(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6390023
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】アップグレード可能配線フレームワーク、ケーブルコネクタ、及びケーブリング管理システム
(51)【国際特許分類】
H04Q 1/14 20060101AFI20180910BHJP
H01R 13/641 20060101ALI20180910BHJP
H04B 5/02 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
H04Q1/14
H01R13/641
H04B5/02
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-528801(P2017-528801)
(86)(22)【出願日】2015年11月19日
(65)【公表番号】特表2018-505513(P2018-505513A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】US2015061575
(87)【国際公開番号】WO2016089611
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2017年8月15日
(31)【優先権主張番号】201410718826.1
(32)【優先日】2014年12月1日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518241849
【氏名又は名称】コーニング リサーチ アンド ディヴェロップメント コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ディン, ミン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ, ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ル, ホン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヤンホン
(72)【発明者】
【氏名】ホァン, ツェン
(72)【発明者】
【氏名】バイ, シャオヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ツィジュン
【審査官】
松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−157904(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0020976(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0098425(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/56−13/72
H04B5/00−5/06
H04Q1/00−1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルコネクタ(203)に接続されるように適合された複数のポート(303)を有する配線フレームワーク(102)であって、前記ポート(303)の少なくとも一部分に対応して、取り付け開口部(301)が前記配線フレームワーク上に配置されており、前記取り付け開口部(301)は前記ポート(303)の下方部分又は上方部分に配置されていると共に、前記ポート(303)から特定の距離をおいて離間配置されており、前記ケーブルコネクタ(203)に、前記ケーブルコネクタ(203)に取り外し可能に固定されたジャケット(201)が設けられており、第1の通信ユニットが前記ジャケット(201)の底部プレート(2014)に固定されており、前記底部プレートは、前記ポート(303)の前記少なくとも一部分のそれぞれにおいて前記取り付け開口部(301)を貫通し、前記ポート(303)の前記少なくとも一部分に対応して、前記ケーブルコネクタ(203)と、前記ポート(303)の前記少なくとも一部分のそれぞれとの相互接続状態を指示するように適合されたインジケータ素子(304)が前記配線フレームワーク(102)上に配置されている、配線フレームワーク(102)と、
前記対応するケーブルコネクタ(203)にそれぞれ取り外し可能に固定された複数の第1の通信ユニット(202)であって、前記ケーブルコネクタ(203)が前記ポート(303)内に挿入されると、前記第1の通信ユニット(202)が前記ポート(303)の外部に位置付けられるように構成された、複数の第1の通信ユニット(202)と、
複数の第2の通信ユニット(401)であって、前記第2の通信ユニット(401)の少なくとも一部分は前記ポート(303)のうちの1つにそれぞれ対応し、前記第2の通信ユニット(401)及び前記対応する第1の通信ユニット(202)は、非接触方式で互いに通信するように構成されている、複数の第2の通信ユニット(401)と、
前記第1の通信ユニット(202)と前記第2の通信ユニット(401)との少なくとも一部分の間の通信を制御し、読み取り、書き込むように構成された1つ以上の制御モジュール(601)と、を備える、ケーブリング管理システム。
【請求項2】
前記制御モジュール(601)及び前記第2の通信ユニット(401)が取り付けプレート(600)上に配置されており、前記取り付けプレートは前記配線フレームワークに取り外し可能に固定されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御モジュール(601)が、
前記複数の第2の通信ユニットに接続されており、前記第1の通信ユニットから情報を読み取り、及び/又は前記第1の通信ユニット内に情報を書き込むように構成された読み取り−書き込み回路(604)と、
