【文献】
長部大・飯塚祐介・東明浩,機械学習を活用した映像解析技術による社会課題解決ソリューション,FUJITSU 2016年11月号,日本,富士通株式会社,2016年11月 1日,Vol.67 No.6,pp.29-35
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する車両施設監視システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
また、以下では、車両施設が、トラック輸送の物流拠点となる物流センターである場合を例に挙げて説明を行うが、以下で「トラック」と言った場合、荷室を有し、かかる荷室へ輸送品を積載して、輸送品を物流センターへ搬入または物流センターから搬出することができる車両を広く含むものとする。
【0014】
まず、実施形態に係る車両施設監視システムの概要について、
図1を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る車両施設監視システム1の概要説明図である。
【0015】
図1に示すように、実施形態に係る車両施設監視システム1は、物流センター2と、サーバ装置10とを含む。物流センター2は、輸送品の入荷、保管、ピッキング、流通加工、検品、出荷といった物流に関する各種業務が行われる。
【0016】
たとえば、物流センター2は、トラックが進入可能な複数のフロアを有し、各フロアには、所定の区画であるスパン21が設けられている。スパン21は、物流センター2における所定の駐停車領域の一例であって、トラックの荷捌き場となる領域である。なお、本実施形態では、物流センター2が複数のフロアを有することとするが、物流センター2は単一のフロア、すなわち、平屋であってもよい。
【0017】
図1に示すように、スパン21は、たとえば物流センター2内の柱と柱の間に形成されている。また、スパン21は、複数のトラックを停めることができる寸法を有して形成されている。スパン21内のトラックの停車箇所は、「バース」と呼ばれる。
【0018】
そして、
図1に示すように、スパン21は、「許容台数が動的に変化」するように複数のトラックを停車させることができる。言い換えれば、バースの数を動的に変化させることができる。
【0019】
本実施形態では、図中の「402」のスパン21に示すように、1つのスパン21には小型のトラックT2を3台停車させることができるものとする。また、たとえば、図中の「403」のスパン21に示すように、1つのスパン21には大型のトラックT1を2台停車させることができるものとする。
【0020】
なお、ここに言う「大型」、「小型」は、相対的なサイズの大小を指すものであって、車両寸法や最大積載量、車両総重量などによって分類される、「小型トラック」、「中型トラック」、「大型トラック」の規格を指すものではない。
【0021】
また、図中の「404」のスパン21に示すように、スパン21は、前述の柱と柱の間にシャッター22を具備することができる。かかるシャッター22を閉めることにより、スパン21は戸締まりされた状態となる。なお、シャッター22は、「巻き取り式」、「折りたたみ式」、「オーバースライダー式」など、収納方法の違いは問わない。
【0022】
また、物流センター2は、たとえば敷地内に、トラックT1,T2の待機場23を有する。待機場23は、物流センター2における所定の駐停車領域の一例であって、物流センター2内へ進入する前のトラックT1,T2を待機させておく場所である。
【0023】
そして、車両施設監視システム1は、カメラ24を備える。カメラ24は、物流センター2におけるスパン21および待機場23ごとに設けられ、各スパン21および待機場23をそれぞれ撮像する。
【0024】
なお、カメラ24は、たとえば物流センター2内の柱などに、それぞれ特定のスパン21をたとえば斜め前方などから撮像可能な向きで取り付けられる。また、カメラ24は、たとえば物流センター2の敷地内の柱などに、待機場23全体を斜め上方などから撮像可能な向きで取り付けられる。ただし、いずれもカメラ24の取り付けられる向きを限定するものではない。
【0025】
また、カメラ24は、無線カメラであっても、有線カメラであってもよい。無線カメラの場合、カメラ24の配線を引き回す必要がなく、増設/変更等が容易であるというメリットが得られる。また、カメラ24は、スチルカメラであってもムービーカメラであってもよい。本実施形態では、カメラ24は、無線式のスチルカメラであるものとする。
