(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記優先機能決定部により決定された優先機能が複数である場合、当該優先機能を示す表示が、予め定められた優先順位に従って並べられ前記操作画面を、前記表示部に表示させる請求項1に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構造を示した模式的な部分断面正面図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機であり、装置本体11に、操作部47、原稿給送部6、及び原稿読取部5を含んで構成されている。
【0012】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者から画像形成動作実行指示や原稿読取動作実行指示等の指示を受け付けるものであり、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。また、操作部47近くには、外部メモリーであるUSBメモリー22を接続するためのUSBポート(図示せず)が形成されている。
【0013】
画像形成装置1で原稿読取動作が行われる場合について説明する。原稿給送部6により給送されてくる原稿、又は原稿載置ガラス161に載置された原稿の画像を、読取機構163を備えた原稿読取部5が光学的に読み取り、そして画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは、内臓HDD(Hard Disk Drive)、又はネットワーク接続されたコンピューター等に保存される。
【0014】
原稿給送部6は、原稿を載置する原稿トレイ6aと、原稿トレイ6aに原稿が載置されているか否かを検知する原稿センサー6bとを含んで構成されている。また、原稿載置ガラス161の下方には、原稿載置ガラス161に原稿が載置されているか否かを検知する原稿センサー161aが設置されている。原稿センサー6b,161aは、反射型の光学センサーであり、光を照射する照射部と原稿からの反射光を受光する受光部とを備えている。
【0015】
画像形成装置1で画像形成動作が行われる場合について説明する。原稿読取動作により生成された画像データや、内臓HDDに記憶されている画像データ、ネットワーク接続されたコンピューターから受信した画像データ等に基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙される記録紙(記録媒体)としての用紙Pにトナー像を形成する。
【0016】
画像形成部12は、ブラック(Bk)用の画像形成ユニット12Bk、イエロー(Y)用の画像形成ユニット12Y、シアン(C)用の画像形成ユニット12C、及びマゼンタ(M)用の画像形成ユニット12Mを含んで構成され、これら画像形成ユニット12Bk,12Y,12C,12Mはそれぞれドラム型の感光体121Bk,121Y,121C,121Mを備え、感光体121Bk,121Y,121C,121Mは、図中の反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0017】
トナーコンテナ17Bk,17Y,17C,17Mはそれぞれブラック用、イエロー用、シアン用、マゼンタ用のトナーを収納するものであり、感光体121Bk,121Y,121C,121Mから離れた位置に、中間転写ベルト125を挟んで上方に、装置本体11に設けられたトナーコンテナ装着部(図示せず)に着脱自在に装着されている。
【0018】
転写ユニット120は、その外周面にトナー像が転写される中間転写ベルト125、駆動ローラー125a、従動ローラー125b、及び一次転写ローラー126を含んで構成されている。
【0019】
中間転写ベルト125は、駆動ローラー125aと従動ローラー125bとの間に張架され、感光体121Bk,121Y,121C,121Mの周面に当接した状態で駆動ローラー125aによって駆動され、感光体121Bk,121Y,121C,121Mと同期しながら、無端走行する。
【0020】
次に、カラー印刷が行われる場合について説明する。感光体121Bk,121Y,121C,121Mの周囲が一様に帯電され(帯電工程)、電荷を帯びた感光体121Bk,121Y,121C,121Mの表面に、画像データに基づいて、レーザー光が照射されて潜像が形成され(露光工程)、潜像がトナーで可視像化され(現像工程)、可視像化することによって形成されたトナー像が一次転写ローラー126によって中間転写ベルト125上に転写されるようになっている。
【0021】
中間転写ベルト125上に転写される各色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のトナー像は、転写タイミングを調整して中間転写ベルト125上で重ね合わされ、カラーのトナー像となる。
【0022】
