【実施例】
【0017】
以下に、台車移動リフトにかかる実施例について、図面を参照して説明する。
本例の台車移動リフト1は、
図1に示すように、台車固定車輪51及び台車自在車輪52が設けられた台車5における、台車自在車輪52が設けられた一部分50を持ち上げて、台車5を移動させるために用いられる。台車移動リフト1は、
図2、
図3に示すように、ローリフト2と、ローリフト2に装着された持上げアタッチメント3及び車輪アタッチメント4とを備えている。
ローリフト2は、
図3、
図4に示すように、リフト自在車輪22が設けられたリフト本体部21と、リフト本体部21から水平方向に設けられて昇降可能であるフォーク部23と、フォーク部23に設けられ、地面Gに接地された状態を維持してフォーク部23の上昇を支持する構造のリフト固定車輪24とを有している。
【0018】
図2〜
図4に示すように、持上げアタッチメント3は、フォーク部23に装着されており、台車5の一部分50を持ち上げるための持上げ部32、及びフォーク部23が下降した状態で接地されるアタッチメント固定車輪33を有している。車輪アタッチメント4は、リフト固定車輪24に装着されており、リフト固定車輪24の代わりに地面Gに接地される代替自在車輪42を有している。
図5に示すように、台車移動リフト1は、この台車移動リフト1によって台車5を移動させるときに、フォーク部23を上昇させて、持上げ部32によって台車5の一部分50を持ち上げると同時に、アタッチメント固定車輪33を地面Gから浮かせるよう構成されている。
【0019】
以下に、本例の台車移動リフト1について、
図1〜
図7を参照して詳説する。
図2〜
図4に示すように、本例の台車移動リフト1は、既存のローリフト2に、持上げアタッチメント3及び車輪アタッチメント4を装着することにより、ローリフト2の機能を変更して、台車固定車輪51及び台車自在車輪52が設けられた台車5を円滑に移動させることができるようにしたものである。ローリフト2は、モータによるアシストを受けて移動させる電動式のものである。リフト本体部21には、リフト自在車輪22の他に、作業者が把持するためのハンドル部25が設けられている。リフト自在車輪22は、ハンドル部25を操作することによって左右に操舵することができる。フォーク部23は、リフト本体部21から左右一対に設けられており、フォーク部23における、リフト本体部21とは反対側に位置する先端側部分には、アーム部231及びリフト固定車輪24が設けられている。
【0020】
図5に示すように、リフト固定車輪24は、アーム部231の先端に設けられている。アーム部231の基端は、フォーク部23に対して回動可能に取り付けられている。アーム部231は、フォーク部23内に収納される状態からフォーク部23の下方へ回動して、リフト固定車輪24に対するフォーク部23の高さ位置を変更するよう構成されている。
【0021】
図1に示すように、台車5は、前後方向Lに長い形状を有している。台車固定車輪51は、台車5の荷台部53の下面における、前後方向Lの中心部付近の左右に設けられており、台車自在車輪52は、台車5の荷台部53の下面における、前後方向Lの両端部付近の左右に設けられている。台車移動リフト1によって持ち上げる台車5の一部分50は、台車5の前後方向Lにおけるいずれかの端部とする。台車5は、車両のボディ等の大型の搬送物8を載置して搬送するものである。
【0022】
図3、
図4に示すように、持上げアタッチメント3は、左右一対のフォーク部23を上下から挟み込むようにして、左右一対のフォーク部23に取り付けられるベース部31を有している。持上げ部32は、ベース部31から起立して設けられており、台車5の荷台部53の下面に当接するよう構成されている。アタッチメント固定車輪33は、リフト固定車輪24の付近においてベース部31に取り付けられている。
【0023】
図4、
