した場合、ステップS202で「NO」と判定した場合、又はステップS206の処理を実行した場合、CPU101は、ステップS207の処理を実行する。ステップS207では、CPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否か(第2始動口12に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS207:YES)、RAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、予めROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS208)。
【0098】
CPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS208:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する(ステップS209)。そして、CPU101は、ステップS1の処理で更新した各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、RAM103に格納する(ステップS210)。
【0099】
そして、CPU101は、ステップS210の処理によってRAM103に格納された各種乱数を用いて、上記ステップS205の処理と同様に事前判定処理を実行し(ステップS211)、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS212)。
【0100】
ステップS207で「NO」と判定された場合、ステップS208で「NO」と判定された場合、又はステップS212の処理が行われた場合、CPU101は、始動口スイッチ処理を終了して、ゲートスイッチ処理に処理を進める。
【0101】
[遊技制御部100によるゲートスイッチ処理]
図13は、
図11のステップS3におけるゲートスイッチ処理の詳細フローチャートである。
図13に示されるように、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号(ゲートスイッチ114が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲートスイッチ114が「ON」になったか否かを判定する(ステップS301)。
【0102】
CPU101は、ゲートスイッチ114が「ON」になったと判定した場合(ステップS301:YES)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが、普通図柄判定の最大保留数Gmax(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS302)。
【0103】
CPU101は、保留数Gが最大保留数Gmax未満であると判定した場合(ステップS302:YES)、保留数Gを「1」加算した値に更新し(ステップS303)、この処理によって保留された普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、RAM103に格納する(ステップS304)。なお、ステップS204において格納された普通図柄乱数に対して上記ステップS205と同様に事前判定処理が行われ、当該事前判定処理の結果が普通図柄の保留コマンドとして演出制御部130に送信されてもよい。
【0104】
[遊技制御部100による特別図柄処理]
次に、
図14〜
図17を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、
図14は、
図11におけるステップS4の特別図柄処理を示す詳細フローチャートである。
図15は、
図14のステップS407の大当たり判定処理の詳細を示すフローチャートである。
図16は、
図14のステップS408の変動パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【0105】
図14に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、例えばRAM103に記憶されている情報に基づいて、特別遊技中(大当たり遊技中)であるか否かを判定する(ステップS401)。ここで、特別遊技中であると判定された場合(ステップS401:YES)、CPU101は、特別図柄処理を終了する。
【0106】
CPU101は、特別遊技中ではないと判定した場合(ステップS401:NO)、特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(ステップS402)。ここで、特別図柄が変動表示中ではないと判定した場合(ステップS402:NO)、RAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS403)、「1」以上であると判定した場合(ステップS403:YES)、保留数U2を「1」減算して保留玉を1だけ消化する(ステップS404)。
【0107】
CPU101は、保留数U2が「1」以上ではない(第2特別図柄判定が保留されていない)と判定した場合(ステップS403:NO)、RAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS405)、「1」以上であると判定した場合(ステップS405:YES)、保留数U1を「1」減算して保留玉を1だけ消化する(ステップS406)。一方、CPU101は、ステップS405で保留数U1が「1」以上でないと判定した場合(ステップS405:NO)、客待ちコマンドをRAM103に設定して、
図14に示す特別図柄処理を終了する。
【0108】
CPU101は、ステップS404またはステップS406の処理に続いて、大当たり判定処理を実行する(ステップS407)。以下、
図15を参照して、大当たり判定処理について説明する。
【0109】
(大当たり判定処理)
図15に示すように、CPU101は、まず、大当たりか否かの判定を行う(ステップS431)。具体的には、CPU101は、
図14のステップS404の処理に続いて大当たりか否かの判定を行う場合、ステップS404の処理で保留数U2を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS2の処理でRAM103に格納された大当たり乱数)が、ROM102に予め記憶されている大当たり乱数の当選値と一致するか否かを判定する。これにより、CPU101は、第2特別図柄判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。なお、遊技状態が高確率遊技状態である場合は、通常よりも大当たりと判定される確率が高い。一方、
図14のステップS406の処理に続いて大当たりか否かの判定を行う場合、CPU101は、ステップS406の処理で保留数U1を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS2の処理でRAM103に格納された大当たり乱数)が、ROM102に予め記憶されている大当たり乱数の当選値と一致するか否かを判定する。これにより、CPU101は、第1特別図柄判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。
