(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カード登録手段は、前記商品購入の決済金額又は前記決済カードの使用方法又は使用目的に応じた認証用の認証絵記号を前記ユーザに登録させることを特徴とする請求項4に記載の商品購入システム。
前記決済カードがデビットカードである場合、前記デビットカードの絵記号を選択することによって、前記デビットカードで決済する銀行のシステムに前記商品購入の代金の振込を実行させることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の商品購入システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では、
絵記号を利用した手軽で、かつ安全性の高い新たな商品購入システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、以下のような解決手段を提供する。
(1)本発明の第1の態様では、絵記号を利用した商品購入システムであって、ユーザが登録した自分用の絵記号と前記ユーザが保有する決済カードのカード情報とを対応付けて登録させるカード登録手段と、ECサイトで商品購入の決済のために前記カード登録手段に登録された決済カードの絵記号を前記ユーザに選択させることで決済を行わせるカード決済手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
(2)上記(1)の構成において、SNSのシステムと、前記ECサイトのシステムとを連携可能に接続するサイト連携手段を更に備え、前記絵記号は、連携したSNS上の絵記号を利用するようにしてもよい。
【0007】
(3)上記(2)の構成において、前記カード登録手段は、前記商品購入の決済金額又は前記決済カードの使用方法又は使用目的に応じた認証用の認証絵記号を前記ユーザに登録させるようにしてもよい。
【0008】
(4)上記の(1)〜(3)のいずれかの構成において、前記カード登録手段は、複数の絵記号を合成して生成した新たな絵記号を登録させるようにしてもよい。
【0009】
(5)また、上記(1)〜(4)のいずれかの構成において、前記決済カードの選択は、前記SNSの友達リストから選択するようにしてもよい。
【0010】
(6)また、上記(3)の構成において、前記サイト連携手段は、前記決済カードを管理する決済カード管理システムと連携可能に接続させ、前記決済カード管理システムは、前記認証絵記号を前記ユーザに登録させる手段と、前記認証絵記号による決済の結果を前記ECサイトのシステムに通知するカード決済通知手段とを備えるようにしてもよい。
【0011】
(7)また、上記の(1)〜(6)のいずれかの構成において、前記決済カードがデビットカードである場合、前記デビットカードの絵記号を選択することによって、前記デビットカードで決済する銀行のシステムに前記商品購入の代金の振込を実行させるようにしてもよい。
【0012】
(8)また、本発明の第2の態様では、絵記号を利用したECサイトシステムであって、ユーザが登録した自分用の絵記号と前記ユーザが保有する決済カードのカード情報とを対応付けて登録させるSNSシステムと連携可能にするSNS連携手段と、商品購入の決済のために前記SNSシステムに登録された決済カードの絵記号を前記ユーザに選択させることで決済を行うカード決済手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
(9)また、本発明の第3の態様では、絵記号を利用したSNSシステムであって、ユーザが登録した自分用の絵記号と前記ユーザが保有する決済カードのカード情報とを対応付けて登録させるカード登録手段と、前記ユーザが商品購入の決済のために前記カード登録手段に登録された決済カードの絵記号を選択した結果を、ECサイトシステムに連携するECサイト連携手段と、を備えることを特徴とするSNSシステム。
【0014】
(10)また、本発明の第4の態様では、SNSを利用した商品購入方法であって、コンピュータシステムが、前記SNSのシステムと、ユーザが買物を行うECサイトのシステムとを連携可能に接続にするステップと、前記ユーザが前記SNSに登録された自分用の絵記号と前記ユーザに保有する決済カードのカード情報とを対応付けて登録させるステップと、前記ECサイトで商品購入の決済のために前記登録された決済カードの絵記号を前記ユーザに選択させることで決済を行わせるステップと、を実行することを特徴とする。
【0015】
