【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年7月10日掲出、www.tokushima−u.ac.jp/_files/00197731/240526.pdf、「F研磨(鋼板表面微細加工)による伝熱促進の効果について」
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数枚の伝熱プレートを積層して構成されたプレート型の熱交換器において、各伝熱プレートの少なくとも流体と接する表面に研磨により凹凸が形成されており、該凹凸のピッチが1μm以下の範囲で凹凸の高さとピッチの比が0.0005以上であり、かつ、当該比のばらつきが各波長における比の値の平均値から3割以内であることを特徴とする熱交換器。
【背景技術】
【0002】
熱交換器の一つとして、複数枚の伝熱プレートをパッキンを介して積層した、プレート型の熱交換器がある。各伝熱プレートの間隙に高温流体と低温流体を交互に流すことにより、高温流体の熱が伝熱プレートを介して低温流体へと伝わり、熱交換が行われる。プレート型の熱交換器は小型化でき、省スペースであるとともに、分解掃除が可能でメンテナンス性に優れているなどの特徴を持つ。
【0003】
熱交換器を小型化し、あるいは熱交換の効率を向上させるため、伝熱プレートの表面に凹凸や波形模様などをつけ、熱伝導面積を大きくすることが従来より行われている。例えば、伝熱プレートの表面に、ヘリボーンと呼ばれる魚の骨の形状の凹凸部をプレス加工によって作成し、熱伝導面積を確保している。しかし、プレス加工では凹凸のサイズに限界があるとともに、金型が必要なことから製造に費用がかかり、小規模な生産には不向きであるなどの欠点がある。
【0004】
また、別の加工方法として、鋼板表面に精密機械加工やレーザー加工などによって凹凸を形成することも考えられているが、その加工費は非常に高価なものであり、現実的でない。ヘアライン加工やブラスト加工などによっても鋼板の表面に凹凸を形成することはできる。しかし、例えばヘアライン加工では加工が進むにつれて凹凸の度合いが変化してしまう。また、ブラスト加工では、平面上の各部において凹凸が異なってしまう。従って、これらの加工では安定して凹凸を形成することができず、製品のばらつきが大きくなってしまう。
【0005】
さらに、例えば特許文献1に記載されているように、凹凸形状に成形された金属製のフィンを伝熱プレートの間隙に挟み込むことも考えられている。しかし、部品点数が多くなって高価になるとともに、清掃などのメンテナンス性も低下する。
【0006】
表面加工技術の一つとして、研磨がある。この研磨によって伝熱プレートに凹凸を形成できれば、安価な熱交換器を提供することができる。しかし、一般に研磨は表面の凹凸をなくすための技術と考えられており、研磨により残る凹凸に再現性がなく、熱交換器の熱伝導面の加工に研磨を用いることはなかったし、熱伝導面に研磨加工を用いたとしても製品として安定して熱伝導を行うことができる熱交換器を構成できなかった。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施の一形態を示す熱交換器の分解概略図、
図2は、伝熱プレートの一例の平面図である。図中、1,1−1…nは伝熱プレート、2〜5は送通孔、6は熱伝導面である。プレート型の熱交換器は、
図1に分解して示すように、n枚の伝熱プレート1−1…nを、パッキンを介して積層して構成されている。送通孔2〜5は、高温流体及び低温流体を送通させるための孔であり、この例では送通孔2から高温流体を供給して送通孔3から回収し、また送通孔4から低温流体を供給して送通孔5から回収する例を示している。高温流体及び低温流体は、液体でも気体でもよい。
【0013】
送通孔2から供給された高温流体及び送通孔4から供給された低温流体は、各伝熱プレート1−1…nの間隙に交互に入り込む。