【0110】
ここで、特別図柄判定の結果が大当たりである場合(ステップS431:YES)、CPU101は、上述した大当たり乱数と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された図柄乱数に基づいて、図柄乱数判定処理を行う(ステップS432)。具体的には、CPU101は、ステップS2の処理でRAM103に格納された図柄乱数がROM102に予め記憶されている複数種の大当たりのそれぞれに割り当てられた乱数値のいずれと一致するかを判定することにより、大当たりの種類を判定する。そして、CPU101は、判定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS433)。
【0111】
一方、ステップS431において大当たりでないと判定された場合(ステップS431:NO)、CPU101は、特別図柄判定の結果がハズレであることを表すハズレ図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS434)。
【0112】
ステップS433の処理、またはステップS434の処理の後、CPU101は、大当たり判定処理を終了して、
図14の特別図柄処理に処理を戻す。
【0113】
図14に戻り、ステップS407の大当たり判定処理に続いて、CPU101は、変動パターン設定処理を実行する(ステップS408)。以下、
図16を参照して、変動パターン設定処理について説明する。
【0114】
(変動パターン設定処理)
図16に示すように、CPU101は、ステップS407の大当たり判定処理の結果が大当たりであったか否かを判定する(ステップS440)。CPU101は、ステップS407の大当たり判定処理において大当たりと判定した場合(ステップS440:YES)には、大当たり用の変動パターンテーブルをRAM103にセットする(ステップS441)。大当たり用の変動パターンテーブルには、変動時間が30秒、60秒、90秒、120秒等の変動パターンが記憶されている。
【0115】
一方、ステップS407の大当たり判定処理において大当たりでないと判定した場合(ステップS440:NO)、すなわち、ステップS407の大当たり判定処理においてハズレと判定した場合、CPU101は、リーチ乱数判定処理を行う(ステップS442)。リーチ乱数判定処理では、CPU101は、大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒にRAM103に格納されたリーチ乱数が、ROM102に予め記憶されている値と一致するか否かを判定する。当該判定結果に基づいて、CPU101は、リーチ演出を行うか否かを決定する(ステップS443)。そして、CPU101は、リーチ演出を行うと決定した場合(ステップS443:YES)にはリーチ用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS444)。リーチ用の変動パターンテーブルには、変動時間が30秒、60秒、90秒、120秒等の変動パターンが記憶されている。CPU101は、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS443:NO)にはハズレ用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS445)。ハズレ用の変動パターンテーブルには、4秒、8秒、13秒等の変動パターンが記憶されている。なお、パチンコ遊技機1が補助遊技状態である場合は、ハズレ用の変動パターンテーブル(補助遊技用)が選択される。ハズレ用の変動パターンテーブル(補助遊技用)には、2秒の変動パターンが記憶されている。
【0116】
ステップS441、ステップS444、またはステップS445の処理の後、CPU101は、変動パターン乱数判定処理を行う(ステップS446)。具体的には、ステップS446において、CPU101は、セットした変動パターンテーブルを用いて、上述した大当たり乱数(ステップS407の判定処理で用いられた大当たり乱数)と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを選択する。
【0117】
このようにして、CPU101は、ステップS2で取得された変動パターン乱数と大当たりか否かによってセットした変動パターンテーブルとに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで決定された変動パターンに基づいて、上述した第1予告演出と第2予告演出とを含む変動演出(一連の演出)が行われる。決定された変動パターンは、設定情報としてRAM103に設定される(ステップS447)。ステップS447の処理の後、CPU101は、
図16に示す変動パターン設定処理を終了して、
図14の特別図柄処理に処理を戻す。
【0118】
図14に戻り、ステップS408の処理に続いて、CPU101は、ステップS407の処理で設定した図柄の設定情報、ステップS408の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含む変動開始コマンドを生成してRAM103にセットする(ステップS409)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の実行を指示するコマンドであって、
図11のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
【0119】
ステップS409の処理に続いて、CPU101は、ステップS409の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始し(ステップS410)、変動時間の計測を開始する(ステップS411)。なお、特別図柄の変動表示は、ステップS407〜S409の処理がステップS404の処理に続いて行われた場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われ、ステップS406の処理に続いて行われた場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われる。
【0120】
CPU101は、ステップS402の処理で「YES」と判定した場合、またはステップS411の処理を実行した場合、ステップS411における変動時間の計測開始から、ステップS408の処理で設定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS412)。
【0121】
CPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS412:YES)、特別図柄の変動表示が停止されることを通知する変動停止コマンドをRAM103にセットし(ステップS413)、ステップS410の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了し(ステップS414)、計測した変動時間をリセットする(ステップS415)。これにより、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42において、ステップS407の大当たり判定処理の判定結果に応じた図柄(大当たりの種類に応じた大当たり図柄やハズレ図柄)が停止表示され、特別図柄判定の結果が報知される。なお、ステップS413の処理でセットされた変動停止コマンドは、
