(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
商品データ処理装置と、前記商品データ処理装置からの指示に応じて商品に付与するラベルを発行するラベルプリンタとを備える商品販売データ処理システムにおける商品データ処理装置であって、
前記商品データ処理装置は、
顧客が所望する注文を入力する注文入力手段と、
前記注文の入力方法が第1の入力方法である場合に第一情報の出力を行い、前記注文の入力方法が第2の入力方法である場合に情報の出力を行わない又は時間の経過により発生した前記商品に関する第二情報の出力を行う発行制御手段と、
を備えることを特徴とする商品データ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、商品販売データ処理システムのシステム構成を示す図である。本発明の商品販売データ処理システムは、POSレジスタ100及びラベルプリンタ200を備える。POSレジスタ100とラベルプリンタ200とは、LAN(Local Area Network)を介して通信可能に接続される。
【0019】
POSレジスタ100は、顧客が所望する商品を登録する登録処理と、登録処理によって登録された商品について精算する精算処理とを実行する。また、POSレジスタ100は、ラベルプリンタ200を制御してラベルを発行する。POSレジスタ100は、ラベルの発行モードとして第1の発行モードと第2の発行モードとを有する。第1の発行モードは、事前にラベルを発行するモードである。ここで、事前とは、商品の登録を行うより前を表す。第1の発行モードで発行されるラベルには、特定の情報が含まれる。特定の情報とは、例えば商品を特定するコード情報(例えば、JANコード)及び商品の値段である。特定の情報は、商品に関する情報であればその他の情報が含まれてもよい。例えば、商品に含まれるアレルギー物質の情報である。第1の発行モードで発行されるラベルは、例えば、作り置き用の商品に付与されるラベル(以下、「販売用ラベル」という。)である。
【0020】
第2の発行モードは、商品の登録後にラベルを発行するモードである。第2の発行モードで発行されるラベルには、特定の情報が含まれない。第2の発行モードで発行されるラベルは、例えば、テイクアウト用の商品に付与されるテイクアウトラベルである。
第1の発行モード及び第2の発行モードは、店員の操作(例えば、POSレジスタに設けられた発行モードを選択するためのボタン)によって切り替え可能である。
【0021】
また、POSレジスタ100は、第2の発行モードで動作している場合、商品の入力方法に応じて異なる処理を行う。例えば、商品の入力方法が商品を特定するコード情報(例えば、JANコード)の読み取り以外の入力方法(第1の入力方法)である場合、POSレジスタ100は特定の情報が含まれないテイクアウトラベルを発行する。商品を特定するコード情報の読み取り以外の入力方法とは、例えばプリセットキーによる入力、商品データの検索による入力、キーワード検索による入力、リスト(例えば、商品があいうえお順に並んでいるリスト)からの選択入力、販売履歴(例えば、時間順、売上順など)からの選択入力、コード情報又はインストアバーコード(印ストアマーキング)の直接入力などがある。なお、以下の説明では、商品を特定するコード情報の読み取り以外の入力方法がプリセットキーによる入力である場合を例に説明する。
また、例えば、商品の入力方法が商品を特定するコード情報の読み取りである場合、POSレジスタ100はテイクアウトラベルを発行しない。
POSレジスタ100は、ラベルを発行する場合にはラベルの発行指示を生成し、ラベルプリンタ200に出力する。
【0022】
ラベルプリンタ200は、POSレジスタ100からの発行指示に従い、ラベルを発行する。例えば、発行指示が第1の発行モードによる指示である場合、ラベルプリンタ200は所定のフォーマットに従って特定の情報を含む販売用ラベルを発行する。例えば、発行指示が第2の発行モードによる指示である場合、ラベルプリンタ200は所定のフォーマットに従って特定の情報を含まないテイクアウトラベルを発行する。
【0023】
また、ラベルプリンタ200は、印字量に応じて発行するラベルの長さを制御することが可能である。具体的には、ラベルプリンタ200は、販売用ラベル用の印字フォーマットデータ(後述)に含まれるラベル長に応じた長さで販売用ラベルを発行する。ラベルプリンタ200は、テイクアウトラベル用の印字フォーマットデータ(後述)に含まれるラベル長に応じた長さでテイクアウトラベルを発行する。
【0024】
