特許第6389899号(P6389899)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389899
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】食品使用期限管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20180903BHJP
   G01G 19/414 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   G06Q30/06
   G01G19/414 Z
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-548465(P2016-548465)
(86)(22)【出願日】2014年9月17日
(86)【国際出願番号】JP2014074461
(87)【国際公開番号】WO2016042604
(87)【国際公開日】20160324
【審査請求日】2017年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】平塚 亨
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−066985(JP,A)
【文献】 特開2009−230445(JP,A)
【文献】 特開2010−204714(JP,A)
【文献】 特開2010−066833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G01G 19/414
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生鮮食品から加工された商品の使用期限を管理する食品使用期限管理装置であって、
前記生鮮食品の使用期限である第1使用期限を取得する取得部と、
前記商品の使用期限である第2使用期限を生成する生成部と、
前記取得部が取得した前記第1使用期限と、前記生成部が生成した前記第2使用期限とを比較して、前記第1使用期限の日が前記第2使用期限の日以降であるという所定条件が満たされているか否かを判断する判断部と、
を備える、食品使用期限管理装置。
【請求項2】
前記所定条件が満たされていないと前記判断部が判断した場合に、前記第2使用期限を前記第1使用期限に自動的に変更する変更部をさらに備える、
請求項1に記載の食品使用期限管理装置。
【請求項3】
前記商品に貼付されるラベルを発行する発行部をさらに備え
前記発行部は、前記所定条件が満たされていないと前記判断部が判断した場合に、前記ラベルの発行を停止する、
請求項1に記載の食品使用期限管理装置。
【請求項4】
前記所定条件が満たされていないと前記判断部が判断した場合に、警告を行う警告部をさらに備える、
請求項1に記載の食品使用期限管理装置。
【請求項5】
前記判断部は、前記第1使用期限までの期間が所定期間より短いか否かをさらに判断し、
前記第1使用期限までの期間が前記所定期間より短いと前記判断部が判断した場合に、前記生鮮食品の加工を禁止する禁止部をさらに備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の食品使用期限管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生鮮食品から加工された商品の使用期限を管理する食品使用期限管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食品の安全性を確保するために、生鮮食品のトレーサビリティ管理が行われている。例えば、特許文献1(特開2003−237143号公報)に開示されているように、生牛等の家畜が解体されて食肉に加工されるまでの過程を追跡するトレーサビリティ管理では、家畜の個体識別番号が用いられている。個体識別番号は、家畜の耳標、および、家畜の枝肉に付されるRF−IDタグ等に記録される。家畜は、屠場で解体されて枝肉に加工され、枝肉は、食品処理工場で、家畜の部位ごとに切り分けられて部分肉に加工される。部分肉は、真空パックされて、スーパーマーケット等の小売店に卸売りされる。部分肉の包装フィルムに貼付されるラベルには、部分肉の産地名、加工年月日、品質保持期限および個体識別番号等が印字されている。
【0003】
小売店は、部分肉を購入して、顧客に販売するための商品に加工する。例えば、小売店の担当者は、部分肉を切り分けて、パック詰めのスライス肉等の商品を製造する。商品の包装フィルムには、商品の使用期限等が印字されたラベルが貼付される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、小売店では、購入した部分肉のラベルに印字されている品質保持期限等を定期的に確認して、部分肉の使用期限を管理することは行われている。しかし、従来、小売店では、計量包装値付装置等を用いて部分肉をパック詰めのスライス肉等の商品に加工する際に、商品の使用期限と、部分肉の使用期限とが別々に管理されている。そのため、部分肉の使用期限と、商品の使用期限との間において整合性が取れない状況が発生する可能性がある。例えば、商品の使用期限が5日後であり、部分肉の使用期限が3日後である場合、商品のラベルに表示される使用期限は、部分肉の使用期限後の日付となる。この場合、部分肉の商品への加工時においては部分肉の使用期限が経過していないが、商品が消費される時において部分肉の使用期限が経過しているおそれがある。そのため、商品の使用期限前であっても、使用期限が過ぎた部分肉を使用した商品が消費されることにより、食品の安全性に関する重大な問題が発生する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、食品の使用期限を適切に管理することができる食品使用期限管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る食品使用期限管理装置は、生鮮食品から加工された商品の使用期限を管理する食品使用期限管理装置である。この食品使用期限管理装置は、取得部と、生成部と、判断部とを備える。取得部は、生鮮食品の使用期限である第1使用期限を取得する。生成部は、商品の使用期限である第2使用期限を生成する。判断部は、第1使用期限と第2使用期限とを比較して所定条件が満たされているか否かを判断する。