図1に示した例では、伝熱プレート1−1と伝熱プレート1−2の間隙に送通孔4から低温流体が供給されて送通孔5から回収される。また、伝熱プレート1−2と伝熱プレート1−3の間隙に送通孔2から高温流体が供給されて送通孔3から回収される。同様に、熱プレート1−3と伝熱プレート1−4の間隙に送通孔4から低温流体が供給されて送通孔5から回収される、…という具合に交互に高温流体と低温流体が各伝熱プレートの間隙に供給され、回収される。
【0014】
1枚の伝熱プレート1の表裏面は熱伝導面6となっており、一方の熱伝導面6は高温流体が接し、他方の熱伝導面6には低温流体が接することになる。伝熱プレート1の熱伝導面6に高温流体が接することにより伝熱プレート1が高温流体から熱を奪い、伝熱プレート1の反対側の熱伝導面6へと伝達される。伝熱プレート1の反対側の熱伝導面6は低温流体と接しており、伝達された熱は低温流体により伝熱プレート1から奪われる。これにより、高温流体から低温流体への熱の移動が行われ、高温流体と低温流体との間で熱交換が実現される。
【0015】
本発明では、この伝熱プレート1の熱伝導面6に対して、研磨作業を進めても鋭利さが失われないダイヤモンドなどの硬質研磨粒子を紙または布に貼り付けた研磨材を使って鋼材表面に対して研磨処理(以下、F研磨と呼ぶ)を施している。このF研磨によって、熱伝導面6にミクロン単位の凹凸を設けている。なお、鋼材としては熱伝導率のよい材料を用いるとよい。
【0016】
F研磨については、従来、金属面への粉体の付着を防止する技術として特許第4064438号公報に記載されているところであるが、熱の伝達については知られていなかった。F研磨は、レーザー加工や精密機械加工に比べて容易に施工可能であり、安価な装置を提供することができる。また、ヘアライン加工やブラスト加工などに比べて凹凸に再現性を持たせることができ、製品ばらつきを小さくした安定した製品を製造することができる。さらに、後述するように、高効率な熱交換器を提供することができる。
【0017】
なお、F研磨については、研磨粒子の公称精粗度(#240〜#2000)に応じてランク分けしており、表面仕上げの状態が粗い順に「F0」(#240)、「F1」(#320)、「F2」(#400)、「F3」(#500)、「F4」(#600)、「F5」(#800)、「F6」(#1000)、「F7」(#2000)と名付けている。
【0018】
図3は、鋼材表面の凹凸形状を測定した結果を表わす鋼材表面の凹凸の計測結果の一例を示すグラフである。ここでは、熱伝導面6の表面位置(μm)と凹凸の高さの平均高さからの相対値(μm)の関係を表している。
図3(A)はF研磨のランクがF2の場合を、
図3(B)はF研磨のランクがF5の場合を、
図3(C)はF研磨のランクがF7の場合を、
図3(D)は鏡面仕上げを行った場合を、それぞれ示している。
図3(A)〜(C)に示されるように、この順に、表面の凹凸形状が細かくなるが、F研磨との比較のために測定した鏡面仕上げによる
図3(D)に示した凹凸形状と対比すると十分な粗さを持っている。なお、図示しないが、F研磨のランクがF0、F1ではF2よりも粗く、F3,F4では
図3(A)と
図3(B)の間の特性を有し、F6は
図3(B)と
図3(C)の間の特性を有することになる。
【0019】
フーリエ変換を用いた波数解析を行うことによって、表面の凹凸の特徴を定量化し、具体的に、どのような間隔の凹凸がどのくらい高低差があるのかを数値で表わすことができる。F研磨のいくつかのランクのF研磨による鋼板表面の凹凸形状について、次式(1)
X(k)=Σ
n=0N-1x(n)・exp(−2πknj/N) …(1)
