特許第6390561号(P6390561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6390561
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20180910BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20180910BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20180910BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20180910BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   G03G21/16 104
   G03G21/16 152
   B41J29/00 C
   H04N1/00 519
   H05K5/02 G
   H05K7/00 U
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-174423(P2015-174423)
(22)【出願日】2015年9月4日
(65)【公開番号】特開2017-49509(P2017-49509A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2017年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】田村 崇
(72)【発明者】
【氏名】福間 信宏
【審査官】 田代 憲司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−066668(JP,A)
【文献】 特開2014−026078(JP,A)
【文献】 特開2011−064804(JP,A)
【文献】 特開2001−270189(JP,A)
【文献】 特開2007−299883(JP,A)
【文献】 特開平04−199157(JP,A)
【文献】 実開昭61−012131(JP,U)
【文献】 特開2003−101703(JP,A)
【文献】 特開平11−088489(JP,A)
【文献】 特開2006−209546(JP,A)
【文献】 実開平02−130190(JP,U)
【文献】 特開2007−286395(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0291453(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/18
B41J 29/00
H04N 1/00
H05K 5/02
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の背面または側面の開口を覆い、前記装置本体に対し前記開口を開放可能に取り付けられた外装カバーと、
前記外装カバーの上方に設けられたコネクターと、
前記外装カバーの上方の外装を形成するカバー上外装部材と、を備え、
前記カバー上外装部材は、
前記コネクター寄りの第1端から前記外装カバーの左右いずれか一方の側端寄りの第2端に亘って形成された溝部と、
少なくとも前記溝部の前記第1端寄りの位置および前記第2端寄りの位置において、前記溝部の開口の下側縁部から上方へ張り出して形成された複数の張出部と、を有し、
前記溝部は、前記コネクターに接続されたケーブルが挿入される部分であり、
前記複数の張出部は、前記溝部内からの前記ケーブルの脱落を防ぐ部分であり、
前記複数の張出部が前記溝部の長手方向に沿って間隔を空けて形成されており、前記溝部の最も前記第2端寄りに位置する前記張出部の高さが他の前記張出部の高さよりも高く 前記溝部における、最も前記第2端寄りの前記張出部が形成された部分の開口の幅が、他の部分の開口の幅よりも大きい、画像形成装置。
【請求項2】
前記溝部の前記第2端の位置が、前記外装カバーの左右いずれか一方の側端の外側の上方の位置である、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の張出部における前記溝部の前記第1端側の縁部が、根本側から先端側にかけて鉛直方向に対して前記溝部の前記第2端側へ傾斜して形成されている、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の張出部のうち前記溝部の前記第2端寄りの位置に形成された1つにおける前記溝部の最も前記第2端寄りの縁部が、鉛直方向に沿って、または、根本側から先端側にかけて鉛直方向に対して前記溝部の前記第2端側へ傾斜して形成されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カバー上外装部材が、
