【実施例】
【0022】
まず、本実施例に係る警備モードの制御について説明する。
図1は、実施例に係る警備モードの制御について説明するための説明図である。
図1に示す警備制御装置10は、オフィスビル等の施設に設けられており、施設に対する警備を行う動作モードである警備モードと警備対象の施設に対する警備を行わない動作モードである非警備モードとの間で動作モードを変更可能である。
【0023】
また、警備制御装置10は、ドアや窓に設けられた各種センサと接続されている。警備制御装置10は、警備モードにセットされた状態において、ドア等の開閉や窓に対する振動等をセンサ出力により検知した場合に警報動作を行う。この警報動作には、警告音の出力や警備センタ20に対する通知を含む。
【0024】
警備制御装置10の動作モードの変更は、警備制御装置10に設けられた表示操作部に対する操作により行うことができる他、警備センタ20を介した遠隔操作によっても行うことができる。
【0025】
また、警備制御装置10は、施設内における利用者の在室状態を管理している。警備制御装置10は、動作モードや在室状態に変更があった場合に、警備センタ20に対して通知を行う。
【0026】
警備センタ20は、警備制御装置10から通知された動作モード及び在室状態を警備制御装置10の識別情報である警備制御装置IDに関連付けて保持する。
図1では、警備制御装置ID「D011」に動作モード「非警備」と在室状態「空室」を関連付けている。これは、警備制御装置IDが「D011」である警備制御装置10の動作モードが非警備モードであり、施設内に人物が所在していないことを示している。
【0027】
施設の利用者は、コンピュータや携帯電話等である端末装置30を用い、警備センタ20に対して警備制御装置10の状態の問い合わせを行うことができる。警備センタ20は、端末装置30から問い合わせを受けた場合に、保持している警備制御装置10の動作モード及び在室状態を通知する。
【0028】
施設の利用者は、警備制御装置10が非警備モードであり、かつ在室状態が「空室」である場合には、警備モードのセット要求を行うことができる。端末装置30は、警備モードのセット要求を警備センタ20に対して送信する。警備センタ30は、端末装置30から警備モードのセット要求を受信したならば、警備制御装置10に対して警備モードセット指示を送信する。警備制御装置10は、警備センタ20から警備モードセット指示を受信した場合に、動作モードを非警備モードから警備モードに変更する。
【0029】
このように、警備制御装置10の状態を警備センタ20が管理しているため、端末装置30から警備制御装置10の状態を確認する場合には、警備制御装置10との間で通信を行う必要がない。そして、警備制御装置10の動作モードを端末装置30から遠隔操作で変更する場合には、警備センタ20が管理する警備制御装置10の状態により動作モードを変更可能であることを確認した上で警備制御装置10に動作モードの変更指示を送信するので、動作モードの変更が不可能な状態であれば、警備制御装置10との間で不要な通信が発生することはない。これらのことから、警備制御装置10及び警備センタ20の通信負荷と処理負荷とを軽減し、効率的に動作を制御することができる。
【0030】
次に、警備システムのシステム構成について説明する。
図2は、警備システムのシステム構成を説明するための説明図である。
図2に示すように、警備センタ20は、複数の施設にそれぞれ設けられた複数の警備制御装置10と接続されている。警備センタ20は、複数の警備制御装置10についてそれぞれ動作モード及び在室状態を管理する。
【0031】
また、警備センタ20は、インターネット等の所定のネットワークを介して複数の端末装置30と接続されている。利用者は、端末装置30を用いて警備センタ20にアクセスし、認証を行うことで、当該利用者に対応付けられた警備制御装置10についての情報の参照や動作モードの変更要求を行うことが可能となる。
【0032】
ここで、ある利用者が複数の警備制御装置10に対応付けられているならば、その複数の警備制御装置10について情報の参照や動作モードの変更要求を行うことができる。具体的には、警備センタ20は、認証に成功した利用者が複数の警備制御装置10に対応付けられている場合には、その情報を一括して端末装置30に送信することができる。このため、利用者は、複数の施設の状況を一括して確認できる。同様に、利用者は、複数の警備制御装置10に対して一括して動作モードの変更要求を行うことも可能である。
