(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるような呼吸機能検査装置を用いる場合、測定結果の精度向上には限界があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、呼吸機能の測定結果の精度を向上させるフローセンサ及び呼吸機能検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本開示のフローセンサは、人間が口で咥える第1筒部と、内部にスクリーンを有するスクリーン収納部と、前記スクリーン収納部に対して前記第1筒部とは反対側に位置する第2筒部と、を備え、前記第2筒部は、内径が最小となる最小内径部と、前記スクリーン収納部とは反対側の端部である出口端部と、を備え、前記第2筒部の内径は、前記最小内径部から前記出口端部に向かって大きくなっている。
【0007】
これにより、第2筒部に入る空気の流れが改善される。その結果、フローセンサは、呼吸機能の測定結果の精度を向上させることができる。
【0008】
上記のフローセンサの望ましい態様として、前記第2筒部は、前記最小内径部から前記出口端部側に延び且つ内径の変化率が一定である第1テーパー部と、前記第1テーパー部と前記出口端部とを繋ぐ第2テーパー部と、を備え、前記第2テーパー部の内径の変化率は、前記第1テーパー部の内径の変化率よりも大きい。
【0009】
これにより、第2筒部に入る空気の流れがより改善される。フローセンサは、呼吸機能の測定結果の精度をより向上させることができる。
【0010】
上記のフローセンサの望ましい態様として、前記最小内径部の内径に対する前記出口端部の内径の比は、1.1以上である。
【0011】
これにより、第2筒部に入る空気の流れがより改善される。フローセンサは、呼吸機能の測定結果の精度をより向上させることができる。
【0012】
上記のフローセンサの望ましい態様として、前記第1筒部の外周面を貫通する第1孔と前記第2筒部の外周面を貫通する第2孔と、を備え、前記スクリーンに対して直交する方向での前記スクリーンから前記第1孔までの距離、及び前記スクリーンに対して直交する方向での前記スクリーンから前記第2孔までの距離は、3.5mm以上である。
【0013】
これにより、被験者が呼吸した時にスクリーンが変形しても、安定的に測定ができる。このため、フローセンサは、呼吸機能の測定結果の精度をより向上させることができる。
【0014】
上記の目的を達成するため、本開示の呼吸機能検査装置は、上記のフローセンサを備える。
【0015】
これにより、呼吸機能検査装置は、呼吸機能の測定結果の精度を向上させることができる。呼吸機能検査装置によれば、被験者に対する診断精度が向上する。
【発明の効果】
【0016】
本開示のフローセンサ及び呼吸機能検査装置によれば、呼吸機能の測定結果の精度が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0019】
図1は、本実施形態の呼吸機能検査装置の模式図である。
図2は、本実施形態の呼吸機能検査装置の背面図である。
図3は、
図2におけるA−A断面図である。
【0020】
本実施形態に係る呼吸機能検査装置100は、例えば呼吸器疾患の診断等に用いられる。
図1に示すように呼吸機能検査装置100は、本体部10と、外部チューブ11と、センサユニット1と、を備える。本体部10及びセンサユニット1は、外部チューブ11によって接続される。
【0021】
本体部10は、圧力センサ101と、コンピュータ102と、入力装置103と、出力装置104と、を含む。圧力センサ101は、センサユニット1で検出される差圧に応じた信号を出力する。コンピュータ102は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。コンピュータ102は、圧力センサ101から得た信号によって、呼吸器疾患の診断に必要な指標を演算し記憶する。入力装置103は、例えば操作キーである。入力装置103は、計測項目の選択や被験者情報を入力する際等に使用される。出力装置104は、例えばディスプレイ及びプリンタ等である。出力装置104は、コンピュータ102によって演算された指標等を出力する。医師等は、出力装置104が出力する情報に基づいて被験者を診断する。
【0022】
図2及び
図3に示すように、センサユニット1は、ケース3と、ホルダ5と、ストッパー8と、フローセンサ9と、圧力伝達ユニット7と、を備える。
【0023】
図2に示すように、ケース3は、保持部31と、把持部32と、カバー35と、を備える。
図3に示すように、保持部31は、ホルダ5及び圧力伝達ユニット7を支持する部材である。
