(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンター100(画像形成装置)の斜視図である。
図2は、プリンター100の内部構造を概略的に示す断面図である。
図1および
図2に示されるプリンター100は、いわゆるモノクロプリンター機であるが、他の実施形態において、画像形成装置は、カラープリンター、ファクシミリ装置、これらの機能を備える複合機やトナー画像をシートに形成するための他の装置であってもよい。尚、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置の原理を何ら限定するものではない。
【0029】
プリンター100は、シートSに画像を形成するための様々な装置を収容する筐体101(装置本体)を備える。筐体101は、筐体101の上面を規定する上壁102と、筐体101の底面を規定する底壁103と、上壁102と底壁103との間の本体後壁105と、本体後壁105の前方に位置する本体前壁104と、を含む。筐体101は、各種の装置が配置される本体内部空間107(内部空間)を備える。筐体101の本体内部空間107には、シートSが所定の搬送方向に搬送されるシート搬送路PPが延設されている。また、筐体101は、一対の左壁101Lおよび右壁101Rを備える(
図1)。左壁101Lおよび右壁101Rは、筐体101の左右の側面を形成する壁部である。
【0030】
上壁102の中央部には、排紙部102Aが配置される。排紙部102Aは、上壁102の前方部分から後方部分にかけて、下方に傾斜した傾斜面からなる。排紙部102Aには、後記の画像形成部120において、画像が形成されたシートSが排出される。また、本体前壁104には、前カバー106(カバー部材)と、手差しトレイ104Aとが配置される。前カバー106および手差トレイ104Aは、それぞれ下端側を支点として、上下に開閉可能である(
図2の矢印DT)。手差しトレイ104Aは、前カバー106に対して回動可能とされている。手差しトレイ104Aは、上記支点となるトレイ支点部104Bを備える。なお、
図1では、手差しトレイ104Aを含む前カバー106が、筐体101に対して開放された状態を示している。前カバー106および手差しトレイ104Aは、筐体101に対する閉状態において、本体前壁104の一部を構成する。
【0031】
一方、上壁102の前端部102Bは、アーム108を支点として後方に回動可能とされている(
図1)。
図1に示すように、上壁102の前端部102Bおよび前カバー106がそれぞれ開放されると、本体内部空間107がプリンター100の外側に露出する。この結果、後記の現像ユニット120Hやトナーコンテナ30が筐体101の内部に装着可能とされる。また、シート搬送路PPにおいてシートSが詰まった場合には、シートSが除去可能とされる。
【0032】
図2を参照して、プリンター100は、カセット110と、ピックアップローラー112と、第1給紙ローラー113と、第2給紙ローラー114と、搬送ローラー115と、レジストローラー対116と、画像形成部120と、定着装置130とを備える。
【0033】
カセット110は、内部にシートSを収容する。カセット110は、リフト板111を備える。リフト板111は、シートSの先頭縁を押し上げるように傾斜する。カセット110は、筐体101に対して、前方に引き出し可能とされる。
【0034】
ピックアップローラー112は、リフト板111によって押し上げられたシートSの先頭縁上に配置される。ピックアップローラー112が回転すると、シートSはカセット110から引き出される。
【0035】
第1給紙ローラー113は、ピックアップローラー112の下流に配設され、シートSを更に下流に送り出す。第2給紙ローラー114は、手差しトレイ104Aの支点の内側(後側)に配設され、手差トレイ104A上のシートSを筐体101内に引き込む。
【0036】
搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114のシート搬送方向(以下、単に搬送方向ともいう)の下流(以下、単に下流ともいう)に配設される。搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114によって送り出されたシートSを更に下流へ搬送する。
【0037】
レジストローラー対116は、シートSの斜め搬送を矯正する機能を有する。これにより、シートS上に形成される画像の位置が調整される。レジストローラー対116は、画像形成部120による画像形成のタイミングに合わせて、シートSを画像形成部120に供給する。
【0038】
画像形成部120は、感光体ドラム121(像担持体)と、帯電器122と、露光装置123と、現像装置20と、トナーコンテナ30(現像剤収容容器)と、転写ローラー126と、クリーニング装置127とを備える。なお、後記のとおり、現像装置20およびトナーコンテナ30は、現像ユニット120Hとして、筐体101に対して一体的に着脱可能とされる。
【0039】
感光体ドラム121は、円筒形状を有し、筐体101に回転可能に支持されている。感光体ドラム121は、静電潜像が形成される周面を有するとともに、前記周面に該静電潜像に応じたトナー画像(現像剤像)を担持する。帯電器122は、所定の電圧が印加され、感光体ドラム121の周面を略一様に帯電させる。
【0040】
露光装置123は、帯電器122によって帯電された感光体ドラム121の周面に、レーザー光を照射する。該レーザー光は、プリンター100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部装置(図示せず)から出力された画像データに従って、照射される。この結果、感光体ドラム121の周面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。なお、露光装置123は、支持フレーム100H(
図2)によって支持されている。支持フレーム100Hは、筐体101の内部に配置されたフレームである。支持フレーム100Hは、後方に向かって先下がりの排紙部102Aに沿うように配置されている。なお、支持フレーム100Hの前端部には、フレーム前壁100H1が立設されている。フレーム前壁100H1は、排紙部102Aの直下において鉛直方向に延びる壁部である。フレーム前壁100H1は、トナーコンテナ30に対向して配置される(
図2)。
【0041】
現像装置20は、静電潜像が形成された感光体ドラム121の周面にトナーを供給する。トナーコンテナ30は、内部にトナーを収容し、現像装置20へトナーを補給する。トナーコンテナ30は、現像装置20に対して着脱可能に配設されている。現像装置20がトナーを感光体ドラム121に供給すると、感光体ドラム121の周面に形成された静電潜像が現像(可視化)される。この結果、感光体ドラム121の周面に、トナー画像(現像剤像)が形成される。
【0042】
転写ローラー126は、感光体ドラム121の下方においてシート搬送路PPを挟んで感光体ドラム121に対向して配置される。転写ローラー126は、感光体ドラム121との間で転写ニップ部を形成し、トナー画像をシートSに転写させる。
【0043】
クリーニング装置127は、シートSへトナー画像が転写された後に、感光体ドラム121の周面に残るトナーを除去する。
【0044】
定着装置130は、画像形成部120よりも搬送方向下流側に配置され、シートS上のトナー画像を定着させる。定着装置130は、シートS上のトナーを溶融させる加熱ローラー131と、シートSを加熱ローラー131に密着させる圧力ローラー132と、を備える。
【0045】
プリンター100は、定着装置130の下流に配設された搬送ローラー対133と、搬送ローラー対133の下流に配設された排出ローラー対134と、を更に備える。シートSは、搬送ローラー対133によって上方に搬送され、最終的に、排出ローラー対134によって、筐体101から排出される。筐体101から排出されたシートSは、排紙部102A上に積み重ねられる。
【0046】
<現像ユニットの構造について>
次に、
図3乃至
図10を参照して、本実施形態に係る現像ユニット120H(現像装置20およびトナーコンテナ30)について詳述する。
図3は、本実施形態に係る現像ユニット120Hおよび後記の本体ユニット150(筐体101の一部)の斜視図である。
図4Aおよび
図4Bは、本実施形態に係るトナーコンテナ30の斜視図である。
図5は、本実施形態に係る現像装置20の斜視図である。
図6は、現像ユニット120Hの一部の上面図である。
図7乃至
図10は、現像ユニット120Hおよび本体ユニット150の断面図である。なお、
図7および
図8の各断面図は、
図6のX−X線における断面図に相当し、
図9および
図10の各断面図は、
図6のY−Y線における断面図に相当する。
【0047】
前述のように、現像ユニット120H(
