(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6389981
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】串刺し食材押し出し器
(51)【国際特許分類】
A47G 21/00 20060101AFI20180903BHJP
A47J 43/28 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
A47G21/00 C
A47J43/28
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-149566(P2017-149566)
(22)【出願日】2017年8月2日
【審査請求日】2017年8月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】309027975
【氏名又は名称】菊野 宏文
(72)【発明者】
【氏名】菊野 宏文
【審査官】
石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−117715(JP,A)
【文献】
特開2003−93241(JP,A)
【文献】
特開2014−94257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 21/00−23/16
A47J 37/00−37/07
A47J 42/00−44/02
A47G 19/22
A47J 45/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端がラッパ状であって、他端がラッパ状の付け根から平行筒状の形状を成し、折りたためば左右対称となる位置に、折り曲げ線を設け、前記折り曲げ線と直角で交わる平行筒状の略中央部にミシン目を入れたことを特徴とする串刺し食材押し出し器。
【請求項2】
前記平行筒状の後端部が閉じて袋状にしたことを特徴とする請求項1に記載する串刺し食材押し出し器。
【請求項3】
串刺し食材の手持ち部分を、前記ラッパ状の口から差し込み、食材をラッパ状内に入れ込み、平行筒状に手を押し当て、前記ラッパ状の口に取り込んだ食材を、串の先端部に向けて押し出すと、手持ち平行筒状部とラッパ状部がミシン目で切り離されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載する使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥肉、牛肉、豚肉、野菜、団子等を串に刺して、タレ等を付けた串刺し食
材を手で持って食する場合、タレが手に付着したりすることなく、安全に食することができるよう対策を施した串刺し食材押し出し器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、串刺し食材用の串は提供されているが、使用されている串の殆どが食材を刺しやすくするために先端部が尖った構造となっており、また、一口では食べられず箸を使って食材を押し出すようにして食べるか、串を横にして食材を歯で噛んでスライドさせて食べるかの方法であった。
【0003】
しかしながら、従来の方法であれば口が汚れたり、食材を焼く過程において食材が串にこびりついて箸ではなかなか押し出すことができなかったり、特に子供が食する場合は、串が長く先端が尖っているため喉に刺す危険性が有ったりと問題点があった。
【0004】
また、串の手で持つ部分までタレが付着している場合が多く、食べるたびにいちいち手を拭く必要性が有り面倒である。特に女性の場合、串を横にして噛みついて食べることに抵抗感があった。
【0005】
特許文献1に記載の製品は、丸板状に中心部を丸くくり抜き、串に差し込み食材を押し出す構造となっているが、食材を押し出すことはできても、串にタレが付着しているため、手が汚れるといった問題点は残る。また、特許文献2に記載の製品は、串自体に切り込み加工を施したもので、食べては串を折りを繰り返すもので、この製品も手が汚れるといった問題点があることと、串に切り込み加工をすれば、串自体の強度が損なわれることと、加工代が高く販売価格も高くなり、また、使用が面倒であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−066377
【特許文献2】特開2007−190340
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、上記の問題点を解決するため、安全に清潔で安価で提供できる串刺し食材押し出し器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、上記課題を解決するために、その手段を説明する。
【0009】
本発明の請求項1は、一端がラッパ状であって、他端がラッパ状の付け根から平行筒状の形状を成し、折りたためば左右対称となる位置に、折り曲げ線を設け、前記折り曲げ線と直角で交わる平行筒状の略中央部にミシン目を入れたことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2は、前記平行筒状の後端部が閉じて袋状にしたことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3は、串刺し食材の手持ち部分を、前記ラッパ状の口から差し込み、食材をラッパ状内に入れ込み、平行筒状に手を押し当て、前記ラッパ状の口に取り込んだ食材を、串の先端部に向けて押し出すと、手持ち平行筒状部とラッパ状部がミシン目で切り離されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以上のように構成されているので、以下に記載される効果を奏す。
