(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。初めに、第1実施形態のフライアッシュ処理設備1の構成について
図1を参照して説明する。
【0013】
図1に示すフライアッシュ処理設備1は、一般的に不要物(産業廃棄物)として取り扱われるフライアッシュを原料の1つとして用いて、製品として販売可能なコンクリート造粒物を作成する設備である。また、フライアッシュ処理設備1は、集塵器で捕集されて乾燥した灰(乾灰)を処理対象としているが、後述の第2実施形態に示すように、それ以外の灰を処理することもできる。
図1に示すように、フライアッシュ処理設備1は、主原料供給部10と、ミキサ(混合造粒部)71と、を備える。
【0014】
主原料供給部10は、フライアッシュ、セメント、添加材、及び水をミキサ71へ供給する。主原料供給部10は、フライアッシュを供給するための装置として、フライアッシュ貯留部11と、第1ブロア12と、第1ホッパ13と、それらを接続するダクト等を備える。フライアッシュ貯留部11は例えば火力発電所等から得られたフライアッシュが貯留される部分である。フライアッシュ貯留部11にはフライアッシュの吐出量を調整する調整バルブが設けられている。フライアッシュ貯留部11から吐出されたフライアッシュは、第1ブロア12が発生させた空気流によって第1ホッパ13まで搬送される。第1ホッパ13は、下方に設けられた供給孔を介して、フライアッシュをミキサ71へ供給する。第1ホッパ13には、フライアッシュの重さを計測する計量器と、フライアッシュの供給量を調整する調整バルブと、が設けられている。
【0015】
主原料供給部10は、セメントを供給するための装置として、セメント貯留部21と、第2ブロア22と、第2ホッパ23と、それらを接続するダクト等を備える。セメント貯留部21、第2ブロア22、及び第2ホッパ23は、それぞれ、フライアッシュ貯留部11、第1ブロア12、及び第1ホッパ13と同様の構成であるため、説明を省略する。セメントは、石灰石及び粘土等を焼成及び粉砕したものであり、水を加えることで硬化する性質を有する。
【0016】
主原料供給部10は、添加材を供給するための装置として、添加材貯留部31と、第3ブロア32と、第3ホッパ33と、それらを接続するダクト等を備える。添加材貯留部31、第3ブロア32、及び第3ホッパ33は、それぞれ、フライアッシュ貯留部11、第1ブロア12、及び第1ホッパ13と同様の構成であるため、説明を省略する。添加剤は、フライアッシュに含まれる重金属が製品から溶出することを防止するためのものであり、本実施形態では生石灰が用いられている。フライアッシュの性質に応じて異なる添加剤を用いてもよいし、添加剤の供給を省略してもよい。
【0017】
主原料供給部10は、水を供給するための装置として、水量調整部41とダクト等を備える。水量調整部(調整部)41は、例えば水量を計測する装置と、供給する水の量を調整するバルブと、を備える。この構成により、水量調整部41は、必要な分量の水をミキサ71へ供給する。なお、主原料供給部10は、真水だけでなく、何らかの成分を含む溶液を供給する構成であってもよい。
【0018】
主原料供給部10は、各原料が所定の供給割合でミキサ71へ供給されるように、各原料の供給量を調整する。フライアッシュ処理設備1が備える図略の制御装置は、上記の計量器の計測結果に基づいて上記の調整バルブ(貯留部側又はホッパ側)を制御することで、予め定められた重さの原料を供給する。この処理が各原料について行われることで、各原料を所定の供給割合で供給することができる。なお、この処理に代えて、作業者が調整バルブを操作することで、原料の供給割合を調整してもよい。
【0019】
ミキサ71は、供給された原料を処理するための空間と、この空間内に配置される羽根(回転具)と、を備える。ミキサ71は、羽根を回転させることで、原料を混合する。また、ミキサ71は、混合時から羽根の回転速度を低下させることで、造粒を行うこともできる。以下、ミキサ71が造粒した物であって固化前の物を造粒物と称する。また、ミキサ71には、ミキサ71内の抜気を行う抜気ホッパ61と、ミキサ71内の塵埃を抜気ホッパ61を介して吸引して捕集する集塵器62と、が接続されている。
【0020】
ミキサ71の下方には、造粒物排出ホッパ72が配置されている。造粒物排出ホッパ72は、ミキサ71で作成された造粒物を下流側へ搬送するための貯留部となる。この造粒物は、固化部81、ストック部82、及び選別部83の順に搬送される。また、造粒物排出ホッパ72、固化部81、ストック部82、及び選別部83のそれぞれの間は、搬送コンベアで造粒物等を搬送してもよいし、作業車両で造粒物等を搬送してもよい。
