【文献】
石田 裕貴、ほか,End−to−End遅延時間の増加率を利用した可用帯域推定方式,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2014年 1月16日,第113巻 第389号,pp.145−150
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ネットワークを介して接続された受信装置に対して第1の下りパケットを送信し、送信した前記第1の下りパケットに対応する第1の上りパケットを受信し、前記第1の上りパケットの受信結果に基づいて、前記受信装置との間の上り方向及び下り方向の両方を通じて最も細い可用帯域である両方向可用帯域を推定する両方向可用帯域推定手段と、
前記受信装置に対して所望のサイズの第2の上りパケットを送信させるための第2の下りパケットを送信し、送信した前記第2の下りパケットに対応する前記第2の上りパケットを受信し、前記第2の上りパケットの受信結果に基づいて、前記受信装置との間の第1の上り方向の可用帯域と第1の下り方向の可用帯域との少なくともいずれかを推定する片方向可用帯域推定手段と、
前記両方向可用帯域と前記第1の上り方向の可用帯域とが異なる数値の場合、第2の下り方向の可用帯域を、前記両方向可用帯域と推定し、前記両方向可用帯域と前記第1の上り方向の可用帯域とが等しい数値の場合、前記第2の下り方向の可用帯域の値を、前記両方向可用帯域の値または前記第1の上り方向の可用帯域の値以上の数値であると推定し、前記両方向可用帯域と前記第1の下り方向の可用帯域とが異なる数値の場合、第2の上り方向の可用帯域を、前記両方向可用帯域と推定し、前記両方向可用帯域と前記第1の下り方向の可用帯域とが等しい数値の場合、前記第2の上り方向の可用帯域の値を、前記両方向可用帯域の値または前記第1の下り方向の可用帯域の値以上の数値であると推定し、前記第1の上り方向の可用帯域、前記第1の下り方向の可用帯域、前記第2の上り方向の可用帯域及び前記第2の下り方向の可用帯域を出力する可用帯域間接推定手段と、を含む
情報処理装置。
前記片方向可用帯域推定手段が前記第1の上り方向の可用帯域及び前記第1の下り方向の可用帯域の少なくともいずれかを推定するために利用する、前記第2の下りパケットを判断する片方向可用帯域推定手段判断手段を更に含み、
前記両方向可用帯域推定手段は、前記判断された結果に基づいて、両方向可用帯域を推定し、
前記片方向可用帯域推定手段は、前記判断された結果に基づいて、前記第1の上り方向の可用帯域と前記第1の下り方向の可用帯域との少なくともいずれかを推定する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記片方向可用帯域推定手段は、不正な制御パラメータを含む前記第2の下りパケットを送信し、エラーメッセージを通知する前記第2の上りパケットを前記受信装置に送信させる
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記片方向可用帯域推定手段は、特定のデータの取得を要求する前記第2の下りパケットを送信し、前記特定のデータを含む前記第2の上りパケットを前記受信装置に送信させる
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。尚、各図面及び明細書記載の各実施形態において、同様の構成要素には同様の符号を付与し、適宜説明を省略する。
【0031】
<<<第1の実施形態>>>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置100の構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理装置100は、両方向可用帯域推定部110と、片方向可用帯域推定部120と、可用帯域間接推定部130とを含む。尚、
図1に示す各構成要素は、ハードウェア単位の回路でも、コンピュータ装置の機能単位に分割された構成要素でもよい。ここでは、
図1に示す構成要素は、コンピュータ装置の機能単位に分割された構成要素として説明する。
【0033】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置100を含む情報処理システム901の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理システム901は、情報処理装置100及び受信装置920を備える。情報処理装置100と受信装置920とは、ネットワーク910を介して接続される。
図2に示す例に係わらず、情報処理装置100及び受信装置920のそれぞれは、任意の台数であってよい。
【0034】
===両方向可用帯域推定部110===
両方向可用帯域推定部110は、受信装置920に対して、下りパケット(第1の下りパケット)811を送信する。次に、両方向可用帯域推定部110は、下りパケット811に対応する上りパケット(第1の上りパケット)812を受信する。次に両方向可用帯域推定部110は、上りパケット812の受信結果に基づいて、受信装置920との間の上り方向及び下り方向の両方を通じて最も細い可用帯域である両方向可用帯域830を推定する。尚、上り方向は、ネットワーク910において、受信装置920から情報処理装置100へデータが転送される場合の方向である。また、下り方向は、ネットワーク910において、情報処理装置100から受信装置920へデータが転送される場合の方向である。
【0035】
「下りパケット」とは、情報処理装置100、後述する情報処理装置200及び情報処理装置300が受信装置920に送信する、何らかのデータを要求する要求パケットである。また、「上りパケット」とは、受信装置920が情報処理装置100、後述する情報処理装置200及び情報処理装置300に送信する、その要求パケットに対する、応答パケットである。
【0036】
尚、下りパケット811及び上りパケット812は、両方向可用帯域830を推定するためのプローブデータを構成するものである。
【0037】
===片方向可用帯域推定部120===
片方向可用帯域推定部120は、受信装置920に対して所望のサイズの上りパケット(第2の上りパケット)822を送信させるための、下りパケット(第2の下りパケット)821を送信する。上りパケット822のその所望のサイズは、一定であってもよいし、変化(例えば、階段状に増加)してもよい。
【0038】
次に、片方向可用帯域推定部120は、下りパケット821に対応する上りパケット822を受信する。次に、片方向可用帯域推定部120は、上りパケット822の受信結果に基づいて、受信装置920との間の上方向可用帯域(第1の上り方向の可用帯域)831と下方向可用帯域(第1の下り方向の可用帯域)832との少なくともいずれかを推定する。
【0039】
尚、上方向可用帯域831が推定される場合の上りパケット822は、上方向可用帯域831を推定するためのプローブデータを構成するものである。また、下方向可用帯域832を推定する場合の下りパケット821は、下方向可用帯域832を推定するためのプローブデータを構成するものである。
【0040】
上述のようなプローブデータの構成に関するパケットは、総称して、プローブパケットとも呼ばれる。
【0041】
例えば、その所望のサイズは、第1の所定値以上のサイズである。この場合の第1の所定値は、ネットワーク910の物理的最大帯域に対応し、経験的あるいは理論的に決定される値である。その第1の所定値以上のサイズは、上方向可用帯域831を推定するために、上りパケット822により使用される帯域が、下りパケット821により使用される帯域の影響を無視できる程度に大きくなるような、上りパケット822のサイズである。即ち、その第1の所定値以上のサイズの上りパケット822は、上方向可用帯域831を推定するために、下りパケット821の影響を小さくする。
【0042】
第1の所定値以上のサイズの上りパケット822を受信装置920に送信させる下りパケット821は、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)をサポートする受信装置920に対する、情報要求パケットである。また、その下りパケット821は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)をサポートする受信装置920に対する、GETコマンドを含むパケットであってもよい。
【0043】
また、その所望のサイズは、第2の所定値以下のサイズである。この場合の第2の所定値も、ネットワーク910の物理的最大帯域に対応し、経験的あるいは理論的に決定される値である。その第2の所定値以下のサイズは、下方向可用帯域832を推定するために、下りパケット821により使用される帯域が、上りパケット822により使用される帯域の影響を無視できる程度に大きくなるような、上りパケット822のサイズである。即ち、その第2の所定値以下のサイズの上りパケット822は、下方向可用帯域832を推定するために、上りパケット822の影響を小さくする。
