特許第6390733号(P6390733)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6390733フレーム、面光源装置、表示装置、及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6390733
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】フレーム、面光源装置、表示装置、及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20180910BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20180910BHJP
   G02B 5/08 20060101ALI20180910BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20180910BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20180910BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20180910BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180910BHJP
【FI】
   F21S2/00 430
   F21V15/01 530
   F21V15/01 330
   G02B5/08 A
   G02F1/1333
   G02F1/13357
   G02B5/00 B
   F21Y115:10
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-44752(P2017-44752)
(22)【出願日】2017年3月9日
(65)【公開番号】特開2018-146917(P2018-146917A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2018年6月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信
(74)【代理人】
【識別番号】100096873
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 廣泰
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125357
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【弁理士】
【氏名又は名称】今堀 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100138357
【弁理士】
【氏名又は名称】矢澤 広伸
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 信二
(72)【発明者】
【氏名】駒野 正一
(72)【発明者】
【氏名】廣田 和英
(72)【発明者】
【氏名】竹村 宏一
(72)【発明者】
【氏名】原田 和法
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−59372(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/008664(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/103159(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0300428(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 15/01
G02B 5/00
G02B 5/08
G02F 1/1333
G02F 1/13357
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板の側面の少なくとも一部を囲む樹脂フレームと、
前記樹脂フレームに添加されており、光を反射し拡散する反射拡散材料と、
前記樹脂フレームに添加されており、光を吸収する吸収材料と、
を備え、
前記樹脂フレームの反射率が30%以上80%以下であるフレーム。
【請求項2】
前記樹脂フレームの反射率が45%以上65%以下である請求項1に記載のフレーム。
【請求項3】
前記反射拡散材料が白色顔料であり、
前記吸収材料が黒色顔料である請求項1又は2に記載のフレーム。
【請求項4】
前記反射拡散材料が酸化チタンであり、
前記吸収材料がカーボンである請求項1から3の何れか一項に記載のフレーム。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載のフレームと、
前記フレームに収容された前記導光板と、
前記フレームに収容され、前記導光板の側面から光を入射する光源と、
を備える面光源装置。
【請求項6】
請求項5に記載の面光源装置と、
前記面光源装置から出射される光を受ける表示パネルと、