【0033】
また、警備センタ20が警備制御装置10の状態を集計して端末装置30に送信することとしてもよい。例えば、当該利用者に対応付けられた複数の警備制御装置10のうち、在室となっている警備制御装置10の数、空室となっている警備制御装置10の数、警備モードとなっている警備制御装置10の数、非警備モードとなっている警備制御装置10の数等を集計し、端末装置30に送信することができる。
【0034】
さらに、警備制御装置10に対して複数の利用者が対応付けられている場合には、複数の利用者がそれぞれ認証を行うことで、同一の警備制御装置10についての情報を同時に参照することができる。なお、動作モードの変更については、排他制御することが好ましい。
【0035】
このように、警備センタ20が複数の警備制御装置10の情報を一括して管理し、端末装置30に対して提供可能であるため、端末装置30は複数の警備制御装置10と個別に通信する必要が無く、通信負荷及び処理負荷を低減して効率的な制御を行うことができる。
【0036】
次に、警備センタ20の内部構成について説明する。
図3は、
図1に示した警備センタ20の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、警備センタ20は、第一通信部21、第二通信部22、記憶部23及び制御部24を有する。
【0037】
第一通信部21は、警備制御装置10との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。第二通信部22は、端末装置30との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。
【0038】
記憶部23は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部23は、警備制御装置管理データ23a、利用者管理データ23b、条件処理データ23c及び警報履歴データ23dの格納に用いられる。
【0039】
警備制御装置管理データ23aは、警備制御装置10に関する情報を管理するデータである。利用者管理データ23bは、警備制御装置10を使用する利用者の情報を管理するデータである。条件処理データ23cは、予め利用者から設定された条件と、当該条件を満たした場合に実行する処理の内容を対応付けたデータである。警報履歴データ23dは、警備制御装置10が発した警報の履歴を示すデータである。
【0040】
制御部24は、警備センタ20を全体制御する制御部であり、警報受付部24a、動作モード管理部24b、在室状態管理部24c、利用者管理部24d、条件処理部24e及び権限付与部24fを有する。
【0041】
警報受付部24aは、警備制御装置10から警報に係る通知を受け付ける処理部である。警報受付部24aは、警備制御装置10から受け付けた通知を警備制御装置10の警備制御装置IDと関連付けて、警報履歴データ23dに追加する。また、警報受付部24aは、警備制御装置10から受け付けた通知に基づいて警備員の派遣を行う。
【0042】
動作モード管理部24bは、警備制御装置10の動作モードを管理する処理部である。動作モード管理部24bは、警備制御装置10から動作モードの通知を受信した場合に、警備制御装置管理データ23aを更新する。また、動作モード管理部24bは、端末装置30から問い合わせを受けた場合には、警備制御装置10の動作モードを応答する。このとき、動作モード管理部24bは、必要に応じて動作モードを集計して応答を行う。さらに、動作モード管理部24bは、端末装置30から動作モードの変更要求を受け付けた場合には、警備制御装置10に対して動作モードの変更指示を送信する。
【0043】
在室状態管理部24cは、警備制御装置10の在室状態を管理する処理部である。在室状態管理部24cは、警備制御装置10から在室状態の通知を受信した場合に、警備制御装置管理データ23aを更新する。また、在室状態管理部24cは、端末装置30から問い合わせを受けた場合には、警備制御装置10の在室状態を応答する。このとき、在室状態管理部24cは、必要に応じて在室状態を集計して応答する。
【0044】
利用者管理部24dは、警備制御装置10の利用者を管理する処理部である。利用者管理部24dは、端末装置30からのアクセスを受け付けた場合に、利用者の識別情報やパスワードにより利用者の認証を行う。動作モード管理部24bや在室状態管理部24cは、この利用者管理部24dによる認証結果を用いて、いずれの警備制御装置10について応答や制御を行うかを決定する。