【0007】
この食品使用期限管理装置は、生鮮食品の使用期限と、生鮮食品から加工された商品の使用期限とを比較する。生鮮食品は、単一の材料からなる農産物、畜産物または水産物である。例えば、生鮮食品は、畜産物の場合、枝肉や部分肉である。加工は、生鮮食品の本質を変えないで、形態だけを変化させる工程である。使用期限は、消費期限または賞味期限である。消費期限は、包装が開封されていない状態で、ラベル等に表示されている保存方法に従って保存した場合に、食べても安全な状態に保たれる期限である。賞味期限は、包装が開封されていない状態で、ラベル等に表示されている保存方法に従って保存した場合に、味が良好な状態に保たれる期限である。
【0008】
この食品使用期限管理装置は、生鮮食品の使用期限と商品の使用期限との間において整合性が取れていない状況が発生したことを検知することができる。従って、この食品使用期限管理装置は、商品の使用期限を適切に管理することができる。
【0009】
本発明の第2観点に係る食品使用期限管理装置は、第1観点に係る食品使用期限管理装置であって、判断部は、第1使用期限が第2使用期限より前である場合に、所定条件が満たされていないと判断する。また、この食品使用期限管理装置は、変更部をさらに備える。変更部は、所定条件が満たされていない場合に、第2使用期限を第1使用期限に自動的に変更する。
【0010】
この食品使用期限管理装置では、生鮮食品の使用期限と商品の使用期限との間において明らかに整合性が取れていない状況が発生した場合に、商品の使用期限が自動的に変更される。従って、この食品使用期限管理装置は、商品の使用期限の設定ミスを防止することができ、商品の使用期限を適切に管理することができる。
【0011】
本発明の第3観点に係る食品使用期限管理装置は、第1観点に係る食品使用期限管理装置であって、商品に貼付されるラベルを発行する発行部をさらに備える。また、判断部は、第1使用期限が第2使用期限より前である場合に、所定条件が満たされていないと判断する。また、発行部は、所定条件が満たされていない場合に、ラベルの発行を停止する。
【0012】
この食品使用期限管理装置では、生鮮食品の使用期限と商品の使用期限との間において明らかに整合性が取れていない状況が発生した場合に、商品に貼付されるラベルの発行が停止する。従って、この食品使用期限管理装置は、不適切な使用期限が印刷されたラベルが商品に貼付されることを防ぐことができ、商品の使用期限を適切に管理することができる。
【0013】
本発明の第4観点に係る食品使用期限管理装置は、第1観点に係る食品使用期限管理装置であって、判断部は、第1使用期限が第2使用期限より前である場合に、所定条件が満たされていないと判断する。また、この食品使用期限管理装置は、警告部をさらに備える。警告部は、所定条件が満たされていない場合に、警告を行う。
【0014】
この食品使用期限管理装置は、生鮮食品の使用期限と商品の使用期限との間において明らかに整合性が取れていない状況が発生した場合に、その旨を操作者に警告して操作者の注意を喚起し、期限管理のミスを減らすことができる。
【0015】
本発明の第5観点に係る食品使用期限管理装置は、第1観点から第4観点のいずれか1つに係る食品使用期限管理装置であって、判断部は、第1使用期限までの期間が所定期間より短いか否かをさらに判断する。また、この食品使用期限管理装置は、禁止部をさらに備える。禁止部は、第1使用期限までの期間が所定期間より短いと判断部が判断した場合に、生鮮食品の加工を禁止する。
【0016】
この食品使用期限管理装置は、例えば、生鮮食品の使用期限と商品の使用期限との間において整合性が取れている場合であっても、生鮮食品の使用期限までの期間が所定期間より短く、生鮮食品の使用期限が近いという理由で生鮮食品を商品に加工することを禁止することができる。従って、この食品使用期限管理装置は、使用期限が近い生鮮食品を加工した商品の製造を禁止することで、商品の使用期限を適切に管理することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る食品使用期限管理装置は、食品の使用期限を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る計量包装値付装置の正面図である。
図2】計量包装値付装置の断面図である。
図3】計量包装値付装置のブロック構成図である。
図4】部分肉用ラベルの例を表す図である。
図5】精肉商品の使用期限を管理する機能に関するブロック図である。
図6】精肉商品の使用期限を管理する処理のフローチャートの前半部である。
図7】精肉商品の使用期限を管理する処理のフローチャートの後半部である。
図8】変形例Aにおける、精肉商品の使用期限を管理する機能に関するブロック図である。
