特許第6390735号(P6390735)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6390735
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 13/04 20060101AFI20180910BHJP
   G05D 3/12 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   G05B13/04
   G05D3/12 305Z
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-48069(P2017-48069)
(22)【出願日】2017年3月14日
【審査請求日】2018年6月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信
(74)【代理人】
【識別番号】100096873
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 廣泰
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125357
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【弁理士】
【氏名又は名称】今堀 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100138357
【弁理士】
【氏名又は名称】矢澤 広伸
(72)【発明者】
【氏名】恵木 守
【審査官】 黒田 暁子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−104047(JP,A)
【文献】 特開2009−116817(JP,A)
【文献】 特開2015−115990(JP,A)
【文献】 特開2005−094964(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/140679(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 13/04
G05D 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象を駆動する駆動側制御装置と、
前記駆動側制御装置による前記制御対象の駆動制御のための動作指令信号を生成する上位側制御装置と、
を備える制御システムであって、
前記駆動側制御装置は、
前記制御対象の動作に関連するフィードバック信号が入力される一又は複数の制御器を含む駆動側フィードバック系と、該駆動側フィードバック系及び該制御対象をモデル化した制御モデルを有する駆動側制御モデル部と、を含み、該駆動側制御モデル部が有する制御モデルに従ったモデル追従制御が可能となるように構成された駆動側制御構造と、
前記駆動側制御構造での前記制御対象の駆動制御のための所定信号の算出処理を行う駆動側算出部と、
を有し、
前記上位側制御装置は、
少なくとも前記駆動側制御モデル部に対応する制御モデルを有する上位側制御モデル部を含み、該上位側制御モデル部の出力と前記動作指令信号との偏差に基づく上位側補正信号が該上位側制御モデル部の入力側にフィードバックされ、該フィードバックされた上位側補正信号と該動作指令信号とに基づいて生成される補正後指令信号が、該上位側制御モデル部に入力されるように構成される上位側制御構造と、
前記上位側制御構造での前記制御対象の駆動制御のための所定信号の算出処理を行う上位側算出部と、
を有し、
前記補正後指令信号は、更に、前記駆動側制御構造に入力される、
制御システム。
【請求項2】
前記上位側制御モデル部が有する制御モデルは、前記駆動側制御モデル部が有する制御モデルと同一の制御モデルである、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記上位側制御装置は、前記上位側制御モデル部に関する所定の制御パラメータを、前記駆動側制御装置が有する前記駆動側制御モデル部の制御パラメータに基づいて、該駆動側制御装置から取得するモデルパラメータ取得部を、更に有する、
請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記上位側制御モデル部及び前記駆動側制御モデル部は、それぞれ、前記駆動側フィードバック系と前記制御対象とに関するインパルス応答の情報であるインパルス応答情報によって表わされるインパルス応答モデルを含み、
前記駆動側算出部は、前記駆動側制御モデル部に含まれる前記インパルス応答モデルへの入力と該インパルス応答モデルとの畳み込み積分処理の結果を利用して、前記駆動側制御構造での前記所定信号の算出処理を行い、