図3)は、現像装置20と、トナーコンテナ30とを含む。現像ユニット120Hは、筐体101に対して、所定の着脱方向に沿って着脱可能とされる。この結果、トナーコンテナ30は、現像装置20と一体的に筐体101に装着されることが可能である。なお、先に、現像装置20が筐体101に装着されている場合には、トナーコンテナ30は、筐体101内の現像装置20に単独でも装着される。
図2および
図3の矢印DAは、筐体101に対する現像ユニット120Hの装着方向を示している。
【0048】
更に、プリンター100は、本体ユニット150(ガイドユニット)を備える(
図3、
図7)。本体ユニット150は、筐体101に配置され、現像ユニット120H(現像装置20)の本体内部空間107への進入および着脱をガイドする。
図1に示すように、前カバー106が筐体101に対して開放されると、本体ユニット150が筐体101の外部に露出する。現像ユニット120Hは、本体ユニット150の上方を通過するように、筐体101の本体内部空間107に装着される。
図3に現れているように、本体ユニット150は、側面視で略三角形状からなり、左右方向に長く延びたユニットである。本体ユニット150は、位置決め機構150S(
図9)と、被係合部153(
図3、
図7)と、ガイド面154と、を備える。
【0049】
位置決め機構150Sは、本体ユニット150の左右方向の両端部に一対配置されている。位置決め機構150Sは、付勢突起151と、ユニット付勢ばね152と、を備える。付勢突起151は、筐体101に装着された現像ユニット120Hのハウジング被押圧部200K(
図9)に当接する。ユニット付勢ばね152は、付勢突起151を後方に向かって付勢している。換言すれば、ユニット付勢ばね152を含む位置決め機構150Sは、筐体101内の現像位置に装着された現像ユニット120Hを後方に向かって付勢し、現像ユニット120Hの位置決めを行う。
【0050】
ガイド面154(
図7)は、本体ユニット150の上面部に形成されている。ガイド面154は、現像ユニット120Hの装着をガイドする機能を備えている。ガイド面154は、前方から後方に向かって先下がりの傾斜面を備える。また、ガイド面154のうち当該傾斜面の更に後端側は、水平面とされている。被係合部153は、ガイド面154よりも現像ユニット120Hの装着方向(
図3の矢印DA方向)先端側に配置されている。被係合部153には、後記のロックレバー50のフック506(
図7)が係合可能とされる。
【0051】
図4Aを参照して、トナーコンテナ30は、内部にトナー(現像剤)を収容する。トナーコンテナ30は、コンテナ本体31(容器本体)と、コンテナカバー31Cとを備える。コンテナ本体31は、左右方向(長手方向)に延びる形状を備えている。コンテナ本体31は、本体部31Aと、蓋部31Bとを備える。本体部31Aは、コンテナ本体31の下方部分を画定する。なお、本体部31Aの上面部は開口されている。
【0052】
蓋部31Bは、本体部31Aの開口部を塞ぐように、本体部31Aに固定される。本実施形態では、蓋部31Bは本体部31Aに溶着固定される。この際、本体部31Aの開口部の周縁に沿って形成されたコンテナフランジ31Fにおいて、本体部31Aと蓋部31Bとが固定される。蓋部31Bは、第1把持部31Dと、第2把持部31E(
図3)とを備える。トナーコンテナ30が現像装置20に装着される際、または、トナーコンテナ30および現像装置20を含む現像ユニット120Hが筐体101に装着される際に、作業者は、第1把持部31Dおよび第2把持部31Eを把持することができる。
【0053】
コンテナカバー31Cは、コンテナ本体31の右側部に装着される。コンテナカバー31Cは、右ガイド311と、伝達ギア310と、ロック係合部312と、を備える。また、コンテナ本体31の本体部31Aは左ガイド301を備える。右ガイド311は、コンテナカバー31Cから突設された略直方体形状のガイドである。左ガイド301は、トナーコンテナ30の左側の側部に、右ガイド311と同じ形状をもって備えられている(
図4B)。これらのガイドは、トナーコンテナ30の現像装置20への装着をガイドする。伝達ギア310は、後記のコンテナパドル30Kに回転駆動力を伝達するギアである。ロック係合部312は、コンテナカバー31Cの右側面において、右ガイド311に対して間隔をおいて、コンテナカバー31Cから突設された突起である。左右方向と交差する断面視において、ロック係合部312は、略台形形状を備えている。ロック係合部312は、ロック当接片202S(
図5)に係合可能とされる。
【0054】
更に、トナーコンテナ30は、コンテナスクリュー33と、コンテナパドル30Kとを備える(
図9)。
【0055】
コンテナスクリュー33は、本体部31Aの底部に沿って配置されたスクリューである。本体部31Aの底部には、後記のトナー排出口30P(
図11B)が開口されている。コンテナスクリュー33は、回転され、コンテナ本体31内のトナーをトナー排出口30Pに向かって搬送する。コンテナ本体31に備えられた後記のコンテナシャッター32(
図11A)がスライド移動されるとトナー排出口30Pが開放され、トナーコンテナ30からトナーが排出可能とされる。コンテナパドル30Kは、トナーコンテナ30の内部において、回転可能に支持され、トナーコンテナ30内に収容されたトナーを攪拌する。
【0056】
現像装置20は、現像ハウジング200(
図3)と、現像ローラー21A(
図3、
図9)と、当接ローラー211(
図3)と、第1スクリュー212(
図9)と、第2スクリュー213(
図9)と、層厚規制部材214(
図9)と、現像ローラーカバー215と、を備える。
【0057】
現像ハウジング200は、現像装置20の各部材を支持するハウジングである。また、現像ハウジング200は、トナーコンテナ30を支持する機能を備えている。
図5を参照して、現像ハウジング200は、ハウジング左壁200Lと、ハウジング右壁200Rと、トナー補給口204(現像剤補給口)と、を備える。ハウジング左壁200Lおよびハウジング右壁200Rは、現像ハウジング200の左右方向の両端部から立設された壁部である。ハウジング左壁200Lとハウジング右壁200Rとの間に、トナーコンテナ30が装着される。
【0058】
ハウジング右壁200Rは、右ガイド溝201Rと、ロック当接片202Sと、ロックボタン202と、を備える。ハウジング左壁200Lは、左ガイド溝201Lを備える。右ガイド溝201Rおよび左ガイド溝201Lは、それぞれ、ハウジング右壁200Rおよびハウジング左壁200Lに形成されたガイド溝である。これらのガイド溝は、現像ハウジング200に対するトナーコンテナ30の装着方向(
図5の矢印DC1)に沿って形成されている。トナーコンテナ30の前述の右ガイド311(
図4A)が、右ガイド溝201Rに進入する。また、トナーコンテナ30の左側面に備えられた左ガイド301(
図4B)が、左ガイド溝201Lに進入される。なお、トナーコンテナ30は、現像ハウジング200の上方に挿入された後、
図5の矢印DC2方向に回動される。この結果、トナーコンテナ30のトナー排出口30Pがトナー補給口204に対向し、トナーコンテナ30から現像装置20にトナー(現像剤)の補給が可能となる。なお、左ガイド溝201Lおよび右ガイド溝201Rの奥側は、左ガイド301および右ガイド311の回転を許容するように、扇形形状を備えている(
図5)。現像装置20の現像ハウジング200に対するトナーコンテナ30の装着構造については、後記で更に詳述する。
【0059】
ロック当接片202Sは、ロック係合部312(
図4A)と係合することで、矢印DC2方向に回動されたトナーコンテナ30をロックする。また、ロックボタン202が押圧されると、ロック当接片202Sとロック係合部312との係合が解除され、トナーコンテナ30のロックが解除される。この結果、トナーコンテナ30が
図5の矢印DC2方向とは反対の方向に回動される。この結果、トナーコンテナ30が矢印DC1とは反対の方向に現像装置20から脱離可能とされる。
【0060】
現像ローラー21Aは、現像ハウジング200に回転可能に支持されている。現像ローラー21Aは、周面にトナーを含む現像剤を担持する。現像ローラー21Aは、感光体ドラム121にトナーを供給し、感光体ドラム121上の静電潜像を現像する。当接ローラー211は、現像ローラー21Aの軸方向の両端部に一対配置される。当接ローラー211は感光体ドラム121の周面に当接することで、現像ローラー21Aと感光体ドラム121との間の間隔を一定に保持する。第1スクリュー212および第2スクリュー213は、現像ハウジング200内において、回転可能に支持されたスクリューである。現像ハウジング200内の現像剤は、第1スクリュー212および第2スクリュー213によって循環搬送される。また、現像剤は、第1スクリュー212によって現像ローラー21Aに供給される。層厚規制部材214は、現像ローラー21A上に供給された現像剤の層厚を規制する。現像ローラーカバー215は、現像ハウジング200に対して揺動可能とされている。
