(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6389961
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】液状充填材で充填される容器を熱可塑性材料から成るパリソンから製造するための機械
(51)【国際特許分類】
B29C 49/42 20060101AFI20180903BHJP
B29C 49/46 20060101ALI20180903BHJP
B29C 49/06 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
B29C49/42
B29C49/46
B29C49/06
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-531242(P2017-531242)
(86)(22)【出願日】2015年12月21日
(65)【公表番号】特表2018-502740(P2018-502740A)
(43)【公表日】2018年2月1日
(86)【国際出願番号】EP2015002573
(87)【国際公開番号】WO2016096145
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2017年8月9日
(31)【優先権主張番号】102014018778.0
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509017365
【氏名又は名称】カーハーエス コーポプラスト ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(74)【代理人】
【識別番号】100091867
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 アキラ
(72)【発明者】
【氏名】バウムガルテ ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】リンケ ミヒャエル
【審査官】
▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−529411(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0008927(US,A1)
【文献】
特開2011−056943(JP,A)
【文献】
特表平10−503135(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0266567(US,A1)
【文献】
特開2016−032924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00−49/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状充填材で充填される容器を熱可塑性材料から成るパリソンから製造するための製造機であって、
前記製造機の乾燥領域(2)内で前記パリソンを熱調整するための加熱区間(1)と、
前記製造機の湿潤領域(4)で前記パリソンに加圧した前記充填材を装入することにより型内部で前記パリソンから前記容器を同時に成形および充填するための1つの成形・充填区間(3)と、
前記パリソンまたは成形した前記容器を、前記製造機を通過するように搬送する複数の搬送ホイール(5,6,7,8,10)と、
を含み、
前記加熱区間(1)内で隣接しあっている前記パリソンの間隔が、前記成形・充填区間(3)内での間隔よりも小さく、
前記加熱区間(1)と前記成形・充填区間(3)との間で移送ホイール(11)を用いて前記パリソンの前記間隔を拡大させ、
前記製造機の前記乾燥領域(2)が、仕切り室(14)を備えた仕切り部(13)により前記製造機の前記湿潤領域(4)から切り離されている、
前記製造機において、
前記移送ホイール(11)が、前記パリソンの前記間隔を拡大させるため、完全にまたは少なくとも部分的に前記仕切り部(13)前方に位置するように前記乾燥領域(2)内に配置されていることを特徴とする製造機。
【請求項2】
前記移送ホイール(11)が、前記パリソンの前記間隔を拡大させるため、伸縮可能および/または回動可能なアーム(12)を有していることを特徴とする、請求項1に記載の製造機。
【請求項3】
前記移送ホイール(11)と次の前記搬送ホイール(5)との間の受け渡し点(18)が前記仕切り室(14)内にあることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造機。
【請求項4】
前記移送ホイール(11)が部分的に前記仕切り室(14)の内側に配置されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の製造機。
【請求項5】
前記移送ホイール(11)の回転軸線(17)が前記仕切り室(14)の外側に配置されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一つに記載の製造機。
【請求項6】
