(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法は、工程(A)を含むものである。また、(A)工程の後、更に後述する工程(B)を含んでも良い。以下、各工程について詳細に説明する。
【0010】
工程(A)
工程(A)は、茶葉を、Brix0.2〜1.0%であり、かつ80〜100℃の水溶液と接触させる工程である。これにより、茶葉の発酵を抑制しながら、緑茶風味を損なうことなく、カフェインを選択的除去することができる。茶葉としては、生茶葉が好ましい。ここで、本明細書において「生茶葉」とは、摘採後、熱処理前の茶葉、又は摘採後、熱処理前に冷蔵若しくは冷凍保存した茶葉をいい、発酵抑制の観点から、生茶葉として、摘採後24時間以内のものを使用するか、又は摘採後24時間以内に冷蔵若しくは冷凍保存したものを使用することが好ましい。
【0011】
茶葉は、緑茶風味を損なうことなく、カフェインを選択的に除去する観点から、摘採した状態の茶葉(フルリーフ)を使用することが好ましい。摘採方法には、手摘み、はさみ摘み、機械摘み等があるが、特に限定されない。手摘みには、二葉摘み、三葉摘み等があるが、特に限定されない。また、機械摘みは機械の大きさや使用方法等で、携帯型、可搬型、自走型、乗用型、レール式等を用いることができ、通常普通摘みで行われる。これらの方法で摘採された茶葉を、裁断することなく用いることができる。茶葉の採取時期は特に限定されない。
【0012】
茶葉の茶品種は、一般に栽培されているであれば特に限定されないが、Camellia属、例えば、C. sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)等が挙げられる。品種の具体例としては、日本茶葉では、例えば、べにふうき、べにほまれ、べにふじ、べにひかり、やぶきた、あさつゆ、やまとみどり、まきのはらわせ、かなやみどり、やえほ、するがわせ、ゆたかみどり、おくむさし、おくみどり、おおいわせ、おくひかり、めいりょく、さみどり、こまかげ、やまなみ、みねかおり、はつもみじ、やまかい、からべにが挙げられ、また日本茶葉以外では、例えば、ダージリン、ウバ、キーマン、アッサム、ケニア等を挙げることができる。茶葉は、1種又は2種以上を適宜選択して使用することが可能であり、茶葉のみならず、茎も使用することができる。
【0013】
工程(A)で使用する水溶液は、Brixが0.2〜1.0%の範囲内であれば特に限定されないが、緑茶風味を損なうことなく、カフェインを選択的に除去する観点から、Brix0.2〜1.0%の茶抽出液が好ましい。ここで、本明細書において「Brix」とは、糖用屈折計を利用して測定した値であり、20℃のショ糖水溶液の質量百分率に相当する値である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
水溶液に含まれる水の種類は特に限定されず、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水、天然水等を適宜選択して使用することができる。
【0014】
茶抽出液の原料茶葉は特に限定されないが、例えば、Camellia属、例えば、C. sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)から抽出されたものが挙げられる。茶葉は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に分類することができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。茶葉は、1種又は2種以上を用いることができる。中でも、茶抽出液としては、緑茶風味を損なうことなく、カフェインを選択的に除去する観点から、緑茶抽出液が好ましい。
【0015】
所定のBrixを有する茶抽出液を得る方法としては、例えば、茶葉を水で抽出する方法が挙げられる。
茶葉としては、上述で挙げたものを用いることができるが、緑茶風味を損なうことなく、カフェインを選択的に除去する観点から、緑茶葉が好ましい。なお、茶葉はフルリーフであっても、裁断又は粉砕したものでも良い。
抽出に使用する水の温度としては、例えば、80〜100℃であり、好ましくは83〜99℃、より好ましくは85〜98℃、更に好ましくは87〜97℃である。
抽出時間としては、例えば、好ましくは1.0〜120分、より好ましくは2.0〜90分、更に好ましくは2.5〜60分である。
なお、抽出方法としては、攪拌抽出、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。また、緑茶抽出液として、市販品を使用してもよく、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等を挙げることができる。なお、所望のBrixの茶抽出液とするために、必要により水希釈又は濃縮して用いてもよい。
【0016】