図9】変形例Aにおける、精肉商品の使用期限を管理する処理のフローチャートである。
図10】変形例Bにおける、精肉商品の使用期限を管理する機能に関するブロック図である。
図11】変形例Bにおける、精肉商品の使用期限を管理する処理のフローチャートである。
図12】変形例Cにおける、精肉商品の使用期限を管理する処理のフローチャートの前半部である。
図13】変形例Cにおける、精肉商品の使用期限を管理する処理のフローチャートの後半部である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る食品使用期限管理装置について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0020】
食品使用期限管理装置は、スーパーマーケットおよび精肉店等、生鮮食品を商品に加工して販売する小売店舗で使用される。小売店舗では、食品使用期限管理装置を用いて、生鮮食品から加工された商品の使用期限の管理が行われる。
【0021】
本実施形態において、生鮮食品は、単一の材料からなる農産物、畜産物または水産物である。具体的には、生鮮食品は、JAS法に基づく生鮮食品品質表示基準において「生鮮食品」に分類されている食品であり、農産物、畜産物および水産物を単に切断、冷蔵および冷凍したものを含む。例えば、生鮮食品は、畜産物である場合、生牛の枝肉や部分肉である。
【0022】
本実施形態において、加工は、生鮮食品その物の本質を変えないで、生鮮食品の形態だけを変化させる工程である。具体的には、加工は、生鮮食品の切断を含むが、生鮮食品の加熱、乾燥および発酵等を含まない。例えば、生牛の部分肉を切り分ける工程は、加工に相当する。
【0023】
本実施形態において、使用期限は、消費期限または賞味期限である。消費期限は、包装が開封されていない状態で、ラベル等に表示されている保存方法に従って保存した場合に、食べても安全な状態に保たれる期限である。賞味期限は、包装が開封されていない状態で、ラベル等に表示されている保存方法に従って保存した場合に、味が良好な状態に保たれる期限である。本実施形態では、加工によって、使用期限の起算日は変わらない。すなわち、生鮮食品から加工された商品の使用期限の起算日は、加工される前の生鮮食品の使用期限の起算日と同じである。使用期限の起算日は、使用期限を設定するための基準となる日である。例えば、使用期限は、起算日の一週間後の日付に設定される。
【0024】
以下、本実施形態に係る食品使用期限管理装置としての計量包装値付装置100について説明する。この計量包装値付装置100は、スーパーマーケットの食肉コーナーの担当者によって使用される。担当者は、生鮮食品である生牛の部分肉を切断によりスライス肉等の精肉に加工し、計量包装値付装置100を用いて精肉のパック詰めの商品である精肉商品を製造する。
【0025】
(1)生牛から精肉商品までの加工処理の概要
最初に、生牛から精肉商品に加工されるまでの処理の概要について説明する。生牛は、食肉として利用可能になるまで、生産地である牧場で飼育される。生牛は、個体識別番号が付与される。例えば、生牛の耳には、個体識別番号をバーコードで表した耳標が付される。個体識別番号は、例えば、生牛の生産地である牧場に固有の番号と、各生産地において各生牛に重複せずに割り当てられる番号とを組み合わせた10桁の番号である。生牛の生産者は、個体識別番号を用いて、各生牛の生年月日、購入日付、その他の飼育履歴等を管理する。個体識別番号は、生牛から精肉商品に加工されるまでの各段階において、生牛を特定するためのトレーサビリティ管理に用いられる。
【0026】
牧場から出荷された生牛は、屠場で屠殺および解体され、左右の半身に相当する枝肉に加工される。枝肉には、RF−IDタグが取り付けられる。生牛の個体識別番号は、生牛の耳標からバーコードリーダ等で読み取られ、生牛に対応する枝肉に付されているRF−IDタグに記録される。RF−IDタグには、枝肉の使用期限も記録される。枝肉の使用期限は、例えば、生牛の加工日から生成される。
【0027】
枝肉は、食品処理工場において、カタおよびヒレ等の生牛の部位ごとに切り分けられ、各部位に相当する部分肉に加工される。部分肉は、フィルムで包装されて、真空パックされる。真空パックされた部分肉は、重量が計量されて、種種の情報が印字された部分肉用ラベルが貼付される。部分肉用ラベルには、個体識別情報を記録するバーコード、部分肉の加工日や使用期限等を数値情報として記録するバーコード、および、部分肉の加工日や使用期限等を表す文字列が印刷される。部分肉の加工日は、枝肉から部分肉に加工された日である。部分肉の使用期限は、枝肉に付されているRF−IDタグから読み取られた枝肉の使用期限である。
【0028】
真空パックされた部分肉は、スーパーマーケットに卸売りされる。スーパーマーケットの食肉コーナーにおいて、部分肉は、スライス肉等、種々の形態の精肉に加工される。精肉は、トレーに載せられ、計量包装値付装置100にて計量された後、包装フィルムで包装される。包装フィルムには、値付ラベルが貼付され、精肉商品として店頭で顧客に販売される。値付ラベルには、計量された精肉の重量、価格および使用期限等が印字される。精肉商品の使用期限は、後述するように、本実施形態に係る計量包装値付装置100によって生成される。
【0029】
(2)計量包装値付装置の構成
次に、計量包装値付装置100について説明する。図1は、計量包装値付装置100の正面図である。図2は、計量包装値付装置100の断面図である。図3は、計量包装値付装置100のブロック構成図である。計量包装値付装置100は、主として、生鮮食品である部分肉が加工された精肉の計量処理と、包装フィルムによる精肉の包装処理と、計量された精肉の重量、使用期限および小売価格等をラベルに印字して包装フィルムにラベルを貼付する値付処理とを行う。