前記読み取り−書き込み回路に接続されており、前記第2の通信ユニットと前記第1の通信ユニットとの間の通信を制御し、前記第1の通信ユニットのための前記読み取り−書き込み回路による情報の読み取り及び書き込みを制御するように構成された制御回路(605)と、を備え、
前記制御回路(605)が、前記インジケータ素子(304)の有効化及び無効化を制御するように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の通信ユニット(202)が無線周波数識別タグであり、前記第2の通信ユニット(401)が無線周波数識別アンテナである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の通信ユニット(401)及び/又は前記第1の通信ユニット(202)に信号増強素子(403)が更に設けられている、請求項1又は4に記載のシステム。
【請求項6】
前記信号増強素子(403)がフェライト層を備含む、請求項5に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はケーブリング管理技術の分野に関し、特に、配線フレームワークにおいて用いるためのアップグレード可能ケーブリング管理システム、配線フレームワーク、及びケーブルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ブロードバンドネットワークの発展と普及に伴い、ネットワーク管理者は大規模又は超大規模ネットワークケーブリングの管理にさらされている。現在、通信機械室及びデータセンターのような適用シナリオでは、配線フレームワークはクロス接続モード及び直接接続モードを主に採用している。クロス接続モードは、スイッチからエンドユーザまでのリンク接続を実施するために、2つの配線フレームワークが用いられる接続モードを指す。このモードでは、一方の配線フレームワークの後端部におけるポートはスイッチ上の対応するポートにそれぞれ接続されており、他方の配線フレームワークの後端部におけるポートはエンドユーザの対応するポートにそれぞれ接続されており、2つの配線フレームワークは、リンク全体の接続を実施するためにジャンパ方式を採用している。直接接続モードは、スイッチからエンドユーザへのリンク接続を実施するために、1つの配線フレームワークが採用される接続モードを指す。このモードでは、ジャンパの一方の端部はスイッチに直接接続されており、ジャンパの他方の端部は配線フレームワークの前端部に接続されており、その後、配線フレームワークの後端部はエンドユーザに接続されている。しかし、どちらのモードにせよ、ケーブリングシステムの管理はネットワークの発展に後れを取っている。
【0003】
従来のケーブリング管理システムでは、ポート情報が紙に書かれ、その後、バックグラウンド管理コンピュータ内に手動で記録される必要がある。このプロセスの間に、人間の間違いによって実際の接続がバックグラウンド管理コンピュータ内に記録された情報と食い違うことが非常によくある。加えて、通信機械室及びデータセンターのような適用シナリオでは、ケーブリングは非常に混沌とし、それゆえ、通信機械室内のポートの使用率を正確に知ることは困難である。例えば、どのポートが使用中であり、どのポートが使用されていないのかを把握することは困難である。特に、ケーブリング全体が変更される際には、スイッチと配線フレームワークとの間のネットワーク接続が変更される必要があり、このプロセスの間に、間違いが容易に生じ得る。
【0004】
上述の技術的問題を解決するために、インテリジェントケーブリング管理に応える技術的解決策が提案されている。
【0005】
1つの現在広く行われている解決策は、接触型のインテリジェントケーブリング管理システムである。この技術的解決策では、専用の9ピン若しくは10ピンケーブル又はアダプタが用いられる。しかし、このような専用のケーブル及びアダプタは、ユーザにとって交換のコスト及び難しさを増大させる。
【0006】
代替的に、無線周波数識別(radio frequency identification、RFID)技術を用いる非接触式の技術的解決策が存在する。しかし、RFID技術に基づくほとんどの技術的解決策では、RFIDタグはジャンパのコネクタ内に直接配置されている。これらの技術的解決策では、RFIDタグが損傷を受け、新しいものと交換されることが必要になった場合には、タグを備えるケーブルも交換される必要があり、これにより、コストが増大し、ケーブル資源の浪費が生じる。RFID技術が金属遮蔽アダプタ内で用いられる場合には、コネクタ内に配置されたタグからのRFID信号が金属によって遮蔽されており、RFIDリーダとRFIDタグとの間の通信障害を生じさせ得るため、更なる課題が生じる。
【0007】
加えて、従来のインテリジェントケーブリング管理システムは概して、能動的な制御モジュールと受動的な配線フレームワークとが統合された設計を採用している。そのため、ユーザが、初期設計段階ではインテリジェントケーブリング管理の使用を計画していないが、システムのアップグレードとともにインテリジェントケーブリング管理システムへ切り替えたいと望む場合には、初期システムに基づくアップグレードは不可能になり得る。この場合にシステムをアップグレードする唯一の方法は、ネットワーク接続を中断し、その後、通信機械室内の全ての配線フレームワークを交換することであろう。これはコストを増大させるのみでなく、使用にも不自由を生じさせる。
【0008】
上述のことに鑑みて、改善されたケーブリング管理システム、及びアップグレード可能配線フレームワークが望まれる。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、関連技術における少なくとも1つ以上の技術的問題を克服又は低減することに向けられている。
【0010】