前記上位側算出部は、前記上位側制御モデル部に含まれる前記インパルス応答モデルへの入力と該インパルス応答モデルとの畳み込み積分処理の結果を利用して、該上位側制御構造での前記所定信号の算出処理を行う、
請求項2又は請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記駆動側制御装置は、複数の前記制御対象を駆動制御するとともに、それぞれの該制御対象に対応する複数の前記駆動側制御構造を有し、
前記上位側制御装置は、前記複数の制御対象のそれぞれに対応する前記上位側制御モデル部を含む、複数の前記上位側制御構造を有し、
前記複数の上位側制御構造のそれぞれの前記上位側制御モデル部における所定の制御ゲインは、全ての前記上位側制御モデル部間で共通の値に設定され、
前記複数の駆動側制御構造のそれぞれの前記駆動側制御モデル部における所定の制御ゲインは、全ての前記駆動側制御モデル部間で共通の値に設定される、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御対象を駆動する駆動側制御装置と、駆動側制御装置に動作指令信号を提供する上位側制御装置と、を備える制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
制御対象を目標軌道に追従させて動かすために、一般的にはフィードバック制御が利用されている。例えば多関節ロボットにおいては、ロボットの制御装置により、フィードバック制御を用いてロボットの手先部の位置を予め設定(教示)された目標軌道に追従させるように、各関節軸のサーボモータを制御することが行われる。ところが、一般的なフィードバック制御では、どうしても各サーボモータに応答遅れが生ずるため、ロボットの実際の軌跡が目標軌道からずれる問題がある。このような課題に対して、フィードフォワード制御を採用し、ロボットの位置を指令位置に常に一致するように制御する技術が示されている。例えば、特許文献1に示す技術では、複数のモータにより駆動される多関節ロボットアームの制御において、現在位置から所定の位置モデルを用いて将来の位置を推定し、その推定位置と目標軌道とのずれ、すなわち目標軌道に垂直な方向の誤差分だけ現在の位置指令が補正されることで、目標軌道の追従性が高められている。
【0003】
また、上記のように位置モデルを用いて将来位置の推定を行う場合、実際の制御対象の軌道特性が大きく変化する場合、例えば、直線移動から円弧移動に切り替わる場合には、その推定精度が必ずしも好ましくなく、好適な位置指令の補正は困難となる。そこで、特許文献2に示す技術では、目標軌道(指令経路)の形状の境界点位置及びその近傍の移動方向に関する情報を用いて位置指令を補正することで、軌道特性の変化に対応する軌道追従性の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−15431号公報
【特許文献2】特許第5340486号公報
【特許文献3】特開昭61−190604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術では、位置モデルを用いて将来位置を推定し、その推定位置と目標軌道とのずれに応じた位置指令の補正量が算出される。そして、その位置指令の補正のために、本来の位置指令に対して所定の遅れ処理が行われる。この遅れ処理による遅れ量は、好適な補正量を決定するためにも適切に設定されるべきであり、制御対象の特性に応じて調整する必要がある。そのため、好適な軌道追従性を得るためには、ユーザが実際の制御対象に基づいて遅れ時間を調整する必要があり、換言すれば、その遅れ時間の調整が十分でなければ、効果的な軌道追従性の改善を図ることは容易ではない。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、制御対象を駆動する駆動側制御装置と、駆動側制御装置に動作指令信号を提供する上位側制御装置と、を備える制御システムであって、ユーザの調整負荷を可及的に抑えながら、制御対象の効果的な軌道追従性を実現する制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明においては、上記課題を解決するために、制御システムに含まれる上位側制御装
置に、駆動側制御装置の駆動側フィードバック系をモデル化した上位側制御モデルを配置し、その上位側制御装置で駆動側フィードバック系と制御対象とを反映した動作指令信号の補正を行う構成を採用した。このような構成により、制御対象の効果的な軌道追従性を実現することが可能となる。
【0008】
