特許第6389894号(P6389894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389894
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】非接触型リニアポテンショメータ
(51)【国際特許分類】
   H01C 10/00 20060101AFI20180903BHJP
   G01D 5/16 20060101ALI20180903BHJP
   H01L 43/02 20060101ALI20180903BHJP
   H01L 43/08 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   H01C10/00 M
   G01D5/16 E
   H01L43/02 P
   H01L43/08 Z
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-541000(P2016-541000)
(86)(22)【出願日】2014年12月17日
(65)【公表番号】特表2017-503345(P2017-503345A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】CN2014094064
(87)【国際公開番号】WO2015090198
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年9月11日
(31)【優先権主張番号】201310698204.2
(32)【優先日】2013年12月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514116947
【氏名又は名称】江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MULTIDIMENSION TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、フォン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュンユン
(72)【発明者】
【氏名】チー、シアオチュン
【審査官】 田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−065596(JP,A)
【文献】 特開平09−229611(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3170249(JP,U)
【文献】 特開2002−090107(JP,A)
【文献】 特開昭62−017416(JP,A)
【文献】 特開2000−158077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 10/00
G01D 5/16
H01L 43/02
H01L 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触型リニアポテンショメータであって、摺動子と、回転シャフトと、トンネル型磁気抵抗センサと、永久磁石と、支持構造体とを備え、前記摺動子には、第1の貫通孔が設けられ、前記回転シャフトは、前記第1の貫通孔を貫通し、前記回転シャフトの両端は、前記支持構造体に回転可能に取り付けられ、
前記摺動子は、前記回転シャフトの軸方向に沿って摺動し、前記摺動子の摺動が前記回転シャフトを回転駆動させ、
前記永久磁石は、前記回転シャフトの一端に配置され、前記回転シャフトと共に回転し、
前記トンネル型磁気抵抗センサは、前記永久磁石に隣接して配置され、前記永久磁石によって生成された磁場を検出して、前記検出磁場を出力用の電圧信号に変換するのに使用され
前記非接触型リニアポテンショメータは、ガイドロッドをさらに備え、前記摺動子には、第2の貫通孔がさらに設けられ、前記ガイドロッドは、前記第2の貫通孔を貫通し、前記回転シャフトと平行であり、前記ガイドロッドの両端は、前記支持構造体に固定される
ことを特徴とする、非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項2】
前記トンネル型磁気抵抗センサは、2軸回転磁気センサもしくは2つの直交する1軸回転磁気センサであることを特徴とする、請求項1に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項3】
前記永久磁石は、円盤状、環状、もしくは正方形であることを特徴とする、請求項に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項4】
前記トンネル型磁気抵抗センサは、2軸線形磁気センサであることを特徴とする、請求項1に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項5】
前記永久磁石は、円盤状もしくは環状であることを特徴とする、請求項に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項6】
前記トンネル型磁気抵抗センサの中心軸と前記永久磁石および前記回転シャフトの中心軸は同一であることを特徴とする、請求項1に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項7】