本発明の少なくとも1つの目的は、配線フレームワーク上のポートにおけるケーブルコネクタの通信ユニットを、ネットワーク接続を中断することなく、追加、低減、及び交換する能力を有する、改善されたケーブリング管理システムを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、金属アダプタによる信号遮蔽を受けるケーブルコネクタ内の通信ユニットの関連技術における欠点を克服する能力を有する、改善されたケーブリング管理システムを提供することである。
【0012】
本発明の更なる目的は、通信信号が高信頼性で安定し、維持コストが低く、取り付け及び使用の勝手がよい、改善されたケーブリング管理システムを提供することである。
【0013】
本発明の更に別の目的は、ケーブルコネクタ内の通信ユニットが金属アダプタによる信号遮蔽を受けるという関連技術における欠点を克服する能力を有する、ケーブルコネクタを提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、配線フレームワーク上のポートにおけるケーブルコネクタの通信ユニットの、ネットワーク接続を中断することのない、追加、低減、及び交換の能力を有する、アップグレード可能配線フレームワークを提供することである。
【0015】
本発明の更に別の目的は、ケーブルコネクタ内の通信ユニットが金属アダプタによる信号遮蔽を受けるという関連技術における欠点を克服する能力を有する、アップグレード可能配線フレームワークを提供することである。
【0016】
本発明の更なる目的は、通信信号が高信頼性で安定し、維持コストが低く、取り付け及び使用の勝手がよい、アップグレード可能配線フレームワークを提供することである。
【0017】
本発明の第1の態様によれば、ケーブルコネクタに接続されるように適合された複数のポートを有する配線フレームワークであって、ポートの少なくとも一部分に対応して、ケーブルコネクタとの対応するポートの相互接続状態を指示するように適合されたインジケータ素子が配線フレームワーク上に配置されている、配線フレームワークと、対応するケーブルコネクタにそれぞれ取り外し可能に固定された複数の第1の通信ユニットであって、ケーブルコネクタがポート内に挿入されると、第1の通信ユニットがポートの外部に位置付けられるように構成された、複数の第1の通信ユニットと、複数の第2の通信ユニットであって、第2の通信ユニットの少なくとも一部分はポートのうちの1つにそれぞれ対応し、第2の通信ユニット及び対応する第1の通信ユニットは、非接触方式で互いに通信するように構成されている、複数の第2の通信ユニットと、第1の通信ユニットと第2の通信ユニットとの少なくとも一部分の間の通信を制御し、読み取り、書き込むように構成された1つ以上の制御モジュールと、を備える、ケーブリング管理システムが提供される。
【0018】
更に、ポートの少なくとも一部分に対応して、取り付け開口部は配線フレームワーク上に配置されており、取り付け開口部はポートの下方部分又は上方部分に配置されていると共に、ポートから特定の距離をおいて離間配置されている。
【0019】
具体的には、ケーブルコネクタに、このケーブルコネクタに取り外し可能に固定されたジャケットが設けられており、第1の通信ユニットはジャケットの底部プレートに固定されており、底部プレートは、対応するポートにおける取り付け開口部を貫通する。より具体的には、ジャケットは、受容構造体であって、ケーブルコネクタが受容構造体内に少なくとも部分的に受容されるように構成された、受容構造体を備える。
【0020】
いくつかの特定の実施形態では、両端部においてケーブルコネクタを有するケーブルに対して、1対の取り外し可能に接続されたジャケットが提供されており、1対のジャケットに、互いに嵌合する1対の第1の通信ユニットがそれぞれ設けられている。例えば、1対のジャケットのうちの一方に、1対のジャケットのうちの他方の柱状部分及び/又は柱状開口部内に挿入可能である柱状開口部及び/又は柱状部分が設けられている。
【0021】
更に、制御モジュールは読み取り−書き込み回路及び制御回路を備え、読み取り−書き込み回路は複数の第2の通信ユニットに接続されており、第1の通信ユニットから情報を読み取り、及び/又は第1の通信ユニット内に情報を書き込むように構成されており、制御回路は読み取り−書き込み回路に接続されており、第2の通信ユニットと第1の通信ユニットとの間の通信を制御し、第1の通信ユニットのための読み取り−書き込み回路による情報の読み取り及び書き込みを制御するように構成されている。
【0022】
具体的には、制御モジュール及び第2の通信ユニットは配線フレームワークに取り外し可能に固定されている。いくつかの特定の実施形態では、制御モジュール及び第2の通信ユニットは取り付けプレート上に配置されており、取り付けプレートは配線フレームワークに取り外し可能に固定されている。いくつかの特定の実施形態では、制御回路は、インジケータ素子の有効化及び無効化を制御するように更に構成されている。
【0023】
いくつかの特定の実施形態では、第1の通信ユニットは無線周波数識別タグであり、第2の通信ユニットは無線周波数識別アンテナである。好ましくは、第2の通信ユニット及び/又は第1の通信ユニットに信号増強素子が更に設けられている。例えば、信号増強素子はフェライト層を備える。
【0024】
本発明の諸実施形態に係るケーブリング管理システムは制御ユニットを更に備えてもよく、制御ユニットは制御モジュールと通信し、制御モジュールの管理を実行するように構成されている。いくつかの特定の実施形態では、制御ユニットは、インジケータ素子及び制御モジュールに対して電力を供給するように更に構成されていてもよい。
【0025】
本発明の諸実施形態に係るケーブリング管理システムは中央管理ユニットを更に備えてもよく、中央管理ユニットは、制御ユニットをネットワーク通信方式で制御するように構成されており、人間−コンピュータ対話機能を有する。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、本体及びジャケットを備えるケーブルコネクタであって、本体は、データ通信を実施するために配線フレームワーク上のポートと通信するように構成されており、ジャケットはケーブルコネクタの本体上に取り外し可能に取り付けられている、ケーブルコネクタが提供される。