水溶液のBrixは、緑茶風味を損なうことなく、カフェインを選択的に除去する観点から、0.2%以上が好ましく、そして1.0%以下が好ましく、0.8%以下がより好ましく、0.7%以下が更に好ましく、0.4%以下が殊更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは0.2〜1.0%、より好ましくは0.2〜0.8%、更に好ましくは0.2〜0.7%、殊更に好ましくは0.2〜0.4%である。
【0017】
水溶液の温度は80〜100℃であるが、緑茶風味を損なうことなく、カフェインを選択的に除去する観点から、83℃以上が好ましく、85℃以上がより好ましく、87℃以上が更に好ましく、また温度制御の観点から、99℃以下が好ましく、98℃以下がより好ましく、97℃以下が更に好ましい。かかる温度の範囲としては、好ましくは83〜99℃、更に好ましくは85〜98℃、更に好ましくは87〜97℃である。
【0018】
接触方法としては、茶葉の表面を水溶液と接触させることができれば特に限定されないが、例えば、茶葉を水溶液に浸漬させる方法、茶葉に水溶液をシャワー状に供給する方法等を挙げることができる。
【0019】
接触に使用する水溶液の量は、接触方法やスケールにより、適宜選択することが可能であるが、緑茶風味を損なうことなく、カフェインを選択的に除去する観点から、茶葉に対して、3質量倍以上が好ましく、5質量倍以上がより好ましく、10質量倍以上が更に好ましく、15質量倍以上が殊更に好ましく、そして100質量倍以下が好ましく、75質量倍以下がより好ましく、50質量倍以下が更に好ましい。かかる水溶液の量の範囲としては、茶葉に対して、好ましくは3〜100質量倍、より好ましくは5〜75質量倍、更に好ましくは10〜50質量倍、殊更に好ましくは15〜50質量倍である。
【0020】
水溶液との接触時間は、接触方法やスケールにより、適宜選択することが可能であるが、緑茶風味を損なうことなく、カフェインを選択的に除去する観点から、2分以上が好ましく、2.5分以上がより好ましく、3分以上が更に好ましく、そして10分以下が好ましく、9分以下が好ましく、7分以下が更に好ましく、6分以下がより更に好ましく、5分以下が殊更に好ましい。かかる接触時間の範囲としては、好ましくは2〜10分、より好ましくは2.5〜9分、更に好ましくは3〜7分、より更に好ましくは3〜6分、殊更に好ましくは3〜5分である。
【0021】
工程(A)後、後述する工程(B)を行うことができるが、工程(B)の前に、水溶液に接触させた茶葉を回収してもよい。回収方法としてはメッシュにより回収しても、濾過機により回収しても、遠心分離機により回収しても、コンベア等により回収してもよい。
また、工程(A)後、後述する工程(B)を行うことができるが、工程(B)の前に、工程(A)後の茶葉の表面に付着した水分を除去してもよい。除去方法としては、振とう等により取り除いても、ウエス、ペーパー等で軽く拭き取ってもよい。また、工程(A)後の茶葉を乾燥することもできるが、熱による風味劣化(雑味)を抑制する観点から、茶葉を乾燥しないことが好ましい。
【0022】
また、工程(B)の前に、非重合体カテキン類の抽出効率を高めるために、工程(A)後の茶葉を、裁断処理又は粉砕処理することができる。裁断、粉砕方法は特に限定されないが、例えば裁断処理は、カッターを用いたり、揉捻機、ローターべイン、CTC機を用いて行うことが可能である。また、粉砕処理は、グラインダー、ミル、ボールミル等を用いて行うことができる。裁断処理後の茶葉の大きさは、通常1〜20mm、好ましくは5〜15mmである。また、粉砕処理後の茶葉の大きさは、通常0.1〜5mm、好ましくは0.3〜3mmである。
【0023】
工程(B)
工程(B)は、工程(A)後の茶葉を50〜100℃の水にて抽出する工程である。これにより、緑茶風味が豊かで、非重合体カテキン類を効率よく抽出することができる。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びカテキンガレートからなるガレート体と、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンからなる非ガレート体を併せての総称である。なお、非重合体カテキン類の濃度は、上記8種の合計量に基づいて定義され、本発明においては、上記8種の非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。
【0024】
抽出方法としては、撹拌抽出、カラム抽出、ドリップ抽出等の公知の方法を採用することができる。
抽出に使用する水の温度は通常50〜100℃であるが、非重合体カテキン類の抽出効率の観点から、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましく、また温度制御の観点から、98℃以下が好ましく、95℃以下が更に好ましい。かかる水の温度の範囲としては、好ましくは60〜98℃、より好ましくは70〜98℃、更に好ましくは80〜95℃である。
【0025】
また、水としては、前述と同様のものを使用することができるが、中でも、味の面から、イオン交換水が好ましい。抽出に使用する水には、アスコルビンナトリウム等の有機酸又はその塩、炭酸水素ナトリウム等の無機酸又はその塩を添加してもよい。
【0026】