二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーのトナー像を、中間転写ベルト125を挟んだ、駆動ローラー125aとのニップ部Nにおいて、給紙部14から搬送路190を搬送されてきた用紙Pに転写させるものである。なお、ここまで説明したのはカラー印刷の場合であり、モノクロ印刷の場合には、イエロー用、シアン用、及びマゼンタ用の感光体121Y,121C,121Mは使用されず、ブラック用の感光体121Bkだけが使用されることになる。
【0023】
定着部13は、熱圧着によりトナー像を用紙Pに定着させるものであり、定着処理が施されたカラー画像形成済みの用紙Pは、排出トレイ151に排出されることになる。
【0024】
給紙部14は、複数の給紙カセット、及び各給紙カセットに収容された記録紙をピックアップするためのピックアップローラー145を含んで構成され、操作者による指示等で指定されたサイズの記録紙をピックアップするように、対応するピックアップローラー145を回転駆動させて、指定された記録紙をニップ部Nに向けて搬送するものである。
【0025】
図2は、画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。画像形成装置1は、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、画像メモリー32、HDD92、定着部13、原稿センサー6b,161a、操作部47、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェイス部91、及びUSB装着部21を含んで構成されている。なお、
図1に示した画像形成装置1と同様の構成部分については同符号を付し、ここではその詳しい説明を省略する。
【0026】
原稿給送部6は、読取対象の原稿を原稿読取部5へ給送する。
【0027】
原稿読取部5は、制御ユニット10を構成する制御部100による制御の下、光照射部及びCCD(Charge Coupled Device)センサー等を有する読取機構(図示せず)を備えており、原稿読取部5は、光照射部を使って原稿を照射し、その反射光をCCDセンサーで受光することによって、原稿から画像を読み取る。
【0028】
画像形成部12は、印刷すべき画像のトナー像を用紙上に形成する。
【0029】
画像メモリー32は、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿の画像データを一時的に記憶したり、画像形成部12のプリント対象となるデータを一時的に保存したりするための領域である。
【0030】
HDD92は、原稿読取部5によって読み取られた原稿画像等を記憶する大容量の記憶装置である。
【0031】
定着部13は、用紙上のトナー像を、熱圧着により用紙に定着させる。
【0032】
原稿センサー6bは、原稿給送部6を構成する原稿トレイ6a(
図1)に原稿が載置されているか否かを検知する。原稿センサー161aは、原稿載置ガラス161(
図1)に原稿が載置されているか否かを検知する。
【0033】
操作部(選択指示受付部の一例)47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者から画像形成動作実行指示や原稿読取動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。表示部473はタッチパネル機能を備え、操作者は画面表示されるボタンやキーに触れて、タッチパネル機能により画像形成装置1を操作することができる。
【0034】
図3に、表示部473に表示される操作画面の一例を示す。操作画面D1はホーム画面(機能を選択するための最も基本となる画面)を示しており、操作画面D1にはコピー機能、送信機能、ジョブボックス機能、ユーザーボックス機能、ファクシミリ(ファクス)機能、及び外部メモリー機能それぞれに対応する選択ボタンB1〜B6が形成され、例えば、選択ボタンB1がタッチされると、コピー機能についての下位操作項目(例えば、倍率や濃度の設定)が示された操作画面が表示部473に表示される。
【0035】
なお、送信機能は、原稿トレイ6a,原稿載置ガラス161に載置されている原稿の画像データなどをメールに添付して送信する機能である。ジョブボックス機能は、ジョブボックスに蓄積されている画像データを印刷又は送信する機能である。ユーザーボックス機能は、ユーザーそれぞれに割り当てられたボックスに蓄積されている画像データを印刷又は送信する機能である。
【0036】
外部メモリー機能は、外部メモリーであるUSBメモリー22に記憶されている画像データを印刷又は送信し、画像形成装置1内に記憶されている画像データをUSBメモリー22に保存させる機能である。
【0037】
ファクシミリ通信部71は、図示しない符号化・複合化部、変復調部、及びNCU(Network Control Unit)等を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの通信を行うものである。