詳細には、本発明は、制御対象を駆動する駆動側制御装置と、前記駆動側制御装置による前記制御対象の駆動制御のための動作指令信号を生成する上位側制御装置と、を備える制御システムである。そして、前記駆動側制御装置は、前記制御対象の動作に関連するフィードバック信号が入力される一又は複数の制御器を含む駆動側フィードバック系と、該駆動側フィードバック系及び該制御対象をモデル化した制御モデルを有する駆動側制御モデル部と、を含み、該駆動側制御モデル部が有する制御モデルに従ったモデル追従制御が可能となるように構成された駆動側制御構造と、前記駆動側制御構造での前記制御対象の駆動制御のための所定信号の算出処理を行う駆動側算出部と、を有し、前記上位側制御装置は、少なくとも前記駆動側制御モデル部に対応する制御モデルを有する上位側制御モデル部を含み、該上位側制御モデル部の出力と前記動作指令信号との偏差に基づく上位側補正信号が該上位側制御モデル部の入力側にフィードバックされ、該フィードバックされた上位側補正信号と該動作指令信号とに基づいて生成される補正後指令信号が、該上位側制御モデル部に入力されるように構成される上位側制御構造と、前記上位側制御構造での前記制御対象の駆動制御のための所定信号の算出処理を行う上位側算出部と、を有している。その上で、前記補正後指令信号は、更に、前記駆動側制御構造に入力される。
【0009】
本発明の制御システムは、駆動側制御装置と上位側制御装置を備えており、動作指令信号は上位側制御装置で補正されて補正後指令信号として駆動側制御装置に提供される。駆動側制御装置では、駆動側フィードバック系と駆動側制御モデル部とを含む駆動側制御構造に基づいて、駆動側算出部による制御対象の駆動制御のための所定信号の算出処理が行われる。これにより、駆動側制御装置では、駆動側制御モデル部が有する制御モデルに従った、いわゆるモデル追従制御が実現される。ここで、上位側制御装置の上位側制御構造には、駆動側制御モデル部に対応する制御モデルを有する上位側制御モデル部が含まれる。そして、当該上位側制御構造では、上位側制御モデル部の出力がその入力側にフィードバックされるフィードバック構造が形成されている。そして、フィードバックされる上位側制御モデル部の出力と動作指令信号との偏差は、モデル上の制御対象の出力と目標とのずれを意味するものであるから、当該偏差に基づく上位側補正信号を利用して動作指令信号の補正を行うことで、動作指令信号に対する追従性を高めることが可能となる。例えば、上位側補正信号と動作指令信号とを加算し、補正された動作指令信号である補正後指令信号が生成される。
【0010】
そして、このような補正後指令信号は、上記のようにモデル追従制御が可能に構成された駆動側制御構造に入力される。したがって、駆動側制御装置は、動作指令信号への追従駆動制御において、動作指令信号を直接利用するのではなく、動作指令信号が上位側制御モデルにおいて補正された結果である、換言すれば駆動側フィードバック系と制御対象とを反映して補正された結果である、該補正後指令信号を利用して、モデル追従制御を実行することになる。この結果、駆動側制御装置によれば、動作指令信号に対する追従性が高められた制御対象の駆動制御が実現できることになる。また、本発明の制御システムを構成するためには、上位側制御装置に上位側制御モデルを用意すればよく、ユーザの利便性は極めて高い。更に、上記の動作指令信号の補正は、上位側制御装置の上位側制御構造で形成されているフィードバック構造を介して行われている。そのため、従来技術のように将来位置を推定して軌道追従性を高める場合のように所定の制御パラメータを調整する必要はないため、本発明は、ユーザの利便性向上に好適に資する。また、上位側制御装置と駆動側制御装置をまたがってフィードバック系が形成されていないため、装置間の通信時間に起因する、軌道追従性の低下を抑制することができる。
【0011】
ここで、上記の制御システムにおいて、前記上位側制御モデル部が有する制御モデルは、前記駆動側制御モデル部が有する制御モデルと同一の制御モデルであってもよい。このようにすることで、上位側制御モデル部の制御モデルを簡便に用意することができる。そして、このような制御モデルを上位側制御モデル部に適用しても、駆動側制御構造がモデル追従制御が可能となるように構成されていることから、動作指令信号に対する追従性の向上を十分に享受できる。
【0012】
ここで、上記の制御システムは、前記上位側制御装置は、前記上位側制御モデル部に関する所定の制御パラメータを、前記駆動側制御装置が有する前記駆動側制御モデル部の制御パラメータに基づいて、該駆動側制御装置から取得するモデルパラメータ取得部を、更に有してもよい。上位側制御装置に配置される上位側制御モデル部と、駆動側制御装置に配置される駆動側制御モデル部とは、ともに駆動側フィードバック系と制御対象とをモデル化したものである。必ずしも両モデル部が有するモデルは一致する必要はないが、両モデルが全部において、又は一部において一致する場合には、両モデルを構成する所定の制御パラメータを共通化することができる。そこで、上位側制御装置のモデルパラメータ取得部が、上位側制御モデル部の形成のための所定の制御パラメータを駆動側制御装置から取得することで、上位側制御装置における上位側制御モデル部の準備が容易となる。なお、当該取得は、上位側制御装置に駆動側制御装置が接続されたときに、自動的に、又は、ユーザからの指示に従い半自動的に行われてもよい。また駆動側制御装置において駆動側フィードバック系の制御構造が変更された場合、その変更が駆動側制御モデル部に反映されるとともに、モデルパラメータ取得部による所定の制御パラメータの取得を介して、その制御構造の変更が上位側駆動装置へ反映されてもよい。