【0027】
いくつかの特定の実施形態では、ジャケットは、受容構造体、及び受容構造体と平行に配置された底部プレートを備え、受容構造体は、ケーブルコネクタの本体を受容構造体内に少なくとも部分的に受容するように構成されている。底部プレートに第1の通信ユニットが設けられており、第1の通信ユニットは無線周波数識別タグを備える。
【0028】
いくつかの特定の実施形態では、両端部においてケーブルコネクタを有するケーブルに対して、1対の取り外し可能に接続されたジャケットが提供されており、1対のジャケットに、互いに嵌合する1対の第1の通信ユニットがそれぞれ設けられている。例えば、1対のジャケットのうちの一方に、1対のジャケットのうちの他方の柱状部分及び/又は柱状開口部内に挿入可能である柱状開口部及び/又は柱状部分が設けられている。
【0029】
本発明の第3の態様によれば、アップグレード可能配線フレームワークが提供される。配線フレームワークは、ケーブルコネクタに接続されるように適合された複数のポートを有する。ポートの少なくとも一部分に対応して、取り付け開口部、及びケーブルコネクタとの対応するポートの相互接続状態を指示するように適合されたインジケータ素子が配線フレームワーク上に配置されており、取り付け開口部はポートの下方部分又は上方部分に配置されていると共に、ポートから特定の距離をおいて離間配置されている。
【0030】
いくつかの特定の実施形態では、取り付け開口部は、対応するポートのジャケットに対応し、第1の通信ユニットを有する構造体の一部分を、取り付け開口部を貫通させるように適合されて、第1の通信ユニットはポートの外部に位置付けられる。
【0031】
本発明の諸実施形態に係るアップグレード可能配線フレームワークは、取り付けプレート、並びに取り付けプレート上に配置された複数の第2の通信ユニット及び1つ以上の制御モジュールを更に備え、取り付けプレートは配線フレームワークに取り外し可能に固定されており、第2の通信ユニットの少なくとも一部分はポートのうちの1つにそれぞれ対応し、第2の通信ユニット及び対応する第1の通信ユニットは、非接触方式で互いに通信するように構成されており、制御モジュールは、第1の通信ユニットと第2の通信ユニットとの少なくとも一部分の間の通信を制御し、読み取り、書き込むように構成されている。
【0032】
本発明の諸実施形態は少なくとも以下の技術的効果を達成する。
【0033】
上述のことから分かるように、本発明の実施形態において提供されるインテリジェントケーブリング管理システム、ケーブルコネクタ、及びアップグレード可能配線フレームワークによれば、ユーザがケーブリングシステムの初期設置時に予算又は技術概念などの要因によって完全なインテリジェントケーブリング管理システムを採用しない場合には、ユーザは、一般のケーブル及びそれらのケーブルコネクタ、並びに、本発明の諸実施形態において提供されるインジケータ素子及び取り付け開口部を有する配線フレームワークを用い、従来のケーブリング管理を実施し得る。これはユーザに対してコストを効果的に低減し得る。インテリジェントケーブリング管理システムが将来において所望される場合には、ユーザは、第1の通信ユニット(無線周波数識別タグ)を有するジャケットを、配線フレームワークに接続されたケーブルコネクタに取り付け、それと同時に、第2の通信ユニット(無線周波数アンテナ)、読み取り−書き込み回路、及び制御回路を有する制御モジュールを、固定部材を介して配線フレームワークに固定して取り付けるだけでよい。それゆえ、ユーザは、ネットワーク接続の中断を生じさせることなく、配線フレームワークのアップグレードを実施し得る。加えて、管理及び制御は、周辺インテリジェント制御ユニット及び中央管理ユニットを用いることによって実施されてもよい。このように、従来の配線フレームワークは、本発明の実施形態に係るインテリジェントケーブリング管理システムへと、便利に、迅速に、確実に、且つ安定的にアップグレードされ得る。加えて、第1の通信ユニット(無線周波数識別タグ)が金属アダプタの外部に配置されているため、無線周波数信号は金属アダプタによって遮蔽されなくなり得る。更に、実際の必要に従って、無線周波数識別アンテナの読み取り−書き込み距離を増大させ、金属アダプタによって無線周波数信号に対して生じる影響を低減するために、フェライト材料で作製された信号増強素子が第2の通信ユニット(無線周波数識別アンテナ)又は第1の通信ユニット上に追加的に配置されてもよい。
【0034】
したがって、本発明の諸実施形態において提供されるインテリジェントケーブリング管理システムは、紙の文書を必要とすることなく大量のデータ処理を実行する能力を有し、それゆえ、人の犯す誤りの発生率、及び作業量を効果的に低減する。加えて、本発明の実施形態において提供されるインテリジェントケーブリング管理システムはポートの状態を更に監視し、ポートの使用率についての統計値を収集してもよく、これにより、ポートを十分活用する。無許可の動作又は例外的な動作を検出した場合には、システムは、例外を禁止するための警告を生成してもよい。
【0035】
本発明によって達成され得るその他の目的及びその他の技術的効果を、以下の特定の実施形態において、特定の実施形態の説明及び添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明の上述及びその他の目的、特徴、及び利点を、明確に、より理解しやすくするために、添付の図面及び特定の実施形態を参照して本発明を詳細に説明する。
【
図1A】本発明の一実施形態に係るケーブリング管理システムにおける配線フレームワークに関する3次元図及び正面図をそれぞれ例示的に示す。
【