(11)また、本発明の第5の態様では、SNSを利用した商品購入のためのプログラムであって、コンピュータシステムに、前記SNSのシステムと、ユーザが買物を行うECサイトのシステムとを連携可能に接続にするステップと、前記ユーザに前記SNSに登録された自分用の絵記号と前記ユーザが保有する決済カードのカード情報とを対応付けて登録させるステップと、前記ECサイトで商品購入の決済のために前記登録された決済カードの絵記号を前記ユーザに選択させることで決済を行わせるステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、SNSを利用した手軽で、かつ安全性の高い新たな商品購入システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ構成要素には同じ符号を付している。また、機能構成の図において、機能ブロック間の矢印は、データの流れ方向又は処理の流れ方向を表す。また、処理フロー図(フローチャート)においては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。
【0019】
(基本概念)
まず、本発明の実施形態における商品購入システム(以下、「本システム」と呼ぶ)の基本概念について説明する。本システムは、絵記号を利用した商品購入システムであって、ユーザが登録した自分用の絵記号とユーザが保有する決済カードのカード情報とを対応付けて登録させるカード登録手段と、ECサイト(Electronic Commerce Site))で商品購入の決済のために上記カード登録手段に登録された決済カードの絵記号をユーザに選択させることで(絵記号の選択を受け付けて)決済を行わせるカード決済手段と、を備えることを特徴とする商品購入システムである。すなわち、本システムは、絵記号を用いた新たなネットショッピングのサービス(「マイスタンプショッピング」と称する)を提供する。マイスタンプショッピングとは、ユーザが用意した(登録した)自分用のスタンプ等の絵記号にクレジットカード等の決済カードのカード情報を紐付け、カード番号を入力することなく自分用の絵記号を用いて、ネット上で商品やサービスを手軽に購入できるサービスである。自分用の絵記号及び決済カードの情報は、自分のPCやスマートフォンに登録しておいてもよいし、別のシステムに登録しておいてもよい。ここでいう絵記号とは、絵を使って分かりやすく示した記号であり、イラスト、ピクトグラム、マーク、シンボル等の図形(絵柄)に識別子(ID)を持たせたものである。また、絵記号には、写真や動画の画像にIDを持たせたものも含む。
【0020】
本システムの好ましい形態を更に具体的に説明すると、クレジットカード、デビットカード(キャッシュカード)、電子マネーカード等の決済用カードを保有するユーザが、あらかじめそれぞれのカードに対してカード情報を対応付けた(紐付けた)絵記号を登録しておき、ユーザがログインしたシステム上で、「友達」として登録された又は出店された、ユーザがよく利用するネットショップやサイバーモールなどのECサイトに対して、自らが登録した絵記号を送ることによって商品の購入を行うことができる。ユーザは、例えば、SNS上で他のユーザとメッセージやトークをやり取りする感覚で、「友達」として登録されたネットショップを選択し、カードの絵記号を送信指示するだけで商品代金の決済ができる。
【0021】
図1で示すように、画面100aは、ECサイト上の「○〇ネットショップ」、又はSNS上で「友達」として登録された「○〇ネットショップ」若しくはSNS上に出店した「○〇ネットショップ」と対話(トーク)することによって、購入する商品を選択し、カード絵記号選択欄102から、支払に用いる決済カードを選択する段階を示している。また、絵記号を長押しする等で表示されるカード支払方法選択欄110から、そのカードを用いたときの支払方法を選択することもできる。例えば、支払方法を、1回払い、分割払い、ボーナス払い、リボ払い、ポイント払いから、カードごとに選択できるようにする。同じカードであっても支払方法ごとに別々のカード絵記号を登録できるようにしてもよい。
【0022】
画面100bは、選択したカード絵記号103に対応するカードを認証させるために、認証絵記号選択欄104から、認証用の絵記号である認証絵記号105を選択し、ネットショップに送る段階を示している。認証絵記号105を送ることによって購入が決定され、カード絵記号103に紐付けられたカード情報(カード番号、名義人、有効期限等)がショップに送信される。認証絵記号105がショップに送信されると、ショップから決済が完了したことを示す確認通知106が送信される。なお、認証絵記号105を送信する代わりに、再度、カード絵記号103にタッチする等の所定の操作をすることで購入を決定するようにしてもよい。
【0023】