次に、POSレジスタ100の具体的な構成例について説明する。
POSレジスタ100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、スキャナ部104と、表示部105と、操作部106と、通信部107と、印刷部108と、釣銭釣札機109と、ハードディスク110とを備える。上記のPOSレジスタ100の各機能部は、バス1を介して互いに接続されている。
【0025】
CPU101は、中央演算処理装置であり、ROM102に記憶されているプログラムを読み出してRAM103に展開する。CPU101は、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、POSレジスタ100全体の動作を制御する。CPU101の具体的な処理については後述する。
ROM102は、種々の情報を記憶する。例えば、ROM102は、CPU101によって実行されるプログラムや、自装置の装置番号などを記憶する。
【0026】
RAM103は、種々の情報を一時記憶する。例えば、RAM103は、ROM102から読み出されたプログラムや、当該プログラムの実行などによって取得又は生成される情報(例えば、商品情報、登録情報、取引情報など)を一時記憶する。例えば、RAM103は、通信部107が受信した商品ファイルを一時記憶する。商品ファイルは、商品関する情報を含むレコード(以下、「商品情報レコード」という。)によって構成される。また、RAM103は、ラベルフォーマットファイル(後述)を一時記憶してもよい。ラベルフォーマットファイルには、販売用ラベル及びテイクアウトラベルの印字フォーマットデータが登録されている。また、RAM103は、印字フォーマット選択ファイル(後述)を一時記憶してもよい。印字フォーマット選択ファイルには、印字フォーマットデータの選択に関する条件が登録されている。
【0027】
スキャナ部104(注文入力手段)は、商品に付されたコード情報を光学的に読み取って当該商品の商品コードを取得(コード化されていた商品コードを逆変換して取得)する。スキャナ部104は、取得した商品コードをCPU101に通知する。
【0028】
表示部105は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。表示部105(注文入力手段)は、例えば所定の商品(例えば、弁当、飲み物など)を登録するためのプリセットボタンを表示し、顧客が所望する商品の注文を受け付ける。表示部105において店員の操作があった場合には、操作信号がCPU101に通知される。すなわち、表示部105において店員からプリセットボタンの押下がなされた場合には、プリセットボタンに対応付けられた商品の注文入力を示す操作信号がCPU101に通知される。
【0029】
操作部106は、各種の操作ボタン(操作キー)を備える。例えば、操作部106は、数字ボタン(数字キー)、小計ボタン(小計キー)、現計ボタン(現計キー)、ラベル発行ボタン(ラベル発行キー)などを備える。また、操作部106(注文入力手段)は、上述のプリセットボタン(プリセットキー)を備えていてもよい。これら操作部106の操作ボタンは、メカキー(ハードキー)等のボタンとして配置されていてもよいし、表示部105の表示面上に設けられたタッチパネルに配置されてもよい。操作部106において、店員の操作があった場合には、操作信号がCPU101に通知される。
【0030】
通信部107は、LANを介して他の装置と通信するための通信インタフェースである。例えば、通信部107は、発行指示をラベルプリンタ200に送信する。例えば、通信部107は、不図示の管理装置から商品ファイル、ラベルフォーマットファイル及び印字フォーマット選択ファイルを受信する。管理装置は、POSレジスタ100と通信可能な情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ)を用いて構成される。管理装置は、例えば各店舗を管理する本部に設置される。
印刷部108は、CPU101の制御に従って印刷物を発行する。例えば、印刷部108は、明細情報が含まれるレシートを発行する。
【0031】
釣銭釣札機109は、現金投入口と現金払出口を有する。釣銭釣札機109は、現金投入口に現金が投入された場合、投入された貨幣の情報及び数量情報をCPU101に出力する。また、釣銭釣札機109は、CPU101から入力された差額情報に応じた金額の釣銭又は釣札を現金払出口から払い出す。