【0045】
条件処理部24eは、予め利用者から設定された条件が満たされた場合に、予め指定された処理を実行する処理部である。具体的には、条件処理部24eは、警備セット忘れ通知、警備解除忘れ通知、空室状態通知、在室状態通知、動作モード変更の予約制御を行う。
【0046】
警備セット忘れ通知は、予め指定された日時に非警備モードである場合に、指定された通知先に通知を行う処理である。警備解除忘れ通知は、予め指定された日時に警備モードである場合に、指定された通知先に通知を行う処理である。空室状態通知は、予め指定された時間帯に非警備モードかつ空室となった場合に、指定された通知先に通知を行う処理である。在室状態通知は、予め指定された時間帯に非警備モードかつ在室となった場合に、指定された通知先に通知を行う処理である。指定された通知先への通知は、メールの送信などを用いることが好適である。
【0047】
動作モード変更の予約制御は、予め指定された日時に動作モードの変更指示を警備制御装置10に送信する処理である。例えば、予め指定された日時に非警備モードかつ空室である場合に、警備制御装置10に対して警備モードのセット指示を送信する。このとき、予め指定された日時に非警備モードかつ在室であれば、在室状態が空室となるのを待機し、在室状態が空室となった後に警備モードのセット指示を送信することもできる。さらに、利用者が在室状態を確認した時点で在室状態が在室となっているために警備モードのセット要求を行うことができなかった場合には、その後、在室状態が空室となった後に警備モードのセット指示を送信するよう予約を行えるようにしてもよい。
【0048】
権限付与部24fは、警備制御装置10の動作モードを変更する権限を利用者に付与する処理部である。かかる処理は、端末装置30を操作中の利用者が、警備制御装置10に対して操作を行うことのできる利用者に対して、一時的に動作モードを変更する権限を付与する場合等に用いられる。
【0049】
具体的には、権限付与部24fは、端末装置30を操作中の利用者により指定された利用者IDを権限者として警備制御装置10に通知する。このとき、当該権限者に対して、時間や回数等の制限を設定し、合わせて通知することが可能である。
【0050】
次に、
図3に示した記憶部23が格納するデータの具体例について説明を行う。
図4は、
図3に示した記憶部23が格納するデータの具体例について説明するための説明図である。
【0051】
図4(a)に示すように、警備制御装置管理データ23aは、警備制御装置10の識別情報である警備制御装置IDと、動作モードと、在室状態と、在室利用者と、施設情報とを関連付けたデータである。
【0052】
動作モードは、警備制御装置10の動作モードを示すものであり、警備モードであることを示す「警備」又は非警備モードであることを示す「非警備」のいずれかである。在室状態は、警備制御装置10の在室状態を示すものであり、施設内に人物が所在していないことを示す「空室」又は施設内に人物が所在していることを示す「在室」のいずれかである。在室利用者は、施設内に所在している利用者について、その識別情報である利用者IDを示すものであり、複数の利用者が所在している場合には、複数の利用者IDが在室利用者として保持される。施設情報は、警備制御装置10が設置された施設の名称や所在地等を示す。
【0053】
具体的には、警備制御装置管理データ23aは、警備制御装置ID「D011」に動作モード「非警備」と在室状態「空室」とを関連付けている。また、警備制御装置管理データ23aは、警備制御装置ID「D012」に動作モード「警備」と在室状態「空室」とを関連付けている。また、警備制御装置管理データ23aは、警備制御装置ID「D013」に動作モード「非警備」と、在室状態「在室」と、在室利用者「P001、P003」とを関連付けている。
【0054】
図4(b)に示すように、利用者管理データ23bは、利用者の識別情報である利用者IDと、警備制御装置IDと、利用者情報とを関連付けたデータである。利用者は、警備制御装置IDに示された警備制御装置10について、情報の参照や動作モードの変更要求が可能である。利用者情報は、利用者の氏名や所属等を示す。
【0055】