【0021】
固化部81は、造粒物を養生して固化するための設備又は場所である。固化部81では、造粒物が載置される。造粒物を数日載置しておくことで造粒物が固化する。以下、固化した造粒物を造粒固化物と称する。なお、養生の方法は、これに限られず、例えば高温蒸気下で養生を行う蒸気養生等の方法を用いることもできる。
【0022】
固化部81で作成された造粒固化物は、ストック部82に搬送される。ストック部82は、造粒固化物を一時的に載置する場所である。ストック部82に載置されている造粒固化物は、所定のタイミングで選別部83に搬送されて選別が行われる。ここで、造粒固化物には、様々な形状及び大きさのものが含まれている。
【0023】
選別部83では、造粒固化物が粒径に応じて選別(抽出)される。選別部83は、所定の大きさの開口部が形成された容器(トロンメル等)であり、開口部から落下するか否かで造粒固化物を粒径に応じて選別できる。本実施形態では、5mmを基準として、粒径が5mm以下の造粒固化物を小径造粒固化物とし、粒径が5mmより大きい造粒固化物を大径造粒固化物とする。なお、この基準は一例であり、5mmより小さい値を基準値としてもよいし、5mmより大きい値を基準値としてもよい。また、上記で説明した選別方法は一例であり、例えば振動に応じた造粒固化物の挙動で粒径を選別する振動ふるいを用いてもよいし、造粒固化物に風を当てたときの飛距離に応じて粒径を選別する風ふるいを用いてもよい。
【0024】
上述したように、粒径が比較的大きい大径造粒固化物は製品としての価値があるため、出荷待機場84へ搬送される。出荷待機場84では、大径造粒固化物を製品として完成させたり、出荷したりするために必要な処理が行われる。
【0025】
従来では、選別部83によって選別された小径造粒固化物は、製品としての価値が薄いため廃棄されることがあった。この点、本実施形態のフライアッシュ処理設備1では、小径造粒固化物は造粒のために再利用される。そのため、本実施形態のフライアッシュ処理設備1は、小径造粒固化物をミキサ71に供給するための補助原料供給部50を備える。補助原料供給部50は、搬送コンベア51と、第4ホッパ53と、を備える。
【0026】
搬送コンベア51は、選別部83で選別された小径造粒固化物をミキサ71に向けて第4ホッパ53まで搬送する装置(例えばベルトコンベア、スクリューコンベア)である。第4ホッパ53は、第1ホッパ13等と同じ構成であり、小径造粒固化物をミキサ71に供給する。なお、小径造粒固化物の重さを計測する必要がない場合、第4ホッパ53を省略することもできる。また、第4ホッパ53内に含まれる塵埃は、上記の集塵器62により捕集される。小径造粒固化物は、主原料供給部10が供給する原料から作成されているため、水以外については、主原料供給部10の各原料の供給割合と、小径造粒固化物の各原料の含有割合は同じである。なお、これらの割合が異なるように各原料を供給してもよい。ここで、水については固化部81等で蒸発しているため、小径造粒固化物の水の含有割合は、主原料供給部10の水の供給割合よりも低い。従って、小径造粒固化物の供給割合が多くなるほど、水量調整部41により水の供給割合を高くする必要がある。
【0027】
この点、本実施形態では、上記の制御装置は、水及び小径造粒固化物の供給量の比率を調整する制御を行う。具体的には、小径造粒固化物の供給量が多くなるほど、水量調整部41を制御して水の供給割合を上げる。また、制御装置は、小径造粒固化物の供給量が少なくなるほど、水量調整部41を制御して水の供給割合を下げる。本実施形態では、制御装置は、水の供給量を調整する構成であるが、それに代えて又は加えて、小径造粒固化物の供給量を調整する処理を行ってもよい。
【0028】
ミキサ71に小径造粒固化物が供給される場合であっても、小径造粒固化物が供給されない場合と同様の処理が行われる。具体的には、
図2及び
図3に示す何れかの流れで処理が行われる。
図2に示す流れでは、フライアッシュ、セメント、添加材、及び水と同じタイミングで、小径造粒固化物がミキサ71へ供給される。そして、小径造粒固化物を含む原料に対して、混合工程及び造粒工程が行われる。
【0029】
ここで、小径造粒固化物の供給の有無に関係なく、造粒時には初めに核と称される微小な粒が生成され、この核の周りに原料が付着していくことで、粒径が大きくなる。そのため、造粒時に既に小径造粒固化物が存在している場合、この小径造粒固化物を核として原料が付着することとなる。そのため、造粒に掛かる時間を短くすることができるので、フライアッシュを効率的に処理できる。