ここで用いられるカード絵記号及び認証絵記号は、ユーザがSNS上で自由に登録することができ、それぞれ複数登録することができる。絵記号は、SNS上に用意されたものから選択してもよいし、ユーザが独自の絵柄を登録してもよい。ただし、カード絵記号は、カードごとにそれぞれのカードを識別又は連想しやすい絵柄にする必要がある。一方、認証絵記号のほうは任意の絵柄を用いてよい。また、認証絵記号は、決済金額によって変更するようにしてもよいし、カードごとに別々の認証絵記号を登録してもよい。また、絵記号と文字列(キーワード)との紐付けを記憶する手段を設け、ユーザから入力された絵記号を解釈し、文字列に変換して紐付された文字列を確認させたり、ユーザから入力された文字列を紐付けられた絵記号に変換したりする絵記号−文字列変換機能を備えていてもよい。また、購入時のSNSとは別のSNSやSMS(ショートメッセージサービス)で受信して、認証を行うようにしてもよい。このようにすることで、誤操作を防ぎ、安全性が高まる。なお、いったん決済を決定しても所定時間内であれば無条件でキャンセルができるものとする。本システムでは商品の購入が絵記号をタッチするだけで簡単に行えるため、その後にユーザの気が変わることもあるからである。
【0024】
(第1の実施形態)
図2は、本システムの第1の実施形態における機能構成を示す図である。本実施形態では、ユーザ端末10(又は「顧客端末」とも呼ぶ)が、SNSシステム20と、SNSシステム20を介して、ECサイトシステム30(ネットショップの商品購入サイト)とに接続される。ユーザは、ECサイトとSNSのトーク機能等によって対話する。ユーザ端末10は、スマートフォン、タブレット、PC等、一般的なものであるが、SNSに簡単にアクセスするため専用のアプリケーションやツールバー等をインストールしていることが望ましい。
【0025】
図示するように、本実施形態のSNSシステム20は、機能的に、ユーザ端末通信手段21、ECサイト連携手段22、ユーザ情報記憶手段23、絵記号登録テーブル24、カード登録手段25、絵記号記憶手段26から構成される。ただし、このような構成に限定されるものではない。以下、各機能について順に説明する。
【0026】
ユーザ端末通信手段21は、ユーザ端末10との通信を制御し、ユーザ端末10からの要求を他の処理手段に伝える。また、他の処理手段からの処理結果をユーザ端末10に送信する。
【0027】
ECサイト連携手段22は、SNSシステム20をECサイトシステム30と連携可能に接続し、制御する。具体的には、SNSに登録されたユーザの友達リストを取得し、友達リストに登録されたECサイトとの対話を制御する。
【0028】
ユーザ情報記憶手段23は、ユーザがSNSシステム20に登録した登録情報を記憶する。登録情報には、SNS上のユーザID、ログインパスワード、ユーザのプロフィール、友達リスト、ユーザが普段利用しているECサイトの情報、及びユーザが登録した絵記号登録テーブル24が含まれる。また、ECサイトへのログインを自動化するため、ECサイト上のログインID、パスワードを1又は複数登録しておくようにしてもよい。
【0029】
絵記号登録テーブル24は、絵記号とカード情報を対応付けたカード絵記号登録テーブルと、決済金額やカードごとに認証絵記号を登録した認証絵記号登録テーブルを含み、ユーザ情報記憶手段23に格納される。
【0030】
ECサイトシステム30は、ユーザ端末10(顧客端末)との通信が可能な顧客端末通信手段31と、SNSシステム20との連携を行うSNS連携手段32と、商品の情報を格納したデータベースである商品情報記憶手段33と、カード会社システム40と交信し、カードでの決済を実行する決済手段34と、購入された商品の配送を制御する商品配送手段35と、登録顧客の情報を格納するデータベースである顧客情報記憶手段36とを備える。SNS連携手段32以外は、通常のECサイトが備える一般的なものである。
【0031】
前述の
図1では、ユーザ端末10がSNSシステム20のユーザ端末通信手段21と通信し、SNSシステム20と連携したECサイトシステム30からSNSのトークによって商品を購入する場合について述べたが、ユーザ端末10(顧客端末)がECサイトシステム30の顧客端末通信手段31と通信し、直接商品を購入することも可能である。この場合、ECサイトシステム30が、SNS連携手段32を介して、SNSシステム20からユーザがSNS上で登録した絵記号及び絵記号登録テーブル24を取得し、決済カードの絵記号を選択させることで決済を行う。この場合、絵記号登録テーブル24は、ECサイトシステム30の顧客情報記憶手段36側に備えるようにしてもよい。このようにすることによって、商品の決済情報がSNSとECサイト間で流れることがなくなる。
【0032】