図3は、現像ローラーカバー215が現像ローラー21Aの上方に退避された状態を示している。
図3に示される状態から現像ローラーカバー215が下方に揺動されると、現像ローラーカバー215は現像ローラー21Aを覆うことができる。したがって、現像ユニット120Hが筐体101から脱離された際に、現像ローラー21Aに異物が付着することや、現像ローラー21A上のトナーによって周囲が汚れることが抑止される。
【0061】
更に、現像装置20は、ロックレバー50を備える(
図3、
図5)。ロックレバー50は、現像装置20のハウジング左壁200Lに揺動可能に備えられている。ロックレバー50は、筐体101内において現像ユニット120H(現像装置20)を後記の現像位置にロックするロック姿勢と、現像ユニット120Hのロックを解除するとともに、現像ユニット120Hが所定の着脱方向に沿って筐体101から脱離されることを許容する解除姿勢との間で姿勢変更が可能とされる。
【0062】
図3、
図5および
図7を参照して、ロックレバー50は、レバー本体501と、レバー被押圧部502と、当接部503と、ガイド溝504と、支点部505と、フック506と、を備える。
【0063】
レバー本体501は、ロックレバー50の本体部分であり、
図7に示すように、前方かつ上方から後方かつ下方に向かって斜めに延びるように配置されている。レバー被押圧部502は、レバー本体501の上端部に備えられた平坦部である。レバー被押圧部502は、現像ユニット120Hが筐体101から脱離される前に、作業者によって押圧される。当接部503は、ロックレバー50の前後方向の略中央部において、下方に向かって突出した円弧形状を備えている。なお、現像ユニット120Hが筐体101内に装着されると、
図3および
図7に示すように、当接部503は本体ユニット150のガイド面154に対向して配置される。ガイド溝504は、当接部503の後方に開口された溝部である。ガイド溝504は、支点部505を中心とした円弧形状を形成するように開口されている。なお、ガイド溝504の後側には、レバー側係止部504Sが備えられている。レバー側係止部504Sは、ロックレバー50から突設されたフック形状を備えている。レバー側係止部504Sには、後記のレバー付勢ばね52の一端が係止される。
【0064】
支点部505は、ロックレバー50の後端側に配置されている。支点部505は、現像ハウジング200のハウジング左壁200Lに回転可能に支持されている。支点部505は、ロックレバー50の揺動における支点となる。なお、前述の当接部503は、支点部505とレバー被押圧部502との間に配置されている(
図7)。フック506は、支点部505に対して、レバー被押圧部502とは反対側に配置されている。フック506は、本体ユニット150の被係合部153(
図7)と係合可能とされている。
図7に示すように、フック506は、支点部505から下方に向かって延びるとともに、その先端部が前方(現像ユニット120Hの装着方向後端側)に屈曲されている。
【0065】
更に、現像装置20は、ガイドスクリュー51と、レバー付勢ばね52とを備える(
図7)。ガイドスクリュー51は、ガイド溝504に挿通され、ハウジング左壁200Lに締結されたスクリューである。ガイドスクリュー51は、ガイド溝504に沿って、ロックレバー50の揺動をガイドする機能を備えている。
【0066】
レバー付勢ばね52は、現像ハウジング200のハウジング左壁200Lとロックレバー50との間で伸縮するばね部材である。前述のハウジング左壁200Lは、ハウジング側係止部200L2を備える。
図7に示すように、レバー付勢ばね52の一端はレバー付勢ばね52のレバー側係止部504Sに係止され、レバー付勢ばね52の他端はハウジング側係止部200L2に係止されている。この結果、レバー付勢ばね52は、フック506が被係合部153に係合する(
図7)ように、ロックレバー50を支点部505回りに付勢する。
【0067】
<現像ユニットの着脱について>
次に、現像ユニット120Hの筐体101に対する着脱について説明する。なお、前述のとおり、現像ユニット120Hは、現像装置20およびトナーコンテナ30から構成される。そして、トナーコンテナ30は、現像装置20に対して着脱可能である。また、現像ユニット120Hは、トナーコンテナ30を備えることなく、現像装置20のみでも筐体101に装着可能とされている。ここでは、トナーコンテナ30を含む現像ユニット120Hが、筐体101に対して着脱される様子を説明する。
【0068】
図1に示すように、筐体101の前カバー106および上壁102の前端部102Bが開放されると、筐体101の本体内部空間107に現像ユニット120Hが装着される。この際、現像ユニット120Hは、
図2、
図3の矢印DA方向に沿って、本体内部空間107に挿入される。本体ユニット150(
図3)は、現像ユニット120Hの下部を案内する。現像ユニット120Hの装着に伴って、ロックレバー50のフック506は、ガイド面154上を滑りながら、後方に進行する。やがて、フック506の傾斜面506S(
図7)が被係合部153の傾斜面153Sと摺擦する。この際、
図7において、フック506が支点部505回りに僅かに時計回りに回動することで、現像ユニット120が下方に移動しながら、フック506の先端部が被係合部153の下方に進入する。この結果、フック506が被係合部153と係合し、現像ユニット120Hが、
図7に示す現像位置にロックされる。現像位置では、現像装置20の現像ローラー21Aが感光体ドラム121に所定の間隔をおいて対向配置される。
図7におけるロックレバー50の姿勢がロックレバー50のロック姿勢と定義される。この際、
図9に示すように、現像ハウジング200のハウジング被押圧部200Kが、位置決め機構150Sの付勢突起151によって後方に向かって押圧される。すなわち、位置決め機構150Sは、現像ローラー21Aが感光体ドラム121に近づく方向に向かって、現像ユニット120Hを付勢する。そして、筐体101内において現像ユニット120Hが
図7および
図9の現像位置に位置決めされると、当接ローラー211(
図3)が感光体ドラム121の周面に当接することで、現像ローラー21Aが感光体ドラム121に対して所定の間隔をおいて配置される。この結果、現像ローラー21Aから感光体ドラム121に安定してトナーが供給され、感光体ドラム121上にトナー像が形成される。
【0069】
筐体101から現像ユニット120Hが取り外される際には、
図1に示すように、筐体101の前カバー106および上壁102の前端部102Bが開放されると、ロックレバー50のレバー被押圧部502がプリンター100の外側に露出する。作業者は、まずレバー被押圧部502を下方に押圧する(
図7の矢印DR1)。この結果、ロックレバー50がレバー付勢ばね52の付勢力に抗して支点部505回りに揺動し、ロックレバー50が
図8に示す解除姿勢とされる。この際、フック506と被係合部153との係合が解除される。また、レバー被押圧部502が更に押圧されると、
図8に示すように、ロックレバー50の当接部503がガイド面154に当接する。そして、この当接部503を支点として、支点部505が加重点とされながら、現像ユニット120Hが
図7に示される現像位置よりも上方の待機位置に押し上げられる(
図1の矢印、
図8の矢印DR2)。この結果、
図10に示されるように、ハウジング被押圧部200Kが付勢突起151の斜面に乗り上げ、位置決め機構150Sによる現像ユニット120Hの位置決めが解除される。この際、位置決め機構150S(ユニット付勢ばね152)の付勢力が現像ハウジング200に強く付与されていない。したがって、現像ユニット120Hが前述の着脱方向に沿って筐体101から容易に脱離可能とされる(
図10の矢印DR3)。
【0070】
なお、
図8に示されるように、現像ユニット120Hが矢印DR2方向に押し上げられた後、現像ユニット120Hの自重によってフック506が被係合部153の上方のガイド面154(前述の水平面)に当接することで、現像ユニット120Hが前記待機位置に保持される。このため、作業者がロックレバー50から手を離した場合であっても、フック506が被係合部153に再係合することが抑止される。このため、作業者が容易かつ確実に現像ユニット120Hを取り外すことができる。
【0071】
なお、他の実施形態において、現像ユニット120Hが待機位置に押し上げられた際、フック506の傾斜面506S(
図7)が被係合部153の傾斜面153Sに当接していてもよい。この場合も、現像ユニット120Hの引き出し動作(
図10の矢印DR3)に伴って、ロックレバー50が支点部505回りに回動することができるため、上記と同様に、フック506が被係合部153に再び係合することが抑止される。
【0072】
<トナーコンテナおよび現像装置の構造について>
次に、本実施形態に係るトナーコンテナ30および現像装置20の構造について、更に詳述する。
