特許第6390026号(P6390026)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6390026
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】食材成形台、食品成形装置
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20180910BHJP
【FI】
   A23L7/10 G
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-141508(P2014-141508)
(22)【出願日】2014年7月9日
(65)【公開番号】特開2016-15932(P2016-15932A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2017年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(72)【発明者】
【氏名】沼辺 淳志
(72)【発明者】
【氏名】細金 隆
(72)【発明者】
【氏名】三村 聡
(72)【発明者】
【氏名】内田 淳也
【審査官】 坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−045990(JP,A)
【文献】 特開2006−151593(JP,A)
【文献】 実開平05−027091(JP,U)
【文献】 特開平05−292933(JP,A)
【文献】 特開2001−197867(JP,A)
【文献】 特開2008−211991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/10
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/WPIDS/BIOSIS/FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の食材を成形する食材成形台であり、
前記食材が載置される側の面である載置面を備えるベースと、
前記載置面上を前記食材の巻き取り方向に摺動可能な状態で前記載置面に載置されて、前記載置面上における前記食材の位置を画定するガイドと、を有し、
前記ガイドは、前記ベースとの近接部に設けられているガイド側固定部を備え、
前記ベースは、前記ガイドとの近接部に設けられているベース側固定部と、前記ガイドの横ずれを規制するガイド規制部とを備え、
前記ガイド側固定部と前記ベース側固定部は、一方が磁石であり、他方が磁石または磁性体である、食材成形台。
【請求項2】
前記ベース側固定部は、前記ベースへの取り付け位置を変更可能である、
請求項1記載の食材成形台。
【請求項3】
前記ベース側固定部は、前記食材の寸法に対応して前記載置面に沿って複数設けられている、
請求項1または2記載の食材成形台。
【請求項4】
前記ベース側固定部は、前記食材の長さ方向に亘り設けられている、
請求項1記載の食材成形台。
【請求項5】
前記ベース側固定部は、ベースの、載置面とは反対側の面に設けられている、
請求項1乃至4のいずれかに記載の食材成形台。
【請求項6】
前記ガイド側固定部は、磁性体であり、
前記ベース側固定部は、磁石である、
請求項1乃至5のいずれかに記載の食材成形台。
【請求項7】
前記ガイド側固定部と前記ベース側固定部は、ともに磁石である、
請求項1乃至5のいずれかに記載の食材成形台。
【請求項8】
前記ガイド側固定部は、磁石であり、
前記ベース側固定部は、磁性体である、
請求項1乃至5のいずれかに記載の食材成形台。
【請求項9】
前記ガイド規制部は、ベース側方の両端に設けられている
請求項1乃至8のいずれかに記載の食材成形台。
【請求項10】
前記ガイド規制部は、ベース中央軸に対して線対称に2本設けられている
請求項1乃至8のいずれかに記載の食材成形台。
【請求項11】
前記ガイド規制部は、前記ベースから突起している、
請求項9または10に記載の食材成形台。
【請求項12】
前記ガイドは、さらにガイド規制補助部を有し、
前記ガイド規制部は、磁性体又は磁石であり、
前記ガイド規制補助部は、磁石である、
請求項9乃至11に記載の食材成形台。
【請求項13】
前記ガイドは、さらに規制補助部を有し、
前記ガイド規制部は、磁石であり、
前記ガイド規制補助部は、磁性体又は磁石である、
請求項9乃至11に記載の食材成形台。
【請求項14】
前記ベース固定部は、前記ガイド規制部を兼ねている
請求項12又は13に記載の食材成形台。
【請求項15】
板状の食材を巻き取ることにより、筒状の食品を成形する食品成形装置であり、