【0013】
ここで、上述までの制御システムにおいて、前記上位側制御モデル部及び前記駆動側制御モデル部は、それぞれ、前記駆動側フィードバック系と前記制御対象とに関するインパルス応答の情報であるインパルス応答情報によって表わされるインパルス応答モデルを含んでもよい。そして、前記駆動側算出部は、前記駆動側制御モデル部に含まれる前記インパルス応答モデルへの入力と該インパルス応答モデルとの畳み込み積分処理の結果を利用して、前記駆動側制御構造での前記所定信号の算出処理を行い、前記上位側算出部は、前記上位側制御モデル部に含まれる前記インパルス応答モデルへの入力と該インパルス応答モデルとの畳み込み積分処理の結果を利用して、該上位側制御構造での前記所定信号の算出処理を行う。このようにインパルス応答情報を利用することで、制御対象及び駆動側フィードバック系の実際の特性を反映して、駆動側制御構造及び上位側制御構造での所定信号をより正確に算出することができる。
【0014】
また、上述までの制御システムにおいて、前記駆動側制御装置は、複数の前記制御対象を駆動制御するとともに、それぞれの該制御対象に対応する複数の前記駆動側制御構造を有し、また、前記上位側制御装置は、前記複数の制御対象のそれぞれに対応する前記上位側制御モデル部を含む、複数の前記上位側制御構造を有してもよい。そして、この場合、前記複数の上位側制御構造のそれぞれの前記上位側制御モデル部における所定の制御ゲインは、全ての前記上位側制御モデル部間で共通の値に設定され、前記複数の駆動側制御構造のそれぞれの前記駆動側制御モデル部における所定の制御ゲインは、全ての前記駆動側制御モデル部間で共通の値に設定される。すなわち、駆動側制御装置及び上位側制御装置によって複数の制御対象が駆動制御される場合、本発明の技術思想を適用すべく上記の構成が採用される。このような構成により、各制御対象における動作指令信号に対する追従性は高められるとともに、全ての上位側制御モデル部間で所定の制御ゲインは共通の値に設定され、且つ、全ての駆動側制御モデル部間でも所定の制御ゲインは共通の値に設定されることで、上位側制御装置での各制御対象への動作指令信号の補正、及び、駆動側制御装置での各制御対象のモデル追従制御が同じように行われる。そのため、制御対象におけ
る動作指令信号の追従性が高められながら制御対象間の同期性も高められることになる。この結果、複数の制御対象の駆動制御による出力が、その目標軌道に極めて近似したものとなる。
【発明の効果】
【0015】
制御対象を駆動する駆動側制御装置と、駆動側制御装置に動作指令信号を提供する上位側制御装置と、を備える制御システムにおいて、ユーザの調整負荷を可及的に抑えながら、制御対象の効果的な軌道追従性が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る制御システムの概略構成を示す図である。
図2図1に示す制御システムの制御構造であって、サーボドライバと標準PLCにわたって形成される第1の制御構造を示す図である。
図3図1に示す制御システムに含まれるサーボドライバと標準PLCの機能ブロック図である。
図4】本発明に係る制御システムにより負荷装置が2軸駆動される場合の、該制御システムにおける制御構造の概略を示す第1の図である。
図5図4に示す制御構造が形成された場合の、2軸駆動される負荷装置の出力位置の実際の軌跡結果を示す図である。
図6図1に示す制御システムの制御構造であって、サーボドライバと標準PLCにわたって形成される第2の制御構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施例1>
図1は、本発明の実施の形態に係る制御システムの概略構成図である。制御システムは、ネットワーク1と、モータ2と、負荷装置3と、サーボドライバ4と、標準PLC(Programmable Logic Controller)5とを備える。当該制御システムは、標準PLC5で生成