図11Aおよび
図11Bは、トナーコンテナ30の拡大斜視図である。なお、
図11Aは、後記のトナー排出口30Pがコンテナシャッター32によって閉止された状態を示しており、
図11Bは、トナー排出口30Pが開放された状態を示している。
図12Aおよび
図12Bは、現像装置20にトナーコンテナ30が装着される様子を示す斜視図である。
図12Cは、現像装置20にトナーコンテナ30が装着された様子を示す斜視図である。
図13Aおよび13Bは、現像装置20にトナーコンテナ30が装着される様子を示す断面図である。
【0073】
トナーコンテナ30は、一の方向に延びる長手形状を備えている。なお、トナーコンテナ30が筐体101内の現像装置20に装着される際には、トナーコンテナ30の長手方向が左右方向に沿うように配置される。トナーコンテナ30は、前述のコンテナ本体31に加え、コンテナシャッター32(
図4B、
図11A)と、トナー排出口30P(
図11B)(現像剤排出口)と、パドル軸受部302(
図12B参照)と、コンテナシャッター押圧部305(
図11B)と、弾性片押圧部306(
図11B)と、ガイドリブ307(
図11A)と、伝達ギア310(
図4A、
図11A)と、を備える。
【0074】
トナー排出口30P(
図11B)は、本体部31Aの下面の右端側に開口された開口部である。トナーコンテナ30の内部に収容されたトナーは、トナー排出口30Pから排出され、現像装置20に供給される。
【0075】
前述の左ガイド301は、本体部31Aの左側面において、所定の方向に延びるように長手形状をもって形成された突起であり、トナーコンテナ30の現像装置20に対する装着方向(
図12Aの矢印DA方向)を規制する。なお、左ガイド301の内部は空洞とされている。パドル軸受部302(
図12B)は、左ガイド301の内部に配置された軸受部である。パドル軸受部302は、コンテナパドル30Kを回転可能に軸支する。なお、右ガイド311の内部にも、左ガイド301側のパドル軸受部302(
図12B)と同様の軸受部が配置されており、伝達ギア310に隣接してコンテナパドル30Kの軸部を軸支している。
【0076】
コンテナシャッター押圧部305(
図11B)は、トナーコンテナ30の長手方向(左右方向)において、トナー排出口30Pが形成された排出突起部34を挟むように突設された一対のリブである。なお、コンテナシャッター押圧部305はトナー排出口30Pよりも、装着時におけるトナーコンテナ30の回転方向(第1回転方向、
図11Aの矢印DM)下流側に配置されている。一対のコンテナシャッター押圧部305は、それぞれ前記回転方向に沿って延びるとともに、先端部がトナーコンテナ30の長手方向に沿うように(左右方向にそれぞれ広がるように)屈曲された形状を備えている。コンテナシャッター押圧部305は、後記の本体シャッター22を押圧するとともに、本体シャッター22によって押圧される機能を備えている。
【0077】
弾性片押圧部306(
図11B)は、コンテナシャッター押圧部305に隣接して、本体部31Aから突設された一対の突片である。一対の弾性片押圧部306は、左右方向において一対のコンテナシャッター押圧部305を挟むように配置されている。弾性片押圧部306は、前述のトナーコンテナ30の回転方向に沿って延びるように配置され、トナー排出口30Pから離れるに従って突出高さが高くなるような傾斜形状を備えている。弾性片押圧部306は、後記のシャッターストッパー32Bの弾性片に対向し、弾性片を押圧する機能を備えている。
【0078】
ガイドリブ307(
図11A)は、本体部31Aから突設され、コンテナシャッター押圧部305に連結された円弧状の一対のリブ部材である。ガイドリブ307は、コンテナ本体31の回転方向に沿って延びるように形成されている。一対のガイドリブ307は、トナー排出口30Pを左右方向において挟むように配置されている。なお、一対のガイドリブ307の外周部は、それぞれ左右方向に屈曲されており、所定の幅を備えている。ガイドリブ307は、後記のコンテナシャッター32を所定の軸心回りにスライド移動可能にガイドする。
【0079】
伝達ギア310(
図4A、
図11A)は、トナーコンテナ30の右側の側面に回転可能に支持された回転ギアである。伝達ギア310は、コンテナパドル30Kに回転駆動力を伝達する機能を備えている。トナーコンテナ30が現像装置20に装着されると、現像装置20の不図示のギア群が伝達ギア310に連結され、伝達ギア310に回転駆動力が入力される。
【0080】
コンテナシャッター32(
図11A)は、トナー排出口30Pに対してスライド移動可能にコンテナ本体31に支持され、トナー排出口30Pを封止または開放する(
図11A、
図11B)。この際、コンテナシャッター32は、現像装置20への装着時のコンテナ本体31の回転方向に沿って、スライド移動する。コンテナシャッター32は、シャッター本体32Aと、シャッターストッパー32Bとを備える。シャッターストッパー32Bは、シャッター本体32Aに揺動可能に支持される。
【0081】
シャッター本体32Aは、コンテナ本体31の周面に沿うような曲面を備えた、略矩形形状の部材である。シャッター本体32Aは、トナー排出口30Pを封止する。シャッターストッパー32Bは、シャッター本体32Aのうち、トナー排出口30Pを封止する面とは反対側の面に装着される。シャッターストッパー32Bは、コンテナシャッター32のスライド移動を規制または許容する機能を備えている。
【0082】
図12Aおよび
図12Bを参照して、現像装置20は、ハウジング右壁200Rとハウジング左壁200Lとの間に、コンテナ装着部20H(装着部)を備える。コンテナ装着部20Hには、トナーコンテナ30が装着される。
【0083】
更に、現像ハウジング200は、ストッパー押圧部206(
図12B)と、コンテナシャッター固定部207と、シャッタースプリング208(
図5)と、を備える。
【0084】
ストッパー押圧部206(
図12B)は、トナー補給口204の後方に隣接して、現像ハウジング200の天板から突設された突起部である。ストッパー押圧部206は、トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着された際に、トナーコンテナ30のコンテナシャッター32のストッパー解除片32B2(
図4B)を押圧する機能を備えている。換言すれば、ストッパー押圧部206は、コンテナシャッター32のスライド移動を許容する。
【0085】
コンテナシャッター固定部207(
図12B)は、左右方向において、ストッパー押圧部206を挟むように現像ハウジング200の天板から突設された突起部である。左右方向と交差する断面視において、コンテナシャッター固定部207は略台形形状を備えている。また、コンテナシャッター固定部207のうち、前側の側面には、楔形状の切欠き部が形成されている。トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着された際に、当該切欠き部には、トナーコンテナ30のコンテナシャッター32のシャッター係合片32A8(
図4B)が係合する。この結果、コンテナシャッター固定部207は、コンテナシャッター32を固定し、コンテナシャッター32の移動(回動)を規制する。
【0086】
シャッタースプリング208(
図5)は、一対のコンテナシャッター固定部207の左右方向の外側に配置された一対のばね部材である。シャッタースプリング208は、前後方向に延びるように配置されている。シャッタースプリング208の一端は、現像ハウジング200の天板に係止されている。また、シャッタースプリング208の他端は、後記の本体シャッター22(
図5)に係止されている。
【0087】
更に、現像装置20は、本体シャッター22(
図5)を備える。本体シャッター22は、トナー補給口204に対してスライド移動可能に現像ハウジング200に支持されている。本体シャッター22は、トナー補給口204を封止または開放する。
【0088】
前述のシャッタースプリング208は、本体シャッター22がトナー補給口204(
図5)を封止する方向に、本体シャッター22を付勢している。したがって、
図12Aに示すように、トナーコンテナ30が現像装置20から取り外された状態において、本体シャッター22はシャッタースプリング208の付勢力を受けてトナー補給口204を封止する。
【0089】
<現像装置に対するトナーコンテナの着脱について>
次に、現像装置20に対するトナーコンテナ30の装着について説明する。前述のように、本実施形態では、現像装置20が先に筐体101に装着された状態で、トナーコンテナ30が単独で現像装置20に着脱可能とされている。このため、トナーコンテナ30が空になった場合でも、容易にトナーコンテナ30を交換することが可能となる。トナーコンテナ30が現像装置20に装着されるまでの間は、コンテナシャッター32がトナー排出口30Pを塞ぐ位置から誤ってスライド移動されると、トナー排出口30Pからトナーが漏れ出してしまう。本実施形態では、トナーコンテナ30単体の状態では、コンテナシャッター32がトナー排出口30Pからスライド移動することが防止されている。