図1B】本発明の一実施形態に係るケーブリング管理システムにおける配線フレームワークに関する3次元図及び正面図をそれぞれ例示的に示す。
【
図2A】第1の通信ユニットが、本発明の一実施形態に係るケーブリング管理システムにおけるジャケットを介してケーブルコネクタ内に取り付けられるシナリオを示す概略構造図及び分解構造図をそれぞれ例示的に示す。
【
図2B】第1の通信ユニットが、本発明の一実施形態に係るケーブリング管理システムにおけるジャケットを介してケーブルコネクタ内に取り付けられるシナリオを示す概略構造図及び分解構造図をそれぞれ例示的に示す。
【
図3A】ケーブルコネクタにおいて使用するためのジャケットの正面図及び3次元図、並びに本発明の一実施形態に係るケーブリング管理システムにおける1対のジャケットの状態図をそれぞれ例示的に示す。
【
図3B】ケーブルコネクタにおいて使用するためのジャケットの正面図及び3次元図、並びに本発明の一実施形態に係るケーブリング管理システムにおける1対のジャケットの状態図をそれぞれ例示的に示す。
【
図3C】ケーブルコネクタにおいて使用するためのジャケットの正面図及び3次元図、並びに本発明の一実施形態に係るケーブリング管理システムにおける1対のジャケットの状態図をそれぞれ例示的に示す。
【
図4】本発明の一実施形態に係るケーブリング管理システムにおける配線フレームワーク内の1つのポートにおける第1の通信ユニットと第2の通信ユニットとの間の相対位置の概略構造図を例示的に示す。
【
図5】ケーブリング管理システムにおける第1の通信ユニット及びケーブルコネクタが両方とも本発明の一実施形態に係る配線フレームワーク内に取り付けられるシナリオを示す概略構造図を例示的に示す。
【
図6】制御モジュールが、本発明の一実施形態に係るケーブリング管理システムにおける配線フレームワーク内に取り付けられていないシナリオを示す概略構造図を例示的に示す。
【
図7】制御モジュールが、本発明の一実施形態に係るケーブリング管理システムにおける配線フレームワーク内に取り付けられているシナリオを示す概略構造図を例示的に示す。
【
図8】本発明の一実施形態に係るケーブリング管理システムの全体アーキテクチャ図を例示的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の特定の実施形態が以下において詳細に説明される。添付の図面に、特定の実施形態における実施例が示されている。同じ参照符号は同じ、又は類似の要素を示す。添付の図面を参照して説明される特定の実施形態は全て例示的なものであり、本発明を図解し、解説するように意図されているが、これにより、本発明に対する限定が生じると解釈されてはならない。
【0038】
図1〜
図8を参照すると、本発明の一実施形態は、ネットワークケーブリングに対して適用可能である、インテリジェントケーブリング管理システム、アップグレード可能配線フレームワーク、及び配線フレームワークに対して用いられるケーブルコネクタを提供する。
【0039】
本発明の実施形態によれば、
図1A及び
図1Bを参照すると、インテリジェントケーブリング管理システムは、配線フレームワーク102と、複数の第1の通信ユニット202と、複数の第2の通信ユニット401と、1つ以上の制御モジュール601とを備える。配線フレームワーク102は、ケーブルコネクタ203に接続されるように適合された複数のポート303を有し、ポート303の少なくとも一部分に対応して、ケーブルコネクタ203との対応するポート303の相互接続状態を指示するように適合されたインジケータ素子304(例えば、LEDインジケータ)が配線フレームワーク102上に配置されている。複数の第1の通信ユニット202は、対応するケーブルコネクタ203にそれぞれ取り外し可能に固定されており、ケーブルコネクタ203がポート303内に挿入されると、第1の通信ユニット202がポート303の外部に位置付けられるように構成されている。ポート303の少なくとも一部分には、対応する第2の通信ユニット401がそれぞれ設けられており、第2の通信ユニット401及び対応する第1の通信ユニット202は、非接触方式で互いに通信するように構成されている。理想的状況下においては、設けられる第2の通信ユニット401の数は配線フレーム102上のポート303の数と同じであってもよい。具体的には、ポート303の各々が第2の通信ユニット401に対応する(例えば、
図5〜
図7参照)。制御モジュール601は、第1の通信ユニット202と第2の通信ユニット401との少なくとも一部分の間の通信を制御し、読み取り、書き込むように構成されている。本発明の諸実施形態に係るインテリジェントケーブリング管理システムでは、配線フレームワーク102に、通信ユニット(例えば、以下の実施形態において説明される第1の通信ユニット202及び第2の通信ユニット401)、並びに実際の必要に従って通信ユニット間の通信を制御するように構成された制御モジュール602が設けられてもよい。
【0040】
図1A及び
図1Bに示されるように、ポート303の少なくとも一部分に対応して、取り付け開口部301が配線フレームワーク102上に配置されている。具体的には、取り付け開口部301はポート303の下方部分又は上方部分に配置されていてもよく、ポート303から特定の距離をおいて離間配置されていてもよい。例えば、
図1A及び
図1Bに示されるとおりの特定の実施形態では、取り付け開口部301はポート303の下方部分に配置されている。
【0041】
図2A〜
図2B、及び
図3A〜
図3Cに示されるように、ケーブルコネクタ203にジャケット201が提供される。ジャケット201はケーブルコネクタ203に取り外し可能に固定されており、第1の通信ユニットはジャケット201の底部プレート2014に固定されており、底部プレート2014は、対応するポートにおける取り付け開口部301を貫通する。
【0042】
例えば、
図3A〜