される動作指令信号pcmdに、制御対象6とされるモータ2及び負荷装置3を追従させるように、サーボドライバ4が制御対象6を駆動制御するためのシステムである。ここで、負荷装置3としては、各種の機械装置(例えば、産業用ロボットのアームや搬送装置)が例示でき、モータ2はその負荷装置3を駆動するアクチュエータとして負荷装置3内に組み込まれている。例えば、モータ2は、ACサーボモータである。なお、モータ2には図示しないエンコーダが取り付けられており、当該エンコーダによりモータ2の動作に関するパラメータ信号がサーボドライバ4にフィードバック送信されている。このフィードバック送信されるパラメータ信号(以下、フィードバック信号という)は、たとえばモータ2の回転軸の回転位置(角度)についての位置情報、その回転軸の回転速度の情報等を含む。なお、制御対象6には複数のモータ2が含まれてもよく、その場合には、負荷装置3は、複数のモータ2によって駆動制御される構成、いわゆる多軸構成を有する。
【0018】
標準PLC5は、モータ2の動作(モーション)に関する動作指令信号を生成し、後述する上位側制御モデル部500による動作指令信号への所定の補正処理を介して、サーボドライバ4へ補正処理後の信号を送る。サーボドライバ4は、ネットワーク1を介して標準PLC5から当該補正処理後の動作指令信号である補正後指令信号pcmd1(図2を参照)を受けるとともに、モータ2に接続されているエンコーダから出力されたフィードバック信号を受ける。なお、サーボドライバ4は、標準PLC5からの補正後指令信号pcmd1およびエンコーダからのフィードバック信号に基づいて、モータ2の駆動に関するサーボ制御、すなわち、モータ2の動作に関する指令値を算出するとともに、モータ2の動作がその指令値に追従するように、モータ2に駆動電流を供給する。この供給電流は、交流電源7からサーボドライバ4に対して送られる交流電力が利用される。本実施例では、サーボドライバ4は三相交流を受けるタイプのものであるが、単相交流を受けるタイ
プのものでもよい。なお、サーボドライバ4によるサーボ制御については、サーボドライバ4が有する位置制御器41、速度制御器42、電流制御器43を利用したフィードバック制御であり、その詳細については図2に基づいて後述する。
【0019】
ここで、図2に基づいて、図1に示す制御システムの制御構造について説明する。先ず、制御システムのうち、サーボドライバ4の制御構造について説明する。サーボドライバ4は、いわゆるモデル追従制御が可能となる駆動側制御構造460を有しており、当該駆動側制御構造460は、駆動側フィードバック系400と駆動側制御モデル部450を含む。駆動側フィードバック系400は、位置制御器41、速度制御器42、電流制御器43を備えており、一方で、駆動側制御モデル部450は、これらの制御器及び制御対象6をモデル化した構成である、駆動側モデル位置制御部45、駆動側モデル速度制御部46、駆動側実機モデル部47を備えている。
【0020】
先ず、駆動側フィードバック系400の詳細について説明する。駆動側フィードバック系400においては、位置制御器41は、例えば、比例制御(P制御)を行う。具体的には、駆動側制御モデル部450の駆動側モデル位置出力psim1と検出位置との偏差である位置偏差に、所定の位置比例ゲインを乗ずることにより速度指令vcmdを算出する。
【0021】
速度制御器42は、例えば、比例積分制御(PI制御)を行う。具体的には、位置制御器41により算出された速度指令vcmdと駆動側制御モデル部450の速度出力(駆動側モデル位置出力psim1の微分値)との和に対する検出速度との偏差である速度偏差の積分量に所定の速度積分ゲインを乗じ、その算出結果と当該速度偏差の和に所定の速度比例ゲインを乗ずることにより、トルク指令τcmdを算出する。また、速度制御器42はPI制御に代えてP制御を行ってもよい。
【0022】
電流制御器43は、速度制御器42により算出されたトルク指令τcmdと、駆動側制御モデル部450の駆動側モデル速度制御部46により算出された駆動側モデルトルク指令τcmd1との和に基づいて電流指令Ccmdを出力し、それによりモータ2が駆動制御される。電流制御器43は、トルク指令に関するフィルタ(1次のローパスフィルタ)や一又は複数のノッチフィルタを含み、制御パラメータとして、これらのフィルタの性能に関するカットオフ周波数等を有している。
【0023】
次に、駆動側制御モデル部450について説明する。駆動側制御モデル部450においては、駆動側モデル位置制御部45は、駆動側フィードバック系400の位置制御器41をモデル化したものであり、位置制御器41と同様にP制御を行う。具体的には、後述する上位側制御構造560で生成された補正後指令信号pcmd1と駆動側制御モデル部450の駆動側モデル位置出力psim1との偏差に、所定の位置比例ゲインを乗ずることにより駆動側モデル速度指令vcmd1を算出する。
【0024】
駆動側モデル速度制御部46は、駆動側フィードバック系400の速度制御器42をモデル化したものであり、速度制御器42と同様にPI制御を行う。具体的には、駆動側モデル位置制御部45により算出された駆動側モデル速度指令vcmd1と駆動側制御モデル部450の速度出力(駆動側モデル位置出力psim1の微分値)との偏差の積分量に所定の速度積分ゲインを乗じ、その算出結果と当該偏差の和に所定の速度比例ゲインを乗ずることにより、駆動側モデルトルク指令τcmd1を算出する。