図11のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
【0122】
CPU101は、ステップS415の処理の後、停止中処理を実行する(ステップS416)。停止中処理の詳細については後述する。
【0123】
ステップS401で「YES」と判定された場合、ステップS405で「NO」と判定された場合、ステップS412で「NO」と判定された場合、またはステップS416の処理が行われた場合、CPU101は、特別図柄処理を終了して、
図11のステップS5の普通図柄処理を実行する。
【0124】
[遊技制御部100による停止中処理]
次に、
図14のステップS416の停止中処理について説明する。
図17は、
図14のステップS416の停止中処理を示す詳細フローチャートである。
【0125】
図17に示されるように、CPU101は、上記ステップS407の大当たり判定処理の結果に基づいて、特別図柄判定の結果が大当たりか否かを判定する(ステップS480)。そして、CPU101は、大当たりと判定した場合(ステップS480:YES)、RAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS481)。
【0126】
CPU101は、ステップS481の処理に続いて、RAM103に記憶されている補助遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS482)。CPU101は、ステップS482の処理に続いて、オープニングを開始し(ステップS483)、オープニングコマンドをRAM103にセットする(ステップS484)。このオープニングコマンドは、大当たり判定処理の結果に応じて開始されるオープニング演出を演出制御部130に行わせるためのコマンドであり、当該コマンドは、
図11のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。これにより、大入賞口13が開放されることを遊技者に報知するためのオープニング演出が行われる。
【0127】
一方、CPU101は、大当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合(ステップS480:NO)、補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS485)。ここで、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS485:YES)、RAM103に記憶されている補助遊技残余回数Jを「1」減算し、当該Jを更新する(ステップS486)。補助遊技残余回数Jは、補助遊技状態が維持される残りの特別図柄の変動回数(特別図柄判定の実行回数)を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理において設定される。遊技状態設定処理の詳細については後述する。
【0128】
ステップS486の処理に続いて、CPU101は、補助遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS487)。ここで、補助遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS487:YES)、CPU101は、補助遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS488)。
【0129】
ステップS488の処理を実行した場合、補助遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS485:NO)、又は補助遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS487:NO)、CPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS489)。
【0130】
確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS489:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Xを「1」減算し、当該Xを更新する(ステップS490)。ここで、高確率遊技残余回数Xは、高確率遊技状態で特別図柄判定が行われる残りの回数を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理(後述する)において設定される。
【0131】
ステップS490の処理に続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数Xが「0」であるか否かを判定する(ステップS491)。ここで、高確率遊技残余回数Xが「0」であると判定した場合(ステップS491:YES)、RAM103に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS492)。
【0132】
ステップS492の処理が実行された場合、ステップS484の処理が実行された場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS489:NO)、又は高確率遊技残余回数Xが「0」ではないと判定された場合(ステップS491:NO)、CPU101は、
図17の停止中処理を終了する。
【0133】
[遊技制御部100による普通図柄処理]
次に、
図18を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される普通図柄処理の詳細について説明する。
図18は、
図11のステップS5の普通図柄処理を示す詳細フローチャートである。
【0134】
まず、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS501)。補助フラグは、普通図柄判定の結果が当りである場合に「ON」に設定されるフラグであり、電動チューリップ17を作動させる当たり遊技中であるか否かを示すフラグである。電動チューリップ17は、普通図柄判定の結果が当りである場合、所定のパターンで動作する。電動チューリップ17の動作パターンは、遊技機1の状態が補助遊技状態か否か(補助遊技フラグがONか否か)によって異なる。また、当たりの種類が長開放当たりか短開放当たりかで、電動チューリップ17の動作パターンは異なる。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS501:YES)、CPU101は、
図18の普通図柄処理を終了する。
【0135】
補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS501:NO)、CPU101は、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS502)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS502:NO)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS503)。ここで、保留数Gが「1」以上ではないと判定した場合(ステップS503:NO)、CPU101は、