ハードディスク110は、例えば、磁気記録装置などの記録装置である。ハードディスク110は、種々の情報を記憶する。例えば、ハードディスク110は、ラベルフォーマットファイル及び印字フォーマット選択ファイルを記憶している。
【0032】
次に、CPU101の動作の一例について説明する。
CPU101(発行制御手段)は、商品の注文の入力方法がプリセットキーによる入力(例えば、商品を特定するコード情報の読み取り以外の入力)である場合にテイクアウト商品用のテイクアウトラベルの発行制御を行う。また、CPU101(発行制御手段)は、商品の注文の入力方法が商品を特定するコード情報の読み取り(例えば、スキャナ部104による読取)である場合にラベルを発行しない制御を行う。なお、CPU101(発行制御手段)は、注文の入力方法が商品を特定するコード情報の読み取り(例えば、スキャナ部104による読取)である場合に、スキャナ部104が読み取ったコード情報に含まれる商品情報との差分の情報を含むラベルの発行制御を行ってもよい。
【0033】
図2は、商品ファイルの具体例を示す図である。商品ファイルは、複数の商品情報レコードを有する。商品情報レコードは、商品コード、商品名、値段及び原材料の各値を有する。商品コードの値は、商品を一意に識別するための識別情報を表す。商品名の値は、商品の名称を表す。値段の値は、商品の金額を表す。原材料の値は、商品の原材料を表す。
【0034】
図2に示される例では、商品ファイルには2つの商品コードが登録されている。
図2において、商品ファイルの最上段に登録されている商品情報レコードは、商品コードの値が“111”、商品名の値が“弁当”、値段の値が“500”、原材料の値が“白米、鮭etc”である。すなわち、商品コード“111”で識別される商品が“弁当”であり、弁当の値段が“500円”であり、弁当の原材料が“白米、鮭etc”であることが表されている。
【0035】
図3は、印字フォーマット選択ファイルの具体例を示す図である。
印字フォーマット選択ファイルは、印字フォーマットデータの選択に関する条件を表すレコードを複数有する。レコードは、印刷フォーマット番号、ラベル名及び条件の各値を有する。印刷フォーマット番号の値は、印字フォーマットデータを一意に識別するための識別情報を表す。ラベル名の値は、同じレコードの印字フォーマットデータが使用されるラベルの名称を表す。条件の値は、同じレコードの印字フォーマットデータが使用される際の条件を表す。
【0036】
図3に示される例では、印字フォーマット選択ファイルには2つの印字フォーマット番号が登録されている。
図3において、印字フォーマット選択ファイルの最上段に登録されているレコードは、印字フォーマット番号の値が“1”、ラベル名の値が“販売用ラベル”、条件の値が“第1の発行モード時”である。すなわち、印字フォーマット番号“1”で識別される印字フォーマットデータが使用されるラベルの名称が“販売用ラベル”であり、当該印字フォーマットデータが使用される条件が“第1の発行モード時”であることが表されている。
【0037】
また、
図3において、印字フォーマット選択ファイルの2段目に登録されているレコードは、印字フォーマット番号の値が“2”、ラベル名の値が“テイクアウトラベル”、条件の値が“第2の発行モード時かつプリセットキー入力”である。すなわち、印字フォーマット番号“2”で識別される印字フォーマットデータが使用されるラベルの名称が“テイクアウトラベル”であり、当該印字フォーマットデータが使用される条件が“第2の発行モード時であり、かつ、プリセットキーによる入力”であることが表されている。
【0038】
図4は、ラベルフォーマットファイルに登録されている印字フォーマットデータの具体例を示す図である。
図4(A)は、販売用ラベル用の印字フォーマットデータの具体例を示す図である。
販売用ラベル用の印字フォーマットデータは、販売用ラベル用の印字フォーマットに関する情報を表すレコードを複数有する。レコードは、印刷フォーマット番号、印字項目及びラベル長の各値を有する。印刷フォーマット番号の値は、印字フォーマットデータを一意に識別するための識別情報を表す。印字項目の値は、印刷フォーマットデータの各領域に配置される印字項目を表す。印字項目の具体例として、商品名、原材料、値段及びJANコードなどがある。なお、印字項目の項目毎に位置、縦、横、フォントサイズの各値が設定されている。
【0039】
位置の値は、印刷フォーマットデータに配置される印字項目の領域の配置位置を表す。縦の値は、印刷フォーマットデータに配置される印字項目のy軸方向の高さを表す。横は、印刷フォーマットデータに配置される印字項目のx軸方向の幅を表す。フォントサイズは、印刷フォーマットデータに配置される印字項目のフォントサイズを表す。なお、配置位置、高さ及び幅は、例えば、印刷媒体の左上を原点として表現されてもよい。