【0025】
駆動側実機モデル部47は、駆動側フィードバック系400の電流制御器43及び制御対象6をモデル化したものであり、駆動側モデル速度制御部46により算出された駆動側モデルトルク指令τcmd1に基づいて、駆動側モデル位置出力psim1を出力する。
【0026】
このように構成される駆動側フィードバック系400及び駆動側制御モデル部450を含む駆動側制御構造460では、駆動側フィードバック系400及び制御対象6がモデル化された制御構造を有する駆動側制御モデル部450によって、制御対象6の制御駆動のシミュレーションが行われ、その結果が駆動側フィードバック系400に反映される、いわゆるモデル追従制御構造が形成されている。このモデル追従制御構造を有する駆動側制御構造460では、駆動側フィードバック系400のフィードバックループが動作指令信号pcmdとの偏差ではなく駆動側制御モデル部450の出力との偏差を利用するように構成されているため、駆動側制御モデル部450の特性に対する追従性が高くなる。一方で、駆動側制御モデル部450自体は一般的にローパスフィルタ特性を持つため、動作指令信号pcmdを基準としたときに駆動側制御モデル部450内の追従制御のための所定信号に乖離が生じ得、軌道追従性を高めにくくなる。
【0027】
そこで、軌道追従性を高めるための制御構造が、標準PLC5側に形成されている。標準PLC5は、制御構造として上位側制御構造560を備えており、当該上位側制御構造560には、上位側制御モデル部500が含まれる。上位側制御モデル部500は、駆動側制御モデル部450に対応する制御モデルを有し、その入力に対してその応答結果である上位側位置出力psim0を出力する。
【0028】
ここで、上位側制御構造560では、動作指令信号pcmdと上位側制御モデル部500からの上位側位置出力psim0との偏差に、ゲイン等の補償器530による補償が施されて、上位側補正信号pin0が生成される。上位側補正信号pin0は、上位側制御モデル部500が有するモデルにより推定される制御対象6の応答位置と動作指令信号pcmdとの偏差であるから、当該上位側補正信号pin0を用いて動作指令信号pcmdを補正することで、制御対象6の駆動制御に関する軌道追従性を高めることが可能となる。そこで、上位側補正信号pin0は動作指令信号pcmdと加算されて、上位側制御モデル部500に入力されるとともに、補正後指令信号pcmd1として駆動側制御モデル部450側に送られることになる。そして、補正後指令信号pcmd1と駆動側モデル位置出力psim1との偏差が、駆動側モデル位置制御部45へ入力されることになる。
【0029】
このような制御構造が形成される制御システムでは、標準PLC5において、上位側制御モデル部500によって、駆動側フィードバック系400の制御構造及び制御対象6を反映させた状態で動作指令信号pcmdの補正が行われ、補正後指令信号pcmd1が生成される。そして、標準PLC5とサーボドライバ4とをまたがってフィードバック系が形成されておらず、その補正後指令信号pcmd1が、遅れの影響を受けない状態で標準PLC5からサーボドライバ4へと渡される。そして、サーボドライバ4は、この補正後指令信号pcmd1を利用してモデル追従制御を行う。このように制御構造が形成された制御システムでは、標準PLC5とサーボドライバ4とが連携することで、制御システムとして動作指令信号pcmdに対する高い軌道追従性を実現することができる。また、標準PLC5での補正後指令信号pcmd1の生成は、上位側制御構造560におけるフィードバック構造に従って行われるため、動作指令信号pcmdの補正のための特段の負荷をユーザに課すものではない。
【0030】
次に、サーボドライバ4と標準PLC5の機能的な構造について、図3に基づいて説明する。図3は、サーボドライバ4及び標準PLC5のそれぞれにおいて実行されるソフトウェアによって実現される各種の機能をイメージ化して表した機能ブロック図である。先ず、サーボドライバ4は、上記の駆動側制御構造460と駆動側算出部410を有している。そして、駆動側制御構造460には、上記の通り、駆動側フィードバック系400と駆動側制御モデル部450が含まれる。また、駆動側算出部410は、図2に示した駆動側制御構造460での追従制御のための所定信号の算出処理を行う機能部である。例えば
、駆動側算出部410は、駆動側フィードバック系400では、位置制御器41、速度制御器42、電流制御器43の出力等を算出し、駆動側制御モデル部450では、駆動側モデル位置制御部45、駆動側モデル速度制御部46、駆動側実機モデル部47の出力等を算出する。
【0031】