具体的には、利用者管理データ23bは、利用者ID「P001」に警備制御装置ID「D011〜D020」を関連付けている。これは、利用者IDが「P001」である利用者が警備制御装置ID「D011〜D020」の警備制御装置10について、情報の参照や動作モードの変更要求が可能であることを示す。同様に、利用者管理データ23bは、利用者ID「P002」に警備制御装置ID「D011」を関連付けている。また、利用者管理データ23bは、利用者ID「P003」に警備制御装置ID「D012、D013」を関連付けている。
【0056】
図4(c)に示すように、条件処理データ23cは、警備制御装置IDと、予め利用者から設定された条件と、当該条件を満たした場合に実行する制御とを対応付けたデータである。
【0057】
具体的には、条件処理データ23cは、警備制御装置ID「D011」である警備制御装置10が、22:00に非警備モードであった場合には、所定の通知先に通知を行うことを示している。また、条件処理データ23cは、警備制御装置ID「D011」である警備制御装置10が、8:00に警備モードであった場合には、所定の通知先に通知を行うことを示している。
【0058】
また、条件処理データ23cは、警備制御装置ID「D012」である警備制御装置10が、22:00から翌日の8:00までに非警備モードかつ空室となった場合には、所定の通知先に通知を行うことを示している。また、条件処理データ23cは、警備制御装置ID「D013」である警備制御装置10が、20:00に非警備モードかつ空室となった場合には、警備モードセット指示を送信することを示している。また、条件処理データ23cは、警備制御装置ID「D014」である警備制御装置10が、22:00から翌日の8:00までに非警備モードかつ在室となった場合には、所定の通知先に通知を行うことを示している。
【0059】
次に、警備制御装置10の内部構成について説明する。
図5は、
図1に示した警備制御装置10の内部構成を示すブロック図である。
図5に示すように、警備制御装置10は、表示操作部11、スピーカ12、カードリーダ13及び複数のセンサ14と接続される。また、警備制御装置10は、その内部に通信部15、タイマ16、記憶部17及び制御部18を有する。
【0060】
表示操作部11は、タッチパネルディスプレイ等からなるユーザインタフェース部であり、利用者に対する表示出力と、利用者による操作の受け付けとを行う。スピーカ12は、利用者に対する音声出力を行う。
【0061】
カードリーダ13は、利用者が携行するカード等の記録媒体からのデータの読み取りを行う装置である。利用者が携行する記憶媒体には、当該利用者の利用者IDが格納されている。利用者は、施設への入退室の際や、動作モードの変更操作を行う際に、カードリーダ13に自身の利用者IDを読み取らせる。センサ14は、ドアや窓等に設けられており、開閉や振動を検知して警備制御装置10に出力する。
【0062】
通信部15は、警備センタ20との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。タイマ16は、制御部18により制御され、制御部18により指定された開始タイミングからの経過時間を制御部18に出力する。
【0063】
記憶部17は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部17は、在室利用者データ17a及び権限管理データ17bの格納に用いられる。在室利用者データ17aは、警備対象の施設内に所在する利用者の利用者IDを示すデータである。権限管理データ17bは、警備制御装置10の動作モードを変更する権限を有する利用者の利用者IDを示すデータである。
【0064】
制御部18は、警備制御装置10を全体制御する制御部であり、モード変更部18a、警報処理部18b、在室状態管理部18c、遠隔指示処理部18d及び権限管理部18eを有する。
【0065】
モード変更部18aは、警備制御装置10の動作モードを変更する処理部である。具体的には、モード変更部18aは、非警備モードから警備モードへの変更である警備モードのセットと、警備モードから非警備モードへの変更である警備モードの解除とを行う。
【0066】
モード変更部18aは、カードリーダ13により読み取った利用者IDが、権限管理データ17bに登録された利用者IDである場合には、表示操作部11への動作モードの変更操作を受け付け可能とする。そして、利用者が警備モードの解除を要求する操作を行った場合には、モード変更部18aは、動作モードを警備モードから非警備モードに変更する。また、利用者が警備モードのセットを要求する操作を行った場合には、モード変更部18aは、タイマ16による計時を開始させ、所定時間が経過した後に非警備モードから警備モードに変更する。