【0030】
その後は、上述したように、固化(養生)及び選別が行われ、大径造粒固化物は製品として出荷され、小径造粒固化物は再度ミキサに向けて搬送される。本実施形態のフライアッシュ処理設備1では、小径造粒固化物は常にミキサ71へ再供給されるので、小径造粒固化物の作成量を低減することができるので、小径造粒固化物の処理費用を低減できる。
【0031】
また、小径造粒固化物をミキサ71へ供給するタイミングは、
図3に示すように変更することもできる。具体的には、初めに、フライアッシュ、セメント、添加材、及び水がミキサ71へ供給され、混合工程が行われる。そして、混合工程の後に(更に詳細には、混合工程が完了して造粒工程を開始する前に)、小径造粒固化物がミキサ71へ供給され、造粒工程が行われる。
図3に示す流れでは、
図2に示す流れと比較して、造粒物の粒径分布の幅(粒径のバラツキ)を小さくすることができる。以下、その理由を説明する。
【0032】
図2に示す処理では、小径造粒固化物が混合工程においても存在しているため、一部の小径造粒固化物について混合工程でも造粒が進行する。そのため、その後の造粒工程において、造粒の進行度合いに更にバラツキが生じるため、造粒物の粒径分布の幅が大きくなる。これに対し、
図3に示す処理では、造粒工程の開始時点では造粒の進行度合いにバラツキが生じていない。つまり、造粒工程においてのみ実際の造粒が行われるため、造粒の進行度合いのバラツキが小さくなるので、造粒物の粒径分布の幅も小さくなる。
【0033】
次に、第2実施形態を説明する。
図4は、第2実施形態に係るフライアッシュ処理設備1の全体的な構成を示す図である。なお、第2実施形態の説明においては、第1実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。第2実施形態のフライアッシュ処理設備1は、第1実施形態と比較して、以下の3つの相違点がある。
【0034】
1つ目の相違点は、供給される原料の種類である。第1実施形態の処理対象は、フライアッシュ(特に乾灰)であるが、第2実施形態では、乾灰に加えて、湿灰とクリンカアッシュも処理対象である。湿灰とは、集塵器で捕集された乾灰を湿らせることで発塵を抑制させた灰や、乾灰を一時的に埋め立てる等してその後に掘り起こした灰である。クリンカアッシュとは、ボイラ等で発生した灰のうち、燃焼ガスとともに飛散せずに燃焼室に残った灰である。第2実施形態のフライアッシュ処理設備1(主原料供給部10)は、湿灰を供給するための第5ホッパ91と、クリンカアッシュを供給するための第6ホッパ92と、を備える。
【0035】
2つ目の相違点は、混合造粒部の構成である。第1実施形態では、混合工程と造粒工程を同じ装置(ミキサ71)で行うが、第2実施形態では、それぞれの工程を個別に行うことが可能な混合造粒部93を備える。混合造粒部93は、混合工程を行うための混合ミキサ94と、造粒工程を行うための造粒ミキサ95と、を備える。混合ミキサ94では、供給された原料が混合され、その混合物が造粒ミキサ95へ供給されて造粒される。混合ミキサ94と造粒ミキサ95は例えば羽根の回転速度が異なる(造粒ミキサ95の方が回転速度が遅い)。第2実施形態では、混合工程と造粒工程を同時に行うことができるので、処理効率を向上させることができる。なお、
図3の流れで処理を行う場合、第4ホッパ53は、混合ミキサ94ではなく造粒ミキサ95に接続される。
【0036】
3つ目の相違点は、破砕部96を備えることである。破砕部96は、例えば、回転する衝撃部材によって小径造粒固化物に衝撃やせん断力を与えて破砕する構成である。例えば造粒工程の環境によっては、小径造粒固化物の粒径が大き過ぎる場合は造粒が適切に行われない場合がある。このような場合は、破砕部96により小径造粒固化物の粒径を小さくすることで、造粒を適切に行わせることが可能となる。また、破砕部96が、小径造粒固化物を排出するための開口部を有している場合、小径造粒固化物は、当該開口部よりも小さくなるまで破砕された後に排出される。言い換えれば、小径造粒固化物の粒径を揃えることができる。従って、製造される造粒固化物の粒径を一層揃えることができる可能性がある。
【0037】
このように、第2実施形態のフライアッシュ処理設備1は、第1実施形態のフライアッシュ処理設備1と比較して3つの相違点を有している。しかし、フライアッシュ処理設備1は、これらの3つの相違点のうち一部のみを有する構成であってもよい。
【0038】
