特許第6390932号(P6390932)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6390932端末装置、動画表示方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6390932
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】端末装置、動画表示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/482 20110101AFI20180910BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20180910BHJP
   H04N 21/437 20110101ALI20180910BHJP
【FI】
   H04N21/482
   H04N21/431
   H04N21/437
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-88938(P2017-88938)
(22)【出願日】2017年4月27日
(62)【分割の表示】特願2015-153434(P2015-153434)の分割
【原出願日】2014年3月18日
(65)【公開番号】特開2017-158201(P2017-158201A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2017年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】川上 量生
(72)【発明者】
【氏名】細川 泰平
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 賢一
(72)【発明者】
【氏名】黒田 晋哉
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 尚
【審査官】 後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−279995(JP,A)
【文献】 特開2011−223163(JP,A)
【文献】 特開2008−176658(JP,A)
【文献】 特表2010−506307(JP,A)
【文献】 特開2012−253712(JP,A)
【文献】 特開2011−151510(JP,A)
【文献】 特開2012−141787(JP,A)
【文献】 特開2003−179904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動画データそれぞれの表示画像が周辺の他の前記表示画像と接するように配置され、表示部の表示サイズよりも大きな画面領域の動画一覧表示画面を受信する受信部と、
前記表示部に前記受信部が受信した前記動画一覧表示画面の一部の領域を表示範囲として表示させ、表示移動操作に応じて前記動画一覧表示画面における前記表示範囲を移動させて前記表示部に表示させ、当該表示範囲が前記動画一覧表示画面の外周から所定の範囲内に達しているか否かを判定し、前記所定の範囲内に達している場合には、前記表示範囲に基づく情報とともに動画一覧表示画面の配信を要求する動画一覧配信要求を、動画一覧表示画面を送信する送信元に対して送信する一覧表示制御部と、
を備え、
前記表示範囲は横の長さよりも縦の長さが長く、かつ、前記表示範囲の縦の長さは前記表示画像の縦の長さでは割り切れず、かつ、前記表示範囲の横の長さは前記表示画像の横の長さでは割り切れない、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記表示範囲において前記表示画像を表示させている前記動画データの音声を、前記表示範囲において所定位置に表示されている他の表示画像の表示位置との距離に応じた音量で音声出力部から出力させる音声制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記動画一覧表示画面において複数の前記動画データの表示画像は、それぞれ同一の大きさであり、縦方向及び横方向に並べて配置される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記一覧表示制御部は、前記表示範囲に含まれる最も外側の表示画像を前記表示範囲の外周により切れるように表示する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記表示画像のうち第1の表示画像の縦の長さは前記第1の表示画像とは異なる表示画像である第2の表示画像について表示される領域の形状である正方形の辺の長さの倍数であり、前記第1の表示画像及び第2の表示画像の横の長さは同一である、
ことを特徴とする請求項1請求項2、請求項4のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記動画一覧表示画面は、複数種類の大きさの前記表示画像を含む、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項5のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記一覧表示制御部は、前記表示範囲の周囲の色を変えて表示させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記受信部は、所定の時間毎または指示が入力されたことに応じて生成される動画一覧表示画面のうち送信範囲として定められた動画一覧表示画面を受信する
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項9】
端末装置が実行する動画表示方法であって、
複数の動画データそれぞれの表示画像が周辺の他の前記表示画像と接するように配置され、表示部の表示サイズよりも大きな画面領域の動画一覧表示画面を受信する受信過程と、
前記表示部に前記受信過程において受信した前記動画一覧表示画面の一部の領域を表示範囲として表示させる一覧表示制御過程と、
表示移動操作に応じて前記動画一覧表示画面における前記表示範囲を移動させて前記表示部に表示させ、当該表示範囲が前記動画一覧表示画面の外周から所定の範囲内に達しているか否かを判定し、前記所定の範囲内に達している場合には、前記表示範囲に基づく情報とともに動画一覧表示画面の配信を要求する動画一覧配信要求を、動画一覧表示画面を送信する送信元に対して送信する表示範囲移動制御過程と、
を有し、
前記表示範囲は横の長さよりも縦の長さが長く、かつ、前記表示範囲の縦の長さは前記表示画像の縦の長さでは割り切れず、かつ、前記表示範囲の横の長さは前記表示画像の横の長さでは割り切れない、
ことを特徴とする動画表示方法。
【請求項10】