前記板状の食材は、請求項1乃至14のいずれかに記載の食材成形台により成形される、食品成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の食材を成形する食材成形台と、板状の食材を成形する食品成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば巻き寿司のような板状の食材を巻き取り成形される棒状の食品に用いられる板状の食材を成形する、食品成形装置が知られている。
【0003】
ここで、食品成形装置は、装置の内部に、板状に加工する食材としてのすし飯の撹拌部と、撹拌されたすし飯を板状に圧延する圧延部を有する。
【0004】
撹拌部は、すし飯を撹拌して、撹拌部の下方にある圧延部にすし飯を送り出す。圧延部は、複数の圧延ローラを備える。複数の圧延ローラが一対となって回転駆動されることにより、すし飯は圧延されながら送り出される。成形部は、圧延部により圧延されたすし飯を板状に成形する。
【0005】
図11は、従来の食品成形装置の成形部の一例を示す斜視図である。同図に示すように、食品成形装置において、食材を板状に成形する成形部300は、載置面を備えるベース90と、載置面における食材の位置を画定するガイド100と、を有する。
【0006】
板状の食材を成形する場合に、ベース90には食材として海苔と米飯が載置される。このとき、ベース90にはガイド100が載置され、ガイド100によって海苔の位置が画定される。海苔の位置が画定された後、ベース90には、圧延部から圧延された米飯が板状に載置される。このような食品成形装置において、海苔を敷く際に目印となるガイド部を有し、ガイド部を固定するネジを緩めることにより、海苔の大きさに合わせて位置を変えることができる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
図12は、従来の食品成形装置の成形部におけるガイド100の固定位置の例を示す斜視図である。同図に示すように、長孔110に通されたネジ110でガイド100がベース90に締着されることにより、ガイド100の載置面上の位置が固定される。ガイド100は、ネジ110を緩めて移動させた後改めてネジ110を締着することにより、海苔の大きさに対応して載置面上の固定位置を変更できる。
【0008】
図13は、従来の食品成形装置の成形部のベース90を示す斜視図である。同図に示すように、従来の食品成形装置の成形部のベース90には、ガイド100をネジで締着するためのネジ穴91が設けられている。一方、ガイド100には、図12に示すように、板状の食材の圧延方向を長手方向とした長孔120が設けられている。長孔120の幅は、ネジ110が通過することができる幅になっている。
【0009】
以上説明した従来の食品成形装置の成形部は、ガイド100に長孔120が設けられていることにより、ベース90の載置面上におけるガイドの固定位置を自在に画定することができる。
【0010】
しかしながら、特許文献1に代表される従来の食品成形装置の成形部は、ガイド100の位置を移動させるためにネジ110を緩める必要がある。そのため、ガイド100の位置合わせの操作が煩雑であるという問題がある。
【0011】
また、従来の食品成形装置の成形部には、ベース90の載置面にネジ穴91が設けられている。そのため、ネジ穴91には、食材が目詰まりしやすい。したがって、このような食品成形装置では、清掃性が悪く、ベース90を衛生的な状態に保ちづらいという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−45990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、清掃性が良く、食材の載置面を衛生的に保ちつつ食材の位置合わせの操作を容易にすることができる食材成形台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、板状の食材を成形する食材成形台であり、食材が載置される側の面である載置面を備えるベースと、載置面上を前記食材の巻き取り方向に摺動可能な状態で載置面に載置されて、載置面上における食材の位置を画定するガイドと、を有し、ガイドは、ベースとの近接部に設けられているガイド側固定部を備え、ベースは、ガイドとの近接部に設けられているベース側固定部と、前記ガイドの横ずれを規制するガイド規制部とを備え、ガイド側固定部とベース側固定部は、一方が磁石であり、他方が磁石または磁性体である