図3は、この絵記号登録テーブル24の一例を示す図である。図示するカード絵記号登録テーブル24aには、クレジットカードA,B,CとデビットカードD,Eが登録され、各クレジットカードには、1回払い用と分割払い用のカード絵記号がそれぞれ登録されている。一括払い用のカード絵記号は、各クレジットカードに登録されるが、分割払い用の絵記号は、カードごとに別々の分割回数に対応したカード絵記号を登録するようにしてもよい。このようにすることで、例えば、クレジットカードAは、3回〜5回等の短期の分割払い用とし、クレジットカードBは、6回〜12回等の中期の分割払い用とし、クレジットカードCは、15回〜36回等の長期の分割払い用として使い分けることができる。なお、分割回数ごとに異なる絵柄のカード絵記号を準備するのは面倒なので、後述の合成絵記号を使用すると便利である。
【0033】
デビットカードは、ユーザの銀行口座から購入代金が直ちに引き落とされるので、クレジットカードのように使い過ぎの心配がないが、購入時点の銀行の口座残高以下の金額の支払にしか利用できない。しかし、図のデビットカードD,Eには、直ちに引落がされる引落用の絵記号と、デビットカードを使って振込が行える絵記号とが登録されている。デビットカードでの振込については後述するが、ネットショップによっては、デビットカードはもちろん、クレジットカードでの支払ができず、銀行振込又は代引きしか支払方法がない場合があるが、本システムに登録されたデビットカードであれば振込にも対応できる。なお、銀行口座の残高が不足し、商品価格を下回るときは、当該デビットカードを選択できないようにしてもよい。
【0034】
図3に図示する認証絵記号登録テーブル24bは、決済金額、使用方法、使用目的に応じて異なる認証絵記号を登録した例である。例えば、5,000円未満の買物には認証絵記号241(ユーザ本人の絵柄)使用し、5,000円以上3万円未満の買物には認証絵記号242(お父さんの絵柄)を使用し、3万円以上の買物には認証絵記号243(聖徳太子の絵柄)を登録することができる。また、認証絵記号244は、決済金額によらず、特定のECサイト専用として登録することもできる。もちろん、どの絵記号をどのような目的で認証記号として登録したかは専用のパスワード等で管理され、ユーザ本人しか知ることができない。したがって、購入するたびに正しい認証絵記号を使用しないと決済が実行できないので他人の不正使用を抑止できる。
【0035】
図2に戻り、カード登録手段25は、登録時には、絵記号記憶手段26に用意された絵記号又はユーザが独自に用意した絵記号を選択させ、ユーザのカード情報に対応付けて、又は決済金額、使用方法、使用目的に対応付けて、ユーザ情報記憶手段23に格納する。また、カード登録手段25は、複数の絵記号を合成して新たな絵記号を生成することもできる。この機能については後述の図で詳しく説明する。
【0036】
また、カード登録手段25は、実際のショッピング時には、登録された絵記号から場面に応じた適切なものを表示し、ユーザに選択させる機能も持っている。例えば、カードを選択する場面ではカード絵記号のみを表示し、決済を確定する場面では認証絵記号のみを表示する。もっとも、不正利用者を攪乱させるため、ダミーの絵記号を表示するようにしてもよい。
【0037】
図2に示すように、ECサイトシステム30は、機能的には、顧客端末通信手段31、SNS連携手段32、商品情報記憶手段33、カード決済手段34、商品配送手段35から構成される。ただし、このような構成に限定されるものではない。以下、各機能について順に説明する。
【0038】
顧客端末通信手段31は、ユーザ端末10が直接ECサイトに接続する場合にユーザ端末10との通信を制御するが、本実施形態ではSNSシステム20を介して、ユーザ端末10と通信を行うためここでは使用しない。
【0039】
SNS連携手段32は、SNSシステム20との連携を制御する。具体的には、ユーザとのトークを制御し、ユーザの求めに応じて商品の情報を検索して表示したり、ECサイトシステム30内の他の手段とSNSシステム20との仲介を行ったりする。また、図示は省略するが、SNS連携手段32を他のサイトとも連携可能なサイト連携手段として一般化し、上記サイト連携手段は、決済カードを管理する決済カード管理システムと連携可能に接続させ、決済カード管理システムは、証絵記号をユーザに登録させる手段と、認証絵記号による決済の結果をECサイトのシステムに通知するカード決済通知手段とを備えるようにしてもよい。すなわち、カード情報はカード会社から送信する以外にもユーザ自身のPCやスマートフォン、又はユーザの個人の決済情報を管理させておく決済カード管理システム又は決済カード管理サーバを別途設け、その管理サーバ等から送信するようにしてもよい。
【0040】
商品情報記憶手段33は、当該ECサイトが取り扱う商品やサービスの情報を格納したデータベースである。商品等の情報には、商品の詳細情報、価格、送料、販売店の情報が含まれるのは言うまでもない。
【0041】