【0038】
ネットワークインターフェイス部91は、LAN(Local Area Network)ボード等の通信モジュールを含んで構成され、ネットワークインターフェイス部91に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内、又はインターネット上のパーソナルコンピューター(パソコン)等の外部装置20と種々のデータの送受信を行うものである。
【0039】
USB装着部21は、USBメモリー22の端子と機械的、電気的に接続するためのUSBポート21aを含んで構成され、制御部100は、USB装着部21を介して、USBメモリー22との間でデータのやり取りを行う。
【0040】
制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。制御ユニット10は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る制御部100と、装置状態検出部101と、優先機能決定部102と、表示制御部103と、ログイン可否判断部105と、ユーザー情報記憶部106と、専用画面情報記憶部104とを備えている。
【0041】
制御ユニット10は、HDD92にインストールされている制御プログラムに従った動作により、制御部100と、装置状態検出部101と、優先機能決定部102と、表示制御部103と、ログイン可否判断部105と、ユーザー情報記憶部106と、専用画面情報記憶部104として機能する。但し、制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、制御部100と、装置状態検出部101と、優先機能決定部102と、表示制御部103と、ログイン可否判断部105と、ユーザー情報記憶部106と、専用画面情報記憶部104とをそれぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0042】
制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、画像メモリー32、HDD92、定着部13、原稿センサー6b,161a、操作部47、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェイス部91、及びUSB装着部21と接続され、これら各部の駆動制御を行う。画像形成装置1は、上記のコピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を実行が可能とされているが、制御部100は、当該複数の機能についての各動作を制御する。
【0043】
ユーザー情報記憶部106は、画像形成装置1の利用資格を有する有資格者の情報を記憶する。
図4(A)は、ユーザー情報記憶部106のデータ構成の一例を示した図であり、ユーザー情報記憶部106には、有資格者のユーザー名、ユーザーID(ログイン名)、パスワード、当該有資格者が使用するパソコンの宛先情報(電子メールのアドレス情報)などが記憶されている。
【0044】
専用画面情報記憶部104は、画像形成装置1の使用が許可された有資格者に対応付けられた、有資格者毎の専用画面の画面特定情報と、更に各専用画面の画面データを記憶する。
図4(B)は、専用画面情報記憶部104のデータ構成の一例を示した図である。専用画面情報記憶部104は、
図4(B)に示すように、当該有資格者を示すユーザーIDと、専用画面の識別情報である画面特定情報とを対応付けて記憶している。
【0045】
図5(A),(B)は、表示部473に表示される専用画面の一例を示した図である。
図5(A)に示した専用画面P1には、コピー機能に対応する選択ボタンB1、送信機能に対応する選択ボタンB2、及びユーザーボックスB
5が表示される。
図5(B)に示した専用画面P2には、外部メモリー機能についての下位操作項目の「文書保存」に対応する選択ボタンB7、及び「文書印刷」に対応する選択ボタンB8が表示される。
【0046】
装置状態検出部101は、ユーザーによる画像形成装置1の使用に起因して発生する、画像形成装置1の装置状態を検出する。例えば、装置状態検出部101は、原稿センサー6b,161aから出力されてくる出力信号に基づいて、原稿トレイ6a、原稿載置ガラス161に原稿が載っているか否かを検知する。また、装置状態検出部101は、USB装着部21から出力されてくる出力信号に基づいて、USBポート21aにUSBメモリー22が挿し込まれているか否かを検知する。すなわち、装置状態検出部101は、ユーザーによる画像形成装置1の使用(例えば、原稿トレイ6aに原稿を載せる行為、USBポート21aにUSBメモリー22を挿し込む行為)に起因する画像形成装置1の状態の変化を検知する。
【0047】