以上に説明したように、上記実施形態のフライアッシュ処理設備1は、主原料供給部10と、ミキサ71又は混合造粒部93と、固化部81と、選別部83と、補助原料供給部50と、を備える。主原料供給部10は、少なくとも、フライアッシュ、セメント、及び水を含む原料を供給する(主原料供給工程)。ミキサ71又は混合造粒部93は、主原料供給部10を介して供給された原料の混合及び造粒を行う(混合工程及び造粒工程)。固化部81は、ミキサ71又は混合造粒部93によって作成された造粒物を固化させて造粒固化物を作成する(固化工程)。選別部83は、作成された造粒固化物を粒径に応じて選別することで小径造粒固化物を抽出する(選別工程)。補助原料供給部50は、選別部83によって選別された小径造粒固化物をミキサ71又は混合造粒部93に向けて供給する(補助原料供給工程)。ミキサ71又は混合造粒部93は、補助原料供給部50から小径造粒固化物が供給される場合は、フライアッシュ、セメント、水、及び小径造粒固化物を原料として造粒を行う。
【0039】
これにより、不要物として取り扱われていた小径造粒固化物を再利用できるので、小径造粒固化物の処理費用を低減できる。更に、小径造粒固化物は造粒時の核として機能するため、造粒に必要な時間が短くなるので、フライアッシュの処理効率を向上させることができる。
【0040】
また、上記実施形態のフライアッシュ処理設備1は、水及び小径造粒固化物の少なくとも何れかの供給量を調整する水量調整部41を備える。水量調整部41は、水及び小径造粒固化物の供給量の比率を調整する。
【0041】
これにより、水及び小径造粒固化物の供給量の比率が調整されるので、適切な水分量で造粒が行われる。
【0042】
また、上記実施形態のフライアッシュ処理設備1は、選別部83で選別された小径造粒固化物を破砕する破砕部96を備える。小径造粒固化物は、破砕部96によって破砕された後に、ミキサ71又は混合造粒部93に供給される。
【0043】
これにより、造粒を適切に行わせることが可能となる。また、製造される造粒固化物の粒径を一層揃えることができる可能性がある。
【0044】
また、上記実施形態のフライアッシュ処理設備1において、主原料供給部10により供給された原料がミキサ71又は混合造粒部93により混合された後に、補助原料供給部50により小径造粒固化物がミキサ71又は混合造粒部93に供給されて造粒が行われる。
【0045】
これにより、造粒物の粒径分布の幅を小さくすることができる。
【0046】
また、上記実施形態のフライアッシュ処理設備1において、主原料供給部10により供給された原料と、補助原料供給部50により供給された小径造粒固化物と、がミキサ71又は混合造粒部93により混合された後に、当該ミキサ71又は混合造粒部93により造粒が行われる。
【0047】
これにより、全ての原料が同時に供給されるので、工程を単純にすることができる。
【0048】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0049】
上記実施形態では、固化部81で作成された造粒固化物は一時的にストック部82に載置されるが、ストック部82を省略してもよい。この場合、固化部81で作成された造粒固化物は、そのまま選別部83に搬送されて選別される。
【0050】
上記実施形態では、混合工程前に小径造粒固化物を供給する流れ(
図2)、混合工程と造粒工程の間に小径造粒固化物を供給する流れ(
図3)を説明したが、混合工程の開始後であって、混合工程の終了前に小径造粒固化物を供給する流れであってもよい。
【0051】
上記実施形態では、フライアッシュ、セメント、及び添加剤等は、空気量によって搬送される構成であるが、スクリューコンベア又は斜面等で搬送される構成であってもよい。また、小径造粒固化物を搬送する搬送コンベア51も斜面であってもよい。
【解決手段】フライアッシュ処理設備1は、主原料供給部10と、ミキサ71と、固化部81と、選別部83と、補助原料供給部50と、を備える。主原料供給部10は、フライアッシュ、セメント、及び水を含む原料を供給する。ミキサ71は、主原料供給部10を介して供給された原料の混合及び造粒を行う。固化部81は、ミキサ71によって作成された造粒物を固化させて造粒固化物を作成する。選別部83は、造粒固化物を粒径に応じて選別することで小径造粒固化物を抽出する。補助原料供給部50は、選別部83によって選別された小径造粒固化物をミキサ71に向けて供給する。ミキサ71は、補助原料供給部50から小径造粒固化物が供給される場合は、フライアッシュ、セメント、水、及び小径造粒固化物を原料として造粒を行う。