前記溝部の前記第1端に連通し、前記溝部よりも深く窪んで形成された凹部を有し、
前記コネクターが、前記凹部の底に形成された開口内に設けられている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記外装カバーが、シート材の搬送路に通じる前記開口を覆う部材である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置において、コネクターが、装置本体の背面または側面に設けられることが知られている(例えば、特許文献1参照)。通信ケーブルなどのケーブルは、前記コネクターに接続されると、前記コネクターから下方へ垂れ下がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−295553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記画像形成装置において、前記コネクターが、前記装置本体の背面または側面の外装カバーの上方に設けられる場合がある。前記外装カバーは、前記装置本体の背面または側面の開口を覆い、前記装置本体に対し外側へ回動可能に支持される。
【0005】
例えば、前記外装カバーは、画像が形成されるシート材の搬送路に通じる開口を塞ぐ。この場合、前記外装カバーは、ジャム処理などの際に開かれる。
【0006】
前記コネクターが、前記装置本体における前記外装カバーの上方に設けられている場合、前記コネクターから垂れ下がる前記ケーブルが、前記外装カバーの開閉の邪魔になる。前記ケーブルが前記外装カバーに引っ掛かると、前記コネクターまたは前記ケーブルが損傷するおそれがある。
【0007】
また、前記ケーブルが引っ掛けられるフックが、前記画像形成装置の外装部材における前記外装カバーの上方に設けられることが考えられる。この場合、前記ケーブルは、前記フックによって前記外装カバーの左右いずれか一方の側方まで案内される。
【0008】
しかしながら、前記フックは、前記装置本体から外側へ張り出しているため、作業者の邪魔になる。また、前記フックは、作業者または周辺部材との接触によって破損しやすい。
【0009】
本発明の目的は、コネクターが装置本体の背面または側面における外装カバーの上方に設けられる場合に、破損しにくい構造により、前記コネクターに接続されたケーブルが前記外装カバーに引っ掛かることを防ぐことができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、外装カバーと、コネクターと、カバー上外装部材とを備える。前記外装カバーは、装置本体の背面または側面の開口を覆い、前記装置本体に対し前記開口を開放可能に取り付けられた部材である。前記コネクターは、前記外装カバーの上方に設けられている。前記カバー上外装部材は、溝部および張出部を有する。前記溝部は、前記コネクター寄りの第1端から前記外装カバーの左右いずれか一方の側端寄りの第2端に亘って形成されている。前記張出部は、少なくとも前記溝部の前記第1端寄りの位置および前記第2端寄りの位置において、前記溝部の開口の下側縁部から上方へ張り出して形成されている。前記溝部は、前記コネクターに接続されたケーブルが挿入される部分である。前記張出部は、前記溝部内からの前記ケーブルの脱落を防ぐ部分である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コネクターが装置本体の背面または側面における外装カバーの上方に設けられる場合に、破損しにくい構造により、前記コネクターに接続されたケーブルが前記外装カバーに引っ掛かることを防ぐことができる画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
図2図2は、実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
図3図3は、ケーブルが接続された画像形成装置の斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る画像形成装置におけるカバー上外装部材の斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る画像形成装置におけるカバー上外装部材の正面図である。