【0026】
そして、本実施形態では、かかるカメラ24によって撮像された正例となる撮像画像を用いた機械学習を実行することで、物流センター2における所定の駐停車領域ごとで許容台数が動的に変化する場合を含む駐停車領域の状態判別モデルを生成することとした。そして、カメラ24によって撮像された判別対象分となる撮像画像を状態判別モデルへ入力することによって得られる出力値に基づいて、駐停車領域、たとえばスパン21それぞれの状態を判別することとした。
【0027】
具体的には、
図1に示すように、車両施設監視システム1は、物流センター2からは、インターネット等のネットワークNを介して周期的に、各カメラ24によって撮像された撮像画像を送信する(ステップS1)。
【0028】
そして、サーバ装置10は、物流センター2から送信された各カメラ24の撮像画像を収集する(ステップS2)。なお、サーバ装置10は、たとえばクラウドコンピューティングにおけるクラウドサーバとして設けられる。
【0029】
そして、サーバ装置10は、収集した撮像画像のうちの正例となる学習対象分を用いた機械学習により、状態判別モデルを生成する(ステップS3)。機械学習には、ディープラーニング等、公知のアルゴリズムを用いることができる。
【0030】
そして、サーバ装置10は、生成した状態判別モデルにより、たとえば各スパン21の状態判別を行う(ステップS4)。具体的には、サーバ装置10は、収集した撮像画像のうちの判別対象分を状態判別モデルへ入力し、それによって得られる状態判別モデルからの出力値に基づいて、前述の「許容台数が動的に変化」する場合を含む各スパン21の状態をリアルタイムに判別する。
【0031】
たとえばサーバ装置10は、スパン21に存在する物体を判別する。物体は、たとえばサイズの異なる車両である。また、サーバ装置10は、たとえばスパン21の満空状態を判別する。また、サーバ装置10は、たとえばシャッター22の開閉状態を判別する。本実施形態に係る車両施設監視システム1が判別可能な駐停車領域のこれら判別例については、
図4A〜
図4Kを用いた説明で後述する。
【0032】
そして、サーバ装置10は、判別された各スパン21の状態を、たとえばサーバ装置10が備えるディスプレイ等の監視画面へ表示させる。オペレータは、かかる監視画面を確認することによって各スパン21の状態を把握し、たとえばあるスパン21に空きが生じたならば、待機場23に待機するトラックT1,T2をかかるスパン21へ誘導する。
【0033】
監視画面の具体的な例については、
図5Aおよび
図5Bを用いた説明で後述する。また、監視画面の表示先は、たとえばオペレータが携帯する携帯情報端末等であってもよい。
【0034】
このように、本実施形態に係る車両施設監視システム1は、カメラ24の撮像画像に基づいて生成された状態判別モデルにより、所定の駐停車領域の各状態をリアルタイムに判別することとしたので、駐停車領域の状態を精度よく判別することができる。また、判別される各状態は、前述の「許容台数が動的に変化」する場合を含むので、たとえばスパン21で空いたバースの大きさに応じたサイズのトラックT1,T2を誘導することが可能となり、物流センター2を効率よく運用することが可能となる。
【0035】
なお、状態判別モデルによる判別結果に基づいては、各スパン21の使用状況に関する情報を導出し、これを監視画面へ表示させることができる。この点の具体例については、
図5Cを用いて後述する。また、状態判別モデルにより判別されたシャッター22の開閉状態に基づいては、物流センター2をセキュリティ管理することもできる。この点の具体例については、
図5Dを用いて後述する。
【0036】
以下、上述した実施形態に係る車両施設監視システム1の構成例について、さらに具体的に説明する。
【0037】
図2は、実施形態に係る車両施設監視システム1のブロック図である。なお、
図2では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素を機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0038】
換言すれば、
図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。たとえば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0039】
なお、