【0090】
前カバー106の開状態において、プリンター100の使用者によって、トナーコンテナ30が筐体101内の現像装置20に装着される。使用者によってトナーコンテナ30の左ガイド301および右ガイド311がそれぞれ左ガイド溝201Lおよび右ガイド溝201Rに挿入されることで、トナーコンテナ30は、左ガイド溝201Lおよび右ガイド溝201Rによって装着方向(
図12の矢印DA方向)に沿ってガイドされながらコンテナ装着部20Hに装着される(
図12B、
図13A)。この姿勢では、トナーコンテナ30のトナー排出口30Pが、現像装置20のトナー補給口204の上方に離間して配置され、トナー排出口30Pとトナー補給口204とは未だ連通していない(
図13A)。
【0091】
この際、現像ハウジング200のストッパー押圧部206がシャッターストッパー32Bのストッパー解除片32B2(
図4B)を押圧する。この結果、シャッターストッパー32Bによるコンテナシャッター32のロックが解除され、コンテナシャッター32のコンテナ本体31に対するスライド移動が可能となる。
【0092】
一方、
図12Bの挿入姿勢をもってトナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着されると、コンテナシャッター32のシャッター本体32Aの一対のシャッター係合片32A8(
図4B)が、コンテナシャッター固定部207の楔形の切欠き部に係合する(
図12B)。この結果、コンテナシャッター32がコンテナシャッター固定部207に固定される。この後、使用者によって、トナーコンテナ30のコンテナ本体31が、
図12Bの挿入姿勢から、コンテナパドル30K(
図13A)の軸心回りに第1回転方向(
図12Bの矢印DM方向)に回転される。
【0093】
そして、トナー排出口30Pが固定されたコンテナシャッター32に対してスライド移動されながら、トナーコンテナ30が
図12Cおよび
図13Bに示される補給位置に至る。
図12Cおよび
図13Bに示されるトナーコンテナ30の姿勢では、トナーコンテナ30のトナー排出口30Pと現像装置20のトナー補給口204とが連通する(
図13B)ことで、現像装置20へのトナー補給が可能となる。
【0094】
なお、トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着されていない状態では、本体シャッター22がトナー補給口204を封止している。そして、トナーコンテナ30が前述のように第1回転方向に回転され、挿入姿勢から補給姿勢に姿勢変更されると、シャッタースプリング208(
図5)の付勢力に抗して、トナーコンテナ30の一部が本体シャッター22を第1回転方向に押圧する。この結果、本体シャッター22がトナーコンテナ30のコンテナ本体31とともに第1回転方向にスライド移動し、
図13Bに示すように、トナー補給口204が開放される。したがって、トナー排出口30Pとトナー補給口204とが上下方向において連通することが可能となる。
【0095】
図12Cに示すように、補給姿勢をもってトナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着されると、ロック当接片202S(
図5)がロック係合部312(
図4A)に係合する。この結果、ロック当接片202Sが、トナーコンテナ30を補給姿勢(
図13B)にロックする。このロック状態では、シャッタースプリング208(
図5)の付勢力が、本体シャッター22を介してトナーコンテナ30に及んでも、ロック当接片202Sによってトナーコンテナ30の回転が規制される。このため、トナーコンテナ30の第2回転方向への回転、すなわち、トナーコンテナ30が補給姿勢から挿入姿勢に姿勢変更することが抑止される。
【0096】
一方、トナーコンテナ30内のトナーが空になったことが、不図示のセンサーによって検知されると、プリンター100の不図示の表示部には、トナーコンテナ30の交換表示が報知される。使用者が、ロックボタン202を押圧すると(
図5)、ロック当接片202Sが後方に移動する。この結果、ロック当接片202Sがロック係合部312から後方に離間し、ロック当接片202Sとロック係合部312との係合が解除される。このため、ロック押圧部312を規制していた規制力が失われ、トナーコンテナ30のロックが解除される。本体シャッター22にはシャッタースプリング208の付勢力が付与されているため、本体シャッター22がトナーコンテナ30を押圧しながら、トナーコンテナ30が第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転する(
図13Bの矢印DN)。この結果、トナーコンテナ30が、シャッタースプリング208の付勢力によって、自動的に補給姿勢から挿入姿勢に姿勢変更する。
【0097】
トナーコンテナ30の姿勢変更によって、トナー排出口30Pが第2回転方向に回動し、トナー排出口30Pが挿入位置において再びコンテナシャッター32によって封止される。また、シャッタースプリング208の付勢力によって、本体シャッター22がスライド移動することによって、トナー補給口204が本体シャッター22によって再び封止される。
【0098】
再び、
図12B、
図13Aの挿入姿勢とされたトナーコンテナ30が、コンテナ装着部20Hから装着方向とは反対の方向に沿って脱離されることで、トナーコンテナ30が現像装置20から取り外される。このように、本実施形態では、トナーコンテナ30のロックが解除されると、トナーコンテナ30が挿入姿勢に姿勢変更される。この際、トナー排出口30Pおよびトナー補給口204が、それぞれ、コンテナシャッター32および本体シャッター22によって封止されている。このため、使用者によってトナーコンテナ30が取り外される際に、現像装置20およびトナーコンテナ30の周囲がトナーで汚染されることが防止される。
【0099】
<記憶部の接触式通信について>
次に、
図14乃至
図21Bを参照して本実施形態に係る本体ユニット150のコネクタ部6およびトナーコンテナ30の記憶部35について説明する。
図14は、本実施形態に係るトナーコンテナ30の記憶部35の拡大斜視図である。
図15は、現像ユニット120Hの斜視図である。
図16は、本実施形態に係る本体ユニット150の斜視図である。
図17Aおよび
図17Bは、本実施形態に係るコネクタ部6の斜視図である。
図18Aおよび
図18Bは、コネクタ部6から後記のコネクタシャッター61が取り除かれた状態の斜視図である。
図19Aおよび
図19Bは、コネクタ部6のコネクタシャッター61および後記の端子ユニット62の斜視図である。
図20Aおよび
図20Bは、コネクタ部6の端子ユニット62の斜視図である。
図21Aは、本実施形態に係るコネクタ部6およびシャッター付勢ばね63の斜視図である。
図21Bは、コネクタ部6のシャッター付勢ばね63およびハウジング付勢ばね64の位置関係を示す斜視図である。
【0100】
図4Aおよび
図14を参照して、トナーコンテナ30は、記憶部35を備える。記憶部35は、トナーコンテナ30の本体部31Aの外周部に固定されている。記憶部35は、ICチップ350(基板部)と、グランド端子351(第1グランド端子)と、複数の入出力端子352(第1入出力端子)と、を備える。また、記憶部35は、係合爪35Aと、先端規制部35Bと、後端規制部35Cと、ガイド片35Dと、を備える。
【0101】
ICチップ350は、略矩形形状を備える板状部材である。ICチップ350には、トナーコンテナ30の使用履歴やトナーコンテナ30に収容されているトナー情報などが記憶されている。グランド端子351は、ICチップ350の外部に露出したグランド線である。同様に、入出力端子352は、ICチップ350の外部に露出した端子である。入出力端子352は、後記のコネクタ部6と電気的に接続されることで、ICチップ350に記憶された各種情報の送受信を行う。
【0102】
係合爪35A、先端規制部35B、後端規制部35Cは、それぞれ、トナーコンテナ30の本体部31Aから突設された突起であって、ICチップ350を固定する機能を備えている。ガイド片35Dは、ICチップ350を挟むように本体部31Aから立設された突片である。ガイド片35Dは、トナーコンテナ30が現像装置20に対して着脱される際のトナーコンテナ30の回転方向(
図5の矢印DC2、
図12Bの矢印DM)に沿って延びている。
【0103】
図16を参照して、本体ユニット150は、コネクタ部6を備える。コネクタ部6は、トナーコンテナ30のICチップ350に電気的に接続されることで、プリンター100とトナーコンテナ30との各種情報の送受信を行う。前述のように、トナーコンテナ30は、単体または現像装置20と一体で筐体101に装着可能とされる。本実施形態では、前カバー106(