【0044】
第2の所定値以下のサイズの上りパケット822を受信装置920に送信させる下りパケット821は、例えば、SNMPをサポートする受信装置920に対する、不正な(架空の)データ種別を含む情報要求パケットである。また、その下りパケット821は、ICMPの時間超過メッセージを応答する機能を有するルータに対する、生存時間をそのルータまでのルータ数に設定した、パケットであってよい。
【0045】
===可用帯域間接推定部130===
可用帯域間接推定部130は、両方向可用帯域830と上方向可用帯域831とに基づいて、下方向可用帯域(第2の下り方向の可用帯域)842を推定し、上方向可用帯域831を上方向可用帯域(第2の上り方向の可用帯域)841とする。
【0046】
また、可用帯域間接推定部130は、両方向可用帯域830と下方向可用帯域832とに基づいて上方向可用帯域841を推定し、下方向可用帯域832を下方向可用帯域842とする。
【0047】
次に、可用帯域間接推定部130は、上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を出力する。
【0048】
以上が、情報処理装置100の機能単位の各構成要素についての説明である。
【0049】
===受信装置920===
受信装置920は、任意の外部装置からパケットを受信し、受信したそのパケットに対する上りパケットを送信する。具体的には、受信装置920は、情報処理装置100から下りパケット811を受信し、受信した下りパケット811に応答して、情報処理装置100へ上りパケット812を送信する。また、受信装置920は、情報処理装置100から下りパケット821を受信し、受信した下りパケット821に応答して、情報処理装置100へ上りパケット822を送信する。
【0050】
次に、情報処理装置100のハードウェア単位の構成要素について説明する。
【0051】
図3は、本実施形態における情報処理装置100を実現するコンピュータ700のハードウェア構成を示す図である。
【0052】
図3に示すように、コンピュータ700は、CPU(Central Processing Unit)701、記憶部702、記憶装置703、入力部704、出力部705及び通信部706を含む。更に、コンピュータ700は、外部から供給される記録媒体(または記憶媒体)707を含む。例えば、記録媒体707は、情報を非一時的に記憶する不揮発性記録媒体(非一時的記録媒体)である。また、記録媒体707は、情報を信号として保持する、一時的記録媒体であってもよい。
【0053】
CPU701は、オペレーティングシステム(不図示)を動作させて、コンピュータ700の全体の動作を制御する。例えば、CPU701は、記憶装置703に装着された記録媒体707から、そのプログラムやデータを読み込み、読み込んだそのプログラムやそのデータを記憶部702に書き込む。ここで、そのプログラムは、例えば、後述の
図4に示すフローチャートの動作をコンピュータ700に実行させるためのプログラムである。
【0054】
そして、CPU701は、その読み込んだプログラムに従って、またその読み込んだデータに基づいて、
図1に示す両方向可用帯域推定部110、片方向可用帯域推定部120及び可用帯域間接推定部130として各種の処理を実行する。
【0055】
尚、CPU701は、通信網(不図示)に接続される外部コンピュータ(不図示)から、記憶部702にそのプログラムやそのデータをダウンロードしてもよい。
【0056】
記憶部702は、そのプログラムやそのデータを記憶する。例えば、記憶部702は、送信バッファあるいは受信バッファとして、下りパケット811、上りパケット812、下りパケット821、上りパケット822を記憶してよい。この場合、記憶部702は、両方向可用帯域推定部110及び片方向可用帯域推定部120の一部として含まれる。また、記憶部702は、両方向可用帯域830、上方向可用帯域831、下方向可用帯域832、上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を記憶してよい。この場合、記憶部702は、更に可用帯域間接推定部130の一部として含まれる。
【0057】
記憶装置703は、例えば、光ディスクや、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク及び半導体メモリなどであって、記録媒体707を含む。記憶装置703(記録媒体707)は、そのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶する。また、記憶装置703は、そのデータを記憶してもよい。例えば、記憶装置703は、両方向可用帯域830、上方向可用帯域831、下方向可用帯域832、上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を記憶してよい。この場合、記憶装置703は、可用帯域間接推定部130の一部として含まれる。
【0058】
入力部704は、オペレータによる操作の入力や外部からの情報の入力を受け付ける。入力操作に用いられるデバイスは、例えば、マウスや、キーボード、内蔵のキーボタン、及びタッチパネルなどである。例えば、情報処理装置100は、上述の所望のサイズや第1の所定値、第2の所定値などを、入力部704を介して受け付けてよい。
【0059】
出力部705は、例えばディスプレイで実現される。出力部705は、例えばGUI(GRAPHICAL User Interface)によるオペレータへの入力要求や、オペレータに対する出力提示などのために用いられる。例えば、情報処理装置100は、上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を、出力部705を介して出力してよい。
【0060】
通信部706は、受信装置920とのインタフェースを実現する。通信部706は、両方向可用帯域推定部110及び片方向可用帯域推定部120の一部として含まれる。
【0061】
以上説明したように、
図1に示す情報処理装置100の機能単位のブロックは、
図3に示すハードウェア構成のコンピュータ700によって実現される。但し、コンピュータ700が備える各部の実現手段は、上記に限定されない。すなわち、コンピュータ700は、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線または無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0062】
尚、上述のプログラムのコードを記録した記録媒体707が、コンピュータ700に供給される場合、CPU701は、記録媒体707に格納されたそのプログラムのコードを読み出して実行するようにしてもよい。あるいは、CPU701は、記録媒体707に格納されたそのプログラムのコードを、記憶部702、記憶装置703またはその両方に格納してもよい。すなわち、本実施形態は、コンピュータ700(CPU701)が実行するそのプログラム(ソフトウェア)を、一時的にまたは非一時的に、記憶する記録媒体707の実施形態を含む。尚、情報を非一時的に記憶する記憶媒体は、不揮発性記憶媒体とも呼ばれる。
【0063】
以上が、本実施形態における情報処理装置100を実現するコンピュータ700の、ハードウェア単位の各構成要素についての説明である。
【0064】
次に本実施形態の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0065】
図4は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。尚、このフローチャートによる処理は、前述したCPU701によるプログラム制御に基づいて、実行されてよい。また、処理のステップ名については、S101のように、記号で記載する。
【0066】
情報処理装置100は、例えば、所定の時刻に
図4に示す動作を開始する。その所定の時刻は、例えば、毎正時のなどの一定時間ごとや、予め与えられたリスト(不図示)に示される時刻などであってよい。情報処理装置100は、
図3に示す入力部704を介して入力されたオペレータからの指示に基づいて、
図4に示す動作を開始してもよい。また、情報処理装置100は、
図3に示す通信部706を介して図示しない機器からの指示に基づいて、
図4に示す動作を開始してもよい。
【0067】
片方向可用帯域推定部120は、受信装置920との間の、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832の少なくともいずれかを推定する(ステップS101)。
【0068】
次に、可用帯域間接推定部130は、ステップS101において片方向可用帯域推定部120が上方向可用帯域831を推定したか否かを判断する(ステップS102)。上方向可用帯域831が推定された場合(ステップS102でYES)、処理は、ステップS105へ進む。