図18の普通図柄処理を終了する。
【0136】
CPU101は、保留数Gが「1」以上であると判定した場合(ステップS503:YES)、保留数Gを「1」減算した値に更新し(ステップS504)、普通図柄乱数判定処理を実行する(ステップS505)。具体的には、遊技球がゲート15又はゲート16を通過したことに応じて上記ステップS3の処理で取得された普通図柄乱数が、ROM102に記憶されている普通図柄乱数の当選値(補助遊技状態か否かにより異なる)と一致するか否かに基づいて、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定する(ステップS506)。なお、遊技状態が補助遊技状態である場合、普通図柄判定の結果が当たりとなる確率は通常よりも高い。
【0137】
CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりではないと判定した場合(ステップS506:NO)、RAM103にハズレ図柄をセットする(ステップS507)。
【0138】
一方、CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりであると判定した場合(ステップS506:YES)、CPU101は、普通図柄判定の当たりの種類が長開放当たりか否かを判定する(ステップS508)。ROM102には、普通図柄乱数の当選値として、当選後に第2始動口12を長開放することとなる長開放当たりの当選値と、第2始動口12を短開放することとなる短開放当たりの当選値とが設定されている。CPU101は、取得された普通図柄乱数に基づいて、長開放当たりか否かを判定する。なお、普通図柄判定の当落を決定するための普通図柄乱数(第1普通図柄乱数)とは別に、普通図柄の当たりの種類を決定するための乱数(第2普通図柄乱数)が設けられてもよい。この場合、第1普通図柄乱数に基づいて当たりか否かが判定され、当たりである場合に、第2普通図柄乱数に基づいて当たりの種類(長開放当たり、又は短開放当たり)が決定されてもよい。
【0139】
長開放当たりであると判定した場合(ステップS508:YES)、CPU101は、長開放当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS509)。一方、長開放当たりでないと判定した場合(ステップS508:NO)、CPU101は、短開放当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS510)。
【0140】
ステップS507の処理、ステップS509の処理、又はステップS510の処理に続いて、CPU101は、RAM103に記憶されている補助遊技フラグがONか否かに基づいて、パチンコ遊技機1の遊技状態が、補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS511)。
【0141】
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS511:NO)、普通図柄表示器45において普通図柄を変動表示させる時間である普通図柄変動時間を例えば25秒にセットする(ステップS512)。逆に、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS511:YES)、普通図柄変動時間を比較的短い値、例えば2秒にセットする(ステップS513)。このステップS512又はステップS513の処理によってセットされた普通図柄変動時間は、RAM103に一時的に記憶される。
【0142】
ステップS512又はステップS513の処理に続いて、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示を開始させ(ステップS514)、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する(ステップS515)。
【0143】
一方、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS502:YES)、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する(ステップS516)。具体的には、ステップS513の処理によって計測を開始した経過時間が、上記ステップS512又はステップS513の処理で設定された普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったか否かを判定する。ここで、終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS516:NO)、CPU101は、
図18の普通図柄処理を終了する。
【0144】
CPU101は、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったと判定した場合(ステップS516:YES)、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示を終了させる(ステップS517)。具体的には、CPU101は、上記ステップS507、ステップS509、又はステップS510の処理でセットした図柄を普通図柄表示器45に停止表示させる。これにより、普通図柄判定の結果が遊技者に対して報知される。
【0145】
ステップS517の処理に続いて、CPU101は、上記ステップS515の処理によって計測が開始された経過時間をリセットする(ステップS518)。そして、上記ステップS506と同様に、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定し(ステップS519)、当たりであると判定した場合(ステップS519:YES)、補助フラグを「ON」に設定する(ステップS520)。この補助フラグが「ON」に設定されることにより、電動チューリップ17が作動する。
【0146】
ステップS520の処理の後、ステップS516の処理でNOと判定した場合、またはステップS519の処理でNOと判定した場合、CPU101は、
図18の普通図柄処理を終了する。
【0147】
[遊技制御部100による大入賞口処理]
次に、
図19を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される大入賞口処理の詳細について説明する。
図19は、
図11のステップS6の大入賞口処理を示す詳細フローチャートである。
【0148】
図19に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、大当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグは、上記ステップS481でONに設定されるフラグである。大当たり遊技フラグがONの場合(ステップS601:YES)、CPU101は、オープニング中か否かを判定する(ステップS602)。
【0149】
