(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389875
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバー
(51)【国際特許分類】
F16H 59/12 20060101AFI20180903BHJP
B60K 20/02 20060101ALI20180903BHJP
F16H 63/50 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
F16H59/12
B60K20/02 G
F16H63/50
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-518083(P2016-518083)
(86)(22)【出願日】2014年9月15日
(65)【公表番号】特表2016-533457(P2016-533457A)
(43)【公表日】2016年10月27日
(86)【国際出願番号】EP2014069577
(87)【国際公開番号】WO2015049101
(87)【国際公開日】20150409
【審査請求日】2017年9月6日
(31)【優先権主張番号】102013219924.4
(32)【優先日】2013年10月1日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】シュペール・ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ヘヒト・ヴァルター
(72)【発明者】
【氏名】シューラ―・フランツ−ヨーゼフ
【審査官】
岡澤 洋
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第19747269(DE,A1)
【文献】
特開平06−229272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 59/12
B60K 20/02
F16H 63/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバーであって、シフト位置Pに割り当てられた別個の単安定操作部品(1)を有するセレクタレバーにおいて、
このシフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品(1)を操作することによって、実際に投入されているシフト位置及び車両の駆動エンジンの状態に応じて、セレクタレバーを動かすこと無く、駆動エンジンのスタート又はストッププロセスが作動可能であることを特徴とする自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバー。
【請求項2】
駆動エンジンが動いている時に実際のシフト位置がPである場合に、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品(1)を操作することによって、駆動エンジンのストッププロセスが作動可能であり、
駆動エンジンが動いている時に実際のシフト位置がPでない場合に、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品(1)を操作することによって、シフト位置Pに投入することができて、駆動エンジンのストッププロセスが作動可能であり、
駆動エンジンが停止している時に実際のシフト位置がPである場合に、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品(1)を操作することによって、駆動エンジンのスタートプロセスが作動可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバー。
【請求項3】
シフト位置Pのための単安定操作部品(1)がボタンとして構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバー。
【請求項4】
本セレクタレバーが、シフト位置Nに割り当てられた別個の単安定操作部品(2)を有し、このシフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品(2)を操作することによって、実際に投入されているシフト位置及び車両の駆動エンジンの状態に応じて、駆動エンジンのスタート又はストッププロセスが作動可能であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバー。
【請求項5】
駆動エンジンが動いている時に実際のシフト位置がNであるか、或いはNでない場合に、シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品(2)を操作することによって、駆動エンジンのストッププロセスが作動可能であり、
駆動エンジンが動いている時に実際のシフト位置がNでない場合に、シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品(2)を操作することによって、シフト位置Nに投入することができて、駆動エンジンのストッププロセスが作動可能であり、
駆動エンジンが停止している時に実際のシフト位置がNである場合に、シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品(2)を操作することによって、駆動エンジンのスタートプロセスが作動可能である、
ことを特徴とする請求項4に記載の自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバー。
【請求項6】
シフト位置Nのための単安定操作部品(2)がボタンとして構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバー。
【請求項7】
操作部品(1,2)の操作により、実際に投入されているシフト位置及び車両の駆動エンジンの状態に応じて、駆動エンジンのスタート又はストッププロセスが作動される機能を運転者に示す表示部が、シフト位置P及び/又はNに割り当てられた別個の単安定操作部品(1,2)に統合されていることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバー。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一つに記載の自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバーを用いて、駆動エンジンを始動又は停止する方法において、