【0067】
このように、表示操作部11により警備モードのセットを要求する操作を受け付けた場合に所定時間の経過を待機してから警備モードのセットを行うのは、施設の内部で利用者が警備モードのセットを要求する操作を行ったあと、ドアなどを開けて施設を出る際に、ドアの開放を検知したことにより警報が発せられることを防ぐためである。
【0068】
一方、警備センタ20から警備モードセット指示を受信した場合には、在室状態は「空室」であることが確認されているため、所定時間の経過を待機することなく、警備モードのセットを行うことが可能である。
【0069】
モード変更部18aは、動作モードの変更を行った場合には、変更後の動作モードを警備センタ20に対して通知する。この動作モードの通知は、表示操作部11に対する操作に応じて動作モードを変更した場合にも、警備センタ20からの指示に応じて動作モードを変更した場合にも同様に行う。
【0070】
警報処理部18bは、警備モードにセットされた状態において、ドア等の開閉や窓に対する振動等をセンサ14の出力により検知した場合に警報動作を行う。この警報動作は、スピーカ12による警告音の出力と、通信部15による警備センタ20への通知とを含む。
【0071】
なお、警備モードにセットされた状態において、ドアが開いたことを検知した場合には、タイマ16を用いて所定時間の経過を待機し、その後、警報を行うこととしてもよい。利用者が適正にドアを開いて施設の内部に入った後、表示操作部11により警備モードの解除を要求する操作を行うまでの間に、誤って警報を発することを防ぐためである。
【0072】
在室状態管理部18cは、在室状態を管理する処理部である。在室状態管理部18cは、利用者が入室の際にカードリーダ13に読み取らせた利用者IDを在室利用者データ17aに追加登録し、利用者が退室の際にカードリーダ13に読み取らせた利用者IDを在室利用者データ17aから削除することで、施設内に所在する利用者を管理する。
【0073】
また、在室状態管理部18cは、在室状態の変更に応じて警備センタ20に在室状態を通知する。具体的には、在室状態が空室となった場合、すなわち、在室利用者データ17aに示された利用者IDの数が0となった場合に、警備センタ20に空室の通知を行う。また、在室状態が空室から在室となった場合、すなわち、在室利用者データ17aに示された利用者IDの数が0から1以上となった場合に、警備センタ20に在室の通知を行う。
【0074】
在室利用者データ17aに示された利用者IDの数が2以上である場合には、在室利用者データ17aを更新しても警備センタ20への通知は行わないとすれば、警備センタ20への通信を少なくすることができる。一方で、在室利用者の詳細な情報が必要である場合には、在室利用者データ17aを更新する度に、在室利用者データ17aに登録された利用者IDを全て警備センタ20に通知すればよい。また、通信の削減と在室利用者の警備センタ20での管理とを両立するため、在室利用者データ17aに示された利用者IDの数が所定数以下である場合にはその全ての利用者IDを警備センタ20に通知し、在室利用者データ17aに示された利用者IDの数が所定数を超える場合には警備センタ20への通知を行わないこととしてもよい。
【0075】
遠隔指示処理部18dは、警備センタ20から動作モードの変更指示を受信した場合に、モード変更部18aに動作モードの変更を行わせる処理部である。既に説明したように、モード変更部18aは、警備センタ20からの指示によって動作モードを変更する場合には、タイマ16を用いた所定時間の待機を行うことなく、動作モードの変更を行う。
【0076】
権限管理部18eは、警備制御装置10の動作モードを変更する権限を管理する処理部である。具体的には、カードリーダ13により読み取られた利用者IDが権限管理データ17bに登録済であるか否かを判定する。権限管理データ17bに登録済である場合には、既に説明したように、モード変更部18aは、表示操作部11による動作モードの変更操作の受け付けを許可する。
【0077】
また、権限管理部18eは、警備センタ20から権限者として通知された利用者IDを権限管理データ17bに登録する。この利用者IDに対して時間や回数等の制限が設定されていた場合には、この制限を合わせて管理し、時間や回数等の条件を満たした場合に当該利用者IDを削除する。これにより、利用者IDに対して一時的に動作モードを変更する権限を付与することができる。