【0030】
計量包装値付装置100は、主として、計量部10と、入力表示部20と、印字部30と、読取部40と、制御部50と、包装部60と、貼付部70とを備える。
【0031】
計量部10は、その上に載置される物品を計量する。食肉コーナーの担当者は、部分肉を精肉に加工し、所定量の精肉をトレー12の上に載せる。計量部10は、トレー12に載せられた精肉の重量を測定して、精肉の重量に関するデータを取得する。
【0032】
入力表示部20は、主として、表示パネル22と、入力ボタン24とを備える。表示パネル22は、例えば、液晶ディスプレイ装置である。表示パネル22は、計量包装値付装置100の操作メニュー画面、計量包装値付装置100に記録されているデータ、計量包装値付装置100の動作状況に関するデータ等を表示する。入力ボタン24は、テンキー、および、その他のキーから構成される。計量包装値付装置100の操作者は、表示パネル22を確認しながら入力ボタン24のキーを押すことで、精肉の計量、種種のデータの表示や登録、ラベルの印字の実行等の処理を行うことができる。なお、入力表示部20は、表示パネル22および入力ボタン24の両方の機能を有するタッチパネルであってもよい。
【0033】
印字部30は、商品の包装フィルム14に貼付される値付ラベル18を印字するサーマルヘッド等である。値付ラベル18には、精肉の名称(「スライス肉」等)、精肉の元となった部分肉の部位名(「モモ」等)、計量された精肉の重量、精肉の単位重量当たりの価格である単価、計量された重量と単価とから算出される販売価格、加工日、使用期限および保存方法等が印字されている。印字部30によって印字された値付ラベル18は、ラベル台紙に貼付されている。
【0034】
読取部40は、精肉の元となった部分肉の包装フィルムに付されている部分肉用ラベルに印字されたバーコードを読み取る。図4は、部分肉用ラベルの例を表す図である。図4に示される部分肉用ラベルには、上段のバーコードBC1および下段のバーコードBC2が印刷されている。上段のバーコードBC1は、個体識別番号を記録する。下段のバーコードBC2は、部分肉の重量、部分肉に加工された日付、部分肉の使用期限等を数値情報として記録する。読取部40は、これらのバーコードBC1,BC2からデータを読み取るバーコードリーダの機能を有する装置である。読取部40は、計量包装値付装置100の本体と有線または無線で接続されている。
【0035】
制御部50は、CPU51と、ROM52と、RAM53と、記憶部54と、タイマ55とを主として備えるコンピュータである。制御部の各構成要素は、バス59を介して互いに接続されている。制御部50は、計量部10、入力表示部20、印字部30、読取部40、包装部60および貼付部70と接続されている。記憶部54は、例えば、不揮発性メモリであるHDDおよびSSDである。記憶部54は、主として、計量包装値付装置100の各種処理を実行するための種種のプログラム56と、部分肉用ラベルから取得できる情報や値付ラベル18に印字される情報等が登録されるデータベース57とを記憶する。タイマ55は、現在時刻および経過時間等を取得するための電子部品である。タイマ55は、精肉商品の使用期限の管理等、種種の処理に用いられる。
【0036】
包装部60は、精肉を載せたトレー12を包装フィルム14で包装する機能を有する。図2に示されるように、包装部60は、主として、移送機構61と、一対の左右折込板62と、後折込板63と、プッシャ64と、熱溶着コンベヤ65とを備える。計量部10によって計量されたトレー12は、図2において右側に移動して、リフタ16の上に載置される。このとき、リフタ16上のトレー12の上方では、包装フィルム14が移送機構61によって張られている。この状態で、リフタ16は、トレー12を上方に移動させる。これにより、包装フィルム14は、トレー12の上面を覆った状態で、トレー12の周縁部と密着する。次に、一対の左右折込板62、後折込板63およびプッシャ64等によって、包装フィルム14の四方の端部が、トレー12の下方に折り込まれる。次に、熱溶着コンベヤ65によって、トレー12の下面側に折り込まれて重なり合った包装フィルム14が互いに溶着される。以上の工程により、包装部60は、精肉を載せたトレー12を包装フィルム14で包装する。
【0037】
貼付部70は、印字部30によって印字された値付ラベル18を、精肉を載せたトレー12を包装した包装フィルム14に貼付する。貼付部70は、値付ラベル18をラベル台紙から剥離して、トレー12の上面側の包装フィルム14に貼付する。
【0038】
(3)計量包装値付装置の使用期限管理
スーパーマーケットの食肉コーナーの担当者は、部分肉を精肉商品に加工する前に、計量包装値付装置100の読取部40を用いて、部分肉に付されている部分肉用ラベルから種種の情報を計量包装値付装置100に読み込む。読み込まれる情報は、図4に示される部分肉用ラベルに印刷されているバーコードBC1,BC2に記録されている情報である。これらの情報は、計量包装値付装置100のデータベース57に登録される。部分肉用ラベルから読み取られてデータベース57に登録される情報は、個体識別番号、部分肉の重量、部分肉に加工された日付、部分肉の使用期限等である。個体識別番号および部分肉の使用期限は、部分肉の元となった枝肉に付されているRF−IDタグから承継されたデータである。計量包装値付装置100の操作者による読取部40を用いた上記の操作によって、計量包装値付装置100が製造する精肉商品の元となる部分肉が特定される。計量包装値付装置100の操作者は、特定された部分肉から加工された精肉をトレー12に入れ、精肉入りのトレー12を計量部10の上に載せる。計量包装値付装置100は、トレー12を計量および包装し、値付ラベル18を貼付して、精肉商品を製造する。以下、計量包装値付装置100による精肉商品の使用期限の管理について説明する。