コンピュータを、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の端末装置の各部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、動画表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及とアクセス回線の広帯域化に伴い、撮影した動画を、インターネットを介して配信する技術が注目されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、複数のカメラを配置することによって複数種類の動画配信を準備し、ユーザが所望の動画を選択することを可能としている。この技術では、ユーザは選択した動画の配信を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−103522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、視聴可能な動画の縮小表示画面(サムネイル)やタイトルなどを見ながら、興味を惹く動画を選択し、視聴していた。しかし、選択肢があまりに多くなると、縮小表示画面やタイトルを1つずつチェックして、自分の興味や嗜好に合った動画を選択する作業が煩雑に思えてしまうこともあった。また、実際に1度に表示可能な動画像の数には限りがあり、選択画面に収まらない動画像の選択の機会が失われることがあった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、ユーザに選択画面に表示されている動画以外にも動画が存在することを意識させ、現在表示されている選択画面への導線を確保し、ユーザに対してより多くの動画を選択する機会を与えることができる端末装置、動画表示方法、及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の一態様は、複数の動画データそれぞれの表示画像が周辺の他の前記表示画像と接するように配置され、表示部の表示サイズよりも大きな画面領域の動画一覧表示画面を受信する受信部と、前記表示部に前記受信部が受信した前記動画一覧表示画面の一部の領域を表示範囲として表示させ、表示移動操作に応じて前記動画一覧表示画面における前記表示範囲を移動させて前記表示部に表示させ、当該表示範囲が前記動画一覧表示画面の外周から所定の範囲内に達しているか否かを判定し、前記所定の範囲内に達している場合には、前記表示範囲に基づく情報とともに動画一覧表示画面の配信を要求する動画一覧配信要求を、動画一覧表示画面を送信する送信元に対して送信する一覧表示制御部と、を備え、前記表示範囲は横の長さよりも縦の長さが長く、かつ、前記表示範囲の縦の長さは前記表示画像の縦の長さでは割り切れず、かつ、前記表示範囲の横の長さは前記表示画像の横の長さでは割り切れない、ことを特徴とする端末装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上述の端末装置であって、前記表示範囲において前記表示画像を表示させている前記動画データの音声を、前記表示範囲において所定位置に表示されている他の表示画像の表示位置との距離に応じた音量で音声出力部から出力させる音声制御部をさらに備える、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様は、上述の端末装置であって、前記動画一覧表示画面において複数の前記動画データの表示画像は、それぞれ同一の大きさであり、縦方向及び横方向に並べて配置される、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様は、上述の端末装置であって、前記一覧表示制御部は、前記表示範囲に含まれる最も外側の表示画像を前記表示範囲の外周により切れるように表示する、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、上述の端末装置であって、前記表示画像のうち第1の表示画像の縦の長さは前記第1の表示画像とは異なる表示画像である第2の表示画像について表示される領域の形状である正方形の辺の長さの倍数であり、前記第1の表示画像及び第2の表示画像の横の長さは同一である、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、上述の端末装置であって、前記動画一覧表示画面は、複数種類の大きさの前記表示画像を含む、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様は、上述の端末装置であって、前記一覧表示制御部は、前記表示範囲の周囲の色を変えて表示させる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上述の端末装置であって、前記受信部は、所定の時間毎または指示が入力されたことに応じて生成される動画一覧表示画面のうち送信範囲として定められた動画一覧表示画面を受信することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様は、端末装置が実行する動画表示方法であって、複数の動画データそれぞれの表示画像が周辺の他の前記表示画像と接するように配置され、表示部の表示サイズよりも大きな画面領域の動画一覧表示画面を受信する受信過程と、前記表示部に前記受信過程において受信した前記動画一覧表示画面の一部の領域を表示範囲として表示させる一覧表示制御過程と、表示移動操作に応じて前記動画一覧表示画面における前記表示範囲を移動させて前記表示部に表示させ、当該表示範囲が前記動画一覧表示画面の外周から所定の範囲内に達しているか否かを判定し、前記所定の範囲内に達している場合には、前記表示範囲に基づく情報とともに動画一覧表示画面の配信を要求する動画一覧配信要求を、動画一覧表示画面を送信する送信元に対して送信する表示範囲移動制御過程と、を有し、前記表示範囲は横の長さよりも縦の長さが長く、かつ、前記表示範囲の縦の長さは前記表示画像の縦の長さでは割り切れず、かつ、前記表示範囲の横の長さは前記表示画像の横の長さでは割り切れない、ことを特徴とする動画表示方法である。
【0014】
また、本発明の一態様は、コンピュータを、上述の端末装置の各部、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、ユーザに選択画面に表示されている動画以外にも動画が存在することを意識させ、現在表示されている選択画面への導線を確保し、ユーザに対してより多くの動画を選択する機会を与えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態による動画配信システムの構成を示すブロック図である。
図2】同実施形態による動画配信装置の内部構成を示すブロック図である。
図3】同実施形態による端末装置の内部構成を示すブロック図である。
図4】同実施形態による動画配信装置の動画受信処理フローを示す図である。
図5】同実施形態による端末装置の動画一覧表示処理フローを示す図である。
図6】同実施形態による動画配信装置の動画一覧配信処理フローを示す図である。
図7】同実施形態による動画一覧、配信範囲、及び、端末装置の表示範囲の関係を示す図である。
図8】同実施形態による端末装置の表示部に表示させる表示範囲を示す図である。
図9】同実施形態による端末装置の表示部が表示する動画一覧表示画面の表示例を示す図である。
図10】同実施形態による音声データの重畳割合の例を示す図である。
図11】同実施形態による端末装置の動画表示処理フローを示す図である。
図12】同実施形態による動画配信装置の動画表示画面配信処理フローを示す図である。
図13】同実施形態による動画配信装置のコメント配信処理フローを示す図である。
図14】同実施形態による端末装置の表示部が表示する動画表示画面の表示例を示す図である。
図15】同実施形態による端末装置の表示部が表示する動画表示画面の他の表示例を示す図である。
図16】同実施形態による端末装置の表示部が表示する動画表示画面の他の表示例を示す図である。
図17】同実施形態による端末装置の表示部が表示する動画一覧表示画面の他の表示例を示す図である。
図18】同実施形態による端末装置の表示部が表示する動画一覧表示画面のさらに他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による動画配信システム1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、動画配信システム1は、動画投稿装置3、動画配信装置5、及び端末装置7を備えて構成される。動画配信装置5と複数の端末装置7とは、インターネットなどのネットワーク9により接続される。なお、動画配信装置5と複数の動画投稿装置3の一部または全部が、ネットワーク9により接続されてもよい。
【0018】
動画投稿装置3は、カメラを実装したスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ端末や、通信装置が接続されたカメラなどである。