に従い離散フーリエ変換を行い、凹凸の波長(凹凸ピッチ)成分Lと波高(振幅:凹凸高さ)成分Hの関係を解析し、併せて、鏡面仕上げについても比較参考のためにフーリエ解析を行い、F研磨との比較を行った。ここで、x(n)は、鋼板表面を探針センサで所定の長さ(距離)方向に走査した場合に、所定のサンプリング間隔の点で探針センサにより計測される高さ方向の値(表面の凹凸を表わす)、すなわち、総サンプリング数N中のn番目のディジタルサンプリング値である。また、kは、単位長当りの波数(空間周波数)f[回/μm]に対応する値であり(k=0,1,2,…,N−1)、全計測距離をD[μm]とすると、k=fDで表わされる。
【0020】
つまり、X(k)は、単位長当り波数対応値kに対するフーリエ変換後の信号強度を表わすベクトルであり、このベクトルの絶対値(長さ)が波の凹凸(振幅)に比例する。従って、値kに対する変換後信号強度X(k)に対して、凹凸形状の波高(振幅)Hは2|X(k)|/Nで表わされ、波高(振幅)Hと波長Lの比(「波高(振幅)対波長比」、「波高比」あるいは「振幅比」という)H/Lは
H/L=2|X(k)|/NL …(2)
で表わされる。
【0021】
図4、
図5は、F研磨の各ランクにおける波長に対する波高対波長比の関係の一例を示すグラフである。上述の波高対波長比を波長ごとに示すと
図4及び
図5に示すようになる。
図4には、F研磨のランクがF2、F5、F7の場合と、鏡面仕上げを行った場合について示している。また、
図5は、F研磨のランクがF4、F5、F6の場合、及び鏡面仕上げの場合について示している。
【0022】
図4,
図5に示した解析結果によれば、例えば波長Lが1μm以下の範囲で見ると、F研磨を行った場合には、鏡面仕上げを行った場合に比べてグラフの振幅が小さい。この振幅は、各波長における平均値から2〜3割程度である。従って、F研磨により形成された凹凸が安定していることが分かる。例えば凹凸を設ける際に一般的に行われているヘアライン加工やブラスト加工などでは、F研磨で得られているような安定した凹凸が形成されない。また、一般的な研磨技術であるバフ研磨で例えば
図4,
図5に示した鏡面仕上げを行った場合、波高対波長比は2桁程度のばらつきが存在しており、凹凸が安定して形成されていないことが分かる。
【0023】
もちろん、F研磨の場合にも、それぞれの凹凸にはばらつきがあるものの、面として見ると周波数特性が揃った凹凸が形成されており、このような周波数特性の凹凸が安定して再現されている。このことは、熱交換が行われる鋼材の表面の状態が安定して再現されており、熱伝導の際の特性が安定していることを示している。従って、従来は熱交換器の熱伝導面6の表面加工として利用されてこなかった研磨加工でも、F研磨であれば安定した熱特性を有する熱交換器を製造することができる。
【0024】
次に、F研磨が伝熱性を向上させていることを、実験結果により示す。
図6は、伝熱試験装置の一例の説明図である。
図6(A)は分解図、
図6(B)は断面図である。図中、11は伝熱プレート、12は熱伝導面、13はベースプレート、14は導入口、15は排出口、16はガスケット、17はヒーター、18は温度計挿入口である。伝熱プレート11の熱伝導面12をベースプレート13と対向させて、ガスケット16を挟んで積層する。そして、導入口14から蒸留水などの流体を内部に送る。流体はベースプレート13と伝熱プレート11の間隙を通り、排出口15から排出される。伝熱プレート11には、側面に等間隔に孔を穿設して温度計挿入口18とし、熱電対などの温度計を挿入して、伝熱プレート11の表面温度が測定できるようにしている。実験に応じて伝熱プレート11を加熱できるように、伝熱プレート11の熱伝導面12の反対面にヒーター17が設けられている。
【0025】
図7は、ヒーターを用いない場合の放熱実験結果の一例を示すグラフである。まず、ヒーター17による加温をせずに伝熱プレートによる放熱実験を行った。伝熱プレート11としてSUSを用い、熱伝導面12として、F1、F5のランクでF研磨を施した場合と、比較のために鏡面仕上げを行った場合について、伝熱プレート11の各位置における温度を測定した結果を