カード決済手段34は、ユーザが決済に用い、SNSシステム20から送信されたカード情報をカード会社システム40送信し、カードの認証(オーソリ)を受ける。利用可能額や利用限度額の超過(クレジットカードの場合)、口座残高不足(デビットカードの場合)、カードの有効期限切れ等の場合は、認証エラーがSNSシステム20に返される。
【0042】
商品配送手段35は、カード決済手段34のカードの認証が正常に終了した場合、ユーザが指定する送付先の住所等のデータを取得し、商品の配送処理を行う。
【0043】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、一つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて一つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、コンピュータシステムにおいて、サーバや端末の装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置に格納されたプログラムを読み出し、CPUにより実行されたプログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このプログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0044】
(処理フロー)
図4は、本システムの第1の実施形態におけるシステム間の連携処理フローを示す図である。以下では、SNS側からECサイト側の商品を購入する場合について説明する。この図においては、SNS側とECサイト側の内部の処理ステップの移動を実線で示し、システム間のデータの送受信を一点鎖線で示している。
【0045】
図4ではユーザは、SNS経由でECサイト側と既に商品購入のための対話(トーク)を開始しているものとする。まずSNS側で、ユーザとECサイトのトーク中に、ユーザが購入商品を選択したことを検知し(ステップS10)、かつ決済カードの絵記号を選択したことを検知すると(ステップS11)、カード絵記号登録テーブルを参照し、ECサイト側に絵記号に紐付けされたカード情報の送信を指示する(ステップS12)。ステップS12において、カード情報の送信は、SNS側からECサイト側に直接送信する以外にも、前述の管理サーバにカード情報をECサイト側に送信するように指示を出してもよい。例えば、購入者である個人を指定し、管理サーバにその個人の決済方法のデータが管理サーバに登録されていれば、その決済方法のデータを特定し、ECサイト側にその決済方法のカード情報の送信指示を出すようにしてもよい。なお、SNS側は、ユーザとECサイトとのトークを常に監視する必要はなく、ECサイト側から購入商品が選択されたとき、続いてカード絵記号の選択がされたときに通知を受けるだけでよい。
【0046】
ECサイト側は、ステップS20で、このカード情報を受信したことを検知すると、カード会社のシステムに対して、そのカードの認証依頼を送信し、認証結果をSNS側に返信する(ステップS21)。
【0047】
SNS側は、ステップS13で、この認証結果をチェックし、正常であればユーザに認証絵記号を入力するように促す(ステップS14)。そして、認証絵記号登録テーブルを参照して、入力された認証絵記号が正規の絵記号か否かを判断する(ステップS15)。正規の絵記号であれば、商品購入要求をECサイト側に送信する(ステップS16)。そして所定時間(例えば30分)を経過するまで、無条件のキャンセルを受け付ける(ステップS17,S18)。その間にユーザからキャンセルを受け取ると、キャンセル要求をECサイト側に送信する(ステップS19)が、所定時間キャンセルが来なければ処理を終了する。なお、カード情報の認証エラー時又は認証絵記号のエラー時には認証エラー処理を行って(ステップS19A)、処理を終了する。
【0048】
ECサイト側では、ステップS22で、商品購入要求の受信を検知すると、注文受付処理を実行する(ステップS23)。注文受付処理とは、商品の配送をするための準備である。その後、ステップS24で、上記の所定時間待機する。待機中にキャンセル要求があった場合は、キャンセル処理を実行する(ステップS25)。所定時間待機してもキャンセル要求がなかった場合は、注文確定と見なし、商品の配送処理に移る(ステップS26)。その後、処理結果をSNS側に送信する(ステップS27)。ステップS27においては、購入時のSNS(ステップS10を処理を実行したSNS)とは異なるSNSに送信するようにしてもよい。購入時のSNSとは別のSNS上で購入確認又は購入の認証を行うことで安全性がより高まる。
【0049】
(画面例)