【0019】
図2は、動画配信装置5の内部構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。動画配信装置5は、1台以上のサーバコンピュータなどにより実現され、動画配信処理部51、及びコメント配信処理部53を備えて構成される。
【0020】
動画配信処理部51は、記憶部511、配置決定部512、動画受信部513、一覧表示用動画生成部514、送信範囲決定部515、動画一覧表示画面生成部516、表示位置受信部517、音声配信部518、及び動画表示画面生成部519を備えて構成される。
記憶部511は、動画一覧などの各種データを記憶する。動画一覧は、複数の動画データの表示画像を、平面を埋めるように相互に隣接させて一覧表示する際の各動画データの配置を示すデータである。配置決定部512は、動画データの表示画像を一覧表示する際の各動画データの配置を決定し、決定した配置を示す動画一覧を記憶部511に書き込む。
【0021】
動画受信部513は、動画投稿装置3から動画データを受信する。一覧表示用動画生成部514は、動画受信部513が受信した動画データから、動画一覧表示画面における表示サイズに合わせた動画データを生成する。動画一覧表示画面は、端末装置7が備えるディスプレイの表示サイズの中に複数の動画データの表示画像が含まれ、端末装置7が備えるディスプレイの表示サイズよりも大きなサイズの画面のデータである。
【0022】
送信範囲決定部515は、動画一覧における送信範囲を、端末装置7が表示可能な範囲よりも大きなサイズで決定する。送信範囲決定部515は、動画一覧表示画面上の表示位置に関する情報を端末装置7から受信した場合、受信した情報に応じて送信範囲を決定する。動画一覧表示画面生成部516は、送信範囲決定部515が決定した送信範囲に含まれる複数の動画データの表示画像を、動画一覧における配置に従って配置した動画一覧表示画面を生成し、端末装置7へ配信する。表示位置受信部517は、動画一覧表示画面を表示している端末装置7から、所定の表示位置に表示画像を表示させている動画データを特定する情報を受信する。音声配信部518は、表示位置受信部517が受信した情報により特定される動画データの音声データを配信する。
【0023】
動画表示画面生成部519は、動画データの表示要求を端末装置7から受信し、受信した表示要求により示される表示対象の動画データの画像を動画一覧表示画面における表示画像よりも大きく表示する動画表示画面を生成し、端末装置7に配信する。この動画表示画面にはさらに、表示対象の動画データの画像に隣接させて他の動画データの画像を画面の外周で切れるように表示させる。
【0024】
コメント配信処理部53は、コメント受信部531、コメント記憶部532、及びコメント配信部533を備えて構成される。
コメント受信部531は、動画表示画面生成部519が動画表示画面を配信している端末装置7から、表示対象の動画データに対するコメントデータを受信する。コメントデータは、コメント内容、コメントを投稿したユーザを識別する情報、コメントの投稿時刻などが含まれる。コメント記憶部532は、コメント受信部531が受信したコメントデータを記憶する。コメント配信部533は、動画表示画面生成部519が動画表示画面を配信している端末装置7に、その動画表示画面が表示対象としている動画データに対するコメント情報を配信する。コメント配信部533は、コメント情報をコメント記憶部532に記憶されているコメントデータに基づいて生成する。コメント情報は、コメント内容や、コメントを投稿したユーザの情報(例えば、ユーザ名)、投稿時刻などを含む。
【0025】
図3は、端末装置7の内部構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。端末装置7は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ端末により実現される。本実施形態では、端末装置7がスマートフォンである場合を例に説明する。端末装置7は、通信部71、表示部72、操作受付部73、音声出力部74、及び制御部75を備えて構成される。
【0026】
通信部71は、ネットワーク9を介して動画配信装置5との間でデータを送受信する。表示部72は、画面を表示するディスプレイであり、例えば、タッチパネルである。操作受付部73は、ユーザから種々の操作を受け付ける。表示部72がタッチパネルである場合、操作受付部73は、タッチパネルに配されているタッチセンサを介して操作を受け付ける。音声出力部74は、スピーカーであり、音声データの再生音声を出力する。
【0027】
制御部75は、各部を制御する。制御部75は、一覧表示制御部751、音声制御部752、動画表示制御部753、及びコメント処理部754を備えて構成される。
一覧表示制御部751は、表示部72の表示サイズよりも大きな動画一覧表示画面の中から、表示部72の表示サイズに応じた表示範囲を表示移動操作に応じて移動させて表示部72に表示させる。音声制御部752は、表示部72に表示させている動画一覧表示画面の表示範囲の中で、所定の表示位置に表示画像を表示させている動画データの音声データを動画配信装置5から受信し、音声出力部74から出力させる。
【0028】
動画表示制御部753は、表示部72が表示している動画一覧表示画面内の動画データの表示画像により表示対象の動画データを選択する表示指示操作を操作受付部73が受けた場合、表示対象として選択された動画データの表示要求を動画配信装置5に送信する。また、動画表示制御部753は、動画表示画面において画像を画面の外周で切れるように表示させている動画データを新たな表示対象に変更する表示対象変更操作を受けた場合に、新たな表示対象として選択された動画データの表示要求を動画配信装置5に送信する。動画表示制御部753は、表示要求に対応して動画配信装置5から受信した動画表示画面を、表示部72に表示させる。
コメント処理部754は、動画表示画面が表示対象としている動画データに対してユーザが入力したコメント内容を設定したコメントデータを動画配信装置5に送信する。また、コメント処理部754は、動画配信装置5から受信したコメント情報を動画表示画面に追加して表示させる。
【0029】
次に、動画配信システム1の動作を説明する。以下では、動画配信装置5が動画投稿装置3から受信した動画データを、端末装置7にライブ配信する場合について説明する。
【0030】
最初に、動画配信装置5が各動画投稿装置3からライブ配信する動画データを受信した時の処理について説明する。
まず、動画配信装置5の配置決定部512は、所定の条件に従って、動画データの表示画像を一覧表示する際の動画データの配置を決定し、決定した配置を示す動画一覧を記憶部511に登録しておく。例えば、動画一覧は、動画一覧における配置位置と、その配置位置に表示画像を表示する動画データの動画IDとを対応付けた情報により示される。所定の条件には、動画データに関する任意の情報を使用することができる。また、動画一覧の生成のタイミングは、所定の時間毎、指示が入力されたときなど、任意とすることができる。
【0031】
図4は、動画配信装置5における動画受信処理フローを示す図である。
動画配信装置5の動画受信部513は、ライブ配信する動画データを動画投稿装置3から受信する(図4、ステップS105)。一覧表示用動画生成部514は、動画受信部513が受信した動画データから、動画一覧表示画面における表示画像の表示サイズに合わせた動画データを生成する(図4、ステップS110)。本実施形態では、動画一覧表示画面における各表示画像の表示サイズは同一とするが、動画一覧における配置位置に応じて表示サイズが異なっていてもよい。動画一覧表示画面における表示画像の表示サイズに合わせた動画データは、例えば、縮小表示画像の動画データでもよく、動画データの表示画像の一部をトリミングした動画データであってもよい。
【0032】