【0069】
上方向可用帯域831が推定されなかった場合(ステップS102でNO)、両方向可用帯域推定部110は、両方向可用帯域830を推定する(ステップS103)。
【0070】
次に、可用帯域間接推定部130は、両方向可用帯域830と、下方向可用帯域832とを比較し、上方向可用帯域841を推定する(ステップS104)。そして、処理は、ステップS108へ進む。
【0071】
具体的には、可用帯域間接推定部130は、上方向可用帯域841を以下のように推定する。両方向可用帯域830と下方向可用帯域832とが等しい数値である場合、下り方向にボトルネックがあると判断することができる。従って、可用帯域間接推定部130は、「下方向可用帯域842はその等しい数値(下方向可用帯域832)」であり、「上方向可用帯域841はその等しい数値以上の数値」である、と推定する。
【0072】
両方向可用帯域830と下方向可用帯域832とが異なる数値である場合、上り方向にボトルネックがあると判断することができる。従って、可用帯域間接推定部130は、「下方向可用帯域842は下方向可用帯域832」であり、「上方向可用帯域841は両方向可用帯域830」である、と推定する。
【0073】
次に、可用帯域間接推定部130は、ステップS101において片方向可用帯域推定部120が下方向可用帯域832を推定したか否かを判断する(ステップS105)。下方向可用帯域832が推定された場合(ステップS105でYES)、処理は、ステップS108へ進む。
【0074】
下方向可用帯域832が推定されなかった場合(ステップS105でNO)、両方向可用帯域推定部110は、両方向可用帯域830を推定する(ステップS106)。
【0075】
次に、可用帯域間接推定部130は、両方向可用帯域830と、上方向可用帯域831とを比較し、下方向可用帯域842を推定する(ステップS107)。
【0076】
具体的には、可用帯域間接推定部130は、下方向可用帯域842を以下のように推定する。両方向可用帯域830と上方向可用帯域831とが等しい数値である場合、上り方向にボトルネックがあると判断することができる。従って、可用帯域間接推定部130は、「上方向可用帯域841はその等しい数値(上方向可用帯域831)」であり、「下方向可用帯域842はその等しい数値以上の数値」であると推定する。
【0077】
また、両方向可用帯域830と上方向可用帯域831とが異なる数値である場合、下り方向にボトルネックがあると判断することができる。従って、可用帯域間接推定部130は、「上方向可用帯域841は上方向可用帯域831」であり、「下方向可用帯域842は両方向可用帯域830」である、と推定する。
【0078】
次に、可用帯域間接推定部130は、上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を出力する(ステップS108)。
【0079】
具体的には、可用帯域間接推定部130は、ステップS101において推定された上方向可用帯域831またはステップS104において推定された上方向可用帯域841を、上方向可用帯域841として出力する。そして、可用帯域間接推定部130は、ステップS101において推定された下方向可用帯域832またはステップS107において推定された下方向可用帯域842を、下方向可用帯域842として出力する。
【0080】
例えば、可用帯域間接推定部130は、上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を、
図3に示す出力部705を介して出力する。また、可用帯域間接推定部130は、
図3に示す通信部706を介して、図示しない機器に上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を送信してもよい。また、可用帯域間接推定部130は、
図7に示す記憶装置703を介して、記録媒体707に上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を記録してもよい。
【0081】
上述した本実施形態における第1の効果は、帯域推定のための専用の機能を有する受信装置を配備することなく、情報処理装置100と受信装置920との間の上り方向及び下り方向のそれぞれの可用帯域を推定することを可能にする点である。
【0082】
その理由は、以下のような構成を含むからである。即ち、第1に両方向可用帯域推定部110が両方向可用帯域830を推定する。第2に、片方向可用帯域推定部120が、受信装置920に対して所望のサイズの上りパケット822を送信させて、上方向可用帯域831と下方向可用帯域832との少なくともいずれかを推定する。第3に、可用帯域間接推定部130は、両方向可用帯域830と、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832の少なくともいずれかとに基づいて、上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を出力する。
【0083】
上述した本実施形態における第2の効果は、情報処理装置100と受信装置920との間の上り方向及び下り方向の可用帯域のいずれか一方を、直接推定することができない場合でも、その直接推定できない可用帯域を間接的に推定することを可能にする点である。
【0084】
その理由は、以下のような構成を含むからである。下方向可用帯域832を推定することができない場合、可用帯域間接推定部130が、両方向可用帯域830と上方向可用帯域831とを比較して、下方向可用帯域842を推定する。上方向可用帯域831を推定することができない場合、可用帯域間接推定部130が、両方向可用帯域830と下方向可用帯域832とを比較して、上方向可用帯域841を推定する。
【0085】
<<<第2の実施形態>>>
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0086】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置200の構成を示すブロック図である。
【0087】
図5に示すように、本実施形態における情報処理装置200は、
図1に示す情報処理装置100と比べて、片方向可用帯域推定手段判断部240を、更に含む点が異なる。また、情報処理装置200は、情報処理装置100と比べて、両方向可用帯域推定部110に替えて両方向可用帯域推定部210を、片方向可用帯域推定部120に替えて片方向可用帯域推定部220を含む点が異なる。
【0088】
===片方向可用帯域推定手段判断部240===
片方向可用帯域推定手段判断部240は、片方向可用帯域推定部220が利用するのに好適な下りパケット821を判断する。換言すると、片方向可用帯域推定手段判断部240は、片方向可用帯域(上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832)を推定するために好適な下りパケット821を判断する。
【0089】
具体的には、片方向可用帯域推定手段判断部240は、受信装置920に対して利用候補の下りパケット821を送信し、その下りパケット821に対する応答を解析することで、受信装置920のその下りパケット821への対応能力を調査する。
【0090】
===両方向可用帯域推定部210===
両方向可用帯域推定部210は、片方向可用帯域推定手段判断部240が判断した結果に基づいて、両方向可用帯域830を推定する。具体的には、その結果が、上方向可用帯域831または下方向可用帯域832の推定に利用する下りパケット821のいずれか一方のみであった場合、両方向可用帯域推定部210は、両方向可用帯域830を推定する。その結果が、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832のそれぞれを推定するための両方の下りパケット821であった場合、両方向可用帯域推定部210は、両方向可用帯域830を推定しない。
【0091】
===片方向可用帯域推定部220===
片方向可用帯域推定部220は、片方向可用帯域推定手段判断部240が判断した結果に基づいて、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832の少なくともいずれかを推定する。具体的には、その結果が、上方向可用帯域831の推定に利用する下りパケット821を示す場合、片方向可用帯域推定部220は、上方向可用帯域831を推定する。その結果が、下方向可用帯域832推定に利用する下りパケット821を示す場合、片方向可用帯域推定部220は、下方向可用帯域832を推定する。また、その結果が、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832のそれぞれを推定するための下りパケット821のそれぞれを示す場合、片方向可用帯域推定部220は、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832を推定する。