優先機能決定部102は、画像形成装置1が実行可能な各機能の内、装置状態に応じてユーザーの使用が予測される機能(優先機能)を決定する。例えば、原稿トレイ6a、原稿載置ガラス161のいずれかに原稿が載せられたことが検出された場合、優先機能決定部102は、ユーザーの使用が予測される優先機能としてコピー機能、送信機能、及びファクシミリ機能を決定する。また、USBメモリー22がUSBポート21aに挿し込まれている場合には、優先機能決定部102は、ユーザーの使用が予測される優先機能として外部メモリー機能を決定する。
【0048】
表示制御部103は、表示部473に操作画面を表示させる制御を行う。表示制御部103は、優先機能決定部102により決定された優先機能が表示に反映された操作画面を表示部473に表示させる。表示制御部103は、各優先機能が表示に反映された全パターンの操作画面の画面データを記憶している。
【0049】
ログイン可否判断部105は、表示部473に表示された認証画面を通じてユーザーから操作部47に入力されたログイン名(ユーザーID)及びパスワードを取得し、取得したユーザーID及びパスワードをユーザー情報記憶部106に記憶されているユーザーID及びパスワードと照合することによって、ユーザーID及びパスワードを入力したユーザーが本装置の利用資格を有する有資格者であるか否かを判断する。
【0050】
次に、表示部473に表示される操作画面の選択及び表示に関する処理等の流れについて、
図6に示したシーケンス図を参照して説明する。
【0051】
画像形成装置1は、電源オン時には、装置状態検出部101が装置状態の検出を可能な状態となっている。装置状態検出部101は、原稿センサー6b,161aから出力される検知信号と、USB装着部21から出力される検知信号とに基づいて、装置状態、すなわち、原稿トレイ6aや原稿載置ガラス161に原稿が載置されているか否か、USBポート21aにUSBメモリー22が挿し込まれているか否かを検知する(S1)。
【0052】
優先機能決定部102は、装置状態検出部101によって検知された上記装置状態(装置状態変化情報A1)の如何に応じて、ユーザーの使用が予測される優先機能を決定する(S2)。優先機能決定部102は、決定した優先機能(優先機能情報A2)を表示制御部103に出力する(S3)。
【0053】
優先機能決定部102は、各装置状態に対応付けて、それぞれの優先機能を記憶している。優先機能決定部102による優先機能の決定方法の一例を下記に示す。
【0054】
1.優先機能決定部102は、原稿トレイ6a,原稿載置ガラス161のいずれかに原稿が載せられているという装置状態に対しては、コピー機能、送信機能、及びファクシミリ機能を対応付けて記憶している。すなわち、優先機能決定部102は、原稿トレイ6a,原稿載置ガラス161のいずれかに原稿が載せられていることを示す装置状態変化情報A1を装置状態検出部101から受け取ると、コピー機能、送信機能、及びファクシミリ機能を優先機能として決定する。
【0055】
2.優先機能決定部102は、USBメモリー22がUSBポート21aに挿し込まれているという装置状態に対しては、外部メモリー機能を対応付けて記憶している。すなわち、優先機能決定部102は、USBメモリー22がUSBポート21aに挿し込まれていることを示す装置状態変化情報A1を装置状態検出部101から受け取ると、外部メモリー機能を優先機能として決定する。
【0056】
3.優先機能決定部102は、原稿トレイ6a,原稿載置ガラス161のいずれかに原稿が載せられ、かつ、USBメモリー22がUSBポート21aに挿し込まれているという装置状態に対しては、文書保存機能(外部メモリー機能の下位機能)を対応付けて記憶している。すなわち、優先機能決定部102は、原稿トレイ6a,原稿載置ガラス161のいずれかに原稿が載せられ、かつ、USBメモリー22がUSBポート21aに挿し込まれていることを示す装置状態変化情報A1を装置状態検出部101から受け取ると、文書保存機能(外部メモリー機能の下位機能)を、優先機能として決定する。
【0057】
また、画像形成装置1は、電源オン時には、上記装置状態検出部101が装置状態を検出すると共に、装置のアイドル中には、表示制御部103が、表示部473に、ログインのためにユーザーに対してユーザーID及びパスワードの入力を促すメッセージを示す認証画面を表示させている。
【0058】
表示部473に表示された認証画面を通じてユーザーによりログイン操作が行われ、ユーザーID及びパスワードが操作部47に入力されると(S11)、表示制御部103が、入力されたログイン情報A3(ログインID及びパスワード)を取得する(S12)。さらに、ログイン可否判断部105が、ユーザー情報記憶部106からユーザー情報A4であるユーザーID及びパスワードを取得する(S13)。ログイン可否判断部105は、表示制御部103を介して取得したログインID及びパスワードと、ユーザー情報A4の示すユーザーID及びパスワードとを照合することで、ユーザーID及びパスワードを入力したユーザーが画像形成装置1の利用資格を有する有資格者であるか否かを判断する(S14)。すなわち、ログイン可否判断部105は、ユーザー認証処理を行う。