続いて、図5及び図6に示す処理フローを用いて、動画配信システム1における動画一覧配信処理について説明する。
図5は、端末装置7における動画一覧表示処理フローを示す図であり、図6は、動画配信装置5における動画一覧配信処理フローを示す図である。
【0033】
図5において、端末装置7の操作受付部73が、動画一覧の配信を要求するユーザ操作を受ける。一覧表示制御部751は、動画一覧配信要求を動画配信装置5に送信する(図5、ステップS205)。
【0034】
図6において、動画配信装置5の送信範囲決定部515は、端末装置7から動画一覧配信要求を受信したか否かを判断する(図6、ステップS305)。ここでは、送信範囲決定部515は、動画一覧配信要求を受信したと判断する(図6、ステップS305:YES)。送信範囲決定部515は、動画一覧配信要求から端末装置7における動画一覧の表示位置を取得する。ここでは、動画一覧配信要求に表示位置が設定されていないため、送信範囲決定部515は、動画一覧における予め決められた初期表示位置を、表示位置として決定する。送信範囲決定部515は、記憶部511から動画一覧を読み出し、読み出した動画一覧における矩形の送信範囲を、表示位置に応じて、端末装置7が表示可能な範囲よりも所定サイズ分だけ大きなサイズで決定する(図6、ステップS310)。
【0035】
図7は、動画一覧、配信範囲、及び、端末装置7の表示範囲の関係を示す図である。本実施形態では、動画一覧は、同一の大きさの正方形の表示画像を、縦方向及び横方向にタイル状に並べて一覧表示するときの動画データの配置を示す。同図に示すように、動画一覧は、左上から動画IDがV1、V2、V3、…の動画データが配置されることを示している。仮想画面A1は、動画一覧が示す配置に従って仮想的に動画データの表示画像を配置して表示させたときの全画面を示している。例えば、送信範囲決定部515は、初期表示位置A2が中心となるように送信範囲A3を決定する。送信範囲A3は、動画一覧表示画面として端末装置7へ送信する動画一覧の範囲であり、端末装置7の表示部72が表示可能なサイズである表示範囲A4よりも大きい。なお、動画一覧表示画面内の動画データの表示画像は、表示範囲A4の外周により、表示範囲A4内に含まれる最も外側の表示画像が切れるように配置される。つまり、表示範囲A4の縦、及び横の長さは、表示画像の辺の長さでは割り切れない。
【0036】
図6において、動画一覧表示画面生成部516は、送信範囲決定部515が決定した送信範囲に含まれる配置位置それぞれに対応する動画IDを読み出す。動画一覧表示画面生成部516は、送信範囲に含まれる配置位置に、その配置位置に対応する動画IDの動画データから一覧表示用動画生成部514が生成した動画データの表示画像を配置して表示させる動画一覧表示画面を生成する(図6、ステップS315)。動画一覧表示画面には、各動画データの表示画像に、動画一覧における当該表示画像の配置位置を示す情報と、動画IDなど動画データを特定する情報とのいずれかまたは両方が付加される。一覧表示用動画生成部514は、生成した動画一覧表示画面を、動画一覧配信要求元の端末装置7に配信する(図6、ステップS320)。
【0037】
図5において、端末装置7の一覧表示制御部751は、動画配信装置5から動画一覧表示画面を受信する(図5、ステップS210)。一覧表示制御部751は、受信した動画一覧表示画面における表示範囲を決定する。
【0038】
図8は、端末装置7の表示部72に表示させる表示範囲を示す図である。一覧表示制御部751は、例えば、受信した動画一覧表示画面L1の中心が表示範囲の中心となるように、表示範囲G1を決定する。さらに、一覧表示制御部751は、表示範囲G1の中で所定の表示位置に表示画像を表示させている動画データを選択中の動画データとして決定する。例えば、一覧表示制御部751は、表示範囲の中心を含む表示位置F1に表示画像を表示させている動画データを選択中の動画データとして決定する。
【0039】
図5において、端末装置7の一覧表示制御部751は、決定した表示範囲に含まれる動画一覧表示画面を表示部72に表示させ、さらに、選択中の動画データの表示画像に選択中であることを表す情報を付加して表示させる(図5、ステップS215)。
【0040】
図9は、端末装置7の表示部72が表示する動画一覧表示画面の表示例を示す図である。同図に示すように、表示部72は、複数の動画データの表画画像を縦方向及び横方向にタイル状に並べた一覧を表示する。表示部72が表示させている最も外側の表示画像H1−H12は、表示部72の表示範囲の外周により切れるように、一部分が表示される。また、一覧表示の中心の表示画像には、選択中の動画データの表示画像であることを表す外枠Fが表示される。
【0041】
このように、表示範囲の最も外側の表示画像を見切り表示させることにより、ユーザに、表示範囲の外側にも表示画像があり、表示範囲を移動させることができるという認識を与えることができる。また、この見切り表示により、一覧表示の広がりを演出し、ユーザに動画提供サイトの楽しさやにぎやかさを感じてもらうことができる。加えて、ユーザに、現在の表示範囲の外に表示されている表示画像に対する興味を持ってもらうこともできる。
【0042】
図5において、端末装置7の音声制御部752は、一覧表示制御部751が決定した選択中の動画データを特定する情報である選択中動画情報を動画配信装置5に送信する(図5、ステップS220)。例えば、音声制御部752は、選択中の動画データの配置位置を示す情報、あるいは、動画IDを動画一覧表示画面から読み出し、選択中動画情報として用いることができる。また、ユーザが選択中の動画データを指定する操作を行ってもよい。音声制御部752は、操作受付部73が受けた操作により選択中として指定された動画データを特定する選択中動画情報を動画配信装置5に送信する。
【0043】
図6において、動画配信装置5の表示位置受信部517は、動画一覧配信要求を受信していないと判断し(図6、ステップS305:NO)、選択中動画情報を受信したか否かを判断する(図6、ステップS325)。表示位置受信部517は、選択中動画情報を受信していない場合は処理を終了するが(図6、ステップS325:NO)、ここでは、端末装置7から選択中動画情報を受信したと判断する(図6、ステップS325:YES)。表示位置受信部517は、受信した選択中動画情報により特定される動画データの音声データを、選択中動画情報の送信元の端末装置7に配信する(図6、ステップS330)。
【0044】
あるいは、音声配信部518は、選択中動画情報により特定される動画データと、その動画データの周辺に表示画像が表示されている動画データの音声を重畳した音声データを生成し、端末装置7に配信してもよい。この場合、音声配信部518は、表示位置受信部517が受信した選択中動画情報により、動画一覧における選択中の動画データの配置位置を特定する。さらに、音声配信部518は、動画一覧において選択中の動画データの配置位置から所定範囲に表示画像が配置されている他の動画データを特定する。音声配信部518は、選択中の動画データの音声データと、特定した他の動画データの音声データとを、動画一覧における表示画像の配置に応じた音量により重畳した音声データを生成する。
【0045】
図10は、音声データの重畳割合の例を示す図である。同図においては、選択中の動画データの音量を1.0とすると、選択中の動画データの配置位置A5に隣接した配置位置の動画データの音量を0.2、さらにその周辺の配置位置の動画データの音量を0.1としている。数値が記載されていない表示位置の動画データについては音声データを重畳しない。
なお、音声データを重畳する範囲や、その重畳の割合は任意とすることができる。同図では、端末装置7における表示範囲A6に表示画像が含まれない動画データについても音声を重畳しているが、表示範囲A6に表示画像が含まれる動画データのみの音声を重畳するようにしてもよい。
【0046】