【0078】
次に、警備センタ20の処理動作について説明する。
図6は、警備センタ20の処理動作について説明するためのフローチャートである。
図6に示すように、在室状態管理部24cは、警備制御装置10から在室状態の通知を受信したか否かを判定する(ステップS101)。警備制御装置10から在室状態の通知を受信した場合には(ステップS101;Yes)、在室状態管理部24cは、受信した通知により警備制御装置管理データ23aを更新する(ステップS102)。
【0079】
ステップS102の後、若しくは警備制御装置10から在室状態の通知を受信していない場合(ステップS101;No)、動作モード管理部24bは、警備制御装置10から動作モードの通知を受信したか否かを判定する(ステップS103)。警備制御装置10から動作モードの通知を受信した場合には(ステップS103;Yes)、動作モード管理部24bは、受信した通知により警備制御装置管理データ23aを更新する(ステップS104)。
【0080】
ステップS104の後、若しくは警備制御装置10から動作モードの通知を受信していない場合(ステップS103;No)、警報受付部24aは、警備制御装置10から警報に係る通知を受信したか否かを判定する(ステップS105)。警備制御装置10から警報に係る通知を受信した場合には(ステップS105;Yes)、警報受付部24aは、警報処理を行う(ステップS106)。具体的には、警報受付部24aは、警備制御装置10から受け付けた通知を警備制御装置10の警備制御装置IDと関連付けて、警報履歴データ23dに追加する。また、警報受付部24aは、警備制御装置10から受け付けた通知に基づいて警備員の派遣を行う。
【0081】
ステップS106の後、若しくは警備制御装置10から警報に係る通知を受信していない場合(ステップS105;No)、動作モード管理部24b及び在室状態管理部24cは、端末装置30から状態の問い合わせを受信したか否かを判定する(ステップS107)。
【0082】
端末装置30から問い合わせを受けた場合には(ステップS107;Yes)、動作モード管理部24bは、警備制御装置10の動作モードを応答し、在室状態管理部24cは、警備制御装置10の在室状態を応答する(ステップS108)。このとき、動作モード管理部24b及び在室状態管理部24cは、必要に応じて集計を行って応答する。
【0083】
ステップS108の後、在室状態管理部24cは、問い合わせを受けた警備制御装置10の在室状態が空室であるか否かを判定する(ステップS109)。在室状態が空室であれば(ステップS109;Yes)、動作モード管理部24bは、端末装置30から動作モードの変更要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS110)。端末装置30から動作モードの変更要求を受け付けたならば(ステップS110;Yes)、動作モード管理部24bは、警備制御装置10に対して動作モードの変更指示を送信する(ステップS111)。
【0084】
ステップS111の後、在室状態が空室でない場合(ステップS109;No)若しくは動作モードの変更要求を受け付けていない場合(ステップS110;No)、権限付与部24fは、端末装置30から動作モードを変更する権限を付与する要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS112)。権限を付与する要求を受け付けたならば(ステップS112;Yes)、権限付与部24fは、権限付与処理を行う(ステップS113)。具体的には、権限付与部24fは、端末装置30を操作中の利用者により指定された利用者IDを権限者として警備制御装置10に通知する。
【0085】
ステップS113の後、権限を付与する要求を受け付けていない場合(ステップS112;No)若しくは端末装置30から問い合わせを受けていない場合(ステップS107;No)、条件処理部24eは、条件処理データ23cを参照し、いずれかの条件が成立したか否かを判定する(ステップS114)。その結果、いずれかの条件が成立しているならば(ステップS114;Yes)、条件処理部24eは、成立した条件に対応する制御を実行する(ステップS115)。ステップS115の終了後、若しくはいずれの条件も成立していない場合(ステップS114;No)、警備センタ20は処理を終了する。そして、処理の終了後、警備センタ20は、再びステップS101から処理を開始する。