ラベル長の値は、発行されるラベルの長さを表す。
【0040】
図4(B)は、テイクアウトラベル用の印字フォーマットデータの具体例を示す図である。
テイクアウトラベル用の印字フォーマットデータは、テイクアウトラベル用の印字フォーマットに関する情報を表すレコードを複数有する。レコードは、印刷フォーマット番号、印字項目及びラベル長の各値を有する。なお、テイクアウトラベル用の印字フォーマットデータと販売用ラベル用の印字フォーマットデータとで項目の内容で異なる点は、テイクアウトラベル用の印字フォーマットデータには印字項目に特定の情報(
図4では、値段及びJANコード)が含まれない点である。ただし、印刷フォーマット番号、印字項目及びラベル長の各項目についての説明は、テイクアウトラベル用の印字フォーマットデータと販売用ラベル用の印字フォーマットデータとで同様であるため説明を省略する。なお、テイクアウトラベル用の印字フォーマットデータのラベル長の値には、販売用ラベル用の印字フォーマットデータのラベル長の値より小さい値が設定される。
【0041】
図5は、ラベルの発行例を示す図である。
図5(A)は第1のモードで発行される販売用ラベル31の具体例を示す図であり、
図5(B)は第2のモードで発行されるテイクアウトラベル32の具体例を示す図である。
上述したように、販売用ラベル31は作り置き用の商品に付与され、テイクアウトラベル32はテイクアウト用商品に付与される。
図5(A)と
図5(B)とを比較すると、ラベルの長さの他に、ラベルに印字されている印字内容が異なる。例えば、販売用ラベル31には加工日時の情報が印字されているのに対し、テイクアウトラベル32には販売日時の情報が印字されている。また、
図5(A)と
図5(B)とを比較して大きな違いは、コード情報(
図5では、1次元バーコード33)が印字されているか否かである。POSレジスタ100は、このように動作モードに応じて異なるフォーマットのラベルを発行することができる。
【0042】
図6は、本発明におけるPOSレジスタ100の処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図6の説明では、POSレジスタ100が第2の発行モードで動作している場合を例に説明する。
ステップS10:CPU101は、商品入力を受け付ける。商品の入力がなされると、ステップS12の処理に進む。
ステップS12:CPU101は、プリセットキーによる商品の入力であるか否か判定する。例えば、CPU101は、表示部105又は操作部106から操作信号の通知を受けた場合にはプリセットキーによる商品の入力であると判定し、スキャナ部104から操作信号の通知を受けた場合にはプリセットキーによる商品の入力ではないと判定する。プリセットキーによる商品の入力である場合、CPU101は入力された商品の情報と、プリセットキーによる入力であることを示す情報とを対応付けてRAM103に記録する。その後、ステップS14の処理に進む。一方、プリセットキーによる商品の入力ではない場合、CPU101は商品の入力方法がスキャナ部104によるコード情報の読み取りであると判断し、入力された商品の情報と、スキャナ部104によるコード情報の読み取りであることを示す情報とを対応付けてRAM103に記録する。その後、ステップS26の処理に進む。
【0043】
ステップS14:CPU101は、小計キーが押下されたか否か判定する。小計キーが押下された場合、ステップS16の処理に進む。一方、小計キーが押下されなかった場合、ステップS14の処理を繰り返し実行する。なお、新たに商品が入力された場合には、ステップS10以降の処理が実行される。
ステップS16:CPU101は、精算処理を行う。その後、ステップS18の処理に進む。
【0044】
ステップS18:CPU101は、ラベル発行キーが押下されたか否か判定する。ラベル発行キーが押下された場合、ステップS20の処理に進む。一方、ラベル発行キーが押下されなかった場合、ステップS18の処理を繰り返し実行する。
ステップS20:CPU101は、テイクアウトラベルを発行する対象の商品があるか否か判定する。具体的には、CPU101は、RAM103に記録されている情報のうち、入力方法に関する情報を読み出す。そして、CPU101は、読み出した情報からプリセットキーによる入力であることを示す情報があるか否か判定する。
【0045】