図2を用いた説明では、これまでに既に述べた構成要素については、説明を簡略化するか、省略する場合がある。
【0040】
図2に示すように、車両施設監視システム1は、物流センター2と、サーバ装置10とを含む。物流センター2は、複数のスパン21と、待機場23と、中継装置25と、ゲートウェイ装置26とを有する。
【0041】
中継装置25は、たとえば物流センター2の各フロアごとに設けられ、各スパン21のカメラ24の撮像画像を集約してたとえば同じく各フロアごとに設けられたゲートウェイ装置26へ送信する。
【0042】
また、中継装置25は、たとえば物流センター2の敷地内で、待機場23のカメラ24とゲートウェイ装置26との間に設けられ、待機場23のカメラ24の撮像画像をゲートウェイ装置26へ装置する。中継装置25を設けることによって、物流センター2が大規模なものであったとしても、各スパン21および待機場23の撮像画像を集約して周期的に収集することが可能となる。
【0043】
ゲートウェイ装置26は、物流センター2からネットワークNへの中継装置であって、たとえばフィールドバスネットワークで中継装置25と接続され、中継装置25から受信した撮像画像をネットワークNへ送信する。
【0044】
サーバ装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有する。制御部12は、収集部12aと、抽出部12bと、生成部12cと、判別部12dと、監視部12eとを有する。
【0045】
通信部11は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して物流センター2からの各カメラ24の撮像画像を受信し、制御部12へ渡す。
【0046】
制御部12は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、サーバ装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部12は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0047】
記憶部13は、たとえば、RAM、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、
図2の例では、撮像画像DB(データベース)13aと、学習対象分データセット13bと、状態判別モデルとしての第1判別モデル13c,第2判別モデル13dと、判別対象分データセット13eと、判別結果DB13fとを記憶する。
【0048】
制御部12は、サーバ装置10の全体制御を行う。収集部12aは、通信部11を介し、物流センター2からの各カメラ24の撮像画像を収集し、撮像画像DB13aへ格納する。
【0049】
抽出部12bは、撮像画像DB13aから、機械学習に用いられる正例となる撮像画像、すなわち学習対象分を抽出し、学習対象分データセット13bへ格納する。また、撮像画像DB13aから、物流センター2の運用中において判別対象となる撮像画像、すなわち判別対象分を抽出し、判別対象分データセット13eへ格納する。
【0050】
生成部12cは、学習対象分データセット13bを取得し、これを用いた機械学習を実行して、状態判別モデルを生成する。
【0051】
ここで、状態判別モデルの一例について、
図3Aおよび
図3Bを用いて説明する。
図3Aおよび
図3Bは、状態判別モデルの一例を示す図(その1)および(その2)である。
【0052】
図3Aに示すように、たとえば生成部12cは、学習対象分としてスパン21の完全空車状態の撮像画像を用いた機械学習を実行し(ステップS11)、第1判別モデル13cを生成する。
【0053】
一方で、
図3Bに示すように、たとえば生成部12cは、学習対象分としてスパン21の各状態パターンの撮像画像を用いた機械学習を実行し(ステップS12)、第2判別モデル13dを生成する。
【0054】
ここで、「状態パターン」とは、物流センター2の運用においてスパン21に対し起こりうる各状態を指し、たとえば「大型のトラック2台」や「小型のトラック3台以上」、「大型・小型が混在」、「シャッターが閉状態」といった各種パターンごとでクラスタリングされている。かかる各状態パターンの学習対象分に基づいて生成される第2判別モデル13dにより、言わばスパン21が完全空車状態でない場合の状態パターンをモデル化することができる。
【0055】
そして、