を備える表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の表示装置を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム、面光源装置、表示装置、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化、薄型化が進んでいる。このような電子機器に搭載される液晶表示装置には、同一の面積でより大きな表示領域を得るための狭額縁化や、薄型化のニーズがある。表示パネルのバックライトには、例えば、白色光を出射するLED(Light Emitting Diode)パッケージを光源とし、導光板(ライトガイドとも呼ばれる)を用いたサイドライトタイプ(エッジライト方式とも呼ばれる)の面光源装置が用いられている。面光源装置は、導光板の側面から漏れる光を遮蔽又は反射するフレームを備えている。上記の技術に関連して、表面反射率90%以上のポリカーボネート樹脂からなる樹脂フレームを備える面光源装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−140915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
面光源装置の狭額縁化のニーズに応えるため、導光板の側面を囲むフレームの厚みが薄くなってきている。フレームは、導光板の側面から漏れた光を反射又は遮蔽するが、導光板の側面方向におけるフレームの厚みが薄くなると、導光板の側面から漏れた光がフレームを透過する場合がある。光がフレームを透過すると、面光源装置の側面から光が漏れることにより、面光源装置の側面が光って見えてしまう。
【0005】
このような状況に鑑み、本発明は、フレームの遮光性を向上する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、導光板の側面の少なくとも一部を囲む樹脂フレームと、樹脂フレームに添加されており、光を反射し拡散する反射拡散材料と、樹脂フレームに添加されており、光を吸収する吸収材料と、を備え、樹脂フレームの反射率が30%以上80%以下であるフレームである。
【0007】
本発明に係るフレームによれば、導光板の側面から漏れた光の一部が、反射拡散材料に当たることにより反射されて導光板の内部に再び入り、導光板の側面から漏れた光の一部が、樹脂フレームの内部に入り込む。樹脂フレームの内部に入り込んだ光は、反射拡散材料に当たることにより樹脂フレームの内部で広範囲に広がった状態で進み、吸収材料によって吸収される。導光板の側面から漏れた光を、フレームが反射、拡散及び吸収するため、フレームの遮光性が向上する。
【0008】
本発明に係るフレームにおいて、樹脂フレームの反射率が45%以上65%以下であってもよい。本発明に係るフレームにおいて、反射拡散材料が白色顔料であり、吸収材料が黒色顔料であってもよい。本発明に係るフレームにおいて、反射拡散材料が酸化チタンであり、吸収材料がカーボンであってもよい。
【0009】
本発明に係る面光源装置は、本発明に係るフレームと、フレームに収容された導光板と、フレームに収容され、導光板の側面から光を入射する光源と、を備える。このような面光源装置が、遮光性が向上したフレームを備えるため、光漏れが抑制された面光源装置を提供することができる。本発明に係る表示装置は、本発明に係る面光源装置と、面光源装置から出射される光を受ける表示パネルと、を備える。このような表示装置が、遮光性が向上したフレームと、面光源装置とを備えるため、光漏れが抑制された表示装置を提供することができる。本発明に係る電子機器は、本発明に係る表示装置を備える。このような電子機器が、遮光性が向上したフレームと、面光源装置と、表示装置とを備えるため、光漏れが抑制された電子機器を提供することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フレームの遮光性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る液晶表示装置の構成を例示する斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る面光源装置の構成を例示する斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る面光源装置の一例を示す斜視図である。
図4図4は、遮光性及び光学特性の評価結果を示す図である。
図5図5は、遮光性及び光学特性の評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的な構成に限定するものではない。
【0013】
以下の実施形態では、「表示装置」は、液晶表示装置として説明され、「面光源装置」は、液晶表示装置のバックライトユニットとして説明される。なお、「面光源装置」は、表示パネルや電子ペーパによる表示装置の前面に配置されるフロントライト等、バックライトユニット以外の用途で利用されてもよい。
【0014】
図面を参照して、実施形態に係る液晶表示装置について説明する。
(液晶表示装置の構成)
図1は、実施形態に係る液晶表示装置の構成を例示する斜視図である。図1に示すように、液晶表示装置は、バックライトユニットとして配置される面光源装置1と、面光源装置1から出射される光を受ける表示パネル2とを備える。表示パネル2は、ガラス板に挟まれて封入された液晶に電圧をかけて光の透過率を増減等させることで、像を表示する。以下、面光源装置1における、表示パネル2側を上面側として、その反対面側を下面側として説明することがある。