前記永久磁石の内部磁化方向は、前記回転シャフトの軸方向に垂直であることを特徴とする、請求項1に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項8】
前記摺動子と前記回転シャフトとの間に配置される玉軸受をさらに備えることを特徴とする、請求項に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項9】
前記玉軸受の動きに耐えるのに使用されるピンが、前記摺動子と前記回転シャフトとの間で組み合わされ、前記ピンは、前記回転シャフトと前記ガイドロッドとによって形成される面に平行および前記回転シャフトの軸方向に垂直な方向に沿って摺動することができることを特徴とする、請求項に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項10】
スプリングリーフが、前記摺動子と前記ピンとの間で組み合わされることを特徴とする、請求項に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項11】
前記回転シャフトは、前記玉軸受が転がる螺旋状溝を備えることを特徴とする、請求項に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項12】
前記非接触型リニアポテンショメータの底部には、配線ピンを備えたプリント基板が配設され、前記トンネル型磁気抵抗センサは、前記プリント基板上にはんだ付けされることを特徴とする、請求項1に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項13】
前記回転シャフトは、送りねじもしくはトーションロッドであることを特徴とする、請求項1に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【請求項14】
前記送りねじ上の螺旋状ねじ山は、ねじ転造プレートを使用して転造され、電気めっき加工もしくは熱処理加工を採用することによって前記送りねじの所望の表面硬さが得られることを特徴とする、請求項13に記載の非接触型リニアポテンショメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアポテンショメータに関し、特に、線形変位を回転角変位に変換して、トンネル型磁気抵抗センサを使用して検出を行う非接触型リニアポテンショメータに関する。
【背景技術】
【0002】
このポテンショメータは、高線形性、高信頼性などを有する新しいタイプの電子部品であり、航空機、宇宙飛行機、精密機械ならびに計器などの分野に適用可能である。技術の進歩により、長い耐用年数、高性能、高信頼性を有するポテンショメータの開発が急務である。現在では、回転式ポテンショメータが大きな進歩をとげている。しかし、線形摺動式ポテンショメータにおいては、研究がほとんど行われていない。
【0003】
先行技術では、線形摺動式ポテンショメータは、電子ブラシ構造を使用して、線形摺動により電子ブラシの位置を変化させることで製品の機能を発揮することができる。「linear sliding type potentiometer」と題された中国特許出願第201010528601.1号明細書は、線形摺動式ポテンショメータを開示しており、線形摺動式ポテンショメータは、ハウジングと、ハウジング内で移動可能な摺動シャフトと、ハウジング内に設置される出力バスとを備え、ハウジング内に抵抗器アセンブリが設置され、抵抗器アセンブリは、導電トラックが設けられた絶縁板と、絶縁板に設置された3本の絶縁電線とを備える。摺動シャフトの一端は、ハウジング内部へと突出し、電子バスアセンブリは、ハウジングへと突出する摺動シャフトの端部に設置され、電子ブラシアセンブリは、摺動シャフトに固定される摺動子を備え、電子ブラシに接続されるスプリングリーフは、摺動子に固定され、電子ブラシは、絶縁板上の導電トラックと接触する。センサは線形変位を電気信号に変換することができるが、その構造は複雑であり、耐用年数は短いので、センサは頻繁な摺動子の動作に適さない。この設計を基にして、本出願人は、構造にいくつかの改良を加え、新規特許出願第201220557883.2号を提案している。この特許出願は、同軸二重リニア摺動式ポテンショメータを開示している。このポテンショメータは、ハウジングと、導電性プラスチック基板Iと、導電性プラスチック基板IIとを備え、導電性プラスチック基板Iの下面および導電性プラスチック基板IIの上面にはそれぞれ抵抗器が設けられ、摺動ロッドが導電性プラスチック基板Iと導電性プラスチック基板IIとの間のハウジングからに突出し、摺動子はハウジング内に向かって突出する摺動ロッドの端部に設けられ、摺動子の上面および下面に2つの電子ブラシがそれぞれ設けられる。ポテンショメータにより出力された電圧信号は、調整シャフトの線形変位と線形関係を有し、機械的運動から電気信号への変換を実現することができる。その信頼性は、先行技術のポテンショメータに比べて向上しているが、その構造はより複雑であり、コストもより高く、耐用年数は十分に長いとは言えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、先行技術における上述の欠点を克服することであり、非常に長い耐用年数を有する非接触型リニアポテンショメータを提供することである。このポテンショメータは、小型構造であり、製造が簡易であり、線形運動を回転に変換して、非接触型トンネル型磁気抵抗センサを使用して回転角を検出することができるので、耐用年数を向上させることができる。