駆動エンジンが動いている時に車両の変速機がシフト位置Pにない場合、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品(1)の所定の値を上回らない時間の間の操作によって、シフト位置Pに投入され、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品(1)が、所定の値を上回る時間の間操作された場合に、シフト位置Pに投入された後、駆動エンジンが停止され、
駆動エンジンが停止している時に車両の変速機がシフト位置Pに有る場合、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品(1)の操作によって、駆動エンジンのスタートプロセスが作動され、
駆動エンジンが動いている時に車両の変速機がシフト位置Pに有る場合、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品(1)の操作によって、駆動エンジンが停止される、
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項4から7までのいずれか一つに記載の自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバーを用いて、駆動エンジンを始動又は停止する方法において、
駆動エンジンが動いている時に車両の変速機がシフト位置Nにない場合、シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品(2)の所定の値を上回らない時間の間の操作によって、シフト位置Nに投入され、シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品(2)が、所定の値を上回る時間の間操作された場合に、シフト位置Nに投入された後、駆動エンジンが停止され、
駆動エンジンが停止している時に車両の変速機がシフト位置Nに有る場合、シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品(2)の操作によって、駆動エンジンのスタートプロセスが作動され、
駆動エンジンが動いている時に車両の変速機がシフト位置Nに有る場合、シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品(2)の操作によって、駆動エンジンが停止される、
ことと、
駆動エンジンが動いている時に車両の変速機がシフト位置Pにない場合、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品(1)の所定の値を上回らない時間の間の操作によって、シフト位置Pに投入され、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品(1)が、所定の値を上回る時間の間操作された場合に、シフト位置Pに投入された後、駆動エンジンが停止され、
駆動エンジンが停止している時に車両の変速機がシフト位置Pに有る場合、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品(1)の操作によって、駆動エンジンのスタートプロセスが作動され、
駆動エンジンが動いている時に車両の変速機がシフト位置Pに有る場合、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品(1)の操作によって、駆動エンジンが停止される、
ことと、
を特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に基づく、自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、自動車の燃焼エンジンの始動及び停止のためにスタート/ストップボタン又はイグニッションキーを操作して、セレクタレバーの操作によりオートマチック変速機の所望の走行レンジに投入することが知られている。このセレクタレバーによって、通常四つのシフト位置P,R,N,D(P=パーキング、パーイングロックの投入、R=リバース、後進、N=ニュートラル、D=ドライブ)を選択することができ、最新の車両では、シフト位置Pは、持続的に操作されない、有利には、ボタンとして構成された、セレクタレバーの別個の単安定操作部品に割り当てられている。更に、シフト位置Nも、ボタンとして構成することが可能な、セレクタレバーの別個の単安定操作部品に割り当てることができる。
【0003】
更に、セレクタレバーは、単安定操作部品として構成することができ、そのセレクタレバーは、シフト位置P又はNを選択するために、所与のシフト位置からシフト位置P又はNに割り当てられた方向に変位された後、再び初期位置に戻されている。
【0004】
従来技術により周知の操作方式は、燃焼エンジンの始動又は停止と所望の走行レンジの投入のために、二つの別個の装置を操作しなければならないことによって、比較的分かり難くなっている。
【0005】
特許文献1により、複数の走行状態における一つの走行状態からスタート状態に切り換えて、車両エンジンの始動を実施するために動かすことが可能な変速段セレクタを備えた車両のスタートシステムが明らかである。その場合、車両の燃焼エンジンを始動するために、変速段セレクタを動かしている。それによって、オートマチック変速機の従来のセレクタレバーと従来のイグニッションスイッチ設備の機能を簡略化している。
【0006】
更に、特許文献2により、多数の走行状態又は変速段を選択するための走行/変速段セレクタを備えたセレクタ構造グループ、運転者認証手段及びこの認証手段の認証検査を実施するための安全システムを有する車両用スタート/走行システムが周知である。その周知のシステムは、更に、走行/変速段セレクタの最初の部分的な解除とその後の完全な解除を提供するロック部を有し、セレクタの最初の動きが認証手段を作動させて、その後のセレクタの完全な解除が実際のセレクタ位置でのエンジンスタートの作動を可能にしている。その場合、エンジンスタートが、一つの走行レンジへのセレクタの動きによって作動されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ドイツ特許公開第10059678号明細書