【0092】
本実施形態における情報処理装置200は、
図3に示すコンピュータ700により実現されてよい。
【0093】
この場合、CPU701は、読み込んだプログラムに従って、また読み込んだデータに基づいて、
図5に示す各構成要素として各種の処理を実行する。
【0094】
また、通信部706は、更に片方向可用帯域推定手段判断部240の一部として含まれる。
【0095】
次に本実施形態の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0096】
図6は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。尚、このフローチャートによる処理は、前述したCPU701によるプログラム制御に基づいて、実行されてよい。また、処理のステップ名については、S201のように、記号で記載する。
【0097】
情報処理装置200は、例えば、所定の時刻に
図6に示す動作を開始する。その所定の時刻は、例えば、毎正時のなどの一定時間ごとや、予め与えられたリスト(不図示)に示される時刻などであってよい。情報処理装置200は、
図3に示す入力部704を介して入力されたオペレータからの指示に基づいて、
図6に示す動作を開始してもよい。また、情報処理装置200は、
図3に示す通信部706を介して図示しない機器からの指示に基づいて、
図6に示す動作を開始してもよい。
【0098】
片方向可用帯域推定手段判断部240は、利用可能な下りパケット821を調査する(ステップS201)。
【0099】
次に、片方向可用帯域推定手段判断部240は、ステップS201で調査した結果に基づいて、片方向可用帯域推定部220が利用する下りパケット821を判断する(ステップS202)。
【0100】
両方向可用帯域推定部210は、片方向可用帯域推定手段判断部240が判断した結果に基づいて、両方向可用帯域830を推定する(ステップS203)。
【0101】
片方向可用帯域推定部220は、片方向可用帯域推定手段判断部240が判断した結果に基づいて、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832の少なくともいずれかを推定する(ステップS204)
次に、可用帯域間接推定部130は、ステップS203において片方向可用帯域推定部220が上方向可用帯域831を推定したか否かを判断する(ステップS205)。上方向可用帯域831が推定された場合(ステップS205でYES)、処理は、ステップS207へ進む。
【0102】
上方向可用帯域831が推定されなかった場合(ステップS205でNO)、可用帯域間接推定部130は、両方向可用帯域830と、下方向可用帯域832とを比較し、上方向可用帯域841を推定する(ステップS206)。そして、処理は、ステップS209へ進む。尚、ステップS206の具体的な動作は、
図4に示すフローチャートステップS104の場合と同様である。
【0103】
次に、可用帯域間接推定部130は、ステップS101において片方向可用帯域推定部220が下方向可用帯域832を推定したか否かを判断する(ステップS207)。下方向可用帯域832が推定された場合(ステップS207でYES)、処理は、ステップS209へ進む。
【0104】
下方向可用帯域832が推定されなかった場合(ステップS207でNO)、可用帯域間接推定部130は、両方向可用帯域830と、上方向可用帯域831とを比較し、下方向可用帯域842を推定する(ステップS208)。尚、ステップS208の具体的な動作は、
図4に示すフローチャートステップS107の場合と同様である。
【0105】
次に、可用帯域間接推定部130は、上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を出力する(ステップS209)。尚、ステップS209の具体的な動作は、
図4に示すフローチャートステップS108の場合と同様である。
【0106】
<<<第2の実施形態の変形例>>>
本変形例において、受信装置920はルータである。
【0107】
片方向可用帯域推定手段判断部240は、
図6のステップS202において、そのルータを対象とする下りパケット821を判断できない場合、そのルータを経由して通信可能な受信装置を探索する。次に、片方向可用帯域推定手段判断部240は、そのルータを経由して通信可能な受信装置を対象とする下りパケット821を判断する。
【0108】
片方向可用帯域推定部220は、そのルータを経由して通信可能な受信装置に対して、その受信装置を対象とする下りパケット821を利用して、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832の少なくともいずれかを推定する。
【0109】
上述した本実施形態における第1の効果は、第1の実施形態の効果に加えて、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832を推定する場合の、通信量を抑制することを可能にする点である。
【0110】
その理由は、片方向可用帯域推定手段判断部240が利用する下りパケット821を判断し、片方向可用帯域推定部220がその判断した結果に従って上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832を推定するようにしたからである。
【0111】
上述した本実施形態における第2の効果は、ルータ(受信装置920)が下りパケット821の候補のいずれにも対応していない場合であっても、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832を推定することを可能にする点である。
【0112】
その理由は、片方向可用帯域推定手段判断部240がそのルータを経由して通信可能な受信装置を対象とする下りパケット821を判断するからである。
【0113】
<<<第3の実施形態>>>
次に、本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0114】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る情報処理装置300の構成を示すブロック図である。
【0115】
図7に示すように、本実施形態における情報処理装置300は、
図1に示す情報処理装置100と比べて、更にプローブデータ管理部350を含む点が異なる。
【0116】
===プローブデータ管理部350===
プローブデータ管理部350は、応答データ生成能力調査部351及びデータ登録部352を含む。
【0117】
応答データ生成能力調査部351は、上方向可用帯域831を推定するための上りパケット822を、受信装置920が生成可能か否かを判定する。換言すると、応答データ生成能力調査部351は、受信装置920が所望のサイズの上りパケット822を生成するために必要な量のデータを、用意可能か否かを調査する。
【0118】
上方向可用帯域831を推定するためには、受信装置920から、第1の所定値以上の同じサイズもしくは異なるサイズの、データ(上りパケット822)を短い間隔で送信する必要がある。その第1の所定値以上のサイズは、前述の、上方向可用帯域831を推定するために、上りパケット822により使用される帯域が、下りパケット821により使用される帯域の影響を無視できる程度に大きくなるような、上りパケット822のサイズである。即ち、応答データ生成能力調査部351は、上方向可用帯域831の推定を行うために必要なデータサイズの上りパケット822を、受信装置920が生成する能力を有しているか否かを確認する。
【0119】
具体的には、応答データ生成能力調査部351は、調査用パケット861を受信装置920へ送信する。次に、応答データ生成能力調査部351は、受信装置920から調査用パケット861に対応する応答パケット862を受信する。次に、応答データ生成能力調査部351は、応答パケット862を解析して、受信装置920が所望のサイズの上りパケット822を生成する能力を有しているか否かを判定する。
【0120】
データ登録部352は、その所望のサイズの上りパケット822を生成するために必要なデータを、受信装置920へ登録する。
【0121】
本実施形態における情報処理装置300は、
図3に示すコンピュータ700により実現されてよい。
【0122】
この場合、CPU701は、読み込んだプログラムに従って、また読み込んだデータに基づいて、
図7に示す両方向可用帯域推定部110、片方向可用帯域推定部120、可用帯域間接推定部130及びプローブデータ管理部350として各種の処理を実行する。
【0123】
また、通信部706は、更にプローブデータ管理部350の一部として含まれる。
【0124】