少なくとも1つの前記搬送ホイール(5)が完全に前記仕切り室(14)の内側に配置されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一つに記載の製造機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状充填材で充填される容器を熱可塑性材料から成るパリソンから製造するための機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、容器、特にボトルは、予め加熱されているパリソン内へ加圧して流入する成形ガスによるブロー成形方法で成形され、第2のステップで充填材、特に液状充填材で充填される。近年、合理的な製造のために、予め加熱したパリソンを加圧ガスではなく、加圧して供給される液状充填材によって1つのステップで成形、充填するようにした方法が開発された。このような方法はたとえば特許文献1から知られている。
【0003】
この公知の方法のためのパリソンは、熱可塑性プラスチック、たとえばPET,PEまたはPPから成り、通常のように射出成形法で製造される。この場合、容器に成形するために、パリソンを前もって貯留するか、或いは、パリソンを製造した直後に成形プロセスに供給するかどうかは問題でない。
【0004】
パリソンを容器に成形できるようにするため、パリソンは熱調整され、すなわち加熱されて適当な温度プロファイルを備えさせる。この場合、パリソンの本体はたとえばほぼ120℃に加熱され、口領域がかなり低い温度に達するまでの間に成形可能である。というのは、パリソンは口領域で成形・充填機内で保持され、そこでの通常の保持力以下で成形してはならないからである。
【0005】
通常使用される熱可塑性材料の、材料を亀裂なしに成形できるガラス転移温度は、ほぼ70℃程度である。すべての成形工程の間、この温度を下回ってはならない。
【0006】
パリソンまたは成形された容器は、パリソンまたは容器用の保持部を有する搬送ホイールで移動して製造機を通過する。その際、たとえば製造機の成形・充填ステーションまたは密閉ステーションと組み合わされて、パリソンを成形および充填または密閉させるプロセスホイールが存在し、或いは、パリソンまたは容器を1つのステーションから次のステーションへ搬送する搬送ホイールが存在している。
【0007】
成形・充填ステーションは十分なスペースを必要とするので、成形および充填用のプロセスホイールでは、個々のパリソンの間に大きな間隔が必要である。これに対し、熱調整の際にはこれよりも狭い間隔が有利である。というのは、パリソンは比較的小さな炉内で熱調整しなければならないからである。
【0008】
間隔の整合は、伸縮可能または回動可能なアームを有する移送ホイールを介して行われる。伸縮可能なアームにより、アームを繰り出すことによってパリソン相互の間隔を調整することができる。アームが短ければ、隣接しあっているパルスの間隔は小さく、アームが長ければ、間隔は大きい。回動可能な移送ホイールは、あらかじめ設定された固定アーム長さを有している。アームを水平方向に回動させることによって間隔を調整できる。
【0009】
両方法に共通なことは、部分的に複雑な機構を定期的に保守し、潤滑を施さなければならないことである。
【0010】
ボトル充填機は、通常、乾燥領域と湿潤領域とを有している。ボトルを成形および充填する場合、特に容器を密閉する前に炭酸含有充填材の圧力を軽減する際に、たとえば充填材の滴下または容器の過発泡により、常に充填材のロスが発生する。それ故、ボトルを密閉するまでの成形・充填ステーション周辺の領域は、湿潤領域である。これに対し、成形・充填ステーションの前にあって、パリソンを熱調整する領域は、乾燥を保持する必要がある。
【0011】
製造機は定期的にクリーニングし、消毒せねばならないので、製造機の可動部品の保守に対する要求は、乾燥領域よりも湿潤領域のほうが高い。確実且つ迅速にクリーニングできるようにするには、充填材と接触する可動部品は十分簡潔に構成されていなければならない。
【0012】
湿潤領域から乾燥領域内への湿気の吹込みを阻止するため、この種の製造機は通常仕切り室を備えた仕切り部を有しており、その入り口に乾燥領域があり、その出口に湿潤領域がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】独国特許出願公開第102010007541A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、技術水準から公知の製造機よれも簡単にクリーニングできて消毒できるような、液状充填材で充填される容器をパリソンから製造するための製造機を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題は、本発明によれば、液状充填材で充填される容器を熱可塑性材料から成るパリソンから製造するための製造機であって、前記製造機の乾燥領域内で前記パリソンを熱調整するための加熱区間と、前記製造機の湿潤領域で前記パリソンに加圧した前記充填材を装入することにより型内部で前記パリソンから前記容器を同時に成形および充填するため
の1つの成形・充填区間と、前記パリソンまたは成形した前記容器を、前記製造機を通過するように搬送する
複数の搬送ホイールとを含み、前記加熱区間内で隣接しあっている前記パリソンの間隔が、前記成形・充填区間内での間隔よりも小さく、前記加熱区間と前記成形・充填区間との間で移送ホイールを用いて前記パリソンの前記間隔を拡大させ、前記製造機の前記乾燥領域が、仕切り室を備えた仕切り部(Schleuse)により前記製造機の前記湿潤領域から切り離されている前記製造機において、前記移送ホイールが、前記パリソンの前記間隔を拡大させるため、完全にまたは少なくとも部分的に前記仕切り部前方に位置するように前記乾燥領域内に配置されていることによって解決される。
【0016】