図7に示している。ここで、導入口14から供給する流体の温度は60℃、流量は68mL/分とした。また、伝熱プレート11の位置としては、導入口14を0とし、導入口14から排出口15へ向けた方向の距離をプレート高さzとして示している。
【0026】
図7において、熱伝導面12をF1のランクでF研磨を施した場合を破線で、F5のランクでF研磨を施した場合を細線で、鏡面仕上げを行った場合を太線でそれぞれ示している。導入口14から供給された流体は、熱伝導面12と接触して熱を放出することから、導入口14から排出口15へ向けて流体の温度は徐々に低下して行く。流体の温度低下とともに、流体に接触している熱伝導面12の温度も低下してゆく。
【0027】
導入口14から供給した流体の温度と排出口15から排出された流体の温度の差が大きいほど、流体が放出した熱量が多いことを示している。熱伝導面12を鏡面仕上げした場合及びF5のランクでF研磨を施した場合の温度差は5℃程度であるのに対して、F1のランクでF研磨を施した場合には6.5℃程度の温度差が生じている。このことから、熱伝導面12にF5のランクより粗いF研磨を施すことにより、熱伝達が促進されたことが分かる。例えば
図4を参照すると、F5のランクのF研磨を施した場合の波高対波長比(H/L)は、0.0005より小さい値であることから、これ以上の波高対波長比となる、例えばF3、F2、F1、F0などのランクのF研磨を施せばよい。
【0028】
図8は、ヒーターを用いた場合の熱伝達実験結果の一例を示すグラフである。ここでは、ヒーター17に対して通電し、付属の温度計が示す温度が設定温度となるようにヒーター17を制御した。実験では設定温度を60℃とした。また、上述のヒーター17を用いない場合と同様に、伝熱プレート11としてSUSを用い、熱伝導面12として、F1、F5のランクでF研磨を施した場合と、比較のために鏡面仕上げを行った場合について、伝熱プレート11の各位置における温度を測定した。その結果を
図8に示している。ここで、導入口14から供給する流体の温度は60℃、流量は68mL/分とした。また、伝熱プレート11の位置としては、導入口14を0とし、導入口14から排出口15へ向けた方向の距離をプレート高さzとして示している。
【0029】
図8において、熱伝導面12をF1のランクでF研磨を施した場合を破線で、F5のランクでF研磨を施した場合を細線で、鏡面仕上げを行った場合を太線でそれぞれ示している。ヒーター17で発生した熱は伝熱プレート11を通して熱伝導面12へと伝達される。導入口14から供給された流体は、熱伝導面12と接触し、熱伝導面12へと伝達された熱を吸収する。これによって、導入口14から排出口15へ向けて流体の温度は徐々に上昇して行く。流体の温度とヒーター17による加熱温度の差が大きいほど流体に吸収される熱量が大きいことから、導入口14から排出口15へ向けて流体の温度上昇とともに、流体に接触している熱伝導面12の温度も上昇している。
【0030】
導入口14から供給した流体の温度と排出口15から排出された流体の温度の差が大きいほど、流体が吸収した熱量が多いことを示している。熱伝導面12を鏡面仕上げした場合の温度差は7℃程度であるのに対して、F1及びF5のランクでF研磨を施した場合には7.5℃程度の温度差が生じている。このことから、熱伝導面12にF研磨を施すことにより、熱伝達が促進されたことが分かる。
【0031】
このように、流体からの熱の吸収及び流体への熱の放出の両者の実験結果を合わせると、波高対波長比(H/L)が0.0005以上となるF研磨を施すと、熱伝導面12を鏡面とする場合に比べて、効率よく熱交換が行われることが分かる。なお、熱交換の効率は、表面粗さが粗いF研磨を行うほど、高くなっており、上述したF2のランクよりもF1のランク、F1ランクよりもF0ランクのF研磨を行った方が、熱交換の効率は高くなる。
【0032】