図3Cに示されるように、ジャケット201は受容構造体2011を備えてもよく、受容構造体2011は、ケーブルコネクタ203が受容構造体2011の内部に少なくとも部分的に受容されるように構成されていてもよい。受容構造体2011は、ケーブルコネクタ203が受容構造体2011内に少なくとも部分的に受容されるように、ケーブルコネクタの異なる形状に適合する異なる形状に設計されてもよい。例えば、
図3A及び
図3Bに示されるとおりの受容構造体2011は、
図3Cに示されるとおりの受容構造体2011と異なる形状を採用している。加えて、
図3A〜
図3Cに示されるように、配線フレームワークに接続された複数のケーブル204の管理及び区別を容易にするために、両端部においてケーブルコネクタ203を有するケーブル204に対して、1対の取り外し可能に接続されたジャケット201が提供されており、1対のジャケット201に、互いに嵌合する1対の第1の通信ユニット202がそれぞれ設けられている。1対のジャケット201は任意の好適な機械的構造体を介して互いに取り外し可能に接続されてもよい。例えば、
図3A〜
図3Cに示されるとおりの実施形態では、1対のジャケット201のうちの一方に、1対のジャケット201のうちの他方の柱状部分2012及び/又は柱状開口部2013内に挿入可能である柱状開口部2013及び/又は柱状部分2012が設けられている。具体的には、1対のジャケット201は、柱状開口部2013と柱状部分2012との間の嵌合を介して互いに取り外し可能に接続されてもよい。
【0043】
本発明のいくつかの特定の実施形態によれば、
図2A〜
図2B及び
図4に示されるように、インテリジェントケーブリング管理システムにおいて、第1の通信ユニット202は無線周波数識別タグであり、第2の通信ユニット401は無線周波数識別アンテナであり、無線周波数識別タグ202及び無線周波数識別アンテナ401は無線周波数技術を介して互いに通信する。
【0044】
図面に示されるとおりの特定の実施形態では、第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)はジャケット201を介してケーブルコネクタ203上に配置されている(
図2A及び
図2B参照)。したがって、ケーブルコネクタ203が配線フレームワーク102上のポート303内に挿入されると、第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)は配線フレームワーク102上の取り付け開口部301内に同時に取り付けられる。この場合には、第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)は、ケーブルコネクタ203に対応する金属アダプタ402の外部に配置される。このように、たとえ、金属アダプタ402が用いられていても、第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)は金属アダプタ402の外部に配置されるため、通信ユニット202からの無線周波数信号は金属アダプタ402によって遮蔽されなくなり得る。
【0045】
加えて、
図2A及び
図2B並びに
図4に示されるように、第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)がジャケット201上に配置されているため、第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)は、ケーブル204及びケーブルコネクタ203をポート303から取り外すことなく、ケーブルコネクタ203内に便利に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、
図4に示されるように、無線周波数信号を増強するために、フェライト材料で作製された信号増強素子403が第2の通信ユニット401(無線周波数識別アンテナ)の下方部分に追加的に配置されてもよい。このようにして、第2の通信ユニット401(無線周波数識別アンテナ)の読み取り−書き込み距離を増大させることが可能であり、それゆえ、金属アダプタ402によって無線周波数信号に対して生じる影響を低減させることが可能である。
【0046】
図6及び
図7に示されるように、インテリジェントケーブリング管理システムにおいて、制御モジュール601は読み取り−書き込み回路604及び制御回路605を備える。読み取り−書き込み回路604は、複数の第2の通信ユニット401に接続されており、第1の通信ユニット202から情報を読み取り、及び/又は第1の通信ユニット202内に情報を書き込むように構成されている。制御回路605は、読み取り−書き込み回路604に接続されており、第2の通信ユニット401と第1の通信ユニット202との間の通信を制御し、第1の通信ユニット202のための読み取り−書き込み回路604による情報の読み取り及び書き込みを制御するように構成されている。それゆえ、上述されたように、制御モジュール601は、第1の通信ユニット202と第2の通信ユニット401との間の通信を制御し、読み取り、書き込むように構成されている。加えて、制御回路605は、インジケータ素子304の有効化及び無効化を制御するように更に構成されていてもよく、これにより、現場の作業員に対して実務を容易にする。
【0047】
更に、上述のケーブリング管理システムは制御ユニット101を更に備える。制御ユニット101は制御モジュール601と通信し、制御モジュール601の管理を実行するように構成されている。制御モジュール601の管理を実行することに加えて、制御ユニット101は、配線フレームワーク102の管理を実行するように更に構成されている。例えば、制御ユニット101は、配線フレームワーク102上のインジケータ素子304及び制御モジュール601に対して電力を供給するように構成されていてもよい。
【0048】