図3に示すように、保持部31は、開口310を備える。開口310は、フローセンサ9の少なくとも一部が貫通できる大きさを有する。把持部32は、人間の手で把持される部材である。カバー35は、圧力伝達ユニット7を覆う部材である。カバー35は、保持部31に対して回転できる。
【0024】
ホルダ5は、フローセンサ9を保持する部材である。
図3に示すように、ホルダ5は、ケース3の保持部31に対してスライドできる。ホルダ5は、凹部51と、開口54と、突出部53と、を備える。
【0025】
凹部51は、保持部31の開口310に重なるように配置される略円形の窪みである。開口54は、凹部51の底面に空けられる略円形の穴である。突出部53は、ケース3に対するホルダ5の位置によってケース3から突出する。ケース3から突出した突出部53が押されることによって、ホルダ5がスライドする。
【0026】
ストッパー8は、ホルダ5を位置決めするための部材である。ストッパー8は、ケース3に対して回転可能である。ストッパー8の外部に突出する部分に外力が加わることによって、ストッパー8が回転する。ストッパー8が回転すると、ホルダ5がスライドできるようになる。
【0027】
フローセンサ9は、被験者の呼吸流量に比例して差圧を発生させる装置である。フローセンサ9は、ホルダ5に脱着可能である。
図3に示すように、フローセンサ9は、第1筒部91と、第2筒部92と、スクリーン収納部93と、スクリーン95と、第1接続部98と、第2接続部99と、を備える。
【0028】
第1筒部91は、被験者が口で咥える略円筒状の部材である。第2筒部92は、略円筒状であって、スクリーン収納部93を介して第1筒部91と繋がっている。第2筒部92は、第1筒部91に導入される空気を整流するための部材である。スクリーン収納部93は、第1筒部91と第2筒部92との間に位置する。スクリーン収納部93の外径は、第1筒部91の外径及び第2筒部92の外径よりも大きい。フローセンサ9がホルダ5に取り付けられる時、スクリーン収納部93は、ホルダ5の凹部51に嵌まる。スクリーン95は、スクリーン収納部93の内部に位置する。スクリーン95は、例えばメッシュ状又は一方向に並べられた複数の板を有するルーバー状であって、気体の流れをある程度遮る。このため、第1筒部91と第2筒部92との間に圧力差が生じる。第1接続部98は、第1筒部91の外周面に位置する。第1接続部98は、第1筒部91から突出する筒状の部材である。第1接続部98の一端は、第1筒部91の内部で開口している。第1接続部98の他端は、第1筒部91の外部で開口している。第2接続部99は、第2筒部92の外周面に位置する。第2接続部99は、第2筒部92から突出する筒状の部材である。第2接続部99の一端は、第2筒部92の内部で開口している。第2接続部99の他端は、第2筒部92の外部で開口している。第1接続部98及び第2接続部99は、同じ方向に突出している。
【0029】
以下の説明において、XYZ直交座標系が用いられる。Y軸は、フローセンサ9の軸方向(スクリーン95に対して直交する方向)に平行である。Z軸は、ホルダ5のスライドする方向に平行である。X軸は、Y軸及びZ軸の両方に対して垂直である。X軸に沿う方向はX方向と記載され、Y軸に沿う方向はY方向と記載され、Z軸に沿う方向はZ方向と記載される。Y方向のうち、ホルダ5に取り付けられたフローセンサ9の第2筒部92から第1筒部91に向かう方向を+Y方向とする。Z方向のうち、把持部32に対して保持部31のある方向を+Z方向とする。+Z方向を上とし+Y方向を向いた場合の右方向を+X方向とする。
【0030】
圧力伝達ユニット7は、フローセンサ9の内部の圧力を
図1に示す本体部10に伝達するための装置である。
図3に示すように、圧力伝達ユニット7は、圧力導入部75と、第1内部チューブ71と、第2内部チューブ72と、を備える。
【0031】
図3に示すように、圧力導入部75は、ハウジング750と、第1プローブ751と、第2プローブ752と、を備える。ハウジング750は、第1プローブ751及び第2プローブ752を保持する部材である。ハウジング750によって、第1プローブ751及び第2プローブ752が相対的に位置決めされる。ハウジング750は、ケース3の保持部31に取り付けられる。ハウジング750は、保持部31に対して脱着可能である。第1プローブ751は、フローセンサ9の第1接続部98に接続され、第1筒部91の圧力を検出する。第2プローブ752は、フローセンサ9の第2接続部99に接続され、第2筒部92の圧力を検出する。
【0032】
図3に示すように、第1内部チューブ71は、第1プローブ751に接続される。第1内部チューブ71は、ケース3の内部を通って、