図7に示すように、車輪アタッチメント4は、リフト固定車輪24に装着される装着フレーム部41を有しており、代替自在車輪42は、装着フレーム部41に取り付けられている。装着フレーム部41は、フォーク部23の下部に配置される部分と、下面に代替自在車輪42を取り付けるために、フォーク部23の側方に配置される部分とを有している。リフト固定車輪24は、車輪アタッチメント4の装着フレーム部41の上に載置されている。代替自在車輪42は、左右一対のフォーク部23の左右方向Wの内側と外側とに配置されている。
【0024】
代替自在車輪42は、フォーク部23が下降してアタッチメント固定車輪33が地面Gに接地された状態において、地面Gから離れる(浮く)よう構成されている。具体的には、アタッチメント固定車輪33は、
図4、
図6に示すように、ブラケット34によって持上げアタッチメント3のベース部31に対する上下方向Hの高さ位置を調整可能である。そして、代替自在車輪42が地面Gから離れる状態において、アタッチメント固定車輪33が地面Gに設置されるよう、ブラケット34を上下に移動させてアタッチメント固定車輪33の高さ位置を決定する。
また、装着フレーム部41には、
図7に示すように、フォーク部23が上昇する際に、フォーク部23に対して車輪アタッチメント4が左右に位置ずれしないようにするガイド部43が設けられている。
【0025】
本例の台車移動リフト1においては、ローリフト2に、持上げアタッチメント3及び車輪アタッチメント4を装着して、ローリフト2の機能を変更する。そして、ローリフト2のフォーク部23に持上げアタッチメント3が装着されることにより、
図4、
図6に示すように、フォーク部23が下降した状態においては、アタッチメント固定車輪33が地面Gに接地される。また、ローリフト2のリフト固定車輪24に車輪アタッチメント4が装着されることにより、
図5、
図7に示すように、フォーク部23が上昇した状態においては、リフト固定車輪24が地面Gに接地されない代わりに代替自在車輪42が地面Gに接地される。また、フォーク部23が上昇した状態においては、アタッチメント固定車輪33が地面Gから離れる。
【0026】
台車移動リフト1を単独で移動させるときには、
図4に示すように、フォーク部23を下降させて、アタッチメント固定車輪33が地面Gに接地されるとともに、代替自在車輪42が地面Gから離れる状態を形成する。そして、台車移動リフト1は、ローリフト2におけるリフト自在車輪22と、持上げアタッチメント3におけるアタッチメント固定車輪33とによって移動が可能になる。そして、アタッチメント固定車輪33によって左右へのふらつきが防止された状態で、台車移動リフト1を移動させることができる。これにより、台車移動リフト1におけるフォーク部23を台車5の下方に差し込む作業、及びフォーク部23を台車5の下方から引き出す作業を容易にすることができる。
【0027】
一方、台車移動リフト1によって台車5を移動させるときには、
図2、
図5に示すように、台車5の下方に差し込まれた状態のフォーク部23を上昇させて、持上げアタッチメント3の持上げ部32によって台車5の一部分50を持ち上げる。このとき、持上げアタッチメント3のアタッチメント固定車輪33が地面Gから離れるとともに、台車5の一部分50が持上げアタッチメント3の持上げ部32の上に載置される。また、代替自在車輪42がフォーク部23の上昇に伴って地面Gに接地される。
【0028】
そして、台車移動リフト1と台車5とが一体化され、台車移動リフト1のリフト自在車輪22及び代替自在車輪42と、台車5の台車固定車輪51及び台車自在車輪52とが地面Gに接地される。こうして、台車固定車輪51によって左右へのふらつきが防止された状態で、一体化された台車移動リフト1及び台車5を移動させることができる。これにより、台車移動リフト1によって台車5を前後に移動させるとともに左右に曲がって移動させることができる。
このように、本例の台車移動リフト1によれば、既存のローリフト2に持上げアタッチメント3及び車輪アタッチメント4を装着した簡単な構成によって、ローリフト2を利用した台車5の前後の移動及び左右へ曲がる移動を可能にすることができる。