このように、端末装置7に一覧表示されている動画の中で選択中の動画の音声だけではなく、その周囲の動画の音声を重畳した音声とすることにより、動画提供サイトのにぎやかさを演出し、ユーザにこのサイトの楽しさ感じてもらうことができる。
音声配信部518は、生成した音声データを端末装置7に配信する。
【0047】
図5において、端末装置7の音声制御部752は、動画配信装置5から受信した音声データの再生音声を音声出力部74から出力する(図5、ステップS225)。
【0048】
一覧表示制御部751は、現在の表示範囲が、動画一覧表示画面の外周から所定範囲内であるかを判断する(図5、ステップS230)。図8において、境界L2は、動画一覧表示画面L1の外周から所定距離の境界を表している。一覧表示制御部751は、現在の表示範囲G1が動画一覧表示画面L1の外周と境界L2の中に含まれるかを判断する。一覧表示制御部751は、現在の表示範囲が、動画一覧表示画面の外周から所定範囲に達していないと判断した場合(図5、ステップS230:NO)、操作待ちとなる。
【0049】
ここで、端末装置7の操作受付部73は、動画一覧の表示位置を移動させる表示移動操作を受ける(図5、ステップS235:YES)。例えば、表示移動操作は、表示部72が表示している画面上のスワイプ操作またはフリック操作である。一覧表示制御部751は、動画一覧表示画面における現在の表示範囲を、操作受付部73が受けた表示移動操作に応じた移動方向と移動距離により移動させて表示部72に表示させる(図5、ステップS240)。
【0050】
一覧表示制御部751は、図8に示すように、動画一覧表示画面L1における現在の表示範囲G1を、操作受付部73が受けた表示移動操作に応じて表示範囲G2に移動させ、表示部72に表示させる。このとき、一覧表示制御部751は、表示範囲G2を、表示範囲G2内に含まれる最も外側の表示画像が、表示範囲G2の外周により切れるように決める。さらに、一覧表示制御部751は、移動後の表示範囲G2の中心が含まれる表示位置F2に表示画像を表示させている動画データを選択中の動画データとして決定する。一覧表示制御部751は、選択中であることを表す外枠Fを、表示位置F1の表示画像から表示位置F2の表示画像へと移動させて表示させる。
【0051】
動画配信システム1は、図5のステップS220からの処理を繰り返す。すなわち、端末装置7の音声制御部752は、一覧表示制御部751が決定した選択中の動画データを特定する情報である選択中動画情報を動画配信装置5に送信する(図5、ステップS220)。動画配信装置5の表示位置受信部517は、選択中動画情報を受信する(図6、ステップS305:NO、ステップS325:YES)。音声配信部518は、選択中動画情報により特定される動画データの音声データを端末装置7に配信する(図6:ステップS330)。端末装置7の音声制御部752は、動画配信装置5から受信した音声データの再生音声を音声出力部74から出力する(図5、ステップS225)。一覧表示制御部751は、現在の表示範囲G2が、動画一覧表示画面の外周から所定範囲に達していないと判断し(図5、ステップS230:NO)、操作待ちとなる。
【0052】
さらに、端末装置7の操作受付部73は、動画一覧の表示位置を移動させる表示移動操作を受けたとする(図5、ステップS235:YES)。一覧表示制御部751は、図8に示すように、動画一覧表示画面L1における現在の表示範囲G2を、表示移動操作に応じて表示範囲G3に移動させ、表示部72に表示させる。このとき、一覧表示制御部751は、表示範囲G3を、表示範囲G3内に含まれる最も外側の表示画像が、表示範囲G3の外周により切れるように決める。さらに、一覧表示制御部751は、表示範囲G3の中心が含まれる表示位置F3に表示画像を表示させている動画データを選択中の動画データとして決定する。一覧表示制御部751は、選択中であることを表す外枠Fを、表示位置F2の表示画像から表示位置F3の表示画像へと移動させて表示させる。端末装置7の音声制御部752は、一覧表示制御部751が決定した選択中の動画データを特定する情報である選択中動画情報を動画配信装置5に送信する(図5、ステップS220)。動画配信装置5の表示位置受信部517は、選択中動画情報を受信する(図6:ステップS305:NO、ステップS325:YES)。音声配信部518は、選択中動画情報により特定される動画データの音声データを端末装置7に配信する(図6、ステップS330)。端末装置7の音声制御部752は、動画配信装置5から受信した音声データの再生音声を音声出力部74から出力する(図5、ステップS225)。
【0053】
一覧表示制御部751は、表示範囲G3が動画一覧表示画面L1の外周と境界L2の中に含まれるため、現在の表示範囲が、動画一覧表示画面の外周から所定範囲内となったと判断する(図5、ステップS230:YES)。一覧表示制御部751は、動画の表示位置を示す情報を設定した動画一覧配信要求を動画配信装置5に送信する(図5、ステップS245)。動画の表示位置を示す情報として、表示範囲G3の所定の表示位置、例えば、表示範囲G3の中心が含まれる表示画像の配置位置を示す情報、あるいは、その配置位置に表示画像を表示させている動画データの動画IDを用いることができる。
【0054】
図6において、動画配信装置5の送信範囲決定部515は、端末装置7から動画一覧配信要求を受信する(図6、ステップS305:YES)。送信範囲決定部515は、動画一覧配信要求から表示位置を示す情報を取得する。送信範囲決定部515は、記憶部511から動画一覧を読み出し、読み出した動画一覧における矩形の送信範囲を、取得した情報が示す表示位置に応じて、端末装置7が表示可能な範囲よりも所定サイズ分だけ大きなサイズで決定する(図6、ステップS310)。
【0055】
例えば、送信範囲決定部515は、図7に示すように、動画一覧配信要求から読み出した情報が示す表示位置A7が中心となるように送信範囲A8を決定する。送信範囲A8は、送信範囲A3と同じサイズであり、端末装置7における現在の表示範囲A9が少なくとも含まれる。
【0056】
図6において、動画一覧表示画面生成部516は、送信範囲決定部515が決定した送信範囲に含まれる配置位置それぞれに対応する動画IDを読み出す。動画一覧表示画面生成部516は、送信範囲に含まれる配置位置に、その配置位置に対応する動画IDの動画データから一覧表示用動画生成部514が生成した動画データの表示画像を配置して表示させる動画一覧表示画面を生成する(図6、ステップS315)。一覧表示用動画生成部514は、生成した動画一覧表示画面を端末装置7に配信する(図6、ステップS320)。
【0057】
図5において、端末装置7の一覧表示制御部751は、動画配信装置5から新たな動画一覧表示画面を受信する(図5、ステップS250)。一覧表示制御部751は、受信した新たな動画一覧表示画面における現在の表示範囲を特定し、操作待ちとなる(図5、ステップS255)。端末装置7の操作受付部73は、動画一覧の表示位置を移動させる表示移動操作を受けた場合(図5、ステップS235:YES)、新たな動画一覧表示画面を用いてステップS240以降の処理を行う。これにより、端末装置7は、新たな動画一覧表示画面の表示範囲を、表示移動操作に応じて、特定した前記表示範囲から移動させて表示部72に表示させる。
【0058】
そして、操作待ち状態において、操作受付部73が、動画データの表示指示操作を受信した場合(図5、ステップS235:NO、ステップS260:YES)、端末装置7は、後述する図11に示す動画表示処理フローを実行する。動画データの表示指示操作は、表示部72が表示している画面において、ユーザが表示対象の動画データの画像の表示領域をタップする操作またはダブルタップする操作である。なお、操作待ち状態において、操作受付部73が、表示移動操作、及び、表示指示操作以外の操作を受けた場合(図5、ステップS260:NO)、制御部75は、その操作に応じた処理を行う(図5、ステップS265)。端末装置7は、操作待ち状態となり、ステップS235からの処理を行うか、図5の処理を終了する。