図6図6は、ケーブルが接続された画像形成装置におけるカバー上外装部材の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0014】
[画像形成装置10の概略構成]
まず、図1を参照しつつ、実施形態に係る画像形成装置10の概略構成について説明する。
【0015】
画像形成装置10は、シート材9に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置である。シート材9は、紙、コート紙、ハガキ、封筒、およびOHPシートなどのシート状の画像形成媒体である。
【0016】
画像形成装置10は、装置の本体1、シート供給部2およびスキャナー1xを備える。さらに、画像形成装置10は、本体1内に、シート搬送部3、現像ユニット4、光走査部40、定着装置49および制御基板80などを備える。
【0017】
スキャナー1xは、原稿から画像を読み取り、原稿画像のデータを出力する装置である。画像形成装置10は、スキャナー1xが動作することにより複写ジョブおよびファクシミリ送信ジョブを実行可能である。
【0018】
前記複写ジョブにおいて、スキャナー1xが前記原稿から画像を読み取り、本体1の各機器が、スキャナー1xによって得られた前記原稿画像のデータに基づく画像をシート材9に形成する。
【0019】
前記ファクシミリ送信ジョブにおいて、スキャナー1xが前記原稿から画像を読み取り、本体1の制御基板80に実装された通信インターフェースが、スキャナー1xによって得られた前記原稿画像のデータを公衆通信回線を通じて他の装置へ送信する。
【0020】
また、画像形成装置10はファクシミリ受信ジョブも実行可能である。前記ファクシミリ受信ジョブにおいて、前記通信インターフェースが、前記公衆通信回線を通じて画像データを受信し、現像ユニット4などの機器が、受信データに基づく画像をシート材9に形成する。
【0021】
図1に示される画像形成装置10は、タンデム式画像形成装置であり、カラープリンターである。そのため、画像形成装置10は、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色に対応した複数の現像ユニット4を備える。
【0022】
現像ユニット4各々は、感光体41、帯電装置42、現像装置43、一次転写装置45および一次クリーニング装置47などを備える。
【0023】
タンデム式の画像形成装置10は、中間転写ベルト48、二次転写装置481および二次クリーニング装置482をさらに備える。
【0024】
シート供給部2は、シートカセット21第1シート送出部22および第2シート送出部23を備える。シートカセット21は、重ねられた複数のシート材9を収容する部分である。第1シート送出部22は、シート材9をシートカセット21から第1搬送路301へ送り出す。第2シート送出部23は、後述する手差しトレイ60に載置されたシート材9を第3搬送路303へ送り出す。
【0025】
シート搬送部3は、搬送ローラー31および排出ローラー32を備える。搬送ローラー31は、シート供給部2から供給されるシート材9を第1搬送路301から第2搬送路302へ搬送する。また、搬送ローラー31は、手差しトレイ60から送り出されたシート材9を第3搬送路303から第1搬送路301へ搬送する。
【0026】
排出ローラー32は、第2搬送路302に沿って搬送されるシート材9をシート排出口300から排出トレイ100上へ排出する。通常、排出トレイ100上へ排出されるシート材9は、画像形成後のシート材9であり、印刷物である。
【0027】
中間転写ベルト48は、環状に形成された帯状部材である。中間転写ベルト48は、2つのローラーに架け渡された状態で回転する。
【0028】
現像ユニット4各々において、ドラム状の感光体41が回転し、帯電装置42が感光体41の表面を一様に帯電させる。光走査部40は、レーザー光を走査することにより感光体41の表面に静電潜像を書き込む。現像装置43は、感光体41の表面の前記静電潜像をトナーによって現像する。これにより、トナー像が感光体41の表面に形成される。
【0029】
一次転写装置45は、前記トナー像を感光体41表面から中間転写ベルト48に転写する。中間転写ベルト48は、複数の感光体41各々から前記トナー像が転写される。これにより、各色の前記トナー像が重ねられたカラー画像が中間転写ベルト48に形成される。一次クリーニング装置47は、感光体41表面に残存する前記トナーを除去する。
【0030】