図5は、前述のカード登録手段25が表示する絵記号登録画面の一例を示す図である。図示する絵記号リスト200は、絵記号記憶手段26に格納された絵記号の一覧を種類ごとに分類されて表示したものである。なお、ユーザが独自に用意した絵記号は、ユーザ情報記憶手段23に格納されるが絵記号リスト200に同様に表示される。
【0050】
カード情報の入力と絵記号との対応付けは専用の登録画面から行ってもよいが、図の例では、SNS上のトーク画面を利用して対話形式で登録を行っている。画面210は、カード情報を入力するときのトーク画面、画面220は、カード絵記号の使用方法を登録するトーク画面である。
【0051】
ここではユーザは、画面210からカード絵記号を選択するように促され、絵記号リスト200から、カード絵記号201を選択したものとする。ただし、カード絵記号は必ずしもカードの絵柄でなくともよい。ユーザがカード絵記号を選択すると、カードの種類、名称、カード番号等を入力するように促される。入力項目はカードの種類によって異なるが、ここではクレジットカードの場合を想定している。クレジットカードの場合、最後にセキュリティコードの入力が求められる。カード情報は、キー入力してもよいし、音声入力してもよい(その他の入力も同様)。
【0052】
カード情報の入力が終わると、そのカードの認証絵記号を選択するように促される。認証絵記号は、カード絵記号と区別できるものであれば何を選択してもよいが、カードごとに変えてもよいし、共通にしてもよい。カードごとに変える場合は、ユーザ本人だけがカードとの対応関係を連想できるようにする。例えば、クレジットカードであれば人物の絵記号とし、デビットカードであれば動物の絵記号とする等である。決済金額によって認証絵記号を変える場合は、人物の絵柄の場合だと権威が高そうな人ほど決済金額を高くし、動物の絵柄の場合だと体が大きいほど決済金額を高くする等である。
【0053】
カード絵記号の選択とカード情報の対応付け、及び認証絵記号の選択が終わると、画面220が表示され、登録したカードの使用方法等を入力することができる。画面220の選択欄225に登録したカードの絵記号が表示されるので、ユーザは、ここからカードごとに使用方法等を登録することができる。この例では、絵記号221のカードはリボ払い専用に、絵記号222のカードは一括払い専用に、絵記号223のカードは分割払い専用に登録している。また、分割払いの場合は、その支払回数も絵記号に組み合わせることができる。この例では、支払回数を表す絵記号224をカードの絵記号223と一緒に指定すると10回払いの意味となる。
【0054】
図6は、カード絵記号を合成するためのトーク画面の一例を示す図である。本システムでは、複数の絵記号から1つの絵記号を生成することができる。これを絵記号の合成という。図の画面230では、カード絵記号231とその他の絵記号232を一緒に選択し、その使用方法を銀行振込用カードとして登録する様子を示している。ここで合成された絵記号は、カード絵記号233に表示されている。
【0055】
合成された絵記号に更に別の絵記号を合成することもできる。図の例では、「振込日」の指定ができる機能を持つ絵記号234を更にカード絵記号233に合成することで、新たなカード絵記号235が生成される。以降、ユーザはこのカード絵記号235を選択すれば、支払方法が自動的に銀行振込となり、振込日を例えば給料日等に指定できるようになる。なお、振込先の口座情報はECサイトからあらかじめ指定されているものとする。このようにすることで、一つの絵記号に重畳的に複数の機能を持たせることができ、カードの使用方法や使用目的ごとに多数の絵柄を用意する必要がなくなる。
【0056】
図7は、本システムの第1の実施形態におけるSNSからのショッピング画面の一例を示す図である。既に述べたように、本システムでは、SNSの友達リストに登録されたネットショップを選択することで、友達と会話する感覚でショッピングを楽しむことができる。また、単にネットショップを選択するだけでなく、希望する商品のカテゴリごとにそのショップを登録することもできる。図の例では、友達リスト画面300からトークする相手として「〇〇ネットショップ婦人服」を選ぶと、「〇〇ネットショップ」の「婦人服」カテゴリに飛び、そのカテゴリ専用のトーク画面310が表示される。
【0057】
ユーザは、このトーク画面310から対話形式で買物を行うことができる。ショップ側のトークは人口知能により自動的に応答がなされるが、場合によっては店員を呼び出すことも可能とする。図の例では、春物のコートを探しているユーザとショップとのトークが表示されている。ここではユーザがカード払いを示唆したことを検知し、登録カードの絵記号が自動的に表示され、ユーザがそのうちの1つのカードを選択している様子を示している。
【0058】
(第2の実施形態)
図8は、本システムの第2の実施形態における機能構成を示す図である。また、