パリソンの間隔を拡大させるための移送ホイールは、他の搬送ホイールよりも複雑に構成されており、たとえば伸縮可能および/または回動可能なアームを有している。本発明による配置構成により、移送ホイールは製造機の乾燥領域内にあり、湿潤領域からの充填材によって汚染されないよう保証されている。製造機を支障なく作動させるためには、たとえば伸縮可能なアームは潤滑されていなければならない。作動面に付着する充填材のクリーニングは困難であり、製造機の作動を損なわせる。
【0017】
製造機を省スペースに構成するため、パリソンの間隔を拡大させるための移送ホイールを部分的に仕切り室内に位置決めすることが可能である。乾燥領域側の入口のすぐ後方にある仕切り室内では、実際に充填材による汚染は発生しない。したがって、製造機を省スペースで短い経路で設計でき、その結果熱調整されるパリソンを可能限り迅速に成形・充填区間に供給できる。しかしながら、好ましくは、パリソンの間隔を拡大させるための移送ホイールの回転軸線は、仕切り室の外側に位置するように乾燥領域内に配置されるべきである。移送ホイールと次の搬送ホイールとの間の受け渡し点は、有利には仕切り室内にある。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つの搬送ホイールは完全に仕切り室の内側に配置されている。すなわち、移送ホイールは乾燥領域側の仕切り室の入口に配置され、1つの搬送ホイールは湿潤領域側の仕切り室の出口に配置され、移送ホイールと前記1つの搬送ホイールとは互いにダイレクトに接触していない。それらの間にあって、完全に仕切り室内に配置されている搬送ホイールにより、乾燥領域内への充填材の侵入は効果的に阻止される。
【0019】
仕切り室は、互いに少なくとも部分的に切り離された複数の仕切り室領域を有していてよい。
【0020】
移送ホイールは、特に入口領域において、出口領域とは異なるピッチ間隔を有していてよい。好ましくは、入口領域でのピッチ間隔は出口領域よりも小さい。
【0021】
移送ホイールは、好ましくは、一定のピッチ間隔を有している。この一定のピッチ間隔は、特に、成形・充填区間での成形・充填ステーションの間隔に相当し、すなわち特に成形・充填ホイールのピッチ間隔に相当している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
次に、本発明の1実施形態を、添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
【
図1】充填容器を製造するための本発明による製造機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここに図示した図は単に本発明の原理を説明するためのもので、図式的に示したにすぎず、縮尺どおりに示したものでないことは、当業者にとって自明である。特に、すべての構成要素の図示したサイズは単に説明のためにすぎない。実際のサイズおよびサイズ比率は当業者がその専門知識に基づいて自由に決定することができる。
【0025】
図1は、液状充填材で充填される容器を熱可塑性材料から成るパリソンから製造するための本発明による製造機を示している。製造機は、該製造機の乾燥領域2でパリソンを熱調整するための加熱区間1と、パリソンを成形・充填ホイール19に沿って案内する成形・充填区間3とを含んでいる。ここでは、製造機の湿潤領域4でパリソンに加圧した充填
材を装入することにより型内部で複数のパリソンから複数の容器を同時に成形および充填するために複数の成形・充填ステーション20が設けられている。
【0026】
製造機は、さらに、パリソンまたは成形した容器が製造機を通過するように搬送するための複数の搬送ホイール5,6,7,8を有している。成形・充填区間3に接続して、成形して充填した容器を、搬送ホイール7を用いて、ここでは詳細に述べない密閉ステーション9へ搬送させる。
【0027】
搬送ホイール10は、加熱区間1にパリソンを供給させる。搬送ホイール5,6,7,8は次のように構成されており、すなわち加熱区間1内で隣接しあっているパリソンの間隔が成形・充填区間3内での間隔よりも小さいように、構成されている。それ故、加熱区間1の端部で熱調整されるパリソンを、成形・充填区間3内で必要なより大きな間隔へもたらせねばならない。このため、回動可能なアーム12を備えた移送ホイール11を使用する。このようなホイールは周知である。これとは択一的に、入れ子式の伸縮可能なアームを備えた移送ホイールを使用してもよい。入れ子式のアームは、ホイールの回転の際にカム制御を介してアームの半径を変化させ、その結果隣接しあっているパリソンの間隔は、短いアームの場合には狭くさせ、長いアームの場合には大きくさせる。
【0028】
乾燥領域2を湿潤領域4から切り離すため、仕切り室14を備えた仕切り部13が設けられている。製造機の構成要素は次のように配置されており、すなわち複雑に構成された移送ホイール11の回転軸線17が乾燥領域内にあり、移送ホイール11が単に部分的にのみ仕切り室14内でその入口15のすぐ後方で回転するように、配置されている。仕切り室の完全に内部には搬送ホイール5があり、その結果移送ホイール11と搬送ホイール5との間の受け渡し点18も同様に仕切り室14内にある。搬送ホイール5は供給されたパリソンを搬送ホイール6へ受け渡す。搬送ホイール6は、一部が仕切り室14内で、一部が湿潤領域4内にして仕切り室14の出口16の後方で回転する。したがって、湿潤領域4から乾燥領域2内への充填材の吹込みは実質的に阻止されている。複雑に構成された移送ホイール11は充填材で汚染されない。クリーニングと保守が著しく簡単になる。