図3Aに戻り、後述する判別部12dは、まず判別対象分の撮像画像を第1判別モデル13cへ入力し、その結果、第1判別モデル13cから得られる出力値に基づいて、学習済みクラスとの乖離度を算出する(ステップS13)。この乖離度がたとえば所定の閾値以下であるならば、入力した撮像画像が示すスパン21の状態は、完全空車状態であることを示す。また、乖離度が閾値を上回るならば、入力した撮像画像が示すスパン21の状態は、完全空車状態ではないことを示す。
【0056】
そして、判別部12dは、
図3Bに示すように、乖離度が大きかった判別対象分の撮像画像を第2判別モデル13dへ入力し、その結果得られる第2判別モデル13dの出力値(たとえば図中の「カテゴリID」)に基づいて、各スパン21の状態パターンを判別することとなる(ステップS14)。
【0057】
なお、
図3Aおよび
図3Bに示した状態判別モデル、および、これを用いた判別方法はあくまで一例であって、状態判別モデルを構成するモデルの数や、各モデルにおけるクラスタリング等を
図3Aおよび
図3Bに示した例に限定するものではない。
【0058】
図2の説明に戻る。判別部12dは、判別対象分データセット13eを取得し、これを第1判別モデル13cへ入力して、第1判別モデル13cによる出力値を受け取る。そして、判別部12dは、受け取った出力値に基づいて前述の乖離度を算出し、かかる乖離度が所定の閾値以下であれば、スパン21を完全空車状態であると判別し、判別結果を判別結果DB13fへ格納する。
【0059】
また、判別部12dは、乖離度が閾値を上回るならば、該当する判別対象分の撮像画像を第2判別モデル13dへ入力する。そして、判別部12dは、その結果得られる第2判別モデル13dの出力値に基づいて、各スパン21の状態パターンを判別し、判別結果を判別結果DB13fへ格納する。
【0060】
ここで、
図4A〜
図4Kを用いて、判別部12dが判別する状態パターンの各例について、さらに具体的に説明する。
図4A〜
図4Kは、スパン21の状態パターンの具体例を示す図(その1)〜(その11)である。
【0061】
図4Aには、スパン21が完全空車状態である状態パターンを示している。なお、
図4Aに示すように、同じ完全空車状態でも、照度が異なる撮像画像を用いた機械学習を実行することによって、時間帯等による明暗の差がある場合であっても、スパン21の状態を精度よく判別可能な状態判別モデルを生成することができる。かかる点は、
図4B〜
図4Kに示す状態パターンでも同様とする。
【0062】
次に、
図4Bには、スパン21に大型のトラックT1が2台停車している状態を示している。かかる場合、いずれか一方のトラックT1が「存在する場合/しない場合」をそれぞれ含めた機械学習を実行することによって、スパン21にトラックT1が2台許容できる場合において、スパン21が満車状態であるのか、または、一方のバースが空いているのかを判別することが可能となる。
【0063】
次に、
図4Cには、スパン21に小型のトラックT2が3台停車している状態を示している。かかる場合、いずれか1台または2台のトラックT2が「存在する場合/しない場合」をそれぞれ含めた機械学習を実行することによって、スパン21にトラックT2が3台許容できる場合において、スパン21が満車状態であるのか、または、バースに空きがあるのかを判別することが可能となる。
【0064】
次に、
図4Dには、スパン21に大型のトラックT1と小型のトラックT2とが混在している状態を示している。かかる場合、いずれか一方が「存在する場合/しない場合」をそれぞれ含めた機械学習を実行することによって、スパン21にトラックT1,T2が混在できる場合において、スパン21が満車状態であるのか、または、バースに空きがあるのかを判別することが可能となる。
【0065】
なお、このように混在するパターンの場合、スパン21の寸法によっては、奥行き方向に小型のトラックT2を縦列停車させる状態パターンを想定することができる。このような場合に対応するため、平面模式図として表した
図4Eに示すように、たとえばスパン21の天井部などにカメラ24を取り付けて、スパン21を上方から撮像した撮像画像に基づき、機械学習を実行して、状態判別モデルを生成するようにしてもよい。
【0066】
そして、同じく平面模式図として表した
図4Fに示すように、たとえば大型のトラックT1が停車し、その横に縦列停車する小型のトラックT2の一方または双方が「存在する場合/しない場合」をそれぞれ含めた機械学習を実行することによって、トラックT2の縦列停車を許容可能なスパン21において、満車状態であるのか、または、バースに空きがあるのかを判別することが可能となる。