二次転写装置481は、第2搬送路302におおいて、中間転写ベルト48に形成された前記カラー画像をシート材9に転写する。二次クリーニング装置482は、中間転写ベルト48に残存する前記トナーを除去する。
【0031】
定着装置49は、第2搬送路302におおいて、シート材9を加熱し、前記カラー画像をシート材9に定着させる。
【0032】
制御基板80は、画像形成装置10の制御に関する電子部品が実装された基板である。制御基板80は、排出トレイ100と現像ユニット4との間に配置されている。
【0033】
また、図2が示すように、画像形成装置10は、電源コネクター91、LANコネクター92および電話回線コネクター93なども備える。電源ケーブルが電源コネクター91に接続され、LANケーブルがLANコネクター92に接続される。
【0034】
また、電話ケーブル99が電話回線コネクター93に接続される。図1において、電話ケーブル99が仮想線で示されている。電話ケーブル99は、前記ファクシミリ通信に用いられる通信ケーブルである。
【0035】
各図に示される方向矢印F,B,U,Dは、それぞれ本体1の背面から前面へ向かう前面方向F、前面から背面へ向かう背面方向B、上方向Uおよび下方向Dを表す。本実施形態において、前面方向Fがシート材9の排出方向である。
【0036】
また、各図に示される方向矢印R,Lは、それぞれ本体1の背面側から見て右方向Rおよび左方向Lを表す。
【0037】
画像形成装置10の外装部材は、前面外装カバー6、背面外装カバー5、コーナー外装部材7およびカバー上外装部材8などを含む(図1,2参照)。背面外装カバー5は、本体1の背面側の2つのコーナー外装部材7の間において外装を形成する。
【0038】
前面外装カバー6は、本体1の下部を中心にして回動可能に支持されている。前面外装カバー6は、本体1の外側へ倒されることにより、手差しトレイ60を形成する(図1参照)。
【0039】
コーナー外装部材7は、本体1の側面におけるコーナー部分の外装を形成する。本実施形態において、電源コネクター91およびLANコネクター92は、背面側のコーナー外装部材7に組み込まれている。
【0040】
背面外装カバー5は、本体1の背面の開口50を覆う外装部材である。背面外装カバー5は、本体1に対し開口50を開放可能に取り付けられている。本実施形態において、背面外装カバー5が塞ぐ開口50は、シート材9が搬送される第1搬送路301および第2搬送路302に通じる開口である(図1参照)。
【0041】
より具体的には、背面外装カバー5は、本体1に対し外側へ回動可能に支持されている。例えば、背面外装カバー5は、本体1の下部を中心にして回動可能に支持されている。背面外装カバー5の上部には、凹状の取手51が形成されている。
【0042】
前面外装カバー6および背面外装カバー5各々は、不図示のロック機構によって本体1に沿って起立する状態に保持されている。例えば、前記ロック機構が、相互に嵌り合う凸部および凹部であることが考えられる。この場合、前記ロック機構における前記凸部および前記凹部の一方が、前面外装カバー6および背面外装カバー5に形成され、他方が、本体1または本体1に固定されたコーナー外装部材7など他の外装部材に形成される。
【0043】
カバー上外装部材8は、背面外装カバー5の上方の外装を形成する部材である。電話回線コネクター93は、カバー上外装部材8に組み込まれている。
【0044】
ところで、画像形成装置10において、電話回線コネクター93は、装置の本体1における背面外装カバー5の上方に設けられている。また、電話回線コネクター93などのコネクタが、本体1の側面における外装カバーの上方に設けられることも考えられる。
【0045】
背面外装カバー5が本体1の外側へ回動されることにより、背面側の開口50が開放される。図1において、開口50を開放する状態の背面外装カバー5が仮想線で示されている。背面外装カバー5は、ジャム処理などの際に開かれる。
【0046】
本実施形態のように、電話回線コネクター93などのコネクターが、本体1における外装カバーの上方に設けられている場合、前記コネクターから垂れ下がる電話ケーブル99などのケーブルが、前記外装カバーの開閉の邪魔になる。前記ケーブルが前記外装カバーに引っ掛かると、前記コネクターまたは前記ケーブルが損傷するおそれがある。
【0047】
また、前記ケーブルが引っ掛けられるフックが、画像形成装置の外装部材における前記外装カバーの上方に設けられることが考えられる。この場合、前記ケーブルは、前記フックによって前記外装カバーの左右いずれか一方の側方まで案内される。
【0048】