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、清掃性が良く、食材の載置面を衛生的に保ちつつ食材の位置合わせの操作を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る食品成形装置の実施の形態を示す斜視図である。
図2】本発明に係る食材成形台の実施の形態を示す平面図である。
図3図2の食材成形台のベースを示す斜視図である。
図4図2の食材成形台を示す断面図である。
図5】ガイド規制部の応用例を示すベースの斜視図である。
図6】ガイド規制部の別の応用例を示すベースの斜視図である。
図7図2の食材成形台のベースとガイドとの固定位置の例を示す斜視図である。
図8図2の食材成形台のベースとガイドとの別の固定位置の例を示す斜視図である。
図9図2の食材成形台のガイドの別の例を示す平面図である。
図10図2の食材成形台のベースの別の例を示す斜視図である。
図11】従来の食品成形装置の成形部の一例を示す斜視図である。
図12】従来の食品成形装置の成形部におけるガイドの固定位置の例を示す斜視図である。
図13】従来の食品成形装置の成形部のベースを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る食品成形装置と食材成形台の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
●食品成形装置●
図1は、本発明に係る食品成形装置の実施の形態を示す斜視図である。同図に示すように、食品成形装置1は、板状の食材を成形する。板状の食材とは、巻き寿司のような巻き取ることで筒状の食品を形成する食材である。食品成形装置1は、食材としてのすし飯を収容するホッパー2を有する。
【0019】
また、食品成形装置1は、装置の内部にすし飯の撹拌部(不図示)と、撹拌されたすし飯を板状に圧延する圧延部(不図示)を有する。撹拌部は、ホッパー2の下方に配置され、ホッパー2内のすし飯を撹拌して、圧延部にすし飯を送り出す。
【0020】
圧延部は、一対の圧延ローラを複数組備える(不図示)。一対の圧延ローラが回転駆動されることにより、すし飯は板状に圧延されながら送り出される。
【0021】
食品成形装置1は、圧延部により圧延されたすし飯を板状に成形する食材成形台3を有する。
【0022】
●食材成形台(1)●
次に、本発明に係る食材成形台の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図2は、本発明に係る食材成形台の実施の形態を示す平面図である。同図に示すように、食材成形台3は、板状の食材fが載置される平坦面である載置面11を備えるベース9を有する。また、食材成形台3は、載置面11上において食材fの位置を画定するガイド10を有し、ガイド10はベース9の載置面11に載置される。板状の食材fとは、板状に圧延されたすし飯や海苔巻き寿司のすし飯に巻かれる海苔などである。
【0024】
●ベース
図3は、図2の食材成形台のベース9を示す斜視図である。同図に示すように、ベース9は、平面視矩形状で高さ方向に厚みのある形状に形成されている。
【0025】
本実施の形態のベース9は、食材が載置される部分を含む載置面11上において、ガイド10を固定するためのネジ穴などの凹凸部分を有しない。
【0026】
つまり、載置面11上に凹凸部分を有しないため、ベース9は、ガイド10を使用するか否かにかかわらず、従来の食品成形装置の成形部のようにネジ穴に食材が目詰まりすることがない。すなわち、本実施の形態に係るベース9は、衛生的な状態を保ちやすい。
【0027】
また、ベース9は、載置面11上を移動するガイド10の移動方向をガイドし、移動方向に直交する方向へのずれ(横ずれ)を規制するガイド規制部12を有する。ガイド規制部12は、例えば、幅方向の側方の端部から載置面11の立ち上がり方向に延伸する突起である。以下の説明において、ガイド10の移動方向を、食材の巻き取り方向ともいう。
【0028】
ガイド規制部12は、ベース9の中心を食材の巻き取り方向に伸びる中心軸に対して、線対称に設けられる。図3において、ガイド規制部12はベース9の両端に設けられているが、これに限らない。
【0029】
また、ベース9は、食材の巻き取り方向手前側における海苔などの食材の位置を画定するストッパー16を固定するための留め具15が設けられている。
【0030】
●ガイド
図2に戻り、ガイド10の構成を説明する。ガイド10が載置面11上を摺動しつつ移動させることができるように、ガイド10の載置面11との近接部は、載置面11の形状に対応した平坦に形成されている。
【0031】
ガイド10は、板状の食材を成形する際に、載置面11上を移動可能な状態で載置される。ガイド10は、載置面11上における食材の位置を画定する。
【0032】