図1に示す外部チューブ11に接続される。第2内部チューブ72は、第2プローブ752に接続される。第2内部チューブ72は、ケース3の内部を通って、
図1に示す外部チューブ11に接続される。外部チューブ11は、2つのチューブを内蔵する。第1内部チューブ71の圧力と第2内部チューブ72の圧力とを、別々に本体部10に伝達する。このため、第1プローブ751が検出した圧力は、第1内部チューブ71及び外部チューブ11を介して本体部10に入力される。第2プローブ752が検出した圧力は、第2内部チューブ72及び外部チューブ11を介して本体部10に入力される。本体部10は、第1筒部91の圧力と第2筒部92の圧力とに基づいてフローセンサ9の差圧を演算する。
【0033】
図3に示すように、圧力導入部75、第1内部チューブ71の一端、及び第2内部チューブ72の一端は、保持部31の+Z方向の端部に位置する。第1プローブ751及び第2プローブ752は、フローセンサ9に対してフローセンサ9の+Z方向側に位置する。すなわち、第1プローブ751及び第2プローブ752は、フローセンサ9に対して把持部32とは反対側に位置する。また、ホルダ5の孔55及び爪56は、フローセンサ9の−Z方向側に位置する。すなわち、孔55及び爪56は、フローセンサ9に対して第1プローブ751及び第2プローブ752とは反対側に位置する。
【0034】
図4は、本実施形態のフローセンサの斜視図である。
図5は、本実施形態のフローセンサの斜視図である。
図6は、本実施形態のフローセンサの正面図である。
図7は、本実施形態のフローセンサの背面図である。
図8は、本実施形態のフローセンサの平面図である。
図9は、本実施形態のフローセンサの底面図である。
図10は、本実施形態のフローセンサの右側面図である。
図11は、本実施形態のフローセンサの左側面図である。
図12は、
図6におけるB−B断面図である。
図12に示すように、第2筒部92は、最小内径部920と、出口端部929と、第1テーパー部921と、第2テーパー部922と、を備える。
【0035】
最小内径部920は、第2筒部92のうち内径が最小となる部分である。例えば、本実施形態における最小内径部920の内径D920は、25.7mmである。出口端部929は、第2筒部92のうちスクリーン収納部93とは反対側の端部である。例えば、本実施形態における出口端部929の内径D929は、30mmである。最小内径部920の内径D920に対する出口端部929の内径D929の比は、1.1以上であることが望ましい。第2筒部92のうち最小内径部920から出口端部929側の部分の内周面は、Y方向から見て円形である。第2筒部92の内径は、最小内径部920から出口端部929に向かって大きくなっている。
【0036】
第1テーパー部921は、最小内径部920から出口端部929側(−Y方向)に延びている。第1テーパー部921の内径は、出口端部929側に向かって大きくなっている。第1テーパー部921の内径の変化率は、一定である。内径の変化率は、任意の位置での内径に対する、当該位置からY方向で単位長さだけずれた位置での内径の比である。
図12に示すように、軸Pを含む断面において、第1テーパー部921の内周面は直線状である。軸Pは、スクリーン95に対して直交し且つスクリーン95の中心を通る直線である。例えば本実施形態において、
図12の断面で第1テーパー部921の内周面が描く直線Qが軸Pに対してなす角度θは、2°である。
【0037】
第2テーパー部922は、第1テーパー部921と出口端部929とを繋ぐ。第2テーパー部922の内径は、出口端部929側に向かって大きくなっている。第2テーパー部922の内径の変化率は、Y方向の位置によって異なる。
図12に示すように、軸Pを含む断面において、第2テーパー部922の内周面は曲線状である。第2テーパー部922の内径の変化率は、第1テーパー部921の内径の変化率よりも大きい。
【0038】
本実施形態のフローセンサ9と、比較例のフローセンサと、に対して実験が行われた。比較例のフローセンサでは、第2筒部92に相当する部分の内径が一定である。被験者の1分間当たりの呼吸回数を6回に設定した第1実験と、被験者の1分間当たりの呼吸回数を15回に設定した第2実験が行われた。第1実験及び第2実験において、吸気流量がそれぞれ6回ずつ測定された。
【0039】
比較例のフローセンサに対する第1実験では、吸気流量の6つの値の標準偏差は0.02であった。本実施形態のフローセンサ9に対する第1実験では、吸気流量の6つの値の標準偏差は0.01であった。
【0040】