【0039】
制御部50の記憶部54は、精肉商品の使用期限を管理するためのプログラム56である使用期限管理プログラムを記憶している。図5は、使用期限管理プログラムのブロック構成図である。使用期限管理プログラムは、部分肉使用期限取得部151と、商品使用期限生成部152と、比較条件判断部153と、使用期限変更部154と、使用期限変更許可部155と、製造禁止部156とを有する。使用期限管理プログラムは、計量包装値付装置100が製造する精肉商品の元となる部分肉が特定された時点で実行される。また、使用期限管理プログラムは、後述するように、自動有効日調整機能フラグおよび有効日調整選択機能フラグを使用する。これらのフラグの状態は、記憶部54に記憶されている。
【0040】
図6および図7は、使用期限管理プログラムが行う処理を表すフローチャートである。以下において、使用期限は、使用期限日を表す。最初に、ステップS1において、部分肉使用期限取得部151は、データベース57から部分肉の使用期限日を取得する。次に、ステップS2において、商品使用期限生成部152は、精肉商品の使用期限日を生成する。例えば、商品使用期限生成部152は、制御部50のタイマ55から取得した現在日、および、データベース57に予め登録されている精肉商品の使用期限日に関するデータに基づいて、精肉商品の使用期限日を算出する。精肉商品の使用期限日に関するデータは、例えば、部分肉から精肉商品に加工された日から精肉商品の使用期限日までの期間に関するデータである。具体的には、部分肉から精肉商品に加工された日である現在日が2014年8月1日であり、精肉商品の使用期限日が加工日の4日後であると設定されている場合、商品使用期限生成部152は、精肉商品の使用期限日として2014年8月5日を生成する。なお、商品使用期限生成部152は、データベース57に予め登録されている精肉商品の使用期限日を取得してもよい。
【0041】
次に、ステップS3において、比較条件判断部153は、部分肉使用期限取得部151が取得した部分肉の使用期限日と、商品使用期限生成部152が取得した精肉商品の使用期限日とが、所定の比較条件を満たしているか否かを判断する。比較条件は、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れているか否かに関する条件である。比較条件が満たされている場合、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れている。比較条件が満たされていない場合、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れていない。
【0042】
本実施形態では、比較条件は、部分肉の使用期限日が、精肉商品の使用期限日以降であるか否かに関する条件である。部分肉の使用期限日が、精肉商品の使用期限日以降である場合、比較条件判断部153は、比較条件が満たされていると判断する。部分肉の使用期限日が、精肉商品の使用期限日よりも前である場合、比較条件判断部153は、比較条件が満たされていないと判断する。
【0043】
比較条件が満たされていると判断された場合、精肉商品の使用期限日には、部分肉の使用期限日と整合性が取れている日付が設定されており、ステップS4において、制御部50は、精肉商品の製造を開始する。
【0044】
比較条件が満たされていないと判断された場合、精肉商品の使用期限日には、部分肉の使用期限日と整合性が取れていない日付が設定されており、以下の処理が行われる。
【0045】
最初に、ステップS5において、制御部50は、自動有効日調整機能フラグがオンになっているか否かを判定する。自動有効日調整機能フラグは、計量包装値付装置100の操作者によって予め設定され、記憶部54に記憶されている。自動有効日調整機能フラグがオンになっている場合、ステップS6において、使用期限変更部154は、精肉商品の使用期限日を、部分肉の使用期限日に変更する。この変更により、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れたため、ステップS7において、制御部50は、精肉商品の製造を開始する。
【0046】
自動有効日調整機能フラグがオフになっている場合、ステップS8において、制御部50は、有効日調整選択機能フラグがオンになっているか否かを判定する。有効日調整選択機能フラグは、計量包装値付装置100の操作者によって予め設定され、記憶部54に記憶されている。有効日調整選択機能フラグがオンになっている場合、ステップS9において、使用期限変更許可部155は、精肉商品の使用期限日を入力するための画面を、入力表示部20の表示パネル22に表示する。次に、ステップS10において、計量包装値付装置100の操作者は、入力表示部20の入力ボタン24を操作して、精肉商品の使用期限日を入力する。操作者が入力可能な日付は、比較条件を満たす日付、すなわち、部分肉の使用期限日以前の日付である。操作者による精肉商品の使用期限日の入力により、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れたため、ステップS11において、制御部50は、精肉商品の製造を開始する。
【0047】