【特許文献2】ドイツ特許公開第10062891号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、車両の駆動エンジンのスタート/ストップ機能を統合した、自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバーを提供することである。
【0009】
更に、本発明により構成されたセレクタレバーを用いて、駆動エンジンを始動又は停止する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本課題は、セレクタレバーに関して、本発明による請求項1の特徴により解決される。更なる実施形態及び利点は、従属請求項から明らかとなる。本発明により構成されたセレクタレバーを用いて、駆動エンジンを始動又は停止する方法は、請求項8と9の対象である。
【0011】
従って、セレクタレバーが、変速機のシフト位置Pに割り当てられた別個の単安定操作部品を有し、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品を操作することによって、実際に投入されているシフト位置及び車両の駆動エンジンの状態に応じて、セレクタレバーを動かすこと無く、車両の駆動エンジンのスタート又はストッププロセスを作動可能である、自動車のオートマチック変速機又は自動化されたマニュアル変速機のためのセレクタレバーを提案する。
【0012】
有利には、駆動エンジンのスタート又はストッププロセスは、変速機の所要又は実際のシフト位置がPである場合に作動可能である。
【0013】
本発明では、セレクタレバーが変速機のシフト位置Nに割り当てられた別個の単安定操作部品を有する場合、シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品を操作することによって、実際に投入されているシフト位置及び駆動エンジンの状態に応じて、駆動エンジンのスタート又はストッププロセスを作動可能であると規定することができる。この場合、有利には、変速機の所要又は実際のシフト位置がNである時に、シフト位置Nに割り当てられた別個の単安定操作部品を操作することによって、駆動エンジンのスタート又はストッププロセスを作動可能である。
【0014】
この単安定操作部品は、有利には、ボタンとして構成される。それによって、運転者が、慣れた手法でボタンを操作することにより、駆動エンジンを始動又は停止できるとの利点が得られる。この場合、セレクタレバーは動かされない。
【0015】
本発明による方式によって、セレクタレバーが中心の操作部品として常に良好に実現可能であり、運転者の注目範囲内に有るので、分かり易い快適な操作方式が得られる。この結果、駆動エンジンを素早く停止することができるので、安全性が向上されるとの利点も得られる。
【0016】
本発明の改善構成の範囲内では、シフト位置Pに投入するために、セレクタレバーが所与のシフト位置からシフト位置Pに割り当てられた方向に変位された後、再び初期状態に戻されるか、或いはシフト位置Nに投入するために、セレクタレバーが所与のシフト位置からシフト位置Nに割り当てられた方向に変位された後、再び初期状態に戻される場合、セレクタレバーを操作して、シフト位置P又はシフト位置Nに投入することによって、実際に投入されているシフト位置及び駆動エンジンの状態に応じて、車両の駆動エンジンのスタート又はストッププロセスを作動可能であると規定することができる。有利には、駆動エンジンのスタート又はストッププロセスは、変速機の所要又は実際のシフト位置がP又はNである場合に作動可能である。
【0017】
セレクタレバーが、シフト位置Pのためのボタンとして構成された別個の単安定操作部品を有するか、或いはセレクタレバーが、シフト位置Pのためのボタンとして構成された別個の単安定操作部品と、シフト位置Nのためのボタンとして構成された別個の単安定操作部品とを有する場合に関して、添付図面に基づき、本発明を実施例により詳しく説明する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面では、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品は符号1を付与され、シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品は符号2を付与されている。図示された例では、変速機のシフト位置RとDは、更に別の単安定操作部品3,4を用いて選択可能である。これらの操作部品1,2,3,4は、有利には、ボタンとして構成される。
【0020】
左の列(列1)には、セレクタレバーがシフト位置Pのための別個の単安定操作部品1、例えば、ボタンを有し、駆動エンジンが動いている時に、車両の変速機がシフト位置Pにない、即ち、変速機がシフト位置R,N又はDに有る状況が図示されている。変速機が、例えば、スポーツ走行形態用のSなどの更に別のシフト位置を有する場合、変速機は、その更に別のシフト位置に有ることもできる。
【0021】
本発明では、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品1の短時間の操作によって、シフト位置Pに投入することができ、この操作時間は、所定の値を上回ってはならず、この場合、駆動エンジンは動き続ける。シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品1が、より長い時間の間操作された場合、シフト位置Pに投入された後、駆動エンジンが停止される。この場合、操作部品1の操作時間が所定の時間長を上回る時に、シフト位置Pに投入されて、駆動エンジンが停止される。
【0022】
本発明の有利な改善構成の範囲内では、駆動エンジンが動いている時に車両の変速機がシフト位置Pにない場合、操作部品1は、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品1が前記の二つの機能を付与されており、二つの操作手法が有ることを運転者に示す「P/Stop」又は同様の記号により点灯される。この場合、この表示部は、有利には、操作部品1に統合される。この表示部は、セレクタレバー内又はセレクタレバーの側の別の好適な位置に配置することもできる。
【0023】