オープニング中であれば(ステップS602:YES)、CPU101は、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。オープニング時間が経過していれば(ステップS603:YES)、CPU101は、大当たり判定処理の結果に応じて、大入賞口13の開放パターンを設定する(ステップS604)。これにより、大当たり遊技のラウンド数(例えば、16ラウンド)、各ラウンドの終了条件(例えば、ラウンドの終了条件としては、開放時間が29秒を経過すること、及び、所定数の遊技球が大入賞口13に入賞することのうちの何れかが満たされること)、ラウンド間のインターバル時間等が設定される。
【0150】
続いて、CPU101は、設定した開放パターンで大入賞口13の開放制御を開始する(ステップS605)。ステップS605の処理の後、CPU101は、次にステップS607の処理を実行する。
【0151】
一方、オープニング中でなければ(ステップS602:NO)、CPU101は、エンディング中か否かを判定する(ステップS606)。エンディング中でなければ(ステップS606:NO)、CPU101は、次にステップS607の処理を実行し、エンディング中であれば(ステップS606:YES)、次にステップS611の処理を実行する。
【0152】
ステップS607において、CPU101は、ステップS604で設定した開放パターンでの大入賞口13の開放制御が終了したか否か(最終ラウンドが終了したか否か)を判定する。判定結果が肯定の場合(ステップS607:YES)、CPU101は、大入賞口13の開放制御を終了する(ステップS608)。続いて、CPU101は、エンディングコマンドをRAM103にセットする(ステップS609)。ここでセットされたエンディングコマンドは、
図11のステップ9の出力処理において演出制御部130に送信される。演出制御部130は、当該エンディングコマンドを受信したことに応じて、大当たり遊技が終了することを示すエンディング演出を実行する。次に、CPU101は、エンディング時間の計測を開始する(S610)。
【0153】
CPU101は、ステップS610の処理を行った場合、またはステップS606の処理でYESと判定した場合、予め設定されたエンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS611)。エンディング時間が経過していれば(ステップS611:YES)、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する(ステップS612)。遊技状態設定処理の詳細については、後述する。ステップS612の遊技状態設定処理の後、CPU101は、大当たり遊技フラグをOFFに設定する(ステップS613)。
【0154】
ステップS601の処理でNOと判定した場合、ステップS603の処理でNOと判定した場合、ステップS607の処理でNOと判定した場合、ステップS611の処理でNOと判定した場合、または、ステップS613の処理を実行した場合、CPU101は、
図19に示す大入賞口処理を終了する。
【0155】
[遊技制御部100による遊技状態設定処理]
次に、
図19のステップS612の遊技状態設定処理について説明する。
図20は、
図19のステップS612の遊技状態設定処理を示す詳細フローチャートである。
【0156】
図20に示されるように、CPU101は、大当たりの種類が高確率遊技状態への移行を伴う確変大当たりか否かを判定する(ステップS630)。確変大当たりであった場合(ステップS630:YES)、CPU101は、確変遊技フラグをONに設定する(ステップS631)。続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数XにXmaxを設定する(ステップS632)。ここで、Xmaxは予め定められた値であり、Xmaxとして非常に大きな値、例えば、10000が設定される。Xに非常に大きな値Xmaxが設定されるため、事実上、高確率遊技残余回数Xが0になるまでに、遊技機1は、次の大当たりとなる。
【0157】
ステップS632の処理の後、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定する(ステップS633)。その後、CPU101は、補助遊技残余回数JにJmaxを設定する(ステップS634)。Jmaxは予め定められた値であり、Jmaxとして非常に大きな値、例えば、10000が設定される。
【0158】
一方、確変大当たりでない場合(ステップS630:NO)、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定し(ステップS635)、補助遊技残余回数Jに100を設定する(ステップS636)。
【0159】
ステップS634の処理またはステップS636の処理を実行した場合、CPU101は、
図20に示す遊技状態設定処理を終了する。
【0160】
[遊技制御部100による電動チューリップ処理]
次に、
図11のステップS7の電動チューリップ処理の詳細について説明する。
図21は、
図11の電動チューリップ処理の詳細フローチャートである。
【0161】
まず、遊技制御部100のCPU101は、補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS701)。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS701:NO)、CPU101は、電動チューリップ処理を終了する。
【0162】
CPU101は、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS701:YES)、電動チューリップ17が動作中であるか否かを判定する(ステップS702)。ここで、電動チューリップ17が動作中ではないと判定した場合(ステップS702:NO)、CPU101は、上記ステップS509又はステップS510でセットした図柄に基づいて、長開放当たりか否かを判定する(ステップS703)。
【0163】
長開放当たりであると判定した場合(ステップS703:YES)、CPU101は、電動チューリップ17の動作パターンとして、例えば第2始動口12を5.6秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS707)。
【0164】
長開放当たりでないと判定した場合(ステップS703:NO)、CPU101は、補助遊技フラグがONか否かを判定することにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS704)。
【0165】
補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS704:NO)、CPU101は、電動チューリップ17の動作パターンとして、例えば第2始動口12を0.1秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS705)。
【0166】
一方、CPU101は、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS704:YES)、電動チューリップ17の動作パターンとして、例えば第2始動口12を1.8秒間開放する動作を3回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS706)。