【0067】
また、これまでは主に、スパン21内のトラックT1,T2のサイズの相対的な大小を例に挙げて説明してきたが、無論、車両寸法や最大積載量、車両総重量などによって分類される規格通りに「小型トラック」、「中型トラック」、「大型トラック」等をクラスタリングし、機械学習を実行するようにしてもよい。また、無論、メーカーや車種の異同に基づいて撮像画像をクラスタリングし、機械学習を実行するようにしてもよい。
【0068】
次に、
図4Gには、スパン21が具備するシャッター22の閉状態を示している。かかるシャッター22の閉状態を含めた機械学習を実行することによって、スパン21が戸締まり状態であるのかを判別することが可能となる。
【0069】
なお、
図4Hに示すように、シャッター22の閉状態の程度が異なる場合を含めた機械学習を実行することによって生成された状態判別モデルを用いて、スパン21の撮像画像の判定結果を時系列的に解析することによって、シャッター22が閉状態から開状態となったのか、開状態から閉状態となったのか、その途中であるのか、あるいは途中で止まっているのか等を判別することも可能である。
【0070】
次に、
図4Iには、車両以外の物体、たとえばコンテナCが置かれている状態を示している。かかる場合、いずれか一方のコンテナCが「存在する場合/しない場合」をそれぞれ含めた機械学習を実行することによって、スパン21に車両以外の物体(ここでは、コンテナC)が存在していることを判別することが可能となる。また、かかる場合において、スパン21がトラックT1,T2の進入できない状態であるのか、または、一方のバースが空いているのかを判別することが可能となる。
【0071】
次に、
図4Jには、車両以外の物体、たとえば作業者等の人間Mが存在している状態を示している。かかる場合、人間Mが「存在する場合/しない場合」をそれぞれ含めた機械学習を実行することによって、スパン21に人間Mが存在していることを判別することが可能となる。また、かかる場合において、スパン21がトラックT1,T2の進入できない状態であるのか、または、進入できるが作業者がいるため注意を要するといった状態を判別することが可能となる。
【0072】
なお、
図4Iまたは
図4Jに示したのと同様に、スパン21に存在する可能性のある、フォークリフトといった作業車両が存在する場合/しない場合をそれぞれ含めた機械学習を実行することによって、作業車両の存在に関する状態を判別することも可能である。
【0073】
次に、
図4Kには、スパン21に停車しているトラックT1,T2のナンバーを判別する場合の例を示している。たとえば、
図4Kに示すように、スパン21が満車状態であるものとする。かかる状態において、1つのスパン21全体が撮像された撮像画像に基づき、機械学習を実行するとともに、かかる撮像画像のうち、ナンバーの位置R1,R2の範囲指定部分を機械学習することによって、ナンバーを読み取り、判別することが可能となる。
【0074】
なお、かかる場合における機械学習のアルゴリズムとしては、たとえば、ディープラーニングの一種である「CNN(Convolutional Neural Network)」や、「faster R−CNN(Region-based Convolutional Neural Networks)」等を用いることができる。
【0075】
図2の説明に戻り、つづいて監視部12eについて説明する。監視部12eは、判別部12dによって判別されたスパン21の状態を判別結果DB13fから取得し、所定の監視画面へ表示させる。監視画面は、たとえばサーバ装置10に接続されたディスプレイ等である表示部30へ表示される。
【0076】
また、監視部12eは、少なくともスパン21ごとの満空状態およびスパン21のシャッター22の開閉状態を監視画面へ表示させる。また、監視部12eは、カメラ24によるスパン21または待機場23の最新の撮像画像を監視画面へ表示させる。撮像画像は、たとえば判別結果に対応付けられて判別結果DB13fへ格納されている。
【0077】
ここで、
図5Aおよび
図5Bを用いて、監視画面の具体例について説明する。
図5Aは、全体監視画面の具体例を示す図である。また、
図5Bは、個別監視画面の具体例を示す図である。
【0078】