有効日調整選択機能フラグがオフになっている場合、ステップS12において、製造禁止部156は、計量包装値付装置100による精肉商品の製造を禁止する。具体的には、製造禁止部156は、計量部10、印字部30、包装部60および貼付部70等を制御して、計量包装値付装置100による精肉商品の製造を停止する。
【0048】
(4)計量包装値付装置の特徴
本実施形態に係る計量包装値付装置100は、精肉商品の元となる部分肉の使用期限日を取得し、かつ、精肉商品の使用期限日を生成することができる。すなわち、計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日、および、精肉商品の使用期限日の両方を記憶することができる。そのため、計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日とを比較して、両者の間に整合性が取れていないことを検知することができる。従って、計量包装値付装置100は、生鮮食品から加工された商品の使用期限を適切に管理することができる。
【0049】
また、計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れていない場合において、精肉商品の使用期限日を自動的に変更することができる。具体的には、計量包装値付装置100は、精肉商品の製造時において精肉商品の元となった部分肉の使用期限日を記憶しているため、精肉商品の使用期限日を、部分肉の使用期限日に自動的に変更することができる。従って、計量包装値付装置100は、生鮮食品から加工された商品の使用期限の設定ミスを防止することができ、商品の使用期限を適切に管理することができる。
【0050】
また、計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れていない場合において、精肉商品の使用期限の設定を操作者に指示することができる。操作者は、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れるように、精肉商品の使用期限日を設定することができる。従って、計量包装値付装置100は、生鮮食品から加工された商品の使用期限の設定ミスを防止することができ、商品の使用期限を適切に管理することができる。
【0051】
また、計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れていない場合において、精肉商品の製造を禁止することができる。そのため、計量包装値付装置100は、精肉商品の元となった部分肉の使用期限日より後の日付が使用期限日として設定された精肉商品の製造を防止することができる。従って、計量包装値付装置100は、使用期限日が経過した生鮮食品から加工された商品が消費されて、食品の安全性に関する重大な問題が発生することを防止することができる。
【0052】
(5)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の具体的構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更可能である。次に、本実施形態に対する適用可能な変形例について説明する。
【0053】
(5−1)変形例A
実施形態では、計量包装値付装置100が使用する使用期限管理プログラムは、使用期限変更部154、使用期限変更許可部155および製造禁止部156を有している。しかし、使用期限管理プログラムは、使用期限変更部154、使用期限変更許可部155および製造禁止部156の代わりに、ラベル発行制御部157を有していてもよい。図8は、本変形例における使用期限管理プログラムのブロック構成図である。図9は、本変形例における使用期限管理プログラムが行う処理を表すフローチャートである。図9に示されるステップS1A〜S4Aは、それぞれ、図6に示されるステップS1〜S4と同じ処理を表す。
【0054】
本変形例では、ステップS3Aにおいて比較条件が満たされていないと判断された場合、ステップS5Aにおいて、ラベル発行制御部157は、値付ラベル18の発行を停止する。具体的には、ラベル発行制御部157は、印字部30による値付ラベル18の印字を停止させる。これにより、計量包装値付装置100は、値付ラベル18が貼付された精肉商品を製造することができなくなる。そのため、次のステップS6Aにおいて、計量包装値付装置100の制御部50は、計量包装値付装置100による精肉商品の製造を停止する。
【0055】
従って、本変形例の計量包装値付装置100は、不適切な使用期限が印刷されたラベルが、生鮮食品から加工された商品に貼付されることを防止することができ、商品の使用期限を適切に管理することができる。
【0056】
(5−2)変形例B
実施形態では、計量包装値付装置100が使用する使用期限管理プログラムは、使用期限変更部154、使用期限変更許可部155および製造禁止部156を有している。しかし、使用期限管理プログラムは、使用期限変更部154、使用期限変更許可部155および製造禁止部156の代わりに、警告表示部158を有していてもよい。図10は、本変形例における使用期限管理プログラムのブロック構成図である。図11は、本変形例における使用期限管理プログラムが行う処理を表すフローチャートである。図11に示されるステップS1B〜S4Bは、それぞれ、図6に示されるステップS1〜S4と同じ処理を表す。
【0057】
本変形例では、ステップS3Bにおいて比較条件が満たされていないと判断された場合、ステップS5Bにおいて、警告表示部158は、精肉商品が製造不能である旨の警告を、入力表示部20の表示パネル22に表示する。次に、ステップS6Bにおいて、計量包装値付装置100の制御部50は、計量包装値付装置100による精肉商品の製造を停止する。