しかしながら、前記フックは、本体1から外側へ張り出しているため、作業者の邪魔になる。また、前記フックは、作業者または周辺部材との接触によって破損しやすい。
【0049】
画像形成装置10は、破損しにくいケーブル留め構造により、電話回線コネクター93に接続された電話ケーブル99が背面外装カバー5に引っ掛かることを防ぐことができる。以下、その詳細について説明する。
【0050】
[前記ケーブル留め構造]
前記ケーブル留め構造は、カバー上外装部材8に設けられている。カバー上外装部材8は、凹部81、溝部82および張出部83を有する。
【0051】
図2,4が示すように、凹部81は、電話回線コネクター93が組み込まれた部分である。電話回線コネクター93は、凹部81の底に形成された開口810内に設けられている。
【0052】
溝部82は、第1端821から第2端822に亘って横方向に沿って形成されている。溝部82の第1端821は、電話回線コネクター93寄りの位置に存在する。溝部82の第2端822は、背面外装カバー5の左右いずれか一方の側端寄りの位置に存在する。
【0053】
本実施形態では、溝部82の第2端822の位置は、本体1の背面側から見て背面外装カバー5の右の側端5eの外側の上方の位置である。溝部82は、電話回線コネクター93に接続された電話ケーブル99が挿入される部分である。
【0054】
張出部83は、溝部82の開口の下側縁部から上方へ張り出して形成された部分である。張出部83は、少なくとも溝部82の第1端821寄りの位置および第2端822寄りの位置に形成されている。
【0055】
なお、溝部82の第2端822の位置が、本体1の背面側から見て背面外装カバー5の左の側端の外側の上方の位置であることも考えられる。溝部82が、電話回線コネクター93寄りの位置から背面外装カバー5の左右いずれか一方の側端寄りの位置に亘って形成されていればよい。
【0056】
本実施形態において、張出部83は、第1張出部83aおよび第2張出部83bを含む。即ち、複数の張出部83a,83bが溝部82の長手方向に沿って間隔を空けて形成されている。第1張出部83aは、溝部82の第1端821寄りの位置に形成されている。第2張出部83bは、溝部82の第2端822寄りの位置に形成されている。
【0057】
張出部83は、溝部82内からの電話ケーブル99の脱落を防ぐ部分である。溝部82に挿入された電話ケーブル99は、張出部83に引っ掛かることによって溝部82内に保持される。
【0058】
図3,6が示すように、電話ケーブル99の端部が電話回線コネクター93に接続され、電話ケーブル99の残りの部分の一部が、溝部82に挿入される。電話ケーブル99は、溝部82および張出部83により、電話回線コネクター93の位置から背面外装カバー5の一方の側方まで案内される。
【0059】
従って、溝部82および張出部83採用されれば、電話回線コネクター93に接続された電話ケーブル99が背面外装カバー5に引っ掛かることを防ぐことができる。しかも、溝部82および張出部83は、カバー上外装部材8から外側へ突出する部分を有さない。そのため、溝部82および張出部83は、破損しにくく、作業者の邪魔にならない。
【0060】
カバー上外装部材8において、凹部81は、溝部82の第1端821に連通している。さらに、凹部81は、溝部82よりも深く窪んで形成されている。これにより、背面外装カバー5の上方において、電話ケーブル99が本体1の背面から突出しない、または、本体1の背面からの電話ケーブル99の突出高さが小さくなる。その結果、電話ケーブル99が作業者の邪魔になりにくい。
【0061】
図5が示すように、第1張出部83aにおける溝部82の第1端821側の縁部が傾斜面831aを形成している。傾斜面831aは、第1張出部83aの根本側から先端側にかけて鉛直方向に対して溝部82の第2端822側へ傾斜して形成されている。
【0062】
同様に、第2張出部83bにおける溝部82の第1端821側の縁部も傾斜面831bを形成している。傾斜面831bも、第2張出部83bの根本側から先端側にかけて鉛直方向に対して溝部82の第2端822側へ傾斜して形成されている。
【0063】
電話ケーブル99が溝部82内に向けて押し込まれる際に、傾斜面831a,831bが、電話ケーブル99を、溝部82の開口における張出部83によって幅が狭まった部分へ案内する。そのため、電話ケーブル99を溝部82内に挿入する作業が容易となる。
【0064】
また、第1張出部83aにおける溝部82の第2端822側の縁部も傾斜面832aを形成している。電話ケーブル99が溝部82から引き出される際に、傾斜面832aが、電話ケーブル99を、溝部82の開口における第1張出部83aによって幅が狭まった部分へ案内する。そのため、電話ケーブル99を溝部82から引き出す作業が容易となる。