【0015】
(面光源装置1の構成)
図2は、実施形態に係る面光源装置1の構成を例示する斜視図である。実施形態に係る面光源装置1は、導光板10、光源11、フレキシブルプリント基板(以下、「FPC」とも表記する)12、固定部材13及びフレーム14を備える。また、面光源装置1は、導光板10の下面側に配置される反射シート15、導光板10の上面側に順に積層される拡散シート16、プリズムシート17及び遮光両面テープ18を備える。
【0016】
導光板10は、概略平板状であり、ポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂等の透光性の素材で形成されている。導光板10の上面は、光が出射する出光面であり、表示パネル2と向かい合う面である。導光板10は、光源11から導光板10内に入射された光を出光面に導き、出光面全体が均一に光る。導光板10は、導光板本体と、導
光板本体の高さよりも高い光導入部とを備えてもよい。光源11から出射された光が、光導入部から導光板本体内に効率よく入射し、導光板10の光利用効率が向上する。導光板本体が光導入部よりも薄いことで、面光源装置1の薄型化が向上し、面光源装置1を備える液晶表示装置の薄型化が向上する。ただし、実施形態に係る導光板10は、光導入部を有しない平板形状であってもよい。
【0017】
光源11は、白色光を蛍光部から出射する。光源11は、例えば、LEDパッケージであるが、LEDパッケージ以外の光源が用いられてもよい。光源11は、発光素子であるLEDチップが蛍光体を含む透光性樹脂(樹脂層)で封止されて形成されている。光源11は、FPC12からの給電を受けて駆動し、点灯する。なお、光源11として、白色以外のLED光源が用いられてもよい。光源11の発光面が、導光板10の入光面と対向するようにして、光源11がFPC12に実装されている。例えば、FPC12に複数の光源11が一定の間隔で一列に実装される。
【0018】
FPC12は、可撓性のある絶縁性フィルムである基材に、導体箔によって配線を設け、表面に保護用の絶縁性フィルムであるカバーレイ又はレジン(感光性樹脂)を接着させて構成される配線基板である。FPC12に配線が設けられている。FPC12の配線は、光源11への電力供給等に用いられる。固定部材13は、FPC12の下面等に配置され、FPC12を導光板10に固定する。固定部材13は、例えば、上下面が粘着面となった両面粘着テープである。
【0019】
フレーム14は、導光板10、光源11、FPC12、固定部材13、反射シート15、拡散シート16及びプリズムシート17を収容する。フレーム14は、導光板10の側面を囲む枠体(枠状部材)であってもよいし、導光板10の側面を囲む枠体と、枠体が立設された底板とを有する箱体(箱状部材)であってもよい。枠体は、4辺の側壁部材、開口を有する円形の側壁部材又は開口を有する楕円形の側壁部材によって形成されていてもよい。また、枠体の4辺の側壁部材のコーナー部分が直角形状であってもよいし、枠体の4辺の側壁部材のコーナー部分がR形状であってもよい。
【0020】
反射シート15は、導光板10の下面と接するようにして配置される。導光板10の下面は、導光板10の上面の反対側の面である。反射シート15は、多層膜構造を有する高反射フィルムまたは反射率の高い白色樹脂シートや金属箔等からなる平滑なシートであり、導光板10内の光が面光源装置1の下面から漏れないように光を反射する。フレーム14が、枠体及び底板を有する箱体である場合、反射シート15は、導光板10とフレーム14の底板との間に配置される。
【0021】
導光板10上に、拡散シート16と、1枚又は2枚のプリズムシート17と、が配置される。拡散シート16は、半透明な樹脂フィルムであり、導光板10の出光面から出射された光を拡散させて光の指向特性を広げる。プリズムシート17は、上面に三角プリズム状の微細なパターンが形成された透明な樹脂フィルムであり、拡散シート16によって拡散された光を集光し、面光源装置1を上面側から見た場合の輝度を上昇させる。遮光両面テープ18は、上下両面が粘着面となった黒色の粘着テープである。遮光両面テープ18は、額縁状(リング状)である。遮光両面テープ18は、フレーム14の外周部分に沿って配置され、面光源装置1の外部に光が漏れ出ることを抑制している。
【0022】
(フレーム14の構成)
フレーム14の一部又は全部が樹脂フレームである。樹脂フレームは、樹脂フレームのベース材料であるポリカーボネート樹脂と、光を反射し拡散する反射拡散材料と、光を吸収する吸収材料と、を有する。反射拡散材料及び吸収材料は、ポリカーボネート樹脂に添加されている。したがって、樹脂フレームに反射拡散材料及び吸収材料が添加されている
。樹脂フレームのベース材料として、ポリカーボネート樹脂以外の他の樹脂を用いてもよい。反射拡散材料は、例えば、酸化チタン等の白色顔料である。吸収材料は、例えば、カーボン等の黒色顔料である。ポリカーボネート樹脂、反射拡散材料及び吸収材料を含むペレットを、射出成形により所望の形状にすることにより、樹脂フレームを製造してもよい。
【0023】