図1)の開状態において、トナー排出口30Pがトナー補給口204に連通するように現像装置20のコンテナ装着部20Hにトナーコンテナ30が予め装着された状態で、トナーコンテナ30が現像装置20と一体的に筐体101の本体内部空間107に装着される態様が、第1の装着態様と定義される。一方、前カバー106の開状態において、予め本体内部空間107の現像位置に装着された現像装置20のコンテナ装着部20Hに対して、トナー排出口30Pがトナー補給口204に連通するようにトナーコンテナ30が装着される態様が、第2の装着態様と定義される。トナーコンテナ30は、第1の装着態様または第2の装着態様から選択的に筐体101に装着可能である。
【0104】
図15を参照して、現像ユニット120Hは、コンテナ支持板200Hを備える。コンテナ支持板200Hは、現像ハウジング200の天板部に連設された支持板であって、トナーコンテナ30を下方から支持する。コンテナ支持板200Hは、切欠き部200H1を備える。切欠き部200H1は、コンテナ支持板200Hの一部が部分的に切り掛れることで形成される。切欠き部200H1は、トナーコンテナ30が現像装置20に装着された際に、ICチップ350を現像ユニット120Hの下方に露出させる。
【0105】
トナーコンテナ30が第1の装着態様で筐体101に装着される場合、前述のように、現像装置20が現像位置に装着される最終段階で、現像ユニット120Hは下方に移動する。この際、切欠き部200H1において露出したトナーコンテナ30のICチップ350が本体ユニット150のコネクタ部6(
図16)に電気的に接続される必要がある。一方、トナーコンテナ30が第2の装着態様で筐体101に装着される際、トナーコンテナ30は、現像装置20のコンテナ装着部20Hにおいて、所定の回転方向に回転される(
図12Bの矢印DM)。この際、
図15において、ICチップ350は切欠き部200H1の後方から前方に向かって切欠き部200H1に露出する。このトナーコンテナ30の回転動作に応じて、ICチップ350がコネクタ部6に電気的に接続される必要がある。このように、トナーコンテナ30の異なる動きに応じて、ICチップ350とコネクタ部6との接続を実現するために、本実施形態に係るプリンター100は、コネクタ部6の構造に特徴を有する。
【0106】
コネクタ部6は、筐体101の本体ユニット150において、トナーコンテナ30に対向して配置される。コネクタ部6は、本体ユニット150に揺動可能に支持されている。コネクタ部6は、第1の装着態様または第2の装着態様によって本体内部空間107に装着されたトナーコンテナ30のICチップ350に電気的に接続される。
図16乃至
図21Aを参照して、コネクタ部6は、コネクタハウジング60と、コネクタシャッター61(シャッター)と、端子ユニット62と、シャッター付勢ばね63(第2付勢部材)と、ハウジング付勢ばね64(第1付勢部材)と、を備える。
【0107】
コネクタハウジング60は、コネクタハウジング60の筐体部分である。コネクタハウジング60は、略直方体形状を備え、内部にコネクタシャッター61および端子ユニット62を収容する。コネクタハウジング60は、ハウジング軸部60S(
図17A)と、支持面601(対向面)と、ガイド側壁602(ガイド部)と、ガイド前壁603と、ハウジング係止爪604(
図17B)と、基板係合爪605と、シャッター支持部606と、スプリング係止部607(
図18B)と、を備える。
【0108】
ハウジング軸部60Sは、コネクタハウジング60の後端部に配置された一対の軸部である。ハウジング軸部60Sは、本体ユニット150のコネクタ支持部150J(
図16)に回動可能に支持されている。なお、ハウジング軸部60Sは、コネクタハウジング60において、トナーコンテナ30が第2の装着態様で装着される際のトナーコンテナ30の回転方向(
図12Bの矢印DM方向)上流側に配置されている。
【0109】
支持面601は、コネクタハウジング60の上面部に相当する。トナーコンテナ30が筐体101に装着されると、支持面601は、トナーコンテナ30の記憶部35に対向して配置される。支持面601は、ハウジング開口部60H(開口部)を備える(
図17A)。ハウジング開口部60Hは、支持面601の略中央部において矩形形状をもって開口されている。ハウジング開口部60Hは、左右方向に長く延びている。ハウジング開口部60Hの後側の側部は、切欠き部端縁601A(端縁、第2端縁)および開口部後端縁601B(端縁、第1端縁)によって画定されている。切欠き部端縁601Aは、開口部後端縁601Bの一部が後方に向かって矩形状に切り欠かれることで形成される。なお、切欠き部端縁601Aは、後記のグランド端子623(
図18A)に対向して配置される。また、支持面601とハウジング軸部60Sとの間には、支持面601に向かって先上がりの斜面601T(
図18A)が形成されている。
【0110】
ガイド側壁602は、ハウジング開口部60Hを挟むように、支持面601の左右の端部から立設された一対の壁部である。ガイド側壁602は、前後方向に長く延びるように形成されている。ガイド側壁602は、第1ガイド部602Aと、第2ガイド部602Bとを備える。第1ガイド部602Aは、ガイド側壁602の後端部が屈曲された領域である。一対の第1ガイド部602Aは、支持面601に沿う方向においてハウジング軸部60Sに近づくに従って先拡がりとなっている(
図17A)。第2ガイド部602Bは、ガイド側壁602の前端側に形成されている。第2ガイド部602Bは、ガイド側壁602の上端部に形成されたテーパ面である。一対の第2ガイド部602Bは、支持面601と垂直な方向において支持面601から離れるに従って先拡がりとなっている。なお、
図17Aでは、右側の第2ガイド部602Bのみが現れている。
【0111】
ガイド前壁603は、支持面601の前端部から立設された壁部である。ガイド前壁603は、左右方向に延びるように形成されている。なお、ガイド前壁603および一対のガイド側壁602によって、後方が開口された扁平状の空間からなるチップ収容部6S(
図17A)が形成される。当該チップ収容部6Sには、トナーコンテナ30の記憶部35のICチップ350が収容可能とされる(
図25A参照)。
【0112】
ハウジング係止爪604は、コネクタハウジング60の前側の壁部から略下方に向かって突設された爪部である。ハウジング係止爪604は、本体ユニット150の被係止部155A(
図24A)に係止可能とされる。基板係合爪605(
図17B)は、支持面601の裏側から突設された3つの爪部である。基板係合爪605によって、コネクタハウジング60に端子ユニット62が固定される。シャッター支持部606は、一対のハウジング軸部60Sの前方において、支持面601の裏側に形成された一対の軸受部である。シャッター支持部606は、後記のコネクタシャッター61のシャッター軸部61Sを回動可能に支持する。スプリング係止部607は、ハウジング係止爪604の後方において、支持面601の裏側から突設された突起である。スプリング係止部607は、十字状に配置された4つの突起からなる。スプリング係止部607には、ハウジング付勢ばね64の一端が係止される(
図17B)。
【0113】
コネクタシャッター61(
図19A)は、コネクタハウジング60の内部に配置される。また、コネクタシャッター61の一部は、コネクタハウジング60のハウジング開口部60Hから突出するように配置される。コネクタシャッター61は、端子ユニット62のグランド端子623および入出力端子624を保護する機能を備えている。コネクタシャッター61は、カバー部611と、脚部612と、第1開口613と、第2開口614と、シャッター軸部61Sと、を備える。
【0114】
カバー部611は、コネクタシャッター61の本体部分であり、正面視で略コの字型形状からなる。カバー部611は、ハウジング開口部60Hを覆うように配置される。カバー部611の上面部には、第1開口613(窓部)および第2開口614(窓部)が開口されている。第1開口613は、カバー部611の上面部の右端部に開口された開口部である。第2開口614は、第1開口613の左側に間隔をおいて3つ開口されている。第1開口613は、ハウジング開口部60Hから突出したグランド端子623(
図18A)を露出させる。また、第2開口614は、ハウジング開口部60Hから突出した入出力端子624(
図18A)をそれぞれ露出させる。カバー部611のうち第1開口613および第2開口614の周囲の領域によって、グランド端子623および入出力端子624が保護される。一対の脚部612は、カバー部611の左右の端部から後方に向かって延びている。そして、一対の脚部612の後端部には、それぞれシャッター軸部61Sが配置されている。シャッター軸部61Sは、コネクタシャッター61の揺動における支点部となる。シャッター軸部61Sは、コネクタハウジング60のシャッター支持部606(