プリセットキーによる入力であることを示す情報がある場合、CPU101はテイクアウトラベルを発行する対象の商品があると判定する。一方、プリセットキーによる入力であることを示す情報がない場合、CPU101はテイクアウトラベルを発行する対象の商品がないと判定する。テイクアウトラベルを発行する対象の商品である場合、ステップS22の処理に進む。一方、テイクアウトラベルを発行する対象の商品ではない場合、POSレジスタ100は処理を終了する。
【0046】
ステップS22:CPU101は、テイクアウトラベルのラベル発行指示を生成する。具体的には、まずCPU101は、ステップS20の処理で読み出した情報のうち、プリセットキーによる入力であることを示す情報に対応する商品の情報を取得する。次に、CPU101は、ハードディスク110に記憶されている印字フォーマット選択ファイルを参照し、条件の項目を満たすレコードの印刷フォーマット番号の項目に登録されている値を取得する。例えば、
図3に示す印字フォーマット選択ファイルの場合、POSレジスタ100は条件“第2の発行モード時かつプリセットキー”を満たすため、CPU101は印刷フォーマット番号“2”の値を取得する。そして、CPU101は、ハードディスク110に記憶されているラベルフォーマットファイルを参照し、取得した印刷フォーマット番号の値に対応する印字フォーマットデータを取得する。その後、CPU101は、取得した印字フォーマットデータと、商品情報とを含むラベル発行指示を生成する。その後、ステップS24の処理に進む。
【0047】
ステップS24:通信部107は、ラベル発行指示をラベルプリンタ200に出力する。ラベルプリンタ200は、ラベル発行指示に従い、ラベルを発行する。この処理により発行されるラベルが
図5(B)に示されるテイクアウトラベルである。
ステップS26:CPU101は、スキャナ部104からのコード情報の読み取りによる商品の入力であると判定し、ラベルを発行しないと判定する。その後、ステップS14以降の処理が実行される。
【0048】
以上のように構成された商品販売データ処理システムによれば、注文された商品の入力方法が商品を特定するコード情報(例えば、JANコード)の読み取り以外の入力である場合にはテイクアウトラベルの発行制御が行われ、注文された商品の入力方法が商品の識別情報が読み取られたことによる入力である場合にはラベルを発行しない制御が行われる。そのため、異なる状況に応じてラベルの発行制御を行うことが可能になる。
【0049】
また、一般的に、作り置き用の商品では、店員が作り置き用の商品に付与されているラベルに印字されたコード情報を読み取らせることによって商品の登録処理や精算処理を行う。つまり、コード情報を読み取らせる場合には、商品に既にラベルが付与されている。したがって、ラベルを発行する必要がない。そのため、本発明のように、コード情報を読み取らせた場合には、ラベルを発行しないように制御することによって無駄なラベルが発行されてしまうおそれを軽減することができる。
【0050】
また、飲食店においては、午前中に弁当を大量に作り置きしておき、昼のピーク時に店頭に陳列して販売を行うこともある。この場合、商品に価格を表示する必要がある。また、コード情報を記載しておけば、会計時にコード情報を読み込むだけで登録処理が完了するので、会計処理の時間を短縮することが可能である。さらに、弁当が売れ残った場合には値引きコード情報を付与することで、顧客への訴求となり売れ残りを防ぎやすくなるとともに値引き処理をレジで間違えずに行うことができる。よって、作り置きした弁当に価格やコード情報など必要な情報を表示したラベルを付与しておくと便利である。一方、テイクアウトラベルは、会計処理後に商品に付与されるため、コード情報は不要であり、さらに価格表示も不要である。そこで、本発明のように商品を特定するコード情報の読み取り以外の入力がなされた場合には、POSレジスタ100は入力された商品がテイクアウト用の商品であると判定し、コード情報及び価格表示等の不要な情報を除外したテイクアウトラベルを発行する。これにより、不要な情報をラベルに印字しなくて済むため、印字量を削減することも可能になる。
【0051】
<変形例>
POSレジスタ100は、販売用ラベルに印字されるコード情報にテイクアウトラベルを発行する必要があるか否かを示す識別情報を印字させるように構成されてもよい。このように構成される場合、CPU101は、スキャナ部104によりコード情報が読み取られると、コード情報に印字されている識別情報に応じて作り置き用の商品用のテイクアウトラベルを発行するか否か判定する。作り置き用の商品用のテイクアウトラベルを発行すると判定した場合、CPU101はテイクアウトラベル用の印字フォーマットデータと、対応する商品の商品情報とを含むラベル発行指示を生成する。そして、通信部107は、生成されたラベル発行指示をラベルプリンタ200に送信する。ラベルプリンタ200は、POSレジスタ100から送信されたラベル発行指示に基づいてテイクアウトラベルを発行する。