【0059】
なお、一覧表示制御部751は、一回の表示移動操作による移動量を制限してもよい。これにより、表示範囲がすぐに動画一覧表示画面の外周から所定範囲内となって頻繁に動画配信要求を送信することや、次の動画一覧表示画面を受信する前に、表示範囲が現在の動画一覧表示画面外の範囲を含むようになることを防ぐ。
【0060】
なお、端末装置7が過去に動画一覧表示画面を受信して表示していた場合、図5のステップS205において、一覧表示制御部751は、動画一覧表示画面における最後の表示位置を示す情報を動画一覧配信要求に設定してもよい。
【0061】
続いて、図11から図13に示す処理フローを用いて、動画配信システム1における動画配信処理について説明する。図11は、端末装置7における動画表示処理フローを示す図である。図12は、動画配信装置5における動画表示画面配信処理フローを示す図であり、図13は、動画配信装置5におけるコメント配信処理フローを示す図である。
【0062】
図11において、端末装置7の動画表示制御部753は、表示指示操作により表示対象として選択された動画データを特定する表示対象動画情報を設定した表示要求を送信する(図11、ステップS405)。動画表示制御部753は、選択された動画データの動画IDあるいは配置位置を示す情報を動画一覧表示画面から読み出し、表示対象動画情報として用いることができる。
【0063】
図12において、動画配信装置5の動画表示画面生成部519は、表示要求を受信したか否かを判断する(図12、ステップS505)。動画表示画面生成部519は、表示要求を受信していないと判断した場合、処理を終了するが(図12、ステップS505:NO)、ここでは、表示要求を受信したと判断する(図12、ステップS505:YES)。動画表示画面生成部519は、表示要求の送信元の端末装置7にすでに動画表示画面を送信中であるか否かを判断する(図12、ステップS510)。動画表示画面生成部519は、表示要求の送信元の端末装置7にまだ動画表示画面を送信していないと判断した場合(図12、ステップS510:NO)、ステップS515の処理を行う。
【0064】
動画表示画面生成部519は、受信した表示要求に設定されている表示対象動画情報から表示対象の動画データの動画ID(以下、「表示対象動画ID」と記載する。)を取得する。表示対象動画情報が配置位置を示す場合、動画表示画面生成部519は、その配置位置に対応した動画IDを動画一覧から読み出し、表示対象動画IDとする。動画表示画面生成部519は、動画一覧において、表示対象動画IDに対応した配置位置を特定し、特定した配置位置に隣接する配置位置の他の動画データの動画IDを読み出す。本実施形態では、動画表示画面生成部519は、表示対象動画IDに対応した配置位置に対して、右側に隣接する配置位置の動画ID(以下、「右隣接動画ID」と記載する。)及び左側に隣接する配置位置の動画ID(以下、「左隣接動画ID」と記載する。)を読み出す。
【0065】
動画表示画面生成部519は、動画受信部513が受信している動画データの中から、表示対象動画IDにより特定される表示対象の動画データと、右隣接動画IDにより特定される動画データと、左隣接動画IDにより特定される動画データを取得する。動画表示画面生成部519は、表示対象の動画データの画像を動画一覧表示画面における表示画像よりも大きく表示するとともに、その画像に隣接させて、動画一覧において隣接した配置位置の動画データの画像を画面の外周で切れるように表示する動画表示画面を生成する(図12、ステップS515)。例えば、動画表示画面生成部519は、動画表示画面に、表示対象の動画データの画像の右側に隣接して、右隣接動画IDの動画データの画像を配置し、表示対象の動画データの画像の左側に隣接して、左隣接動画IDの動画データの画像を配置する。動画表示画面には、表示される各動画データの動画IDが付加される。動画一覧表示画面生成部516は、生成した動画表示画面を、表示要求の送信元の端末装置7に配信する(図12、ステップS520)。
【0066】
図11において、端末装置7の動画表示制御部753は、動画配信装置5から動画表示画面を受信する(図11、ステップS410)。コメント処理部754は、表示対象の動画データの動画IDを設定したコメント配信要求を動画配信装置5に送信する(図11、ステップS415)。
【0067】
図13において、動画配信装置5のコメント配信処理部53は、コメント配信要求を受信したか否かを判断する(図13、ステップS605)。ここでは、コメント配信処理部53が、コメント配信要求を受信したと判断する(図13、ステップS605:YES)。コメント配信部533は、コメント配信要求に設定されている動画IDを取得する。コメント配信部533は、取得した動画IDに対応付けられたコメントデータをコメント記憶部532から、投稿時刻が新しい順に所定数読み出す。コメントデータには、コメントの対象である動画データの動画ID、コメント投稿時刻、コメントを投稿したユーザのユーザID、コメント内容のテキストデータが含まれる。コメント配信部533は、読み出したコメントデータそれぞれについて、コメントデータに設定されているユーザIDと対応付けて予め記憶部511またはコメント記憶部532に記憶されているユーザ名及びアイコン画像データを読み出す。コメント配信部533は、コメントデータのコメント内容及び投稿時刻と、コメントデータのユーザIDに基づいて読み出したユーザ名及びアイコン画像データとを設定したコメント情報を生成する(図13、ステップS610)。コメント配信部533は、コメント配信要求の送信元である端末装置7に対し、生成したコメント情報を送信する(図13、ステップS615)。
【0068】
図11において、端末装置7のコメント処理部754は、動画配信装置5からコメント情報を受信する(図11、ステップS420)。動画表示制御部753は、ステップS410において受信した動画表示画面を表示部72に表示させる(図11、ステップS425)。さらに、コメント処理部754は、表示部72が表示させている動画表示画面に付加して、ステップS420において受信したコメント情報を投稿時刻の順に表示させる(図11、ステップS430)。
【0069】
図14及び図15は、端末装置7の表示部72が表示する動画表示画面の表示例を示す図である。
図14は、表示部72が縦長の状態であるときの表示例である。同図に示すように、表示部72が表示している画面は、動画表示領域B1とコメント表示領域B2を有し、コメント表示領域B2は動画表示領域B1の下に配置される。動画表示領域B1は、表示領域B11、B12、B13からなる。表示領域B11には、表示対象の動画データの表示画像が表示される。また、表示領域B11の右側に隣接する表示領域B12には、右隣接動画IDの動画データの画像が表示され、表示領域B11の左側に隣接する表示領域B13には、左隣接動画IDの動画データの画像が表示される。右隣接動画IDの動画データ及び左隣接動画IDの動画データは、動画データの画像が表示部72の外周で切れるように、見切り表示される。コメント表示領域B2には、投稿時刻が新しい順にコメント情報が表示される。各コメント情報の表示には、ユーザ名B21、アイコン画像データB22、コメント内容B23、及び投稿時間B24が含まれる。コメント処理部754は、投稿時間B24を、現在時刻と投稿時刻との差分に基づいて随時更新して表示させる。
【0070】
図15は、表示部72が横長の状態のときの表示例である。同図に示すように、表示部72が表示している画面は、動画表示領域C1とコメント表示領域C2を有し、コメント表示領域C2は動画表示領域C1上の下部に重ねて配置される。動画表示領域C1は、表示領域C11、C12、C13からなる。表示領域C11には、表示対象の動画データの表示画像が表示される。また、表示領域C11の右側に隣接する表示領域C12には、右隣接動画IDの動画データの画像が表示され、表示領域C11の左側に隣接する表示領域C13には、左隣接動画IDの動画データの画像が表示される。右隣接動画IDの動画データ及び左隣接動画IDの動画データは、動画データの画像が表示部72の外周で切れるように、見切り表示される。コメント表示領域C2には、投稿時刻が新しい順にコメント情報が表示される。各コメント情報の表示には、ユーザ名C21、アイコン画像データC22、コメント内容C23、及び投稿時間C24が含まれる。