抽出に使用する水の量は、抽出方法により適宜選択可能であるが、非重合体カテキン類の抽出効率の観点から、茶葉に対して、1質量倍以上が好ましく、1.5質量倍以上がより好ましく、2質量倍以上が更に好ましく、また緑茶風味の観点から、20質量倍以下が好ましく、15質量倍以下がより好ましく、10質量倍以下が更に好ましい。かかる水の量の範囲としては、茶葉に対して、好ましくは1〜20質量倍、より好ましくは1.5〜15質量倍、更に好ましくは2〜10質量倍である。
【0027】
また、抽出時間は、スケール等により一様ではないが、例えば、非重合体カテキン類の抽出効率の観点から、5分以上が好ましく、8分以上がより好ましく、10分以上が更に好ましく、また雑味低減の観点から、120分以下が好ましく、90分以下がより好ましく、60分以下が更に好ましい。かかる抽出時間の範囲としては、好ましくは5〜120分、より好ましくは8〜90分、更に好ましくは10〜60分である。
【0028】
抽出後、茶葉と緑茶抽出液とを分離する操作として濾過を行うことができる。濾過は、例えば、濾紙、ステンレス等の金属製フィルタ等によるフィルタ分離、遠心分離を採用することができる。金属製フィルタのメッシュサイズは、例えば、18〜300メッシュである。遠心分離に用いる遠心分離機としては、分離板型、円筒型、デカンター型等の一般的な機器を使用することができる。
【0029】
工程(B)後、工程(B)により得られた緑茶抽出液を固液分離することができる。これにより、雑味が低減され、緑茶風味の豊かな茶飲料の製造原料として有用な非重合体カテキン類含有組成物を得ることができる。
固液分離としては、食品工業で通常使用されている方法を採用することができる。例えば、ろ紙濾過、遠心分離、膜処理等が挙げられ、1種又は2種以上組み合わせて行うことができる。
【0030】
ろ紙濾過は、例えば、ろ紙上に濾過助剤をプレコートしてもよい。濾過助剤としては、例えば、珪藻土、セルロース及びこれらを組み合わせたものが挙げられ、その使用量は適宜選択可能である。また、加圧濾過、吸引濾過等の濾過方法も採用することもできる。
【0031】
遠心分離に用いる遠心分離機としては、前述と同様に、分離板型、円筒型、デカンター型等の一般的な機器を使用することができる。
遠心分離する際の温度は、非重合体カテキン類の回収率向上、夾雑物除去の観点から、好ましくは5〜80℃、更に好ましくは10〜70℃である。また、回転数と時間は適宜設定可能であるが、例えば、分離板型の場合、回転数は、好ましくは2000〜10000r/min、より好ましくは2500〜9000r/min、更に好ましくは3000〜8000r/minであり、時間は、好ましくは0.2〜75分、より好ましくは0.5〜60分、更に好ましくは1〜30分である。
【0032】
膜ろ過による処理条件としては、一般的なろ過条件で処理することができる。
膜孔径は、非重合体カテキン類の回収率向上、夾雑物除去の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.15μm以上がより好ましく、0.2μm以上が更に好ましく、そして10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、2μm以下が更に好ましい。かかる膜孔径の範囲としては、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.15〜5μm、更に好ましくは0.2〜2μmである。なお、膜孔径の測定方法としては、水銀圧入法、バブルポイント試験、細菌ろ過法等を用いた一般的な測定方法が挙げられるが、バブルポイント試験で求めた値を用いることが好ましい。
膜の材質としては、例えば、高分子膜、セラミック膜、ステンレス膜等を挙げることができる。
【0033】
このようにして本発明の非重合体カテキン類含有組成物を製造することができるが、当該非重合体カテキン類含有組成物は、(a)非重合体カテキン類と(b)カフェインとの質量比[(b)/(a)]が、通常0.06〜0.15、好ましくは0.07〜0.13、更に好ましくは0.08〜0.12という特性を具備することができる。
【0034】
また、非重合体カテキン類含有組成物の形態としては、例えば、液体、スラリー、半固体、固体等の種々のものが挙げられる。非重合体カテキン類含有組成物の製品形態として液体が望ましい場合は、例えば、減圧濃縮、逆浸透膜濃縮等により濃縮することが可能であり、また固体が望ましい場合は、例えば、噴霧乾燥や凍結乾燥等により粉体とすることもできる。
【0035】
上記実施形態に関し、本発明は更に以下の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法を開示する。
<1>
下記の工程(A)を含む、非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
(A)茶葉を、Brixが0.2〜1.0%であり、かつ80〜100℃の水溶液と接触させる工程
【0036】
<2>
工程(A)後、好ましくは更に下記の工程(B)を含む、前記<1>記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
(B)工程(A)後の茶葉を50〜100℃の水にて抽出する工程
<3>