ガイド10は、ガイド10の外形形状を定める板状のガイド本体101と、ガイド本体101の少なくとも一辺に食材の幅に対応して幅の異なる複数個のガイド枠102とを有する。なお、ガイド枠102は、単一の食材の幅に対応したものが少なくとも1つあればよい。
【0033】
ガイド本体101の幅方向の寸法は、突起部12−12間の寸法より小さい。また、ガイド本体101は、各突起部12、12との間にわずかな間隔をもっている。そのため、ガイド本体101はベース9上を移動可能な形状になっている。ガイド本体101がこのような寸法と形状を有することにより、ガイド10は、ベース9の載置面11上の突起部12によって、その移動方向がガイドされるとともに、その横ずれが規制される。
【0034】
ガイド枠102は、その枠内に収められた食材fの端部の位置をガイドし、載置面11上において、食材fの位置を画定するように設けられている。つまり、ガイド枠102は、載置面11の立ち上がり方向に高さを有し、その側面が食材fの一端部を3方向から囲むようにガイド本体101の側縁部が窪んだ形に形成されて設けられている。また、ガイド枠102の1方向は開放されている。
【0035】
ここで、ガイド本体101には、その中心に対して線対称の二辺、すなわち対照位置に、幅の異なるガイド枠102が複数設けられている。つまり、本実施例のガイド本体101は、載置面11に沿って向きを反転させることにより、幅方向の寸法の異なる食材に対応することができる。
【0036】
●ベースとガイドの固定部
次に、食材成形台3のベース9とガイド10との固定部について説明する。
【0037】
図4は、図2の食材成形台3を示す断面図である。同図に示すように、ベース9には、載置面11の上とは異なる位置(例えば載置面11の内部など)のガイド10との近接部に、ベース側固定部13が設けられる。また、ベース9の載置面11の裏面側には、ベース側固定部13を支持する爪状の支持部17が設けられている。
【0038】
一方、ガイド10は、ベース側固定部13に対応した位置(ベース9の載置面11に近接部)に設けられたガイド側固定部14を備える。
【0039】
ここで、ベース側固定部13とガイド側固定部14は、一方が磁石であり他方が磁石または磁性体である。このため、ベース側固定部13とガイド側固定部14には、少なくともいずれか一方が他方を引き合う力(例えば、磁石による引力、磁気吸引力)が生じるため、磁気吸引力でベース側固定部9の位置が固定される。
【0040】
つまり、ガイド10は、ベース側固定部13とガイド側固定部14により生じた磁気吸引力により載置面11上に静止している。このとき、ガイド側固定部14は、ベース9の内部に設けられているベース側固定部13とは非接触で載置面11上に固定される。
【0041】
図4において、ベース側固定部13としての板状の磁石は、食材fの長さ方向全体に亘り設けられている。
【0042】
なお、ベース側固定部13は、板状の磁石に代えて、複数個の磁石を用いてもよい。例えば、食材fの巻き取り方向に、複数個の磁石が食材の寸法に対応して配置される。このように設けられていることにより、食材成形台3によれば、ベース側固定部13の位置に対応してあらかじめ定められている位置にガイド10を容易に固定することができる。
【0043】
以上のようにすることで、食材成形台3は、以下に説明するように様々な寸法の食材の成形を容易に行うことができる。
【0044】
●ガイド規制部の応用例
図5は、ガイド規制部の応用例を示すベースの斜視図である。同図に示すように、ガイド規制部22は、先に説明した突起に代えて、ベース9の両端に設けられている磁石又は磁性体で構成されてもよい。このとき、ガイドはガイド本体の両端に不図示のガイド規制補助部を有する。ガイド規制補助部は、ガイド規制部が磁石である場合、磁性体で構成される。また、ガイド規制部が磁性体であってもよい。このとき、ガイド規制補助部は、磁石で構成される。
【0045】
図6は、ガイド規制部の別の応用例を示すベースの斜視図である。同図に示すように、ガイド規制部32は、ベース側固定部の機能を兼ねていてもよい。例えば、ガイド規制部32は、ベースの中央に2列配置され、左寄りに配置されるガイド規制部32aが、ガイド規制部の一方を兼ねる。他方のガイド規制部32bは、ベースの中央から右寄りに配置される。このような構成によっても、ガイドの横ずれを防止することができる。
【0046】
図7は、図2の食材成形台3のベース9とガイド10との固定位置の例を示す斜視図である。同図に示すように、巻き取り方向の寸法が小さい食材f1(例えばいわゆる半切りの海苔)の上にすし飯を載置して板状の食材を成形する場合、ガイド10は、載置面11上においてストッパー16寄りの位置に固定される。
【0047】