次に本実施形態の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0125】
図8は、本実施形態のプローブデータ管理部350の動作を示すフローチャートである。尚、このフローチャートによる処理は、前述したCPU701によるプログラム制御に基づいて、実行されてよい。また、処理のステップ名については、S301のように、記号で記載する。
【0126】
プローブデータ管理部350は、例えば、片方向可用帯域推定部120の要求に基づいて、
図8に示す動作を開始する。プローブデータ管理部350は、
図3に示す入力部704を介して入力されたオペレータからの指示に基づいて、
図8に示す動作を開始してもよい。また、プローブデータ管理部350は、
図3に示す通信部706を介して図示しない機器からの指示に基づいて、
図8に示す動作を開始してもよい。
【0127】
応答データ生成能力調査部351は、受信装置920が上方向可用帯域831を推定するために必要な上りパケット822を生成できる能力を有しているか否かを判定する(ステップS301)。
【0128】
受信装置920がその能力を有していると判定された場合(ステップS301でYES)、処理は終了する。
【0129】
受信装置920がその能力を有していないと判定された場合(ステップS301でNO)、データ登録部352は、その所望のサイズの上りパケット822を生成するために必要なデータを、受信装置920に登録する(ステップS302)。
【0130】
上述した本実施形態における効果は、第1の実施形態の効果に加え、上方向可用帯域831の推定精度の向上を可能にする点である。
【0131】
その理由は、以下の構成を含むからである。第1に、プローブデータ管理部350が、受信装置920が上方向可用帯域831の推定に必要な上りパケット822を生成するための、データを生成する。第2に、プローブデータ管理部350が、その生成したデータを受信装置920に登録する。
【0132】
<<<第4の実施形態>>>
次に、本発明の第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0133】
図9は、本発明の第4の実施形態に係る情報処理システム904の構成を示すブロック図である。
【0134】
図9に示すように、本実施形態における情報処理システム904は、
図1に示す情報処理装置100に対応する可用帯域計測サーバ1001と、
図2に示す受信装置920に対応する計測サーバ1002とを含む。可用帯域計測サーバ1001と計測サーバ1002とは、ネットワーク1000を介して接続される。
【0135】
可用帯域計測サーバ1001と計測サーバ1002とは、一般的なネットワーク装置が提供するICMPやSNMPなどのプロトコルに対応している。
【0136】
計測サーバ1002は、可用帯域計測サーバ1001から送信された下りパケット821を受信し、その下りパケット821の内容に応じて、可用帯域計測サーバ1001へ上りパケット822を送信する。
【0137】
以下の説明では、可用帯域計測サーバ1001から計測サーバ1002への方向を下り方向、計測サーバ1002から可用帯域計測サーバ1001への方向を上り方向と呼ぶ。
【0138】
まず、可用帯域計測サーバ1001は両方向可用帯域830を推定するため、例えば、ICMPのエコー要求通知を利用した下りパケット821により構成される、パケットトレインを計測サーバ1002に送信する。
【0139】
計測サーバ1002は、その下りパケット821を受信し、ICMPのエコー要求通知であることを検出する。次に、計測サーバ1002は、可用帯域計測サーバ1001に、エコー応答通知を上りパケット822として送信する。
【0140】
次に、可用帯域計測サーバ1001は、受信するエコー応答通知に基づいて、両方向可用帯域830を推定する。
【0141】
次に、可用帯域計測サーバ1001は、上方向可用帯域831もしくは下方向可用帯域832を推定する。上り方向あるいは下り方向のどちらの可用帯域を推定するかは、例えば、可用帯域計測サーバ1001に予め設定される。また、どちらの可用帯域を推定するかは、可用帯域計測サーバ1001がランダムに選択してもよい。
【0142】
次に、上方向可用帯域831、下方向可用帯域832のそれぞれが推定される場合の動作について説明する。まず、上方向可用帯域831が推定される場合の動作について説明する。
【0143】
上方向可用帯域831を推定するため、可用帯域計測サーバ1001は、計測サーバ1002に第1の所定値以上の所望のサイズの上りパケット822を送信させるための、下りパケット821を生成する。可用帯域計測サーバ1001は、複数のそのような下りパケット821を生成し、時間をずらして計測サーバ1002に送信する。
【0144】
計測サーバ1002は、受信した下りパケット821に応答して、上りパケット822を生成し、即座に可用帯域計測サーバ1001に送信する。その上りパケット822は、その下りパケット821の内容に対応し、その第1の所定値以上の所望のサイズとなるだけのデータを含む。この処理により、可用帯域計測サーバ1001から送信される一連の下りパケット821に対応する形で、計測サーバ1002から送信される複数の上りパケット822は、パケットトレインとなる。
【0145】
可用帯域計測サーバ1001は、計測サーバ1002から送信されたパケットトレインの上りパケット822を受信する。そして、可用帯域計測サーバ1001は、その受信結果に基づいて、上方向可用帯域831を推定する。可用帯域計測サーバ1001は、上述の両方向可用帯域830の推定結果とこの上方向可用帯域831の推定結果とを比較し、上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を推定する。
【0146】
次に下方向可用帯域832が推定される場合の動作について説明する。
【0147】
可用帯域計測サーバ1001は、同一サイズあるいはサイズの異なるパケットトレインの下りパケット821を生成し、計測サーバ1002に送信する。この際、可用帯域計測サーバ1001は、上り方向の帯域に影響を受けることを防ぐため、計測サーバ1002が第2の所定値以下の所望のサイズの上りパケット822にて応答するような下りパケット821を送信する。
【0148】
計測サーバ1002は、受信した下りパケット821に基づいて、上りパケット822を生成し、即座に可用帯域計測サーバ1001に送信する。その上りパケット822は、その下りパケット821の内容に対応し、その第2の所定値以下の所望のサイズとなるだけのデータを含む。
【0149】
可用帯域計測サーバ1001は、計測サーバ1002から送信された一連の上りパケット822(パケットトレイン)を受信する。そして、可用帯域計測サーバ1001は、その受信結果に基づいて、下方向可用帯域832を推定する。
【0150】
可用帯域計測サーバ1001は、上述の両方向可用帯域830の推定結果とこの下方向可用帯域832の推定結果とを比較し、上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を推定する。
【0151】
上述した本実施形態における第1の効果は、帯域推定のための専用の機能を有する受信装置を配備することなく、可用帯域計測サーバ1001と計測サーバ1002との間の上り方向及び下り方向のそれぞれの可用帯域を推定することを可能にする点である。
【0152】
その理由は、以下のような構成を含むからである。即ち、第1に、可用帯域計測サーバ1001が両方向可用帯域830を推定する。第2に、可用帯域計測サーバ1001が、計測サーバ1002に対して所望のサイズの上りパケット822を送信させて、上方向可用帯域831と下方向可用帯域832との少なくともいずれかを推定する。第3に、可用帯域計測サーバ1001が、両方向可用帯域830と、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832の少なくともいずれかと、に基づいて、上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842を出力する。
【0153】
上述した本実施形態における第2の効果は、可用帯域計測サーバ1001と計測サーバ1002との間の上り方向及び下り方向のそれぞれの可用帯域の、実測値から直接推定することができないいずれか一方を間接的に推定することを可能にする点である。
【0154】
その理由は、以下のような構成を含むからである。下方向可用帯域832を推定することができない場合、可用帯域計測サーバ1001が、両方向可用帯域830と上方向可用帯域831とを比較して、下方向可用帯域842を推定する。上方向可用帯域831を推定することができない場合、可用帯域計測サーバ1001が、両方向可用帯域830と下方向可用帯域832とを比較して、上方向可用帯域841を推定する。
【0155】
<<<第5の実施形態>>>
次に、本発明の第5の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0156】