【0167】
CPU101は、ステップS705、ステップS706、又はステップS707の処理によって電動チューリップ17の動作パターンを設定した後、設定した動作パターンでの電動チューリップ17の動作を電動チューリップ開閉部113に開始させる(ステップS708)。
【0168】
CPU101は、ステップS708の処理を実行した場合、または電動チューリップ17の動作中であると判定した場合(ステップS702:YES)、ステップS708の処理で開始された電動チューリップ17の動作が完了したか否かを判定する(ステップS709)。ここで、電動チューリップ17の動作が完了したと判定した場合(ステップS709:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグを「OFF」に設定する(ステップS710)。
【0169】
ステップS701の処理でNOと判定した場合、ステップS709の処理でNOと判定した場合、またはステップS710の処理を実行した場合、CPU101は、電動チューリップ処理を終了する。
【0170】
[演出制御部130による演出制御処理]
次に、上述した遊技制御部100からの各種コマンドに基づいた演出制御の詳細について
図22〜
図23を参照して説明する。
【0171】
図22は、演出制御部130において行われる処理の詳細を示すフローチャートである。以下では、
図22〜
図23に示す処理を演出制御部130が行うものとして説明するが、これらの処理の一部または全部は、演出制御部130、画像音響制御部140、およびランプ制御部150の何れにおいて実行されてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御部130のCPU131は、
図22に示す一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
【0172】
演出制御部130は、コマンド制御処理を実行する(ステップS1001)。コマンド制御処理は、遊技制御部100からの各種コマンドを受信したことに応じて、演出を制御する処理である。具体的には、演出制御部130は、遊技制御部100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、当該決定した演出を画像音響制御部140及びランプ制御部150に実行させるためのコマンドを生成する。そして生成したコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信する。また、演出制御部130は、演出ボタン26や演出キー27に対する操作に応じたコマンド(次のステップS1002)を送信する。このコマンドに応じて画像音響制御部140及びランプ制御部150は、所定の演出を実行する。このコマンド制御処理の詳細については、
図23に基づいて後に詳述する。
【0173】
ステップS1001の処理に続いて、演出制御部130は、操作受付処理を実行する(ステップS1002)。具体的には、CPU131は、演出ボタン26や演出キー27が操作された場合にその操作に応じた操作コマンドを生成してRAM133に設定する。以上で、
図22に示す処理は終了する。
【0174】
[演出制御部130によるコマンド制御処理]
以下、
図23を参照しつつ、演出制御部130において実行されるコマンド制御処理について説明する。ここで、
図23は、
図22のステップS1001におけるコマンド制御処理の詳細フローチャートである。
【0175】
まず、演出制御部130は、遊技制御部100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1301)。保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1301:YES)、演出制御部130は、事前判定処理を実行する(ステップS1302)。
【0176】
ステップS1302の処理では、演出制御部130は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、事前判定を行い、当該事前判定の結果に基づいて演出の内容を決定して実行する。例えば、演出制御部130は、事前判定の結果に基づいて、上述した第1予告演出および第2予告演出を含む、複数の変動にわたる一連の演出を行ってもよい。
【0177】
ステップS1302の処理を実行した場合、又は、保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1301:NO)、演出制御部130は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1303)。
【0178】
変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1303:YES)、演出制御部130は、変動演出開始処理を実行する(ステップS1304)。ここでは、演出制御部130は、受信した変動開始コマンドに基づいて、特別図柄判定の結果が大当たりか否か、大当たりであった場合の大当たりの種類、変動パターン等を解析する。そして、演出制御部130は、解析結果に基づいて、装飾図柄51を用いた変動演出(特別図柄の変動に伴う演出)の内容を決定し、当該決定した変動演出を開始する。例えば、変動パターンが特定の変動パターンである場合、演出制御部130は、変動演出として上述した第1予告演出および第2予告演出を含む一連の演出を行う。
【0179】
演出制御部130には、複数の演出パターンが記憶されており、変動開始コマンドに含まれる変動パターンに基づいて、1の演出パターンが選択されて実行される。
【0180】
図24は、特別図柄判定の結果がハズレである場合の演出パターンの一例を示す図である。例えば、変動開始コマンドに含まれる変動パターンが変動パターンP1である場合、第1予告演出として写真予告演出が2回行われた後、装飾図柄51を用いてハズレが報知される変動演出が行われる。変動パターンP1に対応する変動演出では、写真予告演出が行われると、当該予告演出に対応付けられたポイントに応じて第1予告演出実行表示画像55の目盛りの値が増加される。すなわち、1回目の写真予告演出が行われると目盛りが「0」から例えば「2」に上昇し、2回目の写真予告演出が行われると目盛りが「2」から「4」に上昇する。そして、ハズレが報知されると、第1予告演出実行表示画像55の目盛りの値は「0」にリセットされる。
【0181】
また、変動開始コマンドに含まれる変動パターンが変動パターンP2である場合、第1予告演出として写真予告演出およびセリフ予告演出が行われた後、ハズレが報知される変動演出が行われる。変動パターンP2に対応する変動演出では、写真予告演出が行われると第1予告演出実行表示画像55の目盛りが「0」から例えば「2」に上昇し、セリフ予告演出が行われると目盛りが「2」から「5」に上昇する。
【0182】
また、変動パターンP3に対応する変動演出では、第1予告演出として写真予告演出およびセリフ予告演出が行われた後、ハズレが報知される。変動パターンP3に対応する変動演出では、写真予告演出が行われると第1予告演出実行表示画像55の目盛りが「0」から例えば「3」に上昇し、セリフ予告演出が行われると目盛りが「3」から「6」に上昇する。