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明は、以下の技術的解決策を採用することによって実現される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、非接触型リニアポテンショメータを提供する。非接触型リニアポテンショメータは、摺動子と、回転シャフトと、トンネル型磁気抵抗センサと、永久磁石と、支持構造体とを備え、前記摺動子には、第1の貫通孔が設けられ、前記回転シャフトは、前記第1の貫通孔を貫通し、前記回転シャフトの両端は、前記支持構造体に回転可能に取り付けられ、
前記摺動子は、前記回転シャフトの軸方向に沿って摺動し、前記摺動子の摺動が前記回転シャフトを回転駆動させ、
前記永久磁石は、前記回転シャフトの一端に配置され、前記回転シャフトと共に回転し、
前記トンネル型磁気抵抗センサは、前記永久磁石に隣接して配置され、前記永久磁石によって生成された磁場を検出して、前記検出磁場を出力用の電圧信号に変換するのに使用される。
【0007】
好ましくは、前記非接触型リニアポテンショメータは、ガイドロッドをさらに備え、前記摺動子には、第2の貫通孔がさらに設けられ、前記ガイドロッドは、前記第2の貫通孔を貫通し、前記回転シャフトと平行であり、前記ガイドロッドの両端は、前記支持構造体に固定される。
【0008】
好ましくは、前記トンネル型磁気抵抗センサは、2軸回転磁気センサもしくは2つの直交する1軸回転磁気センサである。
【0009】
好ましくは、前記永久磁石は、円盤状、環状、もしくは正方形である。
【0010】
好ましくは、前記トンネル型磁気抵抗センサは、2軸線形磁気センサである。
【0011】
好ましくは、前記永久磁石は、円盤状もしくは環状である。
【0012】
好ましくは、前記トンネル型磁気抵抗センサの中心軸と前記永久磁石および前記回転シャフトの中心軸は同一である。
【0013】
好ましくは、前記永久磁石の内部磁化方向は、前記回転シャフトの軸方向に垂直である。
【0014】
好ましくは、前記非接触型リニアポテンショメータは、前記摺動子と前記回転シャフトとの間に配置される玉軸受をさらに備える。
【0015】
好ましくは、前記玉軸受の動きに耐えるのに使用されるピンが、前記摺動子と前記回転シャフトとの間で組み合わされ、前記ピンは、前記回転シャフトと前記ガイドロッドとによって形成される面に平行および前記回転シャフトの軸方向に垂直な方向に沿って摺動することができる。
【0016】
好ましくは、スプリングリーフが、前記摺動子と前記ピンとの間で組み合わされる。
【0017】
好ましくは、前記回転シャフトは、前記玉軸受が転がる螺旋状溝を備える。
【0018】
好ましくは、前記送りねじ上の螺旋状ねじ山は、ねじ転造プレートを使用して転造され、電気めっき加工もしくは熱処理加工を採用することによって前記送りねじの所望の表面硬さが得られる。
【0019】
好ましくは、前記非接触型リニアポテンショメータの底部には、配線ピンを備えたプリント基板が配設され、前記トンネル型磁気抵抗センサは、前記プリント基板上にはんだ付けされる。
【0020】
好ましくは、前記回転シャフトは、送りねじもしくはトーションロッドである。
【0021】
ねじロッドの原理は、逆方向に利用可能であり、摺動子は、線形運動を円運動に変換するために回転シャフトを回転駆動させるための電源として使用される。玉軸受、ピン、およびスプリングリーフは、摺動子と回転シャフトとの間で組み合わせられる。さらに、ガイドロッドが、摺動子の摺動案内するために使用される。玉軸受は、摺動摩擦を転がり摩擦に変換する役割を果たし、そのことにより摩擦力が最小限に抑えられる。スプリングリーフおよび摺動ピンは、製造誤差および組立により生じる隙間をなくすために使用され、そのことにより前方および後方の移動の精度が保証される。
【発明の効果】
【0022】
先行技術と比較して、本発明は、以下の有益な効果を有する。
【0023】
(1)本発明の構造は単純で、製造が容易であり、低コストである。
【0024】
(2)本発明では、線形摺動変位は回転角変位に変換され、回転シャフトの回転角はトンネル型磁気抵抗センサによって検知されるので、線形性が向上し、さらに電力消費量も低減される。
【0025】
(3)本発明のトンネル型磁気抵抗センサは、回転シャフトと接触せずに測定を行うことができるため、耐用年数が長くなる。
【0026】
(4)本発明では、摺動子は回転シャフトおよびガイドロッドに沿って摺動するように手動で操作するだけで十分であるので、操作は単純であり、実現しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の実施形態の技術的解決策をより明確に示すために、実施形態の説明に使用される必要のある図面について、簡単に後述する。明らかに、以下に説明される図面は、本発明のいくつかの実施形態を示したものに過ぎない。当業者は、創造的な作業を経なくてもこれらの図面に基づいて他の図面を考え出すことができるであろう。
【0028】
図1】本発明の非接触型リニアポテンショメータの外部構造の概略図である。
【0029】
図2】本発明の非接触型リニアポテンショメータの内部構造の概略図である。
【0030】
図3】トンネル型磁気抵抗センサと永久磁石との位置関係を示した概略断面図である。
【0031】
図4】本発明の非接触型リニアポテンショメータの出力電圧と永久磁石の回転角との関係を示した曲線グラフである。