図17B)に回動可能に支持される。なお、シャッター軸部61Sは、コネクタシャッター61において、トナーコンテナ30が第2の装着態様で装着される際のトナーコンテナ30の回転方向(
図12Bの矢印DM方向)上流側に配置されている。
【0115】
更に、コネクタシャッター61は、アース部632(
図19B)を備える。アース部632は、第1開口613および第2開口614の前側において、これらの開口に隣接して配置される。アース部632は、カバー部611の上端部において、左右方向に延びるように延設された電線である。アース部632は、プリンター100の使用者がコネクタ部6に触れようとした場合などに、コネクタ部6において放電、リークが生じることを防止する。プリンター100の使用が開始されると、アース部632は接地される。本実施形態では、アース部632は、シャッター付勢ばね63の一部から構成される。
【0116】
端子ユニット62(
図20A、
図20B)は、コネクタハウジング60の内部に配置される。また、
図19A、
図19Bに示すように、端子ユニット62は、コネクタシャッター61のカバー部611の下方に配置される。端子ユニット62は、基板621と、支持箱622と、グランド端子623(第2グランド端子)と、入出力端子624(第2入出力端子)と、を備える。
【0117】
基板621は、端子ユニット62の下方部分に配置される。基板621は、略矩形形状からなる。基板621は、不図示のハーネスによって筐体101内の不図示の制御部に電気的に接続される。支持箱622は、基板621に連結された箱型形状からなる。支持箱622は、グランド端子623および入出力端子624を支持する機能を備えている。支持箱622の前側の壁部は、後記の支持壁60Tとして機能する。
図20Aおよび
図20Bに示すように、グランド端子623および3つの入出力端子624は、支持箱622に形成された溝部からそれぞれ突設された端子である。グランド端子623および入出力端子624は、側面視で略三角形状をなすように、屈曲された金属線からなる。グランド端子623および入出力端子624は、基板621の不図示の端子にそれぞれ電気的に接続されている。また、グランド端子623および入出力端子624は、板バネ状の弾性力をもってハウジング開口部60Hから上方に向かって突出している(
図18A)。トナーコンテナ30が本体内部空間107に装着されると、グランド端子623および入出力端子624は、それぞれ記憶部35のグランド端子351および入出力端子352に接触する。この際、グランド端子351および入出力端子352によって上方から押圧されることで、グランド端子623および入出力端子624は下方に弾性変形可能とされる。
【0118】
シャッター付勢ばね63(
図19A、
図19B)は、コネクタシャッター61のカバー部611がハウジング開口部60H(
図17A)から突出するようにコネクタシャッター61をシャッター軸部61S回りに付勢する。シャッター付勢ばね63は、第1コイル部631と、前述のアース部632と、導通部633とを備える。第1コイル部631、アース部632および導通部633は、1本の金属線からなる。第1コイル部631は、カバー部611の左端部に形成された突起611A(
図19B)と、基板621との間で圧縮されるコイルばね部分である。アース部632は、第1コイル部631の上端部から延び、カバー部611の右端部に係止されている。アース部632は、前述のように、グランド端子623および入出力端子624でリークなどが生じることを防止する。一方、導通部633は、第1コイル部631の下端部から延び、コネクタシャッター61および端子ユニット62の前方において、略U字状に曲げられた領域である。導通部633は、
図17Bに示すように、スプリング係止部607(
図18B)に係止される。
【0119】
ハウジング付勢ばね64(
図21A、
図21B)は、コネクタハウジング60と本体ユニット150との間で圧縮変形可能とされる。ハウジング付勢ばね64は、グランド端子623および入出力端子624がグランド端子351および入出力端子352に近づく方向に、コネクタハウジング60をハウジング軸部60S回りに付勢する。ハウジング付勢ばね64は、第2コイル部641と、ワイヤー部642と、フレーム導通部643と、を備える。第2コイル部641は、コネクタハウジング60と本体ユニット150との間で圧縮変形されるコイルばね部分である。第2コイル部641の上端部は、コネクタハウジング60のスプリング係止部607に係止される(
図24A参照)。また、第2コイル部641の下端部は、本体ユニット150に備えられたばね支持部155B(
図24A)に係止される。ワイヤー部642は、第2コイル部641の下端部から延びる線状部分であって、本体ユニット150(
図16)の内部において、左方に向かって延設されている。フレーム導通部643は、ワイヤー部642の先端部に形成されたコイル状部分およびフックからなる。フレーム導通部643は、本体ユニット150のユニット左壁150Lに開口された開口付近に係止されている(
図16)。予めコネクタ部6が装着された本体ユニット150が筐体101内に取り付けられると、ユニット左壁150Lから突出したフレーム導通部643は、筐体101の不図示の金属フレームに接触する。この結果、ハウジング付勢ばね64が接地される。
【0120】
次に、
図14乃至
図21Bに加え、
図22A乃至
図25Bを参照して、本体ユニット150に対するコネクタ部6の装着およびコネクタ部6の機能について、更に詳述する。
図22Aは、本実施形態に係るコネクタ部6からコネクタシャッター61が取り除かれた状態の平面図である。
図22Bは、
図22Aのコネクタ部6の切断面A−Aにおける断面図である。
図22Cは、
図22Aのコネクタ部6の切断面B−Bにおける断面図である。
図23Aは、コネクタ部6の平面図である。
図23Bは、
図23Aのコネクタ部6の切断面A−Aにおける断面図である。
図23Cは、
図23Aのコネクタ部6の切断面B−Bにおける断面図である。
図24Aは、トナーコンテナ30が筐体101に装着されていない状態のコネクタ部6の断面図である。
図24Bは、トナーコンテナ30が筐体101に装着された状態のコネクタ部6の断面図である。
図25Aは、コネクタ部6にICチップ350が収容された状態の斜視図である。
図25Bは、
図25Aのコネクタ部6の断面図である。
【0121】
コネクタ部6が本体ユニット150に装着されるにあたって、以下の手順でコネクタ部6が組み立てられる。まず、コネクタハウジング60の支持面601(
図17A)とコネクタシャッター61の脚部612(
図19A)とが直交するようなコネクタシャッター61の姿勢をもって、一対のシャッター軸部61Sがコネクタハウジング60の一対のシャッター支持部606に挿入される。そして、コネクタシャッター61がシャッター軸部61S回りに略90度前方に回転されると、コネクタハウジング60の内部にコネクタシャッター61が収容される。この際、予めコネクタシャッター61に取り付けられていたシャッター付勢ばね63の導通部633が、コネクタハウジング60の前端側において、スプリング係止部607に係止される(
図17B)。更に、コネクタシャッター61との間で第1コイル部631を圧縮するように、コネクタハウジング60の内部に端子ユニット62(
図20A)が装着される(
図17B)。この際、端子ユニット62の基板621が3つの基板係合爪605によって係止される。本体ユニット150のばね支持部155Bに第2コイル部641が固定された状態で、コネクタハウジング60のハウジング軸部60Sがコネクタ支持部150Jに軸支される(
図16)。そして、コネクタハウジング60のスプリング係止部607が第2コイル部641の上端部を圧縮しながら、ハウジング係止爪604が被係止部155Aに係止される(
図24A)。なお、コネクタハウジング60の内部では、ハウジング付勢ばね64の第2コイル部641と、シャッター付勢ばね63の導通部633とが接触することで(
図21B)、シャッター付勢ばね63とハウジング付勢ばね64とが導通する。この結果、シャッター付勢ばね63のアース部632が、前述の筐体101の金属フレームを介して接地される。
【0122】
図18Aおよび
図22A乃至
図22Cでは説明のために、コネクタ部6からコネクタシャッター61が取り外されている。コネクタシャッター61がグランド端子623および入出力端子624に接触していない場合、グランド端子623は弾性力をもって切欠き部端縁601Aの後端縁に当接している(
図22B)。同様に、3つの入出力端子624は、それぞれ弾性力をもって開口部後端縁601Bに当接している(
図22C)。この結果、ハウジング開口部60Hに対するグランド端子623および入出力端子624の最大突出量が規制される。このため、接触不良が生じやすい端子などの突出量を予め高く設定することができ、コネクタ部6とICチップ350との間の接触不良が防止される。特に、本実施形態では、切欠き部端縁601Aが開口部後端縁601Bよりも後方に切り欠かれている。このため、