【0059】
ログイン可否判断部105により、ユーザーID及びパスワードを入力したユーザーが画像形成装置1の利用資格を有する有資格者であると判断されると、表示制御部103は、専用画面情報記憶部104から、当該ユーザーの専用画面の画面データを取得する(S15)。表示制御部103は、更に、優先機能決定部102から優先機能情報A2を取得する(S16)。表示制御部103は、優先機能情報A2に対応する操作画面を読み出す。なお、S15においては、専用画面情報記憶部104に当該ログインしたユーザーの専用画面が記憶されていない場合は、専用画面の画面データは取得されない。また、S16においては、優先機能が決定されていない場合は、優先機能情報A2は取得されない。
【0060】
次に表示制御部103は、専用画面の画面データ、及び優先機能情報A2の両方を取得した場合、上記専用画面と、上記優先機能情報A2が示す優先機能が表示に反映された操作画面のいずれを表示部473に表示させるかを決定する(S17)。表示制御部103による当該両画面のいずれを表示部473に表示させるかの決定方法は後述する。
【0061】
この後、表示制御部103は、決定した画面を表示部473に表示させる(S18)。すなわち、表示制御部103は、専用画面を表示画面として決定すると、専用画面を表示部473に表示させ、優先機能を示す表示が反映された操作画面を表示画面として決定すると、記憶している複数の操作画面の中から、当該操作画面を読み出して、表示部473に表示させる。
【0062】
なお、表示制御部103は、上記両画面のいずれを表示部473に表示させるかを決定せず、ユーザーによる画面選択指示に従って、上記両画面のいずれかを表示部473に表示させるようにしてもよい。この場合、表示制御部103は、専用画面の画面データ、及び優先機能情報A2の両方を取得すると、表示部473に、上記専用画面と、上記優先機能情報A2が示す優先機能が表示に反映された操作画面のいずれを表示部473に表示させるかを選択する指示の入力をユーザーに促すメッセージを示す選択画面を表示させる。ユーザーは、上記選択画面に基づく操作により、操作部47に、上記専用画面と、上記優先機能を示す情報が表示に反映された操作画面のいずれを表示させるかを示す選択指示を入力する。この後、表示制御部103は、操作部47に入力された上記選択指示の示す方の画面を表示部473に表示させる。
【0063】
なお、表示制御部103は、S15及びS16において、専用画面の画面データ、又は優先機能情報A2のいずれかのみを取得しているとき、(1)専用画面の画面データのみ取得している場合は、専用画面を表示部473に表示させ、(2)優先機能情報A2のみ取得している場合は、優先機能が表示に反映された操作画面を表示部473に表示させるように決定する。
【0064】
図7は、S18における表示制御部103による画面決定処理に基づく画面表示の例を示した図である。表示制御部103は、専用画面の画面データ、及び優先機能情報A2の有無等によって、画面表示のパターンとして、ケース1〜ケース4−3の7つを選択的に決定する。なお、表示制御部103は、当該ユーザーに対応する専用画面が専用画面情報記憶部104に記憶されていない場合は、専用画面は表示部473の表示対象としては選択しない。また、原稿トレイ6a,原稿載置ガラス161に原稿が載置されておらず、なおかつUSBポート21aにもUSBメモリー22が挿し込まれていない等により装置状態が変化していない場合は、優先機能は決定されないので、優先機能情報A2は取得されない。
【0065】
ケース1:表示制御部103が、専用画面の画面データ、及び優先機能情報A2のいずれも取得していない場合
表示制御部103は、
図3に例を示したホーム画面(操作画面D1)を表示部473に表示させる表示画面として決定する。
【0066】
ケース2−1:表示制御部103が、専用画面の画面データを取得せず、優先機能情報A2のみを取得している場合であって、優先機能が複数ある場合
表示制御部103は、各機能に対して予め定められている優先順位の上位から、規定の順に並べた操作画面を表示部473に表示させる表示画面として決定する。
【0067】
例えば、表示制御部103は、優先機能が機能A、機能B、機能C、ファクシミリ機能、コピー機能、及び送信機能のように複数あり、優先順位が上位からコピー機能、送信機能、ファクシミリ機能、機能A、機能B、及び機能Cであるとき、
図8に示すように、優先順位上位を上欄に、各欄においては優先順位上位を左側に配置する。
図8では、表示制御部103は、操作画面D2の上欄に、優先順位第1位から第3位までのコピー機能に対応する選択ボタンB1、送信機能に対応する選択ボタンB2、及びファクシミリ(ファクス)機能に対応する選択ボタンB3を配置し、左からこの順に各ボタンを配置した状態を示している。また、表示制御部103は、操作画面D2の下欄に、優先順位第4から第6位までの機能Aに対応する選択ボタンB10、機能Bに対応する選択ボタンB11、機能Cに対応する選択ボタンB12を配置し、左からこの順に各ボタンを配置する。