【0058】
従って、本変形例の計量包装値付装置100は、生鮮食品の使用期限日と、生鮮食品を加工した商品の使用期限日との間において整合性が取れていない場合において、その旨を操作者に警告して操作者の注意を喚起し、期限管理のミスを減らすことができる。
【0059】
(5−3)変形例C
実施形態では、比較条件判断部153は、部分肉の使用期限日が精肉商品の使用期限日以降でない場合に、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れていないと判断する。しかし、比較条件判断部153は、部分肉の使用期限日が精肉商品の使用期限日以降でない場合において、さらに、現在日から部分肉の使用期限日までの期間と、所定期間とを比較して、精肉商品の使用期限日を管理してもよい。以下、所定期間は、3日であると仮定する。
【0060】
図12および図13は、本変形例における比較条件判断部153が実行する処理を表すフローチャートである。図12,13に示されるステップS1C〜S12Cは、それぞれ、図6,7に示されるステップS1〜S12と同じ処理を表す。図12,13と、図6,7との相違点は、図12においてステップS3CとステップS5Cとの間の処理であるステップS13C,S14Cである。
【0061】
図12に示されるように、比較条件判断部153は、ステップS3Cにおいて部分肉の使用期限日が精肉商品の使用期限日以降でないと判断した場合、ステップS13Cにおいて、現在日から部分肉の使用期限日までの日数が、所定期間である3日以上であるか否かを判断する。
【0062】
部分肉の使用期限日までの日数が3日以上である場合、ステップS5Cに移行する。部分肉の使用期限日までの日数が3日未満である場合、ステップS14Cにおいて、製造禁止部156は、計量包装値付装置100による精肉商品の製造を禁止する。これにより、計量包装値付装置100は、使用期限日までの日数が所定期間より短い部分肉から製造された精肉商品を製造することを防止することができる。
【0063】
従って、本変形例の計量包装値付装置100は、生鮮食品の使用期限と、生鮮食品を加工した商品の使用期限との間において整合性が取れている場合であっても、生鮮食品の使用期限までの期間が所定期間より短く、生鮮食品の使用期限が近いという理由で生鮮食品の加工を禁止することができる。従って、この計量包装値付装置100は、商品の使用期限を適切に管理することができる。
【0064】
(5−4)変形例D
実施形態では、比較条件判断部153は、比較条件に基づいて、部分肉の使用期限日が精肉商品の使用期限日以降であるか否かを判断する。しかし、比較条件判断部153は、部分肉の使用期限日および精肉商品の使用期限日に関する他の比較条件に基づいて判断してもよい。
【0065】
例えば、比較条件判断部153は、部分肉の使用期限日が、精肉商品の使用期限日の3日後の日以降である場合に、比較条件が満たされていると判断してもよい。この場合、計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日以前の使用期限日が設定されているが、部分肉の使用期限日に近い使用期限日が設定されている精肉商品の製造を禁止することができる。
【0066】
精肉商品の購入者は、購入した精肉商品の使用期限日が経過した後においても、当該精肉商品を廃棄せずに消費することがある。そのため、例えば、精肉商品の使用期限日が、元となった部分肉の使用期限日と同じである場合、使用期限日が経過した精肉商品が消費されると、使用期限日が経過した部分肉から製造された精肉商品が消費されることになる。このような消費を防止するためには、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間に、所定の期間が設けられていることが好ましい。本変形例では、比較条件判断部153が使用する比較条件を上述のように設定することで、部分肉の使用期限日に近い使用期限日が設定されている精肉商品の製造を禁止して、食品の安全性に関する重大な問題が発生することを防止することができる。
【0067】
(5−5)変形例E
実施形態では、自動有効日調整機能フラグおよび有効日調整選択機能フラグの状態は、計量包装値付装置100の操作者によって予め設定され、記憶部54に記憶されている。しかし、これらのフラグの状態は、必要に応じて、計量包装値付装置100の操作者によって入力表示部20を介して設定されてもよい。
【0068】
具体的には、図6に示されるフローチャートのステップS5において、制御部50は、自動有効日調整機能フラグを設定するための画面を、入力表示部20の表示パネル22に表示してもよい。計量包装値付装置100の操作者は、入力表示部20の入力ボタン24を操作して、自動有効日調整機能フラグを設定する。
【0069】
同様に、図7に示されるフローチャートのステップS8において、制御部50は、有効日調整選択機能フラグを設定するための画面を、入力表示部20の表示パネル22に表示してもよい。計量包装値付装置100の操作者は、入力表示部20の入力ボタン24を操作して、有効日調整選択機能を設定する。
【0070】
これにより、計量包装値付装置100の操作者は、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れていない状況が発生する度に、精肉商品の使用期限日に関する具体的な対応を選択することができるので、精肉商品の使用期限を適切に管理することができる。
【0071】