図8は、図2の食材成形台3のベース9とガイド10との別の固定位置の例を示す斜視図である。同図に示すように、巻き取り方向の寸法が大きい食材f2(例えば通常の寸法の海苔)の上にすし飯を載置して板状の食材を成形する場合、ガイド10は、載置面11上においてストッパー16から離間した位置に固定される。
【0048】
なお、通常の海苔は、縦横の寸法が異なる長方形である。そして、巻き寿司には、巻き取り方向の寸法を幅方向の寸法より大きくして巻き取る場合(巻き取り方向が海苔の長辺方向)と、巻き取り方向の寸法を幅方向の寸法より小さくして巻き取る場合(巻き取り方向が海苔の短辺方向)とがある。
【0049】
このような場合においても、食材成形台3では、ガイド10の位置を変え、あるいはガイド10の向きを反転させることで、取り付け位置(固定位置)を変更可能である。固定位置の変更後、食材成形台3では、再び磁気吸引力によりガイド10はベース9に固定される。なお、ガイド10は、摺動することで、ベース9から吸引された状態で固定位置を変更することもできる。
【0050】
このように、食材成形台3は、ベース側固定部13とガイド側固定部14とによる相対位置を保持する力を解除してガイド10を移動させることにより、ベース9に対するガイド10の固定位置を容易に変更することができる。
【0051】
●食材成形台(2)●
次に、本発明に係る食材成形台の別の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0052】
図9は、図2の食材成形台のガイドの別の例を示す平面図である。同図に示すように、本実施の形態におけるガイド20には、先に説明したガイド10と異なり、ガイド本体201の一辺に幅の異なるガイド枠202が複数設けられている。
【0053】
つまり、ガイド枠202は、載置面11に沿って向きを反転させることなく、幅方向の寸法の異なる複数の食材に対応することができる。
【0054】
なお、本発明に係る食材成形台のガイドは、ガイド本体の二辺のそれぞれに幅の異なるガイド枠が設けられていてもよい。
【0055】
●食材成形台(3)●
次に、本発明に係る食材成形台のさらに別の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0056】
図10は、図2の食材成形台のベースの別の例を示す平面図である。同図に示すように、本実施の形態におけるベース30は、ベース側固定部の一例である磁石33を収容することができる長溝状(レール状)の形状を有する固定部保持部34を備える。固定部保持部34は、ベース30において裏側(載置面の反対側)に配置される。
【0057】
固定部保持部34は、磁石33を収容し保持することができるように、幅方向の寸法が磁石33の幅方向の寸法よりわずかに大きい。また、固定部保持部34は、巻き取り方向における磁石33の位置を変更することができるように、固定部保持部34の巻き取り方向における寸法がベース33の巻き取り方向全体に亘っている。
【0058】
このような形状により、ベース30は、固定部保持部34内において、磁石33の位置を自在に移動させ、適宜な位置で固定することができる。
【0059】
以上説明した食材成形台によれば、ベース30の内部に設けられた固定部保持部34においてベース側固定部33の位置を自在に変更することができるため、様々な寸法の食材の成形を行うことができる。
【0060】
●実施の形態の効果●
以上説明したように、本実施の形態に係る食材成形台と食品成形装置によれば、ガイドとベースとの相対位置を保持する力により、ベースの載置面上に凹凸部分を有することなく、ガイドを載置面上に静止(固定)させることができる。
【0061】
本実施の形態に係る食材成形台と食品成形装置によれば、食材の載置面を衛生的に保ちつつ食材の位置合わせの操作を容易にすることができる。
【0062】
全ての実施の形態において、巻き寿司を例に説明したが、これに限らない。本実施の形態における食品成形装置1が成形する板状の食材は、例えばロールケーキなどを成形するものであってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 食品成形装置
2 ホッパー
3 食材成形台
9 ベース
10 ガイド
11 載置面
12 ガイド規制部
13 ベース側固定部
14 ガイド側固定部
15 留め具
16 ストッパー
20 ガイド
22 ガイド規制部
30 ベース
32 ガイド規制部
33 ベース側固定部
34 固定部保持部
101 ガイド本体
102 ガイド枠
201 ガイド本体
202 ガイド枠
f 食材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13