【0068】
ケース2−2:表示制御部103が、専用画面の画面データを取得せず、優先機能情報A2のみを取得している場合であって、優先機能が1つのみである場合
例えば、操作状態が、原稿トレイ6aに原稿が載置されている、かつ、USBポート21aにUSBメモリー22が挿し込まれている、の状態である場合は、優先機能決定部102は、当該操作状態に対しては「文書保存」機能のみを優先機能として決定する。この場合、表示制御部103は、優先機能を示す操作画面として、画像形成装置1にデフォルトで用意されている、通常の表示画面としての「文書保存」機能についての操作画面を表示部473に表示させる。
【0069】
ケース3:表示制御部103が、優先機能情報A2を取得せず、専用画面の画面データのみを取得している場合
表示制御部103は、ログインしたユーザーに対応する当該専用画面を表示部473に表示させる。
【0070】
ケース4:表示制御部103が、専用画面の画面データ及び優先機能情報A2の両方を取得している場合
表示制御部103は、以下のようにして、表示させる画面を選択する。但し、表示制御部103は、ユーザーからの上記選択指示に従って、専用画面、又は優先機能を示す操作画面のいずれかを表示部473に表示させてもよい。
【0071】
ケース4−1:表示制御部103が、専用画面の画面データ、及び優先機能情報A2の両方を取得している場合であって、決定された優先機能が専用画面に示される機能と一致する場合
表示制御部103は、当該ログインしたユーザーの専用画面を表示部473に表示させる。
【0072】
ケース4−2:表示制御部103が、専用画面の画面データ、及び優先機能情報A2の両方を取得している場合であって、優先機能が複数ある場合
表示制御部103は、上記ケース2−1と同様にして、優先機能を示す操作画面を表示部473に表示させる。但し、表示制御部103は、当該操作画面として、専用画面として示される各機能に対応する選択ボタンも、各優先機能に対応する選択ボタンと一緒に操作画面として表示する画面データを生成して、各優先機能に対応する選択ボタンを、専用画面として示される各機能に対応する選択ボタンよりも優先順位を高く設定して、これら各選択ボタンを配置した操作画面を表示部473に表示させるようにしてもよい。
【0073】
ケース4−3:表示制御部103が、専用画面の画面データ及び優先機能情報A2の両方を取得している場合であって、優先機能が1つのみである場合
表示制御部103は、上記ケース2−2と同様にして、優先機能を示す操作画面を表示部473に表示させる。
【0074】
この第1実施形態によれば、ユーザーの使用に起因して発生する画像形成装置1の装置状態に基づいて、複数の機能の中からユーザーの使用が予測される優先機能が決定され、決定された優先機能を示す操作画面が表示部473に表示される。このため、使用が予測される機能についての操作指示の入力に適した操作画面をユーザーに提供できる。従って、複数の機能を実行可能な画像形成装置の操作性が、装置状態に応じて更に向上される。
【0075】
また、専用画面の画面データが事前に記憶されている場合であっても、専用画面で操作可能な機能よりも、その時点での装置状態に応じた優先機能がある場合には、当該優先機能を表示する操作画面が選択される。従って、その時点での装置状態に基づいて決定され、使用される可能性の高い機能を示す操作画面が、専用画面よりも優先的に表示されるので、操作性を更に向上させることが可能になる。
【0076】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図9は、第2実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
図2に示した第1実施形態に係る画像形成装置1とは、ログイン可否判断部105、専用画面情報記憶部104、及びユーザー情報記憶部106が制御ユニット10の構成要素から外れている点と、表示制御部103により行われる処理の一部が異なる点で相違している。なお、画像形成装置1は、ネットワークインターフェイス部91を介してモバイル端末220と通信可能であり、モバイル端末220は画像形成装置1を遠隔操作可能である。
【0077】
図10は、モバイル端末220の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。モバイル端末220は、例えば、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスであり、制御ユニット230、操作部240、及びネットワークインターフェイス部242を含んで構成されている。
【0078】
制御ユニット230は、CPU、RAM、ROM、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。制御ユニット230は、モバイル端末220の全体的な動作制御を司る制御部231と、遠隔操作制御部232と、遠隔操作情報記憶部233と、を備えている。