図10は、本発明の第5の実施形態に係る情報処理システム905の構成を示すブロック図である。
【0157】
図10に示すように、本実施形態における情報処理システム905は、
図5に示す情報処理装置200に対応する可用帯域計測サーバ2001と、
図2に示す受信装置920に対応するルータ装置2002とを含む。可用帯域計測サーバ2001とルータ装置2002とは、ネットワーク2000を介して接続される。
【0158】
可用帯域計測サーバ2001とルータ装置2002は、一般的なネットワーク装置が提供するICMPやSNMPなどのプロトコルに対応している。
【0159】
可用帯域計測サーバ2001は、ルータ装置2002の対応能力を調査する。具体的には、その対応能力は、ICMPやSNMPなどの、可用帯域を推定するために必要な、探査用のデータのやりとりを行うプロトコルの、処理能力である。更に、その対応能力は、それぞれのプロトコルにおいて、データサイズを変更する応答能力である。そして、可用帯域計測サーバ2001は、それらの対応能力を調査した結果に基づいて、上方向可用帯域831あるいは下方向可用帯域832を推定できるか否かを判断する。
【0160】
上方向可用帯域831を推定できるか否かを判断する場合、可用帯域計測サーバ2001は、可用帯域計測サーバ2001からルータ装置2002に送信したパケットに対し、データサイズを相対的に大きくして応答する応答能力の有無を調査する。下方向可用帯域832を推定できるか否かを判断する場合、可用帯域計測サーバ2001は、可用帯域計測サーバ2001からルータ装置2002に送信したパケットに対し、データサイズを相対的に小さくして応答する応答能力の有無を調査する。
【0161】
次に、下方向可用帯域832が推定される場合について、具体的に説明する。
【0162】
例えば、上述の対応能力を調査した結果、ルータ装置2002が、ICMPもしくはSNMPを利用して下方向可用帯域832を推定可能にする、対応能力を有していると判断される。
【0163】
ルータ装置2002がその対応能力を有していると判断されるのは、例えば、ルータ装置2002が、ICMPの時間切れ通知(Time Exceeded Message)に対応している場合である。この場合、ルータ装置2002は、転送するデータのTTL(time to live;パケットの転送回数の上限値を定め、ルータ等で転送する際に減算される)が0になった場合、宛先に到着できないことを示すエラーメッセージを送信元に送り返す。このエラーメッセージは、相対的にデータサイズが非常に小さく、上述の「データサイズを相対的に小さくして応答する」という条件を満たす。
【0164】
また、ルータ装置2002がその対応能力を有していると判断されるのは、ルータ装置2002がSNMPの処理能力を有している場合である。この場合、ルータ装置2002は、通信機器の管理情報を取得するために送信元から要求されたデータ種別に対し、対応するデータを応答する機能を有している。SNMPの要求通知において架空のデータ種別を並べた場合、通信機器(ルータ装置2002)からの応答データはエラーメッセージとなる。このため、ルータ装置2002から送信される上りパケット822に含まれるデータ量を相対的に小さくすることができる。
【0165】
以上説明したように、下りパケット821に含まれる要求データに対し、データサイズを相対的に小さくする、ルータ装置2002の動作を利用して、可用帯域計測サーバ2001とルータ装置2002との間の下方向可用帯域832が推定される。
【0166】
可用帯域計測サーバ2001は、調査結果を踏まえ、両方向可用帯域830の推定結果と下方向可用帯域832の推定結果とを組み合わせ、上方向可用帯域841と下方向可用帯域842とを推定することを決定する。
【0167】
次に、可用帯域計測サーバ2001は、この決定に従い、まず、ICMPのエコー要求通知などを利用し、両方向可用帯域830を推定する。
【0168】
具体的には、可用帯域計測サーバ2001は可用帯域を推定するために必要なパケットトレインを生成するため、同じサイズあるいは異なるサイズのICMPのエコー要求通知を生成し、ルータ装置2002に送信する。
【0169】
ルータ装置2002は受信したICMPのエコー要求通知に対し、宛先を可用帯域計測サーバ2001に書き換え、エコー応答通知として送信し直す。可用帯域計測サーバ2001は受信した一連のICMPのエコー応答通知に基づいて、上り方向及び下り方向の全体におけるボトルネック帯域を示す両方向可用帯域830を推定する。
【0170】
次に、可用帯域計測サーバ2001は、下方向可用帯域832を推定する。
【0171】
例えば、ICMPの時間切れ通知を利用する場合、可用帯域計測サーバ2001は、IPパケット(下りパケット821)をパケットトレイン形式で生成し、ルータ装置2002へ送信する。そのIPパケットは、ルータ装置2002の先に接続された端末のIPアドレスを宛先に指定され、同時に、TTLをルータ装置2002までのルータ数に設定されたIPパケットである。
【0172】
ルータ装置2002は、受信した一連のパケットのTTLが0であるため、時間切れ通知応答のエラーメッセージを応答データとして、上りパケット822を可用帯域計測サーバ2001に送信する。
【0173】
ルータ装置2002による上りパケット822の送信は、個々のIPパケットに対して行われる。そして、可用帯域計測サーバ2001は、ルータ装置2002からの一連の上りパケット822を受信し、その受信結果に基づいて、下方向可用帯域832を推定する。
【0174】
また、SNMPを利用する場合、可用帯域計測サーバ2001は、パケットトレインを生成し、ルータ装置2002に送信する。そのパケットトレインは、SNMPの要求通知に、ルータ装置2002が応答できない架空のデータ種別を並べられた、同じデータサイズあるいはサイズが異なる複数のIPパケット(下りパケット821)を含む。
【0175】
ルータ装置2002は、受信したSNMPの要求通知に対し、エラーメッセージを生成し、そのエラーメッセージを応答データとして、上りパケット822を可用帯域計測サーバ2001に送信する。
【0176】
可用帯域計測サーバ2001は、複数のエラーメッセージを受信し、その受信結果に基づいて、下方向可用帯域832を推定する。
【0177】
次に、可用帯域計測サーバ2001は、両方向可用帯域830と下方向可用帯域832とに基づいて、上方向可用帯域841、下方向可用帯域842を推定する。
【0178】
次に、上方向可用帯域831が推定される場合について具体的に説明する。
【0179】
例えば、上述の対応能力を調査した結果、ルータ装置2002が上方向可用帯域831を推定可能にする対応能力を有していると判断される。
【0180】
ルータ装置2002がその対応能力を有していると判断されるのは、例えば、ルータ装置2002がSNMPの処理能力を有している場合である。SNMPの要求通知において、ルータ装置2002が応答できるデータ種別を複数並べた場合、ルータ装置2002は、要求通知よりも相対的に大きなサイズのデータを応答する。可用帯域計測サーバ2001は、このルータ装置2002の特性を利用して、所望のサイズの複数の上りパケット822からなるパケットトレインをルータ装置2002に生成させ、応答させることができる。尚、その所望のサイズは、その複数の上りパケット822において同一であってもよいし、異なっていてもよい。こうして、上方向可用帯域831を推定するための、上りパケット822からなるパケットトレインが生成される。
【0181】
また、ルータ装置2002がその対応能力を有していると判断されるのは、ルータ装置2002がログなどの情報を外部からHTTPなどを通じて取得する能力を有している場合である。この場合、可用帯域計測サーバ2001は、例えば、HTTPにおいて、サイズを指定して取得できる”range”機能を活用し、ルータ装置2002から所望のサイズのデータを取得することができる。これにより、可用帯域計測サーバ2001は、上方向可用帯域831を推定するための、複数の上りパケット822からなる、パケットトレインをルータ装置2002から送信させる。尚、その所望のサイズは、その複数の上りパケット822において同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0182】
以上説明したように、下りパケット821に含まれる要求データに対し、データサイズを相対的に大きくする、ルータ装置2002の動作を利用して、可用帯域計測サーバ2001とルータ装置2002との間の上方向可用帯域831が推定される。
【0183】
可用帯域計測サーバ2001は、両方向可用帯域830と上方向可用帯域831とに基づいて、上方向可用帯域841と下方向可用帯域842の推定値を得る。
【0184】