本発明の実施形態において提供されるインテリジェントケーブリング管理システムによれば、制御モジュール601及び第2の通信ユニット401は配線フレームワーク102に取り外し可能に固定されている。いくつかの特定の実施形態では、制御モジュール601及び第2の通信ユニット401は取り付けプレート600上に配置されており、取り付けプレート600は配線フレームワーク102に取り外し可能に固定されている。
【0049】
本発明の実施形態において提供されるインテリジェントケーブリング管理システムによれば、必要な場合には、第2の通信ユニット401(無線周波数識別アンテナ)、読み取り−書き込み回路604、及び制御回路605が配置されている制御モジュール601が、配線フレームワーク102上に機械的に取り外し可能に取り付けられてもよい。例えば、
図6及び
図7に示されるとおりの実施形態では、制御モジュール601は、締め金又はねじなどの固定部材602を介して配線フレームワーク102上に便利に取り付けられる。上述の設計を通じて、制御モジュール601は機械的構造の点から配線フレームワーク102とは独立に配置されており、本発明に係るアップグレード可能配線フレームワーク102のための設計基礎を規定し得る。
【0050】
図8を参照すると、本発明の実施形態において提供されるネットワークケーブリングにおいて用いるためのインテリジェントケーブリング管理システムでは、上述のインテリジェント制御ユニット101及び配線フレームワーク102に加えて、システムは中央管理ユニット104を更に備えてもよい。中央管理ユニット104は、制御ユニット101をイーサネット(登録商標)105などのネットワーク通信方式で制御するように構成されており、人間−コンピュータ対話機能を有する。例えば、中央管理ユニット104は、インテリジェント制御ユニット101に対する命令情報の送信を担当する。その一方で、インテリジェント制御ユニット101はケーブル103を介して配線フレームワーク102に接続されており、命令情報に従う配線フレームワーク102の管理の実行を担当する。
図8に示されるように、インテリジェント制御ユニット101は複数の配線フレームワーク102に同時に接続されており、これらの配線フレームワーク102を管理してもよい。
【0051】
加えて、本発明の一実施形態はアップグレード可能配線フレームワーク102を更に提供する。
図1A及び
図1Bに示されるように、配線フレームワーク102は、ケーブルコネクタ203に接続されるように適合された複数のポート303を有し、ポート303に対応して、取り付け開口部301、及びケーブルコネクタ203との対応するポート303の相互接続状態を指示するように適合されたインジケータ素子304(例えば、LEDインジケータ)が配線フレームワーク102上に配置されている。具体的には、取り付け開口部301はポート303の下方部分又は上方部分に配置されていてもよく、ポート303から特定の距離をおいて離間配置されていてもよい。取り付け開口部301は、対応するポート303のジャケット201に対応し、第1の通信ユニット202(例えば、図面に示されるとおりの実施形態における無線周波数識別タグ)を有する構造体の一部分を、取り付け開口部301を貫通させるように適合されて、第1の通信ユニット202はポート303の外部に位置付けられる。このように、第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)は、ケーブルコネクタ203に対応する金属アダプタ402の外部に配置される。
【0052】
図6及び
図7に示されるように、配線フレームワーク102は、取り付けプレート600、並びに取り付けプレート600上に取り付けられた複数の第2の通信ユニット401(図面に示されるとおりの実施形態における無線周波数アンテナ)及び1つ以上の制御モジュール601を更に備えてもよく、取り付けプレート600は配線フレームワーク102に取り外し可能に固定される。第2の通信ユニット401の少なくとも一部分はポート303のうちの1つにそれぞれ対応し、第2の通信ユニット401(無線周波数識別アンテナ)及び対応する第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)は、非接触方式で互いに通信するように構成されており、制御モジュール601は、第1の通信ユニット202と第2の通信ユニット401との少なくとも一部分の間の通信を制御し、読み取り、書き込むように構成されている。
【0053】
第2の通信ユニット401(無線周波数識別アンテナ)は制御モジュール601上に配置されており、第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)の各々及び対応する第2の通信ユニット401(無線周波数識別アンテナ)は非接触方式(本実施形態では無線周波数技術)で互いに通信する。読み取り−書き込み回路604は、複数の第2の通信ユニット401(無線周波数識別アンテナ)に接続されており、第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)から情報を読み取り、及び/又は第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)内に情報を書き込むように構成されている。制御回路605は、第2の通信ユニット401(無線周波数識別アンテナ)と第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)との間の通信を制御し、第2の通信ユニット401(無線周波数識別アンテナ)のための読み取り−書き込み回路604による情報の読み取り及び書き込みを制御するように構成されている。
【0054】
好ましくは、本発明の実施形態において提供されるアップグレード可能配線フレームワーク102では、制御回路605は、インジケータ素子304(本実施形態ではLEDインジケータ)の有効化及び無効化を制御するように更に構成されていてもよく、これにより、現場の作業員に対して実務を容易にする。
【0055】
好ましくは、本発明の実施形態上に提供されるアップグレード可能配線フレームワーク102では、