列2には、セレクタレバーがシフト位置Pのための別個の単安定操作部品1、例えば、ボタンを有し、駆動エンジンが停止している時に車両の変速機がシフト位置Pに有る状況が図示されている。本発明では、この状況において、シフト位置Pのための操作部品1を操作することによって、駆動エンジンのスタートプロセスが作動される。有利には、シフト位置Pのための操作部品1は、「Start」により点灯される。この場合、この表示部は、有利には、操作部品1に統合される。この表示部は、セレクタレバー内又はセレクタレバーの側の別の好適な位置に配置することもできる。
【0024】
列3には、駆動エンジンが動いている時に車両の変速機がシフト位置Pに有る状況が図示されている。この場合、駆動エンジンは、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品1を操作することによって停止される。有利には、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品1は、そのような機能を運転者に通報するために「Stop」により点灯される。この場合、この表示部は、有利には、操作部品1に統合される。この表示部は、セレクタレバー内又はセレクタレバーの側の別の好適な位置に配置することもできる。
【0025】
セレクタレバーがシフト位置Nのための別個の単安定操作部品2を有する場合、実際に投入されているシフト位置及び車両の駆動エンジンの状態に応じて、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品1が前記の二つの機能を付与されている形態をシフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品2に拡張することができる。
【0026】
添付図面の列4は、駆動エンジンが動いている時に車両の変速機がシフト位置Nにもシフト位置Pにもない状況に対応する。この場合、列1に基づき述べたシフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品1の操作時間長の関数としての機能に追加して、シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品2の短時間の操作によって、シフト位置Nに投入することができ、この操作時間は、所定の値を上回ってはならず、この場合、駆動エンジンは動き続ける。シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品2が、所定の値を上回る、より長い時間の間操作された場合、シフト位置Nに投入されて、駆動エンジンが停止される。このシフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品2の前記の機能は、変速機がシフト位置Pに有る場合にも得られる。その場合、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品1は、記号「Stop」により点灯される。
【0027】
これは、特に、運転者が駆動エンジンの停止後にシフト位置Pではなく、シフト位置Nを希望する場合に有利であり、それは、例えば、洗車場又は修理工場で運ばれる場合に起こり得る。図から明らかな通り、本発明の改善構成では、シフト位置P及びシフト位置Nのための操作部品1,2は、シフト位置P及びシフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品1,2が前記の二つの機能を割り当てられており、二つの操作手法が有ることを運転者に示す「P/Stop」、「N/Stop」、或いは同様の記号により点灯される。この場合、この表示部は、有利には、操作部品1,2に統合される。この表示部は、セレクタレバー内又はセレクタレバーの側の別の好適な位置に配置することもできる。
【0028】
シフト位置Nに投入されており、駆動エンジンが停止している場合、運転者の側からシフト位置Pに投入されるか、或いは所定のN保持フェーズ後、シフト位置Pに自動的に投入されるまで、シフト位置Nが保持される。
【0029】
列5には、セレクタレバーがシフト位置Nのための別個の単安定操作部品2、例えば、ボタンを有し、駆動エンジンが停止している時に車両の変速機がシフト位置Nに有る状況が図示されている。本発明では、この状況において、シフト位置Nのための単安定操作部品2を操作することによって、駆動エンジンのスタートプロセスが作動される。この場合、有利には、シフト位置Nのための操作部品2は、そのような機能を運転者に示すために「Start」又は同様の記号により点灯される。この場合、既に説明した通り、この表示部は、有利には、操作部品2に統合されるが、別の実施形態の範囲内では、セレクタレバー内又はセレクタレバーの側の別の好適な位置に配置することもできる。
【0030】
列6には、駆動エンジンが動いている時に車両の変速機がシフト位置Nに有る状況が図示されている。この場合、シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品2を操作することによって、駆動エンジンが停止される。有利には、この状況において、シフト位置Nに割り当てられた単安定操作部品2は、そのような機能を運転者に示すために「Stop」又は同様の記号により点灯される。それは、セレクタレバー内又はセレクタレバーの側の別の好適な位置に表示することもできる。更に、シフト位置Pに割り当てられた単安定操作部品1は、列1に基づき述べた、その操作部品1の機能を運転者に示すために「P/Stop」又は同様の記号により点灯される。
【0031】
セレクタレバーがシフト位置P及びNのための多安定操作部品を有し、シフト位置P又はNが持続的に送信されて、短時間と長時間の操作の間を区別できない場合、本発明の改善構成では、セレクタレバーの更に別の操作部品又はセレクタレバーの操作方向の追加操作によって、駆動エンジンを始動すべきか、或いは停止すべきかを決定することができる。この機能は、セレクタレバーの上又は側の追加表示部によって支援される、或いは目立つようにされる。
【0032】
例えば、通常最も前方のセレクタレバーシフト位置であるセレクタレバーシフト位置Pに、セレクタレバーを手で前方に押し出すことにより、既に前に述べた機能に基づく運転者のスタート又はストップ希望を検知する追加のセンサを配備することができる。この場合、「Start」又は「Stop」の重ね合わせた追加表示によって、セレクタレバーの動きにより何方の機能が作動されるのかを運転者に示すことができる。
【符号の説明】
【0033】
1 シフト位置Pのための操作部品
2 シフト位置Nのための操作部品
3 シフト位置Rのための操作部品
4 シフト位置Dのための操作部品