図3は、実施形態に係る面光源装置1の一例を示す斜視図である。図3に示すように、フレーム14の一部を樹脂フレーム14Aとし、フレーム14の一部を金属フレーム14Bとしてもよい。すなわち、フレーム14は、樹脂フレーム14A及び金属フレーム14Bを備えていてもよい。樹脂フレーム14Aが、導光板10の側面の一部を囲み、金属フレーム14Bが、導光板10の側面のうち樹脂フレーム14Aによって囲われていない他の部分を囲んでもよい。樹脂フレーム14Aと金属フレーム14Bとが接続されていてもよい。樹脂フレーム14Aと金属フレーム14Bとが導光板10の側面方向で重なっていてもよい。フレーム14の枠体のR形状のコーナー部分が樹脂フレーム14Aであり、フレーム14の枠体のコーナー部分以外の部分が金属フレーム14Bであってもよい。
【0024】
光源11から出射された光は、導光板10の内部に入り、導光板10の上面及び下面で全反射を繰り返しながら導光板10の内部を進むと共に、導光板10の上面から光が出射される。導光板10の内部を進む光のうちの一部が、導光板10の側面から漏れる場合がある。フレーム14は、反射拡散材料及び吸収材料を有するので、光を反射、拡散及び吸収する。導光板10の側面から漏れた光が、フレーム14の反射拡散材料によって反射及び拡散され、フレーム14の吸収材料によって吸収される。すなわち、導光板10の側面から漏れた光の一部は、フレーム14の反射拡散材料に当たることにより反射されて導光板10の内部に再び入り、導光板10の側面から漏れた光の一部は、フレーム14の内部に入り込む。フレーム14の内部に入り込んだ光は、フレーム14の反射拡散材料に当たることによりフレーム14の内部で広範囲に広がった状態で進み、フレーム14の吸収材料によって吸収される。また、フレーム14の内部に入り込んだ光は、フレーム14の反射拡散材料に当たることにより反射されて導光板10の内部に再び入る。
【0025】
例えば、光を反射拡散する材料が添加され、光を吸収する材料が添加されていないフレームは、光を反射拡散するが、光を吸収しない。そのため、光を反射拡散する材料が添加され、光を吸収する材料が添加されていないフレームの反射率は高いが、導光板10の側面方向におけるフレームの厚みが薄くなると、光がフレームを透過してしまい、導光板10の側面から漏れた光を遮蔽できなくなる。例えば、光を吸収する材料が添加され、光を反射拡散する材料が添加されていないフレームは、光を吸収するが、光を反射拡散しない。そのため、光を吸収する材料が添加され、光を反射拡散する材料が添加されていないフレームの反射率が低い。フレーム14は、反射拡散材料及び吸収材料を有するので、光を反射拡散し、かつ、吸収するため、フレーム14の反射率を高く維持しつつ、導光板10の側面から漏れた光を遮蔽することができる。このように、フレーム14は、反射拡散材料及び吸収材料を有するため、フレーム14の遮光性が向上している。
【0026】
(評価結果)
図4及び図5に、実施形態の実施例1〜6及び比較例1、2の遮光性の評価結果と、実施形態の実施例1〜6及び比較例1、2の光学特性の評価結果とを示す。実施例1〜6では、反射拡散材料及び吸収材料が添加された樹脂が用いられている。比較例1では、吸収材料が添加され、反射拡散材料が添加されていない樹脂が用いられている。比較例2では、反射拡散材料が添加され、吸収材料が添加されていない樹脂が用いられている。遮光性の評価方法として、実施例1〜6及び比較例1、2における各樹脂を一定の厚みの板状成形品に加工し、板状成形品にLEDライトを当てることにより遮光性を確認した。光学特性の評価方法として、実施例1〜6及び比較例1、2における各樹脂をバックライトユニ
ット(面光源装置)の樹脂フレームとして用いて光学特性を測定した。
【0027】
図4及び図5に示す評価結果について説明する。実施例1〜6及び比較例1、2における各樹脂について、SCI(Specular Component Include)法により500nmの反射率(%)を測定した。SCI法は、正反射光と拡散反射光との合計を測定する方式である。実施例1〜6及び比較例1、2における各樹脂をバックライトユニットの樹脂フレームとして用いて、実施例1〜6及び比較例1、2の各バックライトユニットの輝度を測定した。比較例2のバックライトユニットの輝度を基準として実施例1〜6及び比較例1のバックライトユニットの相対輝度(%)を算出した。
【0028】
図4の「0.5mm厚の板状成形品の遮光度合」は、0.5mmの厚みの板状成形品にLEDライトの光を当てた場合について、LEDライトの光が当たった部分の反対側の状態を示している。図4の「0.2mm厚の板状成形品の遮光度合」は、0.2mmの厚みの板状成形品にLEDライトの光を当てた場合について、LEDライトの光が当たった部分の反対側の状態を示している。図4の「0.5mm厚の板状成形品の遮光度合」及び「0.2mm厚の板状成形品の遮光度合」の欄内における黒以外の部分は、板状成形品を透過した光を示している。図5の横軸は、板状成形品の反射率(%)を示しており、図5の縦軸は、バックライトユニットの相対輝度(%)を示している。図5には、左から順番に、比較例1、実施例1〜6、比較例2の板状成形品の反射率(%)及びバックライトユニットの相対輝度(%)がプロットされている。
【0029】
図4に示すように、比較例1の板状成形品の反射率は5.7%であり、実施例1〜6の板状成形品の反射率は34.0%以上77.8%以下の範囲内である。比較例1の板状成形品には反射拡散材料が添加されていないため、比較例1の板状成形品の反射率が低い。実施例1〜6の板状成形品には反射拡散材料が添加されているため、実施例1〜6の板状成形品の反射率は、比較例1の板状成形品の反射率よりも高い。したがって、反射拡散材料及び吸収材料が添加された板状成形品の反射率は、吸収材料が添加され、反射拡散材料が添加されていない板状成形品の反射率よりも高いことが、図4及び図5に示す評価結果から確認できる。