【0086】
次に、警備制御装置10の非警備モードにおける処理動作について説明する。
図7は、警備制御装置10の非警備モードにおける処理動作について説明するためのフローチャートである。
【0087】
まず、在室状態管理部18cは、利用者の入室又は退室により、在室状態に変更が発生したか否かを判定する(ステップS201)。在室状態に変更が発生したならば(ステップS201;Yes)、在室状態管理部18cは、在室状態の変更に応じて警備センタ20に在室状態を送信する(ステップS202)。
【0088】
ステップS202の後、若しくは在室状態に変更が無い場合(ステップS201;No)、権限管理部18eは、警備センタ20から権限者として利用者IDを通知されたか否かを判定する(ステップS203)。警備センタ20から権限者として利用者IDを通知されたならば(ステップS203;Yes)、権限管理部18eは、通知された利用者IDを権限管理データ17bに登録し、権限管理データ17bを更新する(ステップS204)。
【0089】
ステップS204の後、若しくは警備センタ20から権限者の通知を受けていなければ(ステップS203;No)、モード変更部18aは、表示操作部11により警備モードをセットする操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS205)。
【0090】
表示操作部11により警備モードをセットする操作を受け付けたならば(ステップS205;Yes)、権限管理部18eはカードリーダ13により読み取られた利用者IDが権限管理データ17bに登録済であるかにより利用者の権限の認証を行う(ステップS207)。権限の認証に成功したならば(ステップS207;Yes)、モード変更部18aは、タイマ16による計時を開始させ、所定時間の経過を待機する(ステップS208)。所定時間の待機の後、モード変更部18aは、動作モードを警備モードにセットし(ステップS209)、警備センタ20に通知して(ステップS210)、処理を終了する。この処理の終了後、警備制御装置10は、警備モードで動作することとなる。
【0091】
表示操作部11により警備モードをセットする操作を受け付けていない場合(ステップS205;No)、若しくは権限の認証に失敗した場合(ステップS207;No)、遠隔指示処理部18dは、警備センタ20から警備モードのセット指示を受信したか否かを判定する(ステップS206)。
【0092】
警備センタ20から警備モードのセット指示を受信したならば(ステップS206;Yes)、モード変更部18aは、動作モードを警備モードにセットし(ステップS209)、警備センタ20に通知して(ステップS210)、処理を終了する。この処理の終了後、警備制御装置10は、警備モードで動作することとなる。
【0093】
警備センタ20から警備モードのセット指示を受信していなければ(ステップS206;No)、そのまま処理を終了する。この処理の終了後、警備制御装置10は、再びステップS201から処理を開始する。
【0094】
次に、警備制御装置10の警備モードにおける処理動作について説明する。
図8は、警備制御装置10の警備モードにおける処理動作について説明するためのフローチャートである。
【0095】
まず、警報処理部18bは、センサ14がドア等の開閉や窓に対する振動等の異常を検知したか否かを判定する(ステップS301)。センサ14が異常を検知したならば(ステップS301;Yes)、警報処理部18bは、警報動作を行う(ステップS302)。この警報動作は、スピーカ12による警告音の出力と、通信部15による警備センタ20への通知とを含む。
【0096】
ステップS302の後、若しくはセンサ14が異常を検知していなければ(ステップS301;No)、権限管理部18eは、警備センタ20から権限者として利用者IDを通知されたか否かを判定する(ステップS303)。警備センタ20から権限者として利用者IDを通知されたならば(ステップS303;Yes)、権限管理部18eは、通知された利用者IDを権限管理データ17bに登録し、権限管理データ17bを更新する(ステップS304)。
【0097】
ステップS304の後、若しくは警備センタ20から権限者の通知を受けていなければ(ステップS303;No)、モード変更部18aは、表示操作部11により警備モードを解除する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS305)。