【0071】
図14、及び図15に示すような動画表示画面を端末装置7に表示させることで、ユーザは、表示対象の動画データを見ながら、他の動画データも一部を見ることができる。よって、表示対象として指定した動画を視聴する際に煩わしさを感じさせることなく、ユーザが他の動画データへ興味を持ちやすくすることができる。また、両側の動画データについては画面の外周で切れるように一部のみを表示することにより、興味を持った場合には、その動画データに表示対象を移動させることが可能なことをユーザが認識できるようにしている。
【0072】
表示部72が動画表示画面を表示させているときに、操作受付部73が、ユーザによるコメント入力操作を受けたとする。図11において、端末装置7のコメント処理部754は、コメント入力を受けたと判断し(図11、ステップS435:YES)、コメントデータを動画配信装置5に送信する(図11、ステップS440)。コメントデータには、表示対象の動画データの動画ID、ユーザID、操作受付部73が受けたコメント内容、コメント投稿時刻が設定される。
【0073】
図13において、動画配信装置5のコメント配信処理部53は、コメント配信要求を受信していないと判断し(図13、ステップS605:NO)、コメントデータを受信したか否かを判断する(図13、ステップS620)。コメント配信処理部53は、コメントデータを受信していないと判断した場合は処理を終了するが(図13、ステップS620:NO)、ここでは、コメントデータを受信したと判断する(図13、ステップS620:YES)。コメント受信部531は、受信したコメントデータをコメント記憶部532に追加保存する(図13、ステップS625)。
【0074】
コメント配信部533は、追加保存したコメントデータに設定されているユーザIDと対応付けて予め記憶部511またはコメント記憶部532に記憶されているユーザ名及びアイコン画像データを読み出す。コメント配信部533は、コメントデータのコメント内容及び投稿時刻と、コメントデータのユーザIDに基づいて読み出したユーザ名及びアイコン画像データとを設定したコメント情報を生成する(図13、ステップS630)。コメント配信部533は、追加保存したコメントデータに設定されている動画IDの動画データを視聴しているユーザの端末装置7へ生成したコメント情報を配信する(図13、ステップS635)。つまり、コメント情報の配信先の端末装置7は、動画表示画面生成部519が、追加保存したコメントデータに設定されている動画IDの動画データを表示対象とした動画表示画面を配信している端末装置7である。この端末装置7には、コメントデータ送信元の端末装置7と、コメントデータ送信元の端末装置7と同じ動画データを表示対象としている他の端末装置7とが含まれる。
【0075】
図11において、コメントデータ送信元の端末装置7のコメント処理部754は、ステップS440の処理の後、動画配信装置5からコメント情報を受信し(図11、ステップS445:YES)、ステップS430からの処理を行う。一方、他の端末装置7のコメント処理部754は、ステップS435においてコメント入力がないと判断した後(図11、ステップS435:NO)、コメント情報を受信し(図11、ステップS445:YES)、ステップS430からの処理を行う。
【0076】
コメント処理部754は、表示部72が表示させている動画表示画面に、受信したコメント情報を最も新しいコメント情報として追加表示させる(図11、ステップS430)。コメント処理部754は、すでにコメント情報を表示可能な数だけ表示部72に表示させている場合、投稿時刻が最も古いコメント情報の表示を削除し、受信したコメント情報を追加表示させる。これにより、コメント処理部754は、動画表示画面に、表示対象の動画データに対して自端末装置または他の端末装置7において入力されたコメント内容を表示する。
【0077】
端末装置7のコメント処理部754が、コメントの入力がなく(図11、ステップS430:NO)、コメント情報を受信していないと判断した場合(図11、ステップS445:NO)、動画表示制御部753は、表示対象変更操作を受けたか否かを判断する(図11、ステップS450)。表示対象変更操作は、表示部72が表示している画面上のスワイプ操作またはフリック操作である。例えば、図14の表示領域B12あるいは図15の表示領域C12に表示されている動画データを新たな表示対象とする場合、表示対象変更操作は、右から左方向へのフリック操作またはスワイプ操作である。同様に、図14の表示領域B13あるいは図15の表示領域C13に表示されている動画データを新たな表示対象とする場合、表示対象変更操作は、左から右方向へのフリック操作またはスワイプ操作である。動画表示制御部753は、表示対象変更操作を受けたと判断した場合(図11、ステップS450:YES)、ステップS405からの処理を繰り返す。ただし、ステップS405において、動画表示制御部753は、表示対象変更操作に応じて新たな表示対象の動画データを判断し、新たな表示対象と判断した動画データの動画IDを表示対象動画情報として設定した表示要求を送信する。なお、表示対象動画情報として、現在の表示対象の動画データの動画IDと、表示対象変更操作の方向とを示す情報を用いてもよい。
【0078】
図12において、動画配信装置5の動画表示画面生成部519は、表示要求を受信したと判断し(図12、ステップS505:YES)、さらに、表示要求の送信元の端末装置7にすでに動画表示画面を送信中であると判断する(図12、ステップS510:YES)。動画表示画面生成部519は、表示要求に設定されていて表示対象動画情報から動画IDを読み出し、表示対象動画IDとする。なお、表示対象動画情報が、現在の表示対象の動画データの動画IDと表示対象変更操作の方向とを示す場合、動画表示画面生成部519は、動画一覧においてその動画IDに対応した配置位置を特定する。そして、動画表示画面生成部519は、特定した配置位置に、表示対象変更操作の方向に対応した方向(例えば、操作の方向が右から左であれば右)に隣接する配置位置の動画IDを表示対象動画IDとして取得する。
【0079】
動画表示画面生成部519は、動画一覧において、表示対象動画IDに対応した配置位置を特定し、右隣接動画ID及び左隣接動画IDを読み出す。動画表示画面生成部519は、端末装置7に現在配信している動画表示画面から、新たな表示対象の動画データの画像を、現在の表示対象の動画データの画像が表示されている表示領域へと移動させて表示する動画表示画面を生成する(図12、ステップS525)。生成する動画表示画面においては、新たな表示対象の動画データの画像の右側に隣接して右隣接動画IDの動画データの画像を、表示対象の動画データの画像の左側に隣接して左隣接動画IDの動画データの画像を表示させる。動画表示画面生成部519は、生成した動画表示画面を表示要求の送信元の端末装置7に配信する(図12、ステップS520)。
【0080】
図12のステップS410において、端末装置7の動画表示制御部753が、動画配信装置5から動画表示画面を受信した以降の処理は、上記と同様である。
そして、ステップS450において、動画表示制御部753は、表示対象変操作を受けていないと判断した場合(図11、ステップS450:NO)、表示対象の動画データが終了したか否かを判断する(ステップS455)。動画表示制御部753は、終了していないと判断した場合はステップS435からの処理を繰り返し(図11、ステップS455:NO)、終了と判断した場合は処理を終了する(図11、ステップS455:YES)。
【0081】