CPU101は、時間に応じてラベルに印字される情報のフォントサイズを印字フォーマットデータで決められているサイズより大きいフォントサイズで印字させるように制御してもよい。例えば、商品の消費期限がラベル発行制御を行う時点の日時と比較して所定の期間以内(例えば、3時間以内)である場合、CPU101は所定の情報(例えば、商品の加工日時及び消費期限)のフォントサイズを印字フォーマットデータで決められているサイズより大きいフォントサイズでラベルに印字させるように制御してもよい。
【0052】
本実施形態では、POSレジスタ100とラベルプリンタ200とが別々の装置として構成される例を示したが、POSレジスタ100とラベルプリンタ200とが一体の装置として構成されてもよい。このように構成される場合、POSレジスタ100が備える印刷部108がラベルプリンタ200の機能を有する。すなわち、印刷部108は、CPU101の制御に従ってラベルを発行する。
本実施形態では、販売用ラベル用の印字フォーマットデータに1つのフォーマットデータが登録されている場合を例に説明したが、販売用ラベル用の印字フォーマットデータには複数のフォーマットデータが登録されていてもよい。また、テイクアウトラベル用の印字フォーマットデータにも販売用ラベル用の印字フォーマットデータと同様に複数のフォーマットデータが登録されていてもよい。
POSレジスタ100は、第3の発行モードとして、商品に使用する食材の管理に使用するラベル(以下、「食材管理ラベル」という。)を発行するように構成されてもよい。食材管理ラベルには、例えば食材名、食材の使用可能期限、ラベルの発行番号、発行日時、コード情報(例えば、バーコード)などの情報が印字される。
【0053】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本実施形態で示した商品販売データ処理システム及びPOSレジスタ100(商品データ処理装置)に関し、以下の付記を開示する。
(付記1)
商品データ処理装置と、前記商品データ処理装置からの指示に応じて商品に付与するラベルを発行するラベルプリンタとを備える商品販売データ処理システムであって、
前記商品データ処理装置は、
顧客が所望する注文を入力する注文入力手段と、
前記注文の入力方法が第1の入力方法である場合にテイクアウト商品用のテイクアウトラベルの発行制御を行い、前記注文の入力方法が第2の入力方法である場合にラベルを発行しない又は差分情報を含むラベルの発行制御を行う発行制御手段と、
を備え、
前記ラベルプリンタは、
前記商品データ処理装置の制御に応じたラベルを発行することを特徴とする商品販売データ処理システム。
(付記2)
前記第2の入力方法は、商品を特定するコード情報の読み取りによる入力であることを特徴とする付記1に記載の商品販売データ処理システム。
(付記3)
前記テイクアウトラベルは、前記商品を特定するコード情報及び商品価格の情報を含まないことを特徴とする付記1又は2に記載の商品販売データ処理システム。
(付記4)
前記ラベルプリンタは、印字量に応じて発行するラベルの長さを制御すること特徴とする付記1から3のいずれか1項に記載の商品販売データ処理システム。
(付記5)
商品データ処理装置と、前記商品データ処理装置からの指示に応じて商品に付与するラベルを発行するラベルプリンタとを備える商品販売データ処理システムにおける商品データ処理装置であって、
前記商品データ処理装置は、
顧客が所望する注文を入力する注文入力手段と、
前記注文の入力方法が第1の入力方法である場合にテイクアウト商品用のテイクアウトラベルの発行制御を行い、前記注文の入力方法が第2の入力方法である場合にラベルを発行しない又は差分情報を含むラベルの発行制御を行う発行制御手段と、
を備えることを特徴とする商品データ処理装置。
【0054】
なお、本発明のPOSレジスタ100の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、POSレジスタ100の各処理に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0055】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。