図18Aに示すように、グランド端子623のハウジング開口部60Hに対する最大突出量が、入出力端子624のハウジング開口部60Hに対する最大突出量よりも大きく設定される。このため、トナーコンテナ30の筐体101に対する装着に伴って、ICチップ350が上方からチップ収容部6Sに進入する場合(
図25Aの矢印P1)、または、ICチップ350が後方からチップ収容部6Sに進入する場合(
図25Aの矢印P2)のいずれにおいても、複数の端子のうちグランド端子351がグランド端子623に最初にかつ確実に接触することができる。この結果、コネクタ部6とICチップ350との間の接触不良やリークなどによって、ICチップ350が損傷することが防止される。また、トナーコンテナ30の装着後に、ICチップ350のグランド電位が安定して維持されるため、ICチップ350とプリンター100との間の各種情報の送受信が安定して実現される。
【0123】
図25Aを参照して、トナーコンテナ30が第1の装着態様において本体内部空間107に装着される際には、記憶部35のガイド片35Dがテーパ状の第2ガイド部602Bにガイドされることで(
図25Aの矢印P1)、ICチップ350が支持面601に対向して配置される。一方、トナーコンテナ30が第2の装着態様において本体内部空間107に装着される際には、記憶部35のガイド片35Dが第1ガイド部602Aにガイドされることで(
図25Aの矢印P2)、ICチップ350が支持面601に対向して配置される。このため、トナーコンテナ30が第1および第2のいずれの装着態様で装着される場合であっても、コネクタ部6とICチップ350とがスムーズに電気的に接続される。
【0124】
図26Aは、本実施形態に係る本体ユニット150の断面図である。
図26Bは、
図26Aの本体ユニット150のコネクタ支持部150Jの周辺を拡大した断面図である。
図26Bに示すように、一対のコネクタ支持部150Jの左側のコネクタ支持部150Jは、第1支持壁150J1および第2支持壁150J2の間に形成されている。なお、右側のコネクタ支持部150Jも同様の構造を備えている。コネクタ部6が本体ユニット150に装着されると、
図26Bに示すように、ハウジング軸部60Sと第1支持壁150J1との間、および、ハウジング軸部60Sと第2支持壁150J2との間には、それぞれ隙間K1およびK2が形成される。このため、コネクタ部6のコネクタハウジング60は、ハウジング軸部60Sの軸方向に所定の距離だけスライド移動可能となるように本体ユニット150に支持される。したがって、
図25Aの矢印P2で示すように、トナーコンテナ30が第2の装着態様で装着される際に、記憶部35の軸方向(左右方向)の位置が変動した場合であっても、ICチップ350を確実にチップ収容部6S内に収容させることができる。この結果、コネクタ部6とICチップ350とがスムーズかつ確実に電気的に接続される。
【0125】
トナーコンテナ30が筐体101に装着されていない場合、
図24Aに示すように、コネクタハウジング60は第2コイル部641によってハウジング軸部60S回りに上方に付勢されている。また、コネクタシャッター61は、第1コイル部631(
図19A)の付勢力によってシャッター軸部61S回りに上方に付勢されている。この際、
図23Bおよび
図23Cに示すように、コネクタハウジング60のハウジング開口部60Hから突出したグランド端子623および入出力端子624は、それぞれ、コネクタシャッター61の第1開口613および第2開口614の内部に没している。このため、グランド端子623および入出力端子624が物理的にも安定して保護される。
【0126】
トナーコンテナ30が現像装置20と一体的に第1の装着態様で筐体101に装着される場合、
図24Aのコネクタ部6の上方から、ICチップ350が下方に向かって移動してくる(
図25Aの矢印P1)。この際、記憶部35のガイド片35Dが第2ガイド部602B(
図25A)によって案内されながら、支持面601(
図24B)を押圧することで、コネクタハウジング60が第2コイル部641の付勢力に抗してハウジング軸部60S回りに下降する。また、ICチップ350がコネクタシャッター61を下方に押圧するため、コネクタシャッター61は第1コイル部631の付勢力に抗してシャッター軸部61S回りに下降する。この際、第1開口613の第1開口端縁613A(
図23B)および第2開口614の第2開口端縁614A(
図23C)によって、グランド端子623および入出力端子624の突出量が更に規制される。やがて、
図24Bおよび
図25Bに示すように、コネクタシャッター61がICチップ350の厚さ方向において、ICチップ350と支持壁60Tとに挟まれた状態で、コネクタハウジング60およびコネクタシャッター61の回動が停止する。なお、
図24Bでは、各部材の配置を示すために、入出力端子624とICチップ350とが重ねるように図示されているが、実際には、
図25Bに示すように、入出力端子624はICチップ350によって下方に押圧されている。
【0127】
一方、トナーコンテナ30が第2の装着態様で筐体101内の現像装置20に装着される場合、
図24Aのコネクタ部6の後方から、ICチップ350が前方に向かって移動してくる(
図25Aの矢印P2)。この際、記憶部35のガイド片35Dが斜面601T(
図24A)および第1ガイド部602A(
図25A)によって案内されながら、支持面601(
図24B)を押圧することで、コネクタハウジング60が第2コイル部641の付勢力に抗してハウジング軸部60S回りに下降する。また、ICチップ350は、支持面601に沿ってコネクタシャッター61に当接しながら、コネクタシャッター61を下方に押圧するため、コネクタシャッター61は第1コイル部631の付勢力に抗してシャッター軸部61S回りに下降する。やがて、
図24Bおよび
図25Bに示すように、コネクタシャッター61がICチップ350の厚さ方向において、ICチップ350と支持壁60Tとに挟まれた状態で、コネクタハウジング60およびコネクタシャッター61の回動が停止する。
【0128】
このように、本実施形態では、トナーコンテナ30が第1の装着態様または第2の装着態様によって本体内部空間107に装着される際に、ハウジング付勢ばね64の第2コイル部641が圧縮変形されることで、グランド端子623および入出力端子624のグランド端子351および入出力端子352に対する当接圧が調整される。
図24Bに示すように、トナーコンテナ30の装着状態では、ハウジング係止爪604が被係止部155Aから下方に離間している。このため、コネクタ部6および記憶部35のそれぞれの端子同士が過剰な力で当接することが抑止され、特に、ICチップ350側の端子が破損することが防止される。
【0129】
また、記憶部35がコネクタ部6に対向して配置されると、コネクタシャッター61がコネクタハウジング60およびICチップ350に当接しかつ挟まれることで、グランド端子623および入出力端子624のグランド端子351および入出力端子352に対する最終的な当接圧が規制される。すなわち、コネクタシャッター61がスペーサとして機能し、ICチップ350と端子ユニット62との位置が決定される。このため、トナーコンテナ30がいずれの装着態様で装着された場合であっても、また、トナーコンテナ30が筐体101に複数回装着される場合であっても、コネクタ部6および記憶部35の端子同士の当接圧が安定して維持される。
【0130】
以上、本発明の実施形態に係るトナーコンテナ30を備えたプリンター100について説明した。このような構成によれば、トナーコンテナ30が複数の姿勢で筐体101に対して着脱可能とされる場合であっても、記憶部35の接触不良を抑止したプリンター100が提供される。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
【0131】
(1)上記の実施形態では、記憶部35の入出力端子352およびコネクタ部6の入出力端子624がそれぞれ3つずつ配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。入出力端子の数は、1つまたは複数であってもよい。
【0132】
(2)また、上記の実施形態では、現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着される際のトナーコンテナ30の回転方向が、
図12Bの矢印DM方向として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。トナーコンテナ30は、
図12Bの矢印DMとは逆方向に回転されながら、現像装置20に装着されるものでもよい。この場合、コネクタハウジング60のハウジング軸部60Sの配置が、
図16とは逆(前端側)に配置されることが望ましい。