上述した本実施形態における効果は、第2の実施形態と同様に、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832を推定する場合の、通信量を抑制することを可能にする点である。
【0185】
その理由は、可用帯域計測サーバ2001が利用する下りパケット821を判断し、その判断した結果に従って上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832を推定するようにしたからである。
【0186】
<<<第6の実施形態>>>
次に、本発明の第6の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0187】
図11は、本発明の第6の実施形態に係る情報処理システム906の構成を示すブロック図である。
【0188】
図11に示すように、本実施形態における情報処理システム906は、可用帯域計測サーバ3001と、ルータ装置3002と、DNS(Domain Name System)サーバ3003と、プローブデータ登録サーバ3004とを含む。可用帯域計測サーバ3001、ルータ装置3002、DNSサーバ3003及びプローブデータ登録サーバ3004は、ネットワーク3000を介して接続される。可用帯域計測サーバ3001は、
図5に示す情報処理装置200に対応する。ルータ装置3002は、可用帯域計測サーバ3001とDNSサーバ3003を結ぶ経路上に位置する。DNSサーバ3003は、
図2に示す受信装置920に相当する機能を提供する。プローブデータ登録サーバ3004は、
図7に示すプローブデータ管理部350を含む。
【0189】
以下の説明において、可用帯域計測サーバ3001は、可用帯域計測サーバ3001とルータ装置3002との間における上方向可用帯域841、下方向可用帯域842を推定することを目的とする。
【0190】
まず、可用帯域計測サーバ3001は、ルータ装置3002の対応能力を調査する。ここでは、調査結果は、以下のとおりであるものとする。第1に、ルータ装置3002は、可用帯域計測サーバ3001が上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832のいずれについても、それを推定することを可能にするための、対応能力を有していない。第2に、ルータ装置3002は、ICMPのエコー要求通知に対するエコー応答通知を送信する対応能力を有している。従って、可用帯域計測サーバ3001は、この対応能力を利用し、両方向可用帯域830を推定できる。
【0191】
また、可用帯域計測サーバ3001は、ルータ装置3002の先にDNSサーバやHTTPサーバなど、可用帯域計測サーバ3001からの要求に対し、サイズの大きいデータを応答する能力を有する装置を探索する。本実施形態では、DNSサーバ3003が発見される。
【0192】
このとき、可用帯域計測サーバ3001は、DNSサーバ3003のインターネットのドメイン名をIPアドレスに変換する機能を利用し、DNSサーバ3003に、上方向可用帯域831を推定可能にする、上りパケット822を生成させる。
【0193】
その上りパケット822の生成について具体的に説明する。DNSサーバ3003のインターネットドメインの名前解決の要求に対しIPアドレスのリストを返す機能において、応答するIPアドレスの数に応じて、上りパケット822に含まれるデータサイズは異なる。即ち、応答するIPアドレスの数を制御することにより、上りパケット822のサイズを調整することが可能である。そこで、可用帯域計測サーバ3001は、DNSサーバ3003が所望のサイズの上りパケット822を生成するような、ドメイン名を調査し、そのドメイン名に基づいて、DNSサーバ3003に名前解決を要求する。こうして、可用帯域計測サーバ3001は、DNSサーバ3003に、所望のサイズの上りパケット822を生成させる。
【0194】
上述の処理により、可用帯域計測サーバ3001は、上方向可用帯域831を推定可能とする。
【0195】
しかしながら、所望のサイズの上りパケット822の生成に必要なデータをDNSサーバ3003が保有していない場合がある。このような場合に、プローブデータ登録サーバ3004は、DNSサーバ3003を、所望のサイズの上りパケット822の生成に必要な応答データの生成が可能な状態にする。換言すると、プローブデータ登録サーバ3004は、可用帯域計測サーバ3001が望むデータサイズの上りパケット822をDNSサーバ3003が送信できるようにする。
【0196】
具体的には、プローブデータ登録サーバ3004は、DNSサーバ3003にインターネットドメインとそのインターネットドメインに対応するIPアドレスとを登録する。そのインターネットドメインは、上方向可用帯域831を推定するための、下りパケット821と上りパケット822とで使用される、専用のインターネットドメインである。また、そのIPアドレスは、所望のサイズの上りパケット822に含まれる応答データを、DNSサーバ3003が生成するための必要量を満たす、複数のIPアドレスである。
【0197】
このようにして、可用帯域計測サーバ3001は、DNSサーバ3003からの応答として、所望のサイズの複数の上りパケット822を含む、パケットトレインを得ることができ、上方向可用帯域831を推定可能となる。尚、その所望のサイズは、その複数の上りパケット822において同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0198】
上述の構成により、可用帯域計測サーバ3001は、両方向可用帯域830と上方向可用帯域831とに基づいて、ルータ装置3002の上方向可用帯域841、下方向可用帯域842の推定を行う。その両方向可用帯域830は、ルータ装置3002に対してICMPを利用して推定された両方向可用帯域830である。上方向可用帯域831は、DNSサーバ3003を利用して推定された上方向可用帯域831である。
【0199】
上方向可用帯域841及び下方向可用帯域842の推定方法は上述した他の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0200】
上述した本実施形態における第1の効果は、ルータ装置3002が下りパケット821の候補のいずれにも対応していない場合であっても、上方向可用帯域831及び下方向可用帯域832を推定することを可能にする点である。
【0201】
その理由は、可用帯域計測サーバ3001がそのルータを経由して通信可能なDNSサーバ3003を対象とする下りパケット821を判断するからである。
【0202】
上述した本実施形態における第2の効果は、上方向可用帯域831の推定精度の向上を可能にする点である。
【0203】
その理由は、プローブデータ登録サーバ3004が、DNSサーバ3003が上方向可用帯域831の推定に必要な上りパケット822を生成するための、データを生成し、受信装置920に登録するからである。
【0204】
以上の各実施形態で説明した各構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はない。例えば、複数個の任意のその構成要素が1個のモジュールとして実現されてよい。また、その構成要素の内の任意のひとつが複数のモジュールで実現されてもよい。また、その構成要素の内の任意のひとつがその構成要素の内の任意の他のひとつであってよい。また、その構成要素の内の任意のひとつの一部と、その構成要素の内の任意の他のひとつの一部とが重複してもよい。
【0205】
以上説明した各実施形態における各構成要素及び各構成要素を実現するモジュールは、必要に応じ、可能であれば、ハードウェア的に実現されてよい。また、各構成要素及び各構成要素を実現するモジュールは、コンピュータ及びプログラムで実現されてよい。また、各構成要素及び各構成要素を実現するモジュールは、ハードウェア的なモジュールとコンピュータ及びプログラムとの混在により実現されてもよい。
【0206】
また、以上説明した各実施形態では、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0207】
更に、以上説明した各実施形態では、複数の動作は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。例えば、ある動作の実行中に他の動作が発生してよい。また、ある動作と他の動作との実行タイミングが部分的に乃至全部において重複してもよい。
【0208】
更に、以上説明した各実施形態では、ある動作が他の動作の契機になるように記載しているが、その記載はある動作と他の動作との関係を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の関係は内容的に支障のない範囲で変更することができる。また各構成要素の各動作の具体的な記載は、各構成要素の各動作を限定するものではない。このため、各構成要素の具体的な各動作は、各実施形態を実施する上で機能的、性能的、その他の特性に対して支障を来さない範囲内で変更されてよい。