図9は、本システムの第2の実施形態におけるECサイトからのショッピング画面の一例を示す図である。第1の実施形態では絵記号登録テーブル24を全てSNSシステム20に備えるようにしたが、第2の実施形態では、SNSシステム20にはカード絵記号登録テーブル24aを設け、認証絵記号登録テーブル24bはカード会社システム40に設けるようにしたものである。以下、
図8、
図9を参照しながら、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0059】
図8に示すように、SNSシステム20のサイト連携手段22Aは、ECサイトシステム30とだけでなく、カード会社システム40との連携も制御する。このとき、ユーザ情報記憶手段23には、ECサイトシステム30とユーザが共通であることを検出できる情報が格納されているものとする。なお、SNSシステム20内のユーザ端末通信手段21、カード登録手段25、絵記号記憶手段26は、本実施形態では直接には使用されない。また、ECサイトシステム30には、顧客情報記憶手段36が設けられ、連携するSNSとカード会社が顧客ごとに登録されているものとする。
【0060】
本実施形態のカード会社システム40は、ユーザ端末通信手段41、SNSサイト連携手段42、ユーザ情報記憶手段43、認証絵記号登録手段44、カード決済通知手段45、を備える。以下簡単に説明する。
【0061】
ユーザ端末通信手段41は、ユーザ端末10との通信を制御するが、本実施形態では直接には使用されない。SNSサイト連携手段42は、SNSシステム20との連携を制御する。ユーザ情報記憶手段43には、ユーザがカード会社(デビットカードの場合は銀行)に登録した情報が記憶され、認証絵記号登録テーブル24bを含む。認証絵記号登録テーブル24bは、カード会社システム40において、認証絵記号登録手段44によってユーザが選択した認証絵記号が登録される。カード決済通知手段45は、ECサイトシステム30のカード決済手段34と交信し、決済の結果をECサイト側に通知する。
【0062】
例えば、ユーザがショッピングを行う際は、まずECサイトシステム30にログインする。そしてECサイトの商品購入画面から、カードを選択するのではなく、ユーザが普段利用しているSNSを選択する。この状態を
図9の〇〇ショップ購入画面400に示す。このショップ購入画面400からSNSの一つが選択されると、そのSNSに登録した友達リストが画面410に表示される。この友達リストには、ユーザが所持するカードがSNS上の「友達」として登録されており、このうちのどれかのカードを選択することで決済カードを指定することができる。なお、画面410中で各カードの横に表示される画像は、必ずしもSNS上に登録したカード絵記号である必要はない。
【0063】
なお、この友達リストは、ECサイト側で用意してもよいが、ECサイトシステム30のSNS連携手段32がSNSシステム20から取得してもよい。すなわち、SNSのAPI(Application Programming Interface)を利用して友達リストを取得してもよい。あるいは、SNS側に友達リストの制御を移すようにしてもよい。このようにすることで、SNSによって異なるカードを指定することができる。例えば、あるSNSにはクレジットカードを登録し、別のSNSにはデビットカードを登録し、更に別のSNSには電子マネーカードを登録する等ができる。また、このようにすることで、SNSの友達リストから実際の友達とショッピングに関する情報を共有することも可能となる。
【0064】
ユーザが画面410から決済カード(カードAとする)を選択すると、カードAを管理するカード会社のシステムに自動的に接続され、カード決済画面420が表示される。カード決済画面420は、SNS側にあってもよいし、ネットショップ側にあってもよい。SNS側にある場合、以後の制御がSNS側に移り、カード決済画面420にはショップで購入した商品の購入情報が自動的に転送されたものが表示される。ユーザは、この購入情報を確認し、認証絵記号を選択するだけで決済が完了する。カード決済画面420の領域421には操作性を高めるため認証絵記号を表示しているが、セキュリティ上、表示しないようにしてもよい。また、表示する場合は、図のようにダミーを含めて表示するようにしてもよい。また、認証絵記号を選択できる回数に制限を設けてもよい。
【0065】
決済が正常に完了した場合、カード決済通知手段45によって、決済が完了したことがECサイト側に通知されるので、ECサイトではこの決済通知と同時に入金を受けることができる。したがって、本実施形態でも、カード番号をECサイトで入力することなく買物ができる。また、カード決済や認証絵記号の登録はカード会社のシステム内で行われるのでより安全性が高くなる。
【0066】