【0030】
図4に示すように、比較例1のバックライトユニットの相対輝度は89.0%であり、実施例1〜6のバックライトユニットの相対輝度は90.4%以上98.7%以下の範囲内である。実施例1〜6のバックライトユニットの相対輝度(%)は、比較例1のバックライトユニットの相対輝度(%)よりも高い。したがって、反射拡散材料及び吸収材料が添加された樹脂フレームを用いたバックライトユニットの輝度は、吸収材料が添加され、反射拡散材料が添加されていない樹脂フレームを用いたバックライトユニットの輝度よりも高いことが、図4及び図5に示す評価結果から確認できる。
【0031】
比較例1の板状成形品には吸収材料が添加されているが、反射拡散材料が添加されていない。図4の比較例1における「0.5mm厚の板状成形品の遮光度合」及び「0.2mm厚の板状成形品の遮光度合」の欄に示すように、光が比較例2の板状成形品を透過している。実施例1〜6の板状成形品には反射拡散材料及び吸収材料が添加されており、実施例1〜6の板状成形品は光を反射拡散し、かつ、吸収する。図4の実施例1〜4における「0.5mm厚の板状成形品の遮光度合」の欄に示すように、光が実施例1〜4の板状成形品を透過していない。図4の実施例1における「0.2mm厚の板状成形品の遮光度合」の欄に示すように、光が実施例1の板状成形品を透過していない。図4の実施例5及び6における「0.5mm厚の板状成形品の遮光度合」の欄に示すように、実施例5及び6の板状成形品を透過する光量は、比較例1の板状成形品を透過する光量よりも少ない。図4の実施例2〜4における「0.2mm厚の板状成形品の遮光度合」の欄に示すように、実施例2〜4の板状成形品を透過する光量は、比較例1の板状成形品を透過する光量より
も少ない。したがって、吸収材料のみが添加された板状成形品の遮光性よりも、反射拡散材料及び吸収材料が添加された板状成形品の遮光性が向上していることが、図4に示す評価結果から確認できる。
【0032】
比較例2の板状成形品には吸収材料が添加されておらず、比較例2の板状成形品は光を吸収しない。そのため、図4の比較例2における「0.5mm厚の板状成形品の遮光度合」の欄に示すように、光が比較例2の板状成形品を透過しており、比較例2の板状成形品を透過する光量が多い。図4の実施例1〜4における「0.5mm厚の板状成形品の遮光度合」の欄に示すように、光が実施例1〜4の板状成形品を透過していない。また、図4の実施例5、6及び比較例2における「0.5mm厚の板状成形品の遮光度合」の欄に示すように、実施例5及び6の板状成形品を透過する光量は、比較例2の板状成形品を透過する光量よりも大幅に減少している。したがって、反射拡散材料のみ添加された板状成形品の遮光性よりも、反射拡散材料及び吸収材料が添加された板状成形品の遮光性が向上していることが、図4に示す評価結果から確認できる。
【0033】
図4及び図5に示す評価結果に示すように、板状成形品の遮光性の向上の観点から言えば、板状成形品の反射率が30%以上80%以下であることが好ましい。実施形態に係るフレーム14の遮光性は、実施例1〜6の板状成形品の遮光性と同様に評価することができる。したがって、フレーム14の遮光性の向上の観点から言えば、フレーム14の反射率が30%以上80%以下であることが好ましい。フレーム14の遮光性を重視すると、フレーム14の反射率が30%付近であることが好ましい。
【0034】
図4及び図5に示す評価結果に示すように、実施例1〜6の板状成形品の遮光性と実施例1〜6のバックライトユニットの輝度とのバランスの観点から言えば、板状成形品の反射率が45%以上65%以下であることが好ましい。実施形態に係る面光源装置1の輝度は、実施例1〜6のバックライトユニットの輝度と同様に評価することができる。したがって、フレーム14の遮光性と面光源装置1の輝度とのバランスの観点から言えば、フレーム14の反射率が45%以上65%以下であることが好ましい。また、面光源装置1の輝度を重視すると、フレーム14の反射率が80%付近であることが好ましい。
【0035】
実施形態によれば、フレーム14は、樹脂と、光を反射し拡散する反射拡散材料と、光を吸収する吸収材料と、を有するため、フレーム14の遮光性が向上する。遮光性の向上したフレーム14を面光源装置1が備えることで、面光源装置1の高輝度を維持しつつ、面光源装置1から漏れる光を抑止することができる。このような面光源装置1を液晶表示装置に搭載することで、フレーム14の遮光性が向上し、面光源装置1からの光漏れが抑止された液晶表示装置を提供することができる。更に、このような液晶表示装置は、各種の電子機器に搭載することができる。このような液晶表示装置を電子機器に搭載することで、フレーム14の遮光性が向上し、液晶表示装置からの光漏れが抑制された電子機器を提供することができる。このような液晶表示装置を備えた電子機器として、スマートフォン、デジタルカメラ、タブレット端末、電子ブック、ウェアラブル機器、カーナビゲーション装置、電子辞書、電子広告板等を例示できる。
【符号の説明】
【0036】
1 面光源装置
2 表示パネル
10 導光板
11 光源
12 FPC
13 固定部材
14 フレーム
15 反射シート
16 拡散シート
17 プリズムシート
18 遮光両面テープ
図1
図2
図3
図4
図5