なお、上記において、動画表示画面は、表示対象の動画データの画像の右側と左側に隣接させて他の動画データの画像を一部分だけ表示させているが、表示対象の動画データの画像の上側と下側に隣接させて他の動画データの画像を一部分だけ表示させるようにしてもよい。この場合、図12のステップS515、及びステップS525において、動画表示画面生成部519は、表示対象動画IDに対応した配置位置に対して、上側に隣接する配置位置の動画ID(以下、「上隣接動画ID」と記載する。)及び下側に隣接する配置位置の動画ID(以下、「下隣接動画ID」と記載する。)を読み出す。動画表示画面生成部519は、表示対象の動画データの画像の上側に隣接して、上隣接動画IDの動画データの画像を表示し、表示対象の動画データの画像の下側に隣接して、下隣接動画IDの動画データの画像を表示する動画表示画面を生成する。
また、動画表示画面は、表示対象の動画データの画像の右側と左側に隣接させて他の動画データの画像を一部分だけ表示させているが、全部を表示させてもよい。
【0082】
なお、上記において、動画表示画面は、他の動画データを新たな表示対象として選択して表示可能であることを表す情報として、表示対象の動画データの画像の右側及び左側、あるいは、上側及び下側に隣接させて他の動画データの画像を、画面の外周で切れるようにして一部分だけ表示しているが、他の情報を用いてもよい。
図16は、端末装置7の表示部72が表示する動画表示画面の他の表示例を示す図であり、表示部72が縦長の状態であるときの表示例である。同図では、他の動画データを動画表示画面における新たな表示対象として選択して表示可能であることを表す情報として矢印B31、B32を用いている。動画表示画面は、図14の表示領域B12あるいは図15の表示領域C12に対応する領域に、一覧表示において表示対象の動画データの右側に隣接する動画データを新たな表示対象として選択可能であることを表す矢印B31を表示する。また、動画表示画面は、図14に示す表示例の表示領域B13あるいは図15の表示領域C13に対応する領域には、一覧表示において表示対象の動画データの左側に隣接する動画データを新たな表示対象として選択可能であることを表す矢印B32を表示する。
【0083】
また、上記において、動画表示画面は、他の動画データを新たな表示対象として選択して表示可能であることを表す情報を、表示対象の動画データの画像に隣接させて表示しているが、他の位置に表示してもよい。
【0084】
また、動画配信装置5の動画表示画面生成部519は、動画表示画面において、表示対象の動画データの画像に隣接させて画像を表示する他の動画データを、所定の時間毎に変更してもよい。いずれの動画データに入れ替えるかは任意に決めることができる。
また、上記では動画一覧表示画面において、動画データの正方形の表示画像を同一の大きさにより縦方向及び横方向にタイル状に並べて配置しているが、表示画像の大きさが複数種類であってもよく、正方形以外の表示画像を並べて配置してもよい。例えば、表示画像の縦方向の長さを正方形の倍数とし、横方向の長さは任意としてもよい。
【0085】
また、動画配信装置5の動画一覧表示画面生成部516は、送信範囲に表示画像を表示させるライブ配信の動画データを受信していない場合、その動画データに関連付けて予め記憶部511に記憶されているコンテンツデータを読み出す。動画一覧表示画面生成部516は、読み出したコンテンツデータの表示画像を、ライブ配信の動画データの代わりに表示させる動画一覧表示画面を生成する。例えば、コンテンツデータは、ライブ配信の開始時刻や、ライブ配信の終了を知らせる静止画データや動画データとすることができる。
【0086】
また、上記においては、ライブ映像の動画データを用いた例を説明したが、動画配信装置5は、記憶部511に予め記憶されているアップロードされた動画データを用いて、上記の処理を行ってもよい。この場合、端末装置7のコメント処理部754から送信するコメントデータには、さらに、コメント内容が投稿された時点における、動画データの再生開始時点を基準とした動画再生時間を示すコメント付与時間がさらに付加される。また、動画配信装置5のコメント配信部533から配信されるコメント情報にもコメント付与時間が付加される。端末装置7のコメント処理部754は、動画表示画面により表示している動画データの動画再生時間と一致した動画再生時間が含まれるコメント情報を読み出し、動画表示画面に付加して表示させる。
なお、端末装置7の操作受付部73が、コメント表示をしない旨の操作を受けた場合、コメント処理部754は、動画配信装置5からコメント情報が配信されても表示させないようにしてもよい。
【0087】
なお、上記において、端末装置7の表示部72が動画一覧表示画面を表示させる際、表示範囲の外側にも表示画像があり、表示範囲を移動させることが可能なことを表す情報として、表示部72が表示させている最も外側の表示画像を、表示部72の表示範囲の外周により切れるように表示しているが、他の情報を用いてもよい。例えば、動画配信装置5の動画一覧表示画面生成部516は、端末装置7における動画一覧表示画面の表示範囲に付加して、表示範囲を移動させることが可能なことを表す情報を表示する動画一覧表示画面を生成する。
【0088】
図17は、端末装置7の表示部72が表示する動画一覧表示画面の他の表示例を示す図である。一覧表示制御部751は、図5のステップS215で決定した表示範囲の周囲の色を変えて、表示部72に表示させる。
【0089】
図18は、端末装置7の表示部72が表示する動画一覧表示画面のさらに他の表示例を示す図である。同図に示すように、一覧表示制御部751は、図5のステップS215で決定した表示範囲の上、下、右、左側に、それぞれ矢印を表示させる。なお、これらの矢印は、表示範囲内に表示させてもよい。
【0090】
以上説明した実施形態によれば、ユーザは、タイル状に並べられた動画一覧の表示範囲を移動させながら視聴する動画を選択する。また、ユーザが、選択した動画を視聴するときには、他の動画の一部がその両側に選択可能に表示されるなど、他の動画データを新たな表示対象として選択して表示可能であることを表す情報が表示される。よって、端末装置が現在表示している動画一覧に含まれる動画や、表示対象としている動画以外にも他の動画が存在することをユーザに意識させ、他の動画への導線を確保することができる。よって、ユーザに対してより多くの動画を選択する機会を提供することが可能となる。加えて、ユーザは、所望の動画を、楽しみながら、容易に見つけて視聴することが可能となる。
【0091】
なお、上述の動画配信装置5及び端末装置7は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、動画配信装置5及び端末装置7の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0092】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0093】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0094】
1…動画配信システム, 3…動画投稿装置, 5…動画配信装置, 7…端末装置, 9…ネットワーク, 51…動画配信処理部、 53…コメント配信処理部、 71…通信部(受信部)、 72…表示部、 73…操作受付部、 74…音声出力部、 75…制御部、 511…記憶部、 512…配置決定部、 513…動画受信部、 514…一覧表示用動画生成部、 515…送信範囲決定部、 516…動画一覧表示画面生成部、 517…表示位置受信部、 518…音声配信部、 519…動画表示画面生成部、 531…コメント受信部、 532…コメント記憶部、 533…コメント配信部、 751…一覧表示制御部、 752…音声制御部、 753…動画表示制御部(動画再表示制御部)、 754…コメント処理部
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