工程(A)において、茶葉が、好ましくはフルリーフ(摘採した状態の茶葉)である、前記<1>又は<2>記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<4>
工程(A)において、水溶液が、好ましくは緑茶抽出液である、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<5>
工程(A)において、水溶液のBrixが、好ましくは0.2〜1.0%、より好ましくは0.2〜0.8%、更に好ましくは0.2〜0.7%、殊更に好ましくは0.2〜0.4%である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<6>
工程(A)において、水溶液が、好ましくはBrixが0.2〜0.4%の緑茶抽出液である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<7>
工程(A)において、好ましくは83〜99℃、より好ましくは85〜98℃、更に好ましくは87〜98℃である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<8>
工程(A)において、茶葉と水溶液との接触方法が、好ましくは茶葉を水に浸漬させる方法、又は茶葉に水をシャワー状に供給する方法である、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<9>
工程(A)において、水溶液の使用量が、茶葉に対して、好ましくは3〜100質量倍、より好ましくは5〜75質量倍、更に好ましくは10〜50質量倍である、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<10>
工程(A)において、水溶液との接触時間が、好ましくは3〜7分である、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
【0037】
<11>
工程(A)後(好ましくは工程(B)の前に)、好ましくは工程(A)後の茶葉を裁断処理又は粉砕処理する工程を有する、前記<1>〜<10>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<12>
裁断処理後の茶葉の大きさが、好ましくは1〜20mm、更に好ましくは5〜15mmであり、粉砕処理後の茶葉の大きさが、好ましくは0.1〜5mm、更に好ましくは0.3〜3mmである、前記<11>記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<13>
工程(B)において、抽出方法が、好ましくは撹拌抽出、カラム抽出又はドリップ抽出である、前記<2>〜<12>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<14>
工程(B)において、水の温度が、好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜98℃、更に好ましくは70〜98℃、より更に好ましくは80〜95℃である、前記<2>〜<13>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<15>
工程(B)において、水が、好ましくは水道水、蒸留水、イオン交換水及び天然水から選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくはイオン交換水である、前記<2>〜<14>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<16>
工程(B)において、水の使用量が、茶葉に対して、好ましくは1〜20質量倍、より好ましくは1.5〜15質量倍、更に好ましくは2〜10質量倍である、前記<2>〜<15>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
<17>
工程(B)において、抽出時間が、好ましくは5〜120分、より好ましくは8〜90分、更に好ましくは10〜60分である、前記<2>〜<16>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。
【実施例】
【0038】
1.非重合体カテキン類及びカフェインの分析
純水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラディエント条件は以下の通りである。
【0039】
濃度勾配条件(体積%)
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
【0040】
非重合体カテキン類及びカフェインのリテンションタイム
(1)カテキン(C):25.4分
(2)エピカテキン(EC):31.4分
(3)エピカテキンガレート(ECg):40.7分
(4)エピガロカテキンガレート(EGCg):31.7分
(5)ガロカテキンガレート(GCg):33.9分
(6)カテキンガレート(Cg):41.4分
(7)エピガロカテキン(EGC):23.5分
(8)ガロカテキン(GC) :14.7分