図4に示されるように、無線周波数信号を増強するために、フェライト材料で作製された信号増強素子403が第2の通信ユニット401(無線周波数識別アンテナ)の下方部分に追加的に配置されてもよい。このようにして、第2の通信ユニット401(無線周波数識別アンテナ)の読み取り−書き込み距離を増大させることが可能であり、それゆえ、金属アダプタ402によって無線周波数信号に対して生じる影響を低減させることが可能である。
【0056】
アップグレード可能配線フレームワーク102のその他の説明及び概論については、以上においてインテリジェントケーブリング管理システムについて与えられた詳細な説明及び例示が参照されてもよく、これらの説明及び例示は本明細書においてこれ以上説明されない。
【0057】
加えて、
図2A〜
図2B及び
図3A〜
図3Cに示されるように、本発明の一実施形態は、上述のアップグレード可能配線フレームワーク102において用いるためのケーブルコネクタ203を提供する。ケーブルコネクタ203は本体及びジャケット201を備える。本体は、データ通信を実施するために配線フレームワーク上のポート303と通信するように構成されており、ジャケット201はケーブルコネクタ203の本体上に取り外し可能に取り付けられている。具体的には、ジャケット201は、受容構造体2011、及び受容構造体2011と平行に配置された底部プレート2014を備え、受容構造体2011は、ケーブルコネクタ203の本体を受容構造体内に少なくとも部分的に受容するように構成されている。加えて、底部プレート2014に、第1の通信ユニット202(図面に示されるとおりの実施形態では、無線周波数識別タグ)が設けられている。上述されたように、両端部においてケーブルコネクタ203を有するケーブル204に対して、1対の取り外し可能に接続されたジャケット201が設けられており、1対のジャケット201に、互いに嵌合する対の第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)がそれぞれ設けられている。例えば、1対のジャケット201のうちの一方に、1対のジャケット201のうちの他方の柱状部分2012及び/又は柱状開口部2013内に挿入可能である柱状開口部2013及び/又は柱状部分2012が設けられている。ケーブルコネクタ203のその他の説明及び概論については、以上においてインテリジェントケーブリング管理システム及びアップグレード可能配線フレームワークについて与えられた詳細な説明及び例示が参照されてもよく、これらの説明及び例示は本明細書においてこれ以上説明されない。
【0058】
上述のことから分かるように、本発明の実施形態において提供されるアップグレード可能配線フレームワーク、及びそれに対して用いられるケーブルコネクタによれば、ユーザがケーブリングシステムの初期設置時に予算又は技術概念などの要因によって完全なインテリジェントケーブリング管理システムを採用しない場合には、ユーザは、一般のケーブル204及びそれらのケーブルコネクタ203、並びに、本発明の諸実施形態において提供されるインジケータ素子304及び取り付け開口部301を有する配線フレームワーク102を用い、従来のケーブリング管理を実施することができる。これはユーザに対してコストを効果的に低減し得る。インテリジェントケーブリング管理システムが将来において所望された場合には、ユーザは、第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)を有するジャケット201を、配線フレームワーク102に接続されたケーブルコネクタ203に取り付け、それと同時に、第2の通信ユニット401(無線周波数アンテナ)、読み取り−書き込み回路604、及び制御回路605を有する制御モジュール601を、固定部材602を介して配線フレームワーク102に固定して取り付けるだけでよい。それゆえ、ユーザは、ネットワーク接続の中断を生じさせることなく、配線フレームワーク102のアップグレードを実施し得る。加えて、管理及び制御は、周辺インテリジェント制御ユニット101及び中央管理ユニット104を用いることによって実施されてもよい。このように、従来の配線フレームワークは、本発明の実施形態に係るインテリジェントケーブリング管理システムへと、便利に、迅速に、確実に、且つ安定的にアップグレードされ得る。加えて、第2の通信ユニット401(無線周波数識別タグ)が金属アダプタ402の外部に配置されているため、無線周波数信号は金属アダプタ402によって遮蔽されなくなり得る。更に、実際の必要に従って、無線周波数識別アンテナ401の読み取り−書き込み距離を増大させ、金属アダプタによって無線周波数信号に対して生じる影響を低減するために、フェライト材料で作製された信号増強素子が第2の通信ユニット401(無線周波数識別アンテナ)又は第1の通信ユニット202(無線周波数識別タグ)上に追加的に配置されてもよい。
【0059】
したがって、本発明の諸実施形態において提供されるインテリジェントケーブリング管理システムは、紙の文書を必要とすることなく大量のデータ処理を実行する能力を有し、それゆえ、人間の間違いの発生率、及び作業量を効果的に低減する。加えて、本発明において提供されるインテリジェントケーブリング管理システムはポートの状態を更に監視し、ポートの使用率についての統計値を収集してもよく、これにより、ポートを十分活用する。無許可の動作又は例外的な動作を検出した場合には、システムは、例外を禁止するための警告を生成してもよい。
【0060】
本発明の上述の特定の実施形態は単に本発明の原理及び効果を例示的に説明しているにすぎず、本発明を限定することを意図されていない。当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明に対してなされる任意の変形及び改善は全て本発明の範囲内に含まれることを理解するべきである。本発明の保護範囲は本発明の添付の請求項によって定義されるべきである。