図5Aに示すように、物流センター2の全体を監視する全体監視画面は、たとえば少なくともスパン21ごとの満空状態およびスパン21のシャッター22の開閉状態を表示する。なお、
図5Aには、1Fに「101」〜「105」、2Fに「201」〜「205」、3Fに「301」〜「305」、4Fに「401」〜「405」で示される各スパン21の状態を表示した場合を示しているが、フロア数、スパン数を限定するものではない。
【0079】
具体的には、全体監視画面は、各フロアのスパン21を、たとえばそれぞれアイコン表示する。そして、かかる各アイコンに、それぞれ「満」、「0/2」や「1/2」といった分数、「閉」、「NG」等の、状態を端的に示す文言を表示することによって、各スパン21の状態をオペレータ等の視認者に視認させる。なお、たとえば「更新」ボタンを押すことによって、最新の状況を表示させることができる。「更新」ボタンは、「手動更新」および「自動更新」の切り替え機能を含んでいてもよい。
【0080】
たとえば「満」は、そのスパン21が満車状態であることを示し、判別部12dによって、該当のスパン21が満車状態であると判別された場合に表示される。
【0081】
また、たとえば「0/2」や「1/2」、「2/3」といった分数は、そのスパン21に空きバースがあることを示す。たとえば「0/2」は、判別部12dによって、該当のスパン21が大型のトラックT1を2台許容できる場合において、完全空車状態であると判別された場合に表示される。なお、トラックT1だけでなく、小型のトラックT2も許容できる場合には、「0/2」にあわせて「0/3」と表示されてもよい。
【0082】
また、たとえば「1/2」は、判別部12dによって、該当のスパン21が大型のトラックT1を2台許容できる場合において、空きバースが1つある状態であると判別された場合に表示される。
【0083】
また、たとえば「2/3」は、判別部12dによって、該当のスパン21が小型のトラックT2を3台許容できる場合において、空きバースが1つある状態であると判別された場合に表示される。
【0084】
また、たとえば「閉」は、そのスパン21のシャッター22が閉状態であることを示し、判別部12dによって、該当のスパン21のシャッター22が閉状態であると判別された場合に表示される。
図5Aに示す例では、4Fはすべてのスパン21が「閉」状態にあり、かかる場合において監視部12eは、たとえば4Fのフロアをセキュリティ管理することができる。かかる例については、
図5Dを用いて後述する。
【0085】
また、たとえば「NG」は、そのスパン21のシャッター22が異常状態であることを示し、判別部12dによって、たとえば該当のスパン21のシャッター22が故障中であると判別された場合等に表示される。判別部12dは、たとえばシャッター22が途中で止まったままの状態で所定時間が経過した場合等に、かかるシャッター22を故障中であると判別することができる。
【0086】
また、
図5Aに示すように、全体監視画面は、たとえば各フロアの空きバースの数を表示させることができる。このとき、「2F」の「5(うち1は小)」のように、空きバースの大きさが分かるような、言い換えれば停車可能なトラックT1,T2のサイズが分かるような表示を行ってもよい。
【0087】
また、
図5Aに示すように、全体監視画面は、待機場23の最新の撮像画像を表示させることができる。なお、たとえば「撮影」ボタンを押すことによって、さらに最新の撮像画像を表示させることもできる。
【0088】
また、全体監視画面は、たとえば特定のスパン21を指定する操作を行うことによって、かかるスパン21の個別監視画面へと遷移することができる。ここで、1Fの「102」で示されるスパン21が指定されたものとする。
【0089】
すると、
図5Bに示すように、かかる「102」のスパン21の個別監視画面へと表示を遷移させることができる。個別監視画面では、指定されたスパン21におけるバースの満空情報と、たとえば駐車時刻とが表示される。なお、全体監視画面と同様に、たとえば「更新」ボタンを押すことによって、最新の状況を表示させることができる。
【0090】
また、
図5Bに示すように、個別監視画面は、該当のスパン21の最新の撮像画像を表示させることができる。また、たとえば「撮影」ボタンを押すことによって、さらに最新の撮像画像を表示させることもできる。
【0091】