また、標準PLC5は、上記の上位側制御構造560と、上位側算出部510、モデルパラメータ取得部520を有している。そして、上位側制御構造560には、上記の通り、上位側制御モデル部500が含まれる。そして、上位側算出部510は、図2に示した上位側制御構造560での追従制御のための所定信号の算出処理を行う機能部である。例えば、上位側算出部510は、上位側制御モデル部500の上位側位置出力psim0の算出や、上位側補正信号pin0及び補正後指令信号pcmd1の生成等を行う。また、モデルパラメータ取得部520は、上位側制御モデル部500を形成するための所定の制御パラメータを、サーボドライバ4側から取得する機能部である。上記の通り、上位側制御モデル部500は、駆動側制御モデル部450と同様に、駆動側フィードバック系400及び制御対象6をモデル化したものである。サーボドライバ4ではモデル追従制御のために駆動側制御モデル部450が形成されているため、上位側制御モデル部500の形成に当たっては駆動側制御モデル部450に関する制御パラメータを利用することが可能である。そこで、モデルパラメータ取得部520は、標準PLC5がサーボドライバ4に電気的に接続されたときに、サーボドライバ4内の駆動側制御モデル部450に関する制御パラメータ(所定の位置比例ゲイン、速度比例ゲイン、速度積分ゲイン等)を、上位側制御モデル部500の制御パラメータとして取得する。これにより、標準PLC5における上位側制御モデル部500の形成に要する労力を軽減することができる。なお、モデルパラメータ取得部520による取得は、サーボドライバ4内の駆動側制御モデル部450の構造が変更されたときに自動的に行われてもよい。
【0032】
<軌道追従性に関する例1>
ここで、本発明の制御システムによって2台のモータが同期制御されて負荷装置3が駆動される場合の軌道追従性に関する第1の例について、図4及び図5に基づいて説明する。図4に示すように、X軸及びY軸の2台のモータの同期制御に対応するために、サーボドライバ4には、X軸の駆動制御のための駆動側制御構造460Xと、Y軸の駆動制御のための駆動側制御構造460Yが形成される。そして、駆動側制御構造460Xには、駆動側フィードバック系400Xと駆動側制御モデル部450Xが含まれ、駆動側制御構造460Yには、駆動側フィードバック系400Yと駆動側制御モデル部450Yが含まれる。また、標準PLC5には、X軸の駆動制御のための上位側制御構造560Xと、Y軸の駆動制御のための上位側制御構造560Yが形成され、上位側制御構造560Xには上位側制御モデル部500Xが含まれ、上位側制御構造560Yには上位側制御モデル部500Yが含まれる。
【0033】
このようにモータの同期制御を行う場合、それぞれの上位側制御モデル部500X、500Yにおける所定の制御ゲイン、例えば、位置比例ゲイン、速度比例ゲイン及び速度積分ゲインの値が、上位側制御モデル部間で共通の値に設定される。更に、駆動側制御モデル部450X、450Yにおける所定の制御ゲイン(同様に、位置比例ゲイン、速度比例ゲイン、速度積分ゲイン等)も、駆動側制御モデル部間で共通の値に設定される。なお、駆動側フィードバック系400X、400Yにおける所定の制御ゲイン(同様に、位置比例ゲイン、速度比例ゲイン、速度積分ゲイン等)は、軸間で、必ずしも共通の値に設定される必要はない。このようなゲイン設定を上位側制御モデル部500X、500Y及び駆動側制御モデル部450X、450Yで行うことで、標準PLC5での各軸の動作指令信号pcmdに対する補正を同程度に行った上で追従制御を行うことになり、以て、各軸の同期性を高め、2台のモータが同期制御されて駆動される負荷装置3の軌道追従性が向上されることになる。
【0034】
ここで、図5の上段(a)の右側に、図4に示す制御システムにより、負荷装置3の出力部が円を描くように2軸のモータが同期制御された場合の、負荷装置3の出力部の実際の軌跡を示す。なお、上段(a)の左側は、標準PLC5からサーボドライバ4へ渡される補正後指令信号に基づいて形成された出力部軌跡である。また、図5の下段(b)には、本発明のように標準PLC5側で動作指令信号の補正処理を行わずに、サーボドライバ4においてモデル追従制御のみを行った場合の当該動作指令信号に基づいた出力部の軌跡を左側に示し、実際の出力部の軌跡を右側に示している。図5から理解できるように、サーボドライバ4においてモデル追従制御のみを行った場合では出力部の実際の軌跡と動作指令信号に基づいた軌跡との間に明白なずれが確認できるが、図4に示す制御システムによれば、両者の間のずれは極めて良好に解消されている。
【0035】
<実施例2>
図6に基づいて、実施例2に係る制御システムの制御構造について説明する。図6は、図2と同様に制御システムの制御構造を示す図であり、図2に示す制御構造に含まれる構成と実質的に同一の構成については、同一の参照番号を付してその詳細な説明は省略する。図6に示す制御構造は、図2に示す制御構造の含まれる駆動側制御モデル部450の駆動側実機モデル部47に代えて、駆動側インパルス応答モデル部470を有している。更に、図6に示す制御構造は、図2に示す制御構造の含まれる上位側制御モデル部500に代えて、駆動側モデル対応インパルス応答モデル部550を有している。