【0013】
従来、串焼きに使用される串は、食材を通し易くするために先端部が尖った構造となっており、また、その長さも20cm前後と長いため、一口では食材を食べきることができず、箸を使って食材を押し出すようにして食べるか、串を横にして食材を歯で噛んでスライドさせて食べるかの方法であった。しかしながら、従来の方法であればタレで口が汚れたり、食材を焼く過程において食材が串にこびりついて箸ではなかなか押し出すことができなかったり、特に子供が食する場合は、串が長く先端が尖っているため喉に刺す危険性が有ったりと問題点があった。本発明品を使用すれば、食材を簡単に押し出すことができるため、口や手を汚すこと無く、また、子供が誤って喉まで入れて怪我をすることが無く、安全に食することができる。
【0014】
串焼きの串は、タレを使用するため、手で握る部分までタレが付着している場合が多く、食べては手を拭きの繰り返しをしなければならず面倒であるが、本発明品を使用すれば、タレで手が汚れることなく衛生的に食することができる。
【0015】
本発明品のラッパ状開口部が、折り曲げ線で上下に開き食材が入りやすい構造になっているため、食材を簡単に差し込むことができる。
【0016】
本発明品を使用すれば、飲食店で特に女性、子供が食べやすくなる。
【0017】
本発明品は、簡単構造で製造原価も安く、業務用は勿論のこと一般家庭での使用も手軽く購入できる。
【0018】
本発明品は、小さく薄い板状になっているため、保管場所を取ることなく、物流コストも抑えることができる。
【0019】
本発明品は、使い捨てであるため、リピート率も高く、本製品が普及、認知されればビッグビジネスに成る可能性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】串刺し食材押し出し器の食材受け部の斜視図。
【
図3】串刺し食材押し出し器の平行筒状部後部開口部の斜視図。
【
図4】串刺し食材押し出し器に串を挿入した状態を示す斜視図。
【
図5】串刺し食材押し出し器の使用例を示す斜視図。
【
図6】串刺し食材押し出し器の使用例を示す斜視図。
【
図7】串刺し食材押し出し器の使用例を示す斜視図。
【
図8】串刺し食材押し出し器の使用例を示す斜視図。
【
図9】串刺し食材押し出し器の平行筒状部後部開口部を閉じて袋状にした状態を示す斜視図。
【
図10】平行筒状部後部開口部を閉じて袋状にした串刺し食材押し出し器の食材受け部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次は、この発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は、本発明の串刺し食材の押し出し器1の正面図である。串刺し食材押し出し器1は、ラッパ状の形状で、ラッパ状部2と平行筒状部3とで構成され、串刺し食材押し出し器1を折りたためば左右対称となるよう、串刺し食材押し出し器1の表 裏中央部に折り曲げ線6を設け、さらに、平行筒状部3の略中央部にミシン目7を施し、平行筒状部3の略中央部で切り離しできる構造とした。
【0023】
図2は、串刺し食材押し出し器1の食材受け部4の斜視図である。手8で平行筒状部3の両側面を押し上げると、折り曲げ線6で食材受け部4が上下に開き食材を入れやすくなる構造とした。
【0024】
図3は、串刺し食材押し出し器1の平行筒状部後部開口部5の斜視図である。平行筒状部後部開口部5は串11が突き抜け通るよう中空洞の構造とした。
【0025】
図4は、串刺し食材押し出し器1に串11を通した斜視図である。串11が突き抜けることで、串に刺した食材11と食材受け部4までの位置調整ができる構造とした。
【0026】
図5は、串刺し食材押し出し器1の使用手順を示す斜視図である。串に刺した食材10を箸9で掴み、串刺し食材押し出し器1の平行筒状部3の両側面を持つと、食材受け部4が上下に開き、串に刺した食材10を差し込んでいる状態を示したものである。
【0027】
図6は、串刺し食材押し出し器1の使用手順を示す斜視図である。串に刺した食材10を、串刺し食材押し出し器1に装着させた状態を示したものである。
【0028】
図7は、平行筒状部3を手8で持ち、串に刺した食材10を取り込んだ、串刺し食材押し出し器1のラッパ状部2を持って、前進させるとミシン目7が切り離され、串に刺した食材10が前に押し出される。
【0029】
図8は、串刺し押し出し器1の使用手順を示す斜視図である。
図7で示した状態と同じものであり、さらに前進させた状態を示したものである。
【0030】
図9、
図10は、串刺し食材押し出し器1の他の実施例を示す斜視図である。平行筒状部後部開口部5を閉じて袋状とする構造である。ラッパ状部2に食材受け部4を設ける構造は
図1から
図8に示したものと同一構造である。尚、平行筒状部後部開口部を閉じて袋状とするのは、串に刺した食材に付けるタレが多い場合に、タレの垂れ下がりを受け止めることを考慮したものである。
【符号の説明】
【0031】
1 串刺し食材の押し出し器
2 ラッパ状部
3 平行筒状部
4 食材受け部
5 平行筒状部後部開口部
6 折り曲げ線
7 ミシン目
8 手
9 箸
10 串に刺した食材
11 串
【要約】
【課題】串焼きを食する場合、タレ等が手に付着することなく安全、清潔に食することができる串刺し食材押し出し器を提供する。
【解決手段】一端がラッパ状であって、他端がラッパ状の付け根から平行筒状の形状を成
し、折りたためば左右対称となる位置に、折り曲げ線を設け、前記折り曲げ線と直角で交わる平行筒状の略中央部にミシン目を入れた構造とした。
【選択図】
図1