【0098】
表示操作部11により警備モードを解除する操作を受け付けたならば(ステップS305;Yes)、権限管理部18eはカードリーダ13により読み取られた利用者IDが権限管理データ17bに登録済であるかにより利用者の権限の認証を行う(ステップS307)。権限の認証に成功したならば(ステップS307;Yes)、モード変更部18aは、警備モードを解除して動作モードを非警備モードに変更し(ステップS308)、警備センタ20に通知して(ステップS309)、処理を終了する。この処理の終了後、警備制御装置10は、非警備モードで動作することとなる。
【0099】
表示操作部11により警備モードを解除する操作を受け付けていない場合(ステップS305;No)、若しくは権限の認証に失敗した場合(ステップS307;No)、遠隔指示処理部18dは、警備センタ20から警備モードの解除指示を受信したか否かを判定する(ステップS306)。
【0100】
警備センタ20から警備モードの解除指示を受信したならば(ステップS306;Yes)、モード変更部18aは、警備モードを解除して動作モードを非警備モードに変更し(ステップS308)、警備センタ20に通知して(ステップS309)、処理を終了する。この処理の終了後、警備制御装置10は、非警備モードで動作することとなる。
【0101】
警備センタ20から警備モードの解除指示を受信していなければ(ステップS306;No)、そのまま処理を終了する。この処理の終了後、警備制御装置10は、再びステップS301から処理を開始する。
【0102】
上述してきたように、本実施例に係る警備システムでは、警備制御装置10の状態を警備センタ20が管理し、端末装置30から警備制御装置10の状態を確認する場合には、警備制御装置10との間で通信を行うことなく応答を行うことができる。そして、警備制御装置10の動作モードを端末装置30から遠隔操作で変更する場合には、警備センタ20が管理する警備制御装置10の状態により動作モードを変更可能であることを確認した上で警備制御装置10に動作モードの変更指示を送信するので、動作モードの変更が不可能な状態であれば、警備制御装置10との間で不要な通信が発生することはない。これらのことから、警備制御装置10及び警備センタ20の通信負荷と処理負荷とを軽減し、効率的に動作を制御することができる。
【0103】
また、警備センタ20が複数の警備制御装置10の情報を一括して管理し、端末装置30に対して提供可能であるため、端末装置30は複数の警備制御装置10と個別に通信する必要が無く、通信負荷及び処理負荷を低減して効率的な制御を行うことができる。
【0104】
なお、上記実施例では、カードリーダ13により入退室の管理を行っていたが、例えばオフィスなどで利用者の出退勤を管理するシステムを用いている場合には、かかるシステムから出退勤の情報を取得し、在室状態として用いてもよい。また、出退勤の情報を用い、利用者が全て退勤したにも関わらず非警備モードとなっている場合や、誰も出勤していないにも関わらず非警備モードとなっている場合に通知を行うこととしてもよい。
【0105】
また、在室状態であるために遠隔操作による警備モードのセットができない場合には、最後に施設に出入りした利用者を通知するなど、利用者の情報は適宜通知を行うことが可能である。
【0106】
また、端末装置30からの動作モードの変更要求について、対象の警備制御装置10の動作モード及び在室状態を予め判定しておき、変更が可能である場合にのみ動作モードの変更要求を受け付けるためのボタンを端末装置30に表示制御させるように構成してもよい。また、動作モードの変更要求を受け付けるためのボタンは常に表示可能とし、当該ボタンへの操作を受け付けた場合に対象の警備制御装置10の動作モード及び在室状態を判定し、変更が実行可能か否かを端末装置30に表示制御させてもよい。
【0107】
同様に、警備制御装置10において動作モードの変更操作を受け付ける場合にも、予め利用者の権限を判定し、動作モードを変更する権限を有している場合にのみ動作モードを変更するためのボタンを表示操作部11に表示制御してもよい。また、動作モードを変更するためのボタンは表示操作部11に常に表示可能とし、当該ボタンへの操作を受け付けた場合に利用者の権限を判定し、変更が実行可能か否かを表示制御させてもよい。