【0183】
また、変動パターンP4に対応する変動演出では、第1予告演出として写真予告演出およびセリフ予告演出が行われ、かつ、第2予告演出として特定画像の表示演出が行われ、最終的にハズレが報知される。変動パターンP4に対応する変動演出では、写真予告演出が行われると第1予告演出実行表示画像55の目盛りが「0」から例えば「3」に上昇し、セリフ予告演出が行われると目盛りが「3」から「7」に上昇する。また、第2予告演出が行われると、第2予告演出実行表示画像56が第2予告演出が行われたことを示す表示に変化する。
【0184】
なお、変動パターンP1〜P4に対応する変動演出では、予告演出の後にリーチ演出が行われ、リーチ演出の後にハズレが報知される。
【0185】
また、変動パターンP1〜P4の他にも多数の変動パターンが用意されており、各変動パターンに応じた変動演出が決定される。例えば、ポイントは最大値(信頼度は高い)であるが、複数の第1予告演出が行われる一方で、第2予告演出が行われない変動パターンが用意されてもよい。
【0186】
図25は、特別図柄判定の結果が大当たりである場合の演出パターンの一例を示す図である。例えば、変動開始コマンドに含まれる変動パターンが変動パターンP101である場合、第1予告演出として写真予告演出が2回行われた後、装飾図柄51を用いて大当たりが報知される変動演出が行われる。変動パターンP101に対応する変動演出では、写真予告演出が行われると、当該予告演出に対応付けられたポイントに応じて第1予告演出実行表示画像55の目盛りの値が増加される。すなわち、1回目の写真予告演出が行われると目盛りが「0」から例えば「2」に上昇し、2回目の写真予告演出が行われると目盛りが「2」から「4」に上昇する。なお、大当たりが報知されると大当たり遊技が行われる。大当たり遊技が行われた後の特別図柄の変動においては、第1予告演出実行表示画像55の目盛りの値は「0」にリセットされている。
【0187】
また、変動開始コマンドに含まれる変動パターンが変動パターンP102である場合、第1予告演出として写真予告演出およびセリフ予告演出が行われた後、大当たりが報知される変動演出が行われる。変動パターンP102に対応する変動演出では、写真予告演出が行われると第1予告演出実行表示画像55の目盛りが「0」から例えば「2」に上昇し、セリフ予告演出が行われると目盛りが「2」から「5」に上昇する。
【0188】
また、変動パターンP103に対応する変動演出では、第1予告演出として写真予告演出およびセリフ予告演出が行われた後、大当たりが報知される。変動パターンP103に対応する変動演出では、写真予告演出が行われると第1予告演出実行表示画像55の目盛りが「0」から例えば「3」に上昇し、セリフ予告演出が行われると目盛りが「3」から「6」に上昇する。
【0189】
また、変動パターンP104に対応する変動演出では、第1予告演出として写真予告演出およびセリフ予告演出が行われ、かつ、第2予告演出として特定画像の表示演出が行われ、最終的に大当たりが報知される。変動パターンP104に対応する変動演出では、写真予告演出が行われると第1予告演出実行表示画像55の目盛りが「0」から例えば「3」に上昇し、セリフ予告演出が行われると目盛りが「3」から「7」に上昇する。また、第2予告演出が行われると、第2予告演出実行表示画像56が第2予告演出が行われたことを示す表示に変化する。
【0190】
なお、変動パターンP101〜P104に対応する変動演出では、予告演出の後にリーチ演出が行われ、リーチ演出の後に大当たりが報知される。
【0191】
また、変動パターンP101〜P104の他にも多数の変動パターンが用意されており、各変動パターンに応じた変動演出が決定される。例えば、ポイントは最大値(信頼度は高い)であるが、複数の第1予告演出が行われる一方で、第2予告演出が行われない変動パターンが用意されてもよい。
【0192】
図24に示す変動パターンP1〜P4は、上述のリーチ用の変動パターンテーブルに含まれる変動パターンである。リーチ用の変動パターンテーブルでは、変動パターンP1が選択される確率が高く、変動パターンP4が選択される確率は低い。
【0193】
図25に示す変動パターンP101〜P104は、上述の大当たり用の変動パターンテーブルに含まれる変動パターンである。大当たり用の変動パターンテーブルでは、変動パターンP101が選択される確率は低く、変動パターンP104が選択される確率が高い。
【0194】
すなわち、特別図柄判定の結果がハズレである場合は、変動パターンP1が選択されやすく変動パターンP4は選択されにくい。このため、特別図柄判定の結果がハズレである場合は、信頼度の低い(ポイント数の低い)演出が行われやすく、第2予告演出は行われにくい。一方、特別図柄判定の結果が大当たりである場合は、変動パターンP104が選択されやすく、信頼度の高い(ポイント数の高い)演出が行われやすく、第2予告演出は行われやすい。
【0195】
演出制御部130は、変動パターンに基づいて演出内容を決定し、決定した演出を実行させるために、画像音響制御部140に対してコマンドを送信する。画像音響制御部140には、上述した演出のための画像データが記憶されており、画像音響制御部140は、演出制御部130からのコマンドに応じて、液晶表示器5に画像を表示させる。これにより、上述した演出が行われる。
【0196】
なお、上記では、変動パターンに対応して各予告演出が行われる場合について説明したが、変動パターンに基づいて、演出制御部130が、各予告演出の種類およびその内容を抽選によって決定してもよい。具体的には、演出制御部130は、所定の演出乱数を用いて、各予告演出(第1予告演出における写真予告、セリフ予告、第2予告演出における特定画像を表示する予告や群予告)を行うか否かを決定する。そして、行うと決定した予告演出について、その詳細な演出内容(写真予告のサイズやセリフ予告のセリフ内容や文字の色等)を乱数を用いた抽選により決定する。これら予告演出を行うか否かや予告演出の内容は、変動パターンに基づいて決定される。そして、決定された予告演出の種類や内容に応じて、第1予告演出実行表示画像55や第2予告演出実行表示画像56が表示される。具体的には、演出制御部130は、複数の第1予告演出を行うと決定した場合において、それぞれの第1予告演出の内容に応じたポイントを記憶し、各第1予告演出に付与されたポイントを累積する。そして、累積したポイントに応じて第1予告演出実行表示画像55を表示させる。また、演出制御部130は、変動パターンに基づいて第2予告演出を行うか否かを決定し、行うと決定した場合に、第2予告演出を実行するとともに、第2予告演出実行表示画像56を表示させる。
【0197】
図23に戻り、ステップS1304の処理を実行した場合、又は、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1303:NO)、演出制御部130は、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1305)。
【0198】
変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1305:YES)、演出制御部130は、変動演出終了処理を実行する(ステップS1306)。変動演出終了処理では、演出制御部130は、液晶表示器5に変動表示されている装飾図柄51を停止表示させて、変動演出を終了させる。