【0065】
一方、第2張出部83bにおける溝部82の第2端822側の縁部は、鉛直方向に沿って形成された鉛直面832bである。そのため、電話ケーブル99は、引っ張られても溝部82内から脱落しにくい。鉛直面832bは、張出部83における溝部82の最も第2端822寄りの縁部である。
【0066】
なお、第2張出部83bにおける溝部82の第2端822側の縁部が、根本側から先端側にかけて鉛直方向に対して溝部82の第2端822側へ傾斜して形成されていることも考えられる。この場合、電話ケーブル99は、溝部82内からより脱落しにくい。
【0067】
本実施形態において、第2張出部83bの根本から先端までの高さh2は、第1張出部83aの根本から先端までの高さh1よりも高い(図5参照)。即ち、複数の張出部83のうち、溝部82の最も第2端822寄りに位置する第2張出部83bの高さが、他よりも高い。そのため、電話ケーブル99が、溝部82内からより脱落しにくい。
【0068】
また、第2張出部83bが形成された部分における溝部82の開口の幅W2が、第1張出部83aが形成された部分における溝部82の開口の幅W1よりも大きい。即ち、溝部82における複数の張出部83が形成された部分のうち、背の高い第2張出部83bが形成された部分の開口の幅W2が、他の部分の開口の幅W1よりも大きい。
【0069】
従って、背の高い第2張出部83bが形成された部分においても、電話ケーブル99を溝部82に挿入する作業および溝部82から外す作業が容易である。
【0070】
[応用例]
画像形成装置10のカバー上外装部材8において、張出部83が、溝部82の第1端821寄りの位置から第2端822寄りの位置までに亘って一連に形成されていることも考えられる。
【0071】
また、画像形成装置10のカバー上外装部材8において、3つ以上の張出部83が、溝部82の長手方向に沿って間隔を空けて形成されていてもよい。
【0072】
また、画像形成装置10において、LANコネクター92が、電話回線コネクター93の位置に設けられていることも考えられる。この場合、LANコネクター92に接続される不図示のLANケーブルが溝部82に挿入される。
【0073】
また、画像形成装置10において、LANコネクター92および電話回線コネクター93の両方が、背面外装カバー5の上方に設けられていることも考えられる。この場合、前記LANケーブルおよび電話ケーブル99の両方が溝部82に挿入される。
【0074】
また、画像形成装置10において、背面外装カバー5に相当する外装カバーが、本体1の側面に設けられることが考えられる。さらに、電話回線コネクター93などのコネクタが、側面の前記外装カバーの上方に設けられることも考えられる。この場合、溝部82および張出部83を有するカバー上外装部材8が、側面の前記外装カバーの上方に設けられる。
【0075】
また、背面外装カバー5またはそれに相当する側面の外装カバーが、本体1内における消耗剤の部品に通じる開口を覆う外装部材であることも考えられる。例えば、前記消耗剤の部品は、トナーを収容するトナー容器などである。
【0076】
なお、本発明に係る画像形成装置は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 :本体(装置本体)
1x :スキャナー
2 :シート供給部
3 :シート搬送部
4 :現像ユニット
5 :背面外装カバー
5e :背面外装カバーの側端
6 :前面外装カバー
7 :コーナー外装部材
8 :カバー上外装部材
9 :シート材
10 :画像形成装置
21 :シートカセット
22 :第1シート送出部
23 :第2シート送出部
31 :搬送ローラー
32 :排出ローラー
40 :光走査部
41 :感光体
42 :帯電装置
43 :現像装置
45 :一次転写装置
47 :一次クリーニング装置
48 :中間転写ベルト
49 :定着装置
50 :本体の背面の開口
51 :取手
60 :手差しトレイ
80 :制御基板
81 :凹部
82 :溝部
83 :張出部
83a :第1張出部
83b :第2張出部
91 :電源コネクター
92 :LANコネクター
93 :電話回線コネクター
99 :電話ケーブル
100 :排出トレイ
300 :シート排出口
301 :第1搬送路
302 :第2搬送路
303 :第3搬送路
481 :二次転写装置
482 :二次クリーニング装置
810 :凹部の底の開口
821 :溝部の第1端
822 :溝部の第2端
図1
図2
図3
図4
図5
図6