比較例のフローセンサに対する第2実験では、吸気流量の6つの値の標準偏差は0.03であった。本実施形態のフローセンサ9に対する第2実験では、吸気流量の6つの値の標準偏差は0.00であった。
【0041】
上述した実験結果から、本実施形態のフローセンサ9は、比較例のフローセンサに対して測定結果の精度を向上させることがわかる。
【0042】
図12に示すように、第1接続部98は、第1孔981を備える。第1孔981は、円柱状であって、第1筒部91の外周面を貫通している。第2接続部99は、第2孔991を備える。第2孔991は、円柱状であって、第2筒部92の外周面を貫通している。Y方向でのスクリーン95から第1孔981の中心までの距離L1は、3.5mmである。Y方向でのスクリーン95から第2孔991の中心までの距離L2は、距離L1と等しく、3.5mmである。なお、距離L1及び距離L2は、3.5mmに限定されないが、3.5mm以上であることが好ましい。
【0043】
本実施形態のフローセンサ9と、比較例のフローセンサと、に対して実験が行われた。比較例のフローセンサでは、距離L1及び距離L2が3.5mm未満である。実験において、フローセンサ9に所定の空気を流入させた時に本体部10で出力される電圧値が7回測定された。
【0044】
比較例のフローセンサに対する実験では、7つの計測値の標準偏差は0.0176であった。本実施形態のフローセンサ9に対する実験では、7つの計測値の標準偏差は0.0078であった。上述した実験結果から、本実施形態のフローセンサ9は、比較例のフローセンサに対して測定結果の精度を向上させることがわかる。
【0045】
なお、第2筒部92は、必ずしも第1テーパー部921及び第2テーパー部922を備えていなくてもよい。例えば、第2筒部92の内径の変化率は、最小内径部920から出口端部929に亘って一定であってもよい。また、最小内径部920の内径D920、及び出口端部929の内径D929は、必ずしも上述した値でなくてもよい。
【0046】
以上で説明したように、フローセンサ9は、人間が口で咥える第1筒部91と、内部にスクリーンを有するスクリーン収納部93と、スクリーン収納部93に対して第1筒部91とは反対側に位置する第2筒部92と、を備える。第2筒部92は、内径が最小となる最小内径部920と、スクリーン収納部93とは反対側の端部である出口端部929と、を備える。第2筒部92の内径は、最小内径部920から出口端部929に向かって大きくなっている。
【0047】
これにより、第2筒部92に入る空気の流れが改善される。その結果、フローセンサ9は、呼吸機能の測定結果の精度を向上させることができる。
【0048】
フローセンサ9において、第2筒部92は、最小内径部920から出口端部929側に延び且つ内径の変化率が一定である第1テーパー部921と、第1テーパー部921と出口端部929とを繋ぐ第2テーパー部922と、を備える。第2テーパー部922の内径の変化率は、第1テーパー部921の内径の変化率よりも大きい。
【0049】
これにより、第2筒部92に入る空気の流れがより改善される。フローセンサ9は、呼吸機能の測定結果の精度をより向上させることができる。
【0050】
フローセンサ9において、最小内径部920の内径D920に対する出口端部929の内径D929の比は、1.1以上である。
【0051】
これにより、第2筒部92に入る空気の流れがより改善される。フローセンサ9は、呼吸機能の測定結果の精度をより向上させることができる。
【0052】
フローセンサ9は、第1筒部91の外周面を貫通する第1孔981と、第2筒部92の外周面を貫通する第2孔991と、を備える。スクリーン95に対して直交する方向でのスクリーン95から第1孔981の中心までの距離L1、及びスクリーン95に対して直交する方向でのスクリーン95から第2孔991の中心までの距離L2は、3.5mm以上である。
【0053】
これにより、被験者が呼吸した時にスクリーン95が変形しても、安定的に測定ができる。このため、フローセンサ9は、呼吸機能の測定結果の精度をより向上させることができる。
【0054】
呼吸機能検査装置100は、上述したフローセンサ9を備える。
【0055】
これにより、呼吸機能検査装置100は、呼吸機能の測定結果の精度を向上させることができる。呼吸機能検査装置100によれば、被験者に対する診断精度が向上する。
【解決手段】フローセンサは、人間が口で咥える第1筒部と、内部にスクリーンを有するスクリーン収納部と、スクリーン収納部に対して第1筒部とは反対側に位置する第2筒部と、を備え、第2筒部は、内径が最小となる最小内径部と、スクリーン収納部とは反対側の端部である出口端部と、を備え、第2筒部の内径は、最小内径部から出口端部に向かって大きくなっている。