物流センター2のオペレータは、かかる個別監視画面を視認することによって、該当のスパン21の詳細な状況、たとえば「102」のスパン21には、表示された駐車時刻からコンテナCが置かれており、トラックT1,T2を進入させることは不可であることを、即座に確認することができる。
【0092】
そして、オペレータは、このような全体監視画面および個別監視画面を視認することによって、空きバースのあるスパン21を特定し、かかるスパン21へ停車可能なトラックT1,T2を待機場23の最新画像を介して選定して、たとえば音声や誘導灯により、誘導することができる。なお、トラックT1,T2のドライバが携帯する携帯情報端末や、トラックT1,T2に搭載されたナビ等の車載装置へ、空きバースの情報を通知することによって誘導してもよい。
【0093】
図2の説明に戻る。また、監視部12eは、判別部12dによって判別されたスパン21の状態を蓄積および解析してスパン21の使用状況に関する情報を導出し、かかる使用状況に関する情報を提示する。また、監視部12eは、シャッター22の開閉状態に基づいて物流センター2をセキュリティ管理する。
【0094】
ここで、
図5Cを用いて、監視部12eが、スパン21の使用状況に関する情報を提示する場合の例について説明する。また、
図5Dを用いて、監視部12eが、シャッター22の開閉状態に基づいて物流センター2をセキュリティ管理する場合の例について説明する。
【0095】
図5Cは、使用状況監視画面の具体例を示す図である。また、
図5Dは、物流センター2をセキュリティ管理する場合の具体例を示す図である。
【0096】
監視部12eは、判別結果DB13fに基づき、各スパン21の使用状況に関する情報を導出し、
図5Cに示すような使用状況監視画面へ表示させることができる。
【0097】
使用状況監視画面は、たとえばスパン21やバースごとに、「稼働状態」や、「駐車開始」の日時、「経過時間」、「累計使用時間」、「使用率」、「メッセージ」等を表示することができる。
【0098】
「稼働状態」は、たとえば前述の各スパン21の状態を端的に示す文言に対応する。「駐車開始」および「経過時間」は文字通り、駐車が開始された時間、および、駐車開始から経過した時間である。「累計使用時間」は、該当のスパン21またはバースが、該当の運用日当日において使用された累計時間である。「使用率」は、該当の運用日当日における使用率(稼働率と言い換えてもよい)である。「メッセージ」は、システム上、報知されておくべき特記事項等が表示される。
【0099】
物流センター2のオペレータは、このような使用状況監視画面を視認することによって、たとえば空きバースのあるスパン21のうち、使用率の低いバースへ優先的にトラックT1,T2を誘導することができる。したがって、物流センター2を効率よく運用することができる。
【0100】
また、
図5Aを用いた説明で既に述べたが、たとえば全体監視画面において、すべてのスパン21が「閉」状態にあるフロアにつき、監視部12eはセキュリティ管理することができる。また、各フロアのすべてのスパン21が「閉」状態にあれば、監視部12eは物流センター2の建物全体をセキュリティ管理することができる。
【0101】
ここでは、
図5Aと同様に、4Fのすべてのスパン21が「閉」状態にある場合を例に挙げて説明する。
図5Dに示すように、4Fのすべてのスパン21が「閉」状態にあるものとする。
【0102】
かかる場合に、監視部12eは、4Fのすべてのスパン21が戸締まり状態にあることを判別し、4Fをセキュリティ管理状態へ移行させる。たとえば監視部12eは、
図5Dに示すように、4Fが「セキュリティ監視中」であることを表示させる。
【0103】
なお、物流センター2は、たとえば1フロアを特定のテナントが専用フロアとする場合もあるため、フロアごとにセキュリティ管理が必要な状況は起こりうる。
【0104】
そして、監視部12eは、このようなセキュリティ管理状態においても、判別部12dの判別結果に基づいて各スパン21の状態を監視する。ここで、
図5Dに示すように、判別部12dが、「404」のスパン21において「シャッター22が閉状態から変化したことを判別」したものとする。
【0105】
すると、監視部12eは、かかる判別結果に基づき、たとえば「404」のスパン21のアイコン表示を点滅させたり、「セキュリティ異常発生」とのメッセージ表示を点滅させたりすることによって、オペレータへ異常事態を報知する。なお、音声によってかかる事態を報知してもよい。
【0106】