【0032】
図5】本発明の非接触型リニアポテンショメータの部分断面図である。
【0033】
図6】送りねじに代わるトーションロッドの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、実施形態と組み合わせて図面を参照しながら本発明について詳細に説明する。
【0035】
実施形態
【0036】
図1は、本発明の非接触型リニアポテンショメータの外部構造の概略図である。図2は、ハウジング13を取り外した後のポテンショメータの内部構造の概略図である。ポテンショメータは、回転可能な回転シャフト1と、摺動子2と、固定ガイドロッド3と、支持構造体4、5と、トンネル型磁気抵抗(TMR)センサ9と、永久磁石10と、プリント基板12とを備える。本発明の具体的な実施形態では、回転シャフト1には、摺動子の摺動を回転シャフトの回転に変換することができる螺旋状突起もしくは螺旋状溝が設けられる。この実施形態では、回転シャフト1は送りねじである。送りねじ1は、摺動子2内の対応する第1の貫通孔を貫通し、送りねじ1の両端は、支持構造体4、5に回転可能に取り付けられ、ガイドロッド3の一端は、支持構造体4に固定され、ガイドロッド3の他端は、摺動子2内の対応する第2の貫通孔を貫通して支持構造体5に固定される。この実施形態では、ガイドロッド3は、送りねじ1と平行に配置される。摺動子2上のハンドル11を動かすことによって、摺動子2は送りねじ1およびガイドロッド3の軸方向(すなわち、図3のZ軸方向)に沿って摺動され、そのことにより、送りねじ1を回転駆動させる。永久磁石10は、送りねじ1の一端に配置され、送りねじ1と共に回転する。トンネル型磁気抵抗センサ9は、図2に示されるように、永久磁石10に隣接して配置され、プリント基板(PCB)12上にはんだ付けされ、プリント基板12は、ポテンショメータの底部に配置され、配線ピン(図示せず)を備える。トンネル型磁気抵抗センサ9は、2軸回転磁気センサもしくは2つの直交する1軸回転磁気センサとすることができ、この場合、永久磁石10は、円盤状、環状、もしくは正方形とすることができ、トンネル型磁気抵抗センサ9の中心軸と永久磁石10および送りねじ1の中心軸は同一である。さらに、トンネル型磁気抵抗センサ9は、2軸線形磁気センサとすることも可能であり、この場合、永久磁石10は、円盤状もしくは環状であり、トンネル型磁気抵抗センサ9は、永久磁石10の周囲に配置され、好ましくは、永久磁石10と同軸に配置される。永久磁石10の内部磁化方向は、図3においてN極とS極で表され、図3から磁化方向はZ軸方向100に垂直であることがわかる。
【0037】
上記ガイドロッド3は、好適な形態であり、摺動子2を摺動案内するのに使用される。
【0038】
永久磁石10が送りねじ1と共に回転方向101に沿って回転した時に、回転角に伴ってトンネル型磁気抵抗センサ9によって検出されるX軸およびY軸の磁場成分が変化する変化曲線は図4の曲線41、42で示されている。トンネル型磁気抵抗センサ9は、永久磁石10によって生成された磁場の振幅をアナログ電圧信号に変換し、得られたアナログ電圧信号は、直接出力されてよく、またアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)回路を使用してデジタル信号に変換された後に出力されてもよい。永久磁石10の回転角、すなわち、送りねじ1の回転角は、出力信号によって確認することができる。
【0039】
玉軸受6、ピン7、およびスプリングリーフ8は、図5に示されているように、摺動子2と送りねじ1との間で組み合わせられる。玉軸受6は、送りねじ1上の螺旋状溝に沿って転がり、摺動摩擦を転がり摩擦に変換して、摩擦力を最小限に抑える役割を果たし、そのことにより耐用年数を延ばすことができる。ピン7は、玉軸受6の動きに耐えるのに使用され、回転シャフトとガイドロッドとによって形成される面に平行および回転シャフトの軸方向に垂直な方向(すなわち、X軸方向)に沿って摺動することができ、スプリングリーフ8およびピン7は、製造誤差および組立によって生じる隙間をなくすのに使用され、そのことにより前方および後方の移動の精度が保証される。上記のX軸方向とは、回転シャフトとガイドロッドとによって形成される面に平行および回転シャフトの軸方向に垂直な方向である。
【0040】
送りねじ1は、ねじ転造加工を採用することによって改良され、移動案内に必要な螺旋状ねじ山は、ねじ転造プレートを使用して転造され、摺動子2は、螺旋状ねじ山に沿って摺動することができる。耐用年数を延ばすために、一般的な電気めっき加工もしくは熱処理加工を採用することによって所望の表面硬さが得られ、そのことにより摩耗を低減し、耐用年数を延ばすことができる。さらに、送りねじ1は、トーションロッドで代替されてもよく、その構造は、図6に示されている。トーションロッドを製造するための材料は、比較的安価であり、製造プロセスもより単純であり、コストも低減される。他の部品は全て、一般的な製造プロセスを採用して製造され、実現しやすい。
【0041】
上述の実施形態は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明を制限するものではない。当業者は、本発明に対して種々の変更および変形を加えてもよい。本発明の精神および原理の範囲内にある任意の修正、同等の置換、改良なども本発明の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6