【0036】
そして、駆動側インパルス応答モデル部470は、制御システム側の機械構成である電流制御器43及び制御対象6を1つの機械構成としたときの、当該1つの機械構成へのインパルス信号を入力した際の速度応答(速度インパルス応答)に関する情報をインパルス応答モデルとして有している。なお、当該インパルス応答情報の生成は、従来技術により実現できる。概略的には、駆動側実機モデル部47に関する周波数伝達関数を逆フーリエ変換することで実現される。そして、駆動側インパルス応答モデル部470への任意の入力に対する出力vsim1は、当該任意の入力と駆動側インパルス応答モデル部470が有するインパルス応答情報との畳み込み積分処理によって算出することができる。当該畳み込み積分処理は、駆動側算出部410によって実行される。
【0037】
また、駆動側モデル対応インパルス応答モデル部550は、駆動側制御モデル部450を1つの構成としたときの、当該1つの構成へのインパルス信号を入力した際の位置応答(位置インパルス応答)に関する情報をインパルス応答モデルとして有している。また別法として、駆動側モデル対応インパルス応答モデル部550が有するインパルス応答モデルは、駆動側インパルス応答モデル部470が有するインパルス応答モデルと同様に、速度インパルス応答に関するモデルであってもよい。この場合、モデルパラメータ取得部520によって、サーボドライバ4から駆動側インパルス応答モデル部470のインパルス応答モデルを取得して、駆動側モデル対応インパルス応答モデル部550のインパルス応答モデルとして利用してもよい。そして、駆動側モデル対応インパルス応答モデル部550への任意の入力に対する出力(上位側位置出力psim0)は、当該任意の入力と駆動側モデル対応インパルス応答モデル部550が有するインパルス応答情報との畳み込み積分処理によって算出することができる。当該畳み込み積分処理は、上位側算出部510によって実行される。
【0038】
このようにインパルス応答モデルが上位側制御構造560及び駆動側制御構造460での内部信号の処理に利用されることで、実際の制御対象6の特性に応じた速度応答を正確に算出することが可能となる。その結果、制御システムでは、標準PLC5とサーボドライバ4との連携により、制御システムとして動作指令信号pcmdに対する軌道追従性をより高めることができる。
【0039】
<変形例>
図2及び図6に示す標準PLC5の制御構造について、上位側制御モデル部500には、駆動側制御モデル部450に含まれない構成が含まれてもよい。また、上位側制御モデル部500は、サーボドライバ4におけるモデル追従制御に関する制御構造の全体をモデル化して構成されてもよい。この場合、駆動側フィードバック系400の他に制御対象6のモデル化が必要になるが、当該モデルの一例として、カットオフ周波数を駆動側フィードバック系400の位置制御ゲインとするローパスフィルタで代替してもよい。また、図2及び図6に示すサーボドライバ4の制御構造については、駆動側フィードバック系400のみの制御構造としてもよい。この場合、標準PLC5からの補正後指令信号pcmd1が、駆動側フィードバック系400の位置制御器41に入力される。
【符号の説明】
【0040】
1・・・・ネットワーク
2・・・・モータ
3・・・・負荷装置
41・・・・位置制御器
42・・・・速度制御器
43・・・・電流制御器
45・・・・駆動側モデル位置制御部
46・・・・駆動側モデル速度制御部
47・・・・駆動側実機モデル部
400・・・・駆動側フィードバック系
450・・・・駆動側制御モデル部
460・・・・駆動側制御構造
470・・・・駆動側インパルス応答モデル部
500・・・・上位側制御モデル部
550・・・・駆動側モデル対応インパルス応答モデル部
【要約】
【課題】ユーザの調整負荷を可及的に抑えながら、制御対象の効果的な軌道追従性を実現する。
【解決手段】駆動側制御装置と上位側制御装置とを備える制御システムであって、駆動側制御装置は、駆動側フィードバック系と、駆動側制御モデル部と、を含み、該駆動側制御モデル部が有する制御モデルに従ったモデル追従制御が可能となるように構成された駆動側制御構造を有し、上位側制御装置は、駆動側フィードバック系と制御対象とをモデル化した上位側制御モデル部を含み、該上位側制御モデル部の出力と動作指令信号との偏差に基づく上位側補正信号が該上位側制御モデル部の入力側にフィードバックされ、該フィードバックされた上位側補正信号と該動作指令信号とに基づいて生成される補正後指令信号が、該上位側制御モデル部に入力されるように構成される上位側制御構造を有する。そして、補正後指令信号は、更に、駆動側制御構造に入力される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6