(5−6)変形例F
実施形態では、計量包装値付装置100には、精肉商品の元となる部分肉の使用期限日が登録される。計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日とを比較する。しかし、計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日を取得した後に、部分肉の使用期限日と現在日とを比較する処理をさらに行ってもよい。この場合、計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日が現在日より前である場合、当該部分肉から精肉商品を製造することを禁止する。これにより、計量包装値付装置100は、使用期限日が経過した部分肉の加工を防止することができる。
【0072】
(5−7)変形例G
実施形態では、計量包装値付装置100は、現在日を基準にして精肉商品の使用期限日を自動的に設定する。しかし、計量包装値付装置100は、精肉商品の使用期限日を操作者に設定させてもよい。この場合、計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日を取得した後に、精肉商品の使用期限日を設定するための画面を、入力表示部20の表示パネル22に表示する。計量包装値付装置100の操作者は、入力表示部20の入力ボタン24を操作して、精肉商品の使用期限日を設定する。操作者が設定できる精肉商品の使用期限日は、元となった部分肉の使用期限日以前の日である。これにより、計量包装値付装置100の操作者は、精肉商品の使用期限日を必要に応じて設定することができる。
【0073】
(5−8)変形例H
実施形態では、計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日が精肉商品の使用期限日よりも前である場合、精肉商品の使用期限日を部分肉の使用期限日に自動的に変更する。しかし、計量包装値付装置100は、必要に応じて、精肉商品の使用期限日を自動的に変更した旨を通知するための画面を、入力表示部20の表示パネル22に表示してもよい。
【0074】
(5−9)変形例I
実施形態では、計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れていない場合において、精肉商品の使用期限の設定を操作者に指示することができる。しかし、計量包装値付装置100は、部分肉の使用期限日と精肉商品の使用期限日との間において整合性が取れていない場合において、精肉商品の使用期限を自動的に変更してもよいか否かについて操作者に尋ねてもよい。操作者が、精肉商品の使用期限を自動的に変更してもよいと回答した場合、計量包装値付装置100は、例えば、精肉商品の使用期限を部分肉の使用期限日に自動的に変更する。
【0075】
(5−10)変形例J
実施形態に係る食品使用期限管理装置は、スーパーマーケット等の小売店舗で使用される計量包装値付装置100である。しかし、食品使用期限管理装置は、小売店舗で使用される他の装置であってもよい。例えば、食品使用期限管理装置は、ラベル印字装置および計量値付装置であってもよい。
【0076】
ラベル印字装置は、生鮮食品から加工された商品の包装フィルムに貼付されるラベルを印字する装置である。具体的には、ラベル印字装置は、実施形態における入力表示部20、印字部30、読取部40および制御部50に相当する構成要素を主として備える装置である。
【0077】
計量値付装置は、生鮮食品から加工された商品を計量して、計量された商品の重量に基づいて商品の値段を算出する装置である。具体的には、計量値付装置は、実施形態における計量部10、入力表示部20、読取部40および制御部50に相当する構成要素を主として備える装置である。
【0078】
ラベル印字装置および計量値付装置は、計量包装値付装置100と同様に、商品の元となる生鮮食品の使用期限と、商品の使用期限とを比較して、両者の間に整合性が取れているか否かを検知することができる。従って、ラベル印字装置および計量値付装置は、生鮮食品から加工された商品の使用期限を適切に管理することができる。
【0079】
(5−11)変形例K
実施形態に係る食品使用期限管理装置は、スーパーマーケット等の小売店舗で使用される。しかし、食品使用期限管理装置は、小売店舗以外の場所で使用されてもよい。例えば、食品使用期限管理装置は、生鮮食品を加工した商品を製造して小売店舗に卸売りする食品加工施設等の工場で使用されてもよい。この場合、食品使用期限管理装置は、実施形態の計量包装値付装置100、変形例Jのラベル印字装置および計量値付装置等である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本実施形態に係る食品使用期限管理装置は、食品から加工された商品の使用期限日を厳密に管理することができる。
【符号の説明】
【0081】
100 計量包装値付装置(食品使用期限管理装置)
151 部分肉使用期限取得部(取得部)
152 商品使用期限生成部(生成部)
153 比較条件判断部(判断部)
154 使用期限変更部(変更部)
156 製造禁止部(禁止部)
157 ラベル発行制御部(発行部)
158 警告表示部(警告部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【特許文献1】特開2003−237143号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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