図10は、本システムの第2の実施形態におけるデビットカードでの振込画面の一例を示す図である。既に述べたように本システムでは、デビットカードを用いて、購入代金を銀行振込で決済することが可能である。
【0067】
図示する画面500は、ECサイトの商品購入画面である。この画面500から、ユーザが支払方法として銀行振込を指定し、SNSを選択することで、そのSNSの友達リストが画面510に表示される。ユーザがこの画面510から、「〇〇銀行ネットバンキング振込」を選択すると、〇〇銀行のネットバンキングの振込画面520が表示される。ただし、ネットバンキングのログインは既に行われているものとする。振込画面520には、購入情報521がECサイトから自動的に転送されて表示される。したがって、ユーザは、この振込画面520から振込実行用の暗証番号又はパスワードを入力し、認証絵記号524を選択するだけで振込が完了する。なお、現在、多くの銀行では振込にワンタイムパスワードを採用しており、ユーザが登録した固定のパスワードや確認番号表の数字ではなく、ユーザに事前に送付したワンタイムパスワードカード(トークンとも呼ぶ)がその液晶部に表示したランダムな番号を入力させるようになっている。このような場合には、ワンタイムパスワードの入力を促す絵記号522を表示するようにしてもよい。
【0068】
(変形例)
第1及び第2の実施形態では、絵記号登録テーブルをSNS側又はカード会社側に設けたが、絵記号登録テーブルをユーザ端末側にも設けて、ユーザが自分で作成したイラスト、シンボル、写真等、ユーザ独自の絵記号をSNSに登録する手段を設けてもよい。このためユーザ端末側には専用のアプリケーション(専用アプリ)をインストールするようにしてもよい。
【0069】
また、本システムは、商品購入システム全体と捉えるだけでなく、ECサイトシステムを主体として捉えてもよいし、SNSシステムを主体として捉えてもよい。すなわち、ECサイトシステムを主体として捉える場合は、絵記号を利用したECサイトシステムであって、ユーザが登録した自分用の絵記号とユーザが保有する決済カードのカード情報とを対応付けて登録させるSNSシステムと連携可能にするSNS連携手段と、商品購入の決済のためにSNSシステムに登録された決済カードの絵記号をユーザに選択させることで決済を行うカード決済手段と、を備えることが特徴となる。また、SNSシステムを主体として捉える場合は、絵記号を利用したSNSシステムであって、ユーザが登録した自分用の絵記号と前記ユーザが保有する決済カードのカード情報とを対応付けて登録させるカード登録手段と、前記ユーザが商品購入の決済のために前記カード登録手段に登録された決済カードの絵記号を選択した結果を、ECサイトシステムに連携するECサイト連携手段と、を備えることが特徴となる。
【0070】
(実施形態の効果)
本システムによれば、カード番号を入力することなく、LINE(登録商標)やFacebook(登録商標)等で使用されているスタンプ等の絵記号を選択するだけで手軽で、かつ安全性に買物をすることができる。また、日ごろ友達と使っているSNSのトークやダイレクトメッセージのような感覚で買物を楽しむことができる。
【0071】
また、購入代金の決済時にカード絵記号を選択するだけでなく、決済を確定させるための認証絵記号を選択させるので、誤操作の抑止及び安全性を高めることができる。
また、複数の絵記号を合成し、1つの絵記号を生成することができるので、カードの使用方法や使用目的に応じて多くの絵記号の絵柄を用意する必要がなくなる。
また、SNSの友達リストからカードを直接選択することもできるので、友達を選ぶ感覚で、そのときの商品購入に最適なカードを選択することができる。さらに、本当の友達とショッピングに関する情報を共有することも可能となる。
また、カード会社のシステムと連携させることで、ECサイトでなくカード会社側で直ちに決済を実行させることができる。
また、決済カードにデビットカードを使用する場合、商品購入の代金を銀行振込で支払うことができるのでクレジットカード払いに対応していないショップでもカードで支払ができる。
【0072】
なお、上記の実施形態では、主にネットショップでの商品購入システムについて説明したが、実店舗でのショッピングにも応用が可能である。
【0073】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲に限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またそのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、商品購入システムについて説明したが、本発明は、方法の発明(商品購入方法)又はコンピュータ・プログラムの発明(商品購入プログラム)としても捉えることもできる。