上述の各実験から、熱伝導面12に波高対波長比(H/L)が0.0005以上となるF研磨を施すことにより、高効率な熱交換器を構成することができる。あるいは、同等の効率の熱交換器であれば、熱交換器を小型化することができ、または伝熱プレートの枚数を減らしてメンテナンス性を向上させることができる。さらに、熱伝導面12の加工がF研磨であることから、レーザー加工や精密機械加工などと比べて安価に加工することができるとともに、プレス加工などに比べて少数量、小面積の熱伝導面12を有する熱交換器にも安価に対応することができる。さらにまた、上述した特許第4064438号公報にも記載されているように、F研磨加工された面は粉体の付着が抑止されることから、熱伝導面12への汚れの付着も抑止され、メンテナンス性も向上する。
【0033】
図9は、伝熱試験装置の別の例の説明図、
図10は、伝熱試験装置の別の例における試験結果の一例を示すグラフである。図中、21は金属容器、22はヒーター、23は温度センサ、24は水である。別の伝熱試験として、水24の加熱試験を行った。金属容器21の内面にF研磨加工を施したものと、鏡面仕上げを施したものを用意した。金属容器21には水24を満たし、金属容器21の底面から、IHヒーターなどのヒーター22によって加温して、時間ごとの水24の温度を温度センサ23により計測した。なお、初期の状態では空気が水24の中に溶け込んでいるため、初期状態とともに、一旦沸騰させてから冷却し、その後、再度加熱する場合についても試験を行った。
【0034】
図10において、初期の状態で加熱試験を行った場合について、金属容器21の内面をF研磨した場合を実線で示し、鏡面仕上げした場合を点線で示している。また、一旦沸騰させた後、冷却して再度加熱した場合について、金属容器21の内面をF研磨した場合を太線で示し、鏡面仕上げした場合を破線で示している。2つの場合とも、F研磨を施した場合の方が速く水24の温度が上昇しており、F研磨によってヒータ22による熱が水24へ効率よく伝導したことがわかる。
【0035】
なお、沸騰状態では気泡が温度センサ23に接触する場合があることから、正確な温度が計測できなかったが、沸騰により発生する気泡は、鏡面仕上げの場合には一般的に認識されている大きな水蒸気の泡がボコボコと発生するのに対して、F研磨の場合には細かい気泡が発生し、表面加工の違いが気泡にも表れた。
【0036】
この試験からも、F研磨を施した面では高効率な熱交換が行われることが分かる。従って、熱交換器における熱伝導面にF研磨を施すことによって、高効率に熱交換が行われる熱交換器を構成することができる。あるいは、同等の効率の熱交換器であれば、熱交換器を小型化することができ、または伝熱プレートの枚数を減らしてメンテナンス性を向上させることができる。他の加工との比較やよごれの付着防止などの効果については、先の試験の場合と同様である。
【0037】
なお、上述の試験の例では平面にF研磨を行って試験を行っているが、F研磨を施工する前の熱伝導面6は平面に限らず、例えばプレスなどによって凹凸が形成されている面などであっても、F研磨を施工することができる。この場合、プレス加工された凹凸による熱効率の向上とともに、F研磨による熱効率の向上が図られ、さらに効率のよい熱交換器を提供することができる。
【0038】
また、本発明の熱交換器は
図1に示した例に限られるものではなく、公知の様々なプレート型の熱交換器に対して適用可能である。例えば特許文献1に記載されているような積層された伝熱プレートの一方側から高温流体を導入して他方側から排出し、他方側から低温流体を導入して一方側から排出する構成において、伝熱プレートの表面をF研磨加工する構成であってもよい。あるいは、流体として気体を用いる構成であってもよく、積層された伝熱プレートの間隙に、交互に、低温気体と高温気体を送通させる構成であってもよい。もちろんこのほかにも、本発明の趣旨を変更しない範囲で適宜変形可能であることは言うまでもない。