また、監視部12eは、異常のあったスパン21の最新の撮像画像を、あわせて表示させることができる。これにより、オペレータは、異常が発生したスパン21に関する状況を即座に把握することが可能となる。なお、物流センター2の運用時間外等である場合、監視部12eは、オペレータの携帯する携帯情報端末等に、異常事態を報知するようにしてもよい。
【0107】
このように、車両施設監視システム1は、物流センター2の運用時間の内外を問わず、言わば防犯設備としても利用することができる。
【0108】
上述してきたように、実施形態に係る車両施設監視システム1は、カメラ24と、生成部12cと、判別部12dとを備える。カメラ24は、物流センター2(「車両施設」の一例に相当)におけるスパン21(「所定の駐停車領域」の一例に相当)ごとに設けられ、スパン21をそれぞれ撮像する。生成部12cは、カメラ24によって撮像された正例となる撮像画像を用いた機械学習を実行することで、スパン21ごとの車両の許容台数が動的に変化する場合を含むスパン21の状態判別モデルを生成する。判別部12dは、カメラ24によって撮像された判別対象分となる撮像画像を状態判別モデルへ入力することによって得られる出力値に基づいて、スパン21の状態を判別する。
【0109】
したがって、本実施形態に係る車両施設監視システム1によれば、物流センター2におけるスパン21の状態を精度よく判別し、物流センター2を効率よく運用することができる。
【0110】
なお、上述した実施形態では、機械学習により、主にスパン21の状態を判別する場合を例に挙げたが、無論、待機場23の状態を判別するようにしてもよい。すなわち、待機場23の撮像画像に基づいて機械学習を実行し、生成された状態判別モデルによって、たとえば待機場23の各駐停車スペースの満空状態や、停車しているトラックT1,T2のサイズや、車種、ナンバー等を判別するようにしてもよい。
【0111】
このように、待機場23の状態を判別可能とすることにより、たとえばあるスパン21のバースが空いたと判別された場合に、かかるバースへ進入可能なサイズであり、かつ、より長く待機しているトラックT1,T2を自動的に選定して、音声や誘導灯により、システムが自動的に誘導することが可能となる。
【0112】
また、トラックT1,T2の誘導業務については、他の車両誘導システムが導入され、これにより運用されている場合に、車両施設監視システム1は、スパン21および待機場23の状態の判別結果を、かかる他の車両誘導システムへ連携させるようにしてもよい。
【0113】
これにより、物流センター2に複数のベンダによる複数のシステムが導入され、運用されている場合であっても、車両施設監視システム1の判別結果に基づいて、物流センター2を効率よく円滑に運用することが可能となる。
【0114】
また、上述した実施形態では、車両施設が物流センター2である場合を例に挙げたが、無論、車両施設を限定するものではない。たとえば、大型商業施設の駐車場などであってもよい。
【0115】
また、上述した実施形態では、サーバ装置10が、収集部12aと、抽出部12bと、生成部12cと、判別部12dと、監視部12eとを有する場合を例に挙げたが、たとえば収集部12aや、生成部12c、監視部12eが、それぞれの機能に特化した専用装置として構成されてもよい。
【0116】
また、上述した実施形態では、機械学習のアルゴリズムとしてディープラーニングを用いるものとしたが、用いるアルゴリズムを限定するものではない。したがって、SVM(Support Vector Machine)のようなパターン識別器を用いたサポートベクタ回帰等の回帰分析手法により機械学習を実行し、状態判別モデルを生成してもよい。また、ここで、パターン識別器はSVMに限らず、たとえばアダブースト(AdaBoost)などであってもよい。また、ランダムフォレストなどを用いてもよい。
【0117】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【解決手段】実施形態に係る車両施設監視システムは、カメラと、生成部と、判別部とを備える。カメラは、車両施設における所定の駐停車領域ごとに設けられ、駐停車領域をそれぞれ撮像する。生成部は、カメラによって撮像された正例となる撮像画像を用いた機械学習を実行することで、駐停車領域ごとの車両の許容台数が動的に変化する場合を含む駐停車領域の状態判別モデルを生成する。判別部は、カメラによって撮像された判別対象分となる撮像画像を状態判別モデルへ入力することによって得られる出力値に基づいて、駐停車領域の状態を判別する。