【0209】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0210】
(付記1)ネットワークを介して接続された受信装置に対して第1の下りパケットを送信し、送信した前記第1の下りパケットに対応する第1の上りパケットを受信し、前記第1の上りパケットの受信結果に基づいて、前記受信装置との間の上り方向及び下り方向の両方を通じて最も細い可用帯域である両方向可用帯域を推定する両方向可用帯域推定部と、
前記受信装置に対して所望のサイズの第2の上りパケットを送信させるための第2の下りパケットを送信し、送信した前記第2の下りパケットに対応する前記第2の上りパケットを受信し、前記第2の上りパケットの受信結果に基づいて、前記受信装置との間の第1の上り方向の可用帯域と第1の下り方向の可用帯域との少なくともいずれかを推定する片方向可用帯域推定部と、
前記両方向可用帯域と前記第1の上り方向の可用帯域とに基づいて第2の下り方向の可用帯域を推定し、前記両方向可用帯域と前記第1の下り方向の可用帯域とに基づいて第2の上り方向の可用帯域を推定し、前記第1の上り方向の可用帯域、前記第1の下り方向の可用帯域、前記第2の上り方向の可用帯域及び前記第2の下り方向の可用帯域を出力する可用帯域間接推定部と、を含む
情報処理装置。
【0211】
(付記2)前記片方向可用帯域推定部は、第1の所定値以上のサイズの前記第2の上りパケットを前記受信装置に送信させる前記第1の下りパケットを送信し、
前記第1の所定値は、前記ネットワークの物理的な最大帯域に基づいて決定される値である
ことを特徴とする付記1記載の情報処理装置。
【0212】
(付記3)前記片方向可用帯域推定部は、第2の所定値以下のサイズの前記第2の上りパケットを前記受信装置に送信させる前記第1の下りパケットを送信し、
前記第2の所定値は、前記ネットワークの物理的な最大帯域に基づいて決定される値である
ことを特徴とする付記1または2記載の情報処理装置。
【0213】
(付記4)前記片方向可用帯域推定部が前記第1の上り方向の可用帯域及び前記第1の下り方向の可用帯域の少なくともいずれかを推定するために利用する、前記第2の下りパケットを判断する片方向可用帯域推定部判断部を更に含み、
前記両方向可用帯域推定部は、前記判断された結果に基づいて、両方向可用帯域を推定し、
前記片方向可用帯域推定部は、前記判断された結果に基づいて、前記第1の上り方向の可用帯域と前記第1の下り方向の可用帯域との少なくともいずれかを推定する
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0214】
(付記5)前記受信装置は、ルータであって、
前記片方向可用帯域推定部判断部は、前記ルータを対象とする前記第2の下りパケットを判断できない場合、前記ルータを経由して通信可能な受信装置を探索し、前記ルータを経由して通信可能な受信装置を対象とする前記第2の下りパケットを判断し、
前記片方向可用帯域推定部は、前記ルータを経由して通信可能な受信装置に対して、前記ルータを経由して通信可能な受信装置を対象とする前記第2の下りパケットの前記判断された結果に基づいて、前記第1の上り方向の可用帯域と前記第1の下り方向の可用帯域との少なくともいずれかを推定する
ことを特徴とする付記4記載の情報処理装置。
【0215】
(付記6)前記受信装置における、前記第2の上りパケットに含まれる応答データの生成能力を調査する応答データ生成能力調査部と、
前記応答データを生成するために必要なデータを前記受信装置に登録するデータ登録部と、を含む
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0216】
(付記7)前記片方向可用帯域推定部は、不正な制御パラメータを含む前記第2の下りパケットを送信し、エラーメッセージを通知する前記第2の上りパケットを前記受信装置に送信させる
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0217】
(付記8)前記片方向可用帯域推定部は、特定のデータの取得を要求する前記第2の下りパケットを送信し、前記特定のデータを含む前記第2の上りパケットを前記受信装置に送信させる
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0218】
(付記9)前記受信装置は、ルータであって、
前記片方向可用帯域推定部は、生存時間を前記ルータまでのルータ数に設定した前記第2の下りパケットを送信し、ルータの通過回数超過を通知する前記第2の上りパケットを前記ルータに送信させる
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0219】
(付記10)プロセッサと、
プロセッサが両方向可用帯域推定部、片方向可用帯域推定部及び可用帯域間接推定部として動作するための、プロセッサによって実行される命令を保持する記憶部とを含み、
前記両方向可用帯域推定部は、ネットワークを介して接続された受信装置に対して第1の下りパケットを送信し、送信した前記第1の下りパケットに対応する第1の上りパケットを受信し、前記第1の上りパケットの受信結果に基づいて、前記受信装置との間の上り方向及び下り方向の両方を通じて最も細い可用帯域である両方向可用帯域を推定し、
前記片方向可用帯域推定部は、前記受信装置に対して所望のサイズの第2の上りパケットを送信させるための第2の下りパケットを送信し、送信した前記第2の下りパケットに対応する前記第2の上りパケットを受信し、前記第2の上りパケットの受信結果に基づいて、前記受信装置との間の第1の上り方向の可用帯域と第1の下り方向の可用帯域との少なくともいずれかを推定し、
前記可用帯域間接推定部は、前記両方向可用帯域と前記第1の上り方向の可用帯域とに基づいて第2の下り方向の可用帯域を推定し、前記両方向可用帯域と前記第1の下り方向の可用帯域とに基づいて第2の上り方向の可用帯域を推定し、前記第1の上り方向の可用帯域、前記第1の下り方向の可用帯域、前記第2の上り方向の可用帯域及び前記第2の下り方向の可用帯域を出力する
情報処理装置。
【0220】
(付記11)付記1乃至10のいずれか1つに記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置から受信した前記第1の下りパケットに応答して前記第1の上りパケットを送信し、前記情報処理装置から受信した前記第2の下りパケットに応答して前記第2の上りパケットを送信する受信装置と、を含む
情報処理システム。
【0221】
(付記12)コンピュータが、
ネットワークを介して接続された受信装置に対して第1の下りパケットを送信し、
送信した前記第1の下りパケットに対応する第1の上りパケットを受信し、
前記第1の上りパケットの受信結果に基づいて、前記受信装置との間の上り方向及び下り方向の両方を通じて最も細い可用帯域である両方向可用帯域を推定し、
前記受信装置に対して所望のサイズの第2の上りパケットを送信させるための第2の下りパケットを送信し、
送信した前記第2の下りパケットに対応する前記第2の上りパケットを受信し、
前記第2の上りパケットの受信結果に基づいて、前記受信装置との間の第1の上り方向の可用帯域と第1の下り方向の可用帯域との少なくともいずれかを推定し、
前記両方向可用帯域と前記第1の上り方向の可用帯域とに基づいて第2の下り方向の可用帯域を推定し、
前記両方向可用帯域と前記第1の下り方向の可用帯域とに基づいて第2の上り方向の可用帯域を推定し、
前記第1の上り方向の可用帯域、前記第1の下り方向の可用帯域、前記第2の上り方向の可用帯域及び前記第2の下り方向の可用帯域を出力する
可用帯域推定方法。
【0222】
(付記13)ネットワークを介して接続された受信装置に対して第1の下りパケットを送信し、
送信した前記第1の下りパケットに対応する第1の上りパケットを受信し、
前記第1の上りパケットの受信結果に基づいて、前記受信装置との間の上り方向及び下り方向の両方を通じて最も細い可用帯域である両方向可用帯域を推定し、
前記受信装置に対して所望のサイズの第2の上りパケットを送信させるための第2の下りパケットを送信し、
送信した前記第2の下りパケットに対応する前記第2の上りパケットを受信し、
前記第2の上りパケットの受信結果に基づいて、前記受信装置との間の第1の上り方向の可用帯域と第1の下り方向の可用帯域との少なくともいずれかを推定し、
前記両方向可用帯域と前記第1の上り方向の可用帯域とに基づいて第2の下り方向の可用帯域を推定し、
前記両方向可用帯域と前記第1の下り方向の可用帯域とに基づいて第2の上り方向の可用帯域を推定し、
前記第1の上り方向の可用帯域、前記第1の下り方向の可用帯域、前記第2の上り方向の可用帯域及び前記第2の下り方向の可用帯域を出力する処理をコンピュータに実行させる
プログラム。
【0223】
以上、各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。