(9)カフェイン:26.9分
ここで求めたarea%から試薬(C、EC、ECg、EGCg、GCg、Cg、EGC、GC:三井農林社製、カフェイン:和光純薬)を標準物質とし、非重合体カテキン類及びカフェインの含有量(質量%)を求めた。
【0041】
2.Brixの測定
糖用屈折計示度(Brix)について、糖度計(Atago RX-5000(Atago社製))を用いて、試料を20℃に温度調整して測定した。
【0042】
3.官能評価
各非重合体カテキン類含有組成物を、非重合体カテキン類濃度が0.175g/100mLとなるようにイオン交換水で希釈し茶飲料を調製した。次いで、各飲料を専門パネル4名が飲用し、緑茶風味について4段階で評価し、雑味について2段階で評価した。その後、協議により最終スコアを決定した。
【0043】
(1)緑茶風味の評価基準
4:緑茶風味が豊かである(実施例1相当)
3:緑茶風味がある(緑茶風味を比較例1より感じるが、実施例1ほど感じない)
2:緑茶風味が少ない(比較例1相当)
1:緑茶風味がほとんどない(緑茶風味を比較例1ほど感じない)
【0044】
(2)雑味の評価基準
2:舌に残る雑味が弱い
1:舌に残る雑味が強い
【0045】
調製例1
Brix0.2〜1.0%の緑茶抽出液の調製
フルリーフの生茶葉1kgを、90℃のイオン交換水10kgにより180秒間抽出した。次に、メッシュにより濾過して緑茶抽出液を回収し、茶葉を廃棄した。緑茶抽出液のBrixは、0.27%であった。この緑茶抽出液を水希釈又は濃縮して、表1に示すBrixの緑茶抽出液を調製した。
【0046】
調整例2
Brix0.07%の緑茶抽出液の調製
フルリーフの生茶葉300gを、90℃のイオン交換水20kgにより150秒間抽出した。次に、メッシュにより濾過して緑茶抽出液を回収し、茶葉を廃棄した。次に、茶葉300gを、得られた90℃の緑茶抽出液により150秒間抽出した。次に、メッシュにより濾過して緑茶抽出液を回収し、茶葉を廃棄した。さらに、茶葉300gを、得られた緑茶抽出液により150秒間抽出した。次に、メッシュにより濾過して緑茶抽出液を回収し、茶葉を廃棄した。最終的に得られた緑茶抽出液のBrixは、0.07%であった。
【0047】
実施例1
工程(A)
調製例1で得たBrix0.40の緑茶抽出液10kgを90℃に加熱し、これにフルリーフの生茶葉1kgを3分間浸漬し、接触させた。次に、メッシュにより濾過して茶葉を回収し、茶葉抽出液を廃棄した。
次に、回収した茶葉をフードプロセッサーにより裁断した。裁断後の茶葉の大きさは約3mmであった。
工程(B)
次に、裁断後の茶葉を90℃のイオン交換水3kgで20分間撹拌抽出した後、濾過して緑茶抽出液を得た。
次に、得られた緑茶抽出液を、遠心分離し、濾液をフリーズドライして粉末非重合体カテキン類含有組成物を得た。その分析結果を表1に示す。
得られた粉末非重合体カテキン類含有組成物を、非重合体カテキン類濃度が0.175g/100mLとなるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0048】
実施例2、3
実施例1の工程(A)において、表1に示す水溶液の使用量に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
【0049】
実施例4〜7
実施例1の工程(A)において、表1に示す接触時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
【0050】
実施例8〜10
実施例1の工程(A)において、表1に示す水溶液のBrixに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
【0051】
実施例11
実施例1の工程(A)において、工程(A)後、工程(B)前に、工程(A)後の茶葉を乾燥したこと以外は、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
【0052】
比較例1
実施例1の工程(A)において、90℃に熱水を用い、表1に示す接触時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
【0053】
比較例2
実施例1の工程(A)において、調整例2で得たBrix0.07%の緑茶抽出液を用いた以外は、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
【0054】
比較例3
工程(A)後、工程(B)前に、工程(A)後の茶葉を乾燥したこと以外は、比較例2と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
【0055】
比較例4
実施例1の工程(A)において、75℃の水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により粉末非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1から、本願発明に係る工程(A)を含む工程に供することにより、カフェインが低減され、かつ緑茶風味の豊かな非重合体カテキン類含有組成物が得られることが分かる。