【0199】
ステップS1306の処理を実行した場合、又は、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1305:NO)、演出制御部130は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1307)。
【0200】
オープニングコマンドを受信した場合(ステップS1307:YES)、演出制御部130は、オープニング処理を実行する(ステップS1308)。オープニング処理は、大当たり遊技が開始される際に行われるオープニング演出、および大当たり遊技中に行われる大当たり演出を決定する処理である。演出制御部130は、大当たりの種類等に応じて、オープニング演出や大当たり演出の内容を決定し、これらの演出を画像音響制御部140やランプ制御部150に実行させる。
【0201】
ステップS1308の処理を実行した場合、又は、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1307:NO)、演出制御部130は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1309)。
【0202】
エンディングコマンドを受信した場合(ステップS1309:YES)、演出制御部130は、エンディング処理を実行する(ステップS1310)。エンディング処理は、大当たり遊技が終了する際に行われるエンディング演出を決定する処理である。演出制御部130は、エンディング処理の結果を示すコマンドを画像音響制御部140やランプ制御部150に送信してエンディング演出を実行させる。
【0203】
ステップS1310の処理を実行した場合、又は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1309:NO)、演出制御部130は、
図23に示す処理を終了する。
【0204】
以上のように、遊技制御部100からのコマンドに基づいて、演出制御部130による演出制御が行われる。本実施形態では、遊技制御部100からの変動開始コマンドに基づいて、上述のような第1予告演出および第2予告演出を含む一連の演出(変動演出)が行われ、当該一連の演出中に第1予告演出が行われる毎に、第1予告演出実行表示画像55の目盛りが累積的に上昇し、第2予告演出が行われると、第2予告演出実行表示画像56によって当該第2予告演出が行われたことを示す表示が行われる。
【0205】
これにより、単体では比較的信頼度が低い第1予告演出が複数行われた場合において、第1予告演出実行表示画像55の目盛りの値によって、遊技機に詳しくない遊技者であってもその変動における信頼度を直感的に知ることができる。また、単体で比較的信頼度が高い第2予告演出については、第2予告演出実行表示画像56によってその実行が表示されるため、第2予告演出を見逃した場合でも遊技者は期待感をもって遊技を行うことができる。
【0206】
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
【0207】
例えば、上記実施形態では、第1予告演出実行表示画像55は目盛りの値が増減するゲージ画像としたが、他の実施形態では、例えば数字を用いた表示を行ってもよく、複数の第1予告演出の実行に応じて、信頼度を示す数値が上昇するような演出が行われてもよい。その他、所定のキャラクタや画像の数によって複数の第1予告演出が行われたことによる信頼度が示されてもよい。
【0208】
また、第2予告演出が実行されたことを示す第2予告演出実行表示画像56は他の任意の画像でもよい。
【0209】
また、上記実施形態では、画像によって複数の第1予告演出が行われたことによる信頼度を表示したが、他の実施形態では、画像に限らず、例えば、演出役物の発光パターンや動作パターン(動作や姿勢)等によって表示されてもよい。第2予告演出についても同様である。
【0210】
また、上記第1予告演出および第2予告演出は、リーチ成立前(例えば、左右の領域に同種の装飾図柄が停止する前)に行われるとしたが、これらの予告演出はリーチ成立後においても行われてもよい。
【0211】
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
【0212】
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
【0213】
[本発明に係る遊技機の構成とその作用効果]
以上説明したように、本発明に係る遊技機は以下のような構成であってもよい。なお、括弧書きは単なる例示にすぎない。
【0214】
本発明に係る遊技機は、始動条件の成立に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段(101、S407)と、前記特別遊技判定の結果に基づく演出を実行する演出実行手段(130)と、を備える遊技機であって、前記演出実行手段は、前記特別遊技判定の結果を示唆する第1予告演出(551、553)を実行する第1予告演出実行手段と、前記特別遊技判定の結果を示唆する第2予告演出(561)を実行する第2予告演出実行手段と、前記特別遊技判定の結果に基づいて、複数の前記第1予告演出、および/または、前記第2予告演出を含む一連の演出の実行を制御する演出制御手段と、を含み、前記演出制御手段は、前記一連の演出において、前記第1予告演出が行われた場合、当該第1予告演出に対応付けられた、前記特別遊技判定の結果に基づくポイントを累積し、当該累積したポイントに応じた表示を行い(55)、前記一連の演出において、前記第2予告演出が行われた場合、当該第2予告演出が行われたことを示す表示を行う(56)。
【0215】
上記構成によれば、第1予告演出が行われると、当該第1予告演出に対応付けられたポイントが累積され、当該累積したポイントに応じた表示が行われるとともに、第2予告演出が行われると、第2予告演出が行われたことを示す表示が行われる。第1予告演出に対応付けられたポイントは、特別遊技判定の結果に基づくため、ポイントを累積表示することにより、遊技機に詳しくない遊技者であっても特別遊技判定の結果に対する信頼度を直感的に知ることができる。また、第2予告演出が実行されたことが表示されるため、第2予告演出の実行後においても遊技者は第2予告演出が実行されたことを知ることができ、遊技者に期待感を抱かせることができる。
【0216】
また、他の構成では、前記第2予告演出は、前記特別遊技判定において特別遊技を行うと判定される信頼度が前記第1予告演出よりも高い演出であってもよい。
【0217】
上記構成によれば、比較的信頼度の低い第1予告演出の実行を累積的に表示しつつ、比較的信頼度の高い第2予告演出が行われたことを表示することができる。これにより、比較的信頼度の低い第1予告演出については、その実行毎に遊技者の期待感を段階的に高めることができ、比較的信頼度の高い第2予告演出については、遊技者の期待感を一気に高めることができる。
【0218】
また、他の構成では、前記累積したポイントに応じた表示は、前記特別遊技判定の結果に対する信頼度を示してもよい。
【0219】
上記構成によれば、複数の第1予告演出が行われた結果、累積されたポイントに応じた表示は信頼度を示す。各第1予告演出の信頼度を詳しく知らない遊技者であっても最終的な信頼度を直感的に知ることができる。