【0079】
制御ユニット230には、画像形成装置1を遠隔操作するためのアプリケーションがインストールされている。制御ユニット230は、インストールされた当該アプリケーションによって遠隔操作制御部232及び遠隔操作情報記憶部233として機能する。遠隔操作情報記憶部233には、第1実施形態における専用画面情報記憶部104の場合と同様にして、ユーザーの専用画面に関する情報が事前に記憶されている。
【0080】
操作部240は、モバイル端末220が実行可能な各種動作及び処理について操作者からの指示を受け付ける。操作部240は、操作者への操作案内等を表示する表示部241を備えている。表示部241はタッチパネルになっており、操作者は画面表示されるボタンやキーに触れてモバイル端末220を操作することができる。
【0081】
次に、モバイル端末220の表示部241に表示される画像形成装置1に対する操作画面の選択及び表示に関する処理等の流れについて、
図11に示したシーケンス図を参照して説明する。
【0082】
画像形成装置1においては、第1実施形態の場合と同様に、装置状態検出部101は、原稿センサー6b,161aから出力される検知信号と、USB装着部21から出力される検知信号とに基づいて、装置状態、すなわち、原稿トレイ6aや原稿載置ガラス161に原稿が載置されているか否か、USBポート21aにUSBメモリー22が挿し込まれているか否かを検知する(S21)。
【0083】
優先機能決定部102は、装置状態検出部101によって検知された上記装置状態(装置状態変化情報A1)に基づいて、ユーザーの使用が予測される優先機能を決定する(S22)。優先機能決定部102は、決定した優先機能(優先機能情報A2)を表示制御部103に出力する(S23)。
【0084】
そして、第2実施形態では、モバイル端末220の表示部241を通じてユーザーにより画像形成装置1を遠隔操作するためのアプリケーションの実行が指示されると(S31)、遠隔操作制御部232が、遠隔操作情報記憶部233から操作対象となる画像形成装置1の接続先情報A6を取得する(S32)。そして、遠隔操作制御部232が、取得した接続先情報A6に基づいて、ネットワークインターフェイス部242を介して画像形成装置1に対して接続の要求を行う(S33)。
【0085】
画像形成装置1の表示制御部103は、ネットワークインターフェイス部91を介してモバイル端末220からの接続の要求を受け付けると(S34)、表示制御部103は、送信部として、記憶している複数の操作画面の中から、当該操作画面を読み出して、当該操作画面の画面データを、ネットワークインターフェイス部91を介して、モバイル端末220へ送信する(S36)。
【0086】
モバイル端末220の遠隔操作制御部(受信部の一例)232は、ネットワークインターフェイス部242を介して、画像形成装置1から送信されてきた上記操作画面を受信する(S37)。続いて、遠隔操作制御部232は、遠隔操作情報記憶部233から、当該ユーザーの専用画面の画面データ(専用画面情報A7)を取得する(S38)。
【0087】
そして、遠隔操作制御部(端末制御部)232は、表示部241に表示させる画面を決定し(S39)、取得した専用画面の画面データ、又は受信した上記当該操作画面の画面データを用いて、決定した方の画面を表示部241に表示させる(S40)。なお、表示部241に表示させる当該画面決定処理は、
図7を使って説明した第1実施形態のS18における表示制御部103による画面決定処理と同様にして、遠隔操作制御部232により行われる。
【0088】
なお、ここでは、遠隔操作情報記憶部233に専用画面の画面データを記憶させておき、モバイル端末220の表示部241に専用画面を表示させる必要がある場合には、当該専用画面の画面データを用いるものとしているが、これに代えて、モバイル端末220に専用画面情報A2を保有させず、第1実施形態のように、画像形成装置1側に、専用画面の画面データを記憶させておき、画像形成装置1から、ログインしたユーザーに対応する専用画面の画面データをモバイル端末220に送信させるようにし、専用画面の表示が必要な場合には、遠隔操作制御部232が、これにより受信した専用画面の画面データを用いて、表示部241に表示させるようにしてもよい。
【0089】
本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、本発明に係る通信装置の一実施形態として画像形成装置の複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、他の電子機器、例えば、コピー機能、スキャン機能、ファクシミリ機能を有した他